JP5962581B2 - 変速機の潤滑装置 - Google Patents

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Description

この発明は、変速機における摺動部分や発熱部分にオイルを供給してそれらの部分を潤滑および冷却するための潤滑装置に関するものである。
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、入力軸と出力軸との間に、有段式変速機とベルト式無段式変速機とが並列に配置された動力伝達装置が記載されている。上記の出力軸の内部には、その回転中心軸線方向に沿って有底円筒形状の中空部が形成されており、その中空部内に、該中空部の内径よりも小さい外径のパイプが挿入されている。そのパイプの内部空間は、トルクの伝達経路を切り替えるクラッチの油圧室に対して高い圧力に調圧された油圧を供給する油路とされ、パイプと中空部との間は、各変速機の摺動部位や発熱部位に潤滑および冷却のためのオイルを供給する油路とされている。このパイプの一端部は出力軸から延び出ており、その出力軸から延び出ている部分に円板状のプレートが取り付けられている。そして、このプレートをボルトによって変速機のケーシングに固定することにより、上記のパイプがケーシングに固定されている。
また、特許文献2に記載されているベルト式無段変速機では、各プーリシャフトが中空材によって形成されている。それらのプーリシャフトにおける一方の端部側に、可動シーブの背面に形成された油圧室に油圧を供給するための作動油供給孔が形成されており、他方の端部側に、ベルトとプーリとの接触面や軸受を潤滑するための潤滑油供給孔が形成されている。上記のプーリシャフトにおける一方の端部に、有底円筒形状のスリーブが前記一方の端部側に開口して嵌め込まれている。そのスリーブには、半径方向に貫通する孔が形成されており、その孔が上記の作動油供給孔に対向して配置されている。つまり、プーリシャフトの一方の端部に供給されたオイルは、スリーブを介して可動シーブの油圧室に供給され、プーリシャフトの他方の端部に供給されたオイルは、潤滑油供給孔を介して上述した接触面や軸受に供給されるようになっている。
特開2004−257408号公報 特許第4894571号公報
上記の特許文献1に記載された構成では、上記のパイプに取り付けたプレートがボルトによってケーシングに固定されるので、ケーシングにはボルトを取り付けるための部分が必要になり、その分、ケーシングが大きくなる可能性がある。またその場合には、ケーシングにネジ山を形成する必要があるので、加工工数や加工コストが増大する可能性がある。さらに、特許文献2に記載された構成では、プーリシャフトの両端部のそれぞれから油圧が供給されるため、ベルト式無段変速機を収容するケーシング内において、上記の各端部側に油路を設ける必要がある。そのためベルト式無段変速機におけるプーリシャフトの軸線方向の長さが長くなって装置全体としての構成が大型化する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、変速機における回転軸内に油路が構成され、しかも、装置全体としての体格の増大を抑制することができる潤滑装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源が出力したトルクが入力される入力軸とトルクを出力する出力軸との間に、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機構が所定のケーシング内に収容されており、かつ、前記出力軸の内部であってその回転中心軸線方向に中空部が形成され、その中空部にパイプが挿入されるとともにそのパイプ内に第1油路が形成され、前記パイプの外周面と前記中空部の内壁面との間に第2油路が形成され、前記中空部に挿入される前記パイプにおける一端部とは反対側の他端部に、該他端部が挿入されかつ前記パイプを前記ケーシングに対して回転自在に支持するプレートが設けられている変速機の潤滑装置において、前記プレートに対向する前記ケーシングの内壁面に形成されるとともに前記プレートの外径よりも大径でかつ前記プレートが嵌め合わされる嵌め合い部と、その嵌め合い部に嵌め合わされている前記プレートの外周面とこれに対向する前記嵌め合い部の内周面との間の空間の少なくとも一部が前記ケーシング内に連通した状態で前記プレートを前記嵌め合い部に抜け止めする固定部材と、前記パイプの他端部の外周面に対向する前記プレートの内周面に形成されてかつ前記第2油路に連通する溝部とを備え、前記プレートと前記嵌め合い部における内壁面との間にオイルを供給することにより、前記溝部を介して前記第2油路に前記オイルが供給されると共に前記空間を介して前記ケーシング内に前記オイルが供給されるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記プレートは、前記パイプの他端部が挿入されるとともにその内周面に前記溝部が形成されている円筒部と、前記溝部に連通する他の溝部が半径方向に形成されている円板状の固定部とを備え、前記固定部における前記他の溝部が形成されている面とその面に対向する前記嵌め合い部における内壁面との間に前記オイルを供給することにより、前記他の溝部と前記溝部とを介して前記第2油路に前記オイルが供給されると共に前記空間を介して前記ケーシング内に前記オイルが供給されるように構成されていることを特徴とする変速機の潤滑装置である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記固定部材は、スナップリングを含むことを特徴とする変速機の潤滑装置である。
この発明によれば、プレートは、該プレートよりも大径の嵌め合い部に嵌め合わされる。そして、プレートは、その外周面とこれに対向する嵌め合い部の内周面との間の空間の少なくとも一部がケーシング内に連通されている状態で固定部材によって上記のプレートが嵌め合い部に抜け止めされる。つまり、ボルトやネジなどによってプレートをケーシングに固定する場合に比較して、簡易な構成でプレートをケーシングに固定することができる。また、このプレートと嵌め合い部との間にオイルを供給すると、そのオイルの少なくとも一部は上記の空間を介してケーシング内に供給されるとともに、プレートの内周面に形成された溝部を介して第2油路に供給される。つまりこの発明によれば上記の空間を第3の油路として機能させることができるので、ケーシング内にオイルを供給する油路を増やすことができる。また、固定部材は、上記の空間の少なくとも一部をケーシング内に連通した状態でプレートを嵌め合い部に抜け止めするため、油路が一つ増えるとしても部品点数の増加がない。そのため、装置全体としての体格の増大を防止もしくは抑制することができる。
この発明に係る潤滑装置の一例を模式的に示す図である。 この発明におけるプレートの一例を模式的に示す図である。 この発明で対象とすることのできる変速機の一例を示す模式図である。
つぎに、この発明を具体的に説明する。図3に、この発明で対象とすることのできる車両用変速機1の一例を示してあり、この変速機1は、駆動力源としての内燃機関(以下、エンジンと記す)2の出力側に連結されて用いられる。具体的には、エンジン2の出力軸にロックアップクラッチ付のトルクコンバータ3が連結されている。このトルクコンバータ3は従来広く知られている構成のものであって、フロントカバー4と一体のポンプインペラー5に対向してタービンランナー6が配置され、これらポンプインペラー5とタービンランナー6との間には、図示しない一方向クラッチを介して保持されたステータ7が配置されている。そのタービンランナー6と一体となって回転するロックアップクラッチ8がフロントカバー4の内面に対向して配置され、ロックアップクラッチ8を挟んだ両側の圧力差に応じてロックアップクラッチ8がフロントカバー4の内面に接触してトルクを伝達する係合状態になり、また反対にフロントカバー4の内面から離れてトルクの伝達を遮断する解放状態になるように構成されている。そして、そのタービンランナー6に入力軸9が連結されている。
入力軸9と同一軸線上に前後進切替機構10が配置されている。この前後進切替機構10は、入力軸9から伝達されたトルクをその方向を変えずに伝達する前進状態と、入力軸9から伝達されたトルクをその方向を反転して伝達する後進状態とに切り替えるための機構であり、この発明では三つの回転要素が互いに差動作用をなすいわゆる差動機構によって構成されている。この種の差動機構は従来、種々知られており、この発明ではいずれの差動機構も採用することができる。図1に示す例では、ダブルピニオン型の遊星歯車機構によって前後進切替機構10が構成されている。
ダブルピニオン型の遊星歯車機構は外歯歯車であるサンギヤ11と、そのサンギヤ11と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ12と、サンギヤ11に噛み合っている第1ピニオンギヤ13と、その第1ピニオンギヤ13ならびにリングギヤ12に噛み合っている第2ピニオンギヤ14と、これら第1および第2のピニオンギヤ13,14を自転かつ公転可能に保持しているキャリヤ15とを備えている。そのキャリヤ15に入力軸9が連結されていてキャリヤ15が入力要素となっている。また、リングギヤ12の回転を選択的に止めるブレーキ機構Bが設けられ、したがってリングギヤ12が反力要素となっている。このブレーキ機構Bは、リングギヤ12とケーシング16との間に設けられており、多板ブレーキなどの摩擦式ブレーキや噛み合い式のブレーキによって構成することができる。
そして、サンギヤ11が出力要素となっており、このサンギヤ11とキャリヤ15もしくは入力軸9との間にこれらサンギヤ11およびキャリヤ15を連結して遊星歯車機構の全体を一体回転させるための第1クラッチ機構C1が設けられている。この第1クラッチ機構C1は前進走行状態を設定するためのものであって、フォワードクラッチと称することのできるクラッチである。この第1クラッチ機構C1は要はトルクの伝達および遮断を選択的に行うことができるものであればよいので、摩擦クラッチや噛み合いクラッチのいずれであってもよいが、係合力に応じて伝達トルク容量が次第に増大もしくは減少する湿式もしくは乾式の摩擦クラッチによって構成されていることが好ましい。また、第1クラッチ機構C1は、要は、前後進切替機構10を構成している遊星歯車機構における三つの回転要素のうちの少なくとも二つの回転要素を連結して遊星歯車機構の全体を一体化させるように構成されていればよい。
入力軸9のエンジン2側とは反対側の端部に、ベルト式の無段変速機構(CVT)17が配置されている。CVT17は、従来知られている構成のものと同様のものであり、すなわち、駆動側部材であるプライマリプーリ17aと、従動側部材であるセカンダリプーリ17bと、これらのプーリ17a,17bに巻き掛けられたベルト17cとを備えており、各プーリ17a,17bはベルト17cが巻き掛けられている溝の幅を広狭に変化させることによりベルト17cの巻き掛け半径が大小に変化するように構成されている。すなわち、ベルト17cが巻き掛けられている溝幅を変化させて変速比を変更するように構成されている。
上記のプライマリープーリ17aと一体のプライマリシャフト17dが、入力軸9に連結されている。また、セカンダリプーリ17bは、その回転中心軸線が上記のプライマリプーリ17aの回転中心軸線と平行になるように配置されている。また、セカンダリプーリ17bの回転中心軸線に沿うように設けられたセカンダリシャフト17eを備えている。そして、セカンダリシャフト17eと同一軸線上に、出力軸18が配置されている。したがって、この出力軸18は、前述した入力軸9と平行になっている。
そして、この出力軸18とセカンダリシャフト17eとの間に、これら出力軸18とセカンダリシャフト17eとを選択的に連結する第2クラッチ機構C2が設けられている。この第2クラッチ機構C2は、セカンダリプーリ17bと出力軸18との間でのトルクの伝達および遮断を選択的に行うことができるものであればよい。したがって、摩擦クラッチや噛み合いクラッチのいずれであってもよい。ただし、係合力に応じてトルク容量が次第に増大もしくは減少する摩擦クラッチによって構成されていることが好ましい。
つぎに上記のCVT17と並列に配置されているギヤ列19について説明する。このギヤ列19は、CVT17で設定可能な最大変速比より大きい変速比を設定する減速機構として構成されている。したがって、上記の変速機1は、上記のCVT17を備えた伝動経路、すなわち、入力軸9からCVT17のプライマリプーリ17aおよびセカンダリプーリ17bを介して出力軸18に至る伝動経路と、上記のギヤ列19からなる伝動経路、すなわち、入力軸9からこのギヤ列19を介して出力軸18に至る伝動経路との2つの伝動経路を備えている。
より具体的に説明すると、ギヤ列19は、入力軸9および出力軸18のそれぞれに対して平行に配置されたカウンタ軸20を有している。このカウンタ軸20が、この発明における中間軸に相当している。カウンタ軸20の一方の端部には、カウンタドリブンギヤ21がカウンタ軸20と一体回転するように取り付けられている。そして、このカウンタドリブンギヤ21に、上述の前後進切替機構10の出力要素であるサンギヤ11と一体回転する駆動ギヤ22が噛み合っている。カウンタドリブンギヤ21は、駆動ギヤ22よりも大径の歯車である。そのため、駆動ギヤ22からカウンタドリブンギヤ21への方向には、トルクが増幅されて伝達されるようになっている。
カウンタ軸20の他方の端部には、カウンタドライブギヤ23がカウンタ軸20と一体回転するように取り付けられている。このカウンタドライブギヤ23は、上記のカウンタドリブンギヤ21よりも小径の歯車である。そして、このカウンタドライブギヤ23に、上述の出力軸18上で出力軸18に対して相対回転できるように配置された従動ギヤ24が噛み合っている。この従動ギヤ24はカウンタドライブギヤ23よりも大径の歯車である。そのため、カウンタドライブギヤ23から従動ギヤ24への方向には、トルクが増幅されて伝達されるようになっている。したがって、ギヤ列19の変速比(ギヤ比)は、上記の駆動ギヤ22とカウンタドリブンギヤ21との間の変速比と、カウンタドライブギヤ23と従動ギヤ24との間の変速比を乗算した変速比となる。この図1に示す例では、ギヤ列19の変速比は、上述したように、CVT17の最大変速比よりも大きくなるように構成されている。上記のカウンタドリブンギヤ21およびカウンタドライブギヤ23がこの発明におけるアイドルギヤに相当している。
さらに、従動ギヤ24を出力軸18に動力伝達可能に連結した状態と、従動ギヤ24と出力軸18との間の動力伝達を遮断した状態とを選択的に設定するための噛み合い式係合機構D1が設けられている。すなわち、前述した第1クラッチ機構C1に対して、トルクの伝達方向で下流側に第1クラッチ機構C1と直列に噛み合い式係合機構D1が配置され、この噛み合い式係合機構D1が係合することにより、ギヤ列19が出力軸18に対してトルクを伝達できる状態が成立するようになっている。この噛み合い式係合機構D1は、例えば可動スリーブの内周面に形成されたスプライン歯と、ハブもしくはボス部の外周面に形成されたスプライン歯とを噛み合わせてトルクを伝達する機構であり、したがって係合および開放の2つの状態に切り替わるように構成された係合機構である。すなわち、噛み合い式係合機構D1は、ドグクラッチやシンクロナイザーなどと称されている機構である。この噛み合い式係合機構D1を以下の説明では、ドグクラッチD1と記す。この図1に示す例では、ドグクラッチD1は、従動ギヤ24のボス部に形成されたスプライン歯と、出力軸18のハブに形成したスプライン歯とにスリーブの内周面に形成されたスプライン歯を噛み合わせることにより、従動ギヤ24を出力軸18に連結するシンクロナイザーによって構成されている。なお、そのスリーブは適宜のアクチュエータによって前後動させることができ、そのアクチュエータは油圧によって動作する油圧アクチュエータであってよい。
また、出力軸18からギヤ列19およびデファレンシャル25を介してドライブシャフト26にトルクを出力するように構成されている。すなわち、出力軸18のCVT17とは反対側の端部に、出力ギヤ27が取り付けられている。この出力ギヤ27に噛み合っている大径ギヤ28が、減速ギヤシャフト29の一方の端部に取り付けられている。減速ギヤシャフト29の他方の端部には、小径ギヤ30が取り付けられている。この小径ギヤ30が、デファレンシャル25のリングギヤ31に噛み合っている。そして、デファレンシャル25は、そのリングギヤ31を介して伝達されたトルクを、左右のドライブシャフト26から駆動輪(図示せず)に伝達するように構成されている。
上記の変速機1は、前進方向に発進する場合および後進走行する場合に、ギヤ列19を備えたトルク伝達経路すなわちこの発明における第2トルク伝達経路を経由して出力軸18にトルクを伝達し、ある程度車速が増大した状態での前進走行時にはCVT17を備えたトルク伝達経路すなわちこの発明における第1トルク伝達経路を経由して入力軸9から出力軸18にトルクを伝達するように制御される。例えば、図示しないシフト装置もしくはシフトレバーによってドライブポジションが選択されると、第1クラッチ機構C1とドグクラッチD1とが係合させられ、また第2クラッチ機構C2とブレーキ機構Bとが解放させられる。
図1に、この発明に係る潤滑装置の一例を模式的に示してあり、上記の変速機1の出力軸18は軸受32を介してケーシング16に設けられている。この出力軸18の内部には、その回転中心軸線に沿って中空部33が形成されており、この中空部33に、その内径よりも小さい外径のパイプ34が挿入されている。つまり中空部33がパイプ34によって半径方向に二分されており、パイプ34内がこの発明における第1油路とされ、パイプ34の外周面と中空部33の内壁面との間の部分がこの発明における第2油路とされている。このパイプ34の一端部は、出力軸18の端部から延び出ており、その外周面に取り付けられたプレート35を介してケーシング16に支持されている。そのプレート35は、プレート35の外径よりも大径に、ケーシング16に形成された嵌め合い部36に嵌め合わされた状態でスナップリング37によって抜け止めされている。このスナップリング37は従来知られている構成のものであって、詳細は図示しないが、その円周方向の少なくとも一部が開口している。そのため、嵌め合い部36にプレート35が嵌め合わされることによって、それらの半径方向で嵌め合い部36とプレート35の外径との間に形成される空間がスナップリング37の開口部を介してケーシング16内に連通されるようになっている。上記のスナップリング37がこの発明における固定部材に相当している。
上記のパイプ34の一端部は、図1に示すように、ケーシング16に形成された高油圧油路38に連通されており、パイプ34の他端部は、詳細は図示しないが、第2クラッチ機構C2やドグクラッチD1に連通されている。つまり、パイプ34を介して第2クラッチ機構C2やドグクラッチD1に高い圧力に調圧された油圧を供給し、また排出するように構成されている。このパイプ34の外周面とケーシング16との間にはシール部材39が設けられている。
一方、パイプ34の外側部分と中空部33の内周面との間の部分はすなわち第2油路は、ケーシング16に形成された低油圧油路40に連通されている。具体的には、上記の嵌め合い部36に低油圧油路40が連通されており、その低油圧油路40からプレート35と嵌め合い部36との間や、後述するプレート35に形成された溝に低い圧力に調圧された油圧が供給されるようになっている。また、第2油路は出力軸18に形成された孔(図示せず)を介してケーシング16内に連通されている。つまり第2油路を流通する低い圧力の油圧が上述した孔からケーシング16内の摺動部分や発熱部分に供給されることにより、それらの部分が潤滑および冷却されるようになっている。
図2に、上述したプレート35の一例を模式的に示してあり、図2の(a)はプレート35の正面図であって、図2の(b)はプレート35の断面図である。プレート35は、図2に示すように、上述した嵌め合い部36に嵌まり合う円板部41と、パイプ34が挿入される円筒部42とを備えている。その円板部41の外径は、嵌め合い部36の内径よりも小さく形成されており、そのため、円板部41の外周面と、これに対向する嵌め合い部36の内壁面との間には空間が形成される。この空間は上述したように、スナップリング37の開口部を介してケーシング16内に連通されている。
また、円板部41おける半径方向で内側の部分は、ケーシング16に接触するように構成されており、この内側部分が固定部41aとされている。より具体的に説明すると、出力軸18の回転中心軸線方向における固定部41aの厚みは、円板部41の外側部分に比較して増大されており、この固定部41aにおける軸線方向での側面が嵌め合い部36の内壁面すなわちケーシング16に接触するようになっている。一方、この固定部41aよりも外側部分は薄肉に形成されているため、固定部41aがケーシング16に接触している状態では、その外側部分と嵌め合い部36の内壁面との間に空間が形成される。この空間は上述した低油圧油路40に連通されている。また固定部41aには、その半径方向に予め定めた間隔をあけて複数の溝41bが形成されており、それらの溝41bは円筒部42に連通されている。そのため、上述した空間に低油圧油路40から油圧が供給されると、その油圧は溝41bを介して円筒部42に供給されるとともに、円板部41の外周面とこれに対向する嵌め合い部36の内壁面との間の空間に供給され、さらに、スナップリング37の開口部を介してケーシング16内に供給される。
上記の円筒部42の内径はパイプ34の外径よりも大径に形成されており、したがってこれら円筒部42とパイプ34との間に空間が形成されている。また、円筒部42の内周面には、その軸線方向に沿って溝42aが形成されており、その溝42aは、上述したように、円板部41の溝41bに連通されている。つまり、低油圧油路40から円板部の溝41bに油圧が供給されると、その油圧は円筒部42の溝42aを介して第2油路に供給されるようになっている。
したがって、上記のように構成された自動変速機1の潤滑装置では、スナップリング37によってプレート35を嵌め合い部36に抜け止めするため、ネジやボルトによってプレート35をケーシング16に固定する場合に比較して、回転中心軸線方向における装置の体格の増大を防止もしくは抑制することができる。また、ネジ山を形成しないので、その分、加工コストの増大を防止もしくは抑制することができる。さらに、スナップリング37はその円周方向の一部が開口しているので、その開口部を介して上記のプレート35の外周面と嵌め合い部36の内壁面との間の空間をケーシング16内に連通させることができる。つまり、上述した円板部41の外周面とこれに対向する嵌め合い部36の内壁面との間の空間やスナップリング37の開口部が第3油路として機能する。このように上記のように構成された自動変速機1の潤滑装置では、スナップリング37によってプレート35を嵌め合い部36に抜け止めすることにより、変速機1の摺動部位や発熱部位に対してこれらを潤滑および冷却するためのオイルを供給する油路を一つ増やすことができる。また、嵌め合い部36はプレートよりも大径に形成されているため、スナップリング37の開口部の位置によらずに、上記の第3油路を形成することができる。
1…変速機、 2…駆動力源、 9…入力軸、 16…ケーシング、 17…ベルト式無段変速機、 18…出力軸、 19…ギヤ列、 33…中空部、 34…パイプ、 35…プレート、 36…嵌め合い部、 41…円板部、 41a…固定部、 41b…溝部、 42…円筒部、 42a…溝部。

Claims (3)

  1. 駆動力源が出力したトルクが入力される入力軸とトルクを出力する出力軸との間に、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機構が所定のケーシング内に収容されており、かつ、前記出力軸の内部であってその回転中心軸線方向に中空部が形成され、その中空部にパイプが挿入されるとともにそのパイプ内に第1油路が形成され、前記パイプの外周面と前記中空部の内壁面との間に第2油路が形成され、前記中空部に挿入される前記パイプにおける一端部とは反対側の他端部に、該他端部が挿入されかつ前記パイプを前記ケーシングに対して回転自在に支持するプレートが設けられている変速機の潤滑装置において、
    前記プレートに対向する前記ケーシングの内壁面に形成されるとともに前記プレートの外径よりも大径でかつ前記プレートが嵌め合わされる嵌め合い部と、
    その嵌め合い部に嵌め合わされている前記プレートの外周面とこれに対向する前記嵌め合い部の内周面との間の空間の少なくとも一部が前記ケーシング内に連通した状態で前記プレートを前記嵌め合い部に抜け止めする固定部材と、
    前記パイプの他端部の外周面に対向する前記プレートの内周面に形成されてかつ前記第2油路に連通する溝部とを備え、
    前記プレートと前記嵌め合い部における内壁面との間にオイルを供給することにより、前記溝部を介して前記第2油路に前記オイルが供給されると共に前記空間を介して前記ケーシング内に前記オイルが供給されるように構成されている
    ことを特徴とする変速機の潤滑装置。
  2. 前記プレートは、前記パイプの他端部が挿入されるとともにその内周面に前記溝部が形成されている円筒部と、前記溝部に連通する他の溝部が半径方向に形成されている円板状の固定部とを備え、
    前記固定部における前記他の溝部が形成されている面とその面に対向する前記嵌め合い部における内壁面との間に前記オイルを供給することにより、前記他の溝部と前記溝部とを介して前記第2油路に前記オイルが供給されると共に前記空間を介して前記ケーシング内に前記オイルが供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑装置。
  3. 前記固定部材は、スナップリングを含むことを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑装置。
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