JP2008116171A - ガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導コイルと冷凍機の温度差を十分小さくできるガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置を提供する。
【解決手段】冷却源2と被冷却物1を連続した配管9の異なる部分で熱的に接続し、このガス配管9にガスを流すことで、前記被冷却物1からの熱を前記冷却源2に運ぶガス伝熱装置であって、配管9を前記冷却源2と前記被冷却物1の間で複数回往復させているので、被冷却物1と冷却源2の温度差を十分小さくできるガス伝熱装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は超電導磁石などを効率的に冷却するガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置に関する。
一般に、超電導磁石は超電導転移温度以下の極低温に冷却する必要があるため、液体ヘリウム等の寒剤か極低温冷凍機を用いて冷却されている。前者の液体ヘリウム等の寒剤を用いる場合、極低温の液体を扱う難しさがある。例えば液体ヘリウム温度の空間に空気が入り込むと固化してしまい、配管などを閉塞する場合がある。その結果、液体ヘリウム容器が密閉され、その中で液体ヘリウムが蒸発すると内圧が異常に高くなる。液体ヘリウムと室温のヘリウムガスでは700倍の密度差があり、極端な場合700気圧まで内圧が上昇することになり、破裂の危険がある。また液体ヘリウムを供給する配管に大きな熱侵入があると液体ヘリウムが蒸発してしまい、最悪の場合は全く供給できなくなる場合がある。しかも液体ヘリウムは高価であり、冷却コストも大きい。
これに比べ後者の極低温冷凍機を用いる場合は、操作が簡単で安全性に優れ、コストも低減できることから、近年では冷凍機冷却方式の超電導磁石が多く採用されるようになってきている。特に、小型冷凍機の開発により小型の超電導磁石では冷凍機冷却方式が主流となってきている。この冷凍機冷却超電導磁石の概要については非特許文献1に開示されている。
冷凍機冷却方式の超電導磁石は図15に示すような構成が一般的である。すなわち、冷凍機冷却方式の超電導磁石において、超電導コイル1は2段GM(Gifford McMahon)冷凍機2の2段冷却ステージ2bと伝熱板3で熱的に接続され、伝導冷却されている。また超電導コイル1の外側には熱侵入を低減するために熱シールド板4が設けられている。この熱シールド板4は2段GM冷凍機2の1段冷却ステージ2aと熱的に接続されており、伝導冷却される。また超電導コイル1と熱シールド板4は真空容器5中に置かれ、真空断熱されている。
しかし、この冷凍機冷却方式では、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間を伝熱板3で冷却しているため、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間で温度差が生じてしまう。これは液体ヘリウム冷却の場合には超電導コイルが直接液体ヘリウムで冷却されるためにこれまでは特段課題とされてこなかった。
ところが、上述した課題は大型の超電導磁石の場合ではより深刻になる。すなわち、超電導コイルが大きいために伝熱距離が長くなるうえ、冷凍機への磁場の影響を低減するために、冷凍機を超電導コイルから離す必要があり、そうすると伝熱距離がさらに長くなる。これにより温度差は伝熱距離に比例して大きくなるため、電力応用などで交流通電を行う超電導コイルではさらに大きな発熱があり、伝熱量が従来の100倍以上になる場合もある。この結果、温度差は伝熱量に比例してさらに大きくなる。冷凍機と超電導コイルの温度差が大きくなると、超電導コイルを臨界温度以下に冷却するために冷凍機温度を下げる必要がある。
冷凍機温度を下げることは冷凍機の入力を増やすことになるのでシステムとしての効率を低下させることになる。極端な場合には冷凍機温度を0Kまで下げても超電導コイルを臨界温度以下に冷却できなくなり、システムとして成立しなくなる。したがって、超電導コイルと冷凍機の温度差を小さくする伝熱システムが必要になる。
冷凍機と超電導コイルとの間の長距離冷却方法の一つとして、ガス循環による伝熱が提案されている。この冷却方法は冷凍機と超電導コイルの間にガス循環配管を設け、冷凍機で冷却したガスを超電導コイルまで送り超電導コイルを冷却する方法である。この具体的な冷却方法を図11に示す。図11に示すようにヘリウムガスは2段GM冷凍機2の2段冷却ステージ2bに取り付けられた熱交換部(銅ブロック)10aに巻き付けた配管壁を介して冷却され、ガス循環配管6を通って超電導コイル部に運ばれ超電導コイル1に取り付けられた熱交換部(銅ブロック)10bに巻き付けられた配管壁を介して超電導コイル1を冷却する。ここで、7a,7bは熱交換器、8はコンプレッサーである。
このようなガス循環冷却装置は、例えば特許文献1に開示されている。この冷却装置20は、図16に示すように真空容器21と、GM冷凍機23と、循環ポンプ25と、熱交換器26と、ヘリウムガス配管27と、熱輻射シールド板22により構成されている。循環ポンプ25は熱交換器26およびヘリウムガス配管27内にヘリウムガスを循環させる。熱交換器26は、ヘリウムガス配管27に送られるヘリウムガスを効率的に冷却する。ヘリウムガス配管27とGM冷凍機23のコールドヘッド24との間の熱接触部28において冷却されたヘリウムガスがヘリウムガス配管27と熱輻射シールド板22との間の熱接触部29で熱輻射シールド板22を冷却する。
図11の冷却系における超電導コイル1と2段GM冷凍機2の温度差を検討する。2段GM冷凍機2とガスの間にはガスの流れによる熱伝達率と伝熱面積で決まる温度差が生じる。この温度差は熱交換部の伝熱面積を大きくしたり、ガスの流速を速くしたりすることである程度小さくすることが可能である。次に、冷凍機部のガスが超電導コイル部に運ばれる間の温度上昇を検討する。これも熱侵入が無視できる程度に低減できれば、冷凍機部のガスと超電導コイル部のガスの温度はほぼ等しいとみなせる。最後に超電導コイル部の熱交換部でガスにより超電導コイルを冷却することを検討する。まず、超電導コイル内部の伝熱が十分に良く、超電導コイル温度は一様になっていると仮定する。一方、ガス温度は超電導コイルから熱をもらうことで温度上昇するため、ガス入口とガス出口での温度差は伝熱量に比例して決まる。ここで、超電導コイルからガスへの熱は超電導コイルとガスとの温度差により運ばれるためガス温度は超電導コイル温度より常に低くなければならず、最も高いガス出口温度よりも超電導コイル温度は高い。一方で、冷凍機温度はガス入口温度よりも低い。したがって、ガス出口温度とガス入口温度に温度差があると、超電導コイルと冷凍機の温度差も大きくなる。この問題はガス流量を大きくすることである程度解決できる。ガス流量を増やすと単位時間当たりに流れるガスの熱容量が大きくなり、ガス入口とガス出口の温度差が小さくなる。図12に伝熱量が10Wの場合のヘリウムガス流量と温度上昇の関係を示す。
図11のガス循環冷却装置では、室温部にガス循環用のコンプレッサー8を配置しているため熱交換器7a、7bが必要になる。もし熱交換器が無いと、室温のガスが直接冷凍機の熱交換部に入り、冷凍機の温度まで冷却しなければならないため、実際に超電導コイルの冷却に使われる以上の冷凍能力が必要になる。また超電導コイルから出てくるガスも超電導コイル温度程度の冷たいガスであるため例えばコンプレッサー8のガスケットを凍らせ、ガス漏れを起こしたりする。ここで、効率が100%の理想的な熱交換器があれば、冷凍機への余分な熱負荷はなくなるが、実際の熱交換器は僅かながら非効率分がある。例えば10Wの伝熱量を2段のGM冷凍機で冷却する場合を検討すると、1段熱交換器7aの効率を92%、2段熱交換器7bの効率を94%とし、1段冷却ステージ2aの温度変化を考慮すると2段冷却ステージ2bへの熱負荷は図13に示すようになる。流量が増加すると10Wの伝熱量に上乗せされている熱交換器の非効率分が増加している。この熱負荷増により冷凍機の温度が上昇する。図14は冷凍機の2段冷却ステージ温度と図12のガス入口出口の温度差を含めた超電導コイル温度を示している。流量が少ないほど冷凍機温度は下がるが、先に述べたガス入口と出口の温度差に起因する、超電導コイルと冷凍機の温度差が大きくなり、超電導コイル温度は高くなる。一方で流量を増やすとこの温度差は小さくなるが、熱交換器の非効率分による熱負荷が増加し冷凍機温度が上昇してしまう。そのため最適な流量が存在し、超電導コイル温度に下限が存在する。図14では流量0.5×10-3 [kg/s]の場合に超電導コイル温度は最低値の14.4Kとなる。ここで、冷凍機の冷凍能力だけで考えると10Wの熱負荷では9.0Kまで冷却可能であり、このシステムでは超電導コイル温度が5.4Kも高くなってしまう。超電導コイル温度が高くなることは超電導コイルの安定性が低下するため、実際には冷凍能力の大きな冷凍機を用意し冷凍機温度を下げ、超電導コイル温度を下げる。このためシステムとしては消費電力が大きくなるという問題がある。
低温工学 Vol. 37 No. 1 (2002) p18-26 特開平10−311618号公報
上述したガス循環系においては、ガス流量が多いと、熱交換器の非効率分による熱負荷増により冷凍機温度が高くなり、超電導コイル温度が高くなる。一方で、ガス流量が少ないとガス入口とガス出口の温度差が大きくなるため、超電導コイルと冷凍機の温度差が大きくなり超電導コイル温度が高くなる。したがって、ガス流量に最適値があり、超電導コイル温度にも下限がある。この温度は伝熱量と冷凍機の能力から期待される超電導コイル温度よりも無視できない程高く、冷却システムの消費電力が大きくなる。
本発明は上述した消費電力の増大という課題を解決するためになされたものであり、超電導コイルと冷凍機の温度差を十分小さくできるガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、冷却源と被冷却物を連続したガス配管の異なる部分で熱的に接続し、このガス配管にガスを流すことで前記被冷却物からの熱を前記冷却源に運ぶガス伝熱装置であって、前記ガス配管を前記冷却源と前記被冷却物との間で複数回往復させたことを特徴とする。
また、本発明の超電導装置は、冷却源と被冷却物の間を複数回往復するガス配管と、このガス配管の中にガスを循環させるコンプレッサーと、前記ガス配管の室温部と低温部の間に設けられた熱交換器と、前記被冷却物を内包する真空断熱容器とから構成されることを特徴とする。
本発明によると、超電導コイルと冷凍機の温度差を十分小さくできるガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態のガス伝熱装置とこれを用いた超電導装置を図を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態であるガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を模式的に説明するための平面図である。なお、(b)では巻回部分の構成を模式的に示すため、配管を2回巻回した部分のみを示している。
図1に示すように、本実施形態のガス伝熱装置は、超電導コイル1と、この超電導コイル1を冷却するための2段GM冷凍機2と、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間に設けられた伝熱のための配管9と、この配管9中にガスを循環するための室温部に置かれたコンプレッサー8と、配管9の室温部と低温部との間に設けられた熱交換器7a,7bと、超電導コイル1への熱侵入を低減するための熱シールド板4と、超電導コイル1と熱シールド板4を内包する断熱真空のための真空容器5とから構成されている。ここで、10aは2段GM冷凍機側の伝熱板(熱交換部)、10bは超電導コイル側の伝熱板(熱交換部)(図1(b)の斜線部分に相当し、図1(a)では破線で表示した。)であり、また、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間に設けられた伝熱のための配管9は、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間を複数回往復するように巻かれたマルチ配管になっている。
本実施形態のガス伝熱装置は上記したように構成されているので、コンプレッサー8で圧縮されたガスは、1段熱交換器7aで冷却された後、2段GM冷凍機2の1段冷却ステージ2aで冷却され、さらに2段熱交換器7bで冷却された後、2段GM冷凍機2の2段冷却ステージ2bで冷却される。この冷却されたヘリウムガスが2段冷却ステージ2b側の配管出口a1から超電導コイル1側の配管入口b1へ流れ超電導コイル1を冷却し、超電導コイル1側の配管出口c1から2段冷却ステージ2b側の配管入口d1へ帰る。このガスが次の2段冷却ステージ2bで再度冷却され配管出口a2から超電導コイル側の配管入口b2へ流れ超電導コイル1を冷却し、超電導コイル1側の配管出口c2から2段冷却ステージ2b側の配管入口d2へ帰る。これを繰り返すことで同じガスが何度も循環し超電導コイル1から2段GM冷凍機2へ熱を運ぶ。最後に2つの熱交換器7b、7aを順次通って次に入ってくるガスを冷却し、コンプレッサー8に戻る。ガス循環部分を外部から見るとガスの流量が往復した回数倍に増加したのと同じ効果がある。一方で熱交換器の部分を流れるガスの流量は1回分の流量であるので、低温部分で循環している有効ガス流量に比べて非常に小さくなる。
本実施形態において、前記課題で述べたと同様に流量と超電導コイル温度の関係を求めたものを図2に示した。この図2から最適値での超電導コイルと冷凍機の間の温度差が明らかに小さくなることが分かる。流量0.5×10-3 [kg/s]の場合に超電導コイル温度は最小となり、10.4Kとなる。
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態であるガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を模式的に説明するための平面図である。
本実施形態のガス伝熱装置が、図1の第1の実施形態のガス伝熱装置と異なる構成は、1台の2段GM冷凍機2で複数の超電導コイル(図では2つの超電導コイル)1を冷却するように構成されている点である。その他の構成は、第1の実施形態と同一であるので、同一構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態では1台の2段GM冷凍機2の2段冷却ステージ2bと複数の超電導コイル1とが熱シールド板4に囲まれ、この熱シールド板4を真空容器5内に収納されている構成に特徴を有する。
本実施形態によると、冷凍機から出たガス配管が必ずしも同一の超電導コイルに行く必要はなく、マルチ配管9を用いることで、1台の2段GM冷凍機2によって複数の超電導コイル1を冷却することができる。例えば、単結晶引き上げ装置などのスプリットコイルを備えた装置で用いられる。
(第3の実施形態)
図4は本発明の第3の実施形態の構成図であり、図1に示した第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態のガス伝熱装置では、高温超電導コイルで用いられるパンケーキコイルをスタックして1つの超電導コイルを構成するとともに、マルチ配管9の一つ一つを各パンケーキコイルに分配する構成とする。
これにより、1台の2段GM冷凍機で複数の超電導コイルを均一に冷却することができる。
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態のガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を模式的に説明するための平面図である。
図5に示すように、本実施形態のガス伝熱装置が、図1の第1の実施形態のガス伝熱装置と異なる構成は、複数台の2段GM冷凍機(図では2つの2段GM冷凍機)2で1つの超電導コイル1を冷却するようにした点である。その他の構成は、第1の実施形態と同一であるので、同一構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
本実施形態によると、特に大型の超電導コイルの冷却に小型冷凍機を複数個使用することで対応できるので、設計及び経済的にも極めて有用である。
(第5の実施形態)
図6は本発明の第5の実施形態のガス伝熱装置における超電導コイルと配管との取り付けを示す構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)のZ部分の斜視図である。また、本実施形態が上記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態では、超電導コイル1に伝熱板11を貼り付け、この伝熱板11を配管9に取り付けている。この場合、伝熱板11による温度差は伝熱板が非常に短くなるので問題にならない。なお、図6(b)では超電導コイル1の下側に貼り付けられた伝熱板11の図示を省略している。
一般的に、配管を超電導コイルに直接取り付けることは配管の形状やフレキシビリティから簡単ではないが、本実施形態のように超電導コイル1に伝熱板11を貼り付け、この伝熱板11を配管9に取り付ける方法を用いると、容易に両者をつなぐことが可能となる。
(第6の実施形態)
図7は本発明の第6の実施形態のガス伝熱装置におけるマルチ配管の斜視図であり、上記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態では、マルチ配管9の超電導コイルとの熱交換部に伝熱板10bを設け、冷凍機との熱交換部に伝熱板10aを設けて、この伝熱板10b,10aにマルチ配管9を固定する。これによりマルチ配管9は一体物として取り扱いやすくなる。なお、伝熱板10b,10aは、熱伝導率の高い銅を用い、配管が通る半円筒状の窪みのある2枚の銅板12を合せたものを用いたが、配管が通る孔のある1枚の銅板を用いてもよい。また、銅に代えて、熱伝導率の高い物質、例えばアルミニウムを用いてもよい。
マルチ配管は多数の配管を巻きまわしているため、巻ほぐれた場合には取り扱いが面倒であるが、本実施形態のように、マルチ配管を伝熱板に固定することで一体物とすると、取り扱いやすくなるという利点がある。
(第7の実施形態)
図8は本発明の第7の実施形態のガス伝熱装置における超電導コイルとマルチ配管との取り付け部分を示す構成図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のZ部分の配管を束ねた状態の斜視図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態では冷凍機側の伝熱板10aから超電導コイルの伝熱板10bへ行く配管と、超電導コイルの伝熱板10bから冷凍機側の伝熱板10aに戻る配管をそれぞれ束ね体13で束ねたものである。
マルチ配管9は、多数の配管を往復させるため中間部分で配管を束ねた方が扱いやすい。しかし、この場合、行く配管と戻る配管の間で熱交換すると冷却効率が低下することになるので、それを防止するために、行きの配管と戻りの配管をそれぞれ束ね体13で束ねるようにしたものである。
(第8の実施形態)
図9は本発明の第8の実施形態のガス伝熱装置における超電導コイルとマルチ配管との取り付け部分を示す構成図であり、同図(a)と同図(b)はそれぞれ異なる実施形態の平面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図9(a)は本実施形態の平面図であり、マルチ配管9を超電導コイル1に巻きつける場合に最も単純な構成であり、製造工程も簡単であるという利点がある。しかし、この構成ではガス配管9のガス入口9aとガス出口9bが接近しているためここで熱交換が行われると、冷却効率が低下することが考えられる。
図9(b)は他の本実施形態の平面図であり、ガス配管9のガス入口9aとガス出口9bが離れるように超電導コイル1に半周ずつガス配管9を這わせて元に帰る構成としたものである。
本実施形態によると、ガス配管9のガス入口9aとガス出口9bが離れるので、ここでの熱交換が行われることを防止でき、冷却効率の低下を抑制することができる。
(第9の実施形態)
図10は本発明の第9の実施形態のガス伝熱装置の概略構成図であり、本実施形態が第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態では、超電導コイル1の周辺でのみガス配管9を巻回しているので、超電導コイル1と2段GM冷凍機2の間の温度差低減には寄与しない。しかし、均熱板14で熱交換することにより超電導コイル1部でのガス入口とガス出口の温度差は小さくなる。これは超電導コイル内での温度差を小さくすることになり、超電導コイルの冷却歪を小さくすることで超電導コイルの劣化を抑える効果がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形を採ることができる。また、複数の実施形態における特徴を任意に組み合わせて、例えば上述の第1の実施形態(図1)に第5の実施形態(図6)で説明した超電導コイルに伝熱板を貼付け設置する構成を適用してもよい。
また、以上述べた各実施形態では、冷却源として冷凍機を用いているが、冷凍機の代りに液体ヘリウム等の寒剤を用いても良いことは明らかである。また被冷却物として超電導コイルを用いて説明しているが、被冷却物が赤外線センサやSQUID(超電導磁束量子干渉計:Superconducting QUantum Interference Device)などであっても良い。また配管に流すガスはヘリウムガスに限定されるものでなく、水素、ネオン、窒素などのガスを用いることもできる。また冷却配管の材質はステンレス、銅、アルミニウムのいずれでもかまわない。さらに、各図において示した配管9の巻回し形状は一例として示したものであり、本発明はこの形状に限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態のガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を説明するための平面図。 図1の実施形態におけるガス流量と超電導コイル温度の関係を示す図。 本発明の第2の実施形態のガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を説明するための平面図。 本発明の第2の実施形態のガス伝熱装置の別の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を説明するための平面図。 本発明の第3の実施形態のガス伝熱装置の構成図であり、同図(a)は概略側面図、同図(b)は同図(a)の配管の巻回部分を説明するための平面図。 本発明の第4の実施形態であるガス伝熱装置における超電導コイルとガス配管との取り付けを示す構成図。 本発明の第5の実施形態のガス伝熱装置におけるマルチ配管の斜視図。 本発明の第6の実施形態のガス伝熱装置における超電導コイルとマルチ配管との取り付けを示す構成図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のZ部分の配管を束ねた状態の斜視図。 本発明の第7の実施形態のガス伝熱装置における超電導コイルとマルチ配管との取り付けを示す構成図であり、同図(a)と同図(b)はそれぞれ異なる実施形態の平面図。 本発明の第8の実施形態のガス伝熱装置の概略構成図。 従来のガス循環冷却装置の概略構成図。 ヘリウムガス流量とガス温度上昇の関係を示す図。 ガス流量と2段冷却ステージへの熱負荷の関係を示す図。 ガス流量と冷凍機温度及び超電導コイル温度の関係を示す図。 従来の冷凍機冷却方法の超電導磁石の概略構成図。 従来の他の冷凍機冷却方法の超電導磁石の概略構成図。
符号の説明
1…超電導コイル、2…2段GM冷凍機、2a…1段冷却ステージ、2b…2段冷却ステージ、3…伝熱板、4…熱シールド板、5…真空容器、6…ガス循環配管、7a…1段熱交換器、7b…2段熱交換器、8…コンプレッサー、9…配管、10a…冷凍機側伝熱板(熱交換部)、10b…超電導コイル側伝熱板(熱交換部)、11…伝熱板、12…銅板、13…束ね体、14…均熱板、20…極低温装置、21…真空容器、22…熱輻射シールド板、23…GM冷凍機、24…コールドヘッド、25…循環ポンプ、25…循環ポンプ、26…熱交換器、27…ヘリウムガス配管、28,29…熱接触部。

Claims (14)

  1. 冷却源と被冷却物を連続したガス配管の異なる部分で熱的に接続し、このガス配管にガスを流すことで前記被冷却物からの熱を前記冷却源に運ぶガス伝熱装置であって、前記ガス配管を前記冷却源と前記被冷却物との間で複数回往復させたことを特徴とするガス伝熱装置。
  2. 前記冷却源が極低温冷凍機であることを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  3. 前記被冷却物が超電導コイルであることを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置
  4. 前記被冷却物が複数個あり、前記ガス配管内のガスが流れる方向に前記冷却源と前記複数の被冷却物を交互に熱的に接続したことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  5. 前記複数の被冷却物は積層されたパンケーキコイルの各要素コイルであることを特徴とする請求項4に記載のガス伝熱装置
  6. 前記冷却源が複数個あり、前記ガス配管内のガスが流れる方向に前記複数の冷却源と前記被冷却物を交互に熱的に接続したことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  7. 前記パンケーキコイルの積層面に伝熱板を挟み込み、当該伝熱板と前記ガス配管とを熱的に接続したことを特徴とする請求項5に記載のガス伝熱装置。
  8. 前記ガス配管の、前記冷却源に熱的に接続される複数の部分を、銅またはアルミニウムからなる伝熱板で一体化したことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  9. 前記ガス配管の、前記被冷却源に熱的に接続される複数の部分を、銅またはアルミニウムからなる伝熱板で一体化したことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  10. 前記ガス配管のうち前記冷却源から前記被冷却物に向かう複数の配管部分と前記被冷却物から前記冷却源へ向かう複数の配管部分を別々に束ねたことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  11. 前記ガス配管と前記被冷却物が熱的に接続されている部分において、前記ガス配管のガス入口とガス出口の位置が接近しないように配置したことを特徴とする請求項1に記載のガス伝熱装置。
  12. 前記ガス配管は前記被冷却物のほぼ半周分を熱的に接続した後折り返して前記被冷却物と熱的に接続しないで冷却源に戻し、他のガス配管で前記被冷却物の残りのほぼ半周分を熱的に接続した後折り返して前記被冷却物と熱的に接続しないで冷却源に戻した構成であることを特徴とする請求項11に記載のガス伝熱装置。
  13. 冷却源と被冷却物を連続したガス配管の異なる部分で熱的に接続し、この配管内部にガスを流すことで前記被冷却物からの熱を前記冷却源に運ぶガス伝熱装置であって、前記ガス配管の前記被冷却物に近い部分に冷却ステージを設け、この冷却ステージと前記被冷却物との間で前記ガス配管を複数回往復させたことを特徴とするガス伝熱装置。
  14. 冷却源と、被冷却物と、前記冷却源と前記被冷却物の間を複数回往復するガス配管と、前記ガス配管の中にガスを循環させるコンプレッサーと、前記ガス配管の室温部と低温部の間に設けられた熱交換器と、前記被冷却物を内包する真空断熱容器から構成されることを特徴とする超電導装置。
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