JP2014081016A - 断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器 - Google Patents

断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器 Download PDF

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Abstract

【課題】真空断熱低温機器であるトランスファーチューブの断熱膜スペーサにおいて、断熱性が優れ、熱ロスを低減できる断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器を提供すること。
【解決手段】トランスファーチューブの真空断熱低温機器における断熱膜スペーサを構成する断熱材の一部を薄肉の膜体で構成し、本膜体と内周リングと外周リングを結合し、低温の被保持体を内周リング内周部に保持し、外周リングの外周部を室温の真空配管の内周部で保持するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、真空断熱低温機器に係り、とくに、トランスファーチューブ内の低温の低温流体流路を、高温の保持部材から断熱的に保持する真空断熱低温機器で使用される断熱膜スペーサの構造に関するものである。
液体窒素、液体ネオンや液体ヘリウム等の液化ガス温度で超電導を生じるMEG(脳磁計)や、NMR(超電導核磁気共鳴装置)、MRI(磁気共鳴画像法)装置、超電導磁石や超電導ケーブル等の超電導装置では、それぞれの被冷却体を冷却温度に冷却保持する必要があり、冷却冷媒である液化ガスの貯蔵容器や、冷凍機の寒冷を冷却冷媒である例えばヘリウムガスを循環して移送する冷却装置と超電導装置とを連結する、真空断熱低温機器の一種である冷却冷媒移送用断熱移送管のトランスファーチューブが必要である。
低温断熱容器の一つであるトランスファーチューブは、主に室温の真空容器外管と、低温流体が流動する低温の単数もしくは複数の内管との両管を接触させないように、真空空間で伝導伝熱を防止し断熱的におよび物理的に保持するスペーサおよび内管の外周に巻付けて輻射熱の侵入を防止する積層断熱材とで構成され、断熱性能を維持している。
従来のトランスファーチューブで用いられ、トランスファーチューブ内の低温の流体流路の内管をより高温の支持部材から保持する断熱保持材のスペーサの構造が、特開2008−8482公報(特許文献1)に開示されている。
トランスファーチューブの断熱性能を上げることにより、被冷却体をより低温に冷却することで、超電導体の機能を向上でき、超電導装置の測定機能の向上や走査型電子顕微鏡機器の画像の画質等を向上できる。また、トランスファーチューブの断熱性能を上げることにより、移送する液化ガスの蒸発量を低減し、液化ガスの移送効率を向上できる。
特開2008−8482公報
しかしながら、特許文献1では、スペーサを構成する保持体が、肉厚の単独での自立できる形状である中実部材で構成されており、高温側から低温側の内管側に伝導伝熱で侵入する熱ロスが大きくなるために断熱性能が低下し、内管を流動する低温流体の寒冷量が減少して被冷却体の冷却温度が上昇し、超電導装置内の超電導体の超電導機能が低下する問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的のひとつは、断熱性に優れ、熱ロスを低減できるトランスファーチューブの真空断熱低温機器における断熱膜スペーサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記断熱膜スペーサを具える真空断熱低温機器を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブに使用する断熱膜スペーサにおいて、断熱部材の一部を薄肉の膜体で構成するようにしたものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、プラスチック製の単独では自立できない程の薄肉の膜体と、これら外周部と内周部の接合部を接着剤等で一体化された外周リングと内周リングで構成し、スペーサの伝導伝熱に基づく熱ロスを小さする断熱機能を得る構造を有したことを特徴としたものである。
本断熱膜スペーサ構造によれば、膜体の外周部の高温部から、内周部の低温部への伝導伝熱量は、膜体を構成する薄膜の膜体の膜構造における膜材の内部の伝導伝熱量であり、膜構成であるため伝導伝熱方向に直角な肉厚は0.025mm程度で、従来の中実円筒体の場合に比べ数百分の一程度に薄くなる。
スペーサの単軸方向での伝導伝熱量Qc(W)は、次式で示される。

Qc=λSΔT/L ・・・・・・・(1)

ここで、λは伝熱部材の熱伝導率(W/(m・K))、Sは伝導伝熱方向と直角方向の伝熱部材の断面積(m)、Lは伝熱部材の伝導伝熱方向の長さ(m)、ΔTは伝熱部材両端部の温度差(K)である。
したがって、伝導伝熱量Qcを小さくしスペーサの断熱性能を向上させるためには、ΔTを小さくできない場合、Sを小さくするか、Lを長くすることが必要であり、本スペーサ構造によれば薄膜体でスペーサを構成するのでSを小さくでき、伝導伝熱量Qcを小さくしたスペーサが提供可能となる。
請求項2に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、前記膜体を外周および内周リングの軸方向両端部に具備し、両リングと膜体の接触部を接着剤等で一体化したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、低温流体流路の重量等のスペーサに作用する荷重により膜体の面内の引張荷重が作用する範囲は、作用点の周りの±90度の広い範囲となり、薄肉の膜厚さで前記荷重を支持することができ、スペーサを介して侵入する伝導伝熱Qcも、膜厚が0.025mmと薄くできるので、Qcを大幅に低減できる効果がある。
請求項2に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、設置させる断熱真空空間に対向する前記膜体面に輻射率の小さい例えばアルミニュウムや金の極薄膜を蒸着やメッキ処理で一体化したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、膜体の接着強度を維持しながら、膜体に輻射熱で侵入する熱侵入量を低減できるので、熱ロスを小さくしたスペーサが提供可能となる。
請求項3に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、設置させる断熱真空空間に面する前記膜体面に貫通孔を設けたことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、膜体の面積を小さくし、膜体に伝導伝熱で侵入する熱侵入量を低減できるので熱ロスを小さくしたスペーサが提供可能となる。
請求項4に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、外周リングおよび内周リングの軸方向の両端部に膜体を配置しその接触面を一体化したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、内外周リングの幅で両端に2枚の膜体を備えたスペーサを形成できるので、被保持体である低温流路を、さらに安定的に支持することで、低温流路が室温の真空配管と接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定的に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項5に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、スペーサ側の内周リングと、被保持体である低温流路側の連結リングとをねじで締結したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、ねじ固定により、スペーサと低温流路の相対位置を安定的に確保できるので、被保持体である低温流路を、長尺方向にさらに安定的に支持することで、低温流路が室温の真空配管と接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定的に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項6に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、円錐部を有する膜円筒体を2個それぞれの円錐部が対向するように配置し、膜円筒体の内外周部を内外周リングで挟み込むようにその接合面を接着剤等で一体化したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、外周リングと内周リングの軸方向の相対ズレが生じにくくなり、スペーサと低温流路の相対位置を安定的に確保でき、低温流路が室温の真空配管と接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定的に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項7に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体とプラスチック製の熱伝導率が小さく、真空空間で残留ガスとなる気泡を含まない海綿状のバルク体である海綿状体を一体化したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、内外周リングに一体化された海綿状体の剛性により、内外周リングの軸方向の相対ズレが生じにくくなり、スペーサと低温流路の相対位置を安定的に確保でき、低温流路が室温の真空配管と接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定的に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項8に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体と高強度の非金属製の支持糸68を半径方向に放射状に配置したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、被保持体である低温流路を高温の真空配管から支持糸で支持でき、膜体の厚みをさらに薄くできるので、熱伝導による熱侵入量がさらに低減し、安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項9に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体と組み合わせる上記支持糸を、半径方向に対し数十度の角度を付けて、膜体の表裏面でお互いがクロスする位置に配置したことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、被保持体の低温流路に捻り方向に荷重がかかる場合においても、膜体の破損を防止でき、低温流路が室温側の真空配管側に移動して接触することを防止できるので、安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項10に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体と組み合わせる内外周リングの半径方向に調整ねじを備えたことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、上記調整ねじでガタがより少ない低温流路と真空配管の相対位置にスペーサで保持できるので、低温流路が真空配管側に接触することを防止できるので、安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項11に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体と挟み込む内外周リング同士をボルトで締結することを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、膜体と内外周リングをより強固に一体化できるので、スペーサで保持する低温流路と真空配管の相対位置を確保し、スペーサに大きな負荷が作用した場合でも、膜体が内外周リングから剥離することなく、低温流路が高温側の真空配管側に移動して接触することを防止できるので、熱伝導による熱侵入量が低減し、安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項12に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体と接する、スペーサの外周リングの外周部と、内周リングの内周部に面取り傾斜面を設けたことを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、膜体と内外周リングとの接触面接着剤で一体化する際、前記傾斜面部に楔状の接着層を形成させ、本接着層により膜体は、膜体の半径方向に荷重が作用する際に楔効果として作用し、より強固に内外周リングと膜体を一体化できるので、低温流路と真空配管の相対位置を確保でき、低温流路が高温側の真空配管側に移動して接触することを防止できるので、安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項13に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、膜体を接着剤なして固定できるように、スペーサの外周リングと内周リングの間に、膜体を折り曲げて挟み込む膜体抑えリングを設け、膜体を挟み込んだ内外周リングと膜体抑えリングをボルトで締結することを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、接着剤を使用せずに膜体により低温流路と真空配管の相対位置を確保できるので、スペーサを配置する真空空間に、接着剤に含まれる揮発性等のガスが放出しないので、真空度劣化がなく安定に熱ロスが小さいスペーサを提供することが可能となる。
請求項14に記載の真空断熱低温機器の一つであるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサは、半割状スペーサの複数個を組合せてスペーサを構成することを特徴としている。
本断熱膜スペーサの構造によれば、低温流路に積層断熱材を巻付施工した後からも積層断熱材を損傷することなくスペーサの施工が可能となるので、積層断熱材の輻射率を小さいままに保持でき、輻射熱による熱侵入を防止した熱ロスの小さいスペーサの提供が可能となる。
本発明によれば、熱ロスを小さくした断熱膜スペーサおよび前記スペーサを具備し断熱性能が優れた真空断熱低温機器の低温流体用のトランスファーチューブを提供することができる。
本発明の第1実施例の真空断熱低温機器である低温流体用トランスファーチューブを用いた低温冷却装置を示す構成図である。 トランスファーチューブにおける断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの断面図である。 図2中のX-X矢視の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの長尺方向の軸方向断面図である。 本発明の第2実施例の断熱膜スペーサに使用する膜体の正面図を示す。 本発明の第3実施例の断熱膜スペーサに使用する膜体の正面図を示す。 本発明の第4実施例の断熱膜スペーサの軸方向断面図を示す。 本発明の第5実施例の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの断面図である。 本発明の第6実施例の断熱膜スペーサの軸方向断面図を示す。 本発明の第7実施例の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの長手方向断面図を示す。 本発明の第8実施例の断熱膜スペーサに使用する膜体の正面図を示す。 本発明の第9実施例の断熱膜スペーサに使用する膜体の正面図を示す。 本発明の第10実施例の断熱膜スペーサの断面図を示す。 本発明の第11実施例の断熱膜スペーサの断面図を示す。 本発明の第12実施例の断熱膜スペーサの外周部の断面図を示す。 本発明の第13実施例の断熱膜スペーサの外周部の断面図を示す。 本発明の第14実施例における断熱膜スペーサの図17のZ-Z矢視図である。 本発明の第14実施例における断熱膜スペーサの図16のY-Y矢視断面図を示す。
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
[実施例1]
本発明の第1実施例の真空断熱低温機器である低温流体用のトランスファーチューブを用いた低温冷却装置について、図1、図2、図3を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1は本発明の第1実施例のトランスファーチューブを用いた低温冷却装置を示す構成図、図2は断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの断面図、図3は図2中のX-X矢視の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブの長手方向の軸方向断面図である。また、図中矢印は、冷媒の流動方向を示す。
本実施例の真空断熱低温機器であるトランスファーチューブおよび冷却装置は、超電導磁石の一種である超電導バルク磁石1の冷却装置として用いられるものである。冷却冷媒往復路用のトランスファーチューブは、従来技術の問題点の解決を図りつつ、装置の性能向上を図ったものであり、第1真空断熱容器である細身の断熱真空容器2内に磁場発生手段となる高温超伝導バルク体3を内蔵し、これを低温に冷却する冷媒を移送するため、前記直径が小さくて、曲げ半径が小さく曲げ易い真空ベロー管で構成した真空配管4v、5v内に、金属ベロー管で構成した被保持体である低温流路の往復路管4f,5fをそれぞれ内蔵した可撓性のあるトランスファーチューブ6g、6hを有するもので、細長い空間へ超電導磁石を挿入し、脱離する等の移動操作性を有している。
さらに、本実施例のトランスファーチューブでは、室温部から低温部への熱侵入量を小さくして、移送する冷媒の温度上昇を防ぎ、出口温度を約40K以下の低温にし、被冷却体として例えばイットリウムーバリウムー銅―酸素系(YBCO系)の高温超電導バルク体3の冷却温度を77K以下(換言すれば、被冷却体の超伝導温度以下)にして、着磁用外部磁石7の磁場により、磁束密度の捕捉性能を向上させるようにしている。真空容器2内は、真空排気弁30を通じ外部の真空ポンプ100を使用して真空排気される。
高温超電導バルク体3を備えた超電導バルク磁石1では、超電導バルク体3は断熱のために大気と真空隔離した細身の真空容器2に配置され、熱伝導率が小さいステンレス製のスリーブ9の先端に気密性を有し冶金的に一体化した、熱伝導率が大きい銅製の冷却ステージ8上に、例えばアルミニウム合金製保護リング10とともに熱的、機械的に一体化されている。
第2の真空容器11を有する冷却装置109は、螺管式熱交換器12を有する冷凍機の冷却ステージ13を有するヘリウム低温冷凍機14を備えている。冷却装置109は、さらに、冷媒の循環手段である圧縮機15、向流式熱交換器16を備える。向流式熱交換器16では、移送往復路直管4s,5s内を流動する冷媒、例えばヘリウムガスの循環冷媒間で熱交換する。
圧縮機15で加圧された、圧力約1MPaのヘリウムガスの高圧循環冷媒は、常温300Kで冷却装置109に流入し、向流式熱交換器16の往路で向流式熱交換器16の復路内の低温の循環冷媒と熱交換して温度約50Kとなり、次に冷凍機の寒冷発生部である冷却ステージ13で冷却された螺管式熱交換器12で熱交換し、温度約35Kとなる。往路直管4sから金属ベロー管の往路管4fに流入した低温高圧循環冷媒は、トランスファーチューブ6gの出口から超電導バルク磁石1に流入し、スリーブ9を有するバイオネット継手を構成する循環冷媒供給直管17に流入し、先端出口18からスリーブ9先端の冷却ステージ8底面に吹きつけられ、冷却ステージ8を温度約40Kに冷却し、超電導バルク体を約40Kに冷却する。
冷却後の加温された高圧循環冷媒は、循環冷媒供給直管17の外周部に真空空間19aを確保する底付き円筒状隔壁20の先端部20aの外周部に取り付けたプラスチック製の筒状の支持体21とスリーブ9の内壁との隙間22を流動しながらスリーブ9を冷却してスリーブ9の常温フランジ23部から低温部に熱伝導で侵入する熱侵入や、常温の真空容器2の内壁からスリーブ9に輻射熱で侵入する熱侵入で加温されるスリーブ9を冷却しながら流動し、通気孔24から循環冷媒回収管25に流入し、バイオネット継手の出口でトランスファーチューブ6hの金属ベロー管の復路管5fに流入し、冷却装置109に回収される。
循環冷媒回収管25の外周部は真空層19bを隔壁26で構成し、隔壁26の長手方向長さを長くとることにより、バイオネットの常温フランジ27から低温の循環冷媒回収管に熱伝導により侵入する侵入熱を低減している。
次に循環冷媒は、冷却装置109内の向流式熱交換器16の復路に流入し、向流式熱交換器16内の往路の循環冷媒を冷却して向流式熱交換器16を出て常温となり、流量調整弁29を介して圧縮機15に流入し、再度加圧されて常温の高圧循環冷媒となり、冷却装置109内を循環する。
冷凍機14の低温部は真空容器11に気密的に固定され、冷凍機内を循環するヘリウムガスの作動流体は、圧縮機32から供給され、高圧ヘリウムガスは高圧配管33で冷凍機14に供給され、冷凍機内で断熱膨張して寒冷を発生し、膨張後の低圧ヘリウムガスは配管34で圧縮機に回収され、再度圧縮される。
ここで、循環冷媒による寒冷輸送性能は、トランスファーチューブでの熱ロスをできる限り小さくすることが有効である。
図2のトランスファーチューブ6g(トランスファーチューブ6hも同様な構造)の横断面図と、図2中のX-X矢視の断面図である図3のトランスファーチューブ6gの長手方向断面図に示すように、往路管4f(復路管5fも同様)は例えばステンレス製の金属ベロー管で構成され、それぞれの外周部は細いステンレス線を円筒状に編み込んだ金属製のブレード4b(ブレード5bも同様)で覆われており、ブレード4bの端部は、往路管4fの端部で冶金的に固定(図2、図3中に図示せず)されており、往路管4f内を流動する高圧の循環冷媒の圧力で往路管4fを構成する低温の金属ベロー管が、真空配管4v(トランスファーチューブ6hでは真空配管5v)内の真空空間19内で伸びて、常温の真空配管4vの内壁に強く接触し、大きな熱侵入が生じ循環冷媒の温度が上昇し、被冷却体が所定の温度に冷却できなくなることを、ブレード4bが防止する。
ブレード4b、5bの外周部は、輻射熱を防止するため複層数の積層断熱材4c、5c(図1中には図示せず)が巻き付けられている。
真空配管4v、5vの外周にも細いステンレス線を編み込んだブレード4vb、5vb(図1中には図示せず)が設けられ、その両端部はそれぞれの真空配管4v、5v(図1中には図示せず)の両端部と冶金的に一体化(図示せず)され、真空配管4v、5vの内部を真空排気した際に縮もうとするベロー管の収縮をブレード4vb、5vb(図1中には図示せず)で防止している。
真空容器2のフランジ35は、フランジ23、27とともにOリング(図示せず)を介して、ボルト(図示せず)等で締結され、それぞれの内部と大気を気密隔離している。トランスファーチューブ6g、6hは真空容器11と大気と気密的に連結されており真空空間19を共有している。
高温超電導バルク体3の着磁手順を説明する。着磁用外部磁石7は例えばソレノイド超電導磁石で大気空間37内に数テスラの磁場を励磁し、室温の超電導バルク体を図1中の位置に挿入する。その後、冷却装置109内および冷却装置内と連通した循環冷媒の往復路用のトランスファーチューブ6g、6hの真空空間19を外部の真空ポンプ100により真空配管101を通じて十分に真空排気し、断熱機能を確保する。
その後、冷却装置109で高圧ヘリウムガスの循環冷媒を冷凍機14で冷却された螺管式熱交換器12、向流式熱交換器16で冷却され、トランスファーチューブ6gを移送された低温冷媒で、冷却ステージ8が温度約40Kに冷却され、冷却ステージ8に熱的に一体化された高温超電導バルク体3は超電導臨界温度以下の温度約40Kに冷却され、冷却後の循環冷媒はトランスファーチューブ6hを通り冷却装置109に回収される。
その後、着磁用外部磁石7の磁場を消磁すると、高温超電導バルク体3内の磁場変化に伴ってバルク体内に誘導電流が生じ、その電流は冷却されている限り電気抵抗がゼロのバルク体内に流れ続き、ほぼ励磁された着磁用外部磁石7の数テスラとほぼ同じ磁場を捕捉し、強力な超電導バルク磁石1となる。その後、着磁用外部磁石7を取り除く。
着磁後、高温超電導バルク体3は常時冷却する必要があり、トランスファーチューブでの熱ロスをできる限り小さくすることが、高温超電導バルク体3を低温に維持する上で非常に重要である。
図2、図3において、トランスファーチューブ6gの膜体の断熱膜スペーサは、材質が例えばステンレス製の外周リング38、内周リング39とポリイミド製のフイルムの膜体40で構成され、それぞれの外周および内周リング38,39に挟まれた膜体との接触面を例えばエポキシ系やポリイミド系の接着剤で一体化されている。
したがって、本実施例におけるトランスファーチューブで使用される断熱膜スペーサによれば、膜体38の外周部の高温部から、内周部の低温部への伝導伝熱量は、膜体40を構成する薄い膜体における伝導伝熱量と輻射熱量である。膜体40を構成するポリイミド製のフイルムの膜厚は約0.025mmと非常の薄く、従来の中実円筒体の場合に比べ数百分の一程度に小さく、伝導伝熱量は従来技術よりも数十分の一まで小さくした断熱膜スペーサが提供可能となる。また、膜体40の表面にはアルミニウムが蒸着されており、輻射率は0.02と小さく、輻射熱量も非常に小さく熱ロスが小さい断熱膜スペーサが提供可能となる。
いっぽう、被保持体である低温流路の往復路管4f,5fを支持する負荷は、面内引き張り応力で支持され、引き張り強度(約110MPa)が大きいポリイミド製のフイルムで支持できるので、薄肉のフイルムで大きな荷重を支持できる効果があり、本断熱膜スペーサ構造を有することで熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
本実施例では、内外周リングを金属製の素材で製作した例で説明したが、素材がポリイミド等のプラスチックや、セラミックスであっても同様な効果が生じる。
[実施例2]
次に、本発明の第2実施例について図4を用いて説明する。図4は本発明の断熱膜スペーサに使用する膜体40の正面図を示す。
この第2実施例の膜体40では、ポリイミドフィルム表裏面にアルミニウムの蒸着面と未蒸着面を仕分けする。すなわち、ポリイミドフィルムの膜体の接着面となる内周リングに接する内周部域41と外周リングに接する外周部域42は表裏両面アルミニウム未蒸着の素地のポリイミドフイルムで、真空空間19に面する支持部域43は輻射熱量を低減するためアルミニウムを表裏の両面に蒸着した面である。
この第2実施例では、アルミニウム蒸着面において蒸着膜の剥離強度は非常に小さく、蒸着ポリイミドフイルム面と内外周リングを接着すると接着剤で固着された蒸着膜が、素地のポリイミドフイルム面と例えば熱ひずみや低温流路の往復路管の軸方向の変位等で生じる小さな力で剥離し、サポートの機能が喪失する問題が生じるが、未蒸着面でリングと接着接合することで、前記問題は解決する。したがって、剥離による被保持体である低温流路の往復路管4f,5fが高温の真空配管4vと接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
なお、本実施例では、支持部域43をアルミ蒸着面としたが、支持部域43もアルミニウム未蒸着面とし、その領域に別途アルミニウムを蒸着したより薄膜のポリイミド製やポリエステル製フイルムを接着剤等で貼付しても、同様な効果が生じる。
[実施例3]
次に、本発明の第3実施例について図5を用いて説明する。図5は本発明の断熱膜スペーサに使用する膜体40の正面図を示す。
この第3実施例の断熱膜スペーサの膜体40では、ポリイミド製のフィルムの膜体44の表裏面貫通する孔45を設けている。
この第3実施例では、被保持体である低温流路の往復路管4f,5fを支持する負荷を維持するに十分な膜体の面積が十分である場合、余分な面積に相当する分の孔45個数を設定する。これによって、膜体44の外周部の高温部から、内周部の低温部への伝導伝熱量は、膜体44の面積低減によって低減されるので、さらに伝導伝熱量を小さくした断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供可能となる。
[実施例4]
次に、本発明の第4実施例について図6を用いて説明する。図6は本発明の断熱膜スペーサの軸方向断面図を示す。
この第4実施例の断熱膜スペーサでは、外周リング46および内周リング47の軸方向両端部に、ポリイミドフィルムの膜体48の裏面の未蒸着面を接着剤で一体化し、ポリイミドフィルムの表面はアルミニウム蒸着面である。外周リング47には通気孔49が設けられている。
この第4実施例では、外周リング46および内周リング47の軸方向両端面部と膜体48を一体化しているので、図6の左右方向の曲げ荷重に対してより安定的に両リングと膜体が支持されており、内周リング47の内側に支持する被保持体である低温流路の往復路管4f,5fを、さらに安定的に支持することで、往復路管4f,5fが高温の真空配管4vと接触し熱ロスが増大することが無くなり、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例5]
次に、本発明の第5実施例について図7を用いて説明する。図7は本発明の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブ6gの断面図を示す。
この第5実施例の断熱膜スペーサでは、断熱膜スペーサとしてポリイミドフィルムの膜体50の両面部 を内周リング52および外周リング51で挟み込んで接合部を接着剤で固定し、この内周リング52の内周部を熱伝導率が小さな例えばステンレス製やエポキシ樹脂等のプラスチック製の保護リング53の内周部に雌ねじ54を設け、それに嵌合する雄ねじ55を設けた例えばステンレス製の連結リング56を具備し、内周リング52の内周部と保護リング53の外周部は、接着剤や半田付け等の冶金的手段で一体化されている。また、往路管4fと連結リング56は、連結リング4fcを介して冶金的に一体化され、ブレード4bも連結リング56と冶金的に一体化されている。これらの点が第1の実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
この第5実施例では、保護リング53の内周部と連結リング56は、真空空間19内において雌ねじ54と雄ねじ55との接触部で断熱的に固定支持されるが、雌ねじ54と雄ねじ55との接触箇所はねじ面での線的接触で接触面積は狭く、接触面での熱移動量はさらに小さくなり、熱ロスが小さいトランスファーチューブを提供できる効果がある。また、ねじ固定により断熱膜スペーサと往路管4fの相対位置を安定的に確保でき、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止し、伝導伝熱による熱侵入量を小さくして、熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例6]
次に、本発明の第6実施例について図8を用いて説明する。図は本発明の断熱膜スペーサの軸方向断面図を示す。
この第6実施例の断熱膜スペーサでは、円錐部57を有するポリイミドフィルムの膜円筒体58を2個それぞれの円錐部57が対向するように配置し、膜円筒体58の内周部を内周リング59,60,61で挟み込むようにその接合面を接着剤等で一体化し、膜円筒体58の外周部を外周リング62,63,64で挟み込むようにその接合面を接着剤等で一体化し、外周リング62にはリングの内外を貫通する通気孔65を設けている。
本実施例による断熱膜スペーサの構造によれば、外周リングと内周リングの軸方向の相対ズレが生じにくくなり、断熱膜スペーサと往路管4fの相対位置を安定的に確保でき、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止でき熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。本実施例での円錐部57は、膜体を重ね巻き合わせて3次元の円錐形状を形成しても同様な効果が生じる。
[実施例7]
次に、本発明の第7実施例について図9を用いて説明する。図9は本発明の断熱膜スペーサ配置部のトランスファーチューブ6gの長手方向断面図を示す。
この第7実施例の断熱膜スペーサでは、膜体40の表裏面側に例えばポリイミド製で熱伝導率が小さい海綿状体リング66を具備し、海綿状体リング66で膜体40を挟み込むように内外周リング39,38との接触面を接着剤等で支持している。これらの点が第1の実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
本実施例による断熱膜スペーサの構造によれば、海綿状体リング66と内外周リング39,38が一体化されているため、海綿状体リング66の剛性により、外周リングと内周リングの軸方向の相対ズレが生じにくくなり、断熱膜スペーサと往路管4fの相対位置を安定的に確保でき、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止でき、熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例8]
次に、本発明の第8実施例について図10を用いて説明する。図10は本発明の断熱膜スペーサに使用する膜体40の正面図を示す。
この第8実施例の断熱膜スペーサでは、ポリイミドフィルムの膜体69の接着面となる内周リングに接する内周部域41と外周リングに接する外周部域42は表裏両面アルミニウム未蒸着の素地のポリイミドフイルムで、真空空間19に面する支持部域67を跨ぐ例えばカーボン繊維等の低温高強度繊維製の紐状の支持糸68を円周上に複数本放射状に設け、それぞれの支持糸68と内周部域41と外周リングに接する外周部域42の接触部は接着剤等で一体化されている。本構造により、紐状の支持糸68は弛みなく支持できるので、断熱膜スペーサにかかる負荷を紐状の支持糸68で支えることができる。
これらの点が第2の実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
この第8実施例では、被保持体である低温流路の往路管4fを高温の真空配管4vから支持する荷重は、高強度の支持糸68の引張り強度で支持されるので膜体69の厚みをさらに薄くできる。したがって、熱伝導による熱侵入量が低減し、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例9]
次に、本発明の第9実施例について図11を用いて説明する。図11は本発明の断熱膜スペーサに使用する膜体69の正面図を示す。
この第9実施例の断熱膜スペーサでは、第8実施例で説明したポリイミドフィルムの膜体69における支持糸の配置を、半径方向に対し数十度の角度を付けて、膜体69の表裏面でお互いがクロスする位置に支持糸70,71を配置し、内周部域41と外周部域42において接着剤で一体化している。
この第9実施例では、膜体69の面内での捻り方向荷重に対して、隣合った支持糸70,71が負担しねじれしにくく作用するので、捻り方向に荷重による膜体69の破損を防止して、被保持体である低温流路の往路管4fを長尺方向の変形少なく支持でき、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止できる。したがって、熱伝導による熱侵入量が低減し、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例10]
次に、本発明の第10実施例について図12を用いて説明する。図12は本発明の断熱膜スペーサの断面図を示す。
この第10実施例の断熱膜スペーサでは、第1実施例で説明した断熱膜スペーサの外周リング38と内周リング39に雌ネジを設け、金属やプラスチック製の単尺のボルト72と、内周リング39に設けたボルト72の位置調整するためのドライバー等の治具を通すための貫通孔73を設ける。
この第10実施例では、内周リング39および外周リング38と、それぞれが支持される図3に示す往路管4fおよび真空配管4vとボルト72との隙間を、ボルト72の出し入れで調整し、前記隙間を最小にすることにより、ガタがより少なく往路管4fと真空配管4vの相対位置を保持できる。したがって、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止できるので、熱伝導による熱侵入量がさらに低減し、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
ここで、ボルト72の調整終了後には、ネジ部を接着剤等で固着する。
[実施例11]
次に、本発明の第11実施例について図13を用いて説明する。図13は本発明の断熱膜スペーサの断面図を示す。
この第11実施例の断熱膜スペーサでは、断熱膜スペーサの外周リング74に複数個の雌ネジ75を、それに対応する外周リング76にボルト挿入孔77を設け、内周リング78に複数個の雌ネジ79を、それに対応する内周リング80にボルト挿入孔81を設け、内外周リングで挟み込む膜体82には、前記雌ネジに相当する箇所にボルト挿入孔83を設けている。膜体82と外周リング74、77および内周リング76、78との接触面は接着剤を塗布し、ボルト84で挟み込み一体化し、より強固に膜体82を保持している。
この第11実施例では、膜体と内外周リングをより強固に一体化できるので、断熱膜スペーサで保持する往路管4fと真空配管4vの相対位置を確保できる。したがって、断熱膜スペーサに大きな負荷が作用した場合でも、膜体が内外周リングから剥離することなく、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止できるので、熱伝導による熱侵入量が低減し、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例12]
次に、本発明の第12実施例について図14を用いて説明する。図14は本発明の断熱膜スペーサの外周部の断面図を示す。
この第12実施例の断熱膜スペーサでは、膜体82と接する、断熱膜スペーサの外周リング74、76の外周部と、内周リング78、80の内周部に面取り傾斜面85を設けた点が第11実施例と相違するものであり、その他の点については第11実施例と基本的には同一である。
この第12実施例では、膜体82と内外周リングとの接触面を接着剤で一体化する際、前記傾斜面85部に接着層86を形成させる。本接着層86により膜体82は、膜体の半径方向に荷重が作用する際に楔効果として作用し、より強固に内外周リングと一体化できるので、断熱膜スペーサで保持する往路管4fと真空配管4vの相対位置を確保でき、断熱膜スペーサに大きな負荷が作用した場合でも、膜体が内外周リングから剥離することがない。したがって、往路管4f、ブレード4bが高温側の真空配管4v側に移動して接触することを防止できるので、熱伝導による熱侵入量が低減し、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
[実施例13]]
次に、本発明の第13実施例について図15を用いて説明する。図15は本発明の断熱膜スペーサの外周部の断面図を示す。
この第13実施例の断熱膜スペーサでは、膜体87を接着剤なして固定できるように、断熱膜スペーサの外周リング88、89と内周リング90、91の間に、膜体抑え外周リング92と膜体抑え内周リング93を設け、膜体抑え外周リング92の外周部94は円弧形状と片側面部に凸リング起伏95を形成し、同様に膜体抑え内周リング93の内周部96は円弧形状と片側面部に凸リング起伏97を形成する。いっぽう、凸リング起伏95に対向する外周リング89に凹リング溝98を、凸リング起伏97に対向する内周リング91に凹リング溝99を形成する。外周リング88に雌ネジ110を、雌ネジ110に対向する外周リング89の位置にボルト貫通孔111と、膜体および膜体抑え外周リング92を挟み込むためのボルト112を設け、同様に内周リング90に雌ネジ113を、雌ネジ113に対向する内周リング91の位置にボルト貫通孔114と、膜体および膜体抑え内周リング93を挟み込むためのボルト115を設ける。
この第13実施例では、接着剤を使用せずに膜体抑え内外リング92、93の外内周部で、膜体87を折り曲げて、さらに凹凸リング部95、98、97、99で押さえ込んで、ボルト112,115で一体化できるので、断熱膜スペーサを配置する真空空間19に、接着剤に含まれる揮発性のガス等の放出がない。したがって、アウトガスによる真空空間19の真空圧力の上昇が防止でき、真空度劣化による真空断熱性能の低下が無いので、安定に熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。ここで、折り曲げられる膜体内外周部の膜体87にはスリット(図示せず)を施し、凹凸リング部で膜体のシワが発生しないようにしている。
[実施例14]
次に、本発明の第14実施例について図16、図17を用いて説明する。図16は本発明の断熱膜スペーサの図17のZ-Z矢視図を、図17は図16のY-Y矢視断面図を示す。
この第14実施例の断熱膜スペーサでは、図16で紙面左右方向に2分割して、往路管4fとブレード4bを挟み込むようにして配置できる構造とした点が、前記実施例1の断熱膜スペーサと相違するものである。
図16で紙面左右に2分割されたポリイミド製の膜体116、117は、紙面左右に2分割された内周リング118,119および外周リング120,121の間に挟まれ、その接触面は接着剤等で一体化されている。
また、半割された膜体116,117の弛みを防止するために、それぞれポリイミド製の海綿状体122,123を設け、海綿状体と内外周リングの接触部は接着剤等で固着している。内周リング118,119には組み合わせ時にボルトで固定するために、鍔124,125とボルト貫通孔126,127を設けている。半割りの左右の断熱膜スペーサは、それぞれ単体で膜体、海綿状体および内外周リングを接着して組み立てる。
断熱膜スペーサの組立方法は、まず、図3の往路管4fのブレード4bを挟むように、半割で組立てられた断熱膜スペーサ組み合わせ、内周リング118,119のボルト貫通孔126,127にボルト(図示せず)を通して連結し、外周リング120,121の外周部を細線128で縛り付けて連結固定する。また、細線の代わりに、ホースバンドのようにねじ締め付け構造付きのバンドで固定しても良い。
本実施例による断熱膜スペーサの構造によれば、断熱膜スペーサを分割して装着できるので、円筒体状の断熱膜スペーサを挿入する場合に比べ、ブレード4bの外周に巻きつけられた輝面フィルム(図示せず)の蒸着膜を傷つけることなく装着できるので、往路管4fのブレード4bへの輻射熱の侵入を防止でき、熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器であるトランスファーチューブを提供できる効果がある。
以上の実施例では、低温冷却装置の被冷却体が超電導磁石を構成する超電導バルク体である場合について説明したが、被冷却体が超電導磁石を構成する超電導コイル巻線体、超電導送電装置を構成し、断熱冷媒トランスファーチューブ中に長尺に渡って配置された超電導線、磁気計測装置のSQUID素子、コンピュータの電子素子、NMR受信・照射用のコイルの真空断熱低温機器であっても同様の作用、効果を生じる。
また、以上の実施例では、冷媒が高圧のヘリウムガスである場合について説明したが、移送する冷媒が低温状態の液体窒素等の液化ガスであっても、真空断熱低温機器である低温流体用トランスファーチューブ継手において、同様の作用、効果を生じる。
また、以上の実施例では、真空断熱低温機器であるトランスファーチューブに配置する断熱膜スペーサについて説明したが、超電導体を内蔵する真空断熱低温機器内で例えば超電導磁石の高温超電導電流リード線やSQUID素子等を保持する断熱保持材に本発明の断熱膜スペーサを使用しても、熱ロスの小さい断熱機能を有し同様の作用、効果を生じる。
また、以上の実施例では、プラスチック製の膜体として、ポリイミド製の膜材を使用した場合について説明したが、ポリエステル製等の他のプラスチック素材を使用しても熱ロスの小さい断熱機能を有し同様の作用、効果を生じる。
また、以上の実施例では、プラスチック製の海綿状体として、ポリイミド製の海綿状体状部材を使用した場合について説明したが、代わりに活性炭粒子の積層接着体で構成した場合、同様な作用、効果で熱ロスの小さい断熱膜スペーサを提供でき、さらに前記積層接着体の低温部で断熱膜スペーサを配置した真空空間の残留ガスを活性炭が吸着し、さらに真空圧力が低下し真空断熱性能が向上し、さらに熱ロスが小さい断熱膜スペーサおよび真空断熱低温機器を提供できる効果がある。熱ロスの小さい断熱スペーサを提供できる効果を生じる。
以上、本発明になる真空断熱低温機器における断熱膜スペーサによれば、熱ロスが小さい断熱膜スペーサを提供できるので、前記断熱膜スペーサを具備した断熱性能が優れた真空断熱低温機器を提供できる効果がある。
1…超電導バルク磁石、2…断熱真空容器、3…高温超伝導バルク体、4b…ブレード、4f…往路管、4v…真空配管、5b、5f…復路管、5v…真空配管、6g…トランスファーチューブ、6b…ブレード、6h…トランスファーチューブ、7…着磁用外部磁石、8…冷却ステージ、9…スリーブ、11…真空容器、12…螺管式熱交換器、13…冷却ステージ、14…ヘリウム低温冷凍機、15…圧縮機、16…向流式熱交換器、19…真空空間、38…外周リング、39…内周リング、40…膜体、44…膜体、45…孔、46…外周リング、47…内周リング、48…膜体、50…膜体、51…内周リング、52…外周リング、53…保護リング、58…膜円筒体、59,60,61…内周リング、62,63,64…外周リング、66…海綿状体リング、68、70,71…支持糸、69…膜体、72…ボルト、82…膜体、84…ボルト、85…傾斜面、87…膜体、86…接着層、88,89…外周リング、90,91…内周リング、92…膜体抑え外周リング、93…膜体抑え内周リング、95…凸リング起伏、98…凹リング溝、116.117…膜体、118.119…内周リング、120.121…内周リング、128…細線。

Claims (15)

  1. 少なくとも単数の低温の被保持体を真空空間の内に内蔵し、前記被保持体を前記断熱空間でより温度が高い高温部位から支持する断熱膜スペーサであって、前記被保持体と前記高温部位の間隙に配置され、前記被保持体と前記高温部位の相互の位置を断熱部材を介して保持し、前記断熱部材の少なくとも一部が膜体で構成され、前記断熱部材の内外周部に内周リングと外周リングを一体化させたことを特徴とする断熱膜スペーサ。
  2. 前記断熱膜スペーサの前記断熱部材を構成する膜体が、配置される真空空間に接する面に、輻射率が小さい金属膜を一体化して構成されていることを特徴とする請求項1記載の断熱膜スペーサ。
  3. 前記断熱膜スペーサの前記断熱部材を構成する膜体において、配置される真空空間に接する面内に貫通孔を具備したことを特徴とする請求項1および請求項2記載の断熱膜スペーサ。
  4. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記内周リングと外周リングの軸方向両端部に前記膜体を結合して構成したことを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載の断熱膜スペーサ。
  5. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記内周リングの内周部と被保持体の外周部に嵌合する固定締結手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3および請求項4記載の断熱膜スペーサ。
  6. 前記断熱膜スペーサにおいて、少なくとも前記膜体の一部が円錐円筒体で構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4および請求項5記載の断熱膜スペーサ。
  7. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記膜体を海綿状体と組合せ、前記内周リングと外周リングと前記海綿状体の接合部の少なくとも一部を一体化して構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4および請求項5記載の断熱膜スペーサ。
  8. 前記断熱膜スペーサを構成する前記膜体を、前記膜体と放射状に具備された繊維状の支持糸で構成し、少なくとも前記支持糸の一部が前記膜体に一体化されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6および請求項7記載の断熱膜スペーサ。
  9. 前記断熱膜スペーサを構成する膜体を、前記膜体と繊維状の支持糸で構成し、少なくとも前記支持糸の一部が前記膜体に一体化され、前記複数の支持糸が互いにクロスするように配置したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7および請求項8記載の断熱膜スペーサ。
  10. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記内周リングと外周リングの少なくとも一部に、半径方向に移動する調整ねじを具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8および請求項9記載の断熱膜スペーサ。
  11. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記内周リングと外周リングの少なくとも一部に、前記膜体を挟み込む方向に接着し、さらに少なくとも一部をボルトで内周リング、外周リングおよび膜体を締結することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9および請求項10記載の断熱膜スペーサ。
  12. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記膜体と前記内周リングの内周部および外周リングの外周部が接する接触部の少なくとも一部の、前記内周リングの内周部および外周リングの外周部に傾斜面部を設け、前記傾斜面部に接着層を形成することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10および請求項11記載の断熱膜スペーサ。
  13. 前記断熱膜スペーサにおいて、少なくとも外周リングおよび内周リングの一部に、前記膜体を挟み込む嵌合する凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11および請求項12記載の断熱膜スペーサ。
  14. 前記断熱膜スペーサにおいて、前記被保持体を挟み込んで装着できるように前記断熱膜スペーサを分割し、分割された膜体を一体化した内周リングおよび外周リングを合体後に、少なくとも内周リングおよび外周リングの片方を締結手段で一体化して構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12および請求項13記載の断熱膜スペーサ。
  15. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12および請求項13記載の断熱膜スペーサを介して、前記高温部位から前記被保持体を支持したことを特徴とする真空断熱低温機器。
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