JP5971176B2 - ロータに用いる固定用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献3に記載の樹脂の充填方法に、特許文献4〜6に記載のいずれの液状の樹脂の充填方法を用いても、液状樹脂に50質量%ものシリカを添加された場合には、シリカが過剰に添加された液状樹脂をうまく充填することができないという考えに至るのが通常である。
したがって、シリカを添加したとしても、シリカの添加量は、液状樹脂全体に対して多くとも10質量%以下としようとするのが通常の考え方である。
[1]
回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの周縁部に沿って配置されている複数の穴部が設けられている、ローターコアと、
前記穴部に挿入された磁石と、
前記穴部と前記磁石との離間部であって、前記磁石の側壁のうちの少なくとも前記ローターコアの内周縁側に位置する側壁上に設けられて前記磁石を固定する固定部材と、を備えるロータのうち前記固定部材の形成に用いる固定用樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、50質量%以上である、固形の固定用樹脂組成物。
[2]
[1]に記載の固定用樹脂組成物において、
粉末状、顆粒状、又はタブレット状である、固定用樹脂組成物。
本実施の形態のロータ100は、回転シャフト(シャフト170)に固設され、回転シャフトの周縁部に沿って配置されている複数の穴部150が設けられている、ローターコア110と、穴部150に挿入された磁石120と、穴部150と磁石120との離間部に充填された、固定用樹脂組成物を硬化してなる固定部材130と、を備える。
本発明に係る固定用樹脂組成物は、固形であり、ロータの形成及びロータを備える車両の形成に使用される。すなわち、固定用樹脂組成物は、電磁鋼板で構成されたローターコア内に形成された穴部に配置された磁石を固定するために用いられるものである。
本発明に係る固定用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填剤(C)と、を含む。
まず、熱硬化性樹脂(A)について説明する。
熱硬化性樹脂(A)としては、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂(A1)、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂等が用いられる。中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂(A1)が好適に用いられる。
次に、硬化剤(B)について説明する。硬化剤(B)は、熱硬化性樹脂(A)に好ましい態様として含まれるエポキシ樹脂(A1)を三次元架橋させるために用いられるものであり、特に限定されないが、たとえばフェノール樹脂とすることができる。このようなフェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。このようなフェノール樹脂系硬化剤により、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスが良好となる。特に、硬化性の点から、たとえばフェノール樹脂系硬化剤の水酸基当量は、90g/eq以上、250g/eq以下とすることができる。
通常、車両のロータには、耐燃ランクが全焼を示す固定用樹脂組成物を使用することができる。車両の使用環境に応じて、車両のロータには、耐燃ランクがV−0を示す固定用樹脂組成物を使用してもよい。
本発明に係る固定用樹脂組成物に用いられる無機充填剤(C)としては、固定用樹脂組成物の技術分野で一般的に用いられる無機充填剤を使用することができる。例えば、溶融破砕シリカ及び溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、木材、フェノール樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料の硬化物を粉砕した粉砕粉等が挙げられる。この中でも、好ましくは、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ等のシリカであり、より好ましくは溶融球状シリカを使用することができる。また、この中でも、炭酸カルシウムがコストの面で好ましい。無機充填剤(C)としては、一種で使用しても良いし、または二種以上を併用してもよい。
平均粒径D50は、レーザー回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC HEROS&RODOS)での体積換算平均粒径とした。
本発明に係る固定用樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含んでもよい。硬化促進剤(D)は、エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂系硬化剤(B)の水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に使用される硬化促進剤(D)を用いることができる。
本発明に係る無機難燃剤(G)の含有量は、本発明に係る固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上、10質量%以下である。
本発明に係るイオン性不純物としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン等、より具体的にはナトリウムイオン、塩素イオン等が挙げられる。ナトリウムイオンの濃度の上限値は、本発明に係る固定用樹脂組成物に対して、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは70ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下である。また、塩素イオンの濃度の上限値は、本発明に係る固定用樹脂組成物に対して、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下であり、さらに好ましくは30ppm以下である。上記の範囲とすることにより、電磁鋼板や磁石の腐食を抑制することができる。
本実施の形態においては、例えば、純度の高いエポキシ樹脂を使用することにより、イオン性不純物を低減することができる。以上により、耐久性に優れたロータが得られる。
また、本実施の形態においては、例えば、充填剤の粒径を細かくする、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、硬化促進剤の量を減らすなどにより、上記スリット流動長を増加することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、潜伏性の硬化促進剤を用いる、充填剤として溶融球状シリカを用いるなどにより、上記高化式粘度を低減することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、硬化促進剤の量を増やすことにより、上記ゲルタイムを低減することができる。これにより、製造安定性に優れたロータが実現される。
また、本実施の形態においては、例えば、充填剤として溶融球状シリカを用いる、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、硬化促進剤の量を減らすなどにより、上記スパイラルフローを増加することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、硬化促進剤の量を増やすことにより、上記硬化トルク値の比を増加することができる。これにより、製造安定性に優れたロータが実現される。
また、本実施の形態においては、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を上げることにより、上記ガラス転移温度(Tg)を増加することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、充填剤の表面にカップリング剤を処理することにより、上記曲げ強度を増加することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、低応力剤の添加量を増やす、充填剤の配合量を減らすなどにより、上記曲げ弾性率を低減することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、充填剤の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α1)を低減することができる。
また、本実施の形態においては、例えば、充填剤の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α2)を低減することができる。
本実施の形態に係るロータ100の製造方法は、回転シャフト(シャフト170)が貫通する貫通孔の周縁部に沿って配置されている複数の穴部150が設けられている、ローターコア110を準備する工程と、穴部150に磁石120を挿入する工程と、穴部150と磁石120との離間部に固定用樹脂組成物を充填する工程と、樹脂組成物を硬化して、固定部材130を得る工程と、ローターコア110の前記貫通孔にシャフト170を挿入するとともに、ローターコアにシャフト170を固設する工程と、を有する。
本実施の形態では、固定用樹脂組成物を充填する手法として、インサート成形を用いることが好ましい。以下、詳述する。
図2は、インサート成形に用いるインサート成形装置の上型200の断面図である。
固定部材130の形成方法の一例としては、タブレット状の固定用樹脂組成物を用い、インサート成形を行う方法を用いることができる。このインサート成形には、インサート成形装置を用いる。この成形装置は、タブレット状の固定用樹脂組成物が供給されるポット210と溶融状態の固定用樹脂組成物を移動させる流路220とを有する上型200と、下型と、これらの上型及び下型を加熱する加熱手段と、溶融状態の固定用樹脂組成物を押し出す押出機構と、を備える。インサート成形装置は、例えば、ローターコアなどを搬送する搬送機能を備えてもよい。
また、ポット210は、2つの別々の流路220を有してもよく、Y字状の流路220を有してもよい。これにより、1つのポット210から、2つの穴部に、本発明に係る固定用樹脂組成物を充填できる。なお、1つのポットは、1つの穴部に固定用樹脂組成物を充填する1個の流路を有してもよいが、3以上の穴部に固定用樹脂組成物を充填する3個の流路を有してもよい。ただし、複数の流路は互いに独立してもよいが、連続していてもよい。
まず、ローターコアをオーブン又は熱盤上などで予熱後、不図示の成形装置の下型に固定する。続いて、ローターコアの穴部中に、磁石を挿入する。続いて、下型を上昇させ、ローターコアの上面に上型200を押しつける。これにより、上型200と下型とで、ローターコア110の上面及び下面を挟み込む。このとき、上型200中の流路220の先端部が、穴部と磁石との離間部上に配置される。また、ローターコアは、成形装置の下型と上型200からの熱伝導により加熱されることとなる。成形装置の下型及び上型200は、ローターコアが固定用樹脂組成物の成形、硬化に適した温度となるよう、例えば、150℃〜200℃程度に温調されている。この状態でタブレット状の固定用樹脂組成物を上型200のポット210内に供給する。上型200のポット210内に供給されたタブレット状の固定用樹脂組成物は、ポット210内で加熱され溶融状態となる。
以上により、本実施の形態のロータが得られる。
インサート成形方法では、ローターコア110の上面と上型200とが密着された状態で、上型200の流路を通って、ロータ−コア110の穴部に樹脂が充填される。このため、ローターコア110の上面と上型200との間にされず、上型200と上面との着脱が容易となる。
一方、トランスファー成形方法では、半導体チップと金型との間のキャビティに樹脂が充填されるので、成形品から金型をうまく脱型する必要がある。このため、半導体チップを封止する樹脂には、金型と成形品との離型性が特に要求されることになる。
[1]
回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの周縁部に沿って配置されている複数の穴部が設けられている、ローターコアと、
前記穴部に挿入された磁石と、
前記穴部と前記磁石との離間部に充填された、固定用樹脂組成物を硬化してなる固定部材と、を備え、
前記固定用樹脂組成物は、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、50質量%以上である、ロータ。
[2]
前記無機充填剤(C)がシリカを含む、[1]に記載のロータ。
[3]
前記シリカの含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、40質量%以上である、[2]に記載のロータ。
[4]
前記固定用樹脂組成物において、アルミナの含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、10質量%以下である、[1]から[3]のいずれか1項に記載のロータ。
[5]
前記無機充填剤(C)は、平均粒径D50が異なる2以上の球状シリカを含む、[1]から[4]のいずれか1項に記載のロータ。
[6]
前記平均粒径D50が、75μm以下である、[5]に記載のロータ。
[7]
前記硬化剤(B)が、フェノール樹脂を含む、[1]から[6]のいずれか1項に記載のロータ。
[8]
前記固定用樹脂組成物が、硬化促進剤(D)をさらに含む、[1]から[7]のいずれか1項に記載のロータ。
[9]
前記硬化促進剤(D)が、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[8]に記載のロータ。
[10]
前記固定用樹脂組成物が、無機難燃剤(G)をさらに含む、[1]から[9]のいずれか1項に記載のロータ。
[11]
前記無機難燃剤(G)が、金属水酸化物、または複合金属水酸化物を含む、[10]に記載のロータ。
[12]
前記固定用樹脂組成物に対して、イオン性不純物の濃度が500ppm以下であり、
前記イオン性不純物は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種以上である、[1]から[11]のいずれか1項に記載のロータ。
[13]
前記固定用樹脂組成物に対して、ナトリウムイオンの濃度が100ppm以下である、[1]から[12]のいずれか1項に記載のロータ。
[14]
前記固定用樹脂組成物に対して、塩素イオンの濃度が100ppm以下である、[1]から[13]のいずれか1項に記載のロータ。
[15]
前記固定用樹脂組成物が、イオン捕捉剤をさらに含み、
前記イオン捕捉剤が、ハイドロタルサイト類またはマグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物を含む、[1]から[14]のいずれか1項に記載のロータ。
[16]
前記固定用樹脂組成物が、低応力剤をさらに含み、
前記低応力剤が、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物またはシリコーン化合物を含む、[1]から[15]のいずれか1項に記載のロータ。
[17]
前記磁石が、ネオジム磁石で構成される、[1]から[16]のいずれか1項に記載のロータ。
[18]
前記固定部材は、タブレット状の前記固定用樹脂組成物を用い、インサート成形で形成される、[1]から[17]のいずれか1項に記載のロータ。
[19]
前記固定用樹脂組成物が、金型温度175℃、成形圧力6.9MPaの条件で、幅3mm、厚さ80μmの断面形状を有する流路に前記固定用樹脂組成物を注入した際のスリット流動長が30mm以上である、[1]から[18]のいずれか1項に記載のロータ。
[20]
前記固定部材のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上である、[1]から[19]のいずれか1項に記載のロータ。
[21]
150℃における、前記固定部材の曲げ強度が、70MPa以上である、[1]から[20]のいずれか1項に記載のロータ。
[22]
150℃における、前記固定部材の曲げ弾性率が、1.6×104MPa以下である、[1]から[21]のいずれか1項に記載のロータ。
[23]
25℃以上、ガラス転移温度(Tg)以下の領域における、前記固定部材の線膨張係数(α1)が、10ppm/℃以上、25ppm/℃以下である、[1]から[22]のいずれか1項に記載のロータ。
[24]
高化式粘度測定装置を用いて、測定温度175℃、荷重10kgで測定した際の、前記固定用樹脂組成物の高化式粘度が、6Pa・s以上50Pa・s以下である、[1]から[23]のいずれか1項に記載のロータ。
[25]
前記固定用樹脂組成物の175℃におけるゲルタイムが、10秒以上、40秒以下である、[1]から[24]のいずれか1項に記載のロータ。
[26]
前記固定用樹脂組成物のスパイラルフローが、50cm以上である、[1]から[25]のいずれか1項に記載のロータ。
[27]
キュラストメーターを用いて、測定温度175℃で前記固定用樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、測定開始60秒後の硬化トルク値をT60、測定開始300秒後までの最大硬化トルク値をTmaxとしたとき、測定開始300秒後までの最大硬化トルク値に対する測定開始60秒後の硬化トルク値の比T60/Tmax(%)が、40%以上である、[1]から[26]のいずれか1項に記載のロータ。
[28]
[1]から[27]のいずれか1項に記載のロータを備える、自動車。
[29]
回転シャフトが貫通する貫通孔の周縁部に沿って配置されている複数の穴部が設けられている、ローターコアを準備する工程と、
前記穴部に磁石を挿入する工程と、
前記穴部と前記磁石との離間部に固定用樹脂組成物を充填する工程と、
前記樹脂組成物を硬化して、固定部材を得る工程と、
前記ローターコアの前記貫通孔に前記回転シャフトを挿入するとともに、前記ローターコアに前記回転シャフトを固設する工程と、を有し、
前記固定用樹脂組成物は、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、50質量%以上である、ロータの製造方法。
(熱硬化性樹脂(A))
エポキシ樹脂1:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON N−665、エポキシ当量198g/eq、軟化点62℃)
エポキシ樹脂2:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON N−670、エポキシ当量199g/eq、軟化点65℃)
エポキシ樹脂3:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON N−690、エポキシ当量200g/eq、軟化点92℃)
エポキシ樹脂4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、jER1001、エポキシ当量475g/eq、軟化点64℃)
フェノール樹脂系硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−51714、水酸基当量104g/eq、軟化点92℃)
フェノール樹脂系硬化剤2:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−51470、水酸基当量104g/eq、軟化点110℃)
溶融球状シリカ1(電気化学工業(株)製、FB−950、平均粒径D5038μm)
溶融球状シリカ2(電気化学工業(株)製、FB−35、平均粒径D5015μm)
アルミナ(日本軽金属(株)製、A13、平均粒径D5050μm)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン
硬化促進剤2:下記式(7)で表される硬化促進剤
シランカップリング剤1:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、CF4083)
シランカップリング剤2:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)
水酸化アルミニウム(住友化学(株)製、CL−303)
イオン捕捉剤:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、商品名DHT−4H)
着色剤:カーボンブラック(三菱化学(株)製、MA600)
離型剤:モンタン酸エステルワックス(ヘキスト製ヘキストワックスE))
低応力剤1:シリコーンレジン(日興ファインプロダクツ(株)製、MSP−150)
低応力剤2:シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−3730)
実施例について、表1〜表3に示す配合量に従い各成分をミキサーを用いて、常温で混合し、粉末状中間体を得た。得られた粉末状中間体を自動供給装置(ホッパー)に装填して、80℃〜100℃の加熱ロールへ定量供給し、溶融混練を行った。その後冷却し、次いで粉砕して、固定用樹脂組成物を得た。成形装置を用いて、得られた固定用樹脂組成物を打錠成型することによりタブレットを得た。
一方、図2に示す上型200を備えるインサート成形装置を用いて、下記要領でロータを作製した。まず、ローターコアを成形装置の下型に固定し、続いて、ローターコアの穴部中に、ネオジム磁石を挿入した後、下型を上昇させてローターコアの上面に上型200を押しつけた。続いて、タブレット状の固定用樹脂組成物を上型200のポット210に供給した後、プランジャにより、溶融状態の固定用樹脂組成物をポット210から押し出し、固定用樹脂組成物を、穴部とネオジム磁石との離間部に充填し、加熱硬化させて固定部材を形成し、ロータを得た。この時の成形条件は、ローターコア温度:160℃、硬化時間:120秒とした。
得られた固定用樹脂組成物及びロータについて、下記に示す測定及び評価を行った。その結果を表1〜表3に示す。実施例のロータは強度に優れていた。
イオン性不純物濃度:固定用樹脂組成物を175℃、180秒の条件で成形硬化後、粉砕機で粉砕し硬化物の粉末を得た後、その硬化物を純水中で120℃、24時間処理し、純水中に金属イオンを抽出した。その後、ICP−MS(誘導結合プラズマイオン源質量分析装置)を用いて濃度を測定した。単位はppm。表には、トータルのイオン性不純物濃度、ならびに、ナトリウムイオン濃度及び塩素イオン濃度を示した。
高化式粘度:約2.5gの固定用樹脂組成物を、タブレット状(直径11mm、高さ約15mm)としたのち、高化式粘度測定装置(島津製作所(株)製、CFT−500D)を用いて測定温度175℃、荷重10kgの条件で、直径0.5mm、長さ1.0mmのノズル(ダイス)を使用して測定した。単位はPa・s。
110 ロータコア
112 鋼板
114、118a、118b エンドプレート
116 溝部
120 磁石
130 封止部材
140 充填部
150、152、154a、154b、156 穴部
151 側壁
160 カシメ部
170 シャフト
200 上型
210 ポッド
220 流路
Claims (26)
- 回転シャフトに固設され、前記回転シャフトの周縁部に沿って配置されている複数の穴部が設けられている、ローターコアと、
前記穴部に挿入された磁石と、
前記穴部と前記磁石との離間部であって、前記磁石の側壁のうちの少なくとも前記ローターコアの内周縁側に位置する側壁上に設けられて前記磁石を固定する固定部材と、を備えるロータのうち前記固定部材の形成に用いる固定用樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、50質量%以上であり、
スパイラルフローが50cm以上である、固形の固定用樹脂組成物。 - 前記無機充填剤(C)がシリカを含む、請求項1に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記シリカの含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、40質量%以上である、請求項2に記載の固定用樹脂組成物。
- アルミナの含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、10質量%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記無機充填剤(C)は、平均粒径D50が異なる2以上の球状シリカを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記平均粒径D50が、75μm以下である、請求項5に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記硬化剤(B)が、フェノール樹脂を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 硬化促進剤(D)をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記硬化促進剤(D)が、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項8に記載の固定用樹脂組成物。
- 無機難燃剤(G)をさらに含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記無機難燃剤(G)が、金属水酸化物、または複合金属水酸化物を含む、請求項10に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記固定用樹脂組成物に対して、イオン性不純物の濃度が500ppm以下であり、
前記イオン性不純物は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。 - 前記固定用樹脂組成物に対して、ナトリウムイオンの濃度が100ppm以下である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記固定用樹脂組成物に対して、塩素イオンの濃度が100ppm以下である、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- イオン捕捉剤をさらに含み、
前記イオン捕捉剤が、ハイドロタルサイト類またはマグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物を含む、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。 - 低応力剤をさらに含み、
前記低応力剤が、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物またはシリコーン化合物を含む、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。 - 前記磁石が、ネオジム磁石で構成される、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記固定部材は、インサート成形品である、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 金型温度175℃、成形圧力6.9MPaの条件で、幅3mm、厚さ80μmの断面形状を有する流路に前記固定用樹脂組成物を注入した際のスリット流動長が30mm以上である、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 前記固定部材のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上である、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 150℃における、前記固定部材の曲げ強度が、70MPa以上である、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 150℃における、前記固定部材の曲げ弾性率が、1.6×104MPa以下である、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 25℃以上、ガラス転移温度(Tg)以下の領域における、前記固定部材の線膨張係数(α1)が、10ppm/℃以上、25ppm/℃以下である、請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 高化式粘度測定装置を用いて、測定温度175℃、荷重10kgで測定した際の、前記固定用樹脂組成物の高化式粘度が、6Pa・s以上50Pa・s以下である、請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- 175℃におけるゲルタイムが、10秒以上、40秒以下である、請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
- キュラストメーターを用いて、測定温度175℃で前記固定用樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、測定開始60秒後の硬化トルク値をT60、測定開始300秒後までの最大硬化トルク値をTmaxとしたとき、測定開始300秒後までの最大硬化トルク値に対する測定開始60秒後の硬化トルク値の比T60/Tmax(%)が、40%以上である、請求項1から請求項25のいずれか1項に記載の固定用樹脂組成物。
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