JP2013231395A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク室に溜まったブローバイガスがオイル落し通路を通じて動弁室に漏出することをより効果的に抑制することができる内燃機関を提供する。
【解決手段】本発明の内燃機関は、クランク室14とシリンダーヘッド6上の動弁室12とを連通し、動弁室12のオイルをクランク室14で開口する出口部28からオイルパン20に排出するオイル落し通路23を備えている。こうした内燃機関において、オイル落し通路23には、オイルパン20にオイルを排出させる際のオイルの流れ方向を、鉛直方向上方側に指向させる指向部としての屈曲部27を形成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルをオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関に関する。
内燃機関には、シリンダーヘッド上の動弁室に滞留するオイルを排出してオイルパンに戻すためのオイル落し通路が設けられている。特許文献1には、こうしたオイル落し通路を通じてクランク室やオイルパンのブローバイガスが動弁室に漏出することを抑制するために、オイル落し通路の途中にばね式の逆止弁を設けることが記載されている。この逆止弁は、オイル落し通路を塞いでブローバイガスが動弁室に漏出することを抑制する一方、オイルが所定量以上溜まった際にはその重量により開弁する。このように逆止弁が開弁することにより、オイル落し通路のオイルがオイルパンに戻されることとなる。また、同文献1には、オイル落し通路の出口部をオイルパンで油没させることにより、ブローバイガスのオイル落し通路への侵入を防止することも記載されている。こうした構成により、ブローバイガスによる動弁室内のオイルの劣化を抑制するようにしている。
特開2010‐59816号公報
ところで、特許文献1のように、オイル落し通路にばね式の逆止弁を設けた場合には、オイルの重量によって逆止弁が速やかに開弁するように、ばね定数を低く設定しなければならない。しかし、こうしてばね定数を低く設定すると、一旦開弁した逆止弁が容易に閉弁せず、オイルの排出がされた後も開弁状態が維持されてしまう。また、内燃機関に設けられたピストンの往復運動に起因して、クランク室内には圧力変動や振動が生じている。そのため、オイルが所定量以上溜まっていないにもかかわらず、こうした圧力変動や振動が作用することで逆止弁が開弁されてしまう虞がある。そして、このように逆止弁が不必要に開弁状態となるようなことがあれば、上述したブローバイガスの漏出が生じてしまうこととなる。
一方、オイル落し通路の出口部を油没させた場合には、その油没させた状態を維持するために多量のオイルを貯留する必要がある。そのため、内燃機関の始動時などには、オイルの温度上昇が緩慢になりフリクションが増大することにもなりかねない。また、こうした構成において、車両側面に作用する遠心加速度、いわゆる横Gが大きい場合には、オイルパン内に貯留されたオイルがオイル落し通路を逆流して動弁室に流入してしまう虞もある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランク室に溜まったブローバイガスがオイル落し通路を通じて動弁室に漏出することをより効果的に抑制することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、前記オイル落し通路は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含んでなることをその要旨とする。
上記構成によれば、オイル落し通路を流れるオイルは、その流れ方向が指向部において鉛直方向上方側に指向させられるため、オイル落とし通路におけるオイルの流れが停止してその出口部からオイルが排出されなくなると、重力の作用によって指向部及びその近傍にはオイルが貯留されるようになる。そして、こうして貯留されたオイルによってオイル落し通路の一部が閉塞されるため、オイル落し通路を通じてブローバイガスが動弁室に逆流することを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記出口部は、前記指向部に開口されてなることをその要旨とする。
貯留されているオイルが、その液面よりも鉛直方向上方側を経由して、同液面よりも鉛直方向下方側から排出された場合には、一旦オイルの排出が開始されるとそのオイルの流れによって貯留されていたオイルの大部分が一気に排出されてしまう現象、いわゆるサイフォン現象が生じる。その点、上記構成によれば、出口部を指向部に開口して、オイルの排出方向を鉛直方向上方側に指向しているため、サイフォン現象の発生を抑制して指向部及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記オイル落し通路は、前記指向部において、鉛直方向の最下部に位置する部分が拡径されてなることをその要旨とする。
オイル落し通路には、オイルと一緒にスラッジや金属粉等の異物が流入することがある。そして、こうした異物が、オイル落し通路に沈殿して堆積すると、オイル落し通路の流路面積が狭まり、動弁室からオイル落とし通路を通じた円滑なオイルの排出が困難になるおそれがある。その点、上記構成によれば、オイル落し通路に異物が堆積し易い部分、すなわち指向部の鉛直方向の最下部に位置する部分を拡径したため、こうした異物の堆積が生じても、オイル落し通路の流路面積を確保することができ、オイル落し通路を通じてオイルを円滑に排出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記オイル落し通路は、前記動弁室に連通するパイプ部材により形成され、前記パイプ部材の一部は温度に応じて形状変化する感温材料により形成されてなることをその要旨とする。
オイルに含まれるスラッジ等の異物が、オイル落し通路を構成するパイプ部材に長期間堆積すると、通路内壁に沈着する場合がある。その点、上記構成によれば、パイプ部材の一部が、温度に応じて形状が変化する感温材料により形成されているため、オイルの温度変化に応じてパイプ部材の形状が変化すると、これに伴って堆積した異物が通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材の内壁に沈着することを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記パイプ部材は、前記指向部よりも通路下流側の一部が前記感温材料によって形成されてなり、感温材料の形状変化により、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部を鉛直方向上方に向けて開口する状態との複数の状態をとることをその要旨とする。
オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなり、その流動性が低下する。そのため、オイル落し通路の異物が排出され難くなり、オイル落し通路に異物が堆積する。一方、オイルの温度が高いときには、オイルの粘度が低くなり、その流動性が増大する。そして、こうした状態において、クランク室内の負圧によりオイル落し通路に貯留されたオイルが吸引される等して、オイルが出口部から排出されると、上述したサイフォン現象が生じて、指向部及びその近傍に貯留されたオイルが出口部から流出するおそれがある。その点、上記構成によれば、オイルの温度が低く、上述したサイフォン現象が生じ難いときには、感温材料により出口部を水平方向に開口する状態として、オイルを排出し易くする一方、温度が高いときには、感温材料により出口部を鉛直方向上方に開口する状態として、クランク室内の負圧によってオイル落し通路のオイルが吸引されたとしても、サイフォン現象が発生し難くする。したがって、上記構成によれば、オイルの温度が低いときにはオイル落し通路から異物を速やかに排出することができるとともに、オイルの温度が高いときには指向部及びその近傍に貯留されたオイルの流出を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記オイル落し通路には、該オイル落し通路の内壁に摺接し、且つオイルに浮遊して前記オイル落し通路内を移動可能な可動部材が設けられてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、オイル落し通路に貯留されたオイルの液面が変動すると、オイルに浮遊している可動部材がその動きに合わせて通路内壁を摺動するようになる。そのため、可動部材によってオイル落し通路の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路に異物が沈着することを抑制することができる。
本発明は、具体的には請求項7に記載の発明によるように、前記オイル落し通路は、前記動弁室に開口される入口部と鉛直方向最下部に前記指向部として設けられた屈曲部との鉛直方向における長さが、前記屈曲部と前記出口部との鉛直方向における長さよりも長いJ字状に形成されてなるといった態様を採用することができる。こうした構成では鉛直方向最下部に設けられた屈曲部が指向部として機能することとなる。
本発明にかかる内燃機関の第一実施形態についてその全体構成を模式的に示す略図。 同実施形態の内燃機関のオイル落し通路の断面構造を示す断面図。 (a)、(b)はオイル落し通路を流れるオイルの流動態様を示す模式図。 オイル落し通路の寸法とクランク室の圧力との関係を模式的に示す略図。 本発明にかかる内燃機関の第二実施形態についてそのオイル落し通路の構造を模式的に示す略図。 (a)、(b)は本発明にかかる内燃機関の第三実施形態についてそのオイル落し通路の構造を模式的に示す略図。 (a)、(b)は本発明にかかる内燃機関の第四実施形態についてそのオイル落し通路の構造を模式的に示す略図。 本発明にかかる内燃機関の第五実施形態についてその全体構成を模式的に示す略図。 同実施形態のオイル落し通路に設けられたブラシの移動態様を模式的に示す略図。 本発明にかかる内燃機関の第六実施形態についてその一部の構成を模式的に示す略図。 本発明にかかる内燃機関の第七実施形態についてそのオイル落し通路の断面構造を示す断面図。 (a)〜(f)はオイル落とし通路の各種変形例を模式的に示す略図。 (a)、(b)はオイル落とし通路の更に他の変形例を示す断面図。 (a)〜(c)はオイル落し通路の他の構成例を示す略図。 (a)、(b)はオイル落し通路の更に他の構成例を示す断面図。 上記第二実施形態の内燃機関におけるオイル落し通路の変形例を示す略図。 上記第二実施形態の内燃機関におけるオイル落し通路の更に他の変形例を示す模式図。 (a)は上記第五実施形態の内燃機関におけるオイル落し通路の変形例を模式的に示す断面図、(b)は(a)におけるB‐B線に沿った断面構造を示す断面図。 本発明にかかる内燃機関の変形例についてその全体構成を示す模式図。 (a)、(b)はオイル落し通路の他の構成の一例を示す斜視図。 (a)、(b)はオイル落し通路の下端をオイルストレーナーに接続させた内燃機関の全体構成を模式的に示す略図。 オイル落し通路に電子制御弁を設けた内燃機関の全体構成を模式的に示す略図。 (a)、(b)はオイル落し通路に油圧御弁を設けた内燃機関のオイル落し通路の構成の一部を模式的に示す略図。
(第一実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関を具体化した第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
まず、本実施形態にかかる内燃機関の構成について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、内燃機関のシリンダーブロック1には、複数のシリンダーボア2(図1ではその内の1つを図示)が形成されている。これらシリンダーボア2の内部にはピストン3が往復動可能に収容されている。ピストン3は、コンロッド4を介してクランク軸5と接続されており、ピストン3が往復移動することによってクランク軸5が回転する。シリンダーブロック1の上部には、シリンダーヘッド6が組付けられている。シリンダーヘッド6には、燃焼室に吸気を導入する吸気通路として吸気ポート7が形成され、吸気ポート7には吸気バルブ8が設けられている。また、シリンダーヘッド6には、燃焼室から排気を排出する排気ポート9が形成され、排気ポート9には排気バルブ10が設けられている。シリンダーヘッド6の上部には、シリンダーヘッドカバー11が組付けられている。シリンダーヘッド6の上部とシリンダーヘッドカバー11とで覆われた空間の一部には、吸気バルブ8や排気バルブ10を駆動する動弁機構が設置された動弁室12が形成されている。また、シリンダーヘッドカバー11内の空間において、動弁室12と遮断された空間には、チェーンケース内通路13を介してシリンダーブロック1のクランク室14が連通されている。この空間には、オイルセパレーター15が設けられている。オイルセパレーター15には、PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション:Positive Crankcase Ventilation)バルブ16が接続されている。PCVバルブ16は、吸気通路17のスロットルバルブ18下流側に接続されたブローバイガス通路19を介して吸気通路17と連通されており、吸気通路17のスロットルバルブ18下流側の圧力(いわゆる、吸気負圧)によってその流量を可変とする負圧式の流量制御弁である。シリンダーブロック1の下部には、オイルパン20が組付けられている。オイルパン20には、オイルが貯留されており、このオイルは図示しない機関駆動式のオイルポンプによって汲み上げられて各部を潤滑する。
内燃機関の燃焼室には、吸気通路17を介して空気が吸入される。吸気通路17に設けられたスロットルバルブ18の作動によって、燃焼室に吸入される吸気の量が調節される。スロットルバルブ18の吸気上流側にはクランク室新気通路21の一端が接続されている。クランク室新気通路21の他端は、シリンダーブロック1のクランク室14に接続されている。この通路21を介して吸気通路17を流れる空気の一部がクランク室14に導入される。クランク室新気通路21の途中には、逆止弁22が設けられている。この逆止弁22によって、クランク室14からクランク室新気通路21に空気が逆流することが抑制される。
ここで、クランク室14やオイルパン20のブローバイガスの流れについて説明する。
燃焼室からクランク室14に漏れ出たブローバイガスは、窒素酸化物(NOx)や、硫黄酸化物(SOx)等の燃料燃焼成分を含んでいる。そのため、こうした成分が、結露等によって生じる水に溶けて酸性の凝縮水となり、オイルに接触すると、オイルの劣化が促進されてスラッジが発生する。そのため、クランク室新気通路を介してクランク室に空気を導入し、この空気によってブローバイガスを希釈化するとともに、ブローバイガスを早期に換気するようにしている。
シリンダーヘッドカバー11内のオイルセパレーター15が設けられた空間には、ブローバイガス通路19を通じて吸気負圧が導入される。この吸気負圧は、チェーンケース内通路13を介してクランク室14に作用する。そのため、クランク室14やオイルパン20に滞留しているブローバイガスは、チェーンケース内通路13を介してシリンダーヘッドカバー11内に流れる。このとき、クランク室14には、クランク室新気通路21を介して空気が導入される。そのため、ブローバイガスの円滑な流れが確保される。シリンダーヘッドカバー11内に流れたブローバイガスは、まず、オイルセパレーター15内部を通過する。そしてこのオイルセパレーター15によって、ブローバイガスのオイル成分が分離される。その後、オイルセパレーター15に接続されたPCVバルブ16を通過してブローバイガス通路19に流れ、ブローバイガスが吸気通路17に戻される。なお、このとき、オイルセパレーター15が設けられている空間と動弁室12とは遮断されている。そのため、シリンダーヘッドカバー11内に流れたブローバイガスが動弁室12に流入することはない。
ところで、動弁室12には、その動弁機構を潤滑するために、オイルポンプによってオイルパン20から汲み上げられたオイルが供給される。こうしたオイルを排出するために、内燃機関には、オイル落し通路23が設けられている。オイル落し通路23は、シリンダーヘッド6及びシリンダーブロック1に形成され、鉛直方向に延びる貫通孔24と、この貫通孔24と連通するパイプ部材25とから構成されている。これにより、動弁室12とクランク室14とが連通され、動弁室12内のオイルがオイルパン20に排出される。
次に、こうしたオイル落し通路23の構成について説明する。
図2に示すように、シリンダーブロック1には、鉛直方向に延びる貫通孔24が形成されている。この貫通孔24の鉛直方向上方側の端部は、シリンダーヘッド6に形成され、動弁室12と連通されている。シリンダーブロック1に形成された貫通孔24の鉛直方向下方側の端部には、パイプ部材25が接続されている。パイプ部材25には、その通路上流側の端部(図中において鉛直方向上方側に位置する端部)にフランジ26が形成されおり、このフランジ26が、シリンダーブロック1と接続されている。このように、パイプ部材25は、貫通孔24に連通されることにより、動弁室12と連通されている。パイプ部材25には、鉛直方向下方(図中における下側)に向かって凸状に屈曲した屈曲部27が形成されている。屈曲部27の通路下流側に形成された出口部28は、鉛直方向上方に向かって開口されている。パイプ部材25においてフランジ26が形成された上流側の端部と屈曲部27との鉛直方向における長さは、屈曲部27と出口部28との鉛直方向における長さよりも長く設定されている。したがって、オイル落し通路23は、図1に示す動弁室12側の端部、すなわち入口部29から屈曲部27までの鉛直方向における長さが、屈曲部27から出口部28までの鉛直方向における長さよりも長いJ字状に形成されている。
次に、こうした構成のオイル落し通路23を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
図3(a)に示すように、内燃機関が運転状態にあり、オイルポンプによって動弁室12にオイルが供給されている場合には、動弁室12内のオイルが過剰となり、オイル落し通路23にオイルが流入する。そして、オイル落し通路23を流れるオイルは、重力の作用によって、貫通孔24を通過してパイプ部材25まで流れ、その屈曲部27において、その流れ方向が鉛直方向上方側に指向させられる。その後、屈曲部27を通過したオイルは、屈曲部27よりも鉛直方向上方側に位置する出口部28から排出される。こうして、動弁室12内のオイルが、オイルパン20へ戻される。
一方、図3(b)に示すように、内燃機関の運転が停止されると、オイルポンプの駆動が停止して、動弁室12にオイルが供給されなくなる。そのため、オイル落し通路23に流入するオイルの量が減少し、オイル落し通路23を流動するオイルの流れが停止する。このとき、パイプ部材25には、オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる屈曲部27が形成されている。そのため、重力の作用によって屈曲部27及びその近傍にはオイルが貯留される。こうして、屈曲部27にオイルが貯留されると、そのオイルによって、オイル落し通路23の一部が閉塞される。したがって、内燃機関が停止された状態でも、オイル落し通路23の一部が閉塞された状態となり、クランク室14やオイルパン20のブローバイガスがオイル落し通路23を通じて動弁室12に漏出することを抑制することができる。なお、本実施形態では、パイプ部材25に形成された屈曲部27が指向部として機能する。
また、こうして貯留されたオイルが、その油面よりも鉛直方向上方側を経由して、同油面よりも鉛直方向下方側から排出された場合には、サイフォン現象によって、貯留されていたオイルの大部分が一気に排出されてしまうおそれがある。その点、本実施形態では、オイル落し通路23の出口部28を鉛直方向上方に向かって開口させたため、貯留されたオイルの油面よりも鉛直方向下方側でオイルが排出されることを抑制することができる。したがって、サイフォン現象の発生を抑制して屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
ところで、内燃機関に設けられたピストン3の往復運動に起因して、クランク室14内には圧力変動が生じている。例えば、機関回転速度が速いとき(6000rpm)においては、ピストン3の下死点付近には、振幅が約±3.5kPaで、周波数が100Hz程度の圧力変動が生じている。しかし、オイルは、気体に比べて粘度が高くその慣性が大きい。そのため、こうした高い周波数の圧力変動が、クランク室14内に生じたとしても、オイルはその変動に追従できず、パイプ部材25に貯留されたオイルの油面に変動は生じない。
一方、クランク室14内の定常的な圧力(以下、クランク室内圧PCと称する)は、ブローバイガスの発生量や、ブローバイガスの吸気通路17への還流量に起因して変動する。こうした変動は、上記ピストン3の往復運動に起因した圧力変動のように、高い周波数のものではない。そのため、クランク室内圧PCが変動した場合には、その作用により、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面が変動することとなる。そのため、クランク室内圧PCの変動態様によっては、パイプ部材25に貯留されたオイルが排出されたり、貯留されたオイルが動弁室12に逆流したりすることがある。そこで、本実施形態では、オイル落し通路23の寸法を次のように設定した。
クランク室内圧PCの平均値は、クランク室新気通路21を介してクランク室に空気が導入されることから、大気圧とほぼ同じ値となる。そこで、大気圧状態となったときの内圧を基準として、スロットルバルブ18が全閉であり最も負圧状態となったときを−1kPaと仮定し、スロットルバルブ18が全開であり最も正圧状態となったときを+1kPaと仮定した。そして、オイルの密度を0.86×10kg/mと仮定した。なお、動弁室12は、図示しない動弁室新気通路によってその圧力(以下、動弁室内圧PVと称する)が大気圧状態となるよう調節されている。
図4には、こうした圧力と、オイル落し通路23の管路の長さとの関係を示している。
クランク室内圧PCが大気圧と同じであるときには、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30には、大気圧と同様の圧力が作用する。また、貯留されたオイルの動弁室側油面31には、動弁室内圧PV(大気圧)が作用する。そのため、オイルの油面に作用する圧力が釣り合い、オイルの油面の変動は生じない。
一方、図4に示すように、クランク室内圧PCが+1kPaのときには、オイルの出口部側油面30に大気圧よりも1kPa高い圧力が作用する。そのため、貯留されたオイルの出口部側油面30に作用する圧力が、動弁室側油面31に作用する圧力よりも高くなる。そしてこのとき、この圧力の差を相殺するために必要なオイルの液中の高さhは、約0.12mである。したがって、こうしたクランク室14内の正圧により、貯留されたオイルが動弁室12側に押圧されたときに、これが動弁室12に逆流することを防止するためには、屈曲部27の鉛直方向上方側の壁面32から入口部29までの管路長L1を120mm以上とする必要がある。
他方、クランク室内圧PCが−1kPaのときには、オイルの出口部側油面30に大気圧よりも1kPa低い圧力が作用する。そのため、オイルの出口部側油面30に作用する圧力が、動弁室側油面31に作用する圧力よりも低くなり、貯留されたオイルが、動弁室12内の大気圧によって押し出され、出口部28側へ移動する。このとき、この圧力の差を相殺するために必要なオイルの液中の高さは、上記と同様約0.12mである。したがって、クランク室14が負圧状態となったときに、貯留されたオイルが出口部28から排出されてしまうことを抑制するためには、屈曲部27の鉛直方向上方側の壁面32から出口部28までの管路長L2を120mm以上とする必要がある。
したがって、本実施形態では、オイル落し通路23において、管路長L2を120mm以上に設定するとともに、管路長L1を管路長L2よりも長いJ字状に設定した。こうして、管路長L1、L2をともに120mm以上に設定することにより、クランク室内圧PCの変動によって、オイル落し通路23に貯留されたオイルの排出や、動弁室12への逆流を抑制し、オイル落し通路23の閉塞状態を維持することができるようになる。
以上説明したように、第一実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、オイル落し通路23をJ字状に形成し、その屈曲部27において、オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させるようにした。そのため、オイル落とし通路23におけるオイルの流れが停止してその出口部28からオイルが排出されなくなると、重力の作用によって屈曲部27及びその近傍にはオイルが貯留されるようになる。そして、こうして貯留されたオイルによってオイル落し通路23の一部が閉塞されるため、オイル落し通路23を通じてブローバイガスが動弁室12に漏出することを抑制することができる。
(2)本実施形態では、オイル落し通路23の出口部28を鉛直方向上方に向けて開口したため、サイフォン現象の発生を抑制し屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
(3)本実施形態では、パイプ部材25にオイルの流れ方向を鉛直方向上方に指向させる指向部(屈曲部27)を形成した。そして、こうしたパイプ部材25を、シリンダーヘッド6及びシリンダーブロック1に形成した貫通孔24に連通させることによって、オイル落し通路23を構成した。そのため、オイル落し通路23に指向部を容易に形成することができ、こうしたオイル落し通路23を備えた内燃機関の製造をより容易とすることができる。
なお、第一実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第一実施形態では、出口部28を、その軸線が鉛直方向と一致する方向に開口させたが、これに限らず、出口部28の軸線が水平方向よりも上方、すなわち鉛直方向上方側を指向して開口されていれば、サイフォン現象の発生を抑制して屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第二実施形態について、図5を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の形状を除いては、第一実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態の内燃機関では、パイプ部材25の屈曲部27において鉛直方向の最下部に位置する部分に、鉛直方向下方に拡径された沈降部33が形成されている。そのため、沈降部33における流路断面積d2が、その他の部分の流路断面積d1よりも大きく形成されている。
オイル落し通路23には、オイルと一緒にスラッジや金属粉等の異物が流入することがある。そして、こうした異物が、オイル落し通路23に沈殿して堆積すると、オイル落し通路23の流路面積が狭まり、動弁室12からオイル落とし通路23を通じた円滑なオイルの排出が困難になるおそれがある。
その点、本実施形態では、オイル落し通路23に異物が堆積し易い部分、すなわち、屈曲部27において鉛直方向の最下部に位置する部分に沈降部33を形成し、その部分の流路面積を増大させた。そのため、沈降部33に異物が堆積しても、オイル落し通路23の流路面積を確保することができ、オイル落し通路23を通じてオイルを円滑に排出することができる。なお、本実施形態では、パイプ部材25に形成された屈曲部27が指向部として機能する。
以上説明したように、第二実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)オイル落し通路23のパイプ部材25の屈曲部27において、鉛直方向の最下部に位置する部分を拡径した。したがって、異物の堆積が生じても、オイル落し通路23の流路面積を確保することができ、オイル落し通路23を通じてオイルを円滑に排出することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第三実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の構成を除いては、第一及び第二実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図6(a)に示すように、本実施形態の内燃機関では、J字状に形成されたパイプ部材25において、鉛直方向(図中における上下方向)に延びる通路の一部と、水平方向(図中における左右方向)に延びる通路の一部とに、その壁面が蛇腹状に形成された蛇腹部34が設けられている。蛇腹部34は、金属又は弾性部材等からなり、その部分が変形可能に構成されている。蛇腹部34の外壁には、温度に応じて形状が変化するバイメタル35が接着されている。バイメタル35は、熱膨張率の異なる二つの金属を重ねて貼り合わせたものであり、パイプ部材25側の金属の熱膨張率が、その反対側の金属の熱膨張率よりも小さい値に設定されている。このため、オイルの温度が低いと、バイメタル35は変形せずに直線上の形状となるため、パイプ部材25はJ字状に維持される。
一方、図6(b)に示すように、オイルの温度が高くなると、バイメタル35にその熱が伝導され、バイメタル35が変形するようになる。このとき、パイプ部材25に接している金属の熱変形量は、その外側に貼り合わされた金属と比較して小さいことから、バイメタル35は、パイプ部材25側を中心とした円弧状に変形する。そのため、パイプ部材25は、その蛇腹部34がバイメタル35の変形に伴って屈曲されてループ状となる。
次に、こうした構成のオイル落し通路23を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
オイルに含まれるスラッジ等の異物が、オイル落し通路23を構成するパイプ部材25に長期間堆積すると、これが通路内壁に沈着する場合がある。その点、本実施形態では、オイルの温度に応じてパイプ部材25の形状が変化するため、オイル落し通路23に堆積した異物は、オイルの温度変化に伴って通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材25の内壁に沈着することを抑制することができる。なお、本実施形態では、オイルの温度が低いときには、出口部28を含み鉛直方向に延びる通路が指向部として機能するとともに、オイルの温度が高いときには、ループ状に形成された通路の鉛直方向下方側が指向部として機能する。
以上説明したように、第三実施形態によれば、上記(1)及び(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)パイプ部材25の一部を温度に応じて形状変化するバイメタル35を用いて形成した。そのため、オイルの温度変化に応じてパイプ部材25の形状が変化すると、これに伴って堆積した異物が通路内壁から剥離して移動することとなる。したがって、異物が同じ部位に長期間にわたって堆積することを抑制し、これがパイプ部材25の内壁に沈着することを抑制することができる。
なお、第三実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第三実施形態では、蛇腹部34とバイメタル35によってオイル落し通路23の一部を形成したが、蛇腹部34を形成せずともパイプ部材25の形状が変形可能であれば、この蛇腹部34を省略してもよい。
・上記第三実施形態では、感温材料としてバイメタル35を用いたが、形状記憶合金など他の材料を用いてもよい。
(第四実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第四実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23のパイプ部材25の構成を除いては、第一〜第三実施形態のものと同様の構成とされている。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は、省略する。
図7(a)に示すように、本実施形態の内燃機関では、パイプ部材25は、鉛直方向下方(図中における下側)に向かって凸状に屈曲され、その屈曲部27の通路下流側が水平方向に延びた形状とされている。水平方向に延びた通路の下流端には、出口部28が形成されている。出口部28は、その軸線が水平方向を指向して開口された状態とされている。水平方向に延びた通路の一部には、蛇腹部34が形成されている。この蛇腹部34も、金属又は弾性部材等からなり、その部分が変形可能に構成されている。蛇腹部34における鉛直方向下方の外壁には、温度に応じて形状が変化するバイメタル35が接着されている。バイメタル35は、熱膨張率の異なる二つの金属を重ねて貼り合わせたものであり、ここでもパイプ部材25側の金属の熱膨張率が、その反対側の金属の熱膨張率よりも小さい値に設定されている。このため、オイルの温度が低いと、バイメタル35は変形せずに直線上の形状となるため、オイル落し通路23の出口部28が水平方向に開口された状態となる。
一方、図7(b)に示すように、オイルの温度が高いときには、パイプ部材25の蛇腹部34を介してバイメタル35に熱が伝導されてバイメタル35の形状が変化する。このとき、パイプ部材25に接している金属の熱変形量は、その外側の金属と比較して小さいことから、バイメタル35は、パイプ部材25側を中心とした円弧状に変形する。これにより、パイプ部材25の蛇腹部34が屈曲され、その出口部28が、鉛直方向上方に向けて開口された状態となる。
次に、こうした構成のオイル落し通路23を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなり、その流動性が低下する。そのため、オイル落し通路23の異物が排出され難くなり、オイル落し通路23に異物が堆積する。一方、オイルの温度が高いときには、オイルの粘度が低くなり、その流動性が増大する。そして、こうした状態において、クランク室14内の負圧によりオイル落し通路23に貯留されたオイルが吸引される等して、オイルが出口部28から排出されると、上述したサイフォン現象が生じて、屈曲部27及びその近傍に貯留されたオイルが出口部28から流出するおそれがある。
その点、本実施形態によれば、オイルの温度が低く、上述したサイフォン現象が生じ難いときには、バイメタル35が直線状の形状となり、オイル落し通路23の出口部28を水平方向に開口する状態として、オイルを排出し易くする。一方、オイルの温度が高いときには、バイメタル35が屈曲し、出口部28を鉛直方向上方に開口する状態として、サイフォン現象が発生し難くする。したがって、本実施形態によれば、オイルの温度が低いときにはオイル落し通路23から異物を速やかに排出することができるとともに、オイルの温度が高いときには屈曲部27及びその近傍に貯留されたオイルの流出を抑制することができる。なお、本実施形態では、パイプ部材25に形成された屈曲部27が指向部として機能する。
以上説明したように、第四実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)オイル落し通路23を形成するパイプ部材25の屈曲部27よりも通路下流側の一部を、バイメタル35を用いて形成した。そして、このバイメタル35の形状変化によって、オイルの温度が低いときに対応した出口部28を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した出口部28を鉛直方向上方に向けて開口する状態との2種の状態がとられるようにした。そのため、オイルの温度が低く、サイフォン現象が生じ難いときには、オイルを排出し易くすることができる。また、オイルの温度が高いときには、クランク室14内の負圧によってオイル落し通路23のオイルが吸引されたとしても、サイフォン現象が発生し難くなる。したがって、オイルの温度が低いときにはオイル落し通路23から異物を速やかに排出することができるとともに、オイルの温度が高いときには屈曲部27及びその近傍に貯留されたオイルの流出を抑制することができる。
なお、第四実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第四実施形態では、蛇腹部34とバイメタル35によってオイル落し通路23を形成したが、蛇腹部34を形成せずともパイプ部材25の形状が変化可能であれば、この蛇腹部34を省略してもよい。
・上記第四実施形態では、感温材料としてバイメタル35を用いたが、形状記憶合金など他の材料を用いてもよい。
・上記第四実施形態では、温度が高いときには、出口部28を、その軸線が鉛直方向と一致する方向を指向した状態で開口させたが、これに限らず、出口部28の軸線が水平方向よりも鉛直方向上方側を指向して開口されていれば、サイフォン現象の発生を抑制して屈曲部27及びその近傍にオイルを貯留させることができる。
・上記第四実施形態では、温度が低いときには、出口部28を、水平方向を指向した状態で開口させたが、これに限らず、出口部28の軸線が水平方向よりも鉛直方向下方側を指向した状態で開口させてもよい。
(第五実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第五実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23に付着した異物の量を減少させる構成を備えている点で第一実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第一実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
図8に示すように、本実施形態の内燃機関では、オイル落し通路23に、その内壁と摺接し、且つオイルに浮遊するブラシ36を設けている。オイル落し通路23の入口部29及び出口部28には、網目状の蓋37が設けられている。この蓋37は、金属等からなり、ブラシ36よりも細かく且つ異物よりも粗い網目状に形成されている。また、PCVバルブ38は、図示しない電子制御装置によってその開度が制御される電動式の流量制御弁である。PCVバルブ38の開度の制御によって、クランク室14から吸気通路17に戻されるブローバイガスの量が調節される。
次に、こうした構成を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
図9に示すように、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30には、クランク室内圧PCが作用する。また、動弁室側油面31には、動弁室内圧PVが作用する。動弁室12には、図示しない動弁室新気通路を介して吸気通路17を流れる吸気の一部が導入されており、大気圧状態に維持されている。
電子制御装置によって、PCVバルブ38が開弁されている場合には、吸気負圧の作用により、クランク室14及びオイルパン20のブローバイガスが吸気通路17に還流される。このとき、クランク室14には、クランク室新気通路21を介して吸気の一部が導入される。そのため、クランク室14は大気圧状態に維持される。したがって、オイルの油面に作用するクランク室内圧PCと動弁室内圧PVとには、差が生じず、貯留されたオイルの油面は変動しない。
一方、電子制御装置によって、PCVバルブ38が閉弁された場合には、ブローバイガスが吸気通路17に還流されず、クランク室14にブローバイガスが滞留することとなる。こうした状態が維持されて、クランク室14に滞留するブローバイガスの量が増大すると、クランク室内圧PCが上昇する。そして、クランク室内圧PCが動弁室内圧PVよりも高くなると、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30に作用する圧力が動弁室側油面31に作用する圧力よりも高くなる。そのため、この圧力差によって、図9に点線で示すように、オイル落し通路23に貯留されたオイルが動弁室12側に移動して、動弁室側油面31が上昇する。このとき、その動弁室側油面31には、ブラシ36が浮遊している。そのため、油面の上昇に伴って、オイル落し通路23の内壁をブラシ36が摺動することとなる。その結果、ブラシ36によってオイル落し通路23の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量が減少する。また、こうした状態でPCVバルブ38が開弁されると、クランク室14のブローバイガスが吸気通路17に還流されて、クランク室内圧PCが減少する。そのため、動弁室12側の油面は下降する。そして、油面の下降に伴って、オイル落し通路23の内壁をブラシ36が摺動し、オイル落し通路23に付着した異物が掻き取られる。したがって、こうした構成によれば、PCVバルブ38の開度を制御することにより、オイル落し通路23内壁をブラシ36が摺動して、オイル落し通路23の内壁に付着した異物の量を減少させることができる。
また、オイル落し通路23の入口部29及び出口部28には、ブラシ36よりも細かい網目状に形成された蓋37が設けられている。そのため、ブラシ36がオイル落し通路23から排出されてしまうことを抑制するとともに、動弁室12内の異物をオイルパン20に排出することができる。なお、本実施形態では、パイプ部材25に形成された屈曲部27が指向部として機能する。
以上説明したように、第五実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)オイル落し通路23に、その内壁に摺接し、且つオイルに浮遊するブラシ36を設けた。また、PCVバルブ38を電子制御装置により制御される電動式の制御弁とした。そして、PCVバルブ38の開度を制御することにより、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面を変動させて、ブラシ36が通路内壁を摺動するようにした。そのため、ブラシ36によってオイル落し通路23の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
なお、第五実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第五実施形態では、オイル落し通路23の入口部29と出口部28に網目状の蓋37を設けたが、この蓋37を、リング状に形成し、その内周の径をオイル落し通路23の流路の径よりも縮径させた形状としてもよい。要は、オイル落し通路23からのブラシ36の排出を抑制するとともに、異物の排出が可能なものであればよい。
・上記第五実施形態では、入口部29と出口部28との両方に網目状の蓋37を設けたが、ブラシ36がオイル落し通路23から排出されるおそれがないのであれば、こうした蓋37を省略してもよい。また、入口部29及び出口部28のどちらか一方にのみ設けるようにしてもよい。
・上記第五実施形態では、可動部材としてブラシ36を用いたが、これに限らず、スポンジや、スチールウール等、他の部材を用いてもよい。
・上記第五実施形態では、PCVバルブ38の開度を制御して油面を変動させたが、内燃機関の振動等によって、油面の変動が生じるのであれば、こうした構成を省略してもよい。
(第六実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第六実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、動弁室12の内圧を調節する機構を備えている点で第五実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第五実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
図10に示すように、本実施形態の内燃機関には、吸気通路17におけるスロットルバルブ18の上流側にその一端が接続された動弁室新気通路39が設けられている。動弁室新気通路39の他端は動弁室12に接続されている。動弁室新気通路39には、電磁弁40が設けられている。電磁弁40は、電子制御装置によって制御され、吸気通路17から動弁室12に流入する空気の量を調節する。
また、吸気通路17におけるスロットルバルブ18の下流側には、その一端が吸気通路17に接続された負圧通路41が設けられている。負圧通路41の他端は動弁室12に接続されている。これにより、動弁室12には吸気負圧が導入される。負圧通路41には、電子制御装置によってその開度が制御される電動式の流量制御弁42が設けられている。この流量制御弁42の開度を制御することにより、吸気負圧によって動弁室12から吸気通路17に流れる空気の量を調節する。
次に、こうした構成を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
動弁室12の圧力は、動弁室12の温度や供給されるオイルの量によって変動する。そうした変動を抑えるために、動弁室新気通路39に設けられた電磁弁40が開弁されて、吸気通路17内の空気の一部が動弁室12に導入されている。これにより動弁室内圧PVは、ほぼ大気圧に維持され、クランク室内圧PCとのバランスが保たれている。
ところで、動弁室12には、負圧通路41が接続されており、負圧通路41には電動式の流量制御弁42が設けられている。そして、この流量制御弁42が開弁されると、動弁室12に吸気負圧が導入されて、動弁室12の空気が吸気通路17に排出される。このとき、動弁室新気通路39に設けられた電磁弁40が閉弁されていると、動弁室新気通路39から動弁室12に新たに空気が導入されず、動弁室内圧PVが低下する。すなわち、オイル落し通路23に貯留されたオイルにおいて、その動弁室側油面31にかかる圧力が、その出口部側油面30にかかるクランク室内圧PCよりも低くなる。そのため、こうした圧力の差によって、オイルは動弁室12側に移動することとなる。そしてオイルが動弁室12側に移動すると、動弁室側油面31が上昇し、その油面に設けられたブラシ36がオイル落し通路23を鉛直方向上方に向かって摺動する。また、こうして動弁室内圧PVが低下している状態で、電磁弁40が開弁されると、動弁室新気通路39を介して動弁室12に空気が導入されるため、動弁室12内の圧力が上昇し、オイル落し通路23の動弁室12側にかかる圧力が増大される。そのため、クランク室内圧PCと動弁室内圧PVとの差が減少して、オイルが出口部28側に移動するため、オイルの動弁室側油面31が下降する。したがって、こうした油面の下降に伴い、その油面31に設けられたブラシ36がオイル落し通路23を鉛直方向下方に向かって摺動する。このように、本実施形態では、電磁弁40及び流量制御弁42の開度を制御して、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面を変動させ、その油面に浮遊するブラシ36を、オイル落し通路23内壁と摺動させることができる。その結果、ブラシ36によってオイル落し通路23の内壁に付着した異物が掻き取られ、その付着量を減少させることができる。
以上説明したように、第六実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)オイル落し通路23に、その内壁に摺接して、オイルに浮遊するブラシ36を設けるとともに、吸気通路17から動弁室12に空気を導入する動弁室新気通路39を設け、この通路39に空気の流量を調節する電磁弁40を設けた。また、動弁室12に吸気負圧を導入する負圧通路41を接続し、この通路に動弁室12から排出される空気の流量を調節する電動式の流量制御弁42を設けた。そして、電磁弁40及び流量制御弁42の開度を制御して、動弁室内圧PVを変動させることで、オイル落し通路23に貯留されたオイルの油面を変動させた。そのため、こうした制御によって、オイル落し通路23内をブラシ36が摺動することとなり、その内壁に付着した異物の量を減少させることができる。したがって、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
なお、第六実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第六実施形態では、動弁室12に吸気負圧を導入する負圧通路41を設けたが、この負圧通路41を設けないようにしてもよい。なお、負圧通路41を設けない場合には、内燃機関を停止させたときに電磁弁40を閉弁させるようにすれば、閉塞された動弁室12内の空気が、内燃機関の温度の低下に伴い冷却されるため、動弁室内圧PVを低下させることができる。そのため、クランク室内圧PCが動弁室内圧PVよりも高くなり、オイル落し通路23内に貯留されたオイルを動弁室12側に移動させて、動弁室側油面31を上昇させることができる。また、こうした状態で、電磁弁40を開弁させれば、動弁室12内の圧力が略大気圧状態となり、クランク室内圧PCと動弁室内圧PVとの差が減少する。そのため、貯留されたオイルが出口部28側に移動して、動弁室12側の油面が下降することとなる。したがって、こうした制御によっても、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
・上記第六実施形態では、PCVバルブ38は負圧式のものでもよい。
(第七実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の第七実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、オイル落し通路23を、鉛直方向下方(図中における下側)に向かって凸状に屈曲されたU字状に形成した点で第一実施形態と異なっている。なお、その他の構成については第一実施形態と同様である。以下、そうした相違点を中心に説明する。
図11に示すように、本実施形態の内燃機関のオイル落し通路23は、そのパイプ部材25が、鉛直方向下方に向かって凸状に屈曲されたU字状に形成されている。パイプ部材25の鉛直方向上方側の管路部43は、シリンダーヘッド6及びシリンダーブロック1に形成された貫通孔24にそれぞれ連通されている。屈曲部44には、出口部45が形成されている。出口部45は、屈曲部の鉛直方向の最下部に位置する部分において、鉛直方向上方を指向して開口されている。パイプ部材25の管路部43には、それぞれブラシ36が設けられている。ブラシ36は、パイプ部材25の内周に摺接し、且つオイルに浮遊している。屈曲部44の鉛直方向の最下部に位置する部分の内周には、網目状の板46が立設されている。
次に、こうした構成を備える本実施形態の内燃機関の作用を説明する。
動弁室12に滞留するオイルは、動弁室12に連通された複数のオイル落し通路23に流入する。オイル落し通路23に流入したオイルは、シリンダーヘッド6及びシリンダーブロック1(図1)に形成された貫通孔24を流れ、パイプ部材25の管路部43にそれぞれ流入する。パイプ部材25の管路部43に流入したオイルは、屈曲部44において合流されるとともに、その流れ方向が、鉛直方向上方側に指向される。そして、鉛直方向上方側にその流れ方向が指向されたオイルは、屈曲部44に形成された出口部45から排出されて、オイルパンに戻される。
ここで、内燃機関が停止される等して、オイル落し通路23を流動するオイルの流れが停止されると、パイプ部材25にはその流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる屈曲部44が形成されていることから、重力の作用によって、屈曲部44及びその近傍にオイルが貯留される。そして、屈曲部44に貯留されたオイルによって、オイル落し通路23の一部が閉塞される。したがって、内燃機関が停止された状態にあっても、オイル落し通路23の一部が閉塞された状態が維持され、クランク室14やオイルパン20のブローバイガスがオイル落し通路23を通じて動弁室12に漏出することを抑制することができる。このように、本実施形態では、パイプ部材25に形成された屈曲部44が指向部として機能する。
ところで、内燃機関が搭載される車両には、その運転状態によって、加速度が作用する。こうした加速度としては、車両の前後方向に作用する加速度(G)や、横方向に作用する加速度(横G)、及び車両の鉛直方向に作用する加速度(縦G)等がある。また、内燃機関には、その駆動に伴って振動が生じている。そのため、こうした外力が、オイル落し通路23に貯留されたオイルに作用すると、その油面が変動し、オイルが排出されてしまうおそれがある。その点、本実施形態では、パイプ部材25がU字状に形成されているため、横Gや縦Gが作用したとしても、オイルは、パイプ部材25内部を流動する。そのため、上記外力によって、出口部45から排出されるオイルの流量を減少させることができ、オイル落し通路23にオイルが貯留された状態を維持することができる。
また、内燃機関のクランク軸5(図1)には、機関駆動式のオイルポンプが接続されている。そのため、内燃機関の回転速度が上昇して、オイルポンプのオイル汲み上げ量が増大すると、動弁室12に供給されるオイルの量が増大し、オイル落し通路23に流入するオイルの量も増大する。パイプ部材25の出口部45から排出されるオイルの量は、その出口部45の開口面積によって制限されている。そのため、上述したようにオイル落し通路23に流入するオイルの量が増大すると、オイル落し通路23に貯留されるオイルの量が増大し、その油面が上昇することとなる。このとき、パイプ部材25の管路部43には、それぞれブラシ36が設けられている。そのため、こうした油面の上昇に伴い、ブラシ36が鉛直方向上方に向かって通路内壁を摺動する。一方、機関回転速度が低下すると、オイルポンプのオイルの汲み上げ量が減少するため、動弁室12に供給されるオイルの量が減少し、貯留されるオイルの油面が低下する。そのため、ブラシ36が鉛直方向下方に向かって通路内壁を摺動する。このように、機関回転速度の変化によって、ブラシ36が通路内壁を摺動するため、オイル落し通路23に付着した異物が掻き取られ、その沈着を抑制することができる。なお、屈曲部44の鉛直方向の最下部に位置する部分の内周には、網目状の板46が立設されている。そのため、ブラシ36が、鉛直方向最下部を通過して他方の管路部43に移動したり、出口部45から排出されたりすることを抑制するとともに、オイルや異物を排出することができる。
以上説明したように、第七実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)オイル落し通路23をU字状に形成するとともに、その屈曲部44の鉛直方向最下部に位置する部分に、鉛直方向上方に指向された出口部45を形成した。そして、パイプ部材25のそれぞれの管路部43に、その内壁と摺接し、且つオイルに浮遊するブラシ36を設けた。そのため、機関回転速度の変化に伴い、オイル落し通路23へ流れるオイルの量が変化して、貯留されるオイルの油面が変動した場合に、オイルに浮遊するブラシ36が、オイル落し通路23内壁を摺動するようになる。そのため、オイル落し通路23の内壁に付着した異物がブラシ36により掻き取られ、その付着量を減少させることができる。その結果、オイル落し通路23に異物が沈着することを抑制することができる。
(8)オイル落し通路23をU字状に形成するとともに、その屈曲部44の鉛直方向最下部に位置する部分に、鉛直方向上方を指向した状態で出口部45を形成した。そのため、こうした内燃機関を搭載する車両に、加速度等の外力が作用すると、オイル落し通路23に貯留されたオイルは、パイプ部材25内を流動することとなる。そのため、こうした外力の作用によって、出口部45から排出されるオイルの流量を減少させることができ、オイル落し通路23にオイルが貯留された状態を維持することができる。
なお、第七実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第七実施形態では、オイル落し通路23の屈曲部44の鉛直方向の最下部に位置する部分の内周に、網目状の板46を立設させたが、出口部45の開口面積が小さく、ブラシ36が出口部45から排出されるおそれがないのであれば、この板を設けなくてもよい。なお、パイプ部材25の屈曲部の鉛直方向最下部よりも鉛直方向上方側に網目状の板46を設け、ブラシ36が他方の管路部43に移動することを抑制するようにしてもよい。また、こうした板46を複数設けるようにしてもよい。
・上記第七実施形態では、オイル落し通路23の入口部29からオイルが流入するが、この入口部に網目状の蓋37を設けてもよい。これにより、ブラシ36が動弁室12に排出されることを抑止することができる。
・上記第七実施形態では、パイプ部材25のそれぞれの管路部43にブラシ36を設けるようにしたが、管路部43の片方にのみブラシ36を設けるとともに、板46を省略してもよい。こうした構成によれば、強い横G等が作用した際に、ブラシ36が他方の管路部43に移動して、その内壁と摺動するため、オイル落し通路23内に沈着した異物の量を減少させることができる。また、ブラシ36を3つ以上設けるようにしてもよい。
・上記第七実施形態では、可動部材としてブラシ36を用いたが、これに限らず、スポンジや、スチールウール等、他の部材を用いてもよい。
(他の実施形態)
さらに、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・第一実施形態では、オイル落し通路23をJ字状に形成していたが、オイル落し通路23の形状はこれに限られるものではない。
図12(a)に示すように、オイル落し通路23の形状を、例えば、S字状に形成してもよい。こうした場合には、鉛直方向下方に凸状に屈曲した部分が指向部として機能することとなる。
また、図12(b)に示すように、オイル落し通路23の形状を、ループ状に形成してもよい。こうした場合には、ループ部の鉛直方向下方側が指向部として機能する。
また、図12(c)に示すように、オイル落し通路23を、シリンダーヘッド6の上面に形成された凹み部47と、この凹み部47に逆J字状に接続されるパイプ部材48とで構成するようにしてもよい。こうした場合には、凹み部47とパイプ部材48とが指向部として機能する。
また、図12(d)に示すように、オイル落し通路23のパイプ部材49を直管状に形成し、このパイプ部材49を筒状に形成された筒部50に貫通させて接続するとともに、この筒部50において、パイプ部材49の鉛直方向下方側の開口部51よりも鉛直方向上方に位置する壁面に出口部52を形成するようにしてもよい。こうした場合には、パイプ部材49を流れてその開口部51から排出されたオイルが、筒部50に貯留されて、パイプ部材49の開口部51が油没される。そしてこの場合、上記筒部50が指向部として機能する。
また、オイル落し通路23を、図12(e)に示すように構成してもよい。シリンダーヘッド6又はシリンダーブロック1(図1)には、その断面がパイプ部材53の断面よりも拡径された拡径部54が設けられている。拡径部54の鉛直方向下方の端部には、直管状のパイプ部材53が貫通した状態で接続されている。パイプ部材53は、その上流側の開口部55が、パイプ部材53と拡径部54との接続部よりも鉛直方向上方側に位置する。そして、パイプ部材53の開口部55は、円筒状に形成されたカップ部材56によって覆われている。カップ部材56は拡径部54に固定されている。こうした構成によれば、パイプ部材53の開口部がカップ部材56に覆われているため、オイル落し通路23に流入したオイルが、直接パイプ部材53に流入できない。そのため、オイルは、カップ部材56と拡径部54との間の通路を通過して、一旦、拡径部54の鉛直方向下方の端部に流れる。その後、オイルが、カップ部材56とパイプ部材53との間を鉛直方向上方側に向かって流れ、パイプ部材53の開口部55を通過してオイルパンに排出される。このとき、カップ部材56の端は、パイプ部材53の開口部55よりも鉛直方向下方に位置することから、拡径部に貯留されるオイルによって、パイプ部材53とカップ部材56との間の通路を油没させた状態とすることができる。このように、パイプ部材53及び拡径部54によって指向部が形成されている。
また、オイル落し通路23を、図12(f)に示すように構成してもよい。つまり、オイル落し通路23の途中にその流路断面が拡径された拡径部57を設ける。拡径部57において、オイルが流入する流入口58の周囲の壁面には、流入口58を覆うように傾斜した傾斜板59が立設されている。一方、拡径部57のオイルが排出される排出口60の周囲の壁面には、傾斜板が傾斜する側に、遮断板61が立設されている。なお、傾斜板59と遮断板61とはその間隔が一定になるよう平行に延びている。こうした構成によれば、オイル落し通路23の上流側から拡径部57に流入するオイルは、傾斜板59に沿って誘導されるため、直接排出口60に流れることができない。そして、傾斜板59に沿って流れ、拡径部57の下方に誘導されたオイルは、遮断板61と拡径部57とに囲まれた空間に貯留される。このとき、傾斜板59の鉛直方向下方側の端部は、遮断板61の鉛直方向上方側の端部よりも鉛直方向下方に位置する。そのため、傾斜板59と遮断板61との間の通路がオイルによって油没された状態となる。したがって、上記の構成によっても、オイル落し通路23の一部が閉塞され、ブローバイガスがオイル落し通路23を介して動弁室12に漏出することを抑制することができる。こうした場合には、拡径部57と遮断板61とが指向部として機能する。
また、オイル落し通路23は、図13に例示する構成とすることができる。
まず、図13(a)に示すように、オイル落し通路23のパイプ部材62を、その通路下流側が二股に分岐された山字状に形成してもよい。分岐管63は、水平方向に延びる一方、その下流側が鉛直方向上方側に屈曲されており、出口部64は鉛直方向上方を指向して開口されている。オイル落し通路23に流入したオイルは、パイプ部材62において分流して、各分岐管63を流れる。そして、これら分岐管63において、その流れ方向が延長方向上方側に指向されて出口部64から排出される。したがって、こうした構成によれば、分岐管63が指向部として機能するため、パイプ部材62にオイルを貯留して、オイル落し通路23の一部を閉塞することができる。
また、オイルの粘度が低く、慣性が小さい場合には、ピストン3の往復運動等に起因した高い周波数の圧力変動が、オイルの油面に影響を与える場合がある。その点、上記構成では、パイプ部材62の通路下流側を左右対称に形成しているため、一方の出口部64側の油面に作用する圧力と同じ圧力が同じタイミングで他方の出口部64側の油面にも作用する。したがって、こうした圧力変動の影響が弱められ、油面の変動量を減少させることができる。
また、図13(b)に示すように、オイル落し通路23のパイプ部材65を有底円筒状に形成し、その内部に、仕切板66を設けるようにしてもよい。仕切板66は、水平方向に延び、半円状に形成された天板部67と、鉛直方向に延び、その幅がパイプ部材の直径と略同じ長さに形成された板部68とにより構成されている。仕切板66の天板部67の外周、及び板部68の長手方向の側面が、パイプ部材65の内壁に接続されている。これにより、パイプ部材65の内部は、動弁室12に開口された空間(図中における右側の空間)と、仕切板66によって囲まれた空間(図中における左側の空間)とに区切られる。これらの空間は、仕切板66とパイプ部材65の底70との間に形成されている隙間を介して連通されている。仕切板66に囲まれた空間には、出口部69が設けられている。こうした構成によれば、パイプ部材65に流入したオイルは、動弁室12に開口された空間を通過して、一旦パイプ部材65の底まで流れる。その後、オイルは、その流れ方向が鉛直方向上方に指向され、出口部69から排出される。なお、このとき、出口部69が、仕切板66の鉛直方向下方の端よりも上方側に形成されている。そのため、パイプ部材65の仕切板66に囲まれた空間において、出口部69から底70までの間には、オイルが貯留されて、その通路の一部が閉塞される。このように、パイプ部材65及び仕切板66によって指向部が形成されている。また、パイプ部材65の内部に仕切板66を設ける構成としたため、パイプ部材65が占める空間を増大させずに、オイル落し通路23に指向部を形成することができる。
・上述した実施形態では、シリンダーブロック1にパイプ部材25を接続してオイル落し通路23を形成していたが、シリンダーヘッド6にパイプ部材25を接続してオイル落し通路23を形成するようにしてもよい。また、オイル落し通路23は、下記の方法によっても形成することができる。
図14(a)に示すように、シリンダーブロック1には、シリンダーブロック1に形成された貫通孔24よりもその断面が拡径された円柱状の嵌合溝71を形成されている。そして、この嵌合溝71に、円柱状のカートリッジ部材72を嵌合させる。カートリッジ部材72には、孔73が形成されている。孔73は、カートリッジ部材72が嵌合された際にシリンダーブロック1の貫通孔24と連通する第1通路74、出口部77を形成する第2通路75、及びこれら第1通路74の鉛直方向下方部と第2通路75の鉛直方向上方部とを連通する連通路76とから構成されている。こうした構成により、貫通孔24を流れたオイルが、カートリッジ部材72内の孔73を通過してオイルパン20に排出される際に、その流れ方向を鉛直方向上方側に指向させることができる。したがって、こうした構成によっても、オイル落し通路23の一部を閉塞することができる。なお、カートリッジ部材72を別部材として構成しているため、オイル落し通路23に指向部を容易に形成することができ、こうしたオイル落し通路23を備えた内燃機関の製造をより容易とすることができる。
図14(b)には、図14(a)と同様にシリンダーブロック1の嵌合溝71にカートリッジ部材72を嵌合する構成を示している。この図14(b)では、カートリッジ部材72に形成された孔78の構成が図14(a)のものと異なっている。以下そうした違いを中心に説明する。
カートリッジ部材72には、その入口部79から鉛直方向に延びる第1通路80と、出口部81から鉛直方向に延びる第2通路82と、カートリッジ部材72の内部に形成され鉛直方向に延びる第3通路83が形成されている。第1通路80の鉛直方向下流側の端部と第3通路83の下流側の端部とは、水平方向に延びる第1連通路84によって連通されている。また、第3通路83の上流側の端部と第2通路82の上流側の端部とは、水平方向に延びる第2連通路85によって連通されている。したがって、こうしたカートリッジ部材72がシリンダーブロック1に形成された嵌合溝71に嵌合されると、オイルは次のように流れる。まず、入口部79に流入したオイルは、第1通路80の下方に流れ、第1連通路84介して第3通路83に流入する。第3通路83に流入したオイルは、その流れ方向が鉛直方向上方に指向されて第2連通路85に流れる。第2連通路85に流れたオイルは、第2通路82に流入し、出口部81から排出される。このように、第3通路83が指向部として機能するため、第1通路80と第1連通路84及び第3通路83には、オイルが貯留されることとなる。したがって、こうした構成によっても、オイル落し通路23の一部を閉塞することができる。
図14(c)には、図14(a)、(b)と同様にシリンダーブロック1の嵌合溝71にカートリッジ部材72を嵌合する構成を示している。この図14(c)では、シリンダーブロック1に形成された嵌合溝71の構成や、カートリッジ部材72に形成された孔の構成が、図14(a)、(b)のものと異なっている。以下そうした違いを中心に説明する。
シリンダーブロック1には、水平方向を軸とした円柱状に形成された嵌合溝71が設けられている。嵌合溝71の鉛直方向下方側は、その一部を除いてクランク室14に開放されている。嵌合溝71には、その形状と略同形に形成されたカートリッジ部材72が挿入される。カートリッジ部材72は、嵌合溝71の鉛直方向上方側の壁面及び鉛直方向下方の突出部93とで挟持されて、固定される。カートリッジ部材72には、その内部でループ状に形成された孔86が設けられている。孔86の入口部87は、カートリッジ部材72の曲面に形成され、嵌合溝71に嵌合された際に、シリンダーブロック1の貫通孔24と連通される。また、出口部88は、カートリッジ部材72の曲面に形成され、クランク室14側に開口される。こうした構成により、オイル落し通路23を流れるオイルは、そのカートリッジ部材72に形成されたループ状の孔86を通過する際に、その流れ方向が鉛直方向上方側に指向される。このようにループ状の孔86が指向部として機能するため、ループ状の孔86には、オイルが貯留され、オイル落し通路23の一部が閉塞される。
また、図15には、こうした構成の変更例を示している。図15では、シリンダーブロック1に形成された嵌合溝71の構成や、カートリッジ部材89の構成が、図14のものと異なっている。以下そうした違いを中心に説明する。
図15(a)に示すように、シリンダーブロック1には、貫通孔24が形成されている。貫通孔24は、その鉛直方向下方に設けられた嵌合溝71と連通されている。嵌合溝71は、直方体状に切りかかれた形状であり、その鉛直方向下方側は、一部を除いてクランク室14に開放されている。嵌合溝71に嵌合されるカートリッジ部材89は、その水平方向における長さが嵌合溝71の水平方向における長さよりも短く設定された直方体状に形成されている。なお、カートリッジ部材89のその他の寸法は、嵌合溝71のものと略同一に設定されている。カートリッジ部材89には、その鉛直方向上方に形成された入口部90から、その側面の上方側に形成された出口部91までを連通する略V字状の孔92が設けられている。
そして、図15(b)に示すように、嵌合溝71にカートリッジが挿嵌されると、カートリッジ部材89は、嵌合溝71の鉛直方向上方側の壁面及び鉛直方向下方の突出部93とで挟持されて、固定される。このとき、カートリッジ部材89の水平方向における長さが、嵌合溝71の水平方向における長さよりも短いため、カートリッジ部材89と嵌合溝71との間には隙間が形成されている。そしてこの隙間に、カートリッジ部材89の出口部91が開口されている。また、カートリッジ部材89の入口部90は、シリンダーブロック1の貫通孔24と連通されている。したがって、こうした構成により、動弁室12から貫通孔24を介してカートリッジ部材89に流れたオイルは、カートリッジ部材89に形成された略V字状の孔92によって、その流れ方向が鉛直方向上方側に指向される。すなわち、孔92が指向部として機能する。そして、鉛直方向上方に流れたオイルは、その出口部91から上記隙間に排出され、オイルパン20へ戻される。このように、カートリッジ部材89に、オイルが貯留され、オイル落し通路23の一部が閉塞される。
・第二実施形態では、パイプ部材25の屈曲部27において鉛直方向の最下部に位置する部分に、鉛直方向下方に拡径された沈降部33を形成したが、図16に示すように、パイプ部材25の屈曲部27を、鉛直方向下方に位置するほどその径が大きくなるよう構成してもよい。
・第二実施形態では、パイプ部材25の屈曲部27において鉛直方向の最下部に位置する部分に、鉛直方向下方に拡径された沈降部33を形成したが、図17に示す構成のようにしてもよい。
図17に示すように、パイプ部材94は、その一部がオイルパン20に貯留されたオイル内まで延びて、その出口部95が鉛直方向上方側に開口されている。出口部95は、オイルパン20に貯留されるオイルの油面の最上部(図中のHigh)よりも鉛直方向上方に位置している。また、屈曲部27において、鉛直方向最下部に位置する部分の鉛直方向上方側の壁面32は、オイルパン20に貯留されるオイルの油面の最低レベル(図中のLow)よりも鉛直方向下方に位置している。屈曲部27において、鉛直方向最下部に位置する部分の鉛直方向下方には、鉛直方向下方に延びて、その下流側が車両前方に屈曲されたゴミ落し通路96が接続されている。ゴミ落し通路96の開口端97は、車両前方に向かって開口されている。
こうした構成によれば、オイル落し通路23に流入した異物を、屈曲部27に接続されたゴミ落し通路96からオイルパン20に排出することができる。したがって、オイル落し通路23に異物が流入してもオイル落し通路23の流路面積を確保することができ、オイル落し通路23を通じてオイルを円滑に排出することができる。
ところで、車両に強い横G等が作用すると、オイルパン20内のオイルがゴミ落し通路96を逆流して、動弁室12に流入するおそれがある。その点、上記構成では、ゴミ落し通路96の開口端97を車両前方に向けて屈曲させた。したがって、車両に強い横Gが発生したとしても、ゴミ落し通路96の開口端97に流入するオイルの量が減少され、動弁室12にオイルが逆流することを抑制することができる。また、車両に作用する加速度においては、車両加速時に生じる加速度、すなわち車両後方側へ作用する加速度が最も弱い。そのため、ゴミ落し通路96を車両前方に向けて開口させたとしても、その開口端97の軸方向に流動するオイルの量は少ないため、オイルが動弁室12まで逆流することを抑制することができる。したがって、こうした構成によれば、車両に発生する加速度によって、オイルが動弁室12まで逆流することを抑制することができる。
・第五実施形態〜第七実施形態では、オイル落し通路23にオイルに浮遊するブラシ36(可動部材)を設け、オイルの油面を変動させることでブラシ36を摺動させてオイル落し通路23内壁に沈着する異物の量を減少させるようにした。尤も、オイル落し通路23内壁に沈着する異物の量を減少させる構成としては、図18に示す構成を採用することができる。
図18(a)に示すように、シリンダーヘッド6には、直管状のパイプ部材98が接続されている。パイプ部材98の内部には、その軸心と一致するように、シリンダーヘッド6又はシリンダーヘッドカバー11に回転可能に懸吊された回転軸99が挿通されている。回転軸99には、羽根車100が固定されている。同図18(a)におけるB−B線に沿った断面構造を図18(b)に示す。
図18(b)に示すように、羽根車100は、その中心部101に回転軸99が挿嵌され、その中心部101に複数の羽根102が接続されている。各羽根102は、その上面が曲面として形成され、落下してきたオイルのエネルギーを回転軸99を回転させる回転力に変換する。回転軸99において、羽根車100の鉛直方向下方には、ブラシ103が固定されている。ブラシ103は、パイプ部材98の内壁と摺接している。回転軸99において、鉛直方向の下端には、上方側が開口された有底の円筒部104が接続されている。回転軸99と円筒部104との接続部は、円筒部104の底面105の重心よりも所定量αだけ偏心している。円筒部104の底面105と、パイプ部材98の鉛直方向の下端との間には、隙間が形成されている。パイプ部材98の外壁には、弾性部材からなる固定軸106を介してブラシ103が2つ接続されている。これらのブラシ103は、円筒部104の内壁と摺接している。
次に、こうして構成された内燃機関のオイル落し通路23の作用について説明する。
動弁室12内からオイル落し通路23に流入したオイルは、重力によってパイプ部材98を鉛直方向下方に流動し、円筒部104の底面105とパイプ部材98の下端との隙間から円筒部104に流動する。そして、円筒部104においてその流れ方向が鉛直方向上方に指向されて、その開口端部107から排出される。このとき、パイプ部材98内を液滴となって下降するオイルが羽根車100に衝突すると、その衝撃によって、羽根車100から回転軸99に回転方向の力が作用する。また、円筒部104の重心と、円筒部104と回転軸99との接続部とは、所定量αだけ偏心している。そのため、車両に横G等の加速度が作用すると、円筒部104に回転モーメントが発生し、回転軸99に回転方向に作用する力が発生する。そして、こうした力よって、シリンダーヘッド6に懸吊されている回転軸99が回転すると、この回転軸99に接続されたブラシ103が回転軸99を中心としてパイプ部材98内壁を摺動する。また、円筒部104が回転することによって、パイプ部材98の外壁に固定されたブラシ103が、円筒部104の内壁と摺動する。したがって、こうした構成によってオイル落し通路23の内壁に付着する異物が掻き取られ、その沈着を抑制することができる。ちなみにこの構成では、円筒部104が指向部として機能する。
なお、上記構成では、回転軸99に羽根車100を設けるとともに、回転軸99と円筒部104との接続部を、円筒部104の重心から偏心させる構成としたが、回転軸99が回転可能であれば、それらの一方又は両方を省略してもよい。
また、上記構成では、回転軸99に固定されるブラシ103と、パイプ部材98の外壁に固定されるブラシ103とを設けたが、どちらか一方を省略してもよい。また、パイプ部材98の外壁に固定されるブラシ103のみを設ける場合には、ブラシが1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、こうしたブラシ103を3つ以上設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、オイルセパレーター15の出口部にPCVバルブ16を接続し、PCVバルブ16にブローバイガス通路を接続することで、ブローバイガスを吸気通路17に還流させるようにしたが、ブローバイガスを還流させる構成としてはこれに限られない。例えば、以下のように構成することができる。
図19に示すように、オイルセパレーター15と負圧式のPCVバルブ16との間には、通路108が設けられている。この通路108から、バイパス通路109が分岐している。バイパス通路109は、クランク室新気通路21において逆止弁22が設けられた部位よりも吸気通路17側の部位に連通されている。バイパス通路109の途中には、逆止弁110が設けられている。逆止弁110は、クランク室新気通路21を流れた空気が、バイパス通路109の通路108側に流入することを規制する。
次に、こうした構成による作用について説明する。
クランク室14やオイルパン20に存在するブローバイガスは、チェーンケース内通路13を通過してシリンダーヘッドカバー11内の空間に流れ、オイルセパレーター15を通過してPCVバルブ16から吸気通路17に戻される。このとき、PCVバルブ16を通過して吸気通路17に戻されるブローバイガスの量よりも、クランク室14に発生するブローバイガスの量が多くなると、クランク室14にブローバイガスが滞留し、クランク室内圧PCが極端に正圧になるおそれがある。そしてこのようにクランク室内圧PCが正圧になると、オイル落し通路23に貯留されたオイルの出口部側油面30に作用する圧力によって、オイルが動弁室12に逆流するおそれがある。また、吸気負圧によってその開度が制御される負圧式のPCVバルブ16が設けられている場合には、吸気負圧の低下に伴い、PCVバルブ16の開度が減少し、ブローバイガスの還流量が減少する。したがって、こうした場合にも、クランク室14に滞留するブローバイガスの量が多くなり、クランク室内圧PCが極端に正圧になるおそれがある。
その点、本構成では、オイルセパレーター15を通過したブローバイガスを、PCVバルブ16を通過させずに、吸気通路17に排出させることができる。すなわち、機関負荷が低いときには、スロットルバルブ18の開度が減少し、吸気通路17に吸気負圧が生成される。そのため、PCVバルブ16の開度が大きくされ、吸気通路17に還流されるブローバイガスの量が多くなる。したがって、クランク室内圧PCが極端に正圧になることを抑制することができる。このとき、バイパス通路109には逆止弁が設けられている。そのため、空気がバイパス通路109を通過してシリンダーヘッドカバー11内に流動することが抑制されている。したがって、クランク室新気通路21に流れた空気は、全てクランク室14内に流入し、PCVバルブ16を介したブローバイガスの還流を円滑に行うことができる。一方、機関負荷が高くなると、スロットルバルブ18の開度が増大し、吸気負圧が低下する。そのため、PCVバルブ16の開度が減少し、PCVバルブ16を通過するブローバイガスの流量が減少する。そのため、このとき、ブローバイガスは、PCVバルブ16のみならず、バイパス通路109にも流れる。そして、クランク室内圧PCが、吸気通路17におけるスロットルバルブ18上流側の圧力よりも高くなると、バイパス通路109に流れたブローバイガスが、クランク室新気通路21を通過して、吸気通路17に流出する。このように、PCVバルブ16を通過するブローバイガスの流量よりも、クランク室14に発生するブローバイガスの量が多くなった場合にあっても、クランク室14のブローバイガスを吸気通路17に排出することができるため、クランク室内圧PCが極端に正圧になることを抑制することができる。したがって、オイル落し通路23に貯留されたオイルが動弁室12に逆流することを抑制することができ、オイル落し通路23の一部を閉塞状態に維持ことができる。
その他、ブローバイガスの動弁室12への漏出を抑制する構成を具体化したその他の構成として、以下の(イ)〜(ホ)の構成も有効である。
(イ)図20(a)に示すように、オイル落し通路23は、直管状のパイプ部材111により形成され、その先端部が傾斜されている。この傾斜された先端部には、その鉛直方向上方側の壁面に複数(本構成では3つ)の孔112が形成されている。この孔112は、重力によって閉弁される蓋113によって塞がれている。こうした構成によれば、パイプ部材111に貯留されるオイルの量が少ないときには、孔112が蓋113によって塞がれた状態となり、ブローバイガスの動弁室12への逆流が抑制される。一方、パイプ部材111に流入したオイルの量が所定量以上となると、その重量によって蓋113が押圧されて、孔112が開放されることにより、オイルが排出される。したがって、動弁室12のオイルをオイルパン20に排出するとともに、ブローバイガスの動弁室12への逆流を抑制することができる。
ここで、オイル落し通路23には、異物114が流入する。そして、この異物114がパイプ部材111に堆積して、孔112が塞がれると、動弁室12内のオイルが排出されなくなる。その点、上記構成では、図20(b)に示すように、パイプ部材111に複数の孔112が形成されているため、異物114が堆積して、鉛直方向の下方に位置する孔112が塞がれたとしても、その上方に位置する孔112からオイルが排出される。したがって、異物114が堆積して、孔112が塞がれたとしても、その他の孔112を介して、動弁室12内のオイルを排出することができる。なお、パイプ部材111の先端部(図中における下側)に、所定量以上の重量が加えられたときに開弁する弁を更に設け、パイプ部材111に堆積した異物114の量が多くなったときに、これらを排出させるようにしてもよい。
(ロ)図21(a)に示すように、内燃機関には、機関駆動式のオイルポンプ115が設けられている。オイルポンプ115は、オイルストレーナー116を介してオイルパン20に貯留されたオイルを吸引する。吸引されたオイルは、図示しないオイル供給通路に吐出され、各部に供給される。オイル落し通路23は、鉛直方向に延びて、その下方の端部がオイルストレーナー116に接続されている。オイル落し通路23には、その通路を流れるオイルの流量を可変とする絞り機構117が設けられている。絞り機構117は、電子制御装置によってその絞り量が制御される。
こうした構成によれば、オイル落し通路23が、クランク室14と連通されないため、動弁室12とクランク室14とを遮断することができる。そのため、クランク室14内のブローバイガスが動弁室12に流入することを抑制することができる。また、オイルポンプ115は、オイルパン20に貯留されたオイルを吸引するとともに、オイル落し通路23を介して動弁室12内に滞留するオイルも吸引する。このとき、動弁室12内のオイルの量が少ないと、オイルポンプ115に空気が吸引されてしまう。そのため、オイル落し通路23に設けられた絞り機構117の絞り量を制御して、動弁室12からオイルポンプ115に流入するオイルの流量を調節している。これにより、オイルポンプ115に空気が流入することを抑制し、オイルポンプ115によるオイルの供給を円滑に行うことができる。
(ハ)図21(b)に示すように、内燃機関には、機関駆動式のオイルポンプ115が設けられている。オイルポンプ115は、オイルストレーナー116を介してオイルパン20に貯留されたオイルを吸引する。吸引されたオイルは、図示しないオイル供給通路に吐出され、各部に供給される。本構成では、オイル落し通路23として、その形状が鉛直方向下方に凸状に屈曲されたJ字通路118と、動弁室12とオイルストレーナー116とを連通する直結通路119との2つの通路を設けている。直結通路119は、シリンダーヘッド6の上面に形成された入口部120から鉛直方向に延びて、その下方の端部がオイルストレーナー116に接続されている。また、その流路面積は、J字通路118よりも小さく設定されている。J字通路118は、動弁室12側の開口部121が、シリンダーヘッド6の上面よりも鉛直方向上方側に位置しており、クランク室14側の開口部122が鉛直方向上方を指向して開口されている。
こうした構成によれば、動弁室12のオイルは、直結通路119を介してオイルポンプ115によって吸引される。このとき、直結通路119の通路面積が小さいことから、その通路内を通過するオイルの流量が少ない。したがって、動弁室12内のオイルを吸い込み過ぎてしまうことを抑制でき、オイルポンプ115に空気が吸引されてしまうことを抑制することができる。一方、こうして動弁室12から吸引されるオイルの量が少ないと、動弁室12に供給されるオイルの量によっては、動弁室12に多量のオイルが滞留することとなる。その点、本構成では、その開口部121がシリンダーヘッド6の上面よりも鉛直方向上方に位置するJ字通路118が設けられているため、このJ字通路118を介して動弁室12内に滞留するオイルを排出することができる。そして、J字通路118を流れたオイルは、その流れが停止すると、その屈曲部123に滞留することとなり、J字通路118の一部が閉塞される。したがって、ブローバイガスがJ字通路118を介して動弁室12に逆流することを抑制することができる。
また、動弁室12には、所定量のオイルが貯留されるため、動弁室12の壁面に付着した異物を洗い流すことができ、その沈着を抑制することができる。また、オイル落し通路23を複数設けているため、一方に詰まりが生じたとしても、他方の通路を介してオイルを排出することができ、そうした場合であっても動弁室12内に滞留するオイルの量を減少させることができる。
(ニ)図22に示すように、内燃機関のオイル落し通路23は、鉛直方向に延びる直管上に形成されている。オイル落し通路23の途中には、電子制御弁124が設けられている。動弁室12には、その内部に滞留しているオイルの量を検出するオイルレベルセンサ125が設けられている。オイルレベルセンサ125の信号は、電子制御装置126に入力される。電子制御装置126は、オイルレベルセンサ125の信号に基づいて、電子制御弁124の開度を調節する。
こうした構成では、オイルレベルセンサ125によって動弁室12に滞留するオイルの量を検出し、この量が所定量以上のときには、電子制御弁124を開弁させる一方、滞留するオイルの量が所定量未満のときには、電子制御弁124を閉弁させるように制御している。電子制御弁124が閉弁されていると、オイル落し通路23はその一部が閉塞された状態となる。また、電子制御弁124が開弁されると、動弁室12のオイルが、オイルパン20に排出される。このとき、鉛直方向下方に延びるオイル落し通路23は、オイルで満たされているため、動弁室12からオイルが排出されているときにあっても、その通路23が閉塞された状態となる。したがって、ブローバイガスがオイル落し通路23を介して動弁室12に逆流することを抑制することができる。
(ホ)図23(a)に示すように、内燃機関のオイル落し通路23の途中には、オイル落し通路23の流路面積を油圧に応じて可変とする油圧制御弁127が設けられている。油圧制御弁127には、オイルポンプから吐出されたオイルが供給される油圧ライン128と、油圧ライン128に摺動可能に内設された受圧ピストン129とが設けられている。受圧ピストン129には、シーソー部130が当接されている。シーソー部130は、受圧ピストン129に当接される受圧部131と、受圧部131に接続された支持部132と、支持部132を回動可能に支持する支点部133とで構成されている。受圧部131とオイル落し通路23の外壁との間には、ばね134が介設されており、このばね134は、受圧部131を受圧ピストン129側に付勢している。シーソー部130の支持部において、受圧部131が接続された端部の反対側の端部には、スライド弁135が接続されている。スライド弁135は、オイル落し通路23に挿入され、その挿入量に応じての流路面積を変化させる。
次に、こうして構成された内燃機関のオイル落し通路23の作用について説明する。
受圧ピストン129には、油圧ライン128に供給されるオイルの油圧が作用する。そのため、この油圧によって、受圧ピストン129に当接されるシーソー部130の受圧部131には、図中左方向に向かった押圧が作用している。一方、受圧部131は、ばね134の弾性力によって、図中右方向にも付勢されている。
ここで、機関回転速度が低く、オイルポンプによって油圧ライン128に供給されるオイルの量が少ないときには、受圧部131を押圧する油圧の作用が小さい。そのため、受圧部131に作用するばね134の弾性力が油圧による押圧力よりも大きくなり、受圧部131は、図中右方向に移動する。このとき、シーソー部130は、支点部133を中心に回動可能に支持されているため、この支点部133を中心として時計回りに回動する。シーソー部130が時計回りに回動されると、その支持部132に接続されたスライド弁135は、図中左方向に移動するため、そのオイル落し通路23への挿入量が増大される。したがって、オイル落し通路23の流路面積が減少し、オイルの流量が減少する。
一方、図23(b)に示すように、機関回転速度が高く、オイルポンプによって油圧ライン128に供給されるオイルの量が多いときには、受圧部131を押圧する油圧の作用が大きい。そのため、受圧部131に作用する油圧による押圧力が、ばね134の弾性力よりも大きくなり、受圧131部を、図中左方向に移動させる。したがって、シーソー部130が、支点部133を中心に反時計回りに回動され、スライド弁135が、図中右方向に移動する。そのため、そのオイル落し通路23への挿入量が減少され、オイル落し通路23の流路面積を増大させる。これにより、オイル落し通路23から排出されるオイルの流量が増大する。
このように、機関回転速度が低いときに、油圧制御弁127によってその流路面積を減少させてその流路を絞ることで、オイル落し通路23に流入するオイルの量が少ないときには、それに合わせてオイルの排出量を減少させるようにしている。そして、このように油圧制御弁127を通過するオイルの量よりも、そこに流入するオイルの量が大きくなるように制御することで、オイル落し通路23の一部にオイルを貯留させるようにしている。また、機関回転速度が高く、オイル落し通路23に流入するオイルの量が多いときには、油圧制御弁127によってその流路面積が増大させられる。こうして、オイルの流入量に合わせてその排出量を変更させることで、オイル落し通路23に貯留されるオイルの量を調節するようにしている。したがって、機関回転速度が変動したとしても、オイル落し通路23にオイルが貯留され、オイル落し通路23が閉塞されるため、ブローバイガスがオイル落し通路23を介して動弁室12に逆流することを抑制することができる。
1…シリンダーブロック、2…シリンダーボア、3…ピストン、4…コンロッド、5…クランク軸、6…シリンダーヘッド、7…吸気ポート、8…吸気バルブ、9…排気ポート、10…排気バルブ、11…シリンダーヘッドカバー、12…動弁室、13…チェーンケース内通路、14…クランク室、15…オイルセパレーター、16、38…PCVバルブ、17…吸気通路、18…スロットルバルブ、19…ブローバイガス通路、20…オイルパン、21…クランク室新気通路、22、110…逆止弁、23…オイル落し通路、24…貫通孔、25、48、49、53、62、65、94、98、111…パイプ部材、26…フランジ、27、44、123…屈曲部、28、45、52、64、69、77、81、88、91、95…出口部、29、79、87、90…入口部、30…出口部側油面、31…動弁室側油面、32…屈曲部の鉛直方向上方側の油面、33…沈降部、34…蛇腹部、35…バイメタル、36、103…ブラシ、37…蓋、39…動弁室新気通路、40…電磁弁、41…負圧通路、42…流量制御弁、43…管路部、46…板、47…凹み部、50…筒部、51、55…開口部、54、57…拡径部、56…カップ部材、58…流入口、59…傾斜版、60…排出口、61…遮断版、63…管路部、66…仕切板、67…天板部、68…板部、70…底、71…嵌合溝、72、89…カートリッジ部材、73、78、86、92、112…孔、74、80…第1通路、75…連通路、76、82…第2通路、83…第3通路、84…第1連通路、85…第2連通路、93…突出部、96…ゴミ落し通路、97…開口端、99…回転軸、100…羽根車、101…中心部、102…羽根、104…円筒部、105…底面、106…固定軸、107…開口端部、108…通路、109…バイパス通路、113…蓋、114…異物、115…オイルポンプ、116…オイルストレーナー、117…絞り機構、118…J字通路(オイル落し通路)、119…直結通路(オイル落し通路)、120…入口部、121…動弁室側の開口部、122…クランク室側の開口部、124…電子制御弁、125…オイルレベルセンサ、126…電子制御装置、127…油圧制御弁、128…油圧ライン、129…受圧ピストン、130…シーソー部、131…受圧部、132…支持部、133…支点部、134…ばね、135…スライド弁。

Claims (7)

  1. クランク室とシリンダーヘッド上の動弁室とを連通し、動弁室のオイルを前記クランク室に開口する出口部を介してオイルパンに排出するオイル落し通路を備えた内燃機関において、
    前記オイル落し通路は、前記オイルパンにオイルを排出させる際の同オイルの流れ方向を鉛直方向上方側に指向させる指向部を含んでなる
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記出口部は、前記指向部に開口されてなる
    請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記オイル落し通路は、前記指向部において、鉛直方向の最下部に位置する部分が拡径されてなる
    請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記オイル落し通路は、前記動弁室に連通するパイプ部材により形成され、前記パイプ部材の一部は温度に応じて形状変化する感温材料により形成されてなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記パイプ部材は、前記指向部よりも通路下流側の一部が前記感温材料によって形成されてなり、感温材料の形状変化により、オイルの温度が低いときに対応した前記出口部を水平方向に開口する状態と、オイルの温度が高いときに対応した前記出口部を鉛直方向上方に向けて開口する状態との複数の状態をとる
    請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記オイル落し通路には、該オイル落し通路の内壁に摺接し、且つオイルに浮遊して前記オイル落し通路内を移動可能な可動部材が設けられてなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関。
  7. 前記オイル落し通路は、前記動弁室に開口される入口部と鉛直方向最下部に前記指向部として設けられた屈曲部との鉛直方向における長さが、前記屈曲部と前記出口部との鉛直方向における長さよりも長いJ字状に形成されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関。
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