JP5933198B2 - 結晶太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶太陽電池の製造方法に関するものである。
自然エネルギーの有効利用の観点から、近年、太陽電池はますます広く一般的に利用されつつある。太陽電池を構成する材料としては、これまで主に、結晶シリコンが用いられてきた。
結晶シリコンを用いた太陽電池は、光を受光する受光面と、受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する、p型の結晶シリコンからなる基板を備えている。基板の裏面をなす他方の主面側には高濃度のp型シリコン層(p層)が形成され、基板の受光面をなす一方の主面側にはn型シリコン層(n層)が形成される。そして、p層とn層の間に、p層よりも低濃度のp型シリコン層(p層)が形成される。この基板に対して光を照射することにより、p層において励起された電子、正孔のうち、電子をn層に接続された電極に、正孔をp+層に接続された電極に、それぞれ捕捉させ、補足させた電子、正孔による電流を発生させることができる。
すなわち、結晶シリコン太陽電池は、照射された光のエネルギーを、外部への出力が可能な電気のエネルギーに変換する機能を有している。特に、結晶シリコン太陽電池は、照射された光のエネルギーのうち、電気のエネルギーに変換される割合(光電変換効率)が高く、太陽電池市場において重要な位置を占めており、光電変換効率を更に高めるための技術開発が進められている(非特許文献1)。
ところで、結晶シリコン太陽電池を構成する、多結晶または単結晶シリコンからなる基板に、p型半導体層、n型半導体層を形成する場合、従来は、基板の裏面をなす他方の主面にp型のイオンを注入し、基板の受光面をなす一方の主面にn型のイオンを注入した上で、アニール処理が行われていた。すなわち、p型のイオンとn型のイオンの両方に対して、同じ条件によるアニール処理が行われていた。しかしながら、p型のイオンとn型のイオンとでは、アニール処理に関する最適な条件が異なる。そのため、基体に注入されたp型のイオンとn型のイオンの両方に対して、最適な条件でアニール処理を行い、低抵抗のp型半導体層とn型半導体層を形成することが難しかった。
Plasma Fusion Res.Vol.85,No.12(2009)820−824
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、結晶基板の裏面をなす他方の主面および受光面をなす一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させることを可能とする、結晶太陽電池の製造方法を提供する。
本発明の請求項1に係る結晶太陽電池の製造方法は、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、前記結晶基板として、p型の単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面をなす他方の主面側に、p型のイオン(たとえば、ボロン:B)を注入して、p型半導体層を形成する第一工程と、前記基体に対して、第一アニール処理を行う第二工程と、前記基体の受光面をなす一方の主面側に、n型のイオン(たとえば、リン:P)を注入して、n型半導体層を形成する第三工程と、前記基体に対して、第二アニール処理を行う第四工程と、を順に少なくとも備え、さらに、前記第二工程と前記第三工程との間に、前記第一アニール処理の際に前記基体の表面に形成された酸化膜を、該酸化膜中に含まれる酸素イオンが前記基体の内部に拡散することを防ぐために、除去する工程Aと、前記第四工程の後に、前記第二アニール処理の際に前記基体の表面に形成された酸化膜を、該酸化膜中に含まれる酸素イオンが前記基体の内部に拡散することを防ぐために、除去する工程Bの両方、またはそのいずれか一方を有し、前記第一アニール処理および前記第二アニール処理は、酸素ガスが供給された加熱室において、それぞれ行う、ことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1において、前記第二工程の温度は、前記第四工程の温度より高い、ことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項2において、前記第二工程の温度は900℃以上である、ことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項2または3において、前記第四工程の温度は870℃以下である、ことを特徴とする。
本発明の請求項に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1乃至のいずれか一項において、前記第一工程において、前記基体の二つの主面にテクスチャーを形成したものを用いる、ことを特徴とする。


本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオン注入後とn型のイオン注入後の両方にアニール処理(p型のイオン注入後が第一アニール処理A、n型のイオン注入後が第二アニール処理B)を行う。したがって、アニール処理AとBの条件を、p型イオン、n型イオンそれぞれに対して、個別に設定することができる。すなわち、基体内部における、p型イオン、n型イオンそれぞれの拡散係数に応じた最適な条件により、アニール処理を行うことができる。したがって、基体(結晶基板)の他方の主面および一方の主面に、それぞれ形成されるp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオン、n型のイオンを注入する際の結晶基板の主面には、絶縁膜が形成されていない。そのため、p型イオンとn型イオンを、結晶基板に直接注入することが可能となり、注入エネルギーを低く抑えることができる。低エネルギーで注入されたp型イオン、n型イオンは、それぞれ結晶基板の他方の主面、一方の主面の近傍に高濃度で分布する。
そして、p型イオンおよびn型イオンの注入エネルギーを低くすることにより、一部のイオンが注入されずに、それぞれ他方の主面および一方の主面に堆積する。そのため、続いて行われるアニール処理により、主面から極めて浅い位置にp型イオンまたはn型イオンを分布させることができる。したがって、基体(結晶基板)の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
また、本発明に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型のイオンおよびn型のイオンを低エネルギーで注入することにより、結晶基板が受けるイオンダメーシを小さく抑えることができ、アニール処理による結晶性の回復が容易となる。したがって、基体(結晶基板)の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化し、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
本発明における結晶太陽電池の断面図である。 (a)従来の結晶太陽電池の製造工程フローである。(b)本発明における結晶太陽電池の製造工程フローである。 結晶太陽電池の製造に用いる、イオン注入装置の断面図である。 結晶太陽電池の製造に用いる、アニール処理装置の断面図である。 p型イオンの注入量とシート抵抗との関係を示すグラフである。 n型イオンの注入量とシート抵抗との関係を示すグラフである。 p型イオンの注入量と光電変換効率との関係を示すグラフである。 n型イオンの注入量と光電変換効率との関係を示すグラフである。 アニール処理温度と光電変換効率との関係を示すグラフである。 シート抵抗と光電変換効率との関係を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、結晶太陽電池100の構成について説明する図である。結晶太陽電池100は、光を受光する受光面と、受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶性基板101を備えた太陽電池である。結晶性基板101は、p型の単結晶または多結晶シリコンからなる平板状の基体である。
結晶性基板(基体)101は、その一方の主面(受光面)101a側および他方の主面(裏面)101b側に、それぞれn型の半導体層(n層)103およびp型の半導体層(p層)102を備えている。そして、n層103は、結晶基板の一方の主面101aに形成されたシリコン窒化膜(SiN膜)104に覆われている。さらに、n層103は、SiN膜を貫通するように形成された受光面電極105と、電気的に接続されている。また、p層102は、結晶基板の他方の主面101bに形成された裏面電極106に覆われている。
なお、図1においては、基体の二つの主面101a、101bが、いずれも平坦であるように示しているが、いずれも微視的なスケールのテクスチャー形状を有するものとする。
[製造方法]
図1に示した、第一実施形態に係る結晶太陽電池100の製造方法について、説明する。図2(a)および図2(b)は、それぞれ結晶太陽電池100を製造する、従来の工程フローおよび第一実施形態に係る工程フローを示している。
従来の工程フローによれば、結晶太陽電池100は、テクスチャー形成、p型イオン注入、n型イオン注入、アニール処理、絶縁膜形成、電極形成の6つの工程処理を順に行うことにより製造される。これに対し、第一実施形態に係る工程フローによれば、結晶太陽電池100は、テクスチャー形成、p型イオン注入、第一アニール処理、第一フッ酸(HF)処理、n型イオン注入、第二アニール処理、第二フッ酸(HF)処理、絶縁膜形成、電極形成の9つの工程を順に行うことにより製造される。すなわち、第一実施形態に係る工程フローは、p型イオン注入後とn型イオン注入後の両方に、アニール処理およびHF処理を含む点において、従来の工程フローと異なる。
第一実施形態に係る、結晶太陽電池100を製造するための各工程について、詳しく説明する。まず、テクスチャー形成工程において、基体101に対して、例えば水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)をエッチャントとして用いたウェットエッチング処理を行う。そして、処理後の基体101に残存する有機物および金属汚染物を、フッ硝酸を用いて除去することにより、二つの主面101a、101bを、テクスチャーを有する形状に加工する。
次に、テクスチャーを有する形状に加工された、基体101の他方の主面101bに、ボロン(B)イオン等のp型イオンを注入する(第一工程)。p型イオンの注入は、図4に示すイオン注入装置200を用いて行う。
図3は、p型イオン注入工程(第一工程)および後述するn型イオン注入工程(第三工程)に用いる、イオン注入装置200の断面図である。イオン注入装置200は真空槽201と、永久磁石205、RF導入コイル206、RF導入窓(石英)212を用いたICP放電によるプラズマ発生手段と、真空排気手段(不図示)とを備えている。真空槽201の内部は、メッシュ電極208、209により、プラズマ発生室とプラズマ処理室とに分離されている。プラズマ処理室に被処理基板(基体)203を支持する基板支持台204が配されている。なお、メッシュ電極208は、浮遊電位とされており、プラズマ207の電位を安定させる機能を有する。また、メッシュ電極209は、負電位を印加され、プラズマ207から正イオンを引き出す機能を有する。
真空層201内を減圧し、プラズマ発生室に、基体203に注入する不純物原子を含んだガスを導入する。そして、プラズマ発生手段を用いてプラズマ207を励起させることにより、不純物原子をイオン化させ、メッシュ電極208、209を経由して引き出されたp型あるいはn型のイオンを、基板に注入させることができる。
ここで、p型イオンの注入量は、後述する第一アニール処理後のp型半導体層102のシート抵抗と、結晶太陽電池の光電変換効率との関係から、太陽電池100を製造する上での最適値として決定される。ただし、p型半導体層102におけるp型イオンの濃度は、少なくとも基体101におけるp型イオンの濃度より高くなっているものとする。p型イオンの濃度の高いp層を、裏面電極106と基体101との間に設けることにより、裏面電極106と基体121との間において、電場が弱まり、電気抵抗が低減される。
次に、第一工程を経て、p型イオンが注入された基体101に対し、第一アニール処理を行う(第二工程)。第一アニール処理は、図4に示すアニール処理装置300を用いて行う。
図4は、第一アニール処理工程および後述する第二アニール処理工程に用いるアニール装置300の概略構成を示す図である。アニール装置300は、第一バッファ室302と、第一加熱室303と、第二加熱室304と、第三加熱室305と、第二バッファ室306とで構成される。
アニール装置300によるアニール処理は、以下の第一〜第五ステップを経て行われる。すなわち、第一ステップとして、第一加熱室303が所望の昇温状態となるまで、被処理基板(基体)301を、窒素(N)ガスが供給された第一バッファ室302に待機させる。次に、第二ステップとして、酸素ガス(O)が供給された第一加熱室303において、ランプを用いて、600℃で基体301を加熱する。次に、第三ステップとして、酸素ガス(O)が供給された第二加熱室304において、ランプを用いて、所望のアニール温度で基体301を加熱する。次に、第四ステップとして、第三加熱室305において、室温になるように、基体301を冷却する。そして、第五ステップとして、アニール装置300からの搬出準備ができるまで、基体301を、窒素(N)ガスが供給された第二バッファ室306に待機させる。
第一アニール処理の条件は、基体内部における、P型イオンの拡散係数に応じた最適な条件として決定される。すなわち、第一アニール処理の温度は、900℃以上であることが望ましい。また、第一アニール処理にかける時間は、30分〜60分程度であることが望ましい。
図5は、p型イオンの注入量とp型半導体層のシート抵抗の関係を示すグラフである。縦軸はp型半導体層のシート抵抗、横軸はBイオンの注入量を示している。ここでは、p型イオンの一例として、Bイオンを用いている。光電変換効率は、p型半導体層のシート抵抗が75[Ω/cm]であるときに最大になることが、別実験で確認されている。したがって、図5のグラフより、シート抵抗が75[Ω/cm]を与える注入量、すなわち1.5E15[dose/cm]が、太陽電池を製造する上での最適値であることが確認できる。
次に、第二工程において第一アニール処理された、基体101の一方の主面101aに、リン(P)等のn型イオンを注入する(第三工程)。n型イオンの注入は、図3に示イオン注入装置200を用いて行う。
ここで、n型イオンの注入量は、後述する第二アニール処理後のn型半導体層103のシート抵抗と、結晶太陽電池の光電変換効率との関係から、太陽電池100を製造する上での最適値として決定される。
なお、第一アニール処理の際に、基体101の表面に酸化膜が形成される。この酸化膜中に含まれる酸素イオンは、基体101の内部に拡散し、再結合中心として機能することにより、光電変換効率を低下させる。したがって、第二工程と第三工程の間、すなわち、第一アニール処理してからPイオンを注入するまでの間に、基体101の表面に形成された酸化膜を、フッ酸処理(第一HF処理)を行って除去することが望ましい。
次に、第三工程を経て、n型イオンが注入された基体101に対し、図4のアニール処理装置を用いて、第二アニール処理を行う(第四工程)。
第二アニール処理の条件は、基体内部における、n型イオンの拡散係数に応じた最適な条件として決定される。すなわち、第二アニール処理の温度は、870℃以下であることが望ましく、少なくとも第一アニール処理の温度より低いものとする。また、第二アニール処理にかける時間は、30分程度であることが望ましい。
図6は、n型イオンの注入量とn型半導体層のシート抵抗の関係を示す、2本のグラフからなる。縦軸はn型半導体層のシート抵抗、横軸はPイオンの注入量を示している。ここでは、n型イオンの一例として、Pイオンを用いている。2本のグラフ(上側、下側)は、それぞれ第二工程と第三工程の間に、HF処理を行わなかった場合と行った場合とに対応する。図6のグラフによれば、HF処理を行わなかった場合は、HF処理を行った場合に比べて、n型半導体層のシート抵抗が高くなっている。これは、HF処理を行わなかった場合には、第一アニール処理の際に、基材101の主面に形成された酸化膜が残存し、第三工程において基体101に注入されたPイオンの拡散を妨げていることに起因する。
n型イオンの注入量は、シート抵抗が低くなるように決定される。注入量とシート抵抗との関係が、図6のグラフに示されている。光電変換率は、シート抵抗が55[Ω/cm]であるときに最大になることが、別実験で確認されている。したがって、図6のグラフより、シート抵抗が55[Ω/cm]を与える注入量が、太陽電池を製造する上での最適値となる。すなわち、上述の第一フッ酸処理を行った場合には、5E15[dose/cm]、行わなかった場合には9E15[dose/cm]が最適値となる。
なお、第二アニール処理の際に、基体101の表面に酸化膜が形成される。この酸化膜中に含まれる酸素イオンは、基体101の内部に拡散し、再結合中心として機能することにより、光電変換効率を低下させる。したがって、第四工程後、すなわち、第二アニール処理して以降、基体101の表面に形成された酸化膜を、フッ酸(HF)を用いて除去(第二HF処理)することが望ましい。


次に、絶縁膜形成工程としてSiN膜を、基体の一方の主面101aに、n層を覆うように形成する。SiN膜は、反射防止膜として機能する膜であり、プラズマCVD法を用いて形成することができる。本実施形態においては、SiN膜の膜厚を80[nm]としている。
次に、電極形成工程として受光面電極105を、SiN膜を貫通し、n層と電気的に接続されるように形成する。受光面電極105を構成する材料としては、例えば銀(Ag)を用いることができ、ファイヤースルー(焼成貫通)法を用いて形成される。
電極形成工程として、さらに裏面電極106を、基体の他方の主面101bに、p層を覆うように形成する。裏面電極106を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)を用いることができ、スクリーン印刷法により形成される。
以上説明した製造方法により製造された、太陽電池の特性を図7、8に示す。図7は、Bイオンの注入量と光電変換効率との関係を示すグラフである。縦軸は光電変換効率、横軸はBイオンの注入量を示している。グラフによれば、Bイオンの注入量を1.5E15[dose/cm]としたときに、最大の光電変換効率が得られている。そして、Bイオンの注入量が1E15〜3E15[dose/cm]の範囲にあれば、最大の光電変換効率に対して5%以内の差の光電変換効率が得られる。したがって、Bイオンの注入量については、1E15〜3E15[dose/cm]が、太陽電池を製造する上での最適値となる。
図8は、Pイオンの注入量と光電変換効率との関係を示すグラフである。縦軸は光電変換効率、横軸はPイオンの注入量を示している。グラフによれば、Pイオンの注入量を4.5E15[dose/cm]としたときに、最大の光電変換効率が得られている。そして、Pイオンの注入量が2E15〜7E15[dose/cm]の範囲にあれば、最大の光電変換効率に対して5%以内の差の光電変換効率が得られる。したがって、Pイオンの注入量については、2E15〜7E15[dose/cm]が、太陽電池を製造する上での最適値となる。
表1は、異なるプロセス条件を用いた4つの実験例において、製造される結晶太陽電池の光電変換効率をまとめたものである。実験例1は、p型半導体層、n型半導体層の形成後にHF処理を行わないプロセスを用いた例である。すなわち、実験例1は、図2(a)に示した6つの工程を含む、従来プロセスを用いた例に対応する。実験例1のプロセス条件により製造された結晶太陽電池の光電変換効率は15.2[%]となっている。
これに対し、実験例2は、p型半導体層形成後に第一HF処理を行い、n型半導体層形成後に第二HF処理を行うプロセスを用いた例である。すなわち、実験例2は、図2(b)に示した9つの工程を含む、第一実施形態のプロセスを用いた例に対応する。そして、実験例3、4は、それぞれ、第一実施形態のプロセスのうち、第一HF処理工程を除いたプロセス、第二HF処理工程を除いたプロセスを用いた例に対応する。実験例2のプロセスにより製造された結晶太陽電池の光電変換効率は最大の18.2[%]となっている。そして、実験例3、4のプロセスにより製造された結晶太陽電池の光電変換効率は、それぞれ17.5[%]、17.2[%]となっている。
Figure 0005933198
光電変換効率をより向上させるためには、結晶太陽電池を、図2(b)に示した9つの工程全てを含むプロセスにより製造することが望ましい。しかしながら、第一HF処理工程および第二HF処理工程を除いたプロセスにより製造しても、従来プロセスにより製造した場合に比べて、高い光電変換効率が得られる。
実験例2と比べて、実験例3、4による光電変換効率が低いのは、アニール処理の際に、基板の主面に酸化膜が形成されることに起因する。すなわち、結晶太陽電池を、第一HF処理工程を除いたプロセス、第二HF処理工程を除いたプロセスにより製造する場合、第一アニール処理、第二アニール処理の際に、基体の主面に形成された酸化膜が残存する。そして、残存する酸化膜中の酸素イオンがシリコン中に拡散し、拡散した酸素イオンが、再結合中心として機能することにより、結晶太陽電池の光電変換効率を低下させる。また特に、結晶太陽電池を、第二HF処理工程を除いたプロセスにより製造する場合、第二アニール処理の際に形成されて、残存する酸化膜中に含まれたPイオンが、SiNx膜に侵入し、SiN膜の絶縁膜としての特性を低下させる。
図9は、従来のプロセス、すなわちp型イオン、n型イオンの両方を行った後に、アニール処理を行うプロセスにより製造された結晶太陽電池について、アニール処理温度と光電変換効率との関係を示すグラフである。縦軸は光電変換効率、横軸はアニール処理温度を示している。p型イオンとしてはBイオンを、n型イオンとしてはPイオンを用いている。
グラフによれば、アニール処理温度を900℃とした場合に、光電変換効率が最大値をとることが分かる。ところが、ここでの光電変換効率の最大値15.2[%]は、上述した第一実施形態のプロセスにより製造される、結晶太陽電池の光電変換効率の最大値18.2よりも低い。
アニール処理温度900℃は、Bイオンに対しては低めのプロファイルを形成させる温度となるが、Pイオンに対しては高すぎるため、Pイオンが基体101内部の深い位置に分布が広がったプロファイルを形成させる温度となる。すなわち、光電変換効率を得るためには、Bイオン、Pイオンのそれぞれに対して個別に、最適な温度でアニール処理を行うことが必要である。
第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型イオン注入後とn型イオン注入後の両方にアニール処理を行う。したがって、アニール処理の条件を、Bイオン、Pイオンそれぞれに対して、個別に設定することができる。すなわち、基体内部における、p型イオン、n型イオンそれぞれの拡散係数に応じた最適な条件により、アニール処理を行うことができる。したがって、結晶基板の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化することができる。
また、第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型イオン、n型イオンを注入する際の結晶基板の主面には、絶縁膜が形成されていない。そのため、BイオンとPイオンを、結晶基板に直接注入することが可能となり、注入エネルギーを低く抑えることができる。低エネルギーで注入されたp型イオン、n型イオンは、それぞれ結晶基板の他方の主面、一方の主面の近傍に高濃度で分布する。
そして、p型イオンおよびn型イオンの注入エネルギーを低くすることにより、一部のイオンが注入されずに、それぞれ他方の主面および一方の主面に堆積する。そのため、続いて行われるアニール処理により、主面から極めて浅い位置にp型イオンまたはn型イオンを分布させることができる。したがって、結晶基板の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化することができる。
また、第一実施形態に係る結晶太陽電池の製造方法によれば、p型イオンおよびn型イオンを低エネルギーで注入することにより、結晶基板が受けるイオンダメーシを小さく抑えることができ、アニール処理による結晶性の回復が容易となる。したがって、結晶基板の他方の主面および一方の主面に、それぞれ備えたp型半導体層およびn型半導体層を低抵抗化することができる。
図10は、シート抵抗と光電変換効率の関係を示すグラフである。縦軸は光電変換効率、横軸はシート抵抗を示している。通常のイオン注入量により得られるシート抵抗の範囲において、シート抵抗が小さいほど光電変換効率が大きくなっている。したがって、上述のように、結晶基板の他方の主面(裏面)に備えたp型半導体層、および一方の主面(受光面)に備えたn型半導体層を、それぞれ低抵抗化することにより、光電変換効率を向上させた結晶太陽電池を製造することができる。
本発明は、結晶シリコンを用いた太陽電池の光電変換効率を高める場合に対し、広く適用することが出来る。
100・・・結晶太陽電池、101・・・基体、101a、101b・・・主面、
102・・・p型半導体層、103・・・n型半導体層、
104・・・窒化膜。

Claims (5)

  1. 光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、
    前記結晶基板として、p型の単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、
    前記基体の裏面をなす他方の主面側に、p型のイオンを注入して、p型半導体層を形成する第一工程と、前記基体に対して、第一アニール処理を行う第二工程と、前記基体の受光面をなす一方の主面側に、n型のイオンを注入して、n型半導体層を形成する第三工程と、前記基体に対して、第二アニール処理を行う第四工程と、を順に少なくとも備え、
    さらに、前記第二工程と前記第三工程との間に、前記第一アニール処理の際に前記基体の表面に形成された酸化膜を、該酸化膜中に含まれる酸素イオンが前記基体の内部に拡散することを防ぐために、除去する工程Aと、前記第四工程の後に、前記第二アニール処理の際に前記基体の表面に形成された酸化膜を、該酸化膜中に含まれる酸素イオンが前記基体の内部に拡散することを防ぐために、除去する工程Bの両方、またはそのいずれか一方を有し、
    前記第一アニール処理および前記第二アニール処理は、酸素ガスが供給された加熱室において、それぞれ行う、ことを特徴とする結晶太陽電池の製造方法。
  2. 前記第二工程の温度は、前記第四工程の温度より高い、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  3. 前記第二工程の温度は900℃以上である、ことを特徴とする請求項2に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  4. 前記第四工程の温度は870℃以下である、ことを特徴とする請求項2または3に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  5. 前記第一工程において、前記基体の二つの主面にテクスチャーを形成したものを用いる、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶太陽電池の製造方法。
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