JP5965110B2 - 結晶太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶太陽電池の製造方法に関するものである。
自然エネルギーの有効利用の観点から、近年、太陽電池はますます広く一般的に利用されつつある。太陽電池を構成する材料としては、これまで主に、結晶シリコンが用いられてきた。
結晶シリコンを用いた太陽電池は、光を受光する受光面と、受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する、p型の結晶シリコンからなる基板を備えている。基板の裏面をなす他方の主面側には高濃度のp型シリコン層(p層)が形成され、基板の受光面をなす一方の主面側にはn型シリコン層(n層)が形成される。そして、p層とn層の間に、p層よりも低濃度のp型シリコン層(p層)が形成される。この基板に対して光を照射することにより、p層において励起された電子、正孔のうち、電子をn層に接続された電極に、正孔をp+層に接続された電極に、それぞれ捕捉させ、補足させた電子、正孔による電流を発生させることができる。
すなわち、結晶シリコン太陽電池は、照射された光のエネルギーを、外部への出力が可能な電気のエネルギーに変換する機能を有している。特に、結晶シリコン太陽電池は、照射された光のエネルギーのうち、電気のエネルギーに変換される割合(光電変換効率)が高く、太陽電池市場において重要な位置を占めており、光電変換効率を更に高めるための技術開発が進められている(非特許文献1)。
ところで、結晶シリコン太陽電池を構成する基板(結晶基板)に、p型半導体層、n型半導体層を形成する場合、従来は、基板の裏面をなす他方の主面にp型のイオンを注入し、基板の受光面をなす一方の主面にn型のイオンを注入した後に、850〜900℃のアニール処理が行われていた。アニール処理は、p型、n型のイオンを基板内に拡散させるとともに、イオン注入により乱れた結晶構造を回復させ、基板の二つの主面に低抵抗の領域を形成するために行われるものである。しかしながら、アニール処理には昇温・降温に要する時間を含めて、30〜60分もの時間がかかり、その間に加熱されている、基板に注入されたイオンが、基板の深さ方向に広がって分布する。したがって、p型、n型のイオンを活性化させるとともに、基板の表面に集中して分布させ、基板の表面に、低抵抗のp型半導体層およびn型半導体層を形成することが難しくなる。また、長くても数分で終わる他の工程処理に対して、30〜60分かかるアニール処理は、結晶シリコン太陽電池を製造する上で、プロセス処理時間の短縮を阻む大きな要因となる。
Plasma Fusion Res.Vol.85,No.12(2009)820−824
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、結晶基板の裏面をなす他方の主面および受光面をなす一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させることを可能とする、結晶太陽電池の製造方法を提供する。
本発明の請求項1に係る結晶太陽電池の製造方法は、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、前記結晶基板として、p型の単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面をなす他方の主面側に、p型のイオン(たとえば、ボロン:B)を注入して、p型半導体層を形成する第一工程と、前記基体の受光面をなす一方の主面側に、n型のイオン(たとえば、リン:P)を注入して、n型半導体層を形成する第二工程と、前記基体の表面に対して、酸素ガスおよび窒素ガスで構成される雰囲気中において、ランプを用いたアニール処理を行う第三工程と、前記第三工程において前記基体の表面に形成された酸化膜をフッ酸処理を行い除去する第四工程と、を順に備えており、前記第四工程の前段にのみ、前記第三工程としてアニール処理を行う工程を有する、ことを特徴とする。


本発明の請求項2に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1において、次いで、前記基体の二つの主面に、新た酸化膜または窒化膜を形成する第五工程を備えている、ことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1または2において、前記アニール処理を行う時間は5秒以上20秒以下である、ことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記アニール処理の温度は1050℃以上1150℃以下である、ことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記第一工程において、前記基体の二つの主面にテクスチャーを形成したものを用いる、ことを特徴とする。
本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、アニール処理を、ランプを用いて行うため、基体(結晶基板)を急速に昇温・降温させることが可能となる。基体を急速に昇温・降温させることにより、基体に注入された不純物イオンの加熱される時間、すなわち不純物イオンが活性化されている時間が短くなるため、不純物イオンが基体の表面(主面)から深さ方向へ広がって分布するのを抑えることができる。その結果として、基体の裏面をなす他方の主面近傍にp型のイオンを、基体の受光面をなす一方の主面近傍にn型のイオンを、それぞれ集中して分布させることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、基体の昇温・降温を急速に行うことにより、アニール処理全体に要する時間が短くなるため、結晶シリコン太陽電池を製造する上で、プロセス処理時間を短縮することができる。そして、短縮された分の時間を利用し、基体に対して、従来よりも高い温度の加熱を行うことができる。これにより、p型イオン、n型イオンに対する活性化の効果を高めることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオン、n型のイオンを注入する際の結晶基板の主面には、絶縁膜が形成されていない。そのため、p型イオンとn型イオンを、結晶基板に直接注入することが可能となり、注入エネルギーを低く抑えることができる。低エネルギーで注入されたp型イオン、n型イオンは、それぞれ結晶基板の他方の主面、一方の主面の近傍に高濃度で分布する。
そして、p型イオンおよびn型イオンの注入エネルギーを低くすることにより、一部のイオンが注入されずに、それぞれ他方の主面および一方の主面に堆積する。そのため、続いて行われるアニール処理により、主面から極めて浅い位置にp型イオンまたはn型イオンを分布させることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオンおよびn型のイオンを低エネルギーで注入することにより、結晶基板が受けるイオンダメーシを小さく抑えることができ、アニール処理による結晶性の回復が容易となる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
本発明における結晶太陽電池の断面図である。 (a)従来の結晶太陽電池の製造工程フローである。(b)本発明における結晶太陽電池の製造工程フローである。 結晶太陽電池の製造に用いる、イオン注入装置の断面図である。 p型イオンの注入量とシート抵抗との関係を示すグラフである。 n型イオンの注入量とシート抵抗との関係を示すグラフである。 アニール処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。 アニール処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。 アニール処理温度と光電変換効率との関係を示すグラフである。 アニール処理時間と光電変換効率との関係を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係る結晶太陽電池の構成について説明する図である。結晶太陽電池100は、光を受光する受光面と、受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板101を備えた太陽電池である。結晶基板101は、p型の単結晶または多結晶シリコンからなる平板状の基体である。
結晶基板(基体)101は、その一方の主面(受光面)101a側および他方の主面(裏面)101b側に、それぞれn型の半導体層(n層)103およびp型の半導体層(p層)102を備えている。そして、n層103は、結晶基板の一方の主面101aに形成されたシリコン窒化膜(SiN膜)104に覆われている。さらに、n層103は、SiN膜を貫通するように形成された受光面電極105と、電気的に接続されている。また、p層102は、結晶基板の他方の主面101bに形成された裏面電極106に覆われている。
なお、図1においては、基体の二つの主面101a、101bが、いずれも平坦であるように示しているが、いずれも微視的なスケールのテクスチャー形状を有するものとする。
[製造方法]
図1に示した、第一実施形態に係る結晶太陽電池100の製造方法について、説明する。図2(a)および図2(b)は、それぞれ結晶太陽電池100を製造する、従来の工程フローおよび第一実施形態に係る工程フローを示している。
従来の工程フローによれば、結晶太陽電池100は、テクスチャー形成、ボロン等のp型イオン注入、リン等のn型イオン注入、アニール処理、絶縁膜形成、電極形成の6つの工程処理を順に行うことにより製造される。これに対し、第一実施形態に係る工程フローによれば、結晶太陽電池100は、テクスチャー形成、p型イオン注入、n型イオン注入、(高温)アニール処理、フッ酸(HF)処理、絶縁膜形成、電極形成の7つの工程を順に行うことにより製造される。すなわち、第一実施形態に係る工程フローは、p型イオン注入およびn型イオン注入の後に、高温アニール処理およびHF処理を含む点において、従来の工程フローと異なる。なお、ここでの高温アニール処理とは、1000℃以上で、数秒〜数十秒間行うアニール処理を意味しており、800〜900℃で、30〜60分間行う、従来のアニール処理と区別されるものである。
第一実施形態に係る、結晶太陽電池100を製造するための各工程について、詳しく説明する。まず、テクスチャー形成工程において、基体101に対して、例えば水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)をエッチャントとして用いたウェットエッチング処理を行う。そして、処理後の基体101に残存する有機物および金属汚染物を、フッ硝酸を用いて除去することにより、二つの主面101a、101bを、テクスチャーを有する形状に加工する。
次に、テクスチャーを有する形状に加工された、基体101の他方の主面101に、ボロン(B)イオン等のp型イオンを注入する(第一工程)。p型イオンの注入は、図3に示すイオン注入装置200を用いて行う。
図3は、p型イオン注入工程(第一工程)および後述するn型イオン注入工程(第二工程)に用いる、イオン注入装置200の断面図である。イオン注入装置200は真空槽201と、永久磁石205、RF導入コイル206、RF導入窓(石英)212を用いたICP放電によるプラズマ発生手段と、真空排気手段(不図示)とを備えている。真空槽201の内部は、メッシュ電極208、209により、プラズマ発生室とプラズマ処理室とに分離されている。プラズマ処理室に被処理基板(基体)203を支持する基板支持台204が配されている。なお、メッシュ電極208は、浮遊電位とされており、プラズマ207の電位を安定させる機能を有する。また、メッシュ電極209は、負電位を印加され、プラズマ207から正イオンを引き出す機能を有する。
真空層201内を減圧し、プラズマ発生室に、基体203に注入する不純物原子を含んだガスを導入する。そして、プラズマ発生手段を用いてプラズマ207を励起させることにより、不純物原子をイオン化させ、メッシュ電極208、209を経由して引き出されたp型あるいはn型のイオンを、基板に注入させることができる。
ここで、p型イオンの最適な注入量は、後述するアニール処理後のp型半導体層102のシート抵抗と、結晶太陽電池の光電変換効率との関係から、太陽電池100を製造する上での最適値として決定される。ただし、p型半導体層102におけるp型イオンの濃度は、少なくとも基体101におけるp型イオンの濃度より高くなっているものとする。p型イオンの濃度の高いp層を、裏面電極106と基体101との間に設けることにより、裏面電極106と基体121との間において、電場が弱まり、電気抵抗が低減される。
次に、基体101の他方の主面101bに、リン(P)等のn型イオンを注入する(第二工程)。n型イオンの注入は、図3に示すイオン注入装置200を用いて行う。
ここで、n型イオンの最適な注入量は、後述するアニール処理後のn型半導体層103のシート抵抗と、結晶太陽電池の光電変換効率との関係から、太陽電池100を製造する上での最適値として決定される。
次に、半導体用のランプアニール装置を用いて、1000〜1200[℃]、かつ30[秒]以下のアニール処理を行う(第三工程)。ここでのアニール処理は、流量500[sccm]の酸素ガスおよび窒素ガスで構成される雰囲気中において行われ、昇温レートを150[℃/sec]としている。
なお、アニール処理(第三工程)の際に、基体101の表面に酸化膜が形成される。この酸化膜中に含まれる酸素イオンは、基体101の内部に拡散し、再結合中心として機能することにより、光電変換効率を低下させる。したがって、第三工程の処理後、すなわち、アニール処理(第三工程)して以降に、次工程をなす第四工程として、基体101の表面に形成された酸化膜を、フッ酸処理(HF処理)を行って除去することが望ましい。


次に、絶縁膜形成工程としてSiN膜を、基体の一方の主面101aに、n層を覆うように形成する。SiN膜は、反射防止膜として機能する膜であり、プラズマCVD法を用いて形成することができる。本実施形態においては、SiN膜の膜厚を800[nm]としている。
次に、電極形成工程として受光面電極105を、SiN膜を貫通し、n層と電気的に接続されるように形成する。受光面電極105を構成する材料としては、例えば銀(Ag)を用いることができ、ファイヤースルー(焼成貫通)法を用いて形成される。
また、電極形成工程として、さらに裏面電極106を、基体の他方の主面101bに、p層を覆うように形成する。裏面電極106を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)を用いることができ、スクリーン印刷法により形成される。
[実験例]
上述の製造方法により製造される、結晶太陽電池100および結晶太陽電池用の基体101を用いた実験例について、説明する。
図4は、p型イオンの注入量と、アニール処理後に形成されるp型半導体層のシート抵抗との関係を示すグラフである。縦軸はp型半導体層のシート抵抗、横軸はp型イオンの注入量を示している。ここでは、p型イオンの一例としてBイオンを用い、1050[℃]で10秒間のアニール処理を行っている。図4のグラフによれば、p型イオンの注入量を多くするにつれて、p型半導体層のシート抵抗が減少する傾向にあり、注入量を1.00E+16[dose/cm]とした場合に、シート抵抗が100[Ω/cm]となる。注入量を1.00E+16[dose/cm]以上とした場合には、注入量の増加に対して、シート抵抗の減少が緩やかになる傾向があり、不純物イオンの注入により、シート抵抗を減少させる効果は小さい。したがって、p型イオンの注入量は、1.00E+16[dose/cm]であることが望ましい。
図5は、n型イオンの注入量と、アニール処理後に形成されるn型半導体層のシート抵抗との関係を示すグラフである。縦軸はn型半導体層のシート抵抗、横軸はn型イオンの注入量を示している。ここでは、n型イオンの一例として、Pイオンを用いている。図5のグラフによれば、n型イオンの注入量を多くするにつれて、n型半導体層のシート抵抗が減少する傾向にあり、注入量を1.00E+15[dose/cm]とした場合には、シート抵抗が50[Ω/cm]となる。注入量を1.00E+15[dose/cm]以上とした場合には、注入量の増加に対して、シート抵抗の減少が緩やかになる傾向があり、不純物イオンの注入により、シート抵抗を減少させる効果は小さい。したがって、n型イオンの注入量は、1.00E+15[dose/cm]であることが望ましい。
図6は、アニール処理温度と、アニール処理後に形成されるp型半導体層のシート抵抗との関係を示すグラフである。縦軸はp型半導体層のシート抵抗、横軸はアニール処理温度を示している。ここでは、p型イオンとしてBイオンを用い、その注入量を1.00E+16[dose/cm]としている。図6のグラフによれば、アニール処理温度を高くするにつれて、p型半導体層のシート抵抗が減少する傾向にある。シート抵抗の減少傾向は、アニール処理温度を1050[℃]とする場合を境に変化している。シート抵抗は、1050[℃]以下の温度領域においては、温度の上昇に対して急峻な減少傾向を示しているのに対し、1050[℃]以上の温度領域においては、温度の上昇に対して緩やかな減少傾向を示している。アニール処理温度を1050[℃]以上とすることにより、シート抵抗が100[Ωcm]以下の低い値で安定した、p型半導体層が得られる。
図7は、アニール処理温度と、アニール処理後に形成されるn型半導体層のシート抵抗との関係を示すグラフである。縦軸はn型半導体層のシート抵抗、横軸はアニール処理温度を示している。ここでは、n型イオンとしてPイオンを用い、その注入量を1.00E+15[dose/cm]としている。図7のグラフによれば、アニール処理温度を高くするにつれて、n型半導体層のシート抵抗が減少する傾向にある。シート抵抗の減少傾向は、アニール処理温度を1050[℃]とする場合を境に変化している。シート抵抗は、1050[℃]以下の温度領域においては、温度の上昇に対して急峻な減少傾向を示しているのに対し、1050[℃]以上の温度領域においては、温度の上昇に対して緩やかな減少傾向を示している。アニール処理温度を1050[℃]以上とすることにより、シート抵抗が50[Ωcm]以下の低い値で安定した、n型半導体層が得られる。
図8は、アニール処理温度と、最終形態としての太陽電池の光電変換効率との関係を示している。縦軸は光電変換効率、横軸はアニール処理温度を示している。ここでは、p型イオンとしてBイオンを用い、その注入量を1.00E+16[dose/cm]としている。また、n型イオンとしてPイオンを用い、その注入量を1.00E+15[dose/cm]としている。アニール処理の時間は10[sec]としている。図8のグラフによれば、アニール処理温度と光電変換効率との関係は、アニール処理の温度領域に応じて異なる。
すなわち、アニール処理温度が1050[℃]以下の温度領域では、光電変換効率は、処理温度の上昇にともない、急峻な増加傾向を示している。また、アニール処理温度が1050[℃]以上1150[℃]以下の温度領域では、光電変換効率は、処理温度の上昇に対して、15[%]以上の高い値で安定した傾向を示している。また、アニール処理温度が1150[℃]以上の温度領域では、光電変換効率は、処理温度の上昇にともない、減少傾向を示している。図8のグラフによれば、アニール処理温度を1050[℃]としたときに、最大の光電変換効率17.5[%]が得られる。そして、アニール処理温度が1050[℃]以上1150[℃]以下の範囲にあれば、最大の光電変換効率に対して5[%]以内の差の光電変換効率が得られる。したがって、太陽電池100を製造する上でのアニール処理の最適な温度範囲は、1050〜1150[℃]となる。
図9は、アニール処理時間と、最終形態としての太陽電池の光電変換効率との関係を示している。縦軸は光電変換効率、横軸はアニール処理時間を示している。ここでは、p型イオンとしてBイオンを用い、その注入量を1.00E+16[dose/cm]としている。また、n型イオンとしてPイオンを用い、その注入量を1.00E+15[dose/cm]としている。図9のグラフによれば、アニール処理時間と光電変換効率との関係は、アニール処理時間の長さに応じて異なる。
すなわち、アニール処理時間を5[秒]以下とする場合には、光電変換効率は、処理時間に比例した増加傾向を示している。また、アニール処理時間を5[秒]以上20[秒]以下とする場合には、光電変換効率は、処理時間に対して、15[%]以上の高い値で安定した傾向を示している。また、アニール処理時間を20[秒]以上とする場合には、光電変換効率は、処理時間に反比例した減少傾向を示している。図9のグラフによれば、アニール処理時間を5〜20[秒]とすることにより、最大の光電変換効率に対して5[%]以内の差の光電変換効率が得られる。したがって、太陽電池100を製造する上でのアニール処理の最適な温度範囲は、5〜20[秒]となる。
第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、アニール処理を、ランプを用いて行うため、基体(結晶基板)を急速に昇温・降温させることが可能となる。基体を急速に昇温・降温させることにより、基体に注入された不純物イオンの加熱される時間、すなわち不純物イオンが活性化されている時間が短くなるため、不純物イオンが基体の表面(主面)から深さ方向へ広がって分布するのを抑えることができる。その結果として、基体の他方の主面近傍にp型のイオンを、一方の主面近傍にn型のイオンを、それぞれ集中して分布させることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、基体の昇温・降温を急速に行うことにより、アニール処理全体に要する時間が短くなるため、結晶シリコン太陽電池を製造する上で、プロセス処理時間の短縮を行うことができる。そして、短縮された分の時間を利用し、基体に対して、従来よりも高い温度の加熱を行うことができる。これにより、p型のイオンを、n型のイオンに対する活性化の効果を高めることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオン、n型のイオンを注入する際の結晶基板の主面には、絶縁膜が形成されていない。そのため、p型イオンとn型イオンを、結晶基板に直接注入することが可能となり、注入エネルギーを低く抑えることができる。低エネルギーで注入されたp型イオン、n型イオンは、それぞれ結晶基板の他方の主面、一方の主面の近傍に高濃度で分布する。
そして、p型イオンおよびn型イオンの注入エネルギーを低くすることにより、一部のイオンが注入されずに、それぞれ他方の主面および一方の主面に堆積する。そのため、続いて行われるアニール処理により、主面から極めて浅い位置にp型イオンまたはn型イオンを分布させることができる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオンおよびn型のイオンを低エネルギーで注入することにより、結晶基板が受けるイオンダメーシを小さく抑えることができ、アニール処理による結晶性の回復が容易となる。したがって、基体の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。


本発明は、結晶シリコンを用いた太陽電池の光電変換効率を高める場合に対し、広く適用することが出来る。
100・・・結晶太陽電池、101・・・基体、101a、101b・・・主面、
102・・・p型半導体層、103・・・n型半導体層、
104・・・窒化膜。

Claims (5)

  1. 光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、
    前記結晶基板として、p型の単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、
    前記基体の裏面をなす他方の主面側に、p型のイオンを注入して、p型半導体層を形成する第一工程と、
    前記基体の受光面をなす一方の主面側に、n型のイオンを注入して、n型半導体層を形成する第二工程と、
    前記基体の表面に対して、酸素ガスおよび窒素ガスで構成される雰囲気中において、ランプを用いたアニール処理を行う第三工程と、
    前記第三工程において前記基体の表面に形成された酸化膜をフッ酸処理を行い除去する第四工程と、を順に備えており、
    前記第四工程の前段にのみ、前記第三工程としてアニール処理を行う工程を有する、ことを特徴とする結晶太陽電池の製造方法。
  2. 次いで、前記基体の二つの主面に、新たな酸化膜または窒化膜を形成する第五工程を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  3. 前記アニール処理を行う時間は5秒以上20秒以下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  4. 前記アニール処理の温度は1050℃以上1150℃以下である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  5. 前記第一工程において、前記基体の二つの主面にテクスチャーを形成したものを用いる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶太陽電池の製造方法。
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