JP5968047B2 - インク充填方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に備えられたメインタンクからサブタンクにインクを充填するインク充填方法およびその方法が適用されるインクジェット記録装置に関する。
近年、A1サイズやA0サイズといった大判の記録媒体への記録にインクジェット記録装置が用いられてきている。この種のインクジェット記録装置では、一般的に主走査方向に往復走査されるキャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドと称する。)と大容量のメインインクタンク(以下、メインタンクと称する。)とをチューブによって連結して記録ヘッドにインクを供給する構成が採用される。
大判のインクジェット記録装置の用途は黒単色の線画から写真調の画像の記録まで幅広い。中でも写真調の画像のような印字デューティーの高い画像の場合、その記録には多量のインクが消費される。大判のインクジェット記録装置では、大容量のメインタンクが用いられているが、記録画像の種類や印刷量によって、多量にインクが消費されると結果としてメインタンクの交換頻度の増加を招くことになる。
メインタンクと記録ヘッドをチューブで直結した構成の場合、メインタンクを交換するには、記録動作を中断する必要があり、交換作業に消費される時間をロスすることになり記録効率が低下する。また1枚の記録媒体への記録途中にメインタンクの交換作業を行って記録動作を中断すると、中断の前後で時間経過による色ムラが生じ、画像品質が低下してしまうことになる。
そこで、記録動作を中断することなくメインタンクを交換するために、メインタンクと記録ヘッドとの間にサブタンクを備えたインクジェット記録装置が特許文献1に提案されている。特許文献1には、メインタンクとサブタンクとを連結し、メインタンクからサブタンクにインクを移動させ、サブタンクにインクを充填する構成が開示されている。そして、サブタンクからチューブを介して接続された記録ヘッドにインクが供給され記録動作が行なわれる構成となっている。この構成では、メインタンク内のインクを使いきった場合であってもサブタンク内に貯留されているインクによって記録を継続することができる。そのため、サブタンク内のインクを消費して記録動作を行っている間にメインタンクを交換すればよい。これによって、記録動作を中断することなく、メインタンクを交換することができ、メインタンクの交換にかかる時間のロスによる記録効率の低下や時間経過による画像品質の低下を防ぐことができる。
特開2010−208151号公報
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するサブタンクと、前記サブタンクへ供給されるインクを貯留するメインタンクと、前記メインタンクと前記サブタンクとを接続する中空管と、前記サブタンクと前記記録ヘッドとを接続し前記キャリッジの移動に追従して移動する供給チューブと、を備えるインクジェット記録装置であって、前記サブタンクから前記メインタンクへ空気を移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内の空気移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御し、かつ、前記メインタンクから前記サブタンクへインクを移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内のインク移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
ところが、サブタンクと記録ヘッドの間に配置されたダイヤフラム弁を駆動させてサブタンクへのインク充填を行うときは、サブタンクと記録ヘッドとをつなぐインク経路が閉鎖状態と開放状態を繰り返すことになる。そのため、結果として記録ヘッドへのインク供給が行えず記録動作を継続することができない。つまり、サブタンクへのインク充填と記録動作とは両立することができず、サブタンクへのインク充填のための動作は、記録動作を中断し、記録動作とは独立した動作にする必要があった。
本発明の目的は、サブタンクへのインク充填動作と記録動作とを両立することが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
これに対して本発明は、吐出口を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して往復走査するキャリッジと、インクを貯留するメインタンクと、当該メインタンクから管を介してインクを供給可能なサブタンクと、前記記録ヘッドと前記サブタンクの間を接続する供給チューブと、前記キャリッジを制御する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記制御手段は、前記供給チューブ内のインクの動圧が、前記管のインク移動に対する耐圧かつ空気移動に対する耐圧より大きくなるように、前記キャリッジの加速度を制御することを特徴としている。
キャリッジの加速度を本発明のように制御し、供給チューブに生じる動圧を用いることで、管を介して空気をサブタンクからメインタンクに移動させ、インクをメインタンクからサブタンクに移動させることができる。これによりメインタンクからサブタンクへのインク充填を行うことができる。これにより、記録動作を中断して別にサブタンクの充填動作を行う時間を設けることなく、インクタンクからサブタンクへのインク充填を行うことができる。
(a)本発明に係るインクジェット記録装置を概略的に示す斜視図である。(b)本発明に係る記録ヘッドの一部を分解して示した斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置本体に搭載された制御系の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明に係るインク供給系を概略的に示す模式図である。 本発明に係る往復走査記録時におけるサブタンクへのインク充填の状態を(a)〜(f)によって順に示す模式図である。 本発明に係る往復走査記録時における(a)キャリッジの移動速度及び(b)加速度プロファイルの一例を示す模式図である。 本発明に係る片方向記録時におけるサブタンクへのインク充填の状態を(a)〜(e)によって順に示す模式図である。 本発明に係る片方向記録時における(a)キャリッジの移動速度及び(b)加速度プロファイルの一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係わる往復走査記録時における(a)キャリッジの移動速度及び(b)加速度プロファイルの別の例を示す模式図である。 本発明に係る非記録時におけるキャリッジの移動を利用したサブタンクへのインク充填の状態を(a)〜(d)によって順に示す模式図である。 本発明に係る非記録時における(a)キャリッジの移動速度及び(b)加速度プロファイルの例を示す模式図である。 本発明に係る別のインク供給系の構成例を概略的に示す模式図である。 ダイヤフラム弁によるインク充填動作を説明する断面図である。 別のインク供給系におけるサブタンクへのインク充填シーケンスの例を示すフローチャートである。
インクジェット記録装置はインクを吐出して記録媒体に対して記録動作を行うために用いることができる。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や、工業用生産機器などを挙げることができる。このようなインクジェット記録装置を用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに「インク」とは広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
(装置本体概略構成)
図1は、記録媒体13に記録動作を行うインクジェット記録装置の記録装置本体の概略斜視図を示している。なお、本実施形態におけるインクジェット記録装置は、記録媒体の記録幅方向に記録ヘッドを往復走査させて記録動作を行う、いわゆるシリアル型のインクジェット記録装置である。このシリアル型記録装置は、搬送ローラ19よって記録媒体13をY方向(副走査方向)へと間欠的に搬送する。これと共に、キャリッジに搭載された記録ヘッド3を記録媒体13の搬送方向であるY方向と直交する方向であるX方向(主走査方向)に往復走査させながら記録動作を行う。また、図1に示す記録装置本体は、例えば、A1サイズやA0サイズの記録媒体への記録が行えるような大型インクジェット記録装置である。
記録ヘッド3は供給されるインクを複数の吐出口から吐出可能なインクジェット記録ヘッドであり、キャリッジ2に着脱可能に搭載される。キャリッジ2は記録ヘッド3を搭載して図中X方向に沿って往復走査する。具体的には、キャリッジ2は、X方向に沿って配置されたガイドレール5に沿って移動可能に支持されており、ガイドレール5と並行に移動する無端ベルト6に固定されている。無端ベルト6は、キャリッジモータ(CRモータ)の駆動力によって往復運動し、それによってキャリッジ2をX方向に往復走査させる。
また、符号8は図3で詳述するインク供給システムであり、インクの色に対応して複数の独立したメインタンクを有して設けられている。インク供給システムと記録ヘッド3とは、それぞれインクの色に対応した柔軟な材料からなる複数のインク供給チューブ4によって接続されている。さらに、メインタンクをインク供給システム8に装着することで、メインタンク内に収納された各色のインクを、記録ヘッド3の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
また、記録装置本体には、記録ヘッド3のインク吐出状態を回復・維持する回復処理装置7も設けられている。
(記録ヘッド)
図1(b)に、インクジェット記録装置のキャリッジに搭載される記録ヘッドの一部を分解して示した斜視図を示す。記録ヘッド3は、接続部30によってインクジェット記録装置本体から供給チューブ4を介してインクが供給される。そして接続部30から供給されたインクは、インクの色ごとに設けられた貯留部(不図示)に一時的に貯留され、記録動作時に吐出される。さらに、この貯留部にはゴム製の弾性変形する部材で形成された圧力調整部材40が接続して設けられており、この圧力調整部材40の容積が変化することにより、貯留部内の圧力を調整することができる。具体的には、圧力調整部材40の容積は約1.4mlであり±0.3ml程度の容積変化を許容することができる。
(制御システム)
図2は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の記録装置本体に搭載される制御システム(制御手段)の構成例を示すブロック図である。図2において、100は主制御部である。この主制御部100は演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するCPU101を備えている。そして、CPU101によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM102、インクの吐出/非吐出を表す2値の記録データを格納するバッファ、CPU101による処理のワークエリア等として用いられるRAM103、入出力ポート104などを備える。
入出力ポート104には、搬送ローラを駆動させる搬送モータ(LFモータ)113、キャリッジモータ(CRモータ)114、記録ヘッド3、回復処理装置7などの各駆動回路105、106、107、108が接続されている。これらの各駆動回路105,106,107,108は、主制御部100により制御される。入出力ポート104には、記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度センサ112、キャリッジ2に固定されたエンコーダセンサ111、記録装置本体の使用環境である温度と湿度を検知する温湿度センサ109などの各種センサ類が接続されている。また、主制御部100はインターフェース回路110を介してホストコンピュータ115に接続されている。
116は回復処理装置7によって記録ヘッド3から強制的にインクを排出させた場合に、そのインク量をカウントする回復処理カウンタである。117は記録開始前や記録終了時、記録中に行われる予備吐出をカウントする予備吐出カウンタである。118はフチ無し記録を行う場合に記録媒体領域外に記録されるインクをカウンするフチ無しインクカウンタ、119は記録中に吐出するインクをカウントする吐出ドットカウンタである。
以上の構成を有するインクジェット記録装置によって実行される記録動作を説明する。ホストコンピュータ115からインターフェースを介して記録データを受信すると、その記録データはRAM103のバッファに展開される。そして、記録動作が指示されると、搬送ローラ19が作動し、記録媒体が記録ヘッド3との対向位置へと搬送される。キャリッジ2はガイドレール5に沿って図1中X方向へと移動する。キャリッジ2の移動に伴って、記録ヘッド3からはインク滴が吐出され、記録媒体に1バンド分の画像が記録される。この後、搬送ユニットにより、記録媒体はキャリッジ2と直交する図1中Y方向に1バンド分だけ搬送される。以上の動作を繰り返すことにより、記録媒体には所定の画像が形成される。
なお、キャリッジ2の位置は、キャリッジ2の移動に伴ってエンコーダセンサ111から出力されるパルス信号を主制御部100でカウントすることにより検出される。すなわち、エンコーダセンサ111は、X方向に沿って配置された不図示のエンコーダフィルムに一定の間隔で形成された検出部を検出することによってパルス信号を主制御部100へ出力する。主制御部100はこのパルス信号をカウントすることにより、キャリッジ2の位置を検出する。キャリッジ2のホームポジション及びその他の位置への移動は、エンコーダセンサ111からの信号に基づいて行われる。
(インク供給システム)
図3は本発明が適用されるインクジェット記録装置のインクの供給系にかかる構成、すなわちインク供給システム8、記録ヘッド3、インク供給システムと記録ヘッドを連結する供給チューブ4を示す模式図である。ここでは解り易さのために、1本の供給チューブ4の図を用いて説明を行う。
図3において、インク供給システム8は記録装置本体の所定の個所に配置され、メインタンク9、サブタンク10、サブタンク10とメインタンク9とを連結する中空管11、バッファ室12、メインタンク9とバッファ室12を連結する連通管21を備えている。柔軟な材料で構成された供給チューブ4はインク供給システム8のサブタンク10と記録ヘッドとを接続している。この例では、図中右側にインク供給システムが配置されている。サブタンク10と接続された供給チューブ4はキャリッジ2の移動走査方向に並行な部分を有して延在され記録ヘッド3の図中左側に対して接続されるように途中で折り返されて記録装置本体内を這いまわされている。つまり、供給チューブはガイドレール5と並行な部分を有するように配置されている。なお、図3で示した供給チューブ4の配置はあくまで一例であって、この限りではない。
次に、インク供給システムの構造について説明する。
メインタンク9は記録装置本体に対して着脱可能に搭載されるもので、本実施形態におけるインクジェット記録装置では、メインタンク9は、サブタンク10と比べ大容量のインクを収容している。また、メインタンク9は中空管11によってサブタンク10と連通され、連通管21によってバッファ室12と連通されている。メインタンク9は、中空管11および連通管21とメインタンク9の装着状態の底部で接続する構成であり、接続部分を除いて密閉されている。
サブタンク10は記録ヘッド3に対して重力方向下方の位置に配置されている。サブタンク10は天井部がドーム状または傾斜面を備えた構成とされており、中空管11はサブタンク10の重力方向の上部に接続されている。なお、図3はサブタンクの最上部にあたる個所に中空管11が接続された構成を示しており、サブタンク10に対しては実質的に0mmの侵入量で構成されている。
この中空管11の端部が、サブタンク10内のインクと接しない位置にあるときに、後に詳細に説明する供給チューブ内のインクの動圧を用いたインク充填が行われる。すなわちサブタンク10内における中空管11の位置が、動圧を用いたサブタンクへのインク充填が完了する際のインク位置となるため、中空管11の侵入量を適宜調整することで、動圧を用いたインク充填量を調節することができる。なおこの中空管11の位置は、メインタンク9の交換時にも記録動作を継続できる量がサブタンクに充填されるように、サブタンク10のインク量が、大判の記録媒体への記録を少なくとも1枚継続できるような量と同じもしくはそれ以上とすることが好ましい。
また、サブタンク10には、記録ヘッド3と連通する供給チューブ4がサブタンク10の下部(底部近傍)の位置、すなわち必ずインクと接する位置で連通している。サブタンク10は中空管11、供給チューブ4との連結部を除いて実質的に密閉された構造として構成されている。なお、サブタンク10は後述するサブタンクへのインク充填時に実質的に密閉された構成になっていればよく、サブタンクへのインク充填時以外では密閉構成に限られない。また、サブタンクへのインク充填時であっても、以下で説明するインク移動耐圧Pi、空気移動耐圧Paよりも耐圧が大きい連通個所をサブタンクが有していることを妨げない。
中空管11はサブタンク10内の内圧状態によってインクや空気が移動可能となっているが、メインタンク9からサブタンク10に対して重力によって自然にインクが移動することはない構成とされる。例えば、インク移動がスムーズに行えるような流路抵抗となるのに十分な内径であると同時に、中空管11の開口部においてインクがメニスカスを張るために十分な内径(例えば内径:1〜2mm)として構成されている。
バッファ室12は連通管21によりメインタンク9と接続されており、この連通管21はバッファ室12の底部付近まで延在されている。また、バッファ室はメインタンク9と連通管21で接続されている一方大気に対して開放(連通)するための大気連通管22を備えている。大気連通管22は、バッファ室12内の上方に先端部を備え、バッファ室12の外部に他端部を備えた構成とされている。これにより、メインタンクの内圧と大気圧のバランスを取っている。このバッファ室12は、外部環境変化等によってメインタンク9から移動してきたインクを収容するための空間として機能するものである。なお、図3に示す状態はメインタンク9と接続された連通管21にインクが満ちているとともに、バッファ室12にインクが存在しており、連通管21の他端部がインク内に存在した状態を示している。これはバッファ室12にメインタンク9からインクが移動した状態を表している。なお、このような状態であってもバッファ室12内が大気と連通した状態が維持されるように、バッファ室12の形状や大気連通管22の配置が適宜選択される。以上説明したようにメインタンク9、サブタンク10、バッファ室12、及び記録ヘッド3が連通してインク供給系が構成されている。
次に、記録動作を行うことによりサブタンクへのインク充填が発生する状況について説明する。
記録動作を実行すると、記録ヘッド3の吐出口からインクが吐出されてインクが消費される。これによって、供給チューブ4を介してサブタンク10内が負圧となり、この負圧が中空管11の流路抵抗並びにメニスカス耐圧を上回ると、インクがメインタンク9からサブタンク10へ供給される。つまり記録動作で消費した量のインクが結果的にメインタンク9から減少する。
このインク供給によってメインタンク9内が負圧になると、バッファ室12内にインクがない場合には、大気連通管22によって大気に連通したバッファ室12、連通管21を介して大気がメインタンク9に導入され負圧が解消される。
なお、図3のようにバッファ室12内にインクが存在し、連通管21がインクと連通した状態では、連通管21を介してバッファ室12内のインクがメインタンク内に戻り、メインタンク内の負圧を解消する。
そして、記録動作が継続して行われると最終的にはメインタンク9に収容されたインクが無くなり、メインタンク9の交換が必要となる。メインタンク9の交換中であっても記録動作を継続することができるように、サブタンク10内には所定量のインクが予め収容されるように構成されており、このインクを使用して一時的に記録動作をおこなうことができる。サブタンク10内の所定量のインク量は、大判の記録媒体(例えばA1サイズ)への記録を少なくとも1枚継続できるような量(本例では凡そ30ml)に設定されている。これにより、少なくとも記録中の1枚の記録動作を中断することなく、メインタンクの交換を可能にする。もちろん、交換動作にかかる時間と記録時間とを考慮して必要なインク量が貯留できる容量のサブタンク10としてもよいことはいうまでもない。
このようにメインタンク9に収容されたインクが無くなりサブタンク10に収容されたインクを消費して記録動作を行った後には、サブタンク10内のインクは所定量を下回ることになる。したがって、メインタンク9交換後にメインタンク9からサブタンク10にインクを充填するサブタンクへのインク充填を行う必要が発生する。
このようなサブタンクへの充填方法としては、従来に用いられていたようなメインタンクと記録ヘッドとの間に設けたダイヤフラム弁を開閉する方法が特開2010−208151号公報に開示されている。しかしながら、この方法だとサブタンクへの充填時には記録動作を行うことができない。
そのため本発明においては供給チューブ内の動圧を利用してサブタンク内にインクが充填されるようにキャリッジの加速度を制御する。このようなキャリッジの加速度は、記録動作時にも発生させることができる。そのため、別途サブタンクへのインク充填動作用の時間を設けなくても、記録動作時のキャリッジの加速度を制御することで記録動作時に徐々にサブタンクにインクを充填させていくことができる。
なお記録装置本体の初期設置状態時には、記録ヘッド3、供給チューブ4、サブタンク10のいずれにもインクが収容されていない。そのため予め記録ヘッド3、供給チューブ4にインクを充填した後でないと、本願発明のような供給チューブ内のインクの動圧を用いたインク充填を行うことはできない。このような記録ヘッド3、供給チューブ4、サブタンク10に対して初期インク充填する方法としては、記録ヘッド3の吐出口(図示せず)からポンプ(図示せず)に接続した回復処理装置7により吸引する方法を用いることができる。この方法を用いて記録ヘッド3と供給チューブ4とにインクを収容した後に、本発明のような供給チューブ内のインクの動圧を用いてサブタンクへのインク充填を行うことができる。
以下、キャリッジの加速度を制御することでサブタンクにインク充填する方法について詳細に説明する。
(実施例1)
図4は往方向の走査と復方向の走査を行ってキャリッジ2の移動に伴う供給チューブ4内のインクの動圧を利用したサブタンクへのインク充填を示す模式図である。図4は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順で経時しており、一往復のキャリッジ動作を示している。また、S1、S2はそれぞれキャリッジ2の移動方向を示しており、図4(a)、(b)、(c)はS1方向への移動を示しており、図4(d)、(e)、(f)はS2方向への移動を示している。
図4中、P11は加速度a11、P12は加速度a12、P13は加速度a13、P14は加速度a14による供給チューブ4内のインクに働く動圧をそれぞれ示している。また、Piは中空管11内におけるインク移動に対する耐圧、Paは中空管11内における空気移動に対する耐圧、Phは記録ヘッド3の吐出口(不図示)におけるメニスカス耐圧を示している。
まず図4(a)を用いて、サブタンク10からメインタンク9へ空気が移動する点について説明する。
記録ヘッド3を保持したキャリッジ2は、インクジェット記録装置本体に搭載された制御系(図2参照)によって、キャリッジ2は加速度a11でS1方向に加速するよう制御される。記録ヘッド3に接続した供給チューブ4には、キャリッジ2の移動に追従して移動する区間が存在する。このとき、供給チューブ4のうち、キャリッジ2の移動に追従して移動する区間内に存在するインクは加速度a11による慣性力を受ける。供給チューブ4はキャリッジ2の移動方向に並行となるように配置されているので、加速度a11による慣性力を受けたインクが供給チューブ4からサブタンク10に移動する。このとき発生する圧力が、加速度a11による供給チューブ4内のインクに働く動圧P11である。
そして、動圧P11を受けたインクが、供給チューブ4内からサブタンク10に移動することによってサブタンク10内を加圧する。
サブタンク10の内部は上方に空気層が存在しており、空気層が中空管11と接している。このとき、中空管11のメインタンク9内に存在する接続端では空気移動に対する耐圧Paとして流路抵抗及びメニスカス耐圧が発生している。つまり動圧P11がこの耐圧Paよりも大きい場合、サブタンク10からメインタンク9へと空気が移動することとなる。空気が移動することによってメインタンク9内が加圧状態になると、メインタンク9内のインクが連通管21を介してバッファ室12へ移動することになる。バッファ室12内にインクが移動した際、大気連通管22を介してバッファ室12内の空気が押し出される。
また、動圧P11により記録ヘッド3の貯留部からインクが流れ出る。そしてこの時生じる圧力は圧力調整部材40で調整されることになる。なお、圧力調整部材40で調整可能な変動量にも限界があるため、記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phよりも小さい動圧P11となるように制御することが好ましい。このように制御しておくことにより、記録ヘッド3における吐出口から記録ヘッド3内に空気が流入することを防止することができる。
つまり供給チューブ4内のインクの動圧P11(以下で示す関係式ではP1と表記)が、中空管11の空気移動に対する耐圧Paより大きい(P1>Pa)加速度a11を与えることで、サブタンク10からメインタンク9へ空気を移動させることができる。また記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phより小さくなるような(Ph>P1>Pa…式(1))加速度a11とすることで吐出口からの空気流入を防止することができる。
図4(b)は、図4(a)の状態からキャリッジ2の移動速度が一定の速度(例えば25インチ/秒)になった状態で一定の速度でS1方向に移動する様子を示している。この一定速度での移動中はキャリッジ移動による圧力変化がなく動圧変化によるインクの移動はない。この状態のインクの移動は、記録を実行していることにより記録ヘッドから吐出されるインク量に応じた量のインクがメインタンク9からサブタンク10に移動するだけである。なお、メインタンク内の負圧によっては、バッファ室12と連通管21の状況に応じてインクまたは空気を引き込む動作が行われ、インク供給が継続されて記録信号に応じたS1方向の記録動作が行われる。
次に図4(c)を用いて、メインタンク9からサブタンク10にインクを移動させる点について説明する。図4(b)に示すように所定の区間、一定の速度でキャリッジ2をS1方向に移動させて記録を行う。その後、インクジェット記録装置本体に搭載された制御系(図2参照)によって、記録ヘッド3を保持したキャリッジ2は、マイナスの加速度a12で減速するよう制御される。
減速区間で供給チューブ4内のインクはマイナスの加速度a12による慣性力を受ける。供給チューブ4はキャリッジ2の移動方向に並行となるように配置されているので、加速度a12による慣性力を受けたインクが供給チューブ4から記録ヘッド3の方向へ移動する。このとき発生する圧力が、加速度a12による供給チューブ4内のインクにかかる動圧P12である。
動圧P12を受けたインクが、供給チューブ4から記録ヘッド3に移動することによってサブタンク10内が減圧される。
中空管11にはインク移動に対する耐圧Piとして流路抵抗及びメニスカス耐圧が発生している。そのため、動圧P12がこの耐圧Piよりも大きくなるときに、メインタンク9からサブタンク10へインクが移動することになる。このとき、メインタンク9内が負圧状態になるため図4(c)に示されるように、連通管21とバッファ室12内にインクが存在した状態ではバッファ室12内のインクが連通管21を介してメインタンク9内に引き込まれる。一方、連通管21やバッファ室12内にインクが存在しない場合には大気連通管22、バッファ室12、連通管21を介して空気をメインタンク9内に引き込むことになる。
また、動圧P12により記録ヘッド3へ移動したインクは、記録ヘッド3内の貯留部に流れ込む。そしてこの時生じる圧力は圧力調整部材40で調整されることになる。なお、圧力調整部材40で調整可能な変動量にも限界があるため、記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phよりも小さくなるように動圧P12を制御することが好ましい。このように、制御しておくことにより、記録ヘッド3の吐出口からインクが漏れ出ることを防止することができる。
つまり供給チューブ4内のインクの動圧P12(以下で示す関係式ではP2と表記)が、中空管11のインク移動に対する耐圧Piより大きい(P2>Pi)加速度a12を与えることで、メインタンク9からサブタンク10へインクを移動させることができる。また記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phより小さくなるような(Ph>P2>Pi…式(2))加速度a12とすることで吐出口からのインク漏れを防止することができる。
加速度a12で減速したキャリッジ2は次第に速度を落とし、静止する。静止した後、キャリッジ2はS2方向に移動を始める。S2方向への加速の様子を示した図が、図4(d)である。このときの加速度a13の方向はa12と同じで、その時のインク動圧P13(関係式ではP2と表記)がチューブ内のインクに作用する。このときの耐圧関係は図4(c)と同じ関係式を満足する。そのため、図4(c)と同様にメインタンク9からサブタンク10へのインクの移動が行われる。
図4(e)は、図4(d)の状態からキャリッジ2の移動速度が一定の速度(例えば25インチ/秒)の状態でS2方向に移動する様子を示しており、図4(b)と同様一定速度での移動中にインクを記録媒体13に吐出することで、S2方向の記録動作を行う。
その後、所定の区間、一定の速度で移動中に記録を行った後、加速度a14で減速する状態を示した図が、図4(f)である。このときの加速度a14の方向は加速度a11と同じで、その時のインク動圧P14(関係式ではP1と表記)がチューブ内のインクに作用する。このときの耐圧関係は図4(a)と同じ関係式を満足する。すなわち、図4(a)と同様にサブタンク10からメインタンク9へ空気の移動が発生する。
以上説明した往方向の走査と復方向の走査を繰り返すことにより、特に図4(c)、(d)で示された加減速領域で動圧を利用したサブタンクへのインク充填が行なえる。
以上の動作を満足する記録装置本体の構造の一例は以下の通りである。
サブタンク容量:約30ml、連通管21の内径:約1〜2mmφ、長さ:約25〜30mm、連通管21はサブタンク内への侵入量は実質的に0mm、メインタンク内への侵入量は約2.5mmである。また、供給チューブ4は内径:約2〜2.5mmφ、長さ:約650〜1000mmである。記録ヘッドの吐出口のメニスカス耐圧は、負圧5kPa〜10kPa程度である。
ここで、往復走査(双方向記録とも表現することがある)中のサブタンクへのインク充填におけるキャリッジ2のキャリッジ速度及び加速度プロファイルの例を図5に示す。図4におけるS1方向(図4中矢印X方向と同一方向をプラスX方向と表現することもある)を正、S2方向(図4中矢印X方向と反対方向をマイナスX方向と表現することもある)を負としている。
記録装置のキャリッジ走査区間は、図4で説明した通り、加速/減速区間と定速度区間を有している。このうちサブタンクへのインク充填に寄与するのは加速/減速区間である。本例の記録装置のキャリッジ走査区間は凡そ36インチである。キャリッジ走査区間の距離はこれに限られないことは言うまでもない。重要なのは加速/減速区間で所定の関係の動圧を発生させる加速度によってキャリッジを走査することである。
図5(a)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の移動速度を示しており、図5(b)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の加速度を示している。図5(a)では、キャリッジ2は時間0において静止している。キャリッジ2が加速度a11(例えば200インチ/秒)でS1方向に移動を開始し、所定時間移動後、所定の速度(例えば25インチ/秒)に達し一定の速度で移動する。更に所定時間移動後、加速度a12(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。次に、キャリッジ2は加速度a13(例えば200インチ/秒)でS2方向に移動を開始し、所定時間移動後、所定の速度(例えば25インチ/秒)に達し一定の速度で移動する。更に所定時間移動後、加速度a14(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。
さらに具体的には、供給チューブ内のインクの動圧は、
=(m・a)/S …式(3)
:加速度がかかるインクの質量
S:供給チューブの断面積
:キャリッジの加速度
で表すことができる。また、この時最大の動圧が生じる時のインク質量は、
=kSL …式(4)
k:インクの比重
S:供給チューブの断面積
L-:加速度による慣性を受ける供給チューブの最大長さ
と表すことができる。
式(3)に式(4)を代入することにより、
=kL …式(5)
という関係となっていることがわかる。
すなわち式(1)Ph>P1>Paと式(2)Ph>P2>Piとは、Ph/(kL)>a>Pa/(kL)と、Ph/(kL)>a>Pi/(kL)と変換できることが分かる。
以上のように、記録動作時のキャリッジを上述のような関係を満たす加速度で加速するように制御することで、供給チューブに生じるインクの動圧を用いてメインタンクからサブタンクへのインク充填を行うことができる。これにより、記録動作を中断して別にサブタンクの充填動作を行う時間を設けることなく、信頼性の高いサブタンクへの充填を行うことができる。
なお、サブタンクにインクが十分充填されると、図4(a)及び図(f)のような状態で、中空管11を介してサブタンク10メインタンク9に移動するのは空気ではなくインクとなるため、サブタンク10への動圧を利用したインク充填動作は行われなくなる。
また、本実施例は加速度が発生する時間に制限を与えるものではなく、図はあくまで一例である。また、ここでは初めに空気移動を発生させ、次にインク移動を発生させる例を示したが、これはあくまで一例であり、初めにインク移動を発生させ、次に空気移動を発生させても良い。
(実施例2)
実施例1では、双方向記録時における動圧によるサブタンクへのインク充填を説明したが、実施例2では片方向記録時における動圧によるサブタンクへのインク充填を説明する。
図6は片方向記録時におけるキャリッジ2の移動に伴う供給チューブ4内のインクの動圧を利用したサブタンクへのインク充填を示す模式図である。図6は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順で経時しており、一往復のキャリッジ動作を示している。また、S1、S2はそれぞれキャリッジ2の移動方向を示している。すなわち、図6(a)、(b)、(c)はS1方向への移動を示しており、図6(d)、(e)はS2方向への移動を示している。
P21(関係式ではP1と表記)は加速度a21による供給チューブ4内のインクに働く動圧、P22(関係式ではP2と表記)は加速度a22による供給チューブ4内のインクに働く動圧を示している。さらにP23(関係式ではP2と表記)は加速度a23による供給チューブ4内のインクに働く動圧、P24(関係式ではP1と表記)は加速度a24による供給チューブ4内のインクに働く動圧をそれぞれ示している。また、Piは中空管11内におけるインク移動に対する耐圧、Paは中空管11内における空気移動に対する耐圧、Phは記録ヘッド3の吐出口(図示せず)におけるメニスカス耐圧を示している。
まず図6(a)を用いて、サブタンク10からメインタンク9へ空気が移動する点について説明する。
記録ヘッド3を保持したキャリッジ2は、インクジェット記録装置本体に搭載された制御系(図2参照)によって、キャリッジ2は加速度a21でS1方向に加速するよう制御される。記録ヘッド3に接続した供給チューブ4には、キャリッジ2の移動に追従して移動する区間が存在する。このとき、供給チューブ4のうち、キャリッジ2の移動に追従して移動する区間内に存在するインクは加速度a21による慣性力を受ける。供給チューブ4はキャリッジ2の移動方向に並行となるように配置されているので、加速度a21による慣性力を受けることによりインクが供給チューブ4からサブタンク10に移動する。このとき発生する圧力が、加速度a21による供給チューブ4内のインクに働く動圧P21である。
そして動圧P21を受けたインクが、供給チューブ4内からサブタンク10に移動することによって、サブタンク10内を加圧する。
サブタンク10の内部は上方に空気層が存在しており、空気層が中空管11と接している。このとき、中空管11のメインタンク9内に存在する接続端では空気移動に対する耐圧Paとして流路抵抗及びメニスカス耐圧が発生している。つまり動圧P21がこの耐圧Paよりも大きい場合、サブタンク10からメインタンク9へと空気が移動することとなる。空気が移動することによってメインタンク9内が加圧状態になると、メインタンク9内のインクが連通管21を介してバッファ室12へ移動することになる。バッファ室12内にインクが移動した際、大気連通管22を介してバッファ室12内の空気が押し出される。
また、動圧P21により記録ヘッド3の貯留部からインクが流れ出る。そしてこの時生じる圧力は圧力調整部材40で調整されることになる。なお、圧力調整部材で調整可能な変動量にも限界があるため、記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phよりも小さい動圧P21となるように制御することが好ましい。このように制御しておくことにより、記録ヘッド3における吐出口から記録ヘッド3内に空気が流入することを防止することができる。
つまり供給チューブ4内のインクの動圧P21(以下で示す関係式ではP1と表記)が、中空管11の空気移動に対する耐圧Paより大きい(P1>Pa)加速度a21を与えることで、サブタンク10からメインタンク9へ空気を移動させることができる。また記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phより小さくなるような(Ph>P1>Pa…式(1))加速度a21とすることで吐出口からの空気の流入を防止することができる。
図6(b)は、図6(a)の状態からキャリッジ2の移動速度が一定の速度(例えば25インチ/秒)になった状態で一定の速度で移動している様子を示している。この一定速度での移動中はキャリッジ移動による圧力変化がなく動圧変化によるインクの移動はない。この状態のインクの移動は、記録を実行していることにより記録ヘッドから吐出されるインク量に応じた量のインクがメインタンク9からサブタンク10に移動するだけである。なお、メインタンク内の負圧によっては、バッファ室12と連通管21の状況に応じてインクまたは空気を引き込む動作が行われ、インク供給が継続されて記録信号に応じたS1方向の記録動作が行われる。
次に図6(c)を用いて、メインタンク9からサブタンク10にインクを移動させる点について説明する。図6(b)に示すように所定の区間、一定の速度でキャリッジ2をS1方向に移動させて記録を行う。その後、インクジェット記録装置本体に搭載された制御系(図2参照)によって、記録ヘッド3を保持したキャリッジ2は、マイナスの加速度a22で減速するよう制御される。
減速区間で供給チューブ4内のインクはマイナスの加速度a22による慣性力を受ける。供給チューブ4はキャリッジ2の移動方向に並行となるように配置されているので、加速度a22による慣性力を受けたインクが供給チューブ4から記録ヘッド3の方向へ移動する。このとき発生する圧力が、加速度a22による供給チューブ4内のインクにかかる動圧P22である。
動圧P22を受けたインクが、供給チューブ4から記録ヘッド3に移動することによってサブタンク10内が減圧される。
中空管11にはインク移動に対する耐圧Piとして流路抵抗及びメニスカス耐圧が発生している。そのため、動圧P22がこの耐圧Piよりも大きくなるときに、メインタンク9からサブタンク10へインクが移動することになる。このとき、メインタンク9内が負圧状態になるため図6(c)に示されるように、連通管21とバッファ室12内にインクが存在した状態ではバッファ室12内のインクを連通管21を介してメインタンク9内に引き込まれる。一方、連通管21やバッファ室12内にインクが存在しない場合には大気連通管22、バッファ室12、連通管21を介して空気をメインタンク9内に引き込むことになる。
また、動圧P22より記録ヘッド3へ移動したインクは、記録ヘッド3内の貯留部に流れ込む。そしてこの時生じる圧力は圧力調整部材40で調整されることになる。なお、圧力調整部材40で調整可能な変動量にも限界があるため、記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phよりも小さくなるように動圧P22を制御することが好ましい。このように、制御しておくことにより、記録ヘッド3の吐出口からインクが漏れ出ることを防止することができる。
つまり供給チューブ4内のインクの動圧P22(以下で示す関係式ではP2と表記)が、中空管11のインク移動に対する耐圧Piより大きい(P2>Pi)加速度a22を与えることで、メインタンク9からサブタンク10へインクを移動させることができる。また記録ヘッド3の吐出口におけるメニスカス耐圧Phより小さくなるような(Ph>P2>Pi…式(2))加速度a22とすることで吐出口からのインク漏れを防止することができる。
加速度a22で減速したキャリッジ2は次第に速度を落とし、静止する。静止した後、キャリッジ2はS2方向に移動を始める。S2方向への加速の様子を示した図が、図6(d)である。このときの加速度a23の方向はa22と同じで、その時のインク動圧P23(関係式ではP2と表記)がチューブ内のインクに作用する。このときの耐圧関係は図6(c)と同じ関係式を満足する。そのため、図6(c)と同様にメインタンク9からサブタンク10へのインクの移動が行われる。
その後、加速度a24で減速する状態を示した図が、図6(e)である。このときの加速度a24の方向は加速度a21と同じで、その時のインク動圧P24(関係式ではP1と表記)がチューブ内のインクに作用する。このときの耐圧関係は図6(a)と同じ関係式を満足する。すなわち、図6(a)と同様にサブタンク10からメインタンク9へ空気の移動が発生する。
以上説明した一往復の記録動作を繰り返すことにより、特に図6(c)、(d)で示された加減速領域で動圧を利用したサブタンクへのインク充填が行なえる。
ここで、片方向記録中のサブタンクへのインク充填におけるキャリッジ2のキャリッジ速度及び加速度プロファイルの例を図7に示す。図6におけるS1方向(プラスX方向)を正、S2方向(マイナスX方向)を負としている。図7(a)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の移動速度を示しており、図7(b)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の加速度を示している。図7(a)では、キャリッジ2は時間0において静止している。キャリッジ2が加速度a21(例えば200インチ/秒)でS1方向に移動を開始し、所定時間移動後、所定の速度(例えば25インチ/秒)に達し一定の速度で移動する。更に所定時間移動後、加速度a22(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。次に、キャリッジ2は加速度a23(例えば200インチ/秒)でS2方向に移動を開始し、所定時間移動後、加速度a24(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。
なお、本実施例は加速度が発生する時間に制限を与えるものではなく、図はあくまで一例である。また、ここではS1方向への移動中に記録動作を行いS2方向への移動中には記録動作を行わない例を示したが、これはあくまで一例であり、記録を伴う移動の方向はこの限りでない。更に、ここでは初めに空気移動を発生させ、次にインク移動を発生させる例を示したが、これはあくまで一例であり、初めにインク移動を発生させ、次に空気移動を発生させても良い。
(実施例3)
実施例1および実施例2は加速度が一定の場合を用いて説明したが、加速度は変動してもよい。サブタンクへのインク充填動作に関しては、図4と同様であるため説明は省略する。
加速度a31による供給チューブ4内のインクに働く動圧をP31(関係式ではP1と表記)、加速度a32による供給チューブ4内のインクに働く動圧をP32(関係式ではP2と表記)とする。さらに、加速度a33による供給チューブ4内のインクに働く動圧をP33(関係式ではP2と表記)、加速度a34による供給チューブ4内のインクに働く動圧をP34(関係式ではP1と表記)とする。
図8は、双方向記録中のサブタンクへのインク充填におけるキャリッジ2のキャリッジ速度及び加速度プロファイルの例を示している。図8におけるS1方向(プラスX方向)を正、S2方向(マイナスX方向)を負としている。図8(a)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の移動速度を示しており、図8(b)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の加速度を示している。図8(a)でキャリッジ2は時間0において静止している。キャリッジ2が、変動する加速度a31(例えば100インチ/秒から200インチ/秒に変動)でS1方向に移動を開始し、所定時間移動後、所定の速度(例えば25インチ/秒)に達し一定の速度で移動する。更に所定時間移動後、変動する加速度a32(例えば230インチ/秒から100インチ/秒に変動)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。次に、キャリッジ2は、変動する加速度a33(例えば100インチ/秒から200インチ/秒に変動)でS2方向に移動を開始し、所定時間移動後、所定の速度(例えば25インチ/秒)に達し一定の速度で移動する。更に所定時間移動後、変動する加速度a34(例えば230インチ/秒から100インチ/秒に変動)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。
図8(b)で示す鎖線は、加速度がプラスの領域においてはサブタンク10からメインタンク9へ空気が移動する動圧を与える加速度の下限値を示している。さらに加速度がマイナスの領域においてはメインタンク9からサブタンク10へインクが移動するための動圧を与える加速度の上限値を示している。図8(b)のように、変動する加速度a31、a34の一部がP1>Pa、さらに好ましくはPh>P1>Paを満たすような動圧を与える加速度である。さらに変動する加速度a32、a33の一部がP2>Pi、さらに好ましくはPh>P2>Piを満たすような動圧を与える加速度である。このような加速度とすることでサブタンクへのインク充填を行うことができる。この加速度の変動の仕方は必ずしも不連続でなくとも良い。
なお、本実施例は加速度が発生する時間に制限を与えるものではなく、図はあくまで一例である。また、ここでは初めに空気移動を発生させ、次にインク移動を発生させる例を示したが、これはあくまで一例であり、初めにインク移動を発生させ、次に空気移動を発生させても良い。更に、ここでは記録が伴う例を示したが、必ずしも記録が伴わなくとも良い。
(実施例4)
実施例1〜3では、記録動作時のキャリッジの加速度を制御することでサブタンクへのインク充填を行うことを説明してきた。しかし、記録動作時の加速度に限られず、たとえば記録ヘッドのクリーニングのための走査やレジ調整用のシーケンスなどの動作を利用してサブタンクへのインク充填を行うこともできる。
また、メインタンクが交換される際であって、記録信号の入力がなされていない非記録動作時にサブタンクへのインク充填が必要なときやインクジェット記録装置の着荷時の初期インク充填時にサブタンクへのインク充填専用の往復走査を実行してもよい。非記録動作時専用のサブタンクへのインク充填では次のような動作を行わせることができる。
図9は非記録時におけるキャリッジ2の移動に伴う供給チューブ4内のインクの動圧を利用したサブタンクへのインク充填を示す模式図である。図9は(a)、(b)、(c)、(d)の順で経時しており、一往復のキャリッジ動作を示している。また、S1、S2はそれぞれキャリッジ2の移動方向を示している。すなわち、図9(a)、(b)はS1方向への移動を示しており、図9(c)、(d)はS2方向への移動を示している。
P41(関係式ではP1と表記)は加速度a41による供給チューブ4内のインクに働く動圧、P42(関係式ではP2と表記)は加速度a42による供給チューブ4内のインクに働く動圧を示している。さらにP43(関係式ではP2と表記)は加速度a43による供給チューブ4内のインクに働く動圧、P44(関係式ではP1と表記)は加速度a44による供給チューブ4内のインクに働く動圧をそれぞれ示している。また、Piは中空管11内におけるインク移動に対する耐圧、Paは中空管11内における空気移動に対する耐圧、Phは記録ヘッド3の吐出口(図示せず)におけるメニスカス耐圧を示している。
まず時刻0で静止しているキャリッジ2はS1方向に加速度a41で移動を始める。このとき、サブタンク10からメインタンク9へ空気の移動が発生する(図9(a))。所定のキャリッジ速度に達した後、加速度a42で減速する。このとき、メインタンク9からサブタンク10へインクの移動が発生する(図9(b))。減速したキャリッジ2は次第に速度を落とし、静止する。静止した後、キャリッジ2はS2方向に加速度a43で移動を始める。このとき、メインタンク9からサブタンク10へインクの移動が発生する(図9(c))。所定のキャリッジ速度に達した後、加速度a44で減速する。このとき、サブタンク10からメインタンク9へ空気の移動が発生する(図9(d))。
以上の一往復の動作を繰り返し、非記録動作時にサブタンクへのインク充填を行う。
ここで、非記録中のサブタンクへのインク充填におけるキャリッジ2のキャリッジ速度及び加速度プロファイルの例を図10に示す。図9におけるS1方向(プラスX方向)を正、S2方向(マイナスX方向)を負としている。図10(a)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の移動速度を示しており、図10(b)は横軸が時間、縦軸がキャリッジ2の加速度を示している。図10(a)では、キャリッジ2は時間0において静止している。キャリッジ2が加速度a41(例えば200インチ/秒)でS1方向に移動を開始し、所定距離(時間)移動後、加速度a42(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。次に、キャリッジ2は加速度a43(例えば200インチ/秒)でS2方向に移動を開始し、所定距離(時間)移動後、加速度a44(例えば230インチ/秒)で減速していき、やがてキャリッジ2は静止する。
加速度a41の与える動圧P41が前述のP1>Pa、好ましくはPh>P1>Paを満たすように、加速度a42の与える動圧P42が前述のP2>Pi、好ましくはPh>P2>Piを満たすように制御する。さらに加速度a43の与える動圧P43がP2>Pi、さらに好ましくはPh>P2>Piを満たすように、加速度a44の与える動圧P44が前述のP1>Pa、さらに好ましくはPh>P1>Paを満たすように制御する。このように制御することでサブタンクへのインク充填を行うことができる。
この一連のキャリッジ速度及び加速度プロファイルのような、サブタンクへのインク充填に特化したキャリッジ動作をさせることで効率的(短時間)にサブタンクへのインク充填を行うことができる。
この動作は、常に加速度が生じるようにキャリッジを動作させた例であるが、図5、図7や図8に示されるような加減速の間に定速度の区間があるようなものでもよいことは言うまでもない。定速度のときに記録のためのインク吐出を伴わないことでサブタンクへのインク充填動作のみを実行できる。
(実施例5)
実施例1〜4においては、キャリッジの往復走査による動圧変化のみを利用してメインタンク9からサブタンク10に対してインクを充填するシーケンスを説明してきた。しかし、動圧変化によるサブタンクへ充填動作に加え、ダイヤフラム弁によるインク充填動作が行えるように制御してもよい。このようなダイヤフラム弁を用いたインク充填動作を非記録時に用いることにより、サブタンクへのインク充填の時間を短縮することができる。
図11に本実施形態に係る記録装置本体の構成例を示す。また、このインクジェット記録装置によるサブタンクへのインク充填を示すフローチャートを図13に示す。
図11に示される記録装置本体は、サブタンク10と記録ヘッド3とを連結する供給チューブ4の途中に可撓性材料からなるダイヤフラム弁14を配置した構成である点が相違している以外は、図3に示した構成と同一であり、以下では相違点のみ説明する。
ダイヤフラム弁14は、その容積を小さくしてインク流路を閉鎖する状態と、容積を拡大してインク流路を開放する状態をとりえる。図12にダイヤフラム弁14によるインク供給を示す断面図を示す。
ダイヤフラム弁14は、ばね31とレバー32とばねおさえ34とで容積変化させることができる。図12(a)は、ダイヤフラム弁14の容積が最大の状態を示している。この時、レバー32が図の上方に移動することによりダイヤフラム弁14の容積が増加し、ダイヤフラム弁14内部にA1方向(記録ヘッド3側)とA2方向(サブタンク10側)とから供給チューブ4からインクが供給されている。図12(b)はダイヤフラム弁14の容積が最小の状態を示している。この時、レバー32が図の下方に移動することによりダイヤフラム弁14の容積が減少し、内部から供給チューブ4のB1方向(記録ヘッド3方向)およびB2方向(サブタンク10方向)とにインクが供給されている。サブタンク10にインクが満たされており、上部に空隙が無い場合はメインタンク9にインクが戻るが、空隙がある場合にはサブタンク内にインクが戻る事により生じた加圧によってサブタンク10からメインタンク9に空隙部分の空気が押し戻される。そして、再度図12(a)のようにダイヤフラム弁14の容積を増加させると、サブタンク側に連結されたチューブ4からはA2方向にインクが引き戻されるため、結果サブタンク10内は負圧になりメインタンク9のインクがサブタンク内に供給される。なお各動作で生じた記録ヘッド側の圧力変動は、圧力調整部材40等で相殺される。このような動作を繰り返すことによって、強制的なサブタンクへのインク充填が行える。
記録装置へのメインタンクの初期装着時、あるいはメインタンクを新しいものに交換した直後に、本発明の供給チューブ内インクの動圧によるインク充填に加えて、ダイヤフラム弁による強制充填を行うことでインク充填動作の時間短縮を行うことができる。
メインタンクを初期装着した際のインク充填は例えば、図13に示されるフローチャートにしたがって行われる。
インクジェット記録装置に対して、インクジェット記録装置の初期設置を行う(ステップ1)。記録ヘッド、メインタンクをセッティングする(ステップ2)。次に記録媒体をセッティングする(ステップ3)。記録ヘッドに対してキャッピングしてヘッドクリーニング動作を行い(ステップ4)、減圧回復動作によってメインタンク、サブタンク、供給チューブ、記録ヘッドをインクによって液的に連通する。このときサブタンク内にもインクが存在するが十分なインク量ではない。その後、キャリッジ動作を伴うレジ調整動作やクリーニング動作を行う(ステップ5)。この動作によってメインタンクからサブタンクに対してインクを充填する。その後、サブタンク内が十分なインク量になるようにダイヤフラム弁を用いてサブタンクにインクを充填する動作を行う(ステップ6)。ダイヤフラム弁を用いたインク充填動作は、ステップ4までの間にサブタンク内にある程度の量のインクが充填されているため、短時間で所定のインク量を充填することができる。その後、サブタンク内に所定量充填されるまで充填動作を繰り返し、所定量のインクが充填されたら初期設置動作を終了する。
なおA1サイズやA0サイズの記録媒体に対して記録を行う大型インクジェット記録装置を対象として説明を行ったが、これに限られることなくA3、A4版等の各種の記録媒体に対して記録を行うビジネスプリンタ等にも適用できることは言うまでもない。
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 供給チューブ
8 供給システム
9 メインタンク
10 サブタンク
11 中空管
12 バッファ室
13 記録媒体

Claims (14)

  1. インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するサブタンクと、前記サブタンクへ供給されるインクを貯留するメインタンクと、前記メインタンクと前記サブタンクとを接続する中空管と、前記サブタンクと前記記録ヘッドとを接続し前記キャリッジの移動に追従して移動する供給チューブと、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記サブタンクから前記メインタンクへ空気を移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内の空気移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御し、かつ、前記メインタンクから前記サブタンクへインクを移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内のインク移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御する制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記中空管は、重力方向に関して、前記メインタンクの下部と前記サブタンクの上部とを接続していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記キャリッジを支持するレールをさらに備え、
    前記供給チューブの一部は、前記レールとほぼ並行に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、記録動作を行う際に、前記キャリッジの移動における加減速を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記供給チューブ内のインクの動圧が前記吐出口におけるメニスカス耐圧よりも小さくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記サブタンクは、前記供給チューブと前記中空管とを除いてほぼ密閉された構造となっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記供給チューブに設けられ、容積変化することによって前記メインタンクから前記サブタンクへインクを供給するダイヤフラム弁をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するサブタンクと、前記サブタンクへ供給されるインクを貯留するメインタンクと、前記メインタンクと前記サブタンクとを接続する中空管と、前記サブタンクと前記記録ヘッドとを接続し前記キャリッジの移動に追従して移動する供給チューブと、を備えるインクジェット記録装置における前記メインタンクから前記サブタンクへのインク充填方法であって、
    前記サブタンクから前記メインタンクへ空気を移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内の空気移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジを往方向に加速する第1加速工程と、
    前記メインタンクから前記サブタンクへインクを移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内のインク移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジを前記往方向に減速する第1減速工程と、
    前記メインタンクから前記サブタンクへインクを移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内のインク移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジを復方向に加速する第2加速工程と、
    前記サブタンクから前記メインタンクへ空気を移動させるために前記供給チューブ内のインクの動圧が前記中空管内の空気移動に対する耐圧よりも大きくなるように前記キャリッジを前記復方向に減速する第2減速工程と、を有することを特徴とするインク充填方法。
  9. 前記第1加速工程及び前記第1減速工程の間と、前記第2加速工程及び前記第2減速工程の間との少なくとも一方で、定速で前記キャリッジを移動させながら記録媒体に記録を行う記録工程を有することを特徴とする請求項8に記載のインク充填方法。
  10. 前記供給チューブに設けられたダイヤフラム弁を用いて、前記メインタンクから前記サブタンクにインクを移動させる充填工程を有することを特徴とする請求項8または9に記載のインク充填方法。
  11. 前記中空管は、重力方向に関して、前記メインタンクの下部と前記サブタンクの上部とを接続していることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載のインク充填方法。
  12. 前記インクジェット記録装置は前記キャリッジを支持するレールをさらに有し、
    前記供給チューブの一部は、前記レールとほぼ並行に設けられていることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載のインク充填方法。
  13. 前記供給チューブ内のインクの動圧が前記吐出口におけるメニスカス耐圧よりも小さくなるように前記キャリッジの移動における加減速を制御することを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載のインク充填方法。
  14. 前記サブタンクは、前記供給チューブと前記中空管とを除いてほぼ密閉された構造となっていることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載のインク充填方法。
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