JP5972337B2 - スパークプラグ用絶縁体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等において着火に用いられるスパークプラグ用絶縁体の製造方法に関する。
スパークプラグの絶縁体をセラミックスと樹脂とを混合した材料を用いた射出成形によって形成する技術が知られている(例えば、特許文献1および2)。
独国特許出願公開第102010042155号明細書(DE10 2010 042 155 A1) 独国特許出願公開第102012200045号明細書(DE10 2012 200 045 A1)
特許文献1の技術では、成形型内のキャビティへの材料の射出は、絶縁体の軸方向の先端に対応する位置から行われている。また、特許文献2の技術では、成形型内のキャビティへの材料の射出は、絶縁体の最大の外径を有する部位に対応する1個の位置から行われている。
しかしながら、上記技術では、材料の射出位置が十分に工夫されているとは言えず、製造された絶縁体の耐電圧性が低下する可能性があった。例えば、特許文献1の材料射出位置では、当該射出位置から最も遠い絶縁体の後端部の密度が不十分になるので、絶縁体の後端部の耐電圧性が低下してしまう可能性があった。また、特許文献2の材料射出位置は、一個だけであるので、絶縁体の後端部や先端部までに材料が到達するための移動距離が長くなる。この結果、絶縁体の先端部や後端部の密度が不十分になるので、絶縁体の先端部や後端部の耐電圧性が低下してしまう可能性があった。
本発明の目的は、射出成形を用いて絶縁体を形成する際に、絶縁体の耐電圧性の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[形態]内部に円柱状のキャビティを有するとともに、前記キャビティ内に軸線の方向に延びる棒状部材が配置される成形型を用いた射出成形によって、前記軸線の方向に延びる軸孔を有する円筒形状の成形体を成形する成形工程を含むスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記成形工程は、セラミックスを含む材料を射出する射出工程を含み、
前記射出工程において、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面に開口する複数個の射出口から前記キャビティ内に前記材料を射出し、
前記複数個の射出口は、前記軸線の方向における位置が互いに異なり、周方向の位置が隣り合う前記射出口の間の前記周方向の角度が等しくなるように、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面にらせん状に配置されている前記射出孔を含むことを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。


[適用例1]内部に円柱状のキャビティを有するとともに、前記キャビティ内に軸線の方向に延びる棒状部材が配置される成形型を用いた射出成形によって、前記軸線の方向に延びる軸孔を有する円筒形状の成形体を成形する成形工程を含むスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記成形工程は、セラミックスを含む材料を射出する射出工程を含み、
前記射出工程において、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面に開口する複数個の射出口から前記キャビティ内に前記材料を射出し、
前記複数個の射出口は、前記軸線の方向における位置が互いに異なる2個以上の射出口を含むことを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、軸線の方向の位置が互いに異なる複数個の射出口からキャビティ内に材料が射出される。この結果、キャビティの先端や後端にまで材料を充填するために必要な材料の移動距離を短くすることができる。したがって、移動中における圧力損失の増大によって成形体の先端や後端の密度が低下することを抑制できる。この結果、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、先端や後端の耐電圧性の低下を抑制することができる。さらに、キャビティの内周面、換言すれば、成形体の側面に対応する位置から材料が射出されるので、成形体の先端にバリが発生することを抑制することができる。この結果、バリを除去する工程が不要となるため、バリの除去を行う際に起こり得るクラックや折れの発生を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記複数個の射出口は、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面における周方向の位置が互いに異なる2個以上の射出口を含むことを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、キャビティ内に材料を射出した場合に、材料が周方向に移動する移動距離を短くすることができる。この結果、さらに、成形体の局所的な密度の低下を抑制することができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下を抑制することができる。
[適用例3]内部に円柱状のキャビティを有するとともに、前記キャビティ内に軸線の方向に延びる棒状部材が配置される成形型を用いた射出成形によって、前記軸線の方向に延びる軸孔を有する円筒形状の成形体を成形する成形工程を含むスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記成形工程は、セラミックスを含む材料を射出する射出工程を含み、
前記射出工程において、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面に開口する複数個の射出口から前記キャビティ内に前記材料を射出し、
前記複数個の射出口は、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面における周方向の位置が互いに異なる2個以上の射出口を含むことを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、キャビティを形成する成形型の内周面における周方向の位置が互いに異なる複数個の射出口からキャビティ内に材料が射出される。この結果、キャビティの先端や後端にまで材料を充填するために必要な材料の移動距離を短くすることができる。したがって、移動中における材料温度の低下によって成形体の先端や後端の密度が低下することを抑制できる。この結果、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、先端や後端の耐電圧性の低下を抑制することができる。さらに、キャビティの内周面、換言すれば、成形体の側面に対応する位置から材料が射出されるので、成形体の先端にバリが発生することを抑制することができる。この結果、バリを除去する工程が不要となるため、バリの除去を行う際に起こり得るクラックや折れの発生を抑制することができる。
[適用例4]適用例2または3に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記複数個の射出口は、前記周方向の位置が隣り合う前記射出口の間の前記周方向の角度が等しくなるように配置されていることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、キャビティ内に材料を射出した場合に、材料が周方向に移動する移動距離をより短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
[適用例5]適用例4に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記複数個の射出口は、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面に、らせん状に配置されていることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、キャビティ内に材料を射出した場合に、材料が周方向に移動する移動距離をより短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
[適用例6]適用例1〜5のいずれか1項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記複数個の射出口のうちの少なくとも1個は、前記キャビティの内径が最大である前記軸線の方向の位置に配置されていることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
キャビティの内径が最大である軸線の方向の位置では、材料の周方向の移動距離が最大になる。したがって、キャビティ内に材料を射出した場合に、当該位置で、材料が周方向に移動する移動距離が最大となる。上記構成によれば、当該位置に少なくとも一個の射出口が配置されるので、当該位置で材料が周方向に移動する移動距離を短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
[適用例7]適用例1〜6のいずれか1項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、さらに、
前記複数個の射出口のうちの少なくとも2個は、前記軸線の方向の位置が同じであることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、少なくとも2個の射出口が配置された軸線の方向の位置において、より材料の移動距離を短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、当該位置の耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
[適用例8]適用例6に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記キャビティの内径が最大である前記軸線の方向の位置に、前記軸線の方向の位置が同じである少なくとも2個の射出口が配置されることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
上記構成によれば、材料の移動距離が長くなりがちな位置に、少なくとも2個の射出口が配置されるので、材料の移動距離を効果的に短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下をさらに効果的に抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグの製造方法や、スパークプラグ用絶縁体を製造するための射出成形用の型、これらの製造方法や型を用いて製造されたスパークプラグ等の態様で実現することができる。
本実施形態のスパークプラグ100の断面図である。 絶縁体10の製造工程を示すフローチャートである。 絶縁体10の成形に用いられる成形型500を示す図である。 第1実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第2実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第3実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第4実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第5実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第6実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第7実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第8実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第9実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。 第10実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。
A.第1実施形態:
A−1.スパークプラグの構成:
以下、本発明の実施の態様を実施形態に基づいて説明する。図1は本実施形態のスパークプラグ100の断面図である。図1の一点破線は、スパークプラグ100の軸線CO(軸線COとも呼ぶ)を示している。軸線COと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線COを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を、スパークプラグ100の先端側と呼び、図1における上側をスパークプラグ100の後端側と呼ぶ。スパークプラグ100は、絶縁体としての絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
絶縁体(絶縁碍子)10はアルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線方向に沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔12(軸孔)を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13とを備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、スパークプラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する挿入孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に配置される。すなわち、主体金具50の挿入孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
主体金具50は、スパークプラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8(8mm(ミリメートル))、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、スパークプラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のリング部材6,7が配置されている。当該領域における2つのリング部材6,7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、リング部材6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。金属製の環状の板パッキン8を介して、主体金具50の取付ネジ部52の内周に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の段部15(絶縁碍子側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線方向に延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極本体21の先端に接合された円柱状の中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の貫通孔12の内部の先端側の部分に配置されている。中心電極本体21は、電極母材21Aと、電極母材21Aの内部に埋設された芯部21Bと、を含む構造を有する。電極母材21Aは、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金、本実施形態では、インコネル600(「INCONEL」は、登録商標))で形成されている。芯部21Bは、電極母材21Aを形成する合金よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金、本実施形態では、銅で形成されている。
また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24(フランジ部とも呼ぶ。)、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の段部16に支持されている。脚部25の先端部分、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。
中心電極チップ29は、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29は、高融点の貴金属を主成分とする材料で形成されている。中心電極チップ29の材料には、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分とする合金が用いられる。
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、円柱状の接地電極チップ39と、を備えている。
接地電極本体31は、断面が四角形の湾曲した棒状体である。接地電極本体31の後端は、主体金具50の先端面に接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的に接続される。接地電極本体31の先端は、自由端である。
接地電極本体31は、耐腐食性の高い金属、例えば、ニッケル合金、本実施形態では、インコネル601を用いて形成されている。なお、接地電極本体31は、内部に銅などのニッケル合金よりも熱伝導率が高い金属で形成された芯材を含んでもよい。
接地電極チップ39の先端面は、接地電極本体31の湾曲された先端部分の中心電極20を向いた面に、例えば、抵抗溶接によって接合されている。接地電極チップ39は、例えば、Pt(白金)または、Ptを主成分とする合金、本実施形態では、Pt−20Rh合金(20重量%のロジウムを含有した白金合金)などを用いて形成されている。
接地電極チップ39の後端面と、中心電極チップ29の先端面とは、火花放電が発生する間隙(ギャップとも呼ぶ)を形成している。ギャップの近傍をスパークプラグ100の発火部とも呼ぶ。
端子金具40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子金具40の表面には、防食のための金属層(例えば、Ni層)がめっきなどによって形成されている。端子金具40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42より先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子金具40のキャップ装着部41は、絶縁体10より後端側に露出している。端子金具40の脚部43は、絶縁体10の貫通孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。
絶縁体10の貫通孔12内において、端子金具40の先端(脚部43の先端)と中心電極20の後端(頭部23の後端)との間には、火花発生時の電波ノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。貫通孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性シール60によって埋められている。抵抗体70と端子金具40との隙間は、導電性シール80によって埋められている。導電性シール60、80は、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
A−2:絶縁体10の製造方法
次に、スパークプラグ100の絶縁体10の製造方法について説明する。本実施例では、絶縁体10は、射出成形によって製造される。図2は、絶縁体10の製造工程を示すフローチャートである。
S1では、先ず、絶縁体10を射出成形するための材料が準備される。材料は、例えば、セラミックス粉末とバインダとを、ボールミルを用いて、粉砕および混合することによって作製される。セラミックス粉末は、絶縁体10の主成分であるアルミナ(Al)の粉末と、焼結助剤(例えば、La、SiO、SiC、TiO、Y、CaO、MgO)の粉末と、を含んでいる。バインダには、例えば、ポリアミド系樹脂や、セルロース系樹脂が用いられる。セラミックス粉末とバインダとの重量比は、例えば、7:3〜9:1である。
S2では、成形型が準備される。図3は、絶縁体10の成形に用いられる成形型500を示す図である。図3(A)には、軸線CO(後述)を含み、成形型500の合わせ面FS1、FS2(後述)と垂直な平面で、成形型500を切断した断面図が示されている。図3(B)には、軸線COに沿って、後端側から先端方向FD(後述)に向かって成形型500を見た図である。成形型500は、複数個の部材、すなわち、上型510と、下型520と、棒状部材530と、を含んでいる。上型510は、下型520との合わせ面FS1を含み、下型520は、上型510との合わせ面FS2を含んでいる。合わせ面FS1、FS2と垂直な方向であって、下型520から上型510に向かう方向を上方向UDとし、上型510から下型520に向かう方向を下方向DDとする(図3)。
上型510は、下側(下方向DD)に、絶縁体10の形状に対応した形状のキャビティを形成する上側キャビティ形成面511を有する。下型520は、上側(上方向UD)に、絶縁体10の形状に対応した形状のキャビティを形成する下側キャビティ形成面521を有する。上型510の合わせ面FS1と下型520の合わせ面FS2とが接するように、成形型500(上型510と下型520)が閉じられた状態で、上側キャビティ形成面511と下側キャビティ形成面521とによって、絶縁体10の外形、すなわち、略円柱状の形状を有するキャビティCVが成形型500の内部に形成される。以下では、上側キャビティ形成面511と下側キャビティ形成面521との全体を、単に、「キャビティ形成面IS」とも呼ぶ。
図3(A)に示すように、キャビティCVは、絶縁体10の外形を有しているので、キャビティCVおよびキャビティ形成面ISの軸線および方向を、キャビティCV内で形成される絶縁体10と同様に表現する。たとえば、キャビティCV内で形成される絶縁体10の軸線COをキャビティCVおよびキャビティ形成面ISの軸線CO(図3(A))と呼ぶ。そして、軸線COに平行な方向を軸線方向と呼ぶ。そして、軸線方向のうち、キャビティCV内で形成される絶縁体10の先端方向FD(図3(A)における左方向)を、単に先端方向FDと呼ぶ。同様に、キャビティCV内で形成される絶縁体10の後端方向BD(図3(A)における右方向)を単に後端方向BDとも呼ぶ。そして、軸線COを中心とし、軸線COと垂直な面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。
図3(A)に示すように、キャビティ形成面ISは、内径が最大である最大径部IS2と、最大径部より後端側に位置する後端側小径部IS1と、最大径部IS2より先端側に位置する先端側小径部IS3と、先端側小径部IS3より先端側に位置する縮径部IS4と、を含んでいる。後端側小径部IS1の内径と、先端側小径部IS3の内径は、最大径部IS2の内径より小さい。縮径部IS4の内径は、先端側小径部IS3の内径より小さく、後端から先端方向FDに向かって縮径している。最大径部IS2は、絶縁体10の最も外径が大きい部分である鍔部19(図1)に対応している。後端側小径部IS1と、先端側小径部IS3と、縮径部IS4とは、それぞれ、絶縁体10の後端側胴部18、先端側胴部17、脚長部13(図1)に対応している。
また、上型510には、上側後端孔形成面512が形成されており、下型520には、下側後端孔形成面522が形成されている。上型510と下型520とが閉じられた状態で、上型510の上側後端孔形成面512と、下型520の下側後端孔形成面522とによって、後端孔BHが形成される。後端孔BHは、軸線COを中心軸とする円筒状の貫通孔である。後端孔BHの先端は、キャビティCVの後端と連通しており、後端孔BHの後端は、外部と連通している。上側後端孔形成面512と下側後端孔形成面522との全体を、単に、「後端孔形成面」とも呼ぶ。
さらに、上型510には、上側先端孔形成面513が形成されており、下型520には、下側先端孔形成面523が形成されている。上型510と下型520とが閉じられた状態で、上型510の上側先端孔形成面513と、下型520の下側先端孔形成面523とによって、先端孔FHが形成される。先端孔FHは、軸線COを中心軸とする有底孔(非貫通孔)である。先端孔FHの後端は、キャビティCVの先端と連通しており、先端孔FHの先端は、閉じている。上側先端孔形成面513と下側先端孔形成面523との全体を、単に、「先端孔形成面」とも呼ぶ。
成形型500には、複数個の射出口OPが形成されている。具体的には、上型510には、材料をキャビティCV内に射出するための第1の射出路IJAが形成されている。第1の射出路IJAの一端(径方向内側の端)は、キャビティCVと連通している。すなわち、第1の射出路IJAの一端は、キャビティ形成面ISに開口する第1の射出口OPAである。第1の射出路IJAの他端(図示省略)は、成形型500に設けられた材料の投入口(図示省略)に連通している。
同様に、下型520には、材料をキャビティCV内に射出するための第2の射出路IJBが形成されている。第2の射出路IJBの一端(径方向内側の端)は、キャビティCVと連通している。すなわち、第2の射出路IJBの一端は、キャビティ形成面ISに開口する第2の射出口OPBである。第2の射出路IJBの他端(図示省略)は、成形型500に設けられた材料の投入口(図示省略)に連通している。
なお、これらの射出路IJA、IJBは、少なくとも射出口OPA、OPBの近傍において、径方向と平行に延びており、射出口OPA、OPBからキャビティCVへの材料の射出方向は、径方向と平行に、径方向外側から径方向内側に向かう方向である。
また、図3(A)に示すように、第1の射出口OPAと第2の射出口OPBとは、軸線方向の位置が互いに異なる。具体的には、第1の射出口OPAの軸線方向の位置は、キャビティ形成面ISの最大径部IS2の位置である。第2の射出口OPBの軸線方向の位置は、第1の射出口OPAの軸線方向の位置と、キャビティCVの先端と、の間のほぼ中間の位置である。
図3(B)に示すように、第1の射出口OPAと第2の射出口OPBとは、周方向の位置が互いに異なる。具体的には、第1の射出口OPAの周方向の位置を0度の位置とすると、第2の射出口OPBの周方向の位置は、180度の位置である。すなわち、隣り合う第1の射出口OPAと第2の射出口OPBとの間の角度θb、θb'は、互いに等しく、180度である。
棒状部材530は、上型510と下型520とが閉じられた状態で、後端孔BHに、外部からキャビティCV内に向かって、挿入される。そして、棒状部材530は、先端が先端孔FHと嵌合した状態で固定される。この状態で、先端孔FHに嵌合した棒状部材530の先端部分は、先端孔FHを形成する先端孔形成面によって支持され、棒状部材530のキャビティCVより後端側に位置する後端部分は、後端孔BHを形成する後端孔形成面によって支持される。この結果、キャビティCV内において、棒状部材530は、キャビティ形成面ISから離れた位置に配置される。
成形型500は、射出成形機に取り付けられ、上型510と下型520とが閉じられ、かつ、棒状部材530がキャビティCV内に配置された状態(すなわち、図3(A)に示す状態)にセットされる。
図2のS3では、当該成形型500の内部のキャビティCVに、S1で準備されたセラミックス(具体的にはアルミナ)を含む材料が射出される。例えば、所定の温度(例えば、摂氏140度)に加熱された材料が、成形型500の投入口から所定の圧力(例えば、600kg/cm)で射出される。この結果、上述した射出口OPA、OPBからキャビティCV内に、材料が射出される。
図2のS4では、材料がキャビティCV内に射出された後、材料がキャビティCV内で冷却されて、固化することによって、絶縁体10の形状を有する成形体が成形される。すなわち、成形体は、絶縁体10と同様に、軸線方向に延びる軸孔(貫通孔)を有する円筒形状を有する。
S5では、成形型500の型開きが行われて、成形型500から成形体が取り出される。具体的には、先ず、棒状部材530が、図3の右方向に引き抜かれる。その後に、上型510が、下型520に対して上方向UDにスライドされて、成形体が取り出される。
S6では、大気雰囲気の熱循環炉において、成形体を所定時間に亘って加熱することによって、成形体の脱脂を行う。脱脂は、成形体からバインダを除去する工程である。例えば、毎時10度の加熱速度で、炉内の温度を摂氏30度から摂氏400度まで上昇させることによって、成形体の脱脂が行われる。
S7では、焼成炉を用いて、脱脂後の成形体を焼結することによって、絶縁体10を完成させる。例えば、炉内の温度を2時間に亘って摂氏1500度に保持することによって、成形体の焼結が行われる。
以上説明した本実施例のスパークプラグ用の絶縁体10の成形方法によれば、射出成形を用いて成形体を形成するので、成形体を、成形すべき絶縁体10と同じ形状に高い精度で成形することができる。この結果、研削ローラ(砥石)を用いて、研削することによって、焼結前の成形体の形状を整える研削工程を、廃止することができる。例えば、セラミックスの粉末を加圧成形することによって成形体を作製する場合には、十分な精度を有する成形体を得ることができないので、研削工程を行う必要があった。
研削工程を廃止できることで、材料に用いるセラミックス(具体的にはアルミナ)の粉末の粒径を、研削工程を行う場合より小さくすることができる。セラミックスの粉末による研削ローラ(砥石)の目詰まりが生じることがないからである。セラミックスの粉末の粒径を小さくすることによって、絶縁体10の強度を維持しつつ、焼結助剤の混合料を減らすことができる。焼結助剤の混合料を減らすことにより、絶縁体10の耐電圧性を向上することができる。その結果、スパークプラグ100の耐電圧性の向上や、小型化を実現することができる。
また、上述したように、成形型500において、複数個の射出口OPA、OPBは、軸線方向における位置が互いに異なっている。すなわち、図2のS3の射出工程において、軸線方向の位置が互いに異なる複数個の射出口OPA、OPBからキャビティCV内に材料が射出される。この結果、絶縁体10の先端や後端の耐電圧性の低下を抑制することができる。特に、絶縁体10の先端部分(図1の脚長部13)は、絶縁体の径方向の厚さが比較的薄いうえに、他の部位よりもスパークプラグ100の発火部に近い。このために、絶縁体10の先端部分には、他の部位より高い耐電圧性が求められるが、本実施例では、絶縁体10の先端の耐電圧性の低下を抑制することができる。
より具体的に説明する。例えば、図3(A)、(B)に矢印で示すような経路で、射出口OPA、OPBから射出された材料が、キャビティCV内に充填されていく。このときの材料の移動距離が長いほど、キャビティCVの壁面と材料との摩擦が発生する距離が増大する。また、材料の移動距離が長いほど、材料の温度低下によって、材料が硬化するので、材料の粘性が増大する。この結果、材料の移動距離が長いほど、キャビティCV内での圧力損失が増大する。したがって、材料の移動距離が長いほど、成形体の先端や後端部分の密度が低下しやすい。上記実施例では、軸線方向の位置が互いに異なる複数個の射出口OPA、OPBからキャビティCV内に材料が射出される。この結果、射出口が1個である場合や、複数個の射出口の軸線方向の位置が互いに同じである場合と比較して、キャビティCVの先端や後端にまで材料を充填するために必要な材料の軸線方向の移動距離を短くすることができる。したがって、成形体の先端や後端部分の密度の低下を抑制できるので、当該成形体を用いて作製される絶縁体10の先端や後端の耐電圧性の低下を抑制することができる。
さらに、射出口OPA、OPBは、すなわち、キャビティ形成面ISのうち、先端や後端とは異なる部分、すなわち、キャビティCVを形成する内周面に開口している。換言すれば、成形体の側面に対応する位置から材料が射出されるので、成形体の先端にバリが発生することを抑制することができる。焼結(図2のS7)前の成形体は、焼結後と比較して柔らかいために、バリの除去を行う際にクラックが発生しやすい。上記実施例によれば、バリの発生を抑制することで、このバリの除去工程を可能な限り省略することができる。この結果、バリの除去を行う際に起こり得るクラックや折れの発生を抑制できる。
さらに、上記実施例では、複数個の射出口OPA、OPBは、キャビティ形成面ISにおける周方向の位置が互いに異なっている。この結果、絶縁体10の先端や後端の耐電圧性の低下を抑制することができる。
より具体的に説明する。図3(B)に矢印で示すように、キャビティCV内に射出された材料がキャビティCV内に充填されるために、材料は、キャビティ内において、周方向にも移動する必要がある。複数個の射出口OPA、OPBは、キャビティ形成面ISにおける周方向の位置が互いに異なっているので、キャビティCV内に射出された材料が周方向に移動する移動距離を短くすることができる。この結果、さらに、成形体の局所的な密度の低下を抑制することができる。したがって、絶縁体10の耐電圧性の低下を抑制することができる。
さらに、複数個の射出口OPA、OPBは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように配置されている。すなわち、図3(B)において、角度θb=θb'=180度である。この結果、キャビティCV内に材料を射出した場合に、材料が周方向に移動する移動距離をより短くすることができる。したがって、絶縁体10の耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
さらに、複数個の射出口OPA、OPBのうちの1個の射出口OPAは、キャビティCVの内径が最大である軸線の方向の位置、すなわち、最大径部IS2に配置されている。キャビティCVの内径が最大である軸線の方向の位置では、材料の周方向の移動距離が最大になる。したがって、キャビティCV内に材料を射出した場合に、当該位置で、材料が周方向に移動する移動距離が最大となる。上記実施例では、当該位置に少なくとも一個の射出口OPBが配置されるので、当該位置で材料が周方向に移動する移動距離を短くすることができる。したがって、成形体を用いて製造されるスパークプラグ用絶縁体において、耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
ところで、上記第1実施例の2個の射出口OPA、OPBの位置は、図4に示す簡略図を用いて表すことができる。図4は、第1実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。図4(A)には、図3(A)に示す構成のうち、棒状部材530と、キャビティ形成面ISのみが図示されている。図4(A)の簡略図には、射出口OPA、OPBのキャビティ形成面ISにおける軸線方向の位置が、矢印A、Bを用いて示されている。図4(B)の簡略図には、図3(A)に示す構成のうち、軸線COのみが図示されている。図3(B)には、軸線COを中心とする仮想的な円VC上に示された矢印A、Bを用いて、射出口OPA、OPBのキャビティ形成面ISにおける周方向の位置が示されている。
以下の第2実施例〜第10実施例では、成形型500において、射出路および射出口OPが配置される位置および個数、すなわち、図2のS2において材料がキャビティCV内に射出される射出位置および射出位置の個数が、第1実施例と異なっている。これ以外の成形型500の構成、および、図2の製造方法のステップは、第1実施例と同じである。このために、第2実施例〜第10実施例では、図4のような簡略図を参照して、複数個の射出口の位置のみを説明する。
B.第2実施例:
図5は、第2実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第2実施例では、成形型において、4個の射出口OPA〜OPDが配置されている。図5(A)には、4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。図5(B)には、4個の射出口OPA〜OPDの周方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。
2個の射出口OPB、OPCは、キャビティCVの内径が最大である軸線方向の位置、すなわち、キャビティ形成面ISにおける最大径部IS2に配置されている。これらの2個の射出口OPB、OPCの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、90度の位置、270度の位置である。すなわち、2個の射出口OPB、OPCは、周方向に180度離れた位置に配置されている。
さらに、2個の射出口OPA、OPDは、2個の射出口OPB、OPCとは異なる軸線方向の位置に配置されている。具体的には、射出口OPAは、2個の射出口OPB、OPCが配置されている軸線方向の位置と、キャビティCVの後端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。射出口OPDは、2個の射出口OPB、OPCが配置されている軸線方向の位置と、キャビティCVの先端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。このように、複数個の射出口が、分散した3カ所の軸線方向の位置に配置されることによって、材料の軸線方向の移動距離を短くすることができる。
2個の射出口OPA、OPDの周方向の位置は、互いに異なり、かつ、上述した2個の射出口OPB、OPCとも異なっている。具体的には、2個の射出口OPA、OPDの周方向の位置は、それぞれ、0度および180度の位置である。すなわち、4個の射出口OPA〜OPDは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に90度ずつ離れた位置に配置されている。このように、複数個の射出口が、分散した4カ所の周方向の位置に配置されることによって、材料の周方向の移動距離を短くすることができる。
また、4個の射出口OPA〜OPDのうちの2個の射出口OPB、OPDは、軸線方向の位置が同じである。この結果、2個の射出口OPB、OPDが配置された軸線方向の位置において、より材料の周方向の移動距離を短くすることができる。したがって、絶縁体10において、当該位置の耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
さらに、2個の射出口OPB、OPDが、最大径部IS2に配置されているので、周方向の移動距離が長くなりがちな最大径部IS2において、材料の周方向の移動距離をより効果的に短くすることができる。したがって、絶縁体10において、当該位置の耐電圧性の低下をさらに効果的に抑制することができる。
C.第3実施例:
図6は、第3実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第3実施例では、成形型において、4個の射出口OPA〜OPDが配置されている。図6(A)には、4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。図6(B)には、4個の射出口OPA〜OPDの周方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。
4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置は、互いに異なっている。射出口OPBは、キャビティCVの内径が最大である軸線方向の位置、すなわち、キャビティ形成面ISにおける最大径部IS2に配置されている。
射出口OPDは、キャビティCVの先端に比較的近い軸線方向の位置、すなわち、キャビティ形成面ISにおける縮径部IS4に配置されている。この結果、他の部位より高い耐電圧性が要求される絶縁体10の先端部分(脚長部13)において、成形体の密度の低下を抑制できる。したがって、絶縁体10の先端部分の耐電圧性を効果的に向上することができる。
射出口OPAは、射出口OPBの軸線方向の位置と、キャビティCVの後端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。射出口OPCは、射出口OPBの軸線方向の位置と、射出口OPDの軸線方向の位置と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。このように、4個の射出口が、分散した4カ所の軸線方向の位置に配置されることによって、材料の軸線方向の移動距離を短くすることができる。
4個の射出口OPA〜OPDの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、0度の位置、90度の位置、180度の位置、270度の位置である。すなわち、4個の射出口OPA〜OPDは、キャビティ形成面ISの後端から先端方向FDに向かうに従って、周方向の位置が時計回りに90度ずつずれるように配置されている。換言すれば、4個の射出口OPA〜OPDは、軸線方向COを中心としたらせん状に配置されている。この結果、4個の射出口を周方向に適切に分散した4個の位置に配置できるので、キャビティCV内に材料を射出した場合に、材料が周方向に移動する移動距離をより短くすることができる。したがって、絶縁体10の耐電圧性の低下をより効果的に抑制することができる。
D.第4実施例:
図7は、第4実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第4実施例では、成形型において、6個の射出口OPA〜OPFが配置されている。図7(A)には、6個の射出口OPA〜OPFの軸線方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。図7(B)には、6個の射出口OPA〜OPFの周方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。
4個の射出口OPA〜OPDの位置は、第3実施例と同じである。第4実施例では、さらに、2個の射出口OPE、OPFが、キャビティCVの内径が最大である軸線方向の位置、すなわち、キャビティ形成面ISにおける最大径部IS2に追加で配置されている。
最大径部IS2に配置された3個の射出口OPB、OPE、OPFの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、90度の位置、210度の位置、330度の位置である。すなわち、3個の射出口OPB、OPE、OPFは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に120度ずつ離れた位置に配置されている。このように、最大径部IS2に、複数個の射出口が、分散した3カ所の周方向の位置に配置されることによって、最大径部IS2において、材料の周方向の移動距離を短くすることができる。この結果、第3実施例と比較して、絶縁体10の最大の外径を有する部分(鍔部19(図1))の耐電圧性の低下を適切に抑制できる。このために、例えば、第4実施例は、絶縁体10の最大の外径を有する部分の外径が、他の部分の外径と比較して、大幅に大きい場合により効果的である。
E.第5実施例:
図8は、第5実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第5実施例では、成形型において、6個の射出口OPA〜OPFが配置されている。図8(A)には、6個の射出口OPA〜OPFの軸線方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。図8(B)には、6個の射出口OPA〜OPFの周方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。
6個の射出口OPA〜OPFの軸線方向の位置は、第4実施例の6個の射出口OPA〜OPFの軸線方向の位置と同じである。
最大径部IS2に配置された3個の射出口OPB、OPE、OPFの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、60度の位置、180度の位置、300度の位置である。すなわち、3個の射出口OPB、OPE、OPFは、第4実施例と同様に、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に120度ずつ離れた位置に配置されている。
最大径部IS2以外の軸線方向の位置に配置された3個の射出口OPA、OPC、OPDの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、0度の位置、120度の位置、240度の位置である。すなわち、3個の射出口OPA、OPC、OPDは、他の3個の射出口OPB、OPE、OPFと同様に、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に120度ずつ離れた位置に配置されている。
そして、最大径部IS2に配置された3個の射出口OPB、OPE、OPFの周方向の位置と、最大径部IS2以外の軸線方向の位置に配置された3個の射出口OPA、OPC、OPDの周方向の位置は、互いに60度ずつずれている。この結果、6個の射出口OPA〜OPFは、互いに異なっており、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に60度ずつ離れた位置に配置されている。
換言すれば、第5実施例では、6個の射出口OPA〜OPFは、軸方向の位置が4カ所に分散されて配置されるとともに、周方向の位置が6カ所に分散されて配置されている。この結果、適切に分散配置された6個の射出口OPA〜OPFから材料がキャビティCV内に射出されることによって、材料の軸方向および周方向の移動距離を適切に短くすることができる。この結果、絶縁体10の耐電圧性の局所的な低下をより効果的に抑制することができる。
F.第6実施例:
図9は、第6実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第6実施例では、成形型において、4個の射出口OPA〜OPDが配置されている。図9(A)には、4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。図9(B)には、4個の射出口OPA〜OPDの周方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。
4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置は、第3実施例と同じである。
4個の射出口OPA〜OPDのうち、2個の射出口OPA、OPCの周方向の位置は、互いに同じであり、0度の位置である。残りの2個の射出口OPB、OPDの周方向の位置は、互いに同じであり、180度の位置である。すなわち、2個の射出口OPB、OPDの周方向の位置は、2個の射出口OPA、OPCに対して、軸線COを挟んだ反対側に位置している。
本実施例では、4個の射出口を軸線方向に適切に分散した4個の位置に配置できる。また、軸線COを挟んだ両側(図9(B)の下側と上側)から、キャビティCV内に材料を射出できる。また、最大径部IS2に、1個の射出口OPBが配置されている。この結果、材料がキャビティCV内で移動する移動距離を適切に短くすることができる。したがって、絶縁体10の耐電圧性の低下を抑制することができる。
G.第7実施例:
図10は、第7実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第7実施例では、成形型において、5個の射出口OPA〜OPEが配置されている。図10(A)には、5個の射出口OPA〜OPEの軸線方向の位置が矢印A〜Eを用いて図示されている。図10(B)には、5個の射出口OPA〜OPEの周方向の位置が矢印A〜Eを用いて図示されている。
4個の射出口OPA〜OPDは、キャビティCVの内径が最大である軸線方向の位置、すなわち、キャビティ形成面ISにおける最大径部IS2に配置されている。1個の射出口OPEは、4個の射出口OPA〜OPDが配置されている軸線方向の位置と、キャビティCVの先端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。
4個の射出口OPA〜OPDは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に90度ずつ離れた位置に配置されている。1個の射出口OPEの周方向の位置は、射出口OPAと同じである。
本実施例では、4個の射出口が、最大径部IS2に、分散した4カ所の周方向の位置に配置されるので、特に、最大径部IS2において、材料の周方向の移動距離を短くすることができる。このために、絶縁体10の最大の外径を有する部分(鍔部19(図1))の耐電圧性の低下を適切に抑制できる。このために、特に、絶縁体10の最大の外径を有する部分の外径が、他の部分の外径と比較して、大幅に大きい場合により効果的である。
H.第8実施例:
図11は、第8実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第8実施例では、成形型において、6個の射出口OPA〜OPFが配置されている。図11(A)には、6個の射出口OPA〜OPFの軸線方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。図11(B)には、6個の射出口OPA〜OPFの周方向の位置が矢印A〜Fを用いて図示されている。
3個の射出口OPA〜OPCは、キャビティCVの軸線方向の中心と、キャビティCVの後端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。3個の射出口OPF〜OPFは、キャビティCVの軸線方向の中心と、キャビティCVの先端と、の間のほぼ中間の位置に配置されている。
3個の射出口OPA〜OPCの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、0度の位置、120度の位置、240度の位置である。すなわち、3個の射出口OPA〜OPCは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に120度ずつ離れた位置に配置されている。
3個の射出口OPD〜OPFの周方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、180度の位置、300度の位置、60度の位置である。すなわち、3個の射出口OPD〜OPFは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に120度ずつ離れた位置に配置されている。
3個の射出口OPA〜OPCの周方向の位置と、3個の射出口OPD〜OPFの周方向の位置は、互いに60度ずつずれている。この結果、6個の射出口OPA〜OPFは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に60度ずつ離れた位置に配置されている。
本実施例では、6個の射出口OPA〜OPFは、軸方向の位置が2カ所に分散されて配置されるとともに、周方向の位置が6カ所に分散されて配置されている。この結果、材料の軸方向および周方向の移動距離を適切に短くすることができる。この結果、絶縁体10の耐電圧性の局所的な低下をより効果的に抑制することができる。
I.第9実施例:
図12は、第9実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第9実施例では、成形型において、4個の射出口OPA〜OPDが配置されている。図12(A)には、4個の射出口OPA〜OPDの軸線方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。図12(B)には、4個の射出口OPA〜OPDの周方向の位置が矢印A〜Dを用いて図示されている。
2個の射出口OPA、OPBの軸線方向の位置は、第8実施例の3個の射出口OPA〜OPCと同じである。2個の射出口OPC、OPDの軸線方向の位置は、第8実施例の3個の射出口OPD〜OPFと同じである。
2個の射出口OPA、OPBの軸線方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、0度の位置、180度の位置である。すなわち、射出口OPAと射出口OPBとは、軸線COを挟んで対向している。また、2個の射出口OPC、OPDの軸線方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、90度の位置、270度の位置である。すなわち、射出口OPCと射出口OPDとは、軸線COを挟んで対向している。そして、4個の射出口OPA〜OPDは、周方向の位置が隣り合う射出口の間の周方向の角度が等しくなるように、周方向に90度ずつ離れた位置に配置されている。
本実施例では、4個の射出口OPA〜OPDは、軸方向の位置が2カ所に分散されて配置されるとともに、周方向の位置が4カ所に分散されて配置されている。この結果、材料の軸方向および周方向の移動距離を適切に短くすることができる。この結果、絶縁体10の耐電圧性の局所的な低下をより効果的に抑制することができる。
J.第10実施例:
図13は、第10実施例の射出口の位置および個数を示す簡略図である。第10実施例では、成形型において、8個の射出口OPA〜OPHが配置されている。図13(A)には、8個の射出口OPA〜OPHの軸線方向の位置が矢印A〜Hを用いて図示されている。図13(B)には、8個の射出口OPA〜OPHの周方向の位置が矢印A〜Hを用いて図示されている。
2個の射出口OPA、OPBの軸線方向の位置は、第6実施例の射出口OPAと同じである。2個の射出口OPC、OPDの軸線方向の位置は、第6実施例の射出口OPBと同じである。2個の射出口OPE、OPFの軸線方向の位置は、第6実施例の射出口OPCと同じである。2個の射出口OPG、OPHの軸線方向の位置は、第6実施例の射出口OPDと同じである。
軸線方向の位置が互いに同じである2個の射出口の軸線方向の位置は、互いに異なっており、それぞれ、0度の位置、180度の位置である。すなわち、軸線方向の位置が互いに同じである2個の射出口は、軸線COを挟んで対向している。
本実施例では、8個の射出口OPA〜OPDは、軸方向の位置が4カ所に分散されて配置されている。また、軸線COを挟んだ両側(図9(B)の下側と上側)から、キャビティCV内に材料を射出できる。また、最大径部IS2に、2個の射出口OPC、OPDが配置されている。この結果、材料がキャビティCV内で移動する移動距離を適切に短くすることができる。したがって、絶縁体10の耐電圧性の低下を抑制することができる。
K.変形例:
(1)上記各実施例の絶縁体10の形状は、一例であり、これに限られない。絶縁体10の各部13、17、18、19における径方向の厚さや、各部13、17、18、19の軸線方向の長さ、貫通孔12の径などの具体的な適宜に変更され得る。そして、絶縁体10の具体的な形状に応じて、成形型500内に形成されるキャビティCVの形状は、変更される。そして、キャビティCVの形状に応じて、キャビティ形成面ISに形成される射出口の個数、および、位置、および、大きさは、適宜に決定される。その際には、キャビティCV内における材料の移動距離や、キャビティCV内において材料がキャビティ形成面ISから受ける摩擦の大きさなどが考慮される。
(2)上記各実施例で用いられる材料は、一例であり、これに限られない。例えば、材料の主成分であるセラミックスには、アルミナ(Al)に代えて、AlN、ZrO、SiC、TiO、Yのうちの1個あるいは複数個が用いられても良い。同様に、材料に含まれる焼結助剤やバインダの種類や量は、適宜に変更され得る。材料が変更されると、射出成形時におけるキャビティCV内での材料の流動特性(例えば、材料の粘性)も変化する。キャビティ形成面ISに形成される射出口の個数、および、位置、および、大きさは、キャビティCV内での材料の流動特性に応じて適宜に変更され得る。
(3)図3の成形型500の具体的な構造は一例であり、これに限られない。例えば、図3の上型510は、軸線方向に沿って並ぶ複数個の型に分割されていても良い。また、棒状部材530は、2個に分割され、先端側と後端側から1個ずつキャビティCV内に挿入されても良い。また、成形型500において、軸線方向は、重力の方向と平行に配置されても良く、重力の方向と垂直に配置されても良い。これらの成形型の構造に応じて、キャビティ形成面ISに形成される射出口の個数、および、位置、および、大きさは、適宜に変更され得る。例えば、成形型500において、軸線方向は、重力の方向と平行に配置される場合には、複数個の射出口は、周方向における位置が互いに異なる2個以上の射出口を含むことがより好ましい。例えば、成形型500において、軸線方向は、重力の方向と垂直に配置される場合には、複数個の射出口は、軸方向における位置が互いに異なる2個以上の射出口を含むことがより好ましい。すなわち、複数個の射出口は、重力による材料の移動が期待できない方向における位置が互いに異なる複数個の射出口を含むことがより好ましい。
(4)上記実施例の射出成形の各種の条件(例えば、材料の加熱温度や、材料の投入圧力)は、一例であり、これに限られない。これらの条件は、使用される材料の種類や、成形される絶縁体10の形状、使用される成形機の種類、成形型500の構造などに応じて適宜に変更され得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...リング部材、8...板パッキン、9...タルク、10...絶縁体、12...貫通孔、13...脚長部、15...段部、16...段部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...中心電極本体、21A...電極母材、21B...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、29...中心電極チップ、30...接地電極、31...接地電極本体、39...接地電極チップ、40...端子金具、41...キャップ装着部、42...鍔部、43...脚部、50...主体金具、51...工具係合部、52...取付ネジ部、53...加締部、54...座部、56...段部、58...圧縮変形部、59...挿入孔、60...導電性シール、70...抵抗体、80...導電性シール、100...スパークプラグ、500...成形型、510...上型、511...上側キャビティ形成面、512...上側後端孔形成面、513...上側先端孔形成面、520...上型、520...下型、521...下側キャビティ形成面、522...下側後端孔形成面、523...下側先端孔形成面、530...棒状部材、OPA〜OPH第...射出口、IS...キャビティ形成面、CV...キャビティ、IJA、IJB...射出路

Claims (4)

  1. 内部に円柱状のキャビティを有するとともに、前記キャビティ内に軸線の方向に延びる棒状部材が配置される成形型を用いた射出成形によって、前記軸線の方向に延びる軸孔を有する円筒形状の成形体を成形する成形工程を含むスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
    前記成形工程は、セラミックスを含む材料を射出する射出工程を含み、
    前記射出工程において、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面に開口する複数個の射出口から前記キャビティ内に前記材料を射出し、
    前記複数個の射出口は、前記軸線の方向における位置が互いに異なり、周方向の位置が隣り合う前記射出口の間の前記周方向の角度が等しくなるように、前記キャビティを形成する前記成形型の内周面にらせん状に配置されている前記射出孔を含むことを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
    前記複数個の射出口のうちの少なくとも1個は、前記キャビティの内径が最大である前記軸線の方向の位置に配置されていることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、さらに、
    前記複数個の射出口のうちの少なくとも2個は、前記軸線の方向の位置が同じであることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  4. 請求項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
    前記キャビティの内径が最大である前記軸線の方向の位置に、前記軸線の方向の位置が同じである少なくとも2個の射出口が配置されることを特徴とする、スパークプラグ用絶縁体の製造方法。
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