JP2014037932A - 可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、断熱冷媒移送管部が可撓操作性に優れ、振動伝播の低減性に優れたものとすること。
【解決手段】低温に冷却される被冷却体を内蔵する第1真空断熱容器と、低温の寒冷を発生する冷却ステージを有する冷凍機と、冷凍機の寒冷で冷媒を冷却する熱交換器を内蔵する第2真空断熱容器との間を連通する可撓操作に優れ、振動伝播を低減する低温の高圧の冷媒を循環させる冷媒移送往復路管を、ブレード付きの金属製の非同軸管もしくは同軸多重管のベロー管で構成したものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置に係り、特に、被冷却体を内蔵する断熱容器と、前記被冷却体を冷却する冷媒を寒冷発生手段で冷却し前記冷媒を循環手段で循環させる冷却装置とを可撓断熱移送管で連通する可撓性低温冷却装置において、高圧の冷媒を移送することにより、被冷却体を低温に冷却し、良好な可撓性を有する可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置に好適なものである。
従来の磁性薬剤や磁性細胞を非接触誘導する磁気誘導装置に用いられる、液体ヘリウムや液体窒素等の液化ガスを使用しないで、ヘリウム冷凍機で冷却する冷凍機冷却型超電導コイル磁石や冷凍機冷却型超電導バルク磁石の低温冷却装置では、冷凍機と超電導磁石を同一断熱容器内に内蔵し冷凍機の冷却ステージと被冷却体である超電導巻線コイルや超電導バルク体を銅製やアルミニュウム製の熱伝導体で熱的に一体化する冷凍機直冷型の構成が特許公報第4512644号(特許文献1)に開示されている。
いっぽう、冷凍機の機械的振動や冷凍機駆動モータの漏れ磁場の影響を避けることが必要な可撓性低温冷却装置や走査型電子顕微鏡機器の可撓性低温冷却装置では、冷凍機を内蔵した冷却源と被冷却体を可撓性断熱移送管で連結し、移送管内を循環する冷媒で、被冷却体である信号受信用プローブや電子源を低温に、かつ低振動で冷却する構成が特許公報第4275640号(特許文献2)に開示されている。
両者の場合、被冷却体をより低温に、かつ低振動で冷却することで、磁石の発生磁場を高めて磁気特性を向上でき、可撓性低温冷却装置の測定機能の向上や走査型電子顕微鏡機器の画像の画質を向上できる。
特許公報第4512644号 特許公報第4275640号
しかしながら、特許文献1では、冷凍機が超電導巻線コイルや超電導バルク体の近傍に一体化されているため冷凍機部のサイズが大きく、磁気誘導性能を向上させるために目的位置に磁石を近づけるために、体内等に連通した小径の細長い空洞内に磁場発生の磁石部分を挿入する必要がある際に、挿入できない問題があった。
いっぽう、特許文献2では、断熱移送管内の冷媒を移送する管に金属製の直管を使用しているため、断熱移送管の頻繁な可撓作業を行う場合、前記直管に繰り返しの曲げ変位が生じ、これにより塑性硬化が起こり、前記直管が破断する問題があった。また、被冷却体に直結した前記直管を通じて冷凍機の機械的振動が伝播し、この振動により可撓性低温冷却装置を有する装置の測定機能の低下や、走査型電子顕微鏡機器の画像の画質の低下が生じる問題があった。
本発明の目的は、断熱冷媒移送管部が可撓操作性に優れ、振動伝播を低減できる可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、低温に冷却される被冷却体を内蔵する第1真空断熱容器と、低温の寒冷を発生する冷却ステージを有する冷凍機と、冷凍機の寒冷で冷媒を冷却する熱交換器を内蔵する第2真空断熱容器との間を連通する可撓操作に優れ、振動伝播を低減する断熱冷媒移送管で連結した可撓性低温冷却装置において、低温度の高圧の冷媒を循環させる冷媒移送往復路管をブレード付きの軸方向断面が波型の金属製ベロー管で構成し、前記ブレード付きの冷媒移送往復路管を可撓性にある真空容器に、非同軸管もしくは同軸多重管で構成することにより配置したものである。
さらに、前記第1真空断熱容器もしくは第2真空断熱容器と接続を着脱可能なように、断熱移送管の片端もしくは両端部をバイオネット構造したものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、断熱された移送管内の往復路管を金属もしくは非金属のブレード付きのフレキシブル管で構成することを特徴としている。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、前記冷媒が1MPaを超える高圧のヘリウムガスである場合で頻繁な可撓作業を行う場合においても、移送管が塑性硬化することがなく、また、往復路管が内圧で大きく伸びることもなく、被冷却体の交換作業等で前記循環手段を停止、再起動する操作で内圧が変化する場合においても、伸び変化が小さく、これにより移送管が塑性硬化することもなく、さらに振動伝播が小さく良好な可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項2に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、断熱移送管内の往復管のフレキシブル管を軸方向断面が波型のリング状の凹凸形状のベロー管で構成することを特徴としている。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、可撓性に優れた可撓性断熱移送管が提供可能となる。
請求項3に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、断熱移送管内の往復管のフレキシブル管を軸方向断面が波型の螺旋状の凹凸形状のベロー管で構成することを特徴としている。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、排気特性に優れた可撓性断熱移送管が提供可能となる。
請求項4に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、異径の2重のベロー管で構成した熱シールド管の内側の真空空間に前記往路管を包含し、前記2重のベロー管の間の空間に熱伝導ガスを封入し、且つ前記空間に前記復路を貫通させて復路の寒冷で前記熱シールド管を冷却することを特徴とする。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、前記往路管への熱侵入量を低減しより低温の冷媒で被冷却体をより低温に冷却できる可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項5に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記往路管と復路管を同軸異径の3重のベロー管で構成し、前記往路管の外側に真空空間を形成し、その外側に熱シールド管を兼ねて2重管で復路を構成したものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、熱シールドベロー管の機能を前記前記往路管で兼用できるので、断熱移送管が軽量になり、より軽量な可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項6に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記往路管と復路管を同軸異径の2重のベロー管で構成し、最内部の往路管の外表面に断熱物を配置し、外周部のベロー管の内側に復路を構成したものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、前記往路管と復路管間に真空層を設けないので、より軽量な可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項7に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記ブレードを非金属の繊維を編みこんだブレードで構成したものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、より軽量な可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項8に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記往路管と復路管間のブレードに真空排気口を設けたものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、より短時間に真空排気できる可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項9に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記往路管と復路管間のブレードに、伸縮量を調整したブレードを用いたものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、適切な機能のブレードを用いることにより軽量な可撓性断熱移送管が提供可能となる。
請求項10に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、前記ブレードを非金属の繊維として、アラミド系、ポリアミド系や炭素系合繊維を編みこんだブレードで構成したものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、より低温で金属ベロー管の伸びを良好に抑制する可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
請求項11に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、大気と真空隔離する、内部を真空とした前記フレキシブル管の常温の内壁と、前記真空中に内蔵された低温の往路管または復路管または熱シールド管との間に、配置位置を維持する、アラミド系もしくはポリアミド系素材で通気性を有したスペーサを配置したものである。
本可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置によれば、低温の金属ベロー管の位置を良好に維持し、前記常温の内壁とのお互いの接触を防止でき、かつスペーサからのアウトガスがほとんど生じない素材で、且つ低温強度が大きく低下しない素材で構成することにより真空空間の断熱機能を維持できるので、熱侵入量を低減し、より低温の冷媒で被冷却体をより低温に冷却できる可撓性低温冷却装置が提供可能となる。
本発明によれば、断熱冷媒移送管部が可撓操作性に優れ、振動伝播を低減できる可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供することができる。
本発明の第1実施例の可撓性低温冷却装置を示す構成図である。 図1の可撓性低温冷却装置を構成する可撓性断熱移送管である移送管の横断面図である。 移送管の長尺方向カット断面図である。 図4は本発明の第2実施例の可撓性断熱移送管である移送管の部分カット断面図である。 移送管の長尺方向カット断面図である。 移送管の冷却装置側との連結端部構造の部分カット断面図である。 本発明の第3実施例の可撓性断熱移送管である移送管の断面図である。 移送管と冷却装置との取り合い部のフランジ側の端部構造の部分カット断面図である。 本発明の第4実施例の可撓性断熱移送管である移送管と超電導磁石側の連結端部構造の部分カット断面図である。 本発明の第5実施例の可撓性断熱移送管である移送管の長手方向の部分カット断面図である。 本発明の第6実施例の可撓性断熱移送管である移送管の長手方向の部分カット断面図である。 本発明の第7実施例の可撓性断熱移送管である移送管の断面図である。 本発明の第7実施例の可撓性断熱移送管である移送管の長手方向の部分カット断面図である。
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
[実施例1]
本発明の第1実施例の可撓性低温冷却装置について、図1から図3を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1は本発明の第1実施例の可撓性低温冷却装置を示す構成図、図2は図1の可撓性低温冷却装置を構成する可撓性断熱移送管である移送管の横断面図、図3は移送管の長尺方向カット断面図を示す。図中矢印は、冷媒の流動方向を示す。
本実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、超電導磁石の一種である超電導バルク磁石1の冷却装置として用いられるものである。この可撓性低温冷却装置は、従来技術の問題点の解決を図りつつ、装置の性能向上を図ったものであり、第1真空断熱容器である細身の断熱真空容器2内に磁場発生手段となる高温超伝導バルク体3を内蔵し、これを低温に冷却する冷媒を移送するため、前記直径が小さくて、曲げ半径が小さく曲げ易い、リング状凹凸形状の真空ベロー管で構成した真空配管28f内に、しかも2つの温度レベルのリング状凹凸形状の金属ベロー管で構成した低温冷媒の往復路管4f,5fを共に並行して内蔵し、真空断熱された可撓性のある移送管6を有するもので、超電導磁石の細長い空間へ挿入、脱離する等の良好な移動操作性を有している。
さらに、本実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、移送する冷媒の温度を40K以下の低温にし、被冷却体として例えばイットリウムーバリウムー銅―酸素系の高温超電導バルク体3の冷却温度を77K以下(換言すれば、被冷却体の超伝導温度以下)にして、着磁用外部磁石7の磁場により、磁束密度の捕捉性能を向上させるようにしている。
すなわち、移送管6において、往路温度約35K用と復路温度約45K用の2つの温度レベルの低温冷媒の往復路管4f,5fを共に内蔵し、これを非同軸管で構成することにより、移送管6の最外直径を小さくして曲げ半径を小さくすることができ、曲げ易い移送管6を実現している。超電導バルク体3とその冷却ステージ8を細身の真空容器2内へ設置でき、冷媒を移送する移送管6を曲げ易い可撓性に優れたものにできるので、設置室が狭い場合でも移送管6を自由に曲げることにより超電導バルク磁石1を細長い空洞内に容易に設置できる。真空容器2内は、真空排気弁30を通じ外部の真空ポンプ100を使用して真空排気される。
本実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置は、1つまたは複数の高温超電導バルク体3を備えた超電導バルク磁石1であって、超電導バルク体3は断熱のために大気と真空隔離した細身の真空容器2に配置され、熱伝導率が小さいステンレス製のスリーブ9の先端に気密性を有し冶金的に一体化した、熱伝導率が大きい銅製の冷却ステージ8上に、例えばアルミニウム合金製保護リング10とともに熱的、機械的に一体化されている。
第2の真空容器11を有する冷却装置99は、螺管式熱交換器12を有する冷凍機の冷却ステージ13を有するヘリウム低温冷凍機14を備えている。冷却装置99は、さらに、冷媒の循環手段である圧縮機15、向流式熱交換器16を備える。向流式熱交換器16では、移送往復路直管4s,5s内を流動する例えばヘリウムガスの循環冷媒間で熱交換する。
圧縮機15で加圧された、圧力約1MPaの高圧循環冷媒は、常温300Kで冷却装置99に流入し、向流式熱交換器16の往路で向流式熱交換器16の復路内の低温の循環作動媒体と熱交換して温度約50Kとなり、次に冷凍機の寒冷発生部である冷却ステージ13で冷却された螺管式熱交換器12で熱交換し、温度約35Kとなる。往路直管4sから往路管4fに流入した低温高圧循環冷媒は、移送管6出口から超電導バルク磁石1に流入し、スリーブ9を有するバイオネット継手を構成する循環冷媒供給直管17に流入し、先端出口18からスリーブ9先端の冷却ステージ8底面に吹きつけられ、冷却ステージ8を温度約40Kに冷却し、超電導バルク体を約40Kに冷却する。
ここで、循環冷媒による寒冷輸送性能は、循環冷媒の比熱を大きくすることにより、少ない流量の循環冷媒で大きな寒冷量を輸送できるので有利であり、循環冷媒がヘリウムガスである場合は、圧力を高めて冷媒の比熱を高めることが有効である。
冷却後の加温された高圧循環冷媒は、循環冷媒供給直管17の外周部に真空空間19aを確保する底付き円筒状隔壁20の先端部20aの外周部に取り付けたプラスチック製の筒状のスペーサ21とスリーブ9の内壁との隙間22を流動しながらスリーブ9を冷却してスリーブ9の常温フランジ23部から低温部に熱伝導で侵入する熱侵入や、常温の真空容器2の内壁からスリーブ9に輻射熱で侵入する熱侵入で加温されるスリーブ9を冷却しながら流動し、通気孔24から循環冷媒回収管25に流入し、バイオネット継手の出口で復路管5fに流入し、冷却装置99に回収される。
循環冷媒回収管25の外周部は真空層19bを隔壁26で構成し、隔壁26の長手方向長さを長くとることにより、バイオネットの常温フランジ27から低温の循環冷媒回収管に熱伝導により侵入する侵入熱を低減している。
次に循環冷媒は、冷却装置99内の向流式熱交換器16の復路に流入し、向流式熱交換器16内の往路の循環冷媒を冷却して向流式熱交換器16を出て常温となり、流量調整弁29を介して圧縮機15に流入し、再度加圧されて常温の高圧循環冷媒となり、冷却装置99内を循環する。
図2の移送管6の横断面図と、図3の移送管6の長尺方向カット断面図に示すように、往路管4f、復路管5fは例えばステンレス製の金属ベロー管で構成され、それぞれの外周部は細いステンレス線を円筒状に編み込んだ金属製のブレード4b、5bで覆われており、ブレード4b、5bの両端部は、往路管4f、復路管5fのそれぞれの両端部で冶金的に固定(図2、図3中に図示せず)されており、往路管4f、復路管5f内を流動する高圧の循環冷媒の圧力で往路管4f、復路管5fの低温のベロー管が、真空ベロー管28f内の真空空間19内で伸びて、常温の真空ベロー管28fの内壁に強く接触し、大きな熱侵入が生じ循環冷媒の温度が上昇し、被冷却体が所定の温度に冷却できなくなることを、ブレード4b、5bが防止する。
図2中の記号4t、5t、28tは、ベロー管で構成した往路管4f、復路管5fおよび真空ベロー管28fのベロー管の板厚断面を示している。往路管4f、復路管5fとブレード4b、5bのそれぞれ間の空間の排気はブレード4b、5b網目の隙間から行われ、排気抵抗は大きいが、時間をかければ真空排気され、真空断熱の機能を生じる。
ブレード4b、5bの外周部は、輻射熱を防止するため複層数の積層断熱材4c、5cが巻き付けられている。
真空ベロー管28fの外周にも細いステンレス線を編み込んだブレード28bが設けられ、その両端部は真空ベロー管28fの両端部と冶金的に一体化(図2、図3中に図示せず)され、真空ベロー管28f内部を真空排気した際に縮もうとするベロー管の収縮をブレード28bで防止している。
冷凍機14の低温部は真空容器11に気密的に固定され、冷凍機内を循環するヘリウムガスの作動流体は、圧縮機32から供給され、高圧ヘリウムガスは高圧配管33で冷凍機14に供給され、冷凍機内で断熱膨張して寒冷を発生し、膨張後の低圧ヘリウムガスは配管34で圧縮機に回収され、再度圧縮される。
真空容器2のフランジ35は、フランジ23、27とともにOリング(図2、図3中に図示せず)を介して、ボルト(図示せず)等で締結され、それぞれの内部と大気を気密隔離している。フランジ27は、他の2つのフランジと別に着脱ができるボルトピッチ構成となっており、このフランジは高圧の循環冷媒と大気間を気密隔離している。
また、真空容器11と断熱された移送管6はそれぞれのフランジ35,36により、Oリング(図2、図3中に図示せず)で共通な真空空間19を共有している。
高温超電導バルク体3の着磁手順を説明する。着磁用外部磁石7は例えばソレノイド超電導磁石で大気空間37内に数テスラの磁場を励磁し、室温の超電導バルク体を図1中の位置に挿入する。その後、冷却装置99内および冷却装置内と連通した移送管6の真空空間19を外部の真空ポンプ100により真空配管101を通じて十分に真空排気し、断熱機能を確保する。
その後、冷却装置99で高圧ヘリウムガスの循環冷媒を冷凍機14で冷却された螺管式熱交換器12、向流式熱交換器16で冷却され、断熱移送管6を移送された低温冷媒で、冷却ステージ8が温度約40Kに冷却され、冷却ステージ8に熱的に一体化された高温超電導バルク体3は超電導臨界温度以下の温度約40Kに冷却される。
その後、着磁用外部磁石7の磁場を消磁すると、高温超電導バルク体3内の磁場変化に伴ってバルク体内に誘導電流が生じ、その電流は冷却されている限り電気抵抗がゼロのバルク体内に流れ続き、ほぼ励磁された着磁用外部磁石7の数テスラとほぼ同じ磁場を捕捉し、強力な超電導バルク磁石1となる。その後、着磁用外部磁石7を取り除く。
以上、本実施例によれば、高圧循環冷媒を移送する低温の往復路管をブレード付きの金属ベロー管で往復路管4f,5fを構成し、循環冷媒の圧力が高圧であっても伸び量を小さくできるので、往復路管4f,5fが伸びて常温の真空ベロー管28fの内壁に接触することがなく、移送管6の良好な断熱性能を維持しながら、超電導磁石1を、例えば細長い空洞内への挿入の頻繁な挿入、脱離作業に伴う移送管6の頻繁な曲げ操作が許容できる良好な可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供できる効果がある。
また、高圧循環冷媒を移送する低温の往復路管4f,5fをブレード付きの金属ベロー管で構成できるので、移送管通じて冷却装置99内の冷凍機振動を、被冷却体側に伝播されることを抑制できるので、低振動の超電導磁石を有する良好な可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供できる効果を有する。
また、本実施例によれば、断熱移送管6内の低温の往復路管4f,5fの内圧による伸び量を小さくして変形を小さくし、管路への熱侵入量を小さくできるので、冷凍機14の冷凍量を小さくでき、これによって冷凍機14の消費電力を小さくして、冷却運転コスト低減できる効果を有する。
[実施例2]
次に、本発明の第2実施例について図4、図5および図6を用いて説明する。図4は本発明の第2実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置における可撓性断熱移送管である移送管の横断面図であり、図5は移送管の長尺方向の部分カット断面図を示す。図6は移送管の冷却装置側との連結端部構造の部分カット断面図である。
この第2実施例は、冷媒の往復路を構成する金属ベロー管を同軸で多重に配置する点で第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
この第2実施例では、図4、図5に示すように、往路管4fは金属ベロー管で構成され、外周部は細いステンレス線を編み込んだブレード4b付きで、ブレード4bの両端部は、往路管4fの両端部に冶金的に固定(図4、図5および図6中に図示せず)されており、往路管4f内を流動する高圧の循環冷媒の圧力で往路管4fの低温のベロー管の伸びを抑えている。往路管4fの外周にはプラスチック製の細線のスペーサ39を螺旋状に巻きつけ、温度が異なるブレード4bと真空ベロー管41fの接触を防止している。
冷媒の復路40はブレード41bとブレード42bを有する同軸異径の真空ベロー管41f、42fの隙間に構成され、前記往路管4fは真空ベロー管41fの内側に同軸で配置されている。ブレード41bとブレード42bの両端部は、それぞれ真空ベロー管41f、42fの両端部に冶金的に固定されている。
図4中の記号4t、41t、42t、43t、は、ベロー管で構成した往路管4f、復路を構成する金属のベロー管41f,42fおよび真空ベロー管43fの板厚断面を示している。真空ベロー管43fの内側の真空空間19には、金属ベロー管42fへの輻射熱の侵入を防止する積層断熱材44がブレード42bの外周に巻きつけられている。
図6にベロー管で構成した往路管4fと復路40を構成する金属のベロー管41f,42fの端部断面構造を示す。金属のベロー管41f,42fの端部はフランジ45に冶金的に一体化されそれぞれのブレード41b,42bも同様に端部一体化されている。フランジ45には孔46を設け、ここに冷却装置99への復路直管5sと連通している。
この第2実施例によれば、冷媒の復路を構成する温度約45Kのベロー管41f内の真空空間19に往路管4fを配置できるので、温度約35Kの往路管4fへの輻射熱は低減され、高温超電導バルク体3を更に低温に冷却できる効果を有する。
また、往路管4fがブレード4bが無いベロー管であれば、内圧によって軸長にベロー管が伸びて変形し、温度が異なるベロー管41内壁に往復路管同士が強く直接接触し、往路管4f内の循環冷媒の温度が上昇する問題が生じる。したがって、本構造によれば往路管4fはブレード4bで軸長の伸びを抑制でき、往復路管同士が強く接触せず、往路管4f内の循環冷媒の温度が上昇しないという効果を有する。万が一接触しても、その接触圧力は小さく、また、ブレード4bと往路管4fの接触部は、ブレードを構成する金属の細線の網目表面の狭い接触面での接触であり、この構造によって熱抵抗が非常に大きいので、往路管4fへの熱侵入量は小さく抑えられ、往路管4f内の循環冷媒の温度が上昇量を低減するという効果を有する。
[実施例3]
次に、本発明の第3実施例について図7、図8を用いて説明する。図7は本発明の第3実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置における可撓性断熱移送管である移送管6の断面図で、図8は移送管6と冷却装置99との取り合い部のフランジ35側の端部構造の部分カット断面図である。この第3実施例は、次に述べる点で第1実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
この第3実施例では、往路管4fは金属ベロー管で構成され、外周部は細いステンレス線を編み込んだブレード4b付きで、ブレード4bの両端部は、往路管4fの両端部に冶金的に固定されており、往路管4f内を流動する高圧の循環冷媒の圧力で往路管4fのベロー管の伸びを抑えている。往路管4fの外周にはプラスチック製の細線のスペーサ39を螺旋状に巻きつけている。
フレキシブル熱シールド管はブレード48bとブレード49bを有する異径の真空ベロー管48f、49fの隙間に構成されこの空間50には熱伝導気体として初期に常温の大気圧のヘリウムガスが密封されており、前記往路管4fは真空ベロー管48fの内側に配置され、空間50内にはブレード5b付きの復路管5fが配置されている。本構造により、真空ベロー管48f、49fは、低温の復路管5fで冷却されて自然対流するヘリウムガスで冷却されるので、真空ベロー管48f内側の真空空間19に設置された往路管4fへの輻射熱は大幅に低減される。
ブレード49bの外側には積層断熱材51が巻き付けられ、最外のブレード52b付きの真空ベロー管52の内側の真空空間19に配置されている。
図7中の記号4t、5t、48t、49t、52tは、ベロー管で構成した移送往路、移送復路を構成する金属のベロー管4f,5f、フレキシブル熱シールド管を構成する異径の真空ベロー管48f、49fおよび真空ベロー管52fの板厚断面を示している。
図8に示すように、フレキシブル熱シールド管を構成するブレード48bとブレード49bの両端部は、それぞれ真空ベロー管48f、49fとともに端部フランジ53の両端部に冶金的に固定されている。
空間50内に配置される復路管を構成するブレード5bは図8のカット断面に示すようにベロー管5fの端部で気密冶金的にベロー管5fと一体化されたフランジ5gに冶金的に一体化されている。フランジ5gには、直管で構成した復路5sが冶金的に一体化され、復路5s内と前記へリウムガスが封入された空間50とは気密隔離されている。
冷媒の往路管を構成するブレード4bは端部のフランジ4gに冶金的に一体化され、フランジ4fには、直管で構成した復路4sが冶金的に一体化され、真空空間19とは気密隔離されている。
フランジ35は、ステンレスで作製され、取り付けボルト穴54、真空Oリング取り付け溝55、真空排気口56が設けられている。低温のフランジ53は、熱伝導率が小さなプラスチック製の支持柱57を介して常温のフランジ35にネジ(図示せず)や接着剤等で機械的に一体化され、剛に断熱支持されている。
直管の往復路管4s、5sは、フランジ35の貫通口58を貫通し、熱伝導率が小さなプラスチック製の支持円筒体59を介してフランジ35と接着剤等で機械的に一体化され、剛に断熱支持されている。
この第3実施例によれば、フレキシブル熱シールド管を構成する真空ベロー管48fが低温の復路管5fで冷却され自然対流するヘリウムガスで冷却されるので、真空ベロー管48f内側の真空空間19に設置された復路管4fへの輻射熱は大幅に低減され、往路管4f内の循環冷媒の温度が上昇量を低減し高温超電導バルク体3をさらに低温に冷却できる効果を有する。
[実施例4]
次に、本発明の第4実施例について図9を用いて説明する。図9は本発明の第4実施例の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置における可撓性断熱移送管である移送管と超電導磁石側の連結端部構造の部分カット断面図である。この第4実施例は、次に述べる点で第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1および2実施例と基本的には同一である。
この第4実施例では、循環冷媒供給管17の外周部の真空空間19aは、循環冷媒供給管17と金属ベロー管で構成した冷媒の往路管60fと同じくステンレス製のブレード60bを結合する例えばステンレス製の連結フランジ61と冶金的に一体化している。ブレード60bの外周には熱絶縁材として非金属の例えばプラスチック製の細線で編んだ断熱ブレード60dで覆っている。この断熱ブレード60dと連結フランジ61は機械的に拘束一体化したり、接着剤等で一体化しても良い。
また、円筒状隔壁20の先端部20aと連結フランジ61を冶金的に気密一体化し、真空連通孔62で真空層19aと、大気と真空隔離するブレード63b付きの真空ベロー管63f内の真空空間19と連通している。
いっぽう、フランジ61と例えばステンレス製の金属ベロー管で構成する復路管64fとステンレス製のブレード64bは冶金的に一体化し往路管60fとの間の流路と循環冷媒回収管25内とをフランジ61の連通口66で連通している。復路管64fの外周には積層断熱材64cが巻き付けられ、真空ベロー管63f内に配置される。
低温のフランジ61は、熱伝導率が小さなプラスチック製の支持柱65を介して常温のフランジ27にネジ(図示せず)や接着剤等で機械的に一体化され、剛に断熱支持されている。
フランジ23に外周部には複数のネジ穴66および真空Oリング67を設け、フランジ27に外周部には複数のボルト用穴68および高圧シールOリング69を設けている。
往路管60fのブレード60bの外周に断熱ブレード60dを設けることにより、往路管60fの内外を、温度差を有して流動する冷媒同士を、断熱ブレード60dで熱的に保護し、往路管60f内の冷却冷媒の温度上昇を防止できる。
この第4実施例によれば、往路管60fの外側に真空層を設ける必要がなく、真空層を構成する1対の真空ベロー管が不要となり、移送管6を小径、小型化軽量化でき、可撓性を向上でき、かつ製作コストを低減できる効果を有する。
なお本実施例では、断熱ブレード60dをブレード60bの外周部に設けた形態でその効果を説明したが、断熱ブレード60dをブレード60bと往路管60fの間に配置しても同様な効果を有する。
また、本実施例では、断熱ブレード60dをプラスチック製の細線を編みこんだブレードを構成した形態でその効果を説明したが、断熱ブレード60dをフッ化樹脂や断熱ゴム等で構成しても同様な効果を有する。また、断熱ブレード60fを熱収縮性のある円筒状フィルムの単層や複数の積層で構成し、円筒状フィルム内外での冷媒の流動を防止する構成としても同様な効果を有する。
[実施例5]
次に、本発明の第5実施例について図10を用いて説明する。この第5実施例は、次に述べる点で第2実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
この第5実施例では、断熱移送管が数メートルから数十メートル等の長尺管となった場合、ブレードを配置した真空空間19では、ブレードを貫通する真空排気抵抗が大きいため、真空排気に長時間を要したり、残留ガスが残存し、真空断熱機能が低下する問題が発生する。
これを防止するための、真空空間19のブレード4b、42bに、真空排気口70を数センチのピッチで有することが相違点である。
真空排気口70を設けることにより、断熱のための真空排気運転時に、金属ベロー管4fとブレード4bおよび金属ベロー管42fとブレード42b間の残留空気を短時間に排気することができ、残留ガスによる断熱性能の低下を防止できる効果を有する。
[実施例6]
次に、本発明の第6実施例について図11を用いて説明する。図11は本発明の第6実施例の移送管を示す構成図である。この第6実施例は、次に述べる点で第10実施例と相違するものであり、その他の点については第1〜第5実施例と基本的には同一である。
この第6実施例では、真空空間19に配置する冷媒往路管および冷媒復路管を螺旋状凹凸形状の、可撓性では低下する金属ベロー管71fおよび72fで構成する点が相違点である。螺旋凹部73は金属ベロー管71fおよび72fの長尺方向に連通しており、真空排気抵抗は少なく、金属ベロー管とブレードの間の残留ガスを真空排気口70を通じて良好に排気できる。したがって、金属ベロー管71fとブレード71bおよび金属ベロー管72fとブレード72b間の空気を短時間に排気することができるので、残留ガスによる断熱性能の低下を防止できる効果を有する。また、他の金属ベロー管を螺旋状凹凸形状ではないリング状螺旋状凹凸形状の金属ベロー管で構成できるので、可撓性の大幅な低下を防止できる効果を有する。
[実施例7]
次に、本発明の第7実施例について図12、図13を用いて説明する。図12は本発明の第7実施例の移送管を示す断面図で、図13は長手方向のカット断面図である。この第7実施例は、次に述べる点で第1〜6実施例と相違するものであり、その他の点については第1〜第6実施例と基本的には同一である。
この第7実施例では、大気と真空隔離する、内部を真空とした金属ベロー管43fの常温の内壁に少なくとも一部が接するように、低温の復路40を構成する金属ベロー管43f、ブレード43b、積層断熱材44の外周部に、アラミド系もしくはポリアミド系素材で通気性を有したリングバルク状のスペーサ74を配置したものであり、前記真空中に内蔵された低温の金属ベロー管43fおよびブレード43bが、積層断熱材44を介して強く、金属ベロー管43fの常温の内壁に接触することを防止する。常温の復路管または熱シールド管との間に、配置位置を維持する、スペーサ74には、通気口75を設け、スペーサ74の表裏間の真空排気抵抗を小さくしている。スペーサ74は、アラミド系もしくはポリアミド系素材が軽石状の3次元構造をしており、内部に気泡空洞はなく、残留ガスがない構造となっている。
本構成により、低温おより低温で金属ベロー管の位置を良好に維持し、前記常温の内壁とのお互いの接触を防止でき、互の接触を防止でき、かつスペーサからのアウトガスがほとんど生じない素材で、且つ低温強度が大きく低下しない素材で構成することにより真空空間の断熱機能を維持できるので、熱侵入量を低減しより低温の冷媒で被冷却体をより低温に冷却できる可撓性低温冷却装置が提供可能となる。ここで、スペーサ74の外周部の一箇所に切れ込みを入れて、積層断熱材44の外周に設置する操作を容易にしてもよく、この切れ込みによりスペーサの断熱機能が低下することはない。
また、本実施例におけるスペーサとして、前記リングバルク状のスペーサの素材をアウトガスの発生があるプラスチックとし、その外周全体をアラミド系もしくはポリアミド系で気密的に覆ったバルク体であっても同様な作用、効果を生じる。
また、本実施例におけるスペーサとして、前記リングバルク状のスペーサを積層断熱材44に巻きつけた場合について説明したが、スペーサの形状が螺旋状の帯状の形状であり、前期スペーサの数ピッチ分を、積層断熱材44に巻きつけて構成しても同様な作用、効果を生じる。
また、本実施例におけるスペーサを積層断熱材44外周部に配置したに巻きつけた場合について説明したが、前期スペーサをブレード42bの外周に設け、その両サイドに積層断熱材44を施工した構成にしても、同様な作用、効果を生じる。
なお、以上の実施例において、冷媒の圧力による往復路管を構成する金属ベローの伸びを抑制するブレードとして、装置を組み立てる際のブレードの常温常圧時の長さを、低温加圧運転時にほぼ維持できる伸縮量となるように、ブレード素材の材質、線径、編み込み密度、編み込む形式により調整したブレードを用いることにより、更に良好な可撓性を有した可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供できる効果を有する。
また、ブレード素材にアラミド系、ポリアミド系合成繊維や炭素繊維を編みこんだ非金属ブレードを用いることにより、低温でもブレードの強度を確保でき、且つブレードが軽量で可撓性に優れるため、更に軽量で可撓性に優れた可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供できる効果を有する。ここで、非金属ブレードの金属ブレード両端での固定は、金属リングでのかしめによる機械的一体化や、接着剤を使用した一体化構造で実施できる。
また、真空空間に配置する前記断熱ブレードに所定のピッチで真空排気口を設けることにより、真空排気抵抗を小さくして、金属ベロー管とブレード間の空気を短時間に排気することができ、同様の作用により残留ガスによる断熱性能の低下を防止できる効果を有する。
また、以上の実施例では、可撓性低温冷却装置の被冷却体が超電導磁石を構成する超電導バルク体である場合について説明したが、被冷却体が超電導磁石を構成する超電導コイル巻線体、超電導送電装置を構成し断熱冷媒移送管中に長尺に渡って配置された超電導線、磁気計測装置のSQUID素子、低温コンピュータの電子素子、低温NMR受信・照射用のコイルであっても同様の作用、効果を生じる。
上記本発明になる超電導送電装置は、断熱移送管中に長尺に渡って配置された高温超電導線が被冷却体である場合、冷却冷媒は冷却装置内で製造される液体窒素や、より低温の固体窒素と液体窒素の負圧のスラリー流体であり、冷却冷媒が往路管を、復路管内を蒸発窒素ガスを含む冷媒が流動する際に生じる、往復路管の長尺金属ベロー管の熱収縮の変形量を、金属ブレードの設計された伸縮で抑制でき、かつ往復路管の可撓性を有することができるので、可撓性低温冷却装置を提供できる効果を有する。
また、以上の実施例では、往復路管を同一の大気と隔離する真空ベロー管内に配置した場合について説明したが、往復路管を別々の真空ベロー管内に配置し、別々の往路の移送管および復路の移送管で構成すれば、1本毎の真空断熱された移送管が小径となり、更に可撓性に優れた可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置を提供できる効果を有する。
1…超電導バルク磁石、2…断熱真空容器、3…高温超伝導バルク体、4b…ブレード、4f…低温冷媒の往路管、4g…フランジ、4s…往路、5b…ブレード、5f…低温冷媒の復路管、5g…フランジ、5s…復路、6…移送管、7…着磁用外部磁石、8…冷却ステージ、9…スリーブ、11…真空容器、12…螺管式熱交換器、13…冷却ステージ、14…ヘリウム低温冷凍機、15…圧縮機、16…向流式熱交換器、17…循環冷媒供給直管、19…真空空間、21…スペーサ、22…隙間、23…常温フランジ、24…通気孔、25…循環冷媒回収管、27…常温フランジ、28f…真空ベロー管、28b…ブレード、32…圧縮機、41f…ベロー管、48f…真空ベロー管、48b…ブレード、49f…真空ベロー管、49b…ブレード、50…空間、51…積層断熱材、53…端部フランジ、57…支持柱、59…支持円筒体、60f…往路管、60b…ブレード、60d…断熱ブレード、61…フランジ、64f…往路管、64b…ブレード、65…支持柱、70…真空排気口、73…螺旋凹部、72f…金属ベロー管、72b…ブレード、99…冷却装置、100…真空ポンプド、74…スペーサ、75…通気口

Claims (11)

  1. 低温に冷却される被冷却体を内蔵する第1真空断熱容器と、温度レベルの異なる複数の冷却ステージを有する冷凍機と、前記冷凍機を内蔵する第2真空断熱容器と、前記第1真空断熱容器と前記第2真空断熱容器との間で断熱された低温度の冷媒を移送するフレキシブル往路管及びフレキシブル復路管と、を備える可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、少なくとも前記往路管及び復路管を、金属細線もしくは非金属細線を編んだブレード付きフレキシブル管で形成し、且つ内部を真空としたフレキシブル管内に、前記往路管及び復路管を内蔵したことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  2. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、少なくとも前記復路管、復路管を、軸方向断面が波型のリング状の凹凸形状のベロー管としたことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  3. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、少なくとも前記復路管、復路管を、軸方向断面が波型の螺旋状の凹凸形状のベロー管としたことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  4. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記往路管を異径の2重のベロー管で構成した熱シールド管の内側の真空空間で包含し、前記2重のベロー管の間の空間に熱伝導ガスを封入し、且つ前記空間に前記復路を貫通させ前記熱シールド管を、内部を真空としたフレキシブル管内に配置したことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  5. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記往路管と復路管を同軸異径の3重のベロー管で構成し、前記往路管を最内部に配置した第1のベロー管で構成し、真空空間を介して前記復路管を第2、第3のベロー管の間の空間を復路とした第2、第3のベロー管で構成し、3重のベロー管を、内部を真空としたフレキシブル管内に配置したことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  6. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記往路管と復路管を同軸異径の2重のベロー管で構成し、前記往路管を最内部に配置した第1のベロー管で構成し、前記復路管を第2のベロー管と前記第1のベロー管の間の空間に形成し、前記第1のベロー管の外表面に非金属の断熱物で覆い、前記往路管と復路管を、内部を真空としたフレキシブル管内に配置したことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  7. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記ブレードが、非金属繊維を編みこんだブレードであることを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  8. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記真空空間内に配置したベロー管のブレードに、ブレード厚み方向に貫通する排気口を設けたことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  9. 請求項1に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記往路管と復路管のブレードの伸縮量を、ブレード素材の材質、線径、編み込み密度、編み込み形式の少なくとも1つ以上の仕様で調整したブレードを用いたことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  10. 請求項7に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、前記非金属繊維が少なくともアラミド系もしくはポリアミド系もしくは炭素系の繊維を編みこんだブレードであることを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
  11. 請求項1および請求項4に記載の可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置において、大気と真空隔離する、内部を真空とした前記フレキシブル管の内壁と、前記真空中に内蔵された前記往路管または復路管または熱シールド管との間に、配置位置を維持する、アラミド系もしくはポリアミド系素材で通気性を有したスペーサを配置したことを特徴とする可撓性断熱移送管および可撓性低温冷却装置。
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