JP5960497B2 - ポリプロピレン系材料の製造方法及びポリプロピレン系材料 - Google Patents

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本発明は、ポリプロピレン系材料の製造方法及びポリプロピレン系材料に関する。
ポリプロピレン系材料は、機械的強度が高く、耐熱性にも優れているため、幅広い分野で使用されている。ポリプロピレン系材料の機械的強度をさらに高める方法としては、ポリプロピレン系材料の結晶化度を高める方法などが知られている。また、ポリプロピレン系材料の耐熱性をさらに高める方法としては、ポリプロピレン系材料を延伸することなどにより、ポリプロピレン系材料中の分子鎖を配向させて、ポリプロピレン系材料の融解ピーク温度を高める方法などが知られている。
例えば、特許文献1では、20℃/分の昇温速度で求められる示差熱分析の融解ピーク温度がTm(℃)であるポリプロピレン予備成形体を、Tm−15(℃)からTm(℃)までの範囲の温度に昇温し、加熱して熱処理することにより、ポリプロピレン成形体の剛性及び耐熱性を向上させることが提案されている。
特開2011−195830号公報
延伸されたポリプロピレン系材料を加熱することにより、融解ピーク温度以上にすると、延伸によって高められた分子鎖の配向性が低下して、ポリプロピレン系材料の融解ピーク温度を高めることは困難であると考えられている。また、特許文献1においても、熱処理に供するポリプロピレン予備成形体の配向性は、できるだけ低いことが望ましいとされている。
このような状況下、ポリプロピレン系材料の融解ピーク温度を高め、耐熱性を高めることができる、ポリプロピレン系材料の製造方法が求められている。
本発明は、ポリプロピレン系材料の耐熱性を向上し得る、ポリプロピレン系材料の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明に係るポリプロピレン系材料の製造方法は、少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料を、示差走査熱量測定における延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm+5℃を超えて融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する融解工程と、融解工程で融解されたポリプロピレン系材料を、融解ピーク温度Tm−20℃以上から融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で熱処理する熱処理工程とを備える。
なお、本発明において、融解ピーク温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって得られるDSC曲線上における吸熱ピークをいう。
本発明に係るポリプロピレン系材料の製造方法のある特定の局面では、融解工程において、少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料を、融解ピーク温度Tm+10℃以上かつ融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する。
本発明に係るポリプロピレン系材料の製造方法の別の特定の局面では、融解工程を行う前のポリプロピレン系材料の結晶化度Aが、60%以上である。
なお、本発明において、ポリプロピレン系材料の結晶化度は、DSC曲線のピーク面積を209mJ/mgで除し、100を乗じて算出した値である。
本発明に係るポリプロピレン系材料の製造方法の他の特定の局面では、融解工程を行う前の延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tmが、160℃以上である。
本発明に係るポリプロピレン系材料の製造方法のさらに他の特定の局面では、熱処理工程が、5分間〜180分間行われる。
本発明に係るポリプロピレン系材料は、上記のポリプロピレン系材料の製造方法によって得られるポリプロピレン系材料である。融解工程を行う前の前記ポリプロピレン系材料の結晶化度Aと、熱処理工程を行った後のポリプロピレン系材料の結晶化度Bとが、((B−A)/A)×100=−10%以上である。結晶化度Bは、60%以上である。示差走査熱量測定における熱処理工程を行った後のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度は、延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm以上である。
本発明に係るポリプロピレン系材料のある特定の局面では、示差走査熱量測定における熱処理工程を行った後のポリプロピレン系材料の融解開始温度と融解終了温度との差が60℃未満である。
本発明によれば、ポリプロピレン系材料の耐熱性を向上し得る、ポリプロピレン系材料の製造方法、及び耐熱性が向上されたポリプロピレン系材料を提供することができる。
実施例1における温度プロファイルを示すグラフである。 比較例1における温度プロファイルを示すグラフである。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
(融解工程)
本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法は、少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料を、示差走査熱量測定における延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm+5℃を超えて融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する融解工程を備える。
融解工程に供される、少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料(以下、「延伸ポリプロピレン系材料」という)としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとのブロック共重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
延伸ポリプロピレン系材料の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1〜20であることが好ましい。
延伸ポリプロピレン系材料のメルトフローインデックス(MFR)は、0.5g/10分〜50g/10分であることが好ましい。なお、MFRは、JIS K7210に規定された方法により測定した値である。
延伸ポリプロピレン系材料は、ポリプロピレン系材料が少なくとも一方向に延伸されており、例えば、一軸延伸、二軸延伸されている。延伸倍率は、2倍〜30倍程度であることが好ましく、3倍〜20倍程度であることがより好ましい。
延伸ポリプロピレン系材料の結晶化度Aは、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。なお、結晶化度Aは、通常、80%程度以下である。
延伸前のポリプロピレン系材料の示差走査熱量測定(DSC)における融解ピーク温度Tmは、通常、160℃以上である。なお、融解ピーク温度Tmは、通常170℃未満である。
延伸ポリプロピレン系材料には、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、酸化防止剤や、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤などの耐候安定剤、結晶核剤などが挙げられる。
融解工程においては、延伸ポリプロピレン系材料を、DSCにおける融解ピーク温度Tm+5℃を超えて、融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する。融解工程においては、延伸ポリプロピレン系材料を、DSCにおける融解ピーク温度Tm+10℃以上かつ融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解することが好ましく、融解ピーク温度Tm+10℃以上かつ融解ピーク温度Tm+30℃以下の温度下で融解することがより好ましい。
融解工程においては、融解ピーク温度Tm+5℃を超えて、融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で5分間程度保持することが好ましい。融解ピーク温度Tm+5℃を超えて、融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で、5分間程度保持することにより、ポリプロピレン系材料は完全に融解する。
(熱処理工程)
本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法は、融解工程で融解されたポリプロピレン系材料を、融解ピーク温度Tm−20℃以上から融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で熱処理する熱処理工程を備える。
熱処理工程を行う前に、融解工程を行った後のポリプロピレン材料を熱処理工程における温度条件まで降温する。
熱処理工程においては、融解工程で融解されたポリプロピレン系材料を、DSCにおける融解ピーク温度Tm−20℃以上から融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で熱処理する。
熱処理工程において、ポリプロピレン系材料を、融解ピーク温度Tm−20℃以上から融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で、5分間〜180分間保持することが好ましく、30分間〜180分間保持することがより好ましい。このような時間保持することにより、ポリプロピレン樹脂の結晶化が進み、ポリプロピレン樹脂の結晶化度及び耐熱性をより高めることができる。
以上の融解工程及び熱処理工程により、本実施形態に係るポリプロピレン系材料が得られる。
本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法によれば、延伸ポリプロピレン系材料の結晶化度Aと、熱処理工程を行った後のポリプロピレン系材料(以下、「熱処理後のポリプロピレン系材料」という)の結晶化度Bとを、((B−A)/A)×100=−10%以上とすることができる。結晶化度Aと結晶化度Bとは、((B−A)/A)×100=−10%以上であることが好ましく、0%以上であることがより好ましい。なお、本実施形態において、結晶化度Aと結晶化度Bとは、通常、((B−A)/A)×100=30%未満となる。
結晶化度Bは、60%以上であることが好ましい。
本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法によれば、DSCにおける熱処理後のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度を、延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm以上とすることができる。この理由の詳細は、必ずしも明確ではないが、例えば、次のように考えることができる。延伸ポリプロピレン系材料を融解ピーク温度以上に加熱して、そのまま冷却すると、延伸プロピレン系材料の結晶化度及び融解温度ピークは低下する。しかしながら、延伸ポリプロピレン系材料を融解ピーク温度Tm+5℃を超えて、融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度で融解し、さらに融解ピーク温度Tm−20℃以上かつ融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で熱処理すると、プロピレン系材料中の分子鎖の配向がある程度保たれた状態で再結晶化されると考えられる。このため、プロピレン系材料の融解ピーク温度を高めることができると共に、結晶化度も高めることが可能になると考えられる。
DSCにおける熱処理後のポリプロピレン系材料の融解開始温度と融解終了温度との差は、60℃未満であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましい。なお、DSCにおける熱処理後のポリプロピレン系材料の融解開始温度と融解終了温度との差は、通常60℃以上である。
以上のように、本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法によれば、ポリプロピレン系材料の耐熱性を向上し得る。さらに、本実施形態に係るポリプロピレン系材料の製造方法によれば、ポリプロピレン系材料の結晶化度を高い水準に維持しつつ、ポリプロピレン系材料の耐熱性を向上し得る。
以下、本発明について、具体的な実験例に基づいて、さらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実験例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
ポリプロピレン系材料のペレット(日本ポリプロ社製、ポリプロピレン系材料、グレードMA3H、融解ピーク温度Tm166℃〜169℃)を、190℃、圧力180kg/
cmでプレスして、厚さ1mmのシートを得た。得られたシートを万能評価装置TENSILON(ORIENTEC社製、品番RTC−130A)を用いて、165℃、延伸倍率6倍、延伸速度1000mm/分の条件で延伸された延伸シートを得た。次に、延伸シートをDSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で150℃まで冷却した。次に、150℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。温度プロファイルを図1に示す。以上の操作により、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度を測定した。なお、結晶化度は、DSC曲線のピーク面積を209mJ/mgで除し、100を乗じて算出した。また、DSC曲線の吸熱ピークを融解ピーク温度とした。熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートのDSC曲線から、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で185℃まで昇温し、185℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で150℃まで冷却した。次に、150℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で190℃まで昇温し、190℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で150℃まで冷却した。次に、150℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で155℃まで冷却した。次に、155℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で150℃まで冷却した。次に、150℃で1時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
熱処理工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。温度プロファイルを図2に示す。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、融解工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、融解工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で220℃まで昇温し、220℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で150℃まで冷却した。次に、150℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で得た延伸シートを、DSC(エスアイアイナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した(融解工程)。次に、得られたシートを50℃/分の条件で140℃まで冷却した。次に、140℃で3時間保持した(熱処理工程)。次に、得られたシートを20℃/分の条件で0℃まで冷却して、ポリプロピレン系材料シートを得た。次に、得られたポリプロピレン系材料シートを10℃/分の条件で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。実施例1と同様にして、融解工程前のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解ピーク温度及び結晶化度、熱処理工程後のポリプロピレン系材料シートの融解開始温度と融解終了温度との差を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005960497

Claims (7)

  1. 少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料を、示差走査熱量測定における延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm+5℃を超えて前記融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する融解工程と、
    前記融解工程で融解された前記ポリプロピレン系材料を、前記融解ピーク温度Tm−20℃以上から前記融解ピーク温度Tm−10℃未満の温度下で熱処理する熱処理工程と、を備える、ポリプロピレン系材料の製造方法。
  2. 前記融解工程において、前記少なくとも一方向に延伸されたポリプロピレン系材料を、前記融解ピーク温度Tm+10℃以上かつ前記融解ピーク温度Tm+50℃以下の温度下で融解する、請求項1に記載のポリプロピレン系材料の製造方法。
  3. 前記融解工程を行う前の前記ポリプロピレン系材料の結晶化度Aが、60%以上である、請求項1または2に記載のポリプロピレン系材料の製造方法。
  4. 前記融解工程を行う前の前記延伸前のポリプロピレン系材料の前記融解ピーク温度Tmが、160℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリプロピレン系材料の製造方法。
  5. 前記熱処理工程が、5分間〜180分間行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン系材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン系材料の製造方法によって得られるポリプロピレン系材料であって、
    前記融解工程を行う前の前記ポリプロピレン系材料の結晶化度Aと、前記熱処理工程を行った後の前記ポリプロピレン系材料の結晶化度Bとが、((B−A)/A)×100=−10%以上であり、
    前記結晶化度Bが60%以上であり、
    示差走査熱量測定における前記熱処理工程を行った後の前記ポリプロピレン系材料の融解ピーク温度が、前記延伸前のポリプロピレン系材料の融解ピーク温度Tm以上である、ポリプロピレン系材料。
  7. 示差走査熱量測定における前記熱処理工程を行った後の前記ポリプロピレン系材料の融解開始温度と融解終了温度との差が60℃未満である、請求項6に記載のポリプロピレン系材料。
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