以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るトナー容器(トナーコンテナ)50及び画像形成装置10について説明する。以下の説明では、画像形成装置10が平坦面に設置された状態(図1に示される状態)を基準として上下方向7を定義する。また、図1の画像形成装置10においてトナー容器50が挿入される側を手前側(正面側)として前後方向8を定義する。また、図1の画像形成装置10を手前側(正面側)から見て左右方向9を定義する。
[画像形成装置10の概略構成]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置であり、例えば、複合機である。画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙P(記録媒体)に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は複合機に限られず、プリンターやFAX装置、複写機などのように単一機能を有する専用機であってもよい。
図1に示されるように、画像形成装置10は、主として、画像読取部11、原稿カバー20、ADF(Auto Document Feeder)21、画像形成部22、操作表示部24、給紙装置25、定着装置26、トナー容器50、及び画像形成装置10を統括的に制御する制御部(不図示)を備えている。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム(不図示)などを構成する筐体28に取り付けられている。
画像読取部11は、コンタクトガラス17に載置された原稿から画像データを読み取る画像読取処理を実行する。図1に示されるように、画像読取部11は、読取ユニット12、ミラー13,14、光学レンズ15、及びCCD16などを備えている。読取ユニット12は、LEDなどの光源などを備えており、ステッピングモーター等のモーターを用いた不図示の移動機構によって副走査方向(図1における左右方向9)へ移動可能に構成されている。そして、前記モーターによって読取ユニット12が前記副走査方向へ移動されると、前記光源から画像読取部11のコンタクトガラス17へ向けて照射される光が前記副走査方向へ走査される。この走査によって原稿で反射した光はミラー13へ向けて反射され、更にミラー14によって光学レンズ15に導かれる。そして、光学レンズ15は、入射した光を集光してCCD16に入射させる。CCD16は、受光した光量に応じた光量データを前記制御部に出力する。前記制御部では、光が照射された領域全体における光量データが得られると、その光量データを処理することによって、前記光量データから原稿の画像データを生成する。なお、本実施形態では、撮像素子としてCCD16を用いた例について説明するが、CCD16による読取機構に代えて、CCD16よりも焦点距離の短い密着型のイメージセンサー(CIS: Contact Image Sensor)を用いた読取機構を適用することも可能である。
ADF21は原稿カバー20に設けられている。ADF21は、原稿セット部21Aにセットされた原稿を複数の搬送ローラー(不図示)によって順次搬送して、コンタクトガラス17上に定められた読取位置を前記副走査方向の右向きへ通過するように原稿を移動させる。ADF21による原稿の移動時は、前記読取位置の下方に読取ユニット12が配置され、この位置で読取ユニット12によって移動中の原稿の画像が読み取られる。
画像形成部22は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙Pに画像を形成する画像形成処理を実行する。画像形成部22は、画像読取部11によって読み取られた画像データ、又は不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙Pに画像を印刷する。例えば、パーソナルコンピューターから印刷ジョブが転送されると、その印刷ジョブに含まれる画像データ及び印刷条件に基づいて、印刷用紙Pに画像を印刷する。図1に示されるように、画像形成部22は、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置33、転写装置35、除電装置36、露光装置(LSU:Laser Scanner Unit)37などを備えている。
画像形成部22による画像形成処理が開始されると、帯電装置32によって感光体ドラム31の表面が一様の電位に帯電される。そして、露光装置37から感光体ドラム31に対して画像データに応じたレーザー光が走査される。これにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。その後、現像装置33による現像処理によって静電潜像にトナーが付着されて、感光体ドラム31にトナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写装置35によって、搬送路を搬送される印刷用紙Pに転写される。トナー像が転写された印刷用紙Pは、画像形成部22よりも印刷用紙Pの搬送方向の下流側(図1において右側)に配置された定着装置26に搬送される。
定着装置26は、印刷用紙Pに転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙Pに定着させる。定着装置26は、加熱ローラー38と加圧ローラー39とを備える。加圧ローラー39は、バネなどの弾性部材によって加熱ローラー38側へ付勢されている。これにより、加圧ローラー39は加熱ローラー38に圧接される。加熱ローラー38は、定着動作時にヒーターによって高温に加熱される。印刷用紙Pが定着装置26を通過する際に加熱ローラー38によってトナー像を構成するトナーが加熱されて溶融され、また、加圧ローラー39によって印刷用紙Pが加圧される。これにより、定着装置26によって印刷用紙Pにトナーが定着されて、印刷用紙Pに画像が形成される。
[トナー容器50の構成]
以下、図2乃至図9を参照して、トナー容器50の構成について詳細に説明する。なお、各図では、筐体28に装着されているときのトナー容器50の姿勢(装着姿勢)を基準にして、鉛直方向を上下方向7とし、筐体28に対する挿抜方向を前後方向8とし、筐体28の前面から見て水平方向を左右方向9としている。
トナー容器50は、現像装置33にトナーを供給するものである。図1に示されるように、トナー容器50は、筐体28の上部の左側に設けられている。より詳細には、トナー容器50は、現像装置33の左上方側であって、露光装置37の下方に配置されている。トナー容器50は、筐体28に設けられた容器装着部(不図示)に対して着脱可能に構成されている。トナー容器50は、前記容器装着部に対して前後方向8へ挿抜可能なように、前後方向8へスライド可能に支持されている。トナー容器50のスライド支持機構としては、例えば、レール溝及び該レール溝によって案内されるレールガイドによって構成されるレール支持機構が適用可能である。もちろん、前記レール支持機構に限られず、トナー容器50を前後方向8へスライド可能に支持する機構であれば如何なる機構であっても適用可能である。
図2に示されるように、トナー容器50は、前後方向8に長い形状に形成されている。トナー容器50は、トナー容器50の筐体を構成する容器本体60と、駆動伝達部106(図4参照)と、トナー補給機構123とを備えている。
容器本体60は、下部の筐体である下部ハウジング61と、上面の筐体である蓋体62とにより構成されている。下部ハウジング61は、トナーを収容するためのものであり、前後方向8に長い箱状に形成されている。具体的には、下部ハウジング61は、前方側の側面63(第1側面、図2参照)及び後方側の奥面66(図4参照)によって前後方向8が区画されている。また、下部ハウジング61は、左側の左側面75(第2側面、図2参照)及び右側の右側面74(第3側面、図4参照)によって左右方向9が区画されている。また、下部ハウジング61は、湾曲形状に形成された底面64を有し、底面64によって下方側が区画されている。下部ハウジング61は、上面が大きく開放された長方形状の開口部65(図8参照)を有している。つまり、下部ハウジング61の上面は開放されている。開口部65を覆うように下部ハウジング61の上面に蓋体62が取り付けられる。すなわち、容器本体60は、側面63、奥面66、左側面75、右側面74、底面64、蓋体62によって区画されている。このように構成された容器本体60に、現像装置33による現像処理に使用されるトナーが収容される。なお、容器本体60は、上面に蓋体62が設けられた構成に限られず、内部にトナーを収容可能な形状に構成されたものであれば、如何なる構成であってもよい。
下部ハウジング61は、溶融した合成樹脂を金型に流し込み、射出成形(インジェクション成形)することによって形成される合成樹脂製品である。下部ハウジング61は、いずれの部位も均等な肉厚となるように形成されている。つまり、下部ハウジング61の外壁はどの部分も均等な肉厚に形成されている。下部ハウジング61の材料は、熱可塑性の合成樹脂を使用することができる。具体的には、ABS樹脂やPET樹脂(ポリエチレンテレフタラート)、或いはこれらを主成分とする合成樹脂が下部ハウジング61の材料として用いられる。
蓋体62は、下部ハウジング61の上面に対応する形状に形成されており、前後方向8に長い長方形状に形成されている。蓋体62は、下部ハウジング61の開口部65(図8参照)を覆うものであり、開口部65の周縁に当接される外周部71を有している。蓋体62は、下部ハウジング61と同様に、射出成形によって形成される合成樹脂製品である。
図4及び図5に示されるように、下部ハウジング61は、複数のガイド部85(85A〜85D)を備える。ガイド部85は、下部ハウジング61の底面64に設けられている。複数のガイド部85は、トナー容器50が画像形成装置10の筐体28に挿入された場合に、筐体28に定められた装着位置へ向かう装着方向(前後方向8に一致する方向)へトナー容器50を案内する。本実施形態では、左右方向9へ隔てられた4本のガイド部85が底面64に形成されている。各ガイド部85それぞれは、底面64に垂直な方向へ突出しており、前後方向8に沿って延びる細幅のレール形状に形成されている。トナー容器50が筐体28に挿入されると、複数のガイド部85それぞれは、筐体28の前記容器装着部におけるレール溝(不図示)に挿入される。これにより、トナー容器50が前記レール溝に沿って前記装着方向へ案内される。
下部ハウジング61の奥面66には、ピン形状の2つの位置決め部材82が設けられている。位置決め部材82は、奥面66から後方へ突出している。トナー容器50が筐体28における前記装着位置まで挿入されると、位置決め部材82が前記容器装着部に形成された位置決め孔に挿入される。これにより、トナー容器50が筐体28における前記装着位置に確実に装着される。
図4に示されるように、下部ハウジング61の底面64には、非接触方式によって内部の情報を電送するRFIDなどの記憶部76が設けられている。記憶部76は、トナー容器50に収容されたトナーに関する情報を記憶している。トナーにする情報の一例として、トナー容器50が未使用であることや、未使用のトナー容器50に含まれるトナーの量、トナーが収容された時期、収容されたトナーが適用可能な条件などが該当する。記憶部76は、4つのガイド部85(85A〜85D)のうち、内側に配置されたガイド部85B及びガイド部85Cによって挟まれた領域に配置されている。具体的には、記憶部76は、前記領域の後方の端部に配置されている。なお、本実施形態では、非接触方式の記憶部76を例示したが、これに代えて、接触端子などを有する接触方式によって内部の情報を伝送可能な記憶部が適用されてもよい。
図2に示されるように、下部ハウジング61の前方側の側面63(第1側面)に取っ手92が設けられている。ここで、側面63は、下部ハウジング61の長手方向の一方側の側面であって、筐体28に装着されたときに前方側に配置される側面である。取っ手92は、筐体28にトナー容器50を着脱するときや、トナー容器50を持ち運びする際にユーザーの手指によって掴まれる部分である。本実施形態では、取っ手92は、側面63に隣接する左側面75(第2側面)に対向する右側面74(第3側面、図4参照)側に寄せて設けられている。言い換えると、取っ手92は、側面63において左右方向9の中央位置から右側へずれた位置、つまり、側面63の右端部へ寄せて設けられている。
また、図2及び図6に示されるように、側面63には、トナーを下部ハウジング61の内部に充填するための充填口104が設けられている。充填口104は、側面63において左側面75側に寄せて設けられている。詳細には、充填口104は、側面63において左右方向9の中央よりも左側に配置されている。一方、取っ手92は、充填口104に隣接する右隣の位置であって、側面63の右端部に寄せて設けられている。詳細には、取っ手92は、側面63における充填口104の右側のスペースに取っ手92が設けられている。本実施形態では、取っ手92は、側面63の左右方向9の中央から右端部に至る部分を覆うことが可能なように幅広に形成されている。
容器本体60には、把持部100が設けられている。把持部100は、凹陥部101と滑り止め部102とによって構成されている。把持部100は、容器本体60において、側面63に隣接する左側面75(第2側面)側に寄せて配置されている。
凹陥部101は、容器本体60の上面、つまり、蓋体62の上面に形成されている。蓋体62の左端部付近には、前後方向8に延びる細幅で浅い溝111が形成されている。凹陥部101は、溝111から更に右側へ拡大された半円弧形状の浅い凹部である。溝111及び凹陥部101は共通の底面を有しており、共に連続するように蓋体62に一体に形成されている。凹陥部101は、ユーザーによってトナー容器50が持ち運ばれる際にユーザーの指が掛けられる部分である。特に、ユーザーがトナー容器50の左側の端部を把持する際に、ユーザーの親指が掛けられる部分である。本実施形態では、凹陥部101は、少なくとも人の親指の面よりも大きい面積となるように形成されており、具体的には、半径20mm〜30mm程度の円弧形状に形成されている。また、凹陥部101に人の指が掛けられやすいように、凹陥部101の深さは5mmから10mm程度に形成されている。
図2に示されるように、凹陥部101における左側面75側の端部には、前後方向8へ延びる3本のリブ113Aが階段状に配置された階段リブ113が形成されている。階段リブ113は、ユーザーの指が掛けられたときにその指が左側へ滑らないようにするための滑り止めの役割を担う。また、溝111よりも広く形成されたことによって溝111よりも強度が低くなった凹陥部101の強度を補強する補強リブの役割も担う。なお、階段リブ113におけるリブ113Aの本数は3本に限られず、少なくとも滑り止めを実現できるものであれば1本でも2本でもよく、4本以上であってもよい。また、リブ113Aに代えて、複数の突起が凹陥部111の左側面75側の端部に形成されていてもよい。また、リブ113Aに代えてラバー部材などが接着された構成も適用可能である。
なお、凹陥部101の形状は半円弧形状に限られない。凹陥部101の形状として、正方形状や長方形状など様々な形状が適用可能である。
図4及び図5に示されるように、滑り止め部102は、容器本体60の底面64、つまり、下部ハウジング61の底面64に形成されている。滑り止め部102は、底面64において左側面75側に形成されている。具体的には、滑り止め部102は、側面63に平行な板形状に形成された複数の板リブ114で構成されている。本実施形態では、複数の板リブ114は、側面63に直交する方向(前後方向8に一致する方向)へ併設されている。これら複数の板リブ114は、ガイド部85Aと底面64とが成す角部のうち、下部ハウジング61の左右方向9の中央側の角部に設けられている。
滑り止め部102は、ユーザーによってトナー容器50が持ち運ばれる際にユーザーの指が掛けられる部分である。特に、ユーザーがトナー容器50の左側の端部を把持する際に、ユーザーの親指を除く他の指が掛けられる部分である。本実施形態では、滑り止め部102は、少なくとも人の親指を除く他の指が掛けられる長さに形成されている。具体的には、滑り止め部102は、前後方向8の長さが80mm程度に形成されている。複数の板リブ114の間隔は、例えば、ユーザーの指が滑り止め部102に掛けられたときに指の腹に少なくとも1本の板リブ114が当接できる程度であればよい。なお、滑り止めを実現できるのであれば板リブ114の数は限定されない。また、滑り止め部102は板リブ114に限られず、滑り止めを実現できるものであればよく、例えば、複数の粒状の突部や、ラバー部材が接着された構成などであってもよい。
本実施形態のトナー容器50においては、ユーザーが把持部100を片手で把持し易いように、把持部100の位置、つまり、凹陥部101及び滑り止め部102それぞれの位置は、容器本体60の前後方向8において概ね同じ位置に設定されている。つまり、凹陥部101の下方に滑り止め部102が配置されている。言い換えると、滑り止め部102の上方に凹陥部101が配置されている。具体的には、凹陥部101及び滑り止め部102は、側面63に直交する方向(前後方向8に一致する方向)の中央位置よりも側面63から離反する方向(つまり後方)へ寄せて配置されている。なお、把持部100の位置は上述の位置に限られず、例えば、前記中央位置に設けられていてもよい。
このような位置関係となるように取っ手92及び把持部100が設けられているため、トナー容器50がユーザーによって持たれる際に、ユーザーは、側面63の右側の取っ手92を右手で掴み易くなり、そして、必然的に、左側に配置された把持部100を左手で把持しやすくなる。特に、把持部100の凹陥部101が蓋体62に対して凹まされた形状に形成されているため、ユーザーは、左手で把持する部分として凹陥部101を容易に認識することができる。そして、左手で凹陥部101の付近を把持する際に左手の親指を凹陥部101に掛けると、底面64側へ伸ばされた残りの指が自然に滑り止め部102に掛けられる。これにより、ユーザーは、トナー容器50の把持部100を容易に把持することができる。また、ユーザーは、トナー容器50を持つ際に、滑り落とすことなく確実に掴むことができる。また、両手でトナー容器50を持ちやすくなったので、トナー容器50の取り扱い時の操作性が向上する。例えば、トナーが充填されたトナー容器50を筐体28に着脱する場合でも、右手で取っ手92を掴み、左手で把持部100を把持することにより、手から滑り落ちることなく安定してトナー容器50を取り扱うことができる。
図4に示されるように、容器本体60には、トナー供給機構123が設けられている。トナー供給機構123は、容器本体60に収容されたトナーを現像装置33へ供給するための供給口67を有する。トナー供給機構123は、供給口67とともに、容器本体60の右側面74側の端部に設けられている。トナー供給機構123は、供給口67を開閉するシャッター124を備えている。トナー供給機構123は、トナー容器50が筐体28の前記装着位置に装着されたときに、シャッター124をスライドさせて供給口67を開放する。また、トナー供給機構123は、前記装着位置からトナー容器50が引き出されたときに、シャッター124をスライドさせて供給口67を閉塞する。図4に示されるように、容器本体61において、供給口67が右側面74側に設けられており、また、取っ手92も右側面74側に寄せて設けられている。そのため、トナー容器50が持たれる際に、ユーザーは右手で取っ手92を掴み、左手でトナー容器50の左端の把持部100を把持するため、供給口67付近に付着したトナーで手が汚れることが防止される。
図4及び図5に示されるように、取っ手92は、側面63との間に下方が開放された空間94を形成している。この空間94は、ユーザーの指が挿入される部分であり、ユーザーは、親指を除く他の指を空間94に挿入することによって、取っ手92を引っ掛けるようにして掴むことができる。このとき、親指は、後述の突出部120(図2及び図3参照)に掛けられる。
図2に示されるように、取っ手92は、垂直部92Aと、屈曲部92Bと、側壁部92Cとを備えている。垂直部92Aは、その基端部が側面63に連接されており、側面63に垂直な板形状に形成されている。屈曲部92Bは、垂直部92Aの先端部に連接されており、垂直部92Aの先端部から下部ハウジング61の底面64側へ向かう下方へ向けて屈曲された板形状に形成されている。側壁部92Cは、垂直部92A及び屈曲部92Bそれぞれの両側方の端部(左右方向9の両端部)それぞれに設けられている。側壁部92Cの側面63側の端部は側面63に連接されている。これにより、取っ手92と側面63との間に、下方が開放された空間94が形成される。なお、取っ手92は、空間94が形成される構成であればよく、例えば、垂直部92A及び屈曲部92Bのみの構成や、屈曲部92B及び側壁部92Cのみの構成であってもよい。
図2及び図3に示されるように、容器本体60の上面、つまり、蓋体62の上面に突出部120が設けられている。詳細には、突出部120は、蓋体62の上面における側面63側の端部に設けられている。突出部120は、ユーザーによってトナー容器50の取っ手92に指が掛けられた状態で、残りの親指がかけられる部分である。図2に示されるように、突出部120は、蓋体62の上面から上方へ突出した形状に形成されている。また、突出部120は、蓋体62の上面において側面63に沿う方向(第1方向)、つまり、左右方向9に長尺な形状に形成されている。具体的には、突出部120は、前後方向8の長さは概ね5mm程度であり、左右方向9の長さが70mm〜80mm程度に形成されている。本実施形態では、突出部120は、蓋体62の前方端において左右方向9の中央に配置されている。
このように取っ手92及び突出部120が設けられているため、ユーザーは、取っ手92に四本の指を引っ掛けた後に親指を突出部120に引っ掛けるようにしてトナー容器50を持つことができる。これにより、ユーザーは、トナー容器50を水平な状態で安定して保持することができる。特に、トナー容器50においては、取っ手92が側面63の右側に寄せて配置されているため、ユーザーが取っ手92だけでトナー容器50を持つと、トナー容器50の左側が下方に傾斜した状態となり、水平状態を保持しにくい。しかしながら、突出部120が取っ手92よりも左側にずれた位置に配置されており、その突出部120がユーザーの親指によって前方側へ引っ張られるようにして持たれることにより、トナー容器50の左側を引き起こす力が作用する。これにより、ユーザーは、トナー容器50を水平な状態で安定して保持することができる。
図7に示されるように、取っ手92には、複数の補強リブ95が設けられている。各補強リブ95は、取っ手92の裏面に設けられている。具体的には、各補強リブ95は、側面63から垂直部92Aの裏面を経て屈曲部92Bの裏面まで延在している。各補強リブ95は、取っ手92の裏面において左右方向9へ等間隔で配置されている。このような補強リブ95が設けられているため、取っ手92の強度、或いは側面63の強度が向上する。また、取っ手92に指が掛けられたときに指の腹が補強リブ95に当接する。そのため、補強リブ95によって指が左右方向9へ滑り難くなり、トナー容器50の取り扱い時の操作性が向上する。これにより、ユーザーは取っ手92を掴み易くなる。
また、図6及び図7に示されるように、側面63には、左右方向9に隔てられた3つの軸受け部118が設けられている。軸受け部118は、容器本体60の内部に設けられた3つの回転部材56それぞれの回転軸55(図8参照)の前方端を回転可能に支持するものである。図7に示されるように、軸受け部118は、側面63から外側(前方側)へ突出する形状に形成されている。軸受け部118は、金型による射出成形の際に側面63の内面から前方側へ押し出されることによって形成される。したがって、軸受け部118の内部には、前後方向8へ延びる円筒形状の孔が形成されている。この孔に回転軸55の前方端が挿入されて支持される。本実施形態では、3つの軸受け部118のうち、充填口104から右側面74に至るまでに設けられた2つの軸受け部118Aが取っ手92によって覆われている。言い換えると、取っ手92は、充填口104よりも右側に配置された2つの軸受け部118Aを覆うような位置に設けられている。このような位置に取っ手92が設けられているため、取っ手92の操作性を損なうことなく、側面63から突出した軸受け部118Aを外部接触による損傷から防止することができる。
本実施形態では、図7に示されるように、複数の補強リブ95のうち、一部の補強リブ95Aは、2つの軸受け部118Aの外面に形成されている。つまり、補強リブ95Aは、軸受け部118Aから垂直部92Aの裏面を経て屈曲部92Bの裏面まで延在している。このため、各軸受け部118Aは、補強リブ95Aによって強度が向上している。
図8に示されるように、容器本体60の内部には、3つの回転部材56(56A〜56C)が設けられている。各回転部材56は、前後方向8に長い形状に形成されており、容器本体60の内部において、前後方向8に沿うように配置されている。3つの回転部材56は、容器本体60の内部において左右方向9へ所定間隔で配置されている。本実施形態では、容器本体60の底面64は、3つの回転部材56が設けられた位置に対応するように、左右方向9に隔てられた3つの領域64A,64B,64Cに区分けされている。具体的には、領域64A及び領域64Bは、各領域の間に形成された前後方向8に延びる溝部137によって区分けされている。また、領域64B及び領域64Cは、各領域の間に形成された前後方向8に延びる溝部138によって区分けされている。本実施形態では、溝部137は、回転部材56A及び回転部材56Bの中間に対応する位置に形成されている。また、溝部138は、回転部材56B及び回転部材56Cの中間に対応する位置に形成されている。
図4に示されるように、底面64には、第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142が形成されている。具体的には、第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142は、容器本体60の底面64において、筐体28に対するトナー容器50の前記装着方向に直交する方向(左右方向9に一致する方向)に隔てられた位置それぞれに形成されている。第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142は、トナー容器50が画像形成装置10に適合するかどうかを識別するために用いられるものである。例えば、所定のパターン形状に形成された第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142が底面に形成されている場合に、第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142が阻害されずにトナー容器50が筐体28に装着された場合は、トナー容器50が画像形成装置10に適合していると判断できる。一方、トナー容器50の装着時に第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142によって装着が阻害された場合は、トナー容器50が画像形成装置10に適合していないと判断できる。第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142それぞれは、画像形成装置10に対する適合可否を識別可能なパターン形状に形成されており、トナー容器50の種類(タイプ)ごとにその形状が異なっている。
第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142は、様々なタイプに応じた複数のパターン形状が用意されている。前記タイプとしては、画像形成装置10の形式、トナーの色、画像形成装置の出荷先の地域や国などの様々なタイプがある。本実施形態では、パターン形状の異なる第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142が底面64に形成されている。第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142は、底面64において、溝部138を挟んで左右方向9へ隔てられた領域64B,64Cそれぞれにされている。詳細には、底面64の領域64Bに第1非互換形状部141が形成されている。また、底面64の領域64Cに第2非互換形状部142が形成されている。なお、底面64は領域64A,64B,64Cの3つの領域が区分けされているが、各領域に非互換形状部が形成されているのではなく、供給口67に隣接する領域64Cを除く領域64A,64Bに形成されている。つまり、供給口67に最も近い領域64Cには非互換形状部は形成されていない。
また、図5に示されるように、第1非互換形状部141は、領域64Aの前後方向8の中央付近に形成されている。また、第2非互換形状部142は、領域64Bの前後方向8の中央付近に形成されており、更に詳細には、滑り止め部102よりも取っ手92側(前方側)に形成されている。
このように、底面64において異なる領域64A,64Bそれぞれに第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142が形成されている。そのため、第1非互換形状部141及び第2非互換形状部142それぞれのパターン形状を組み合わせることによって、一つの非互換形状部で実現できるパターン数に比べて簡単な形状及び構成でより多くのパターン形状を実現することができる。
図8に示されるように、容器本体60の内部には、3つの回転部材56(56A〜56C)に加えて、トナーを供給口67へ搬送する搬送部材58が設けられている。回転部材56は、容器本体60の内部に回転可能に設けられており、回転されることにより容器本体60に収容されたトナーを掻き上げながら撹拌する。また、搬送部材58は、容器本体60の内部で回転可能に設けられており、回転されることによりトナーを供給口67に搬送する。
各回転部材56は、前後方向8に長い回転軸55と、回転軸55に取り付けられた撹拌部材54とにより構成されている。回転軸55は、撹拌部材54とともに回転可能なように、容器本体60の内部に設けられている。回転軸55は、一方向に長い形状に形成された軸部材であり、その長手方向の両端が下部ハウジング61の奥面66及び側面63に回転可能に支持されている。具体的には、3つの回転部材56A,56B,56Cそれぞれの回転軸55の前方側の端部は、側面63に設けられた3つの軸受け部118に回転可能に支持されている。一方、各回転軸55の後方側の端部は、奥壁66を貫通する軸孔(不図示)に挿通されており、これにより、後方側の端部が回転可能に支持されている。
図4に示されるように、容器本体60の奥面66の外側に駆動伝達部106が設けられている。駆動伝達部106は、各回転軸55に予め定められた回転方向の回転力を伝達して、各回転部材56に回転駆動力を伝達するものである。具体的には、回転軸55の後方端部に連結された駆動ギヤ107や、隣接する駆動ギヤ107間に設けられたアイドルギヤ108などによって構成されている。何れかの駆動ギヤ107にモーター(不図示)の駆動力が伝達されることにより、駆動伝達部106を介して全ての回転部材56に回転駆動力が伝達される。これにより、図8において反時計回転方向(図8の矢印69の方向)へ回転部材56が回転される。なお、駆動伝達部106は、図示しないギヤなどによって搬送部材58の回転軸の後方側の端部にも連結されており、前記モーターの駆動力は、駆動伝達部106によって搬送部材58にも伝達される。
撹拌部材54は、PET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などの弾性材料で構成されており、厚みの薄いフィルム形状に形成されている。もちろん、撹拌部材54は、PET樹脂に限られず、塩化ビニルやポリカーボネートなどの合成樹脂で構成されてもよい。本実施形態では、撹拌部材54は、回転軸55においてその長手方向の全体にわたって取り付けられている。
なお、図8に示されるように、回転部材56が容器本体60の内部に配置された状態で、撹拌部材54の先端部が容器本体60の内面(蓋体62の裏面又は下部ハウジング61の内面)に密接される。これは、撹拌部材54が、回転軸55から容器本体60の内面までの寸法よりも長く形成されているからである。したがって、回転部材56が容器本体60の内部に配置されると、撹拌部材54の先端部が底面64や蓋体62の裏面、右側面74、或いは左側面75などに当接することにより撓まされて、撹拌部材54の先端部の側面が容器本体60の内面に密接する。
容器本体60の内部には、トナーを供給口67へ搬送するためのトナー搬送路126が形成されている。図8及び図9に示されるように、トナー搬送路126は、容器本体60の上部の右端部に形成されており、前後方向8へ延在されている。図8に示されるように、下部ハウジング61は、右側面74の上端部から右斜め上方へ延出された傾斜壁128を有する。傾斜壁128は、開口部65の周縁よりも上方へ延出されている。また、下部ハウジング61は、傾斜壁128の延出端から下方へ湾曲した円弧形状の湾曲壁129を有する。一方、蓋体62の右端部62Aは、傾斜壁128及び湾曲壁129との間に空隙を形成可能なように、傾斜壁128及び湾曲壁129から上方へ屈曲した形状に形成されている。本実施形態では、トナー搬送路126は、蓋体62の右端部62Aと湾曲壁129とによって構成されている。つまり、トナー搬送路126は、蓋体62の右端部62Aと湾曲壁129とによって囲まれた空間である。
トナー搬送路126は、容器本体60のトナーを外部へ供給するための供給口67を有する。このトナー搬送路126の底面を構成する湾曲壁129に供給口67が形成されている。
搬送部材58は、トナー搬送路126に回転可能に設けられている。搬送部材58は、例えば、スパイラル形状の羽が軸部材に形成されたスクリューシャフトである。搬送部材58が回転されることによって、トナー搬送路126のトナーが搬送部材58によって供給口67へ搬送される。もちろん、搬送部材58は、トナー搬送路126のトナーを供給口67へ搬送できるものであればどのような構成であってもよい。
容器本体60の内部において回転部材56が矢印69の方向へ回転されると、容器本体60に収容されたトナーが撹拌部材54によって撹拌される。また、容器本体60において最も供給口67側に配置された回転部材56Cが回転されると、トナーが撹拌されるだけでなく、撹拌部材54によってトナーが右側面75の内面に沿って上方へ掻き上げられる。回転部材56Cによって掻き上げられたトナーは、右側面75の内面から傾斜壁128の傾斜面を経て、トナー搬送路126に搬送される。そして、トナー搬送路126に搬送されたトナーは、搬送部材58によって供給口67へ搬送されて、供給口67から現像装置33へ供給される。なお、現像装置33の内部に、供給口67から供給されたトナーが入り込むスペースが無い場合は、トナーは供給口67から現像装置33に供給されない。この場合、供給口67に搬送されたトナーは、トナー搬送路126から溢れ出して、傾斜壁128の傾斜面を滑るようにして容器本体60に戻される。
本実施形態のトナー容器50においては、傾斜壁128の傾斜面にトナーが堆積する場合がある。このため、前記傾斜面にトナーが堆積しないように、或いは堆積したトナーを容器本体60に戻すために、図8及び図9に示されるように、フィルム部材131が容器本体60に設けられている。フィルム部材131は、トナー搬送路126から容器本体60の底面64に至る傾斜壁128(内壁)に取り付けられている。フィルム部材131は、PET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などの弾性材料で構成されており、厚みの薄いフィルム形状に形成されている。もちろん、フィルム部材131は、PET樹脂以外の樹脂、例えば、塩化ビニルやポリカーボネートなどの合成樹脂で構成されてもよい。
図10に示されるように、フィルム部材131は一方向に長い形状に形成されている。フィルム部材131の長手方向の長さは、傾斜壁128の前後方向8の長さと同じ長さである。フィルム部材131は、その長手方向が前後方向8に一致するように、傾斜壁128に固定されている。具体的には、フィルム部材131の被取付部131Aが傾斜壁128の上端、つまり、トナー搬送路126側の端部に接着剤或いは両面テープなどによって固定されている。これにより、フィルム部材131は、傾斜壁128における前後方向8の全域にわたって設けられている。被取付部131Aは、フィルム部材131の短手方向の一方側の端部であり、この被取付部131Aが傾斜壁128に固定される。このため、短手方向の他方側の先端部131Bは自由端となる。
図10に示されるように、被取付部131Aよりも先端部131B側に複数のスリット131Dが形成されている。各スリット131Dは、長手方向に長い形状に形成されている。スリット131Dは、トナーが通過可能な開口である。また、先端部131Bには、複数の突片131Cが形成されている。突片131Cは、フィルム部材131の長手方向に沿って所定の間隔で設けられている。この突片131Cは、傾斜壁128から容器本体60の内部側へ突出している。具体的には、突片131Cは、回転部材56Cの撹拌部材54の回転領域へ向けて突出している。言い換えると、突片131Cは、回転部材56Cの撹拌部材54に接触可能な位置まで突出している。したがって、突片131Cは、回転部材56Cが矢印69の方向へ回転されたときに撹拌部材54に接触する。これにより、フィルム部材131は、傾斜壁128に垂直な方向に振動する。具体的には、回転部材56Cの撹拌部材54が回転して突片131Cに接触すると、突片131Cは、撹拌部材54によって下から上へ持ち上げられる。そして、撹拌部材54が突片131Cから離れて接触が解除されると、フィルム部材131の弾性によって元の位置に戻される。このとき、フィルム部材131が被取付部131Aを基点に振動する。その振動が傾斜壁128に伝わると、傾斜壁128に堆積したトナーにも伝わり、これにより、トナーが前記振動によって傾斜壁128から容器本体60に振り落とされ、容器本体60に戻される。
本実施形態では、図9に示されるように、傾斜壁128に段差部134が形成されている。段差部134は、傾斜壁128における前後方向8(回転部材56の軸方向と同方向)の一方端に形成されている。具体的には、段差部134は、傾斜壁128において前方側の端部に形成されている。段差部134は、フィルム部材131の裏面との間で所定高さの空隙135を形成する。段差部134は、傾斜壁128の前方の端部の傾斜角を傾斜壁128の他の領域の傾斜角よりも大きくすることにより構成される。つまり、段差部134の傾斜面の傾斜角は、傾斜壁128の他の領域における傾斜面の傾斜角よりも大きい。このように、段差部134によって空隙135が形成されるため、段差部134におけるフィルム部材131の振れ幅が大きくなる。このため、撹拌部材54との接触によりフィルム部材131が振動した場合に、段差部134におけるフィルム部材131の振動が他の部分の振動よりも大きくなる。したがって、段差部134におけるフィルム部材131の振動が段差部134の周辺に堆積するトナーに伝達されることにより、段差部134の周辺のトナーが振動によって振り落とされ、これにより、トナーを確実に容器本体60の内部に戻すことができる。
また、本実施形態では、段差部134が傾斜壁128の前方側の端部に形成されているため、フィルム部材131の前方端における振れ幅が大きくなる。このため、フィルム部材131の前方端が大きく振動することにより、フィルム部材131の前方端から後方へ向けて振動が伝播され易くなる。このような後方への振動の伝播により、傾斜壁128に堆積するトナーがより効率的に容器本体60の内部に戻される。
また、段差部134が設けられていることにより、回転部材56Cの撹拌部材54は、より多くのトナーを空隙135に掻き上げることができる。空隙135に入り込んだトナーは、フィルム部材131に形成されたスリット131Dを通じてトナー搬送路126へ送り込まれる。つまり、空隙135が形成されることにより、より多くのトナーを効率よくトナー搬送路126へ送り込むことが可能になる。
なお、本実施形態では、容器本体60の後方側には駆動伝達部106が設けられている。そのため、傾斜壁128の後方側に段差部134が無くても、駆動伝達部106の駆動時に生じる振動によって傾斜壁128の後方側のトナーは容器本体60に確実に戻される。したがって、本実施形態のように、容器本体60の前後方向8の一方側に駆動伝達部106が設けられている構成においては、駆動伝達部106が設けられている側とは反対側に段差部134を設けることにより、傾斜壁128を複雑な構造とすることなく、傾斜壁128のトナーを容器本体60に戻すことができる。もちろん、段差部134が傾斜壁128の前方端部及び後方端部の両方に設けられていてもよい。
本発明の範囲は、請求項の記載に先行する詳細な説明ではなく、添付の請求項の記載により定義されるので、本明細書に記載の実施形態は、例示に過ぎず、かつ非限定的であると理解されたい。従って、特許請求の境界・限界から逸脱しない変更の全て、または境界・限界の均等物は、特許請求の範囲に含まれるものとする。