JP5960182B2 - Frp製クライオスタット - Google Patents

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Description

本発明は、液体窒素や液体ヘリウム等の低温流体を収納するためのFRP製クライオスタットに関し、特にFRP製容器の壁面に形成した貫通孔に、貫通部品取付用の金属製部材が取り付けられたFRP製クライオスタットに関する。
高温超伝導線材などを用いた電力機器の開発が進んでおり、このような電力機器は低温液体(液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン等)を収納したクライオスタット内に設置される。クライオスタットは、低温液体を収容する内部容器と、内部容器を囲う外部容器とを備える2重構造となっており、内部容器と外部容器との間を真空引きすることにより内部容器の外部に真空断熱層を形成し、内部容器内を極低温に保っている。
このようなクライオスタット内に収容される電力機器が、例えば超伝導変圧器や超伝導モータなどの交流機器の場合には、クライオスタットには、電流の影響を受けず交流損失や発熱等を引き起こさないことが要求される。
この点、FRPは非磁性であることから、上記の要求を満たすので、高温超伝導線材を用いた交流機器を収容するクライオスタットはFRP製であることが必要不可欠となる。
FRP製クライオスタットの内部容器(以下、「FRP製内部容器」という)の壁面には貫通孔が設けられ、この貫通孔に内部に収納された超電導コイル等に給電するための電極や計装線、内部に低温液体を供給するためのパイプ等が取り付けられている。
このような電極やパイプ等は金属製であるため、FRP製内部容器の壁面に形成した貫通孔に金属製の短筒状の部材(以下、「金属製部材」という)を取り付け、この金属製部材に溶接やロウ付等すること電極やパイプ等を取り付けることが行われている。
FRP製内部容器に形成した貫通孔に金属製部材を取り付ける方法としては、ねじ込み式で接着することが一般的であったが、FRPと金属材との熱収縮率の違いから、接着部分に亀裂が入り、FRP製内部容器から真空断熱層に低温液体のガスが漏れる(真空リーク)という事態が生じていた。
このような、真空リークを防止する工夫をしたものとして、例えば特許文献1に開示されたFRP製クライオスタットが挙げられる。
特許文献1に開示されたFRP製クライオスタットは、「冷媒を収容するFRP製容器の壁部に貫通孔が形成され、該貫通孔に金属製部材が挿通して取り付けられているFRP製クライオスタットであって、前記金属製部材は、前記貫通孔の径よりも縮径し、前記貫通孔に対して空間をあけて前記挿通している管部と、該管部に設けられ、前記貫通孔の径よりも拡径したフランジ部とを備えており、前記フランジ部と前記壁部との間を接着すると共に、前記フランジ部と前記壁部との対向面に設けられているFRP金属間接着層と、前記対向面に対し垂直な方向において、前記フランジ部を前記壁部に対し押し付ける押付機構と、を有することを特徴とする」(特許文献1の請求項1参照)ものである。
特開2012−69665号公報
特許文献1に開示された構造は、押付機構によって金属製部材のフランジ部をFRP製の壁部に押し付けることで密閉性を確保しようとしている。
しかしながら、FRP製内部容器に液体窒素等の低温液体を貯留した極低温状態では、FRPと金属の熱収縮率の違いから、FRP製の壁部と金属製のフランジ部との接着部に熱応力(せん断力)が生じ、接着部にずれが生ずることが考えられる。
特に、FRP製内部容器に液体窒素等の低温液体が供給されて室温状態から徐々に冷却が進行している状態(以下、「非定常状態」という)では、金属はFRPに比べて熱伝導度や熱拡散が大きいため、金属製のフランジ部の方が早く冷えてしまい、FRP製の壁部と金属製のフランジ部との間で温度差が大きくなってしまう。そのため、金属とFRPが同一温度で冷却されている状態(以下、「定常状態」という)よりもさらに、金属とFRPの接着面においては、熱収縮率の差が大きくなり、接着部にずれが生ずる危険が大きくなる。
また、一般に金属よりもFRPの熱収縮率が大きいが、非定常状態では上記のように金属の方が早く冷えることから、金属の熱収縮率が大きく、定常状態ではFRPの熱収縮率が大きくなることで、接着面には非定常状態から定常状態に至る間に逆方向のせん断力が作用することになり、真空リークの生ずる危険が大きくなっていた。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、非定常状態及び定常状態のいずれの状態でも金属製部材と貫通孔との接着部から真空リークの生ずることのないFRP製クライオスタットを提供することを目的としている。
(1)本発明に係るFRP製クライオスタットは、FRP製容器の壁面に形成した貫通孔と、該貫通孔を介して前記FRP製容器の内外に亘る貫通部品を取り付ける貫通部品取付部とを備え、
該貫通部品取付部は、前記貫通孔の孔周縁部から立ち上がるFRP製の環状壁部と、該環状壁部の先端部が嵌入可能な環状溝を有する金属製部材とを有し、該金属製部材が、前記環状壁部の先端部に前記金属製部材の環状溝を嵌入して接着層を介して前記環状壁部に接合されていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記環状壁部は、前記FRP製容器と同じFRP製の別部材からなる環状壁部材をFRP製容器に接合してなり、該環状壁部材は前記FRP製容器の前記貫通孔周縁部に接合される環状の平面部と、該平面部から立ち上がる立上り部とを有し、該立上り部立上り方向に沿う方向にFRPの繊維の方向が設定されていることを特徴とするものである。
本発明においては、貫通孔を介してFRP製容器の内外に亘る貫通部品を取り付ける貫通部品取付部が、貫通孔の孔周縁部から立ち上がるFRP製の環状壁部と、該環状壁部の先端部が嵌入可能な環状溝を有する金属製部材とを有し、該金属製部材が、環状壁部の先端部に金属製部材の環状溝を嵌入して接着層を介して環状壁部に接合されるようにしたので、非定常状態及び定常状態のいずれの状態でも金属製部材と貫通孔との接着部(金属製部材と環状壁部の接合部)から真空リークが生ずることがない。
本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の正面図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの説明図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の貫通部品取付状態における縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の貫通部品取付状態における正面図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部を構成するFRP部材の繊維方向の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの使用時における作用効果の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部へ取り付けられる貫通部品(他の態様)の取付状態における立断面図である(その1)。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部へ取り付けられる貫通部品(他の態様)の取付状態における立断面図である(その2)。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の他の態様の縦断面図である(その1)。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の他の態様の縦断面図である(その2)。 本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタットの貫通部品取付部の他の態様の説明図である。
本発明の一実施の形態に係るFRP製クライオスタット1は、図3に示すように、低温液体3を収容するFRP製内部容器5と、FRP製内部容器5を囲う外部容器7との2重構造になっており、FRP製内部容器5の壁面に形成された貫通孔9と、貫通孔9を介してFRP製容器の内外に亘る貫通部品(コネクタ端子11や低温液体3の供給又は排出用のパイプ13)を取り付ける貫通部品取付部15とを備えている。
FRP製クライオスタット1内には、例えば超伝導モータや超伝導主変圧器などの交流機器17が収容される。
FRP製内部容器5と外部容器7との間は真空引きされて、FRP製内部容器5の外部に真空断熱層19が形成されており、FRP製内部容器5内を極低温に保っている。
以下、FRP製クライオスタット1の主な構成について説明する。
<FRP製内部容器>
FRP製内部容器5は、FRPプリプレグを通常20層以上積層して硬化させて成形される。ここでFRPプリプレグとは、ガラス繊維、カーボン繊維などの補強繊維のクロスあるいはマットに、繊維量が30〜40vol%となるように、樹脂組成物(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂の液状未硬化物、硬化剤、増粘剤などを含む)を含浸させた未硬化状態のものである。
FRP材としては、ガラス繊維強化プラスチック、ボロン繊維強化プラスチック、及びアラミド繊維強化プラスチックから選択された少なくとも1種を用いることが好ましく、実用性の点からガラス繊維強化プラスチックが好ましい。なお、炭素繊維強化プラスチックは導電性を有するため、次の理由から用いることができない。導電性を有する材料を用いてクライオスタットを成形すると、クライオスタット内に収容された交流機器17により生じた磁力の変動によって渦電流等が発生してジュール損による発熱および磁場に歪を生じるおそれがある。
さらに、FRP製クライオスタット1は極低温で使用されるので、300〜65Kの温度範囲において使用する金属と同等の熱収縮率を持つFRP材の使用が望ましい。
<貫通孔>
貫通孔9はFRP製内部容器5の壁面に形成されており、貫通孔9の孔周縁部9aはFRP製内部容器5の表面より1段下がった段形状になっている(図1参照)。
<貫通部品取付部>
貫通部品取付部15は、FRP製内部容器5に形成された上記の貫通孔9を介して、FRP製内部容器5の内外に亘る貫通部品を取り付けるためのものであり、図1に示すように、FRP製の環状壁部材21と、環状壁部材21に取付可能な金属製部材23と、環状壁部材21を貫通孔9に取り付けるための押圧板25とを有している。
貫通部品取付部15に取り付けられる貫通部品として、本例では、コネクタ端子11の一例である7ピンコネクタ端子27(市販品)を例に挙げて説明する。7ピンコネクタ端子27は、図1に示すように、金属製の円筒体からなる本体部27aと、本体部27a内に嵌合状態で装着された円板状のセラミックスシール27bと、セラミックスシール27bに挿通された複数のピン27cとを有している。セラミックスシール27bは本体部27aにロウ付けされており、ピン27cはセラミックスシール27bにロウ付けされている。
以下に、貫通部品取付部15の各構成を説明する。
≪環状壁部材≫
環状壁部材21は、図1に示すように、FRP製の環状体からなり、FRP製内部容器5の貫通孔9の孔周縁部9aに接合される環状の平面部21aと、平面部21aの内周縁部から立ち上がる立上り部21bとを有している。
環状壁部材21の平面部21aは、貫通孔9の孔周縁部9aに当接可能な大きさに設定されている。
立上り部21bは、金属製部材23を環状壁部材21に取り付ける部位である。
ところで、FRP材は積層構造であるため、厚さ方向(FRP積層方向)と面内方向(繊維方向)とで熱収縮率(熱膨張率)の異方性を有しており、厚さ方向における熱膨張率は40(×10−6/K)程度であり、面内方向における熱膨張率は11(×10−6/K)程度であり、両者は異なる。それ故、常温から極低温(300〜65K)の間で使用されるFRP製クライオスタット1においてはFRPの繊維方向によって熱収縮率が異なる。
立上り部21bのFRPの繊維方向は、図6に示すように、立上り部21bを構成するFRPの繊維方向が、立上り部21bの立上り方向に沿うように形成されている。つまり、立上り部21bの径方向とFRP材の積層方向を一致させている。このようにした理由については後述する。
なお、図6はFRP製内部容器5及び環状壁部材21のFRPの繊維方向を説明する図であり、図1のFRP製内部容器5と環状壁部材21のみを抜き出して図示すると共に、FRPの繊維方向を矢印で示している。
≪金属製部材≫
金属製部材23は短円筒状からなり、一端に環状壁部材21の立上り部21bの先端が嵌入可能な環状溝23aと、他端に内方に屈曲してなり7ピンコネクタ端子27と接合するための貫通部品接合部23bとを有している。
金属製部材23は例えばステンレス鋼(SUS)等で形成されている。
図1中の拡大図に示すように、環状溝23aに立上り部21bの先端が嵌入されることで、金属製部材23が環状壁部材21に取り付けられている。嵌入は、環状溝23aに接着剤を塗布してから行われ、金属製部材23は接着層を介して立上り部21bに接合されている。
環状溝23aの深さは、金属製部材23の環状壁部材21への取付を確実にするために、5mm以上であることが好ましい。なお、本例では環状溝23aの深さを7mmとした。
貫通部品接合部23bの内径は7ピンコネクタ端子27の本体部27aが嵌入可能な大きさに設定されており、7ピンコネクタ端子27は、図1中の白抜き矢印で示す向きで、金属製部材23の内部に嵌入されて、図2に示すように、本体部27aの周面が金属製部材23に溶接されて取り付けられる。
7ピンコネクタ端子27の周面は溶接され、金属製部材23との間で隙間が生じないので、取付状態における7ピンコネクタ端子27の取付箇所から真空リークが発生することはない。
貫通部品接合部23bが内方に屈曲されているため、貫通部品接合部23bに7ピンコネクタ端子27の本体部27aを接合した状態で、本体部27aの外周面と金属製部材23の内周面との間に所定の隙間S(0.1mm〜5mm、図4中の拡大図を参照)が形成されている。このような隙間Sを形成にすることで、熱収縮時に金属製部材23に発生する応力によって金属製部材23が変形でき、過度な応力が残存することがないようにしている。
≪押圧板≫
押圧板25は、図2に示すように円環状板からなり、ボルト29によってFRP製内部容器5の壁面に取り付けられて、環状壁部材21をFRP製内部容器5の壁面に固定するためのものである。
押圧板25の内周部には、板厚方向に突出する押圧部25a(図1中の拡大図参照)が形成されており、押圧板25をFRP製内部容器5に取り付けることで、押圧部25aが環状壁部材21の平面部21aを貫通孔9の孔周縁部9aに押圧するようになっている。
以上のように構成された本実施の形態に係る貫通部品取付部15の使用時における作用効果について、金属製部材23と環状壁部材21の接合状態に着目して図7に基づいて説明する。
室温状態のFRP製内部容器5に低温液体3が供給されると、FRP製内部容器5の冷却が徐々に進行している状態(非定常状態)を経て、極低温の定常状態に至る。
図7において、図7(a)は非定常状態における金属製部材23と環状壁部材21の接合状態の説明図であり、図7(b)は定常状態における金属製部材23と環状壁部材21の接合状態の説明図である。
なお、図7は、図1中の金属製部材23と環状壁部材21のみを抜き出して図示したものであり、断面を表す斜線(図1参照)の図示を省略している。
冷却が進行している非定常状態においては、金属の方がFRPよりも熱伝導度や熱拡散が大きく冷却速度が速いため、金属製部材23の方がFRP製の環状壁部材21よりも冷やされ、熱収縮度合い(熱収縮量)が大きくなる。金属製部材23及び環状壁部材21は共に環状であるため、熱収縮すると全体的に縮径するが、熱収縮率の大きい金属製部材23の方がFRP製の環状壁部材21よりも縮径量が大きい。それ故、図7(a)中に矢印で示すように、環状溝23aの外周壁で環状壁部材21の立上り部21bの外周面が押圧されてより強く密着する。このときの押圧力の作用している箇所を図7(a)中に太線で示している。
このように、非定常状態において、金属製部材23と環状壁部材21とをより強く密着させることで、気密性を確保することができる。
また、この押圧力は、接着部にせん断方向ではなく押圧方向に作用するので、接着層がずれることもない。
次に、定常状態における金属製部材23と環状壁部材21の接合状態について説明する。
定常状態における金属製部材23と環状壁部材21の接合状態には、それぞれの部材を構成する材料の熱膨張率が主に関係する。
金属製部材23を構成する材料としては、例えばステンレス鋼(SUS304が挙げられる。SUS304の熱膨張率は17.3(×10−6/K)であり、FRP材の厚さ方向の熱膨張率{40(×10−6/K)}より小さい。
立上り部21bの繊維方向は、図6に示すように、立上り部21bの立上り方向に沿うように設定されており、立上り部21bの径方向とFRP材の積層方向を一致させている。従って、立上り部21bの径方向の熱膨張率{40(×10−6/K)}が、金属製部材23の熱膨張率{例えばSUS304で17.3(×10−6/K)、SUS410で11.0(×10−6/K)}よりも大きい。
つまり、定常状態においては、FRP製の環状壁部材21の方が金属製部材23よりも縮径量が大きく、図7(b)中に矢印で示すように、環状壁部材21の立上り部21bの内周面で環状溝23aの内周壁が押圧される。このときの押圧力の作用している箇所を図7(b)中に太線で示している。
このように、定常状態においても非定常状態と同様に、金属製部材23と環状壁部材21とをより密着させることができ、気密性を確保することができる。
また、接着部がずれることがないのも非定常状態の場合と同様である。
以上のように、本実施の形態においては、貫通部品取付部15が、貫通孔9の孔周縁部9aに対して立ち上がる立上り部21bを有する環状壁部材21と、立上り部21bの先端部が嵌入可能な環状溝23aを有する金属製部材23とを有し、金属製部材23が、立上り部21bの先端部に環状溝23aを嵌入して接着層を介して環状壁部材21に接合されるようにしたので、非定常状態及び定常状態のいずれの状態でも金属製部材23と立上り部21bの気密性を確保でき、接合部から真空リークが生ずることがない。
なお、上記の説明では、貫通部品として7ピンコネクタ端子27を例に挙げて説明したが、貫通部品はこれに限られない。図8に24ピンコネクタ端子31を取り付けた例を示し、図9に低温液体3の排出パイプ33を取り付けた例を示す。なお、図8及び図9において、図1に示すものと同様のものには同一の符号を付している。これらのいずれの貫通部品も、金属製部材23と溶接によって接合されている点は、図1に示すものと同様である。
また、FRP製内部容器5の壁厚方向におけるコネクタ端子の取付位置(取付深さ)は、図1のものに限られず、例えば、貫通孔9の孔周縁部9aの段高さを変更することで調整可能である。このようにした一例を図10に示す。図10において、図1〜図4に示すものと同様のものには同一の符号を付している。
図10に示す例は、環状壁部材21を取り付けた状態で、環状壁部材21の平面部21aとFRP製内部容器5の外面とが面一になるようにしたものである。
また、上記の説明では、押圧板25を用いて環状壁部材21をFRP製内部容器5の壁面に固定する例を挙げたが、図11に示すように、押圧板25を用いずに、接着剤等で直接FRP製内部容器5の壁面に環状壁部材21を接着するようにしてもよい。なお、図11において、図1〜図4や図10に示すものと同様のものには同一の符号を付している。
また、上記の説明では、本発明の環状壁部をFRP製内部容器5とは別部材である環状壁部材21によって形成した例を示したが、環状壁部をFRP製内部容器5と一体的に形成するようにしてもよい。
なお、図12に示すように、環状溝23aの底面から金属製部材23の外面まで貫通する空気抜き孔23cを設けるようにしてもよい。このようにすることで、立上り部21bの先端を環状溝23aに嵌入する際に、環状溝23a内の空気や余分な接着剤等を追い出すことができ、より確実に接着可能となる。
1 FRP製クライオスタット
3 低温液体
5 FRP製内部容器
7 外部容器
9 貫通孔
9a 孔周縁部
11 コネクタ端子
13 パイプ
15 貫通部品取付部
17 交流機器
19 真空断熱層
21 環状壁部材
21a 平面部
21b 立上り部
23 金属製部材
23a 環状溝
23b 貫通部品接合部
23c 空気抜き孔
25 押圧板
25a 押圧部
27 7ピンコネクタ端子
27a 本体部
27b セラミックスシール
27c ピン
29 ボルト
31 24ピンコネクタ端子
33 排出パイプ

Claims (2)

  1. FRP製容器の壁面に形成した貫通孔と、該貫通孔を介して前記FRP製容器の内外に亘る貫通部品を取り付ける貫通部品取付部とを備え、
    該貫通部品取付部は、前記貫通孔の孔周縁部から立ち上がるFRP製の環状壁部と、該環状壁部の先端部が嵌入可能な環状溝を有する金属製部材とを有し、該金属製部材が、前記環状壁部の先端部に前記金属製部材の環状溝を嵌入して接着層を介して前記環状壁部に接合されていることを特徴とするFRP製クライオスタット。
  2. 前記環状壁部は、前記FRP製容器と同じFRP製の別部材からなる環状壁部材をFRP製容器に接合してなり、該環状壁部材は前記FRP製容器の前記貫通孔周縁部に接合される環状の平面部と、該平面部から立ち上がる立上り部とを有し、該立上り部立上り方向に沿う方向にFRPの繊維の方向が設定されていることを特徴とする請求項1記載のFRP製クライオスタット。
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