JP5968493B1 - 自動変速機及びその保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ATFの昇温促進処理をATFの種類、劣化度合いによらず適切な時間行い、自動変速機を保護する。【解決手段】自動変速機内の作動油の温度を取得する作動油温度取得手段B1と、作動油の油圧応答性を取得する作動油圧応答性取得手段B8と、作動油温度取得手段B1により取得された作動油の温度の初期値が低温度域にある場合に、作動油の温度上昇を促進する昇温促進処理を開始する昇温促進処理開始手段B10と、昇温促進処理が開始された場合は、作動油の油圧応答性に応じて昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了時間を算出する昇温促進処理終了時間算出手段B9と、昇温促進処理を継続している時間が昇温促進処理終了時間に達した時に昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了手段を備えて自動変速機を保護する。【選択図】図2

Description

この発明は、自動変速機の制御に関し、特に低温時の自動変速機の保護を図るようにした自動変速機及びその保護方法に関するものである。
自動変速機の作動油(以下、「ATF」(オートマチックトランスミッションフルード)という。)の油圧応答性は、粘度状態によって変化する。外気温が低くATFの温度が低いと、その粘度が高くなり、油圧応答性が遅くなるため、変速に関与するクラッチ、ブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放が遅れて、変速ショックや変速遅延が発生する。
特許文献1は、ATF温度センサから取得した、ATFの初期温度が低温度域の場合、作動油の昇温促進処理を開始し、ATF現在温度が所定の温度を超え、常用域に入っているか判定し、常用域に入っている場合には昇温促進処理を終了するとしている。
また、極低温時では自動変速機とATFクーラを接続するクーラホース内にあるATFの流動性が極度に低下し、クーラホースが凍結し収縮することで、ATFクーラから自動変速機にATFを十分に供給することができず、ATFの温度が十分に上昇しないうちに昇温促進処理を終了してしまう可能性がある。
このため、極低温時用の昇温促進処理終了用の所定終了時間をATFの初期温度から設定し、所定車速以上での累積走行時間が所定時間を超えると、あるいは、ATF現在温度がATFの上限温度を超えると、昇温促進処理を終了すると判定する技術を開示している。
ここでのATFの上限温度とは、摩擦締結要素のフェーシングの劣化を引き起こす温度の下限値に余裕を持たせた値としている。この技術によれば、極低温時であっても自動変速機のATFの昇温を適切に行い、自動変速機の潤滑不良に起因する摩擦締結要素や回転要素の焼き付き、破損を防止し、自動変速機を保護することができるとしている。
特開2011−94643号公報
従来技術における昇温促進処理では、ATFの初期温度に基づいて終了判定時間を決定する。あるいは、ATFの現在温度により昇温促進処理の終了判定を行っている。
つまり、従来技術におけるATFの昇温促進処理は、いずれもATFの温度を要因として終了時期を決定しており、ATFの種類や劣化度合い等の、ATF粘度の変化による油圧応答性に影響を与える要因は加味されていない。
そのため、ATFの粘度が変化していた場合、ATFの状態に適した昇温促進処理終了時間を設定することができない可能性がある。従って、上記昇温促進処理が過剰に実施された場合には、燃費の悪化につながる。
また、昇温促進処理が不足していた場合には、自動変速機の潤滑不良に起因する摩擦締結要素や回転要素の焼き付き、破損につながる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ATFの種類及び劣化度合いによらず、自動変速機の作動油の昇温を適切な時間行い、燃費悪化を抑制しつつ、自動変速機を保護するようにした自動変速機およびその保護方法を得ることを目的とするものである。
この発明に係る自動変速機は、作動油冷却用の熱交換器を有し熱交換器から作動油が供給される自動変速機であって、自動変速機内の作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、作動油の油圧応答性を取得する作動油圧応答性取得手段と、作動油温度取得手段により取得された作動油の温度の初期値が、作動油の粘度変化により自動変速機内の摩擦締結要素の作動遅れを生じる低温度域にある場合に、作動油の温度上昇を促進する昇温促進処理を開始する昇温促進処理開始手段と、昇温促進処理が開始される場合は、作動油の油圧応答性に応じて昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了時間を算出する昇温促進処理終了時間算出手段と、昇温促進処理を継続している時間が昇温促進処理終了時間に達した時に昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了手段とを備えたものである。
また、この発明に係る自動変速機の保護方法は、作動油冷却用の熱交換器を有し熱交換器から作動油が供給される自動変速機の保護方法であって、作動油の温度の初期値が、作動油の粘度変化により自動変速機内の摩擦締結要素の作動遅れを生じる低温度域にある場合に、作動油の温度上昇を促進する昇温促進処理を開始すると共に、昇温促進処理の開始に際して、自動変速機内の作動油の油圧応答性に応じて昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了時間を設定するようにしたものである。
この発明によれば、ATFの種類及び劣化度合いによらず、低温時であっても、油圧応答性で昇温促進処理の終了判断を実施することによって、ATFの昇温促進処理が最適な時間実施され、燃費の悪化を抑制し、自動変速機の潤滑不良に起因する摩擦締結要素や回転要素の焼き付き、破損を防止し、自動変速機を保護することができる。
この発明の実施の形態1に係る自動変速機を備えた車両の概略構成図である。 この発明にて実施する昇温促進処理が開始されるまでの一連の流れを示したブロック図である。 この発明にて実施する昇温促進処理が開始され、終了するまでの一連の流れを示したブロック図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理実施判定を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における作動油圧応答性取得可否判定を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における作動油圧応答性取得手段を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理終了時間算出手段を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理開始手段を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理終了時間再設定手段を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理終了判定手段を示したフローチャートの図である。 自動変速機コントロールユニットが実施する、昇温促進処理における昇温促進処理終了手段を示したフローチャートの図である。 目標油圧に対する実作動油の油圧応答性の到達度の計測手法を示す図である。 図12で算出された到達度を用い、昇温促進処理終了時間TMopを算出するマップを示す図である。 ATFの粘度特性による油圧応答性への影響を表す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る自動変速機およびその保護方法を図1から図14に基づいて詳細に説明する。
図1は実施の形態1に係る自動変速機を備えた車両の概略構成を示している。車両は、エンジン10と自動変速機20を備え、エンジン10の出力回転は自動変速機20で変速された後、図示しない駆動輪へと伝達される。
自動変速機20は、トルクコンバータ21と変速機構22を備えている。変速機構22は、プライマリプーリ27aと、セカンダリプーリ27bと、これらプーリ27a、27bに巻き掛けられた伝動ベルト27cと、前後進切替クラッチ26とで構成されるベルト式無段変速機構である。自動変速機20は、各プーリ27a、27bと伝動ベルト27cとの間の摩擦力を利用することで、所望の変速段を実現する。
また、自動変速機20はATFクーラ25を備えている。ATFクーラ25は、自動変速機20の作動油であるATF(オートマチックトランスミッションフルード)と外気との間の熱交換によりATFを冷却する熱交換器であり、後述する油圧回路24とクーラホース25aで接続されるとともに、自動変速機20とクーラホース25bで接続される。ATFクーラ25から自動変速機20には、冷却後のATFが供給される。
トルクコンバータ21は、エンジン10の出力軸に連結されるポンプインペラ21aと、変速機構22の入力軸に連結されるタービンランナ21bと、タービンランナ21bに連結されるロックアップクラッチ23とを備える。ロックアップクラッチ23を締結することを「ロックアップする」、ロックアップクラッチ23を解放することを「ロックアップ解除する」と適宜表現する。
ロックアップクラッチ23をロックアップ解除すると、トルクコンバータ21はトルク増幅作用を発生し、エンジン10から入力されるトルクを増幅して変速機構22へと出力する。また、ロックアップクラッチ23をロックアップすると、ポンプインペラ21aとタービンランナ21bが直結状態となり、トルクコンバータ21の滑りに起因する損失がなくなる。
ロックアップクラッチ23の締結・解放は、複数のソレノイド弁からなる油圧回路24からの供給油圧を切り換えることにより行われる。
本車両の制御系は、自動変速機20を制御する変速機コントロールユニット(以下、「ATCU」という。)30と、エンジン10を制御するエンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という。)31とで構成される。ATCU30、ECU31はいずれもCPU、メモリ、入出力インターフェースを含んで構成される。ATCU30とECU31は相互に接続され、必要な情報をやりとりする。
ECU31には、エンジン回転速度センサ40で検出されるエンジン10の回転速度Neや図示しないアクセルペダルの操作量等が入力される。ECU31は、これら入力信号に基づきエンジン10のスロットル開度、燃料噴射量、点火時期などを制御する。
ATCU30には、車速センサ43で検出される車速VSP、入力回転速度センサ41で検出される自動変速機20の入力回転速度Ni(=トルクコンバータ21の出力回転速度)、ATF温度センサ(作動油温度取得手段)42で検出される自動変速機20内のATF(より具体的にはオイルポンプがオイルパンから吸い上げるATF)の温度Tatf、油圧センサ(作動油圧取得手段)44で検出されるライン圧PLが入力される。ライン圧PLとは、図示しないオイルパンから吸い上げられたATFに対して、ATCU30からの制御信号を受けたライン圧ソレノイドによって調圧され、セカンダリプーリ27bの油圧室28へと供給されるATFの油圧を指す。
ATCU30は、図示しない変速マップを参照し、車速VSPと変速マップ上に設定されるロックアップ車速との比較結果に基づき、ロックアップの可否を判定し(例えば、車速VSPがロックアップ車速5km/h以上のときにロックアップ許可と判定)、判定結果に応じてロックアップクラッチ23のロックアップないしロックアップ解除を行う。
ATCU30は、また、変速マップを参照して、車速VSPとアクセルペダル操作量等に基づき目標とする変速段を決定し、目標とする変速段が実現されるように変速機構22のプライマリプーリ27a、セカンダリプーリ27bへの油圧を制御し、変速比を連続的に変化させる。
ATCU30は、エンジン10の始動時、ATFの温度が低い場合に、ATFの温度上昇を促進する昇温促進処理を開始すると判断し、トルクコンバータ21と、変速機構22はATFの温度を上昇させることを目的とした昇温促進処理を開始する。
従来技術におけるATFの昇温促進処理とは、変速機構22の最高速段への変速の禁止、及びトルクコンバータ21のロックアップクラッチ23の締結の禁止であり、その終了判定手段は、ATFの現在温度または所定車速以上での走行累積時間である。
ところが、上記昇温促進の終了判定処理のみだけでは、ATFの種類や劣化による、ATF粘度の許容誤差を十分に考慮することができていない。
ATFは走行等による経年劣化により、粘度が次第に低下するといった特徴がある。そのため、劣化したATFは、劣化していないATFと比較し、粘度が低いためATF温度が上昇しやすい傾向にあり、昇温促進処理を過剰な時間、実施してしまう可能性がある。
ATFの昇温促進処理では、ATFの昇温による自動変速機の保護を最優先としているため、昇温促進処理中は燃費効率の悪い状態での走行をすることになる。そのため、昇温促進処理を過剰な時間、実施してしまうことは車両の特性上、好ましくない。
図2は、この発明の実施形態における自動変速機のATFの昇温促進処理が開始されるまでの一連の流れ(プログラム)を説明するブロック図である。本プログラムは、ATCU30のメモリに格納されており、エンジン10のイグニッションキーがONにされたときにATCU30により実行される。以下、これらを参照しながら低温時における自動変速機20の保護制御について説明する。
図2において、B1はATF温度センサ(作動油温度取得手段)42によってATF温度Tatfを取得する。B2は車速センサ43によって車速VSPを取得する。B3はエンジン回転速度センサ40によってエンジン回転速度Neを取得する。B4は油圧センサ(作動油圧取得手段)44によってATFのライン圧PLを取得する。
B6における昇温促進処理実施判定手段では、B1においてATF温度センサ42が取得したATF温度Tatfが所定温度TCより低い場合に、昇温促進処理を開始すると判定する。所定温度TCは、自動変速機20内の摩擦締結要素の締結・解放を遅れなく行えるATF温度Tatfの下限値に対し、余裕を持たせた値に設定される。自動変速機20で使用するATFの低温特性、ATFを循環させるためのポンプの能力にもよるが、例えば、所定温度TCは35℃〜45℃の間の値に設定される。
図4は、B6の昇温促進処理実施判定手段におけるフローチャートである。ステップB6−1では、ATF温度Tatfが所定温度TC以下であるか否かを判定し、ATF温度Tatfが所定温度TC以下である場合(YES)には、ステップB6−2に進んで昇温促進処理開始用フラグであるTempFlgをセットし、それ以外の場合(NO)は、ステップB6−3に進んで昇温促進処理開始用フラグTempFlgをクリアする。
次に、ATCU30は、B6の昇温促進処理実施判定手段にて判定された昇温促進処理開始用フラグTempFlgと、B2において車速センサ43によって算出された車速VSPと、B3においてエンジン回転速度センサ40から得られるエンジン回転速度Neとにより、B7の作動油圧応答性取得可否判定手段にて、油圧応答性を取得するためにライン圧を一時的に変化させることが可能なタイミングであるか判定し、作動油圧調圧可否判定フラグPLadjFlgの状態を決定する。
図5は、B7の作動油圧応答性取得可否判定手段におけるフローチャートである。ステップB7−1で昇温促進処理開始用フラグTempFlgがセット状態、かつ、車速センサ43から得られる車速VSP、エンジン回転速度センサ40から得られるエンジン回転速度Neがともに0であるか否かを判定し、それらの条件を満たす場合(YES)はステップB7−2に進んで作動油圧調圧可否判定フラグであるPLadjFlgをセットし、ライン圧を一時的に変化させることが可能なタイミングと判定する。一方、ステップB7−1の条件を満さない場合(NO)はステップB7−3に進んで作動油圧調圧可否判定フラグPLadjFlgをクリアする。
ライン圧を一時的に変化させることが可能なタイミングとは、具体的に述べると、イグニッションキーがONにされてから車両が走行を開始するまで、車両が停止しアイドリング状態であるとき、などの状態を指す。
次に、ATCU30は、B8の作動油圧応答性取得手段では、B7の作動油圧応答性取得可否判定手段にて設定した作動油圧調圧可否判定フラグPLadjFlg、B4の油圧センサ44から得たライン圧PLより実作動油の油圧応答性を取得する。
図6は、B8の作動油圧応答性取得手段におけるフローチャートであり、ステップB8−1で作動油圧調圧可否判定フラグPLadjFlgがセットの場合(YES)は、ステップB8−2に進んでATCU30よりライン圧を変化させる指示を行い、その後ステップB8−3に進んで所定時間TM経過後における実油圧の目標油圧までの到達度TgtPL(%)を算出する。
このようにATFの油圧応答性は、目標油圧に対しての実油圧の到達度TgtPLとし、到達度TgtPLの計測手法については図12に示すように、所定時間TMまでにラインの実油圧が目標油圧に対してどのくらいに到達したかの到達度TgtPL(%)によって計測する。
次に、ATCU30は、B9の昇温促進処理終了時間算出手段では、B8の作動油圧応答性取得手段で取得した、目標油圧への到達度TgtPLを用いて、昇温促進処理終了時間TMopを算出する。
図7は、B9の昇温促進処理終了時間算出手段で昇温促進処理終了時間TMopを算出するフローチャートであり、ステップB9−1は到達度TgtPLを入力とし、図13に示すような特性を持つ昇温促進処理終了時間算出マップを用意して、昇温促進処理終了時間TMopを設定する。
昇温促進処理終了時間TMopは、図13に示すように到達度TgtPLが大(油圧応答性が速い)であれば昇温促進処理終了時間TMopは短く、逆に到達度TgtPLが小(油圧応答性が遅い)であれば昇温促進処理終了時間TMopは長くなるよう、到達度TgtPLに反比例するような特性となっている。
次に、ATCU30は、B10の昇温促進処理開始手段では、B9の昇温促進処理終了時間算出手段で算出した昇温促進処理終了時間TMopを入力して昇温促進処理を開始する。
図8は、B10の昇温促進処理開始手段により昇温促進処理を開始するフローチャートであり、ステップB10−1で昇温促進処理開始用フラグであるTempFlgがセット状態である場合(YES)に、ステップB10−2に進んで昇温促進処理を開始する。それ以外の場合(NO)は昇温促進処理を実施しないとする。
ATCU30は昇温促進処理を開始する場合、昇温促進処理としてロックアップ及び高速段への変速を禁止する。ここでいう高速段とは、所定の変速段以上の高速走行用の変速段であり、その変速段を使用した場合にエンジン10の回転速度が下がりATFの昇温が妨げられる変速段を指す。ロックアップを禁止するとトルクコンバータ21内でATFが撹拌され続け、また、高速段への変速を禁止するとエンジン10の回転速度Neが高めに維持され、トルクコンバータ21内でのATFの撹拌量が多くなるとともにATFを循環させるためのポンプの回転速度も高くなるので、ATFの昇温を促進することができる。
図3は、この発明の実施例の昇温促進処理が開始され、終了するまでの一連の流れ(プログラム)を説明するブロック図である。本プログラムは、図2と同様に、ATCU30のメモリに格納されており、エンジン10のイグニッションキーがONにされ、昇温促進処理を実行しているときにATCU30により実行される。
図3において、B2からB9(B5を除く)までの処理は図2と共通であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
図3において、B11の昇温促進処理終了時間再設定手段では、昇温促進処理を継続中においても、昇温促進処理終了時間TMopの更新を行う。
図9は、B11の昇温促進処理終了時間再設定手段におけるフローチャートである。ここでは、昇温促進処理終了時間TMopの更新を行うことによって、昇温促進処理の過剰な時間の実施、または不足を防ぐことを目的としている。
ステップB11−1はライン圧を一時的に変化させることが可能なタインミングであるかを判定するもので、これは図2のB7における作動油圧応答性取得可否判定手段で行ったことと同じである。ステップB11−2はライン圧PLより実作動油の油圧応答性を取得するもので、これは図2のB8における作動油圧応答性取得手段で行ったことと同じである。ステップB11−3はB8の作動油圧応答性取得手段で取得した、目標油圧への到達度TgtPLを用いて、昇温促進処理終了時間TMopを算出するもので、これは図2のB9における昇温促進処理終了時間算出手段で行ったことと同じである。
B12の昇温促進処理終了判定手段では、B9の昇温促進処理終了時間算出手段で算出した昇温促進処理終了時間TMopと、B5の昇温促進処理継続積算時間算出手段で積算している昇温促進処理継続時間TMupとを比較し、昇温促進処理を終了するか否かの判定を実施する。
図10は、B12の昇温促進処理終了判定手段におけるフローチャートである。ステップB12−1は昇温促進処理継続時間TMupが昇温促進処理終了時間TMop以上になったかを判定し、昇温促進処理継続時間TMupが昇温促進処理終了時間TMop以上となった場合(YES)は、ステップB12−2に進んで昇温促進処理終了判定フラグEndFlgをセットする。それ以外の場合(NO)には、ステップB12−3に進んで昇温促進処理終了判定フラグEndFlgをクリアする。
B13の昇温促進処理終了手段は、昇温促進処理終了判定フラグEndFlgがセット状態であれば、ATCU30は、昇温促進処理を終了する。
図11はB13の昇温促進処理終了手段におけるフローチャートを示し、ステップB13−1はB12の昇温促進処理終了判定手段で設定した昇温促進処理終了判定フラグEndFlgがセット状態であるか否かを判定し、セット状態の場合(YES)は、ATCU30は昇温促進処理を終了する。すなわち、ロックアップ及び高速段への変速を許可する。昇温促進処理終了判定フラグEndFlgがクリア状態の場合(NO)は、ATCU30は昇温促進処理を継続する。
したがって、ATF初期温度Tatfが、昇温促進処理が必要な温度域にある場合は、ロックアップ及び高速段への変速を禁止する昇温促進処理が開始される。そして、この昇温促進処理は、昇温促進処理継続時間TMupが昇温促進処理終了時間TMopを超えるまで継続される。
昇温促進処理終了後は、変速マップに従い、ロックアップ、及び、高速段も含めた全変速段への変速が行われる。
続いて、上記保護制御を行うことによる作用効果について説明する。
上記保護制御では、目標油圧に対する実作動油の油圧応答性に基づき昇温促進処理の終了時間を設定するようにしたことにより、ATFの種類や劣化度合いに影響されることなく、昇温促進処理を必要な時間行うことができ、また、過剰に昇温促進処理を実施することなく、最適な時間での昇温促進処理の終了が可能となり、燃費の向上にもつながる。
ここで、昇温促進処理終了時TMopを算出する手段としては、実油圧の目標油圧への到達度TgtPLから昇温促進処理終了時間を算出するような特性を持つマップを用意するとしているが、もしくは、ライン圧変化後、所定時間TM経過後の目標油圧と実油圧との偏差や、演算式から昇温促進処理終了時間TMopを算出してもよい。
図14はATFの粘度特性による油圧応答性への影響を表わした図で、同じ種類のATFが劣化によって粘度特性に違いが生じた場合に、通常のATFをATFnorm、劣化が進んだATFをATFdmgとし、目標ライン圧への到達度の遅れを表したものである。
図14から明らかなように、通常のATFnormの場合は所定時間TMまでにおけるライン実油圧の目標油圧に対する到達度TgtPLnormは小(油圧応答性が遅い)、劣化が進んだATFdmgの場合は所定時間TMまでにおけるライン実油圧の目標油圧に対する到達度TgtPLdmgは大(油圧応答性が速い)となっている。このように、ATFは劣化するにつれて、粘度が低くなるため、油圧応答性は、同温度域でも早くなる傾向にある。
そのため、ATFの温度のみを要因として終了時期を決定している従来手法では、自動変速機の潤滑に影響をきたさない十分な油圧応答性が得られているにも関わらず、昇温促進処理を継続してしまう可能性があるが、この発明では、油圧応答性をもって、昇温促進処理の終了判定を行っているため、ATFの劣化度合いのみならず、ATFの種類が異なった場合においても、昇温促進処理を適切な時間行うことが可能である。
また、上記実施形態では、自動変速機20がプライマリプーリ27aと、セカンダリプーリ27bと、これらプーリに巻き掛けられた伝動ベルト27cを含んで構成されるベルト式無段変速機であるとして説明したが、自動変速機20はベルト式無段変速機に限定されず、有段変速機や、チェーン式、トロイダル式等の無段変速機であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10:エンジン、20:自動変速機、21:トルクコンバータ、
21a:ポンプインペラ、21b:タービンランナ、22: 変速機構、
23:ロックアップクラッチ、24: 油圧回路、
25:ATFクーラ(熱交換器)、25a:クーラホース、25b:クーラホース、
26:前後進切替クラッチ、 27a:プライマリプーリ、
27b:セカンダリプーリ、27c:伝動ベルト、28:油圧室、
30:変速機コントロールユニット(B8:作動油圧応答性取得手段、
B9:昇温促進理終了時間算出手段、B10:昇温促進処理開始手段、
B13:昇温促進処理終了手段)、
40:エンジン回転速度センサ、41:入力回転速度センサ、
42:ATF温度センサ(作動油温度取得手段)、43:車速センサ、
44:油圧センサ(作動油圧取得手段)

Claims (6)

  1. 作動油冷却用の熱交換器を有し前記熱交換器から作動油が供給される自動変速機であって、
    前記自動変速機内の前記作動油の温度を取得する作動油温度取得手段と、前記作動油の油圧応答性を取得する作動油圧応答性取得手段と、前記作動油温度取得手段により取得された前記作動油の温度の初期値が、前記作動油の粘度変化により前記自動変速機内の摩擦締結要素の作動遅れを生じる低温度域にある場合に、前記作動油の温度上昇を促進する昇温促進処理を開始する昇温促進処理開始手段と、前記昇温促進処理が開始される場合は、前記作動油の油圧応答性に応じて前記昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了時間を算出する昇温促進処理終了時間算出手段と、前記昇温促進処理を継続している時間が前記昇温促進処理終了時間に達した時に前記昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了手段とを備えたことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記作動油圧応答性取得手段は、昇温促進処理開始前に、前記作動油の油圧の目標値を一時的に変化させて前記作動油の油圧応答性を取得するようにした請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記作動油圧応答性取得手段は、前記昇温促進処理の継続中においても、適宜、前記作動油の油圧応答性を取得するようにした請求項1または請求項2に記載の自動変速機。
  4. 前記昇温促進処理終了時間算出手段は、前記作動油による油圧応答性が遅いほど前記昇温促進処理終了時間を長く設定するようにした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機。
  5. 作動油冷却用の熱交換器を有し前記熱交換器から作動油が供給される自動変速機の保護方法であって、
    前記作動油の温度の初期値が、前記作動油の粘度変化により前記自動変速機内の摩擦締結要素の作動遅れを生じる低温度域にある場合に、前記作動油の温度上昇を促進する昇温促進処理を開始すると共に、前記昇温促進処理の開始に際して、前記自動変速機内の作動油の油圧応答性に応じて前記昇温促進処理を終了する昇温促進処理終了時間を設定することを特徴とする自動変速機の保護方法。
  6. 前記昇温促進処理の継続時間が、前記昇温促進処理終了時間に達した時に前記昇温促進処理を終了するようにした請求項5に記載の自動変速機の保護方法。
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