JP6789041B2 - エアゾール化粧料 - Google Patents
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一方、炭酸ガスを含有する泡は、炭酸ガスが泡から消失しやすいため、皮膚に適用した後は、速やかに皮膚に浸透させる必要があり、また皮膚上に均一に塗布する必要がある。
従って、本発明の課題は、発生した炭酸ガスを含有する泡が、皮膚に均一に塗布でき、かつ皮膚への浸透性の良好な炭酸ガス含有エアゾール化粧料を提供することにある。
(A)固体脂、
(B)平均粒子径0.01〜30μmを有する酸化ケイ素、酸化チタン、(メタ)アクリル酸又はその塩/(メタ)アクリル酸アルキルクロスポリマー及びシリコーンラストマーから選ばれる1種以上の粉体、
(C)非イオン界面活性剤、
(D)水、
(E)炭酸ガスを含む噴射剤
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
なお、本発明において、平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱式 粒子径分布測定装置 LA−920/HORIBA/メジアン径で、測定される。
更に、粉体のなめらかさとさらさら感をより向上させる観点から、中和度は1〜30%が好ましく、1〜20%がより好ましい。ここで中和度とは、カルボキシル基を有する単量体のカルボキシル基のモル数に対する、添加された塩基のモル数の比を百分率で表したものである。
中和のための塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩基性アミノ酸等が好ましいが、アミン類、アルカノールアミン類、アンモニアも用いることができる。
クロスポリマーは、例えば、特開2006−8659号公報に記載の方法により、製造することができる。
液状油としては、炭酸ガスを含有する泡の皮膚への均一な塗布性及び泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、25℃における粘度が100mPa・s以下のものが好ましく、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、10mPa・s以下がよりさらに好ましい。
ここで、粘度は、B型粘度計(VISCOMETER TVB-10、東機産業社製)、ローターNo.1、60rpm、1分で測定するものである。
また、液状油としては、炭酸ガスを含有する泡の皮膚への均一な塗布性及び泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、シリコーン油、炭化水素油、エステル油から選ばれる少なくとも一種が好ましく、シリコーン油、炭化水素油から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、流動パラフィン、軽質イソパラフィンから選ばれる少なくとも一種がさらに好ましく、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる少なくとも一種がよりさらに好ましい。
(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、化粧料にそのまま配合しても良いし、油、具体的には液状油に分散させた油分散体として配合してもよく、油分散体として、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(KF−56A)との混合物であるKSG−18A(有効分15質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーとしては、固体状のもとして、KSP−100(有効分100質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、化粧料にそのまま配合しても良いし、油、具体的には液状油に分散させた油分散体として配合してもよく、油分散体として、流動パラフィンとの混合物であるKSG−310(有効分30質量%)、軽質イソパラフィンとの混合物であるKSG−320(有効分25質量%)、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルとの混合物であるKSG−330(有効分20質量%)(以上、信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
なお、成分(C)に、いわゆるシリコーン系界面活性剤は、含まれない。
ここで、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの質量(g)を示す。
また、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりさらに好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、成分(A)及び成分(B)と組合わせて泡の皮膚への浸透感、組成物の保存安定性を向上させる観点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数が、20〜90であるのが好ましく、30〜80がより好ましく、50〜70がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル(エーテル)硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アリル(エーテル)硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセリンエーテルスルホン酸塩、αメチルエステルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、グリセリンエーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エーテル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホスクシンアミド酸塩、ジアルキルスルホスクシンアミド酸塩、スルホトリグリセライド、アミドエーテルカルボン酸塩及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウライド;アシルラクチレート、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩等のN−アシルアミノ酸塩;アルキルオリゴグルコシド硫酸塩、プロテイン脂肪酸縮合物(小麦ベースの植物産物)、アルキル(エーテル)リン酸塩等が挙げられる。
脂肪酸塩としては、一般式(4)
で表されるものが好ましい。
より具体的には、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の塩が挙げられる。これらの塩としては、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。
で表されるものが好ましい。
本発明において、一般式(5)中、R23は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、更に、炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
一般式(5)中、pは0又は平均付加モル数が0より大きく3以下が好ましく、0より大きく2未満、更に0.5〜1.5がより好ましい。
で表されるカチオン界面活性剤が挙げられる。
具体的には、例えば、軽質イソパラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン、トリシロキサンメチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、安息香酸と炭素数12〜15の脂肪族アルコールとのエステルである安息香酸アルキル(C12−15)等のモノエステル油、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のジエステル油、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2−エチルヘキサン酸トリグリセリル等のトリエステル油;アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジカプリリルエーテル等のエーテル油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。これらは植物等天然由来のものであってもよい。なお、液状の紫外線吸収剤も25℃で液状の油剤に含まれる。
25℃で液状の油剤の含有量は、均一な塗布性を向上させる観点から、本発明における原液中に、1質量%以上が好ましく、9質量%以下であるのが好ましく、7.5質量%以下がより好ましい。
多価アルコールの含有量は、泡の皮膚への浸透感、均一な塗布性を向上させる観点から、本発明における原液中に、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が更に好ましい。
ここで、粘度は、25℃で、BM粘度計(東機産業社製)を用いて、ローターNo.3、12rpm、1分で測定し、粘度が10000mPa・sを超えた場合は、ローターNo.3、6rpm、1分で測定した値である。
また、本発明においては、エアゾール容器に、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する化粧料が充填されている、化粧品とすることができる。
さらに、本発明のエアゾール化粧料を適用又は塗布した皮膚に、本発明以外の化粧料(他の化粧料という)を適用又は塗布することにより、他の化粧料の浸透感が向上し、該他の化粧料ののびが向上するという格別の効果を奏する。その詳細なる理由は不明なるも、本発明のエアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布することにより、該化粧料が皮膚の表面状態に変化を及ぼしているためと考えられる。
したがって、本発明は、さらに、他の化粧料の前に使用するための化粧料、使用方法を開示する。
すなわち、本発明のエアゾール化粧料を、例えば、皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に、他の化粧料を適用又は塗布する使用方法である。
このように、本発明のエアゾール化粧料を他の化粧料に先立って皮膚に適用又は塗布すると、後に適用又は塗布される他の化粧料の浸透感及びのびを向上させることができる。
なお、前記本発明以外の化粧料(他の化粧料)は、より詳細には、炭酸ガスの含有量が、化粧料中10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがよりさらに好ましく、実質0質量%であることが特に好ましい。
また、他の化粧料は、グリセリン、ジプロピレングリコール等の多価アルコールを含有することが好ましく、他の化粧料の全組成中の含有量が、3〜40質量%であるのが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい。
また、エアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を塗布し始めるまでの時間は、他の化粧料のなじみ、のび、皮膚への均一な付着性を向上させる観点から、0秒〜5分であるのが好ましく、3秒〜3分がより好ましく、5秒〜1分がさらに好ましい。
また、本発明のエアゾール化粧料は、皮膚に塗布することにより、皮膚に均一に塗布することができる。
本発明のエアゾール化粧料は、前記のように、当該化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を使用することができるため、エアゾール化粧料及び他の化粧料を含む化粧キットとすることができる。
本発明のエアゾール化粧料は、皮膚へ塗布し、一定時間放置、肌になじませる、拭き取る、又は、洗い流すなど、使用場面に応じて使用することができる。
表1に示す組成のエアゾール化粧料を製造し、次の泡の皮膚への浸透感、泡の均一な塗布性を評価した。結果を表1に併せて示す。
成分(A)、(C)及び(D)を60℃で撹拌し、成分(B)と残りの成分を加え、撹拌して均一にし、25℃まで冷却した。得られた液状組成物を耐圧容器に充填し、密封後、成分(E)を充填してエアゾール化粧料を得た。
(1)浸透感の評価(官能評価)
専門パネラー1名により、手を市販の無香料洗顔料(キュレル泡洗顔料 花王社製)を用いて良く洗い、タオルでしっかり拭いた。その後、0.1gのエアゾール化粧料を一方の手の甲に乗せ、もう一方の手の親指・小指以外の指3本、第1〜3関節まで使って1秒間に1回転、直径6cmの円を描くように60秒間伸ばした。直後の肌を触り、泡の浸透感の大きさを評価した。「泡の浸透感が明らかにある」を7とし、「泡の浸透感を全く感じない」を1として評価した。なお、炭酸泡を生じないない化粧料については、評価不能なため0とした。
専門パネラー1名により、手を市販の無香料洗顔料(キュレル泡洗顔料 花王社製)を用いて良く洗い、タオルでしっかり拭いた。その後、0.1gのエアゾール化粧料を一方の手の甲に乗せ、もう一方の手の親指・小指以外の指3本、第1〜3関節まで使って1秒間に1回転、直径6cmの円を描くように60秒間伸ばした。直後の肌を見て、「泡の皮膚への均一な塗布及び塗布時の皮膚が均一に白い」を7とし、「泡の皮膚への均一な塗布及び塗布時の皮膚が均一に白くない」を1として評価した。なお、塗布が著しく劣るものは評価不能なため0とした。
*2:微粒子酸化チタン TM−100TV(テイカ社製)
*3:エマノーン CH−60(k)(花王社製)
*4:レオドール TW−S128V(花王社製)
*5:エマール E−27(花王社製)
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(E)を含有し、エアゾール化粧料から成分(E)を除いた液状化粧料と成分(E)との質量割合が、94:6〜99.5:0.5であるエアゾール化粧料。
(A)固体脂:エアゾール化粧料から成分(E)を除いた液状化粧料中0.5質量%以上5.0質量%以下、
(B)平均粒子径0.01〜30μmを有する酸化ケイ素、酸化チタン、(メタ)アクリル酸又はその塩/(メタ)アクリル酸アルキルクロスポリマー及びシリコーンエラストマーから選ばれる1種以上の粉体:エアゾール化粧料から成分(E)を除いた液状化粧料中0.1質量%以上2.5質量%以下、
(C)非イオン界面活性剤:エアゾール化粧料から成分(E)を除いた液状化粧料中0.1質量%以上5.0質量%以下、
(D)水:エアゾール化粧料から成分(E)を除いた液状化粧料中55質量%以上95質量%以下、
(E)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤 - さらに、(F)アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1記載のエアゾール化粧料。
- 成分(A)が、炭素数12〜22のアルコール、炭素数12〜22の脂肪酸及びワックスから選ばれる1種以上の固体脂である請求項1又は2記載のエアゾール化粧料。
- 成分(B)が、(メタ)アクリル酸又はその塩/(メタ)アクリル酸アルキルクロスポリマー及びシリコーンエラストマーから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のエアゾール化粧料。
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