JP5973614B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents
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Description
一方、セラミド等を用いずにラメラ構造を形成させる技術として、脂肪酸アルギニン塩を用いる技術が知られている(非特許文献2)。
さらに、脂肪酸アルギニン塩に高級アルコールや界面活性剤を組合せた化粧料も検討されている(例えば、特許文献2)。
また、セラミドは結晶化し易いため、セラミドに対して多量の乳化剤を使用する方法も提案されているが、使用時に肌へのなじみが悪いという問題もあった。
さらに、セラミド自体が高価であるため、汎用性の面で課題があった。
非特許文献2、特許文献2のように、セラミドを使用せず、脂肪酸アルギニン塩を用いる技術は、油剤の安定性や保湿性等の点で不十分なものであった。
本発明は、化粧料を皮膚に塗布した後、皮膚表面にラメラ構造を有する化粧塗布膜を形成させることにより、組成物中での油剤の安定性に優れ、油性感がなくさらさらした感触で、保湿性が高く、肌のやわらかさや、ツヤが持続する皮膚化粧料に関する。
一方、従来の多くの化粧料では、製剤中でコンセントリックラメラを形成していたとしても、塗布後の皮膜においてラメラが消失している。従って、このようなラメラの構造及び特性が、本発明の油剤安定性、水分閉塞性及び肌のやわらかさや、ツヤの持続性、油性感が少なくさらさらした感触といった点で優れた効果に寄与していると思われる。
一般に、ラメラ構造の存在は、小角X線回折測定を行い、得られたX線回折プロファイルに、ラメラ構造に特徴的な繰り返しの回折ピークが観察されることで確認できる。本発明において、コンセントリックラメラは偏光顕微鏡(試料厚さ:25mm)で確認できる。すなわち、マルテーゼクロスが見えるのが、コンセントリックラメラの存在を示す。
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜7質量%、
(B)有機塩基 0.01〜5質量%、
(C)無機塩基 0.01〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.6〜7質量%、
(E)油剤 0.1〜20質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量が、(A)+(D)=1〜14質量%であり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比が、(A)/[(A)+(D)]=0.1〜0.9であり、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比が、(B)/[(B)+(C)]=5〜50モル%であり、成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]のモル比が、[(B)+(C)]/(A)=80モル%を超え120モル%以下である、皮膚化粧料に関する。
本発明で用いられる成分(A)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和脂肪酸が好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和脂肪酸がより好ましく、また、化粧料中で安定なラメラ状の構造体を形成する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる少なくともいずれか1種が更に好ましい。さらには、ラメラ状構造体の安定性の観点から、ステアリン酸がより好ましい。
成分(A)の含有量は、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、全組成中に0.5質量%以上であり、1.5質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、7質量%以下であり、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.5〜7質量%であり、1.5〜6質量%が好ましく、2.5〜5質量%がより好ましい。
本発明で用いられる成分(B)は、有機塩基であり、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルアミン、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン、塩基性アミノ酸が挙げられる。成分(B)は、成分(A)の中和剤として機能する。
具体的には、アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等が挙げられ、アミノメチルプロパノールが好ましい。塩基性アミノ酸としては、リジン、ヒスチジン、アルギニン等が挙げられ、アルギニンが好ましいい。アルギニンの中ではL−アルギニンが好ましい。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点、結晶の析出を抑制する観点、及び保湿性を高める観点から、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸が好ましく、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更に好ましく、アミノメチルプロパノール又はアルギニンが更により好ましく、アルギニンがより好ましい。アルギニンの中ではL−アルギニンが好ましい。
成分(B)の含有量は、皮膚化粧料のラメラ構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.01質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、5質量%以下であり、2.5質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.01〜5質量%であり、0.1〜2.5質量%が好ましく、0.2〜1.8質量%がより好ましい。
なお、成分(B)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(B)の含有量は、有機塩基に換算した量である。
本発明で用いられる成分(C)は、無機塩基であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。成分(C)は、成分(A)の中和剤として機能する。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、更に水酸化ナトリウムがより好ましい。
成分(C)の含有量は、皮膚化粧料のラメラ構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.01質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、1質量%以下であり、0.75質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.01〜1質量%であり、0.1〜0.75質量%が好ましく、0.2〜0.6質量%がより好ましい。
なお、成分(C)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(C)の含有量は、無機塩基に換算した量である。
成分(B)と成分(C)の組み合わせは、同様の観点から、成分(B)がアミノメチルプロパノール又はアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであるのが好ましく、成分(B)がアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウムであるのがより好ましい。
本発明で用いられる成分(D)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールであり、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールが好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましく、成分(A)が形成する化粧料中のラメラ状の構造を安定化する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、セチルアルコール又はステアリルアルコールが更に好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含むことが更により好ましい。セチルアルコールとステアリルアルコールとを含有する場合、それぞれ独立に、あるいは混合して配合してもよいし、更にはその混合物であるセトステアリルアルコールを配合してもよい。
さらに、成分(D)は、少なくとも前記の炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールから選ばれる1種又は2種以上用いることができ、含有量は、化粧料中のラメラ状の構造を安定化する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、全組成中0.5質量%以上であり、0.6質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上が更により好ましく、7質量%以下であり、6.5質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5.5質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が更により好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.5〜7質量%であり、0.6〜6.5質量%以下が好ましく、0.8〜6質量%がより好ましく、1.5〜5.5質量%が更に好ましく、2.5〜5質量%が更により好ましい。
本発明で用いられる成分(E)の油剤は、成分(A)及び(D)以外のものであり、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素油;セチルジメチルブチルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等のエーテル油;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタノイン、安息香酸アルキルエステル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油;パーフルオロアルキルエチルリン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系油などが挙げられる。また、これら油剤は植物由来のものであってもよい。
なお、本発明において、SP値は、van Krevelen の計算式により求められる。
成分(E)の含有量は、化粧料の乾燥皮膜のツヤを向上させる観点から、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、20質量%以下であり、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.1〜20質量%であり、0.5〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(F)は、水であり、本発明の化粧料の溶剤となる。成分(F)は、各成分の残量となり、成分(A)〜(F)の組み合わせにより、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成することができる。
成分(F)の含有量は、化粧料中で安定なラメラ状の構造体を形成する観点、及び該ラメラとして、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点から、全組成中に50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に50〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましい。
本発明においては、上記のようなラメラ構造を形成させやすく、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、ツヤを向上させる、及び泡立ちを抑制する観点から、非イオン性界面活性剤を含有することができる。
また、非イオン性界面活性剤は、本発明の皮膚化粧料を指で肌に塗布する際、肌と指との間で生じる摩擦により発生する細かい泡により、肌が白くなることを抑制することができる。この結果、塗布した際、化粧料を肌に良くなじませることができる。
これら非イオン性界面活性剤のうち、塗布時の細かい泡の発生を抑制する観点から、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールエーテルがより好ましい。
本発明においては、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、非イオン性界面活性剤を含有することができる。
イオン性界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
更に、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミドプロピルベタインが挙げられる。
また、成分(H)の含有量は、緻密性の高い膜を有するコンセントリックラメラを形成する観点、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、全成組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。また、成分(H)の含有量は、全組成中に0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1.8質量%がより好ましく、0.3〜1.5質量%が更に好ましい。
さらに、本発明の皮膚化粧料は、成分(A)及び(D)以外の固体脂を含有することができる。その含有量は、ラメラ状の構造を安定化する観点から、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がさらにより好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、皮膚、好ましくは、頭皮を除く、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布することにより、保湿することができ、ツヤだしをすることもできる。
前述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物、及び、その使用方法又はその製造方法を開示する。
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜7質量%、
(B)有機塩基 0.01〜5質量%、
(C)無機塩基 0.01〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜7質量%、
(E)油剤 0.1〜20質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量が、(A)+(D)=1〜14質量%であり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比が、(A)/[(A)+(D)]=0.1〜0.9であり、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比が、(B)/[(B)+(C)]=5〜50モル%であり、成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]のモル比が、[(B)+(C)]/(A)=80モル%を超え120モル%以下である、皮膚化粧料。
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜7質量%、
(B)有機塩基 0.01〜5質量%、
(C)無機塩基 0.01〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.6〜7質量%、
(E)油剤 0.1〜20質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量が、(A)+(D)=1〜14質量%であり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比が、(A)/[(A)+(D)]=0.1〜0.9であり、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比が、(B)/[(B)+(C)]=5〜50モル%であり、成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]のモル比が、[(B)+(C)]/(A)=80モル%を超え120モル%以下である、皮膚化粧料。
<4>成分(A)が、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸から選ばれる少なくともいずれか1種であって、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる少なくともいずれか1種がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<5>成分(A)の含有量が、好ましくは全組成中に1.5質量%以上であって、2.5質量%以上がより好ましく、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<7>成分(B)が、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸であって、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<8>成分(B)が、好ましくは、アミノメチルプロパノール又はアルギニンであって、アルギニンがより好ましく、アルギニンの中ではL−アルギニンが好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<9>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<11>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.75質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<12>成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(C)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}が、好ましくは、(B)/[(B)+(C)]=10〜40モル%であって、15〜30モル%がより好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<13>成分(A)に対する、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}が、好ましくは、[(B)+(C)]/(A)=90〜100モル%であって、95〜100モル%がより好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<14>成分(B)と成分(C)の組み合わせが、好ましくは、成分(B)がアミノメチルプロパノール又はアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであって、成分(B)がアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウムであるのがより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<16>成分(D)が、好ましくは、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールら選ばれる少なくともいずれか1種であって、セチルアルコール、ステアリルアルコールら選ばれる少なくともいずれか1種がより好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含有することが更に好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<17>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に1.5質量%以上であって、2.5質量%以上がより好ましく、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<18>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中0.6質量%以上であって、0.8質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上が更により好ましく、6.5質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5.5質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<19>成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)が、好ましくは、全組成中に3.5質量%以上であって、4.5質量%以上がより好ましく、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<20>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比{(A)/[(A)+(D)]}が、好ましくは、0.2以上であって、0.3以上がより好ましく、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましい前記<1>〜<19>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<22>成分(E)が、好ましくは、SP値16.0〜21.0の油剤であって、SP値17.0〜20.0がより好ましく、SP値18.0〜19.0の油剤がより好ましい前記<1>〜<21>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<23>SP値16.0〜21.0の油剤が、好ましくは、イソプロピルパルミテート(SP値:17.0)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(SP値:17.7)、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(SP値:19.0)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2(SP値:20.5)、安息香酸アルキル(C12−C15)(SP値:18.0〜18.2)、トリエチルヘキサノイン(SP値:18.1)、ジメチコン(10cs)(SP値:17)であって、イソプロピルパルミテート(SP値:17.0)、安息香酸アルキル(C12−C15)(SP値:18.0〜18.2)、ジメチコン(10cs)(SP値:17)、トリエチルヘキサノイン(SP値:18.1)ら選ばれる少なくともいずれか1種がより好ましく、安息香酸アルキル(C12−C15)、トリエチルヘキサノインがさらに好ましい前記<22>記載の皮膚化粧料。
<25>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}が、好ましくは、0.1以上であって、0.2以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましく、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい前記<1>〜<24>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<26>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に50質量%以上であって、60質量%以上がより好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい前記<1>〜<25>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<28>(G)非イオン性界面活性剤が、好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、モノグリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミドから選ばれる1種以上であって、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましく、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが更に好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより更に好ましい前記<27>記載の皮膚化粧料。
<30>成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}が、好ましくは、3以上であって、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が更に好ましい前記<27>〜<29>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<32>(H)イオン性界面活性剤が、好ましくは、アニオン界面活性剤であって、ポリオキシエチレン炭素数12〜22のアルキルエーテルリン酸又はその塩、炭素数12〜22のN‐アルキロイルメチルタウリンナトリウム、N−炭素数12〜22のアシルグルタミン酸塩から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ポリオキシエチレン炭素数12〜22のアルキルエーテルリン酸又はその塩がさらに好ましい前記<31>記載の皮膚化粧料。
<33>アニオン界面活性剤の含有量が、全成組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい前記<32>記載の皮膚化粧料。
<34>成分(G)及び(H)の合計量[(G)+(H)]に対する成分(H)の質量比{(H)/[(G)+(H)]}が、好ましくは、0.01以上であって、0.1以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、0.75以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい前記<31>〜<33>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<36>バルクラメラ構造とコンセトリックラメラ構造とを有する前記<1>〜<35>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<37>成分(A)及び(D)以外の固体脂の含有量が、好ましくは、全組成中に10質量%以下であって、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がさらにより好ましい前記<1>〜<36>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<38>前記<1>〜<37>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に適用する、好ましくは頭皮を除く、より好ましくは、顔、身体、手足等のいずれかに塗布する、皮膚化粧料の使用方法。
<39>前記<1>〜<37>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、保湿方法。
<40>前記<1>〜<37>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、ツヤだし方法。
工程1:成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)、(D)及び(E)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは5〜30℃に、より好ましくは10〜28℃に、さらに好ましくは15〜26℃に冷却する工程。
表1〜表4に示す組成の皮膚化粧料を製造し、化粧料及び乾燥皮膜におけるコンセントリックラメラの形成の有無を観察した。また、保湿性(水分閉塞性)、油性感、肌のやわらかさの持続、ツヤの持続及び50℃での油の分離抑制を評価した。結果を表1〜表4に併せて示す。
成分(B)、(C)及び(F)とを含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)及び(E)とを含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(25℃)に冷却して、皮膚化粧料(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(1)コンセントリックラメラの確認:
化粧料及び乾燥皮膜の相状態を解析した。乾燥皮膜は、各化粧料1gを0.1mmの厚さでアプリケーターで伸ばしたものを、20℃20%RH環境下で24時間乾燥させて調製した。
試料(厚さ25mm)を偏光顕微鏡(200倍)で観察し、油滴の周りにマルテーゼクロスが確認されているものは、「Y」(コンセトリックラメラが存在)、マルテーゼクロスが確認されなかったもの又は確認されても結晶が確認されたものを「N」として示した。
各化粧料を、5Cの定量ろ紙(東洋濾紙社製、ADVANTEC FILTER PAPER 5C)に0.01mL/cm2 塗布し、24時間、20℃20%RHの環境下に静置した。このろ紙を切り抜き、40mLバイアル瓶(ピアースバイアルCV−400、アズワン社製;蓋に直径17.3mmの孔が空いている)のビンの上にのせ、蓋をした。上記瓶に水を一定量加えたものを、20℃20%RHの環境下に24時間静置し、水の減少量を測定した。
保存前の質量を(m1)、24時間後の質量を(m2)とし、化粧料を塗布しないろ紙の場合の水分蒸散量W(g)、実施例又は比較例の化粧料をろ紙に塗布した場合の水分蒸散量S(g)とし、下記式により、水分蒸散抑制率(%)を求めた。
水分蒸散量W(g)=Wm1−Wm2
水分蒸散量S(g)=Sm1−Sm2
水分蒸散抑制率(%)=(W(g)−S(g))W(g)×100
数値が高いほど、保湿性(水分閉塞性)に優れることを示す。
専門のパネラー10人が、各皮膚化粧料を2mg/cm2になるように顔に均一に塗布したときの油性感を下記基準で官能評価し、平均値を求めた。
4:さらさらする。
3:ややさらさらする。
2:やや油っぽい。
1:とても油っぽい。
専門のパネラー10人が、洗顔後、各皮膚化粧料2mg/cm2になるように顔に均一に塗布し、3時間後の肌のやわらかさを下記基準で官能評価し、平均値を求めた。
4:とてもやわらかい。
3:やややわらかい。
2:ややつっぱる。
1:とてもつっぱる。
専門のパネラー10人が、各皮膚化粧料2mg/cm2になるように顔に均一に塗布し、3時間経過後の肌のつやを下記基準で官能評価し、平均値を求めた。
4:ツヤ感がとてもある。
3:ツヤ感がややある。
2:ツヤ感がほとんどない。
1:ツヤ感が全くなく、マットな感じである。
各皮膚化粧料を、50℃で1ヵ月保存した後の油の分離状態を、目視により観察し、下記基準で評価した。
4:油の分離は観察されない。
3:表面に約1mm未満の油の分離が観察される。
2:表面に約1mm以上、5mm未満の油の分離が観察される。
1:表面に約5mm以上、10mm未満の水の分離が観察される。
Claims (7)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜7質量%、
(B)炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の有機塩基 0.01〜5質量%、
(C)アルカリ金属水酸化物 0.01〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.6〜7質量%、
(E)油剤 0.1〜20質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量が、(A)+(D)=1〜14質量%であり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比が、(A)/[(A)+(D)]=0.1〜0.9であり、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比が、(B)/[(B)+(C)]=5〜50モル%であり、成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]のモル比が、[(B)+(C)]/(A)=80モル%を超え120モル%以下である、皮膚化粧料。 - 成分(E)が、SP値16.0〜21.0の油剤である請求項1記載の皮膚化粧料。
- 成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.1〜3である請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
- さらに、(G)非イオン性界面活性剤を0.1〜2質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
- 成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比が、[(A)+(D)]/(G)=3〜30である請求項4記載の皮膚化粧料。
- さらに、(H)イオン性界面活性剤を0.01〜1質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
- 成分(G)及び(H)の合計量[(G)+(H)]に対する成分(H)の質量比が、(H)/[(G)+(H)]=0.01〜0.75である請求項6記載の皮膚化粧料。
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