JP5973221B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するための内燃機関は、クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、前記オイル落し通路は、前記動弁室に連通するパイプ部材を備え、前記パイプ部材は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含み、前記パイプ部材は、前記指向部よりも通路下流側の一部が温度に応じて形状変化する感温材料によって形成されてなり、感温材料の形状変化により、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部の方向が、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部の方向よりも鉛直方向上方側に向けて開口する状態となることをその要旨とする。
また、オイルに含まれるスラッジ等の異物が、オイル落し通路を構成するパイプ部材に長期間堆積すると、通路内壁に沈着する場合がある。その点、上記構成によれば、パイプ部材の一部が、温度に応じて形状が変化する感温材料により形成されているため、オイルの温度変化に応じてパイプ部材の形状が変化すると、これに伴って堆積した異物が通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材の内壁に沈着することを抑制することができる。
また、オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなり、その流動性が低下する。そのため、オイル落し通路の異物が排出され難くなり、オイル落し通路に異物が堆積する。一方、オイルの温度が高いときには、オイルの粘度が低くなり、その流動性が増大する。そして、こうした状態において、クランク室内の負圧によりオイル落し通路に貯留されたオイルが吸引される等して、オイルが出口部から排出されると、上述したサイフォン現象が生じて、指向部及びその近傍に貯留されたオイルが出口部から流出するおそれがある。その点、上記構成によれば、オイルの温度が低く、上述したサイフォン現象が生じ難いときには、感温材料の形状変化により、オイルを排出し易くする一方、温度が高いときには、感温材料の形状変化により、出口部の方向をオイルの温度が低いときよりも鉛直方向上方側に向けて開口する状態として、クランク室内の負圧によってオイル落し通路のオイルが吸引されたとしても、サイフォン現象が発生し難くする。したがって、上記構成によれば、オイルの温度が低いときにはオイル落し通路から異物を速やかに排出することができるとともに、オイルの温度が高いときには指向部及びその近傍に貯留されたオイルの流出を抑制することができる。
上記課題を解決するための内燃機関は、クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、前記オイル落し通路は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含み、前記オイル落し通路には、該オイル落し通路の内壁に摺接し、且つオイルに浮遊して前記オイル落し通路内を移動可能な可動部材が設けられてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、オイル落し通路に貯留されたオイルの液面が変動すると、オイルに浮遊している可動部材がその動きに合わせて通路内壁を摺動するようになる。そのため、可動部材によってオイル落し通路の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路に異物が沈着することを抑制することができる。
また、上記内燃機関では、前記パイプ部材は、感温材料の形状変化により、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部を鉛直方向上方に向けて開口する状態との複数の状態をとるようにしてもよい。
貯留されているオイルが、その液面よりも鉛直方向上方側を経由して、同液面よりも鉛直方向下方側から排出された場合には、一旦オイルの排出が開始されるとそのオイルの流れによって貯留されていたオイルの大部分が一気に排出されてしまう現象、いわゆるサイフォン現象が生じる。その点、上記構成によれば、出口部を指向部に開口して、オイルの排出方向を鉛直方向上方側に指向しているため、サイフォン現象の発生を抑制して指向部及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
以下、本発明にかかる内燃機関を具体化した第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関のシリンダーブロック1には、複数のシリンダーボア2(図1ではその内の1つを図示)が形成されている。これらシリンダーボア2の内部にはピストン3が往復動可能に収容されている。ピストン3は、コンロッド4を介してクランク軸5と接続されており、ピストン3が往復移動することによってクランク軸5が回転する。シリンダーブロック1の上部には、シリンダーヘッド6が組付けられている。シリンダーヘッド6には、燃焼室に吸気を導入する吸気通路として吸気ポート7が形成され、吸気ポート7には吸気バルブ8が設けられている。また、シリンダーヘッド6には、燃焼室から排気を排出する排気ポート9が形成され、排気ポート9には排気バルブ10が設けられている。シリンダーヘッド6の上部には、シリンダーヘッドカバー11が組付けられている。シリンダーヘッド6の上部とシリンダーヘッドカバー11とで覆われた空間の一部には、吸気バルブ8や排気バルブ10を駆動する動弁機構が設置された動弁室12が形成されている。また、シリンダーヘッドカバー11内の空間において、動弁室12と遮断された空間には、チェーンケース内通路13を介してシリンダーブロック1のクランク室14が連通されている。この空間には、オイルセパレーター15が設けられている。オイルセパレーター15には、PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション:Positive Crankcase Ventilation)バルブ16が接続されている。PCVバルブ16は、吸気通路17のスロットルバルブ18下流側に接続されたブローバイガス通路19を介して吸気通路17と連通されており、吸気通路17のスロットルバルブ18下流側の圧力(いわゆる、吸気負圧)によってその流量を可変とする負圧式の流量制御弁である。シリンダーブロック1の下部には、オイルパン20が組付けられている。オイルパン20には、オイルが貯留されており、このオイルは図示しない機関駆動式のオイルポンプによって汲み上げられて各部を潤滑する。
燃焼室からクランク室14に漏れ出たブローバイガスは、窒素酸化物(NOx)や、硫黄酸化物(SOx)等の燃料燃焼成分を含んでいる。そのため、こうした成分が、結露等によって生じる水に溶けて酸性の凝縮水となり、オイルに接触すると、オイルの劣化が促進されてスラッジが発生する。そのため、クランク室新気通路を介してクランク室に空気を導入し、この空気によってブローバイガスを希釈化するとともに、ブローバイガスを早期に換気するようにしている。
図2に示すように、シリンダーブロック1には、鉛直方向に延びる貫通孔24が形成されている。この貫通孔24の鉛直方向上方側の端部は、シリンダーヘッド6に形成され、動弁室12と連通されている。シリンダーブロック1に形成された貫通孔24の鉛直方向下方側の端部には、パイプ部材25が接続されている。パイプ部材25には、その通路上流側の端部(図中において鉛直方向上方側に位置する端部)にフランジ26が形成されおり、このフランジ26が、シリンダーブロック1と接続されている。このように、パイプ部材25は、貫通孔24に連通されることにより、動弁室12と連通されている。パイプ部材25には、鉛直方向下方(図中における下側)に向かって凸状に屈曲した屈曲部27が形成されている。屈曲部27の通路下流側に形成された出口部28は、鉛直方向上方に向かって開口されている。パイプ部材25においてフランジ26が形成された上流側の端部と屈曲部27との鉛直方向における長さは、屈曲部27と出口部28との鉛直方向における長さよりも長く設定されている。したがって、オイル落し通路23は、図1に示す動弁室12側の端部、すなわち入口部29から屈曲部27までの鉛直方向における長さが、屈曲部27から出口部28までの鉛直方向における長さよりも長いJ字状に形成されている。
図3(a)に示すように、内燃機関が運転状態にあり、オイルポンプによって動弁室12にオイルが供給されている場合には、動弁室12内のオイルが過剰となり、オイル落し通路23にオイルが流入する。そして、オイル落し通路23を流れるオイルは、重力の作用によって、貫通孔24を通過してパイプ部材25まで流れ、その屈曲部27において、その流れ方向が鉛直方向上方側に指向させられる。その後、屈曲部27を通過したオイルは、屈曲部27よりも鉛直方向上方側に位置する出口部28から排出される。こうして、動弁室12内のオイルが、オイルパン20へ戻される。
クランク室内圧PCが大気圧と同じであるときには、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30には、大気圧と同様の圧力が作用する。また、貯留されたオイルの動弁室側油面31には、動弁室内圧PV(大気圧)が作用する。そのため、オイルの油面に作用する圧力が釣り合い、オイルの油面の変動は生じない。
(1)本実施形態では、オイル落し通路23をJ字状に形成し、その屈曲部27において、オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させるようにした。そのため、オイル落とし通路23におけるオイルの流れが停止してその出口部28からオイルが排出されなくなると、重力の作用によって屈曲部27及びその近傍にはオイルが貯留されるようになる。そして、こうして貯留されたオイルによってオイル落し通路23の一部が閉塞されるため、オイル落し通路23を通じてブローバイガスが動弁室12に漏出することを抑制することができる。
・上記第一実施形態では、出口部28を、その軸線が鉛直方向と一致する方向に開口させたが、これに限らず、出口部28の軸線が水平方向よりも上方、すなわち鉛直方向上方側を指向して開口されていれば、サイフォン現象の発生を抑制して屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
次に、本発明にかかる内燃機関の第二実施形態について、図5を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の形状を除いては、第一実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
(4)オイル落し通路23のパイプ部材25の屈曲部27において、鉛直方向の最下部に位置する部分を拡径した。したがって、異物の堆積が生じても、オイル落し通路23の流路面積を確保することができ、オイル落し通路23を通じてオイルを円滑に排出することができる。
次に、本発明にかかる内燃機関の第三実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の構成を除いては、第一及び第二実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
オイルに含まれるスラッジ等の異物が、オイル落し通路23を構成するパイプ部材25に長期間堆積すると、これが通路内壁に沈着する場合がある。その点、本実施形態では、オイルの温度に応じてパイプ部材25の形状が変化するため、オイル落し通路23に堆積した異物は、オイルの温度変化に伴って通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材25の内壁に沈着することを抑制することができる。なお、本実施形態では、オイルの温度が低いときには、出口部28を含み鉛直方向に延びる通路が指向部として機能するとともに、オイルの温度が高いときには、ループ状に形成された通路の鉛直方向下方側が指向部として機能する。
(5)パイプ部材25の一部を温度に応じて形状変化するバイメタル35を用いて形成した。そのため、オイルの温度変化に応じてパイプ部材25の形状が変化すると、これに伴って堆積した異物が通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材25の内壁に沈着することを抑制することができる。
・上記第三実施形態では、蛇腹部34とバイメタル35によってオイル落し通路23の一部を形成したが、蛇腹部34を形成せずともパイプ部材25の形状が変形可能であれば、この蛇腹部34を省略してもよい。
(第四実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第四実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の構成を除いては、第一〜第三実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は、省略する。
オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなり、その流動性が低下する。そのため、オイル落し通路23の異物が排出され難くなり、オイル落し通路23に異物が堆積する。一方、オイルの温度が高いときには、オイルの粘度が低くなり、その流動性が増大する。そして、こうした状態において、クランク室14内の負圧によりオイル落し通路23に貯留されたオイルが吸引される等して、オイルが出口部28から排出されると、上述したサイフォン現象が生じて、屈曲部27及びその近傍に貯留されたオイルが出口部28から流出するおそれがある。
(6)オイル落し通路23を形成するパイプ部材25の屈曲部27よりも通路下流側の一部を、バイメタル35を用いて形成した。そして、このバイメタル35の形状変化によって、オイルの温度が低いときに対応した出口部28を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した出口部28を鉛直方向上方に向けて開口する状態との2種の状態がとられるようにした。そのため、オイルの温度が低く、サイフォン現象が生じ難いときには、オイルを排出し易くすることができる。また、オイルの温度が高いときには、クランク室14内の負圧によってオイル落し通路23のオイルが吸引されたとしても、サイフォン現象が発生し難くなる。したがって、オイルの温度が低いときにはオイル落し通路23から異物を速やかに排出することができるとともに、オイルの温度が高いときには屈曲部27及びその近傍に貯留されたオイルの流出を抑制することができる。
・上記第四実施形態では、蛇腹部34とバイメタル35によってオイル落し通路23を形成したが、蛇腹部34を形成せずともパイプ部材25の形状が変化可能であれば、この蛇腹部34を省略してもよい。
・上記第四実施形態では、温度が高いときには、出口部28を、その軸線が鉛直方向と一致する方向を指向した状態で開口させたが、これに限らず、出口部28の軸線が水平方向よりも鉛直方向上方側を指向して開口されていれば、サイフォン現象の発生を抑制して屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
次に、本発明にかかる内燃機関の第五実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23に付着した異物の量を減少させる構成を備えている点で第一実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第一実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
図9に示すように、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30には、クランク室内圧PCが作用する。また、動弁室側油面31には、動弁室内圧PVが作用する。動弁室12には、図示しない動弁室新気通路を介して吸気通路17を流れる吸気の一部が導入されており、大気圧状態に維持されている。
(7)オイル落し通路23に、その内壁に摺接し、且つオイルに浮遊するブラシ36を設けた。また、PCVバルブ38を電子制御装置により制御される電動式の制御弁とした。そして、PCVバルブ38の開度を制御することにより、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面を変動させて、ブラシ36が通路内壁を摺動するようにした。そのため、ブラシ36によってオイル落し通路23の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
・上記第五実施形態では、オイル落し通路23の入口部29と出口部28に網目状の蓋37を設けたが、この蓋37を、リング状に形成し、その内周の径をオイル落し通路23の流路の径よりも縮径させた形状としてもよい。要は、オイル落し通路23からのブラシ36の排出を抑制するとともに、異物の排出が可能なものであればよい。
・上記第五実施形態では、PCVバルブ38の開度を制御して油面を変動させたが、内燃機関の振動等によって、油面の変動が生じるのであれば、こうした構成を省略してもよい。
次に、本発明にかかる内燃機関の第六実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、動弁室12の内圧を調節する機構を備えている点で第五実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第五実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
動弁室12の圧力は、動弁室12の温度や供給されるオイルの量によって変動する。そうした変動を抑えるために、動弁室新気通路39に設けられた電磁弁40が開弁されて、吸気通路17内の空気の一部が動弁室12に導入されている。これにより動弁室内圧PVは、ほぼ大気圧に維持され、クランク室内圧PCとのバランスが保たれている。
(7)オイル落し通路23に、その内壁に摺接して、オイルに浮遊するブラシ36を設けるとともに、吸気通路17から動弁室12に空気を導入する動弁室新気通路39を設け、この通路39に空気の流量を調節する電磁弁40を設けた。また、動弁室12に吸気負圧を導入する負圧通路41を接続し、この通路に動弁室12から排出される空気の流量を調節する電動式の流量制御弁42を設けた。そして、電磁弁40及び流量制御弁42の開度を制御して、動弁室内圧PVを変動させることで、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面を変動させた。そのため、こうした制御によって、オイル落し通路23内をブラシ36が摺動することとなり、その内壁に付着した異物の量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
・上記第六実施形態では、動弁室12に吸気負圧を導入する負圧通路41を設けたが、この負圧通路41を設けないようにしてもよい。なお、負圧通路41を設けない場合には、内燃機関を停止させたときに電磁弁40を閉弁させるようにすれば、閉塞された動弁室12内の空気が、内燃機関の温度の低下に伴い冷却されるため、動弁室内圧PVを低下させることができる。そのため、クランク室内圧PCが動弁室内圧PVよりも高くなり、オイル落し通路23内に貯留されたオイルを動弁室12側に移動させて、動弁室側油面31を上昇させることができる。また、こうした状態で、電磁弁40を開弁させれば、動弁室12内の圧力が略大気圧状態となり、クランク室内圧PCと動弁室内圧PVとの差が減少する。そのため、貯留されたオイルが出口部28側に移動して、動弁室12側の油面が下降することとなる。したがって、こうした制御によっても、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
(第七実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第七実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23を、鉛直方向下方(図中における下側)に向かって凸状に屈曲されたU字状に形成した点で第一実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第一実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
動弁室12に滞留するオイルは、動弁室12に連通された複数のオイル落し通路23に流入する。オイル落し通路23に流入したオイルは、シリンダーヘッド6及びシリンダーブロック1(図1)に形成された貫通孔24を流れ、パイプ部材25の管路部43にそれぞれ流入する。パイプ部材25の管路部43に流入したオイルは、屈曲部44において合流されるとともに、その流れ方向が、鉛直方向上方側に指向される。そして、鉛直方向上方側にその流れ方向が指向されたオイルは、屈曲部44に形成された出口部45から排出されて、オイルパンに戻される。
(7)オイル落し通路23をU字状に形成するとともに、その屈曲部44の鉛直方向最下部に位置する部分に、鉛直方向上方に指向された出口部45を形成した。そして、パイプ部材25のそれぞれの管路部43に、その内壁と摺接し、且つオイルに浮遊するブラシ36を設けた。そのため、機関回転速度の変化に伴い、オイル落し通路23へ流れるオイルの量が変化して、貯留されるオイルの油面が変動した場合に、オイルに浮遊するブラシ36が、オイル落し通路23内壁を摺動するようになる。そのため、オイル落し通路23の内壁に付着した異物がブラシ36により掻き取られ、その付着量を減少させることができる。その結果、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
・上記第七実施形態では、オイル落し通路23の屈曲部44の鉛直方向の最下部に位置する部分の内周に、網目状の板46を立設させたが、出口部45の開口面積が小さく、ブラシ36が出口部45から排出されるおそれがないのであれば、この板を設けなくてもよい。なお、パイプ部材25の屈曲部の鉛直方向最下部よりも鉛直方向上方側に網目状の板46を設け、ブラシ36が他方の管路部43に移動することを抑制するようにしてもよい。また、こうした板46を複数設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
さらに、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
図12(a)に示すように、オイル落し通路23の形状を、例えば、S字状に形成してもよい。こうした場合には、鉛直方向下方に凸状に屈曲した部分が指向部として機能することとなる。
また、図12(c)に示すように、オイル落し通路23を、シリンダーヘッド6の上面に形成された凹み部47と、この凹み部47に逆J字状に接続されるパイプ部材48とで構成するようにしてもよい。こうした場合には、凹み部47とパイプ部材48とが指向部として機能する。
まず、図13(a)に示すように、オイル落し通路23のパイプ部材62を、その通路下流側が二股に分岐された山字状に形成してもよい。分岐管63は、水平方向に延びる一方、その下流側が鉛直方向上方側に屈曲されており、出口部64は鉛直方向上方を指向して開口されている。オイル落し通路23に流入したオイルは、パイプ部材62において分流して、各分岐管63を流れる。そして、これら分岐管63において、その流れ方向が延長方向上方側に指向されて出口部64から排出される。したがって、こうした構成によれば、分岐管63が指向部として機能するため、パイプ部材62にオイルを貯留して、オイル落し通路23の一部を閉塞することができる。
動弁室12内からオイル落し通路23に流入したオイルは、重力によってパイプ部材98を鉛直方向下方に流動し、円筒部104の底面105とパイプ部材98の下端との隙間から円筒部104に流動する。そして、円筒部104においてその流れ方向が鉛直方向上方に指向されて、その開口端部107から排出される。このとき、パイプ部材98内を液滴となって下降するオイルが羽根車100に衝突すると、その衝撃によって、羽根車100から回転軸99に回転方向の力が作用する。また、円筒部104の重心と、円筒部104と回転軸99との接続部とは、所定量αだけ偏心している。そのため、車両に横G等の加速度が作用すると、円筒部104に回転モーメントが発生し、回転軸99に回転方向に作用する力が発生する。そして、こうした力よって、シリンダーヘッド6に懸吊されている回転軸99が回転すると、この回転軸99に接続されたブラシ103が回転軸99を中心としてパイプ部材98内壁を摺動する。また、円筒部104が回転することによって、パイプ部材98の外壁に固定されたブラシ103が、円筒部104の内壁と摺動する。したがって、こうした構成によってオイル落し通路23の内壁に付着する異物が掻き取られ、その沈着を抑制することができる。ちなみにこの構成では、円筒部104が指向部として機能する。
クランク室14やオイルパン20に存在するブローバイガスは、チェーンケース内通路13を通過してシリンダーヘッドカバー11内の空間に流れ、オイルセパレーター15を通過してPCVバルブ16から吸気通路17に戻される。このとき、PCVバルブ16を通過して吸気通路17に戻されるブローバイガスの量よりも、クランク室14に発生するブローバイガスの量が多くなると、クランク室14にブローバイガスが滞留し、クランク室内圧PCが極端に正圧になるおそれがある。そしてこのようにクランク室内圧PCが正圧になると、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30に作用する圧力によって、オイルが動弁室12に逆流するおそれがある。また、吸気負圧によってその開度が制御される負圧式のPCVバルブ16が設けられている場合には、吸気負圧の低下に伴い、PCVバルブ16の開度が減少し、ブローバイガスの還流量が減少する。したがって、こうした場合にも、クランク室14に滞留するブローバイガスの量が多くなり、クランク室内圧PCが極端に正圧になるおそれがある。
(イ)図20(a)に示すように、オイル落し通路23は、直管状のパイプ部材111により形成され、その先端部が傾斜されている。この傾斜された先端部には、その鉛直方向上方側の壁面に複数(本構成では3つ)の孔112が形成されている。この孔112は、重力によって閉弁される蓋113によって塞がれている。こうした構成によれば、パイプ部材111に貯留されるオイルの量が少ないときには、孔112が蓋113によって塞がれた状態となり、ブローバイガスの動弁室12への逆流が抑制される。一方、パイプ部材111に流入したオイルの量が所定量以上となると、その重量によって蓋113が押圧されて、孔112が開放されることにより、オイルが排出される。したがって、動弁室12のオイルをオイルパン20に排出するとともに、ブローバイガスの動弁室12への逆流を抑制することができる。
受圧ピストン129には、油圧ライン128に供給されるオイルの油圧が作用する。そのため、この油圧によって、受圧ピストン129に当接されるシーソー部130の受圧部131には、図中左方向に向かった押圧が作用している。一方、受圧部131は、ばね134の弾性力によって、図中右方向にも付勢されている。
Claims (6)
- クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、
前記オイル落し通路は、前記動弁室に連通するパイプ部材を備え、
前記パイプ部材は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含み、
前記パイプ部材は、前記指向部よりも通路下流側の一部が温度に応じて形状変化する感温材料によって形成されてなり、感温材料の形状変化により、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部の方向が、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部の方向よりも鉛直方向上方側に向けて開口する状態となる
ことを特徴とする内燃機関。 - クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、
前記オイル落し通路は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含み、
前記オイル落し通路には、該オイル落し通路の内壁に摺接し、且つオイルに浮遊して前記オイル落し通路内を移動可能な可動部材が設けられてなる
ことを特徴とする内燃機関。 - 前記パイプ部材は、感温材料の形状変化により、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部を鉛直方向上方に向けて開口する状態との複数の状態をとる
請求項1に記載の内燃機関。 - 前記出口部は、前記指向部に開口されてなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。 - 前記オイル落し通路は、前記指向部において、鉛直方向の最下部に位置する部分が拡径されてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関。 - 前記オイル落し通路は、前記動弁室に開口される入口部と鉛直方向最下部に前記指向部として設けられた屈曲部との鉛直方向における長さが、前記屈曲部と前記出口部との鉛直方向における長さよりも長いJ字状に形成されてなる
請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関。
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