JP6335770B2 - スパークプラグ用の絶縁体の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、スパークプラグ用の絶縁体を製造する技術に関する。
従来から、内燃機関に、スパークプラグが用いられている。スパークプラグとしては、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し軸孔の先端側に中心電極が配置される絶縁体と、絶縁体の外周に配置される主体金具と、絶縁体と主体金具との間に配置されるパッキンと、を有するスパークプラグが利用されている。絶縁体を製造する方法としては、例えば、射出成形を用いる方法が提案されている。
国際公開第2013/102514号 独国特許出願公開第10 2010 042 155号明細書
ところが、射出成形を行う場合、ゲートから遠い位置では、近い位置と比べて、材料の充填密度が低くなり易い。特に、ゲートからの距離に応じて絶縁体の肉厚が変化する場合、肉厚が変化する部分の近傍で充填密度が低下する場合があった。また、充填密度の低下に起因して、絶縁体の強度が低下する場合があった。
本開示は、材料の充填密度が低下する可能性を低減できる技術を提供する。
本開示は、例えば、以下の態様と適用例を開示する。
[態様]
成形型を用いて形成される成形空間内に材料を射出することによって成形されるスパークプラグ用の筒状の絶縁体の製造方法であって、
前記成形空間のうち、内径が最も大きい大径部と、前記大径部よりも先端側に配置され内径が先端側に向かって小さくなる縮径部と、の間に位置する境界よりも先端側の部分である第1空間を形成し、前記第1空間へ材料を射出することによって第1部分を成形する第1工程と、
前記成形空間のうち、前記境界から後端側の部分の少なくとも一部である第2空間を形成し、前記第2空間へ材料を射出することによって第2部分を成形する第2工程と、を有し、
前記第2工程は、前記第1工程よりも後に実行され、
前記第1工程において、前記第1空間は、前記成形型の内面と、前記成形型の内面によって形成される空間内に配置され前記成形型の前後方向に延びる棒部の外周面と、前記境界の位置に配置され前記第1空間の端部を形成する第1壁部と、を用いて形成され、
前記第2工程において、前記第2空間は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第1工程で成形された前記第1部分の端部と、前記第1部分とは反対側に配置され前記第2空間の端部を形成する第2壁部と、を用いて形成され、
前記第2工程において、前記第2壁部は、前記大径部よりも後端側に配置され、
前記製造方法は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第2工程で成形された前記第2部分の端部と、を用いて第3空間を形成し、前記第3空間へ材料を射出することによって、第3部分を成形する第3工程を有し、
前記第3工程は前記第2工程よりも後に実行される、
スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。


[適用例1]
成形型を用いて形成される成形空間内に材料を射出することによって成形されるスパークプラグ用の筒状の絶縁体の製造方法であって、
前記成形空間のうち、内径が最も大きい大径部と、前記大径部よりも先端側に配置され内径が先端側に向かって小さくなる縮径部と、の間に位置する境界よりも先端側の部分である第1空間を形成し、前記第1空間へ材料を射出することによって第1部分を成形する第1工程と、
前記成形空間のうち、前記境界から後端側の部分の少なくとも一部である第2空間を形成し、前記第2空間へ材料を射出することによって第2部分を成形する第2工程と、を有し、
前記第2工程は、前記第1工程よりも前または後に行われる、スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
この構成によれば、大径部から先端側の部分の全体を1回の射出で成形する場合と比べて、大径部または縮径部の近傍で材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法であって、
前記第2工程は、前記第1工程よりも後に実行され、
前記第1工程において、前記第1空間は、前記成形型の内面と、前記成形型の内面によって形成される空間内に配置され前記成形型の前後方向に延びる棒部の外周面と、前記境界の位置に配置され前記第1空間の端部を形成する第1壁部と、を用いて形成され、
前記第2工程において、前記第2空間は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第1工程で成形された前記第1部分の端部と、前記第1部分とは反対側に配置され前記第2空間の端部を形成する第2壁部と、を用いて形成される、
スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
この構成によれば、第1部分の成形後に、第1部分の端部を用いて第2部分のための第2空間が形成されるので、第1部分と、第1部分に接続された第2部分と、の適切な成形を実現できる。この結果、第1部分と第2部分とにおいて、材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。
[適用例3]
適用例2に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法であって、
前記第2工程において、前記第2壁部は、前記大径部よりも後端側に配置され、
前記製造方法は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第2工程で成形された前記第2部分の端部と、を用いて第3空間を形成し、前記第3空間へ材料を射出することによって、第3部分を成形する第3工程を有し、
前記第3工程は前記第2工程よりも後に実行される、
スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
この構成によれば、第2部分と第3部分との全体を1回の射出で成形する場合と比べて、材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれか1項に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法であって、
前記第1空間内への材料の射出は、前記前後方向から行われる、
スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
この構成によれば、周方向の一部の範囲において充填密度が低下する可能性を低減できる。
[適用例5]
スパークプラグの製造方法であって、
適用例1から4のいずれか1項に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法によって成形された未焼成の絶縁体を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程により得られた焼成済絶縁体と筒状の主体金具とを組み付ける組み付け工程と、を有し、
前記組み付け工程では、前記焼成済絶縁体のうち前記縮径部に対応する部位と、前記主体金具の内周面との間にパッキンを介在させて、前記焼成済絶縁体と前記主体金具とを組み付ける、
スパークプラグの製造方法。
焼成済絶縁体のうち縮径部に対応する部位において材料の充填密度が低下する可能性が低減されているので、縮径部に対応する部位の損傷を抑制できる。従って、絶縁体とパッキンとによる気密性が低下することを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグ用の絶縁体の製造方法、その製造方法に従って製造された絶縁体、その絶縁体を有するスパークプラグ、スパークプラグの製造方法、その製造方法に従って製造されたスパークプラグ、等の態様で実現することができる。
スパークプラグの一実施形態の断面図である。 スパークプラグ100の製造方法の一例を示すフローチャートである。 未焼成の絶縁体を成形する工程の手順を示すフローチャートである。 未焼成の絶縁体を成形する工程の手順を示すフローチャートである。 未焼成の絶縁体を成形する工程の手順を示すフローチャートである。
A.実施形態:
A1.スパークプラグの構成:
図1は、スパークプラグの一実施形態の断面図である。図中には、スパークプラグ100の中心軸CLが示されている(「軸線CL」とも呼ぶ)。図示された断面は、中心軸CLを含む断面である。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の円周方向を「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から電極20、30に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側をスパークプラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側をスパークプラグ100の後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁体10(「絶縁碍子10」とも呼ぶ)と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、導電性の第1シール部60と、抵抗体70と、導電性の第2シール部80と、先端側パッキン8と、タルク9と、第1後端側パッキン6と、第2後端側パッキン7と、を有している。
絶縁体10は、中心軸CLに沿って延びて絶縁体10を貫通する貫通孔12(以下「軸孔12」とも呼ぶ)を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。絶縁体10は、先端側から後端方向Dfrに向かって順番に並ぶ、脚部13と、第1縮外径部15と、先端側胴部17と、鍔部19と、第2縮外径部11と、後端側胴部18と、を有している。鍔部19は、絶縁体10のうちの外径が最も大きい部分である(大径部19とも呼ぶ)。第1縮外径部15の外径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。絶縁体10の第1縮外径部15の近傍(図1の例では、先端側胴部17)には、後端側から先端側に向かって内径が徐々に小さくなる第1縮内径部16が形成されている。第2縮外径部11の外径は、先端側から後端側に向かって、徐々に小さくなる。
図1に示すように、絶縁体10の軸孔12の先端側には、中心電極20が挿入されている。中心電極20は、中心軸CLに沿って延びる棒状の軸部27と、軸部27の先端に接合された第1チップ29と、を有している。軸部27は、先端側から後端方向Dfrに向かって順番に並ぶ、脚部25と、鍔部24と、頭部23と、を有している。脚部25の先端(すなわち、軸部27の先端)に、第1チップ29が接合されている(例えば、レーザ溶接)。第1チップ29の少なくとも一部は、絶縁体10の先端側で、軸孔12の外に露出している。鍔部24の先端方向Df側の面は、絶縁体10の第1縮内径部16によって、支持されている。また、軸部27は、外層21と芯部22とを有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料、すなわち、内燃機関の燃焼室内で燃焼ガスに曝された場合の消耗が少ない材料(例えば、純ニッケル、ニッケルとクロムとを含む合金、等)で形成されている。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。芯部22の後端部は、外層21から露出し、中心電極20の後端部を形成する。芯部22の他の部分は、外層21によって被覆されている。ただし、芯部22の全体が、外層21によって覆われていても良い。また、第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12の後端側には、端子金具40の一部が挿入されている。端子金具40は、導電性材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための略円柱形状の抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、導電性材料(例えば、炭素粒子)と、セラミック粒子(例えば、ZrO)と、ガラス粒子(例えば、SiO2−B23−LiO−BaO系のガラス粒子)と、を含む材料を用いて形成されている。抵抗体70と中心電極20との間には、導電性の第1シール部60が配置され、抵抗体70と端子金具40との間には、導電性の第2シール部80が配置されている。シール部60、80は、例えば、抵抗体70の材料に含まれるものと同じガラス粒子と、金属粒子(例えば、Cu)と、を含む材料を用いて、形成されている。中心電極20と端子金具40とは、抵抗体70とシール部60、80とを介して、電気的に接続されている。
主体金具50は、中心軸CLに沿って延びて主体金具50を貫通する貫通孔59を有する略円筒状の部材である。主体金具50は、低炭素鋼材を用いて形成されている(他の導電性材料(例えば、金属材料)も採用可能である)。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50の先端側では、絶縁体10の先端(本実施形態では、脚部13の先端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。主体金具50の後端側では、絶縁体10の後端(本実施形態では、後端側胴部18の後端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、先端側から後端側に向かって順番に並ぶ、胴部55と、座部54と、変形部58と、工具係合部51と、加締部53と、を有している。座部54は、鍔状の部分である。胴部55は、座部54から中心軸CLに沿って先端方向Dfに向かって延びる略円筒状の部分である。胴部55の外周面には、内燃機関の取付孔にねじ込むためのねじ山52が形成されている。座部54とねじ山52との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌め込まれている。
主体金具50は、変形部58よりも先端方向Df側に配置された縮内径部56を有している。縮内径部56の内径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の第1縮外径部15と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。先端側パッキン8は、鉄製でO字形状のリングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
工具係合部51は、スパークプラグ100を締め付けるための工具(例えば、スパークプラグレンチ)と係合するための部分である。本実施形態では、工具係合部51の外観形状は、中心軸CLに沿って延びる略六角柱である。また、加締部53は、絶縁体10の第2縮外径部11よりも後端側に配置され、主体金具50の後端(すなわち、後端方向Dfr側の端)を形成する。加締部53は、径方向の内側に向かって屈曲されている。加締部53の先端方向Df側では、主体金具50の内周面と絶縁体10の外周面との間に、第1後端側パッキン6とタルク9と第2後端側パッキン7とが、先端方向Dfに向かってこの順番に、配置されている。本実施形態では、これらの後端側パッキン6、7は、鉄製でC字形状のリングである(他の材料も採用可能である)。
スパークプラグ100の製造時には、加締部53が内側に折り曲がるように加締められる。そして、加締部53が先端方向Df側に押圧される。これにより、変形部58が変形し、パッキン6、7とタルク9とを介して、絶縁体10が、主体金具50内で、先端側に向けて押圧される。先端側パッキン8は、第1縮外径部15と縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。以上により、主体金具50が、絶縁体10に、固定される。
接地電極30は、本実施形態では、棒状の軸部37と、軸部37の先端部31に接合された第2チップ39と、を有している。軸部37の後端は、主体金具50の先端面57(すなわち、先端方向Df側の面57)に接合されている(例えば、抵抗溶接)。軸部37は、主体金具50の先端面57から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部31に至る。先端部31は、中心電極20の先端方向Df側に配置されている。先端部31の表面のうち中心電極20側の表面に、第2チップ39が接合されている(例えば、レーザ溶接)。第2チップ39は、軸部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。中心電極20の第1チップ29と接地電極30の第2チップ39とは、火花放電のための間隙gを形成する。接地電極30は、間隙gを隔てて中心電極20の先端部と対向している。
接地電極30の軸部37は、軸部37の表面の少なくとも一部を形成する外層35と、外層35内に埋設された芯部36と、を有している。外層35は、耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルとクロムとを含む合金)を用いて形成されている。芯部36は、外層35よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅)を用いて形成されている。
A2.製造方法:
図2は、スパークプラグ100の製造方法の一例を示すフローチャートである。ステップS100では、絶縁体10が製造される。図2のステップS100の右側には、ステップS100の詳細が示されている。本実施形態では、ステップS103で、未焼成の絶縁体が成形され、そして、ステップS106で、絶縁体が焼成される。なお、焼成前に、成形された絶縁体の形状を所定形状に加工してもよい(例えば、端部を研磨してもよい)。ステップS103の成形方法の詳細については、後述する。
ステップS110では、スパークプラグ100の他の部材が準備される。具体的には、中心電極20と、端子金具40と、主体金具50と、棒状の接地電極30とが、公知の方法で製造される。また、シール部60、80のそれぞれの材料粉末と、抵抗体70の材料粉末とが、準備される。なお、ステップS100、S110による複数の部材の準備は、各部材毎に独立に行われる。
ステップS120では、絶縁体10と中心電極20と第1シール部60と抵抗体70と第2シール部80と端子金具40とを有する組立体が作成される。組立体の製造方法としては、公知の方法を採用可能である。例えば、中心電極20、第1シール部60の材料、抵抗体70の材料、第2シール部80の材料を、絶縁体10の貫通孔12に、後端方向Dfr側の開口14から、この順番に挿入する。そして、絶縁体10を加熱した状態で端子金具40を開口14から貫通孔12に挿入することによって、組立体を製造する。
ステップS130では、主体金具50に棒状の接地電極30が接合される。そして、ステップS140では、主体金具50に組立体が固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、先端側パッキン8と、ステップS120の組立体と、第2後端側パッキン7と、タルク9と、第1後端側パッキン6とが配置される。絶縁体10の第1縮外径部15と主体金具50の縮内径部56との間には、先端側パッキン8が介在される。そして、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50と絶縁体10とが組み付けられる。
ステップS150では、棒状の接地電極30が曲げられて、間隙gが形成される。ここで、間隙gの距離が所定の距離になるように、接地電極30が曲げられる。以上により、スパークプラグ100が完成する。
図3、図4、図5は、未焼成の絶縁体を成形する工程(図2:S103)の手順の例を示すフローチャートである。図4は図3の続きを示し、図5は図4の続きを示している。図中では、各ステップを示す箱の中に、各ステップで用いられる成形型の概略断面図が示されている。図中には、中心軸CLと方向Df、Dfrとが示されている。成形型に対する中心軸CLと方向Df、Dfrとの配置は、完成した絶縁体10に対する中心軸CLと方向Df、Dfrとの配置を成形型の中の成形済の絶縁体に適用して得られる配置と、同じである。各概略断面図は、中心軸CLを含む平面による断面の概略図である。以下、成形済かつ未焼成の絶縁体を「成形体」とも呼ぶ。また、成形型に対する中心軸CLに平行な方向を「成形型の前後方向」とも呼ぶ。
ステップS200では、成形型200(「外型200」とも呼ぶ)の貫通孔290の中に棒部300(「内型300」とも呼ぶ)が配置される。成形型200は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔290を有する筒状の型である。成形型200は、例えば、金属を用いて形成されている(他の材料も採用可能である)。貫通孔290を形成する内周面(内面とも呼ぶ)は、成形体の外周面を成形する成形面である。成形型200の成形面は、7つの部分210〜270に区分される。
第1成形面210は、絶縁体10(図1)の、大径部19の外周面を成形する。第1成形面210は、成形型200の内面のうち内径が最も大きい部分である(「大径部210」とも呼ぶ)。第2成形面220は、第1成形面210の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の大径部19と先端側胴部17との接続部分の外周面を成形する。第2成形面220では、内径は、先端方向Dfに向かって小さくなる。第3成形面230は、第2成形面220の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の先端側胴部17の外周面を成形する。第4成形面240は、第3成形面230の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の第1縮外径部15の外周面を成形する。第4成形面240は、大径部210から離れた部分である。第4成形面240では、内径は、先端方向Dfに向かって小さくなる(「縮内径部240」とも呼ぶ)。第5成形面250は、第4成形面240の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の脚部13の外周面を成形する。
第6成形面260は、大径部210の後端方向Dfr側に接続されており、絶縁体10(図1)の大径部19と後端側胴部18との接続部分の外周面を成形する。第6成形面260では、内径は、後端方向Dfrに向かって小さくなる。第7成形面270は、第6成形面260の後端方向Dfr側に接続されており、絶縁体10の後端側胴部18の外周面を成形する。本実施形態では、第7成形面270の内径は、第3成形面230の内径よりも大きい。すなわち、絶縁体10の後端側胴部18の外径は、先端側胴部17の外径よりも、大きい。
また、成形型200は、第3成形面230に形成された開口282と、開口282に連通する流路280と、を有している。後述するように、開口282は、材料を射出するためのゲートとして用いられる。
棒部300は、中心軸CLに沿って延びる棒状の部材である。棒部300は、例えば、金属を用いて形成されている(他の材料も採用可能である)。棒部300の外周面は、絶縁体10(図1)の貫通孔12を形成する内周面を成形する成形面である。このように、棒部300も成形型の一部である、ということができる。棒部300の成形面は、3個の部分310〜330に区分される。第1成形面310は、絶縁体10の第1縮内径部16よりも後端方向Dfr側の部分の内周面を成形する。第2成形面320は、第1成形面310の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の第1縮内径部16の内周面を成形する。第2成形面320では、外形は、先端方向Dfに向かって小さくなる(「縮外形部320」とも呼ぶ)。第3成形面330は、第2成形面320の先端方向Df側に接続されており、絶縁体10の第1縮内径部16よりも先端方向Df側の部分の内周面を成形する。
棒部300は、成形型200の内面によって形成される空間(すなわち、貫通孔290)内に配置される。図3の実施形態では、貫通孔290の後端方向Dfr側から、棒部300が貫通孔290に挿入される。ステップS200を示す箱内の下部には、成形型200と、成形型200の貫通孔290内に配置された棒部300と、が示されている。成形型200と棒部300とは、成形型200の内面と棒部300の外周面とによって挟まれる空間Sxと、空間Sxに連通し先端方向Df側に位置するリング状の第1開口OP1と、空間Sxに連通し後端方向Dfr側に位置するリング状の第2開口OP2と、を形成する。空間Sxの形状は、成形体の形状と、同じである。以下、この空間Sxを、「成形空間Sx」とも呼ぶ。成形空間Sxのうち、成形型200の大径部210によって形成される部分(ここでは、大径部210の内周側の部分)を、「大径部Sa」とも呼ぶ。成形空間Sxのうち、縮内径部240によって形成される部分(ここでは、縮内径部240の内周側の部分)を、「縮内径部Sb」とも呼ぶ。
次のステップS210では、成形空間Sx内に、第1壁部400が配置される。第1壁部400は、円筒状の部材である。第1壁部400は、例えば、金属を用いて形成されている(他の材料も採用可能である)。図3の実施形態では、第1壁部400は、第2開口OP2から成形空間Sxに挿入される。ステップS210を示す箱内の下部には、成形空間Sx内に配置された第1壁部400と、先端方向Df側の一部分の拡大図と、が示されている。第1壁部400の先端方向Df側の端面410は、大径部210と、大径部210よりも先端方向Df側に配置された縮内径部240と、の間に配置されている。この端面410は、成形型200の第3成形面230から棒部300の第1成形面310まで延びて、成形型200と棒部300との間の空間をシールする。これにより、成形型200の内面と、壁部400の端面410と、棒部300の外周面とは、成形空間Sxのうち端面410よりも先端方向Df側の部分である第1空間S1を形成する。このように、第1壁部400も成形型の一部である、ということができる。また、第1壁部400の端面410は、成形空間Sxを第1空間S1と他の部分とに区分する第1境界B1を形成する。
次のステップS220(図4)では、第1開口OP1に射出装置のノズル510が接続される。ノズル510は、リング状の第1開口OP1に連通可能なリング状の開口を有している。ノズル510は、リング状の第1開口OP1の全体を通じて、材料を第1空間S1内に射出する。このように、第1開口OP1は、ゲートとして用いられる。また、この射出によって、第1部分P1が形成される。第1部分P1の形状は、第1空間S1の形状と同じである。材料としては、例えば、アルミナと焼結助剤とを含む材料が、用いられる。
次のステップS225では、第1壁部400が成形型200、300から後端方向Dfrに向かって取り外される。次のステップS230では、第2壁部450が、成形空間Sx内に配置される。第2壁部450は、円筒状の部材である。第2壁部450は、例えば、金属を用いて形成されている(他の材料も採用可能である)。図4の実施形態では、第2壁部450は、第2開口OP2から成形空間Sxに挿入される。第2壁部450の先端方向Df側の端面460は、大径部210よりも後端方向Dfr側に配置されている。本実施形態では、端面460は、成形型200の第7成形面270から、棒部300の第1成形面310まで延びて、成形型200と棒部300との間の空間をシールする。これにより、成形型200の内面と、第2壁部450の端面460と、棒部300の外周面と、第1部分P1の後端方向Dfr側の端面P1eと、に囲まれる第2空間S2が形成される。このように、第2壁部450も成形型の一部である、ということができる。第2壁部450の端面460は、成形空間Sxを、第2空間S2と、第2空間S2よりも後端方向Dfr側の部分と、に区分する第2境界B2を形成する。
次のステップS240では、流路280に射出装置のノズル520が接続される。そして、ノズル520と流路280と開口282とを通じて、第2空間S2に材料が射出される。これにより、第2部分P2が形成される。第2部分P2の形状は、第2空間S2の形状と同じである。材料としては、第1部分P1の材料と同じ材料を採用可能である。
次のステップS250(図5)では、第2壁部450が成形型200、300から後端方向Dfrに向かって取り外される。これにより、成形型200の内面と、棒部300の外周面と、第2部分P2の後端方向Dfr側の端面P2eとは、成形空間Sxのうちの端面P2eよりも後端方向Dfr側の部分である第3空間S3を形成する。
次のステップS260では、第2開口OP2に射出装置のノズル530が接続される。ノズル530は、リング状の第2開口OP2に連通可能なリング状の開口を有している。ノズル530は、リング状の第2開口OP2の全体を通じて、材料を第3空間S3内に射出する。このように、第2開口OP2は、ゲートとして用いられる。また、この射出によって、第3部分P3が形成される。第3部分P3の形状は、第3空間S3の形状と同じである。これにより、3個の部分P1、P2、P3を含み、成形空間Sxと同じ形状の成形体10zが形成される。なお、材料としては、例えば、第2部分P2の材料と同じ材料を採用可能である。
次のステップS270では、成形型200と棒部300とが取り外され、そして、成形体10zの仕上げ処理が行われる。棒部300は、例えば、成形体10zから後端方向Dfrに引き抜かれる。成形型200は、例えば、複数の部材に分解されて、成形体10zから取り外される。成形型200と棒部300とが取り外された後、成形体10zの仕上げ処理が行われる。仕上げ処理は、成形体10zの形状を所定の形状に加工する処理である。例えば、成形体10zの表面が研磨される。これにより、成形体10zの余分な部分(例えば、流路280内で固まった部分)が取り除かれる。以上により、成形体10zの成形が完了する。
以上のように、本実施形態では、成形空間Sxのうちの第1境界B1よりも先端方向Df側の部分である第1空間S1が形成され(図3:S210)、第1空間S1に材料が射出されることによって第1部分P1が成形される(図4:S220)。そして、成形空間Sxのうち第1境界B1から後端方向Dfr側の一部である第2空間S2が形成され(図4:S230)、第2空間S2に材料が射出されることによって第2部分P2が成形される(図4:S240)。そして、第2部分P2を成形するためのステップS230、S240は、第1部分P1を成形するためのステップS210、S220よりも後に行われる。このように、第1部分P1と第2部分P2とが別々に成形されるので、第1部分P1と第2部分P2との全体が1回の射出によって成形される場合と比べて、成形される部分とゲートとの間の距離(「流動距離」と呼ぶ)の最大値を短くすることができる。この結果、これらの部分P1、P2の中に材料の充填密度が低い部分が生じることを抑制できる。仮に、充填密度が低い部分が生じると、焼成済の絶縁体10の強度は、充填密度が低い部分で低下する。本実施形態では、そのように強度が低い部分が生じることを、抑制できる。
また、成形型200の内径が変化する部分の近傍では、成形空間Sxの断面積(例えば、中心軸CLに垂直な断面上の面積)は、中心軸CLに平行な方向の位置に応じて変化する。従って、材料が中心軸CLに平行に流動する場合、そのような部分の近傍では、材料に印加される圧力が低下し易いので、成形後の材料の密度が低くなりやすい。例えば、縮内径部240の近傍や大径部210の近傍(例えば、第2成形面220の近傍)では、材料の密度が低くなりやすい。ここで、本実施形態では、図3のステップS210で説明したように、第1境界B1は、成形型200の大径部210と縮内径部240との間(すなわち、成形空間Sxの大径部Saと縮内径部Sbとの間)に位置している。従って、第1空間S1は、縮内径部240の近傍を含むものの、大径部210の近傍を含まない。一方、第2空間S2は、大径部210の近傍を含むものの、縮内径部240の近傍を含まない。このように、大径部210の近傍と縮内径部240の近傍とは、互いに異なる射出によって成形される。従って、大径部210の近傍と縮内径部240の近傍とが1回の射出によって成形される場合と比べて、大径部210の近傍での流動距離と縮内径部240の近傍での流動距離とが長くなることを抑制できる。この結果、大径部210の近傍と縮内径部240の近傍とで材料の密度が低くなることを抑制できる。すなわち、絶縁体10の大径部19と第1縮外径部15との損傷を抑制できる。第1縮外径部15の損傷を抑制することによって、第1縮外径部15と先端側パッキン8とによる気密性の低下を抑制できる。
また、図1で説明したように、絶縁体10の第1縮外径部15は、先端側パッキン8を介して主体金具50に支持されている。絶縁体10のうち第1縮外径部15よりも先端方向Df側の部分(ここでは、脚部13)は、他の部材(例えば、主体金具50)に支持されていない。すなわち、脚部13は、片持ち梁のように、第1縮外径部15によって支持されている。また、本実施形態では、脚部13は、燃焼室内に露出する。燃焼室内で混合気が燃焼する場合、脚部13に大きな力が印加される。このように大きな力を受ける脚部13は、第1縮外径部15によって支持されている。ここで、ステップS210、S220(図3、図4)で説明したように、絶縁体10の第1縮外径部15と脚部13とは、第1部分P1に含まれており、1回の射出によって一体に成形される。従って、射出された材料の継ぎ目が第1縮外径部15と脚部13との間に生じないので、継ぎ目に沿って絶縁体10が破損することを抑制できる。また、高電圧がスパークプラグ100に印加された場合に、継ぎ目に沿って絶縁体10を貫通する放電が生じることを、抑制できる。
また、本実施形態では、第2部分P2の成形(図4:S230、S240)は、第1部分P1の成形(図3、図4:S210、S220)よりも後に実行される。そして、第1部分P1を成形するための第1空間S1は、成形型200の内面(具体的には、成形面230、240、250)と、棒部300の外周面(具体的には、成形面310、320、330)と、第1境界B1の位置に配置され第1空間S1の後端方向Dfr側の端部を形成する第1壁部400と、を用いて形成される。また、第2部分P2を成形するための第2空間S2は、成形型200の内面(具体的には、成形面210、220、230、260、270)と、棒部300の外周面(具体的には、第1成形面310)と、第1部分P1の後端方向Dfr側の端面P1eと、第1部分P1とは反対側(ここでは、後端方向Dfr側)に配置され第2空間S2の後端方向Dfr側の端部を形成する第2壁部450と、を用いて形成される。このように、第1部分P1の成形後に、第1部分P1の端面P1eを用いて第2空間S2が形成されるので、第1部分P1と、第1部分P1に接続された第2部分P2と、の適切な成形を実現できる。この結果、第1部分P1と第2部分P2とにおいて、材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。
また、仮に、成形型から第1部分P1を取り外し、第1部分P1を運搬し、第2部分P2のための成形型へ第1部分P1の嵌め込む場合には、そのような第1部分P1の取り扱いに起因して、第1部分P1が損傷を受ける場合がある。一方、本実施形態では、上記のように、成形された第1部分P1を成形型200、300から取り外さずに、第2部分P2が成形される。従って、第1部分P1が損傷を受けることを抑制できる。
また、第1部分P1を成形型200、300から取り外さずに、同じ成形型200、300を用いて第2部分P2が成形される。従って、少なくとも第2部分P2の成形時まで、第1部分P1と成形型(ここでは、成形型200、300)との間の隙間が大きくなることを抑制できる。この結果、第2部分P2の成形時に第1部分P1と成形型との間に材料が入ることを抑制できる。
また、第2部分P2の成形時には、第2壁部450は、成形型200の大径部210よりも後端方向Dfr側に配置される、すなわち、成形空間Sxの大径部Saよりも後端方向Dfr側に配置される(図4:S230)。具体的には、第2壁部450の端面460は、大径部210から後端方向Dfrに向かって内径が小さくなる部分である第6成形面260よりも後端方向Dfr側に、配置されている。従って、成形空間Sxの後端方向Dfr側の第2開口OP2から挿入された第2壁部450を用いて、成形型200と棒部300との間の空間を容易にシールできる。仮に、成形型200の大径部210と棒部300との間の空間をシールする場合、大径部210と棒部300との間の空間をシール可能な大きな外径を有する部材を、大径部210よりも内径が小さい第7成形面270の内周側を通じて大径部210に到達させることは、困難である。本実施形態では、第2空間S2を形成する第2壁部450の端面460は、大径部210よりも後端方向Dfr側に配置されるので、適切に成形型200と棒部300との間の空間をシールできる。
また、本実施形態では、第2部分P2の成形(図4:S230、S240)の後に、第3部分P3が成形される(図5:S260)。第3部分P3を成形するための第3空間S3は、成形型200の内面(具体的には、第7成形面270)と、棒部300の外周面(具体的には、第1成形面310)と、第2部分P2の端面P2eと、を用いて形成されている。従って、第2部分P2と第3部分P3との全体を1回の射出で成形する場合と比べて、これらの部分P2、P3の中に材料の充填密度が低い部分が生じる可能性を低減できる。
また、第1空間S1内への材料の射出は、第1空間S1の先端方向Dfから行われる。すなわち、材料は、第1空間S1の先端方向Df側に配置されたゲートOP1から第1空間S1内へ射出される。従って、成形型200の前後方向(すなわち、中心軸CLに平行な方向)の位置が同じである場合に周方向の位置の変化に対する流動距離の変化を小さくできるので、周方向の一部の範囲において材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。これにより、絶縁体10の第1部分P1に対応する部分(ここでは、第1縮外径部15と脚部13)において、周方向に沿っておおよそ均等な強度を実現できる。従って、脚部13が特定の方向に向かって折れやすい等の不具合を抑制できる。
また、第3空間S3内への材料の射出は、第3空間S3の後端方向Dfrから行われる。すなわち、材料は、第3空間S3の後端方向Dfr側に配置されたゲートOP2から第3空間S3内へ射出される。従って、中心軸CLに平行な方向の位置が同じである場合に周方向の位置の変化に対する流動距離の変化を小さくできるので、周方向の一部の範囲において材料の充填密度が低下する可能性を低減できる。これにより、絶縁体10の第3部分P3に対応する部分(ここでは、後端側胴部18)において、周方向に沿っておおよそ均等な強度を実現できる。
一般には、周方向の一部の範囲において材料の充填密度が低下する可能性を低減するためには、空間内への材料の射出を、前後方向から行うことが好ましい。
B.変形例:
(1)未焼成の絶縁体(すなわち、成形体)の成形方法としては、図3、図4、図5で説明した方法に代えて、他の種々の方法を採用可能である。例えば、第2部分P2と第3部分P3との全体を1回の射出で成形してもよい。また、第2部分P2の成形の後に第1部分P1を成形してもよい。例えば、成形空間Sx内に、第2境界B2を形成する第2壁部450(図5)と、第1境界B1を形成する図示しない壁部とを配置した状態で、第2部分P2を成形し、その後、第1境界B1を形成する図示しない壁部を取り外して第1部分P1を成形してもよい。また、成形体10zを4個以上の部分に区分し、4回以上の射出工程によって成形体10zを成形してもよい。
また、以下の方法を採用してもよい。まず、成形空間Sxのうち第1空間S1のみを形成する第1成形型を用いて第1部分P1を成形する。第1成形型としては、成形型200(図3)のうちの第1空間S1を形成する部分と同じ形状の外型と、棒部300のうちの第1空間S1を形成する部分と同じ形状の内型と、を採用可能である。ここで、外型、または、内型が、第1開口OP1を塞ぐ部分を有しても良い。そして、材料を、後端方向Dfr側の開口から射出してもよい。
次に、成形空間Sxのうち、大径部210の途中の位置から第5成形面250の途中の位置までの部分である中央空間を形成する第2成形型を準備する。第2成形型としては、成形型200のうち中央空間を形成する部分と同じ形状の外型と、棒部300のうち中央空間を形成する部分と同じ形状の内型と、を採用可能である。そして、第1成形型から成形済の第1部分P1を取り外し、第2成形型に第1部分P1の後端方向Dfr側の部分を嵌め込み、材料を中央空間の後端方向Dfr側の開口から中央空間内に射出する。これにより、第1部分P1に接続された中央部分が成形される。中央部分の形状は、中央空間の形状と同じである。
次に、成形空間Sxの残りの部分である後空間を形成する第3成形型を準備する。第3成形型としては、成形型200のうち後空間を形成する部分と同じ形状の外型と、棒部300のうち後空間を形成する部分と同じ形状の内型と、を採用可能である。そして、第3成形型の先端方向Df側の開口に成形済の中央部分を配置する。この際、成形済の部分が嵌め込まれた状態の第2成形型が、第3成形型の先端方向Df側に接続されてもよい。この状態で、材料を後空間の後端方向Dfr側の開口から後空間内に射出することによって、中央部分に接続された後部分が成形される。後部分の形状は、後空間の形状と同じである。以上により、研磨前の成形体10zの成形が完了する。
(2)第1部分P1の成形後に、第1部分P1とは反対側に配置されて成型用の空間の端部を形成する第2壁部450は、成形型200に一体的に設けられた部分であってもよい。この場合、第2部分P2の成形の後に、成形型200を取り外して、第3空間S3を形成する別の成形型を用いて第3部分P3を成形すればよい。また、このような第2壁部の位置が、第2開口OP2の位置であってもよい。すなわち、成形型200が、第2開口OP2を閉じる壁部を有していても良い。この場合、流路280を通じた1回の射出によって、第2部分P2と第3部分P3との全体を成形すればよい。また、このような第2壁部が、棒部300に一体的に設けられた部分であってもよい。
(3)第2部分P2の成形後に、第2部分P2とは反対側に、第3空間S3の端部を形成第3壁部が配置されてもよい。第3壁部としては、第2開口OP2を塞ぐ壁部を採用可能である。第3空間S3の形成に第3壁部を用いる場合には、成形型200に第3空間S3に連通する流路を設け、その流路を通じて第3空間S3に材料を射出してもよい。ここで、第3壁部が、成形型200、または、棒部300に一体的に設けられた部分であってもよい。
(4)第1部分P1の成形時に第1開口OP1が壁部によって塞がれてもよい。この場合、成形型200に第1空間S1に連通する流路を設け、その流路を通じて第1空間S1に材料を射出してもよい。ここで、そのような壁部が、成形型200、または、棒部300に一体的に設けられた部分であってもよい。
(5)第2部分P2と第3部分P3との全体を1回の射出で成形してもよい。例えば、ステップS230、S240、S250(図4、図5)を省略し、ステップS260で第2部分P2と第3部分P3との全体を成形してもよい。
(6)S220(図4)で用いられるノズル510は、第1開口OP1の一部を塞ぐ板を有していても良い。例えば、ノズル510は、第1開口OP1の全体を覆う板(「ノズル板」と呼ぶ)を有し、そして、そのノズル板に、材料を射出するための1以上の貫通孔が設けられても良い。この場合、ノズル板も成形型の一部である、ということができる。周方向の一部の範囲において材料の充填密度が低下する可能性を低減するためには、周方向に分散して配置された複数の孔がノズル板に設けられていることが好ましい。また、周方向の一部の範囲において材料の充填密度が低下する可能性を低減するためには、ノズル510は、上記の実施形態のように周方向の全範囲に亘るリング状のゲートを通じて、材料を射出することが特に好ましい。以上のノズル510について説明した事項は、S260で用いられるノズル530にも適用可能である。
(7)複数回の射出工程の間で、材料が異なっていても良い。例えば、第1部分P1の材料のアルミナの含有率(重量%)が、第2部分P2の材料のアルミナの含有率よりも高くてもよい(この場合、第1部分P1の材料の焼結助剤の含有率は、第2部分P2の材料の焼結助剤の含有率よりも低い)。こうすれば、第1部分P1(ここでは、燃焼室に露出する脚部13)の高温での耐電圧性能を向上できる。また、第2部分P2(ここでは、先端側胴部17等)の常温での機械的強度を向上できる。
(8)絶縁体10の構成としては、図1、図3、図4、図5で説明した構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、絶縁体10の後端側胴部18の外径が、先端側胴部17の外径と同じであってもよい。この場合、ステップS230(図4)で、第2壁部450の代わりに、第1空間S1の形成に用いた第1壁部400を用いて第2空間S2を形成可能である。このように、第2空間S2を形成するための第2壁部としては、第1空間S1の形成に用いた第1壁部の位置を移動させたものを採用してもよい。また、後端側胴部18の後端方向Dfr側の部分の外周面に複数の凹凸が形成されてもよい。
(9)スパークプラグの構成としては、上記の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、中心電極20の第1チップ29と接地電極30の第2チップ39との少なくとも一方を省略してもよい。また、中心電極20の形状としては、図1で説明した形状とは異なる種々の形状を採用してもよい。また、接地電極30の形状としては、図1で説明した形状とは異なる種々の形状を採用可能である。また、絶縁体10は、中心軸CLに沿って延びて絶縁体10を貫通する貫通孔12を有する略円筒状の部材としたが、これに限られず、絶縁体10は、先端部が閉塞された有底筒状の部材としてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...第1後端側パッキン、7...第2後端側パッキン、8...先端側パッキン、9...タルク、10...絶縁体(絶縁碍子)、10z...成形体、11...第2縮外径部、12...貫通孔(軸孔)、13...脚部、14...開口、15...第1縮外径部、16...第1縮内径部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...大径部(鍔部)、20...中心電極、21...外層、22...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、27...軸部、29...第1チップ、30...接地電極、31...先端部、35...外層、36...芯部、37...軸部、39...第2チップ、40...端子金具、50...主体金具、51...工具係合部、52...ねじ山、53...加締部、54...座部、55...胴部、56...縮内径部、57...先端面、58...変形部、59...貫通孔、60...第1シール部、70...抵抗体、80...第2シール部、100...スパークプラグ、200...成形型(外型)、210...第1成形面(大径部)、220...第2成形面、230...第3成形面、240...第4成形面(縮内径部)、250...第5成形面、260...第6成形面、270...第7成形面、280...流路、282...開口、290...貫通孔、300...棒部(内型)、310...第1成形面、320...第2成形面(縮外形部)、330...第3成形面、400...第1壁部、410...端面、450...第2壁部、460...端面、510、520、530...ノズル、g...間隙、S1...第1空間、B1...第1境界、P1...第1部分、P1e...端面、S2...第2空間、B2...第2境界、P2...第2部分、P2e...端面、S3...第3空間、P3...第3部分、CL...中心軸(軸線)、Sa...大径部、Sb...縮内径部、Df...先端方向(前方向)、Dfr...後端方向(後方向)、Sx...成形空間、OP1...第1開口(ゲート)、OP2...第2開口(ゲート)

Claims (3)

  1. 成形型を用いて形成される成形空間内に材料を射出することによって成形されるスパークプラグ用の筒状の絶縁体の製造方法であって、
    前記成形空間のうち、内径が最も大きい大径部と、前記大径部よりも先端側に配置され内径が先端側に向かって小さくなる縮径部と、の間に位置する境界よりも先端側の部分である第1空間を形成し、前記第1空間へ材料を射出することによって第1部分を成形する第1工程と、
    前記成形空間のうち、前記境界から後端側の部分の少なくとも一部である第2空間を形成し、前記第2空間へ材料を射出することによって第2部分を成形する第2工程と、を有し、
    前記第2工程は、前記第1工程よりも後に実行され、
    前記第1工程において、前記第1空間は、前記成形型の内面と、前記成形型の内面によって形成される空間内に配置され前記成形型の前後方向に延びる棒部の外周面と、前記境界の位置に配置され前記第1空間の端部を形成する第1壁部と、を用いて形成され、
    前記第2工程において、前記第2空間は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第1工程で成形された前記第1部分の端部と、前記第1部分とは反対側に配置され前記第2空間の端部を形成する第2壁部と、を用いて形成され、
    前記第2工程において、前記第2壁部は、前記大径部よりも後端側に配置され、
    前記製造方法は、前記成形型の内面と、前記棒部の外周面と、前記第2工程で成形された前記第2部分の端部と、を用いて第3空間を形成し、前記第3空間へ材料を射出することによって、第3部分を成形する第3工程を有し、
    前記第3工程は前記第2工程よりも後に実行される、
    スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法であって、
    前記第1空間内への材料の射出は、前記前後方向から行われる、
    スパークプラグ用の絶縁体の製造方法。
  3. スパークプラグの製造方法であって、
    請求項1または2に記載のスパークプラグ用の絶縁体の製造方法によって成形された未焼成の絶縁体を焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程により得られた焼成済絶縁体と筒状の主体金具とを組み付ける組み付け工程と、を有し、
    前記組み付け工程では、前記焼成済絶縁体のうち前記縮径部に対応する部位と、前記主体金具の内周面との間にパッキンを介在させて、前記焼成済絶縁体と前記主体金具とを組み付ける、
    スパークプラグの製造方法。
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