JP5959848B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機・レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる画像加熱装置に関するものである。画像加熱装置としては、記録材に形成された未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を向上させる光沢処理加熱装置等が挙げられる。
電子写真方式で用いられるトナーの画像加熱装置には、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式などが知られている。フィルム加熱方式の画像加熱装置は、熱ローラ方式の画像加熱装置の熱ローラに比べ、熱容量の小さいフィルムを定着部材として用いているため定着部材を所定温度に立ち上げるまでの時間を短縮することができる。また立ち上がり時間が短いため、スタンバイ時に定着部材を暖めておく必要がなく消費電力を極力低く抑えることが可能である。
フィルム加熱方式の画像加熱装置における定着フィルム材料としては、SUSやニッケルなどの金属材料を用いる場合や、ポリイミドなどの耐熱樹脂材料を用いる場合がある。金属材料は樹脂材料に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、高速化や高寿命に対応できる。一方、樹脂材料は、金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また樹脂材料は塗工成型により薄肉のフィルムを成型できるため安価に成型できる特徴がある。
フィルム加熱方式で定着フィルムを用いる場合においては、定着フィルムの回動軸方向である長手方向への片寄りが発生する場合があり、この片寄りを精度良くコントロールすることは非常に難しい。そこで、定着フィルムをルーズに懸回し、定着フィルムの片寄り力を低減し、定着フィルムの側端部を規制部材(「フランジ」とも称する)の規制面で受け止めて、片寄りの規制を行なうことが提案されている(特許文献1)。
しかし、上記のように定着フィルムの側端部をフランジで規制する場合、定着フィルムの片寄り力が大きくなると、定着フィルム端部に折れ、あるいは亀裂を生じる現象(以下、「フィルム端部破損」と称する)が発生することがある。その結果として、画像加熱装置における定着画像の劣化、定着フィルムの走行不良や耐久寿命の短命化の可能性があった。そこで、定着フィルムの膜厚の厚肉化や、フィルム材料に添加物を混ぜてフィルムの強度を上げることで、フィルム端部破損の防止を行なっている。
特開平04−044075号公報
しかしながら、上記従来のフィルム加熱方式の画像加熱装置において、画像形成装置の不調、加熱装置の記録材搬送不良、ユーザーによる緊急停止や停電などにより画像加熱装置内に記録材が残ってしまう場合(以下、「ジャム」と称する)がある。ジャムが発生した場合、画像加熱装置内に残ってしまった記録材の除去(以下、「ジャム処理」と称する)を行なう必要があるが、このジャム処理の際に「フィルム端部破損」が発生することがあった。
ユーザーが画像加熱装置から記録材のジャム処理を行なう際に、記録材を搬送方向から角度のついた斜め方向に引き抜いた場合、定着フィルムに通常の回転時の片寄り力よりも大きい片寄り力が発生することがある。このようなジャム処理により大きな片寄り力が発生した場合、定着フィルム端部がフランジの規制面に強く当たりフィルム端部破損が発生することがあった。フィルム端部破損が発生しないようにフィルムの膜厚を更に厚くすると、ヒータの熱が記録材に伝わり難くなり、記録材へのトナーの定着性が落ちて定着不良が発生する場合があった。
本発明の目的は、ジャム処理時に通常のプリント時より大きい片寄り力が発生した場合においても、可撓性を有する円筒状の回転体の端部の破損を抑制できる画像加熱装置を提供することにある。
上記課題を解決するための好適な実施形態の一つは、筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触しているヒータと、前記フィルムを前記ヒータと共に挟持してニップ部を形成するローラと、前記フィルムの長手方向の端面に対向する対向面を有し、前記フィルムの長手方向への移動を規制する規制部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を搬送しつつ加熱する画像加熱装置において、前記フィルムを前記フィルムの長手方向から見た場合に、前記フィルムの前記ニップ部の入口近傍の領域である第1の領域の曲率半径と、前記フィルムの前記ニップ部の出口近傍の領域である第2の領域の曲率半径と、がいずれも、前記フィルムの回転方向に関し前記フィルムの前記ニップ部から最も離れた領域である第3の領域の曲率半径よりも小さくなるように、前記フィルムは前記ニップ部のみで挟持され、前記フィルムの長手方向において、前記フィルムの前記第3の領域に対向する前記対向面の領域は、前記フィルムの前記第1の領域に対向する前記対向面の領域と、前記フィルムの前記第2の領域に対向する前記対向面の領域と、のいずれよりも前記フィルムの前記端面から離れており、前記フィルムの前記第1の領域の曲率半径と、前記フィルムの前記第2の領域の曲率半径と、が等しいことを特徴とする。
本発明によれば、ジャム処理時に通常のプリント時より大きい片寄り力が発生した場合においても、可撓性を有する円筒状の回転体の端部の破損を抑制できる画像加熱装置を提供することにある。
第1の実施形態に係る画像加熱装置における定着フランジ部の拡大図である。 第1の実施形態に係る画像加熱装置の概略断面図である。 第1の実施形態に係る画像加熱装置の定着フィルムの回転軌道を示す図である。 (a)は通常回転時に定着フィルムに片寄り力が発生していない時の記録材搬送方向上流部から見た図、(b)は片寄り力が発生しフィルム端面の上流側が規制部材に接触する場合の図、(c)は更に片寄り力が発生しフィルム端面の下流側も規制部材に接触するように片寄り力を受ける場合の図である。 (a)乃至(c)は、通常回転時に定着フィルムに片寄り力が発生した時の加熱装置上方部から見た図である。ジャム処理時に定着フィルムに片寄り力が発生した時の説明図。 ジャム処理時に定着フィルムに片寄り力が発生した時の説明図である。 (a)乃至(c)は、夫々第1の実施形態の変形例を示す図である。 第2の実施形態における定着フランジ部の拡大図である。 第2の実施形態におけるその他の定着フランジ形状を示す図である。 参考例として、定着フィルム112の内周中心に定着フィルム112から離間したハロゲンヒータを備える場合の装置構成の概略断面図である。 本実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置の全体概略断面図である。 は、従来の定着フランジ部の拡大図である。 (a)乃至(c)は、断面二次モーメント計算の参考図である。 (a)は従来の定着フランジにおいてフィルム端部が内側に入り込んだ状態の図、(b)はフィルム端部が外側にめくれた状態の図である。
《第1の実施形態》
本発明の第1の実施形態を以下に説明する。本実施形態のフィルム加熱方式の画像加熱装置は、定着フィルム端面において曲率半径が比較的小さい部分で定着フィルムの長手方向の片寄りを規制する構成であるため、定着フィルムの端部が座屈し難く、フィルム端部破損が発生し難いことを特徴としている。まず、本実施形態における画像加熱装置を搭載する画像形成装置の本体構成を説明し、次いで、本実施形態に係わる画像加熱装置について詳しく説明する。
(画像形成装置)
本実施形態において、記録材上に未定着トナー像を形成する方法及び画像形成装置の一例を図11に示す概略図を用いて説明する。本実施形態における画像形成装置50は、記録材搬送ベルト9上に担持した記録材P上に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を順次転写することで、一つの画像を形成する方式である。像担持体である感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器2、レーザ光を感光ドラム1に照射する露光装置3、現像器5、記録材搬送ベルト9を介して転写ローラ10、及び感光ドラムクリーナー16が配置されている。
まず、感光ドラム1は、その表面が帯電器2によってマイナス極性に帯電される。次に帯電された感光ドラム1は、露光手段3の露光Lにより、その表面上に静電潜像が形成(露光された部分は表面電位が上がる)される。本実施形態のトナーは各色共にマイナス極性に帯電されており、まず1色目のイエロートナーが入った現像器5によって、感光ドラム1上の静電潜像部にのみマイナストナーが付着し、感光ドラム1上にイエローのトナー像が形成される。
一方、記録材搬送ベルト9は、二つの支持軸(駆動ローラ12、テンションローラ14)に支持され、図中矢印R4方向に回転する駆動ローラ12によって、矢印R3方向に回転する。記録材Pは、給紙ローラ4によって給紙されると、プラス極性のバイアスが印加された吸着ローラ6によって帯電され、記録材搬送ベルト9上に静電吸着し搬送される。記録材Pが転写ニップN1に搬送されると、記録材搬送ベルト9に従動回転する転写ローラ10に、不図示の電源からトナーの極性とは逆の極性であるプラス極性の転写バイアスが印加される。
そして、感光ドラム1上のイエロートナー像は、転写ニップ部N1において記録材P上に転写される。転写後の感光ドラム1は、弾性体ブレードを有する感光ドラムクリーナー16によって表面の転写残トナーが除去される。
以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目マゼンタM30、3色目シアンC30、4色目ブラックK30の各現像カートリッジについても順次行い、記録材搬送ベルト9上の記録材Pに4色のトナー像を形成する。4色のトナー像を担持した記録材Pは、画像加熱装置100に搬送され、表面のトナー像の加熱定着が行なわれる。
(画像加熱装置)
次いで、本実施形態の画像加熱装置100について以下に説明する。本実施形態の画像加熱装置100は、上述のように立ち上げ時間の短縮や低消費電力化を目的としたフィルム加熱方式の画像加熱装置である。図2は本実施形態における画像加熱装置100の断面図である。定着フィルム112(回転体)は可撓性を有する回動可能な無端ベルトであり、その内周部には加熱ヒータ113(加熱部材)が設けられている。この加熱ヒータ113は定着フィルム112の内面に接触し、定着フィルム112を内側から加熱する。定着フィルム112を挟むように、加熱ヒータ113に対向して加圧ローラ110(加圧部材)が定着ニップNを形成している。
加圧ローラ110は駆動源によって駆動され、定着フィルム112は定着ニップNで加圧ローラ110から動力をもらい従動回転する。加熱ヒータ113の熱は定着フィルム112の内面から表面に伝わり、定着ニップNで加圧ローラ110表面も加熱される。未定着トナー像Tが転写された記録材Pが、不図示の搬送手段により、図中矢印A1方向からニップ部Nに搬送されると、定着フィルム112と加圧ローラ110の熱が、未定着トナー像Tと記録材Pに伝わり、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(定着フィルム)
本実施形態では、バックアップ部材を兼ねる加熱部材である加熱ヒータ113がヒータホルダー119に保持され、この周囲に可撓性を有する円筒状の定着フィルム112が設けられた構成となっている。ヒータホルダー119は、加熱ヒータ113の熱を奪い難いように低熱容量の材料が好ましく、本実施形態では耐熱性樹脂である液晶ポリマー(LCP)を用いた。ヒータホルダー119は強度を持たせるために鉄製のステー120で加熱ヒータ113とは反対側から支えられている。
ステー120は、定着フィルム112の回転方向と交差する長手方向の両端部から加圧バネ114によって、図2で矢印A2方向に147Nの力で加圧されるようになっている。これにより、加熱ヒータ113は定着フィルム112を介して加圧ローラ110に加圧され、幅7.5mmの定着ニップNが形成されている。定着フィルム112は、加圧ローラ110の図2で矢印R1方向の回転によりニップ部Nで力を受け、図2で矢印R2方向に従動回転する。本実施形態の定着フィルム112は、変形させない円筒状の状態で外径がφ20mm(即ち、円周長から計算される円の曲率半径R=10mm)であり、厚み方向には多層構成となっている。
定着フィルム112の層構成としては、フィルムの強度を保つための基層126と、表面への汚れ付着低減のための離型層127からなる。基層126の材質は、加熱ヒータ113の熱を受けるため耐熱性が必要である。また、加熱ヒータ113と摺動するため強度も必要であるため、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)やニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面へ伝達しやすい。
樹脂は、金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また、樹脂は、塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施形態では、定着フィルム112の基層126の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率と強度を向上させるためカーボン系のフィラーを添加して用いた。基層126の厚さは薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着ローラ110表面に伝達しやすいが強度が低下するため15μm〜100μm程度が好ましく、本実施形態では60μmとした。
定着フィルム112の離型層127の材質は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂を用いると好ましい。本実施形態では、フッ素樹脂の中でも離型性と耐熱性に優れるPFAを用いた。離型層127は、チューブを被覆させたものでも良いが、表面を塗料でコートしたものでも良く、本実施形態では、薄肉成型に優れるコートにより離型層127を成型した。
離型層127は薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面に伝達しやすいが、薄すぎると耐久性が落ちるため、5μm〜30μm程度が好ましく、本実施形態では10μmとした。
(加圧ローラ)
本実施形態の加圧ローラ110は外径φ20mmであり、φ12mmの鉄製の芯金117にシリコーンゴムを発泡した厚さ4mmの弾性層116(発泡ゴム)が形成されている。加圧ローラ110は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、加圧ローラ110表面の熱が内部へ吸収され易く、加圧ローラ110の表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。上記シリコーンゴムを発泡した発泡ゴムの熱伝導率は0.11〜0.16W/m・Kであり、0.25〜0.29W/m・K程度のソリッドゴムよりも熱伝導率が低い。
また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30であるのに対して、発泡ゴムが約0.75〜0.85であり、低熱容量でもある。従って、この発泡ゴムは、上記加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。加圧ローラ110の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さ過ぎると定着ニップNの幅が狭くなってしまうので適度な径が必要であり、本実施形態では、外径をφ20mmとした。弾性層116の肉厚に関しても、薄過ぎれば金属製の芯金に熱が逃げるので適度な厚みが必要であり、本実施形態では、弾性層116の厚さを4mmとした。
弾性層116の上には、トナーの離型層として、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)からなる離型層118が形成されている。離型層118は定着フィルム112の離型層127同様、チューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものでも良いが、本実施形態では、耐久性に優れるチューブを使用した。離型層118の材質としては、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂や、離型性の良いフッ素ゴムやシリコーンゴム等を用いても良い。
加圧ローラ110の表面硬度は、低いほど軽圧で定着ニップNの幅が得られるが、低すぎると耐久性が落ちるため、本実施形態では、Asker−C硬度(4.9N荷重)で、40〜45°とした。加圧ローラ110は、不図示の回転手段により、図中矢印R1方向に、表面移動速度60mm/secで回転するようになっている。
(加熱ヒータ)
加熱ヒータ113は、幅6mmで厚さ1mmのアルミナの基板表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷により10μm塗工し、その上に発熱体保護層としてガラスを50μmの厚さで覆ったものを用いた。加熱ヒータ113の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するための温度検知素子115が配置されている。この温度検知素子115の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に流す電流を適切に制御することで、加熱ヒータ113の温度を調整している。
そして、加熱ヒータ113の熱は、定着フィルム112の内面から表面に伝わり、定着ニップNを介して加圧ローラ110の表面を加熱する。上述のように未定着トナー像Tが転写された記録材Pが、ニップ部Nに搬送されると、定着フィルム112と加圧ローラ110の熱は、未定着トナー像Tと記録材Pに伝わり、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(定着フィルムの回転軌道)
ニップ部Nは、記録材Pを挟持搬送するため、記録材Pの搬送性安定化には凹凸が少ない方が好ましい。そのため本実施形態では、定着フィルム112の内面に接触する加熱ヒータ113の表面を極力平らにし、加圧ローラ110に加圧され形成される定着ニップNは略平面になるようにした。定着フィルム112は、変形していない円筒状では外径がφ20mmであり、曲率半径Rは10mm(以下、「定着フィルム円筒半径」と称する)である。定着フィルム112は、定着ニップN部で加熱ヒータ113と加圧ローラ110の弾性層116に挟まれると、略平面に広げられるように変形する。
図3に、本実施形態の画像加熱装置における定着フィルム112の回転軌道を示す。ニップ部Nでは、定着フィルム側から見ると相対的に加圧ローラ110によって矢印A3方向から押されている状態となるため、押されているニップ部Nの搬送方向上流側と下流側では、曲率半径が円筒状の曲率半径Rよりも小さくなるような変形がおきる。即ち、ニップ部Nの搬送方向上流側における曲率半径が最も小さくなる領域Lrjと、ニップ部Nの搬送方向下流側における曲率半径が最も小さくなる領域Lrkが形成される。本実施形態では、領域Lrj、領域Lrkの最小曲率半径rは共にr=5mmとなる。
定着フィルム112は、外力が加えられ変形が大きい定着ニップN部から離れているほど安定な状態である円筒形状に戻ろうとするため、変形が少なくなる。図3で、上方の領域LRでは曲率半径Rが最も大きくなり、本実施形態の画像加熱装置における領域LRの曲率半径Rは、定着フィルム円筒半径と同じ10mmとなる。定着フィルム112は、上方の領域LRにから矢印R2方向に回転し定着ニップNに近づくと、曲率半径が徐々小さくなる。定着フィルム112が領域Lrjに到達すると、最小曲率半径r=5mmに変形し、その後、定着ニップNに突入すると平らに広げられるような変形する。
定着ニップNを出て定着ニップNの下流側の領域Lrkに到達すると再び最小曲率半径r=5mmに変形する。定着フィルム112は更に回転し領域Lrkを抜けると徐々に曲率半径が大きくなり、上方の領域LRの位置に戻ると最も大きい曲率半径R=10mmに戻る。定着フィルム112は一周する間にこの変形を繰り返す回転軌道となる。
(定着フランジ)
次に図2中矢印A1方向から見た画像加熱装置の模式図を図4に示す。図4(a)は定着フィルム112が長手方向へ片寄りが発生していない時の図である。定着フィルム112内部の様子が分かるように定着フィルム112は透かして点線で示す。加圧ローラ110は、駆動ギア131から駆動を受けると図3中矢印R1方向に回転駆動する。定着フィルム112は定着ニップNで加圧ローラ110から力を受け、図4中矢印R2方向に従動回転する。
定着フィルム112は長手方向の左右何れかへの片寄りが発生する場合があり、定着フィルム112の端部には片寄りを規制する定着フランジ130(規制部材)が定着フィルム112の両端部に設けられている。定着フィルム112が駆動ギア131方向へ片寄った場合を図4(b)に示す。定着フィルム112に片寄りが発生した場合、定着フィルムの側端面112aは片寄りが発生した方の定着フランジ130の規制面130aに突き当たり、片寄りが規制されるようになっている。
一方、定着フランジ130は、定着フィルム端部の内周面と定着フィルムガイド面130bで接触摺動して、定着フィルムの回転を内周面でもガイドしている。定着フランジ130が定着フィルム112の内周面と接触摺動すると、定着フィルム112の熱が定着フランジ130に奪われてしまう。そのため、記録材上のトナーの定着に影響しないように、定着フィルム112内周面との接触摺動するフィルムガイド部130bは、記録材搬送領域Xよりも長手方向外側で定着フィルム112内周面をガイドするようになっている。
(通常回転時の定着フィルムの片寄り)
加圧ローラ110と定着フィルム112が通常回転している場合、基本的には加圧ローラ110は長手方向均一な力で定着フィルムを周方向へ搬送するが、定着フィルム112が長手方向均一な力で搬送されない場合がある。例えば、定着フィルム112や加圧ローラ110のアライメントが左右でずれている場合や、加圧バネ114の左右のバランスがとれていない場合、定着フィルム112や加圧ローラ110の左右で外径差がある場合などである。これらの場合、加圧ローラ110による定着フィルム112の搬送力が長手方向に均一ではなくなる。
こうした場合、定着フィルム112は加圧ローラ110による搬送力が強い方に片寄る傾向にある。図4中矢印A2方向(加熱装置上方)から見た模式図を図5に示す。定着フィルム112に片寄りが発生していない場合(図4(a)の場合)の模式図を図5(a)に示し、駆動ギア131方向(図中右側)に定着フィルム112が片寄った場合(図4(b)の場合)の模式図を図5(b)及び(c)に示す。ニップ部Nにおける加圧ローラ110による定着フィルム112の搬送力を長手方向左右で分け、駆動ギア131のある駆動側の搬送力をHr、反駆動側の搬送力をHlとする。
左右の搬送力HrとHlが同じ場合、定着フィルム112に長手方向の片寄りは発生せず、図5(a)に示すように定着フィルム112は両端部が定着フランジのガイド部130bの上流面Jr及びJl(図5(a)の左右斜線部分)に接触しガイドされる。一方、定着フィルム112の搬送力HrがHlよりも大きくなった場合、定着フィルム112がは駆動ギア131方向(図中右側)に変位する。この場合、図5(b)に示すように定着フィルム112は、搬送力Hrが大きい方(ここでは駆動ギア131側)が下流側(矢印Y1方向)に傾き、搬送力Hlが小さい方が上流側(矢印Y2方向)に傾く。
そのため定着フィルム112の内周面は、駆動側では定着フランジのガイド部130b上流面(図5(b)の右側斜線部分Jr)に接触しガイドされるが、反駆動側では定着フィルム112が上流側へ傾く(矢印Y2方向)。そのため、定着フランジのガイド部130bの下流面(図5(b)の左側斜線部分Kl)に接触しガイドされ、定着フィルム112の傾きが規制される。定着フィルム112が搬送方向A1方向に対して角度θyだけ傾くと、定着フィルム112の搬送力の駆動ギア131方向に分力FYが働く。そのため定着フィルム112は傾きながら搬送力大きい駆動ギア131方向へ片寄る。
駆動ギア131側の定着フィルムの側端面112aは、上流側で定着フランジ130の規制面130aに突き当たり、定着フィルム112の駆動ギア131側への変位が規制される。定着フィルム112に更に駆動ギア131方向の片寄り力が加わると、定着フィルム112の下流側が図5(c)矢印Y3方向に動き、定着フィルムの側端面112aは下流側も定着フランジ130の規制面130aと接触するようになる。
即ち、定着フィルム112の通常回転時に駆動側の搬送力Hrが反駆動側の搬送力Hlよりも大きくなった場合、定着フィルム112は駆動側に片寄る。そして、最終的に定着フィルムの側端面112aは、定着フランジの規制面130aに上流側から下流側にかけて接触摺動し、定着フィルム112の片寄りが規制されるようになる。
(ジャム処理時の定着フィルムの片寄り)
次に、ジャム処理時の定着フィルム112の片寄りについて説明する。画像加熱装置に記録材が残留した場合、ユーザーが画像加熱装置の搬送方向下流側からから記録材のジャム処理を行なったとする。このとき、搬送方向に真っ直ぐに記録材を引き抜けば定着フィルム112に片寄り力は発生しないが、記録材を搬送方向に対して角度のついた斜め方向に引き抜いた場合、定着フィルム112に通常の回転時の片寄り力よりも大きい片寄り力が発生することがある。図5に対して搬送方向下流側から駆動ギア131方向に角度θjをつけて記録材Pをジャム処理した場合の模式図を、図6に示す。
ジャム処理力HUの力で記録材Pのジャム処理を行なった場合、駆動ギア131側へ分力は片寄り力FJとなり、ジャム処理力HUと角度θjの大きさによっては、定着フィルム112の通常回転時の片寄り力よりも大きい片寄り力FJが発生することがある。その場合、定着フィルム端面112aは定着フランジ130の規制面130aに強く突き当たる。搬送方向下流側から記録材Pをジャム処理した場合は、定着フィルム112は記録材Pの引き抜き力により搬送方向下流側に強く引っ張られる。そのため、定着フィルムの両端部の内周面が定着フランジのガイド部130bの上流面(図6中の左右斜線部分Jr及びJl)に接触しガイドされる。
そのためジャム処理による定着フィルム112の片寄りの場合は通常回転時の片寄りと異なり、定着フィルム112は傾かずに片寄る。定着フィルム112は傾かずに片寄るため、定着フィルムの側端面112aは定着フランジ130の規制面130aに上流側から下流側にかけて接触摺動し、定着フィルム112の片寄りが規制される。即ち、定着フィルム112が長手方向に片寄る場合、通常の回転時で片寄る場合もジャム処理により片寄る場合も、定着フィルムの側端面112aは定着フランジ130の規制面130aに上流側から下流側にかけて接触摺動する。これにより、定着フィルム112の片寄りが規制される。
(定着フィルム端部破損)
上記のように定着フィルム112が長手方向に片寄り、その片寄り力の強さが強い場合に定着フィルム112が定着フランジの規制面に強く突き当り、定着フィルム112の端部が破損することがある。以下にこのフィルム端部破損について詳しく説明する。図12に従来の定着フランジにおけるフィルム端部破損の模式図を示す。図12は、駆動ギア131側(図中右側)に定着フィルム112が片寄った場合に定着フランジ140のフィルム規制面140aに定着フィルム端部112aが突き当たったときの模式図と、定着フランジ140のフィルム規制面140aの断面図である。
従来の定着フランジ140は、定着ニップ部N以外の領域(フィルム端部規制領域TR)に定着フィルム112の片寄りを規制するフィルム規制面140aが設けられている。そのため定着フィルム112が片寄り、定着フィルム端面112aがフィルム規制面140aに突き当たると、定着フィルム端面112aと定着フランジの規制面140aはフィルム端部規制領域TRで接触摺動し、定着フィルム112の片寄りが規制される。
ここで上述したように定着フィルム112は、定着ニップN部で平らになるような変形をし、定着ニップN部の上流領域Lrjと下流領域Lrkで曲率半径rが最も小さくなる変形をする。そして、上方の領域LRでは曲率半径Rが最も大きくなり、定着フィルム円筒半径と同じになる。従来の定着フランジ140のフィルム端部規制領域TRは、定着フィルム円筒半径と同じ曲率半径となる領域LRと、曲率半径が最も小さくなる領域Lrjと領域Lrkを含み、定着フィルム112の片寄りを規制する。
この状態で、更に定着フィルム112に片寄り力が発生すると、まず先に定着フィルム112の上方の領域LRで定着フィルム112の折れや座屈発生し易い。これは定着フィルムの回転軌道において上方の領域LRの曲率半径Rが最も大きいため、座屈強度が弱くなるからである。一般式(オイラーの式)で座屈が発生する座屈荷重Pは、試料の長さをL、ヤング率をE、断面2次モーメントをIとすると、式(1)で表される。
定着フィルムの座屈を考えると、定着フィルムの長手方向のある長さをL、定着フィルム材料の強度をE、回転軌道を考えた断面二次モーメントをIと置きかえられる。即ち、定着フィルムの座屈は、定着フィルムの材料強度が強く、断面二次モーメントが大きいと、座屈荷重Pが大きくなるため発生し難くなる。
ここで図7を用いて定着フィルムの断面二次モーメントを考える。図7(a)において、x軸から距離yだけ離れた断面積Aの試料の断面二次モーメントIは、式(2)で表される。
定着フィルムの曲率半径違いにおける断面二次モーメントを考える。図13(b)と図13(c)に、定着フィルムの断面の一部に見立てた断面積が同じで曲率半径が異なる二つの断面図を示す。曲率半径rの断面Arと、曲率半径Rが曲率半径rの2倍である断面ARの断面二次モーメントを比較する。断面Arと断面ARの断面の差は、図13(c)に示す斜線部分である。断面ARは断面Arよりも曲率半径が大きいため、斜線部分ARsは斜線部分Arsよりも全体的に大凡ΔY分だけΔx軸に近づく。
x軸に対する断面二次モーメントIは、距離yの二乗の積の総和であるため、曲率半径Rが大きい断面ARの方がΔYの二乗の積の総和分、断面二次モーメントIが小さくなる。定着フィルムは同じ断面積で比較した場合、曲率半径が大きいほど断面二次モーメントIは小さくなる。
即ち、定着フィルムの回転軌道において、曲率半径が大きいほど断面二次モーメントIが小さくなり、それに伴い座屈荷重Pが小さくなるため、座屈が発生し易い。そのため定着フィルム端面112aが定着フランジ140のフィルム端部規制領域TRで強い片寄りの規制をした場合、曲率半径Rが最も大きい上方の領域LRで定着フィルム112の折れや座屈が発生し易いのである。
定着フィルム112が上方部で座屈する場合、定着フィルム端部が内側に入り込んだり、外側にめくれたりすることがある。図14に定着フィルム112が座屈した時の図を示す。図14(a)は定着フィルム端部が内側に入り込んだ時の図であり、図14(b)は外側にめくれた時の図である。定着フィルム112は回転しながら片寄るため、定着フィルム1周の中で内側に入り込む部分と外側にめくれる部分が出来てしまう場合がある。定着フィルムの1周の中で内側に入り込む部分と外側にめくれる部分が出来てしまうと、その内側と外側の切り替わり部で定着フィルム112端部が裂けてしまうこともある。
このように従来の定着フランジ140は、定着フィルム円筒半径と同じくらい曲率半径Rが大きくなる領域LRでも定着フィルム112の片寄りを規制する。そのため、強い片寄り力が発生すると、定着フィルム112の上方の領域LRで定着フィルム112の折れや座屈、亀裂などのフィルム端部破損が発生し易い。
(定着フランジの定着フィルム規制部の構成)
本実施形態の定着フランジ130の構成は、定着フィルムの側端面において、曲率半径が比較的小さい部分でのみ規制部材である定着フランジ130と接触して、定着フィルムの片寄りを規制する。このため、定着フィルム112の折れや座屈、亀裂などのフィルム端部破損が発生し難いことを特徴としている。以下に詳しく説明する。
図1に本実施形態の定着フランジ130による定着フィルム112の片寄り規制の模式図を示す。図1は、図6と同様に駆動ギア131側(図中右側)に定着フィルム112が片寄った場合に、定着フランジ130のフィルム規制面130aに定着フィルム端部が突き当たったところの模式図と定着フランジ130の規制面130aの断面図である。本実施形態の定着フランジ130は、図1に示すようにフィルム規制面130aの上方部にテーパー角度θが付いており、大きい曲率半径R(第1の曲率半径)のフィルム非接触部領域LRがフィルム規制面130aと接触しないようになっている。
定着フランジ130において、定着フィルムの側端面112aの周方向で、定着フィルムと接触摺動して定着フィルム112の片寄りを規制するフィルム接触部の領域は、定着ニップ部Nの上下流で定着フィルムの曲率半径が最も小さくなる領域である。即ち、定着フランジ130におけるフィルム接触部(第1の曲率半径Rより小さく設定される第2の曲率半径r)は、ニップ部Nの上流側位置(領域Trj)、下流側位置(領域Trk)である。本実施形態の定着フランジ130は、この双方の位置を接触箇所として定着フィルムの片寄りを規制する。
定着フィルムの曲率半径の大きい領域LRに対しては、定着フランジ130はフィルムから離間し、フィルムと接触しない非接触部を構成する。定着フィルムの側端面における周方向で規制部材とは接触しない非接触部に対応する領域LRでは、曲率半径Rは円周長から計算される円の曲率半径として求められる。
上述の通り、定着フィルム112は曲率半径が小さいほど断面二次モーメントが大きくなり、座屈荷重が大きくなるため、曲率半径が小さい部分で定着フィルムの片寄りを規制する本実施形態の定着フランジ130では定着フィルムの座屈が発生し難い。
(本実施形態の効果)
定着フィルム112の曲率半径rが小さくなる領域で定着フィルムの片寄りを規制する本実施形態の定着フランジ130と、従来の定着フランジ140とでフィルム端部破壊の発生し易さの比較試験を行なった。フィルム端部破損の比較は、ジャム処理により片寄り力を強くした場合の比較と、通紙耐久によるフィルム端部破損の有無の確認で比較した。ジャム処理によるフィルム端部破損の比較は、フィルム端部破損が発生したときの定着フィルムの片寄り力を測定できるように、定着フランジ端部に圧力を検知するロードセルを装着し、ジャム処理時に定着フランジにかかる片寄り力を測定しながら行なった。
ジャム処理は加熱装置下流側から行い、記録材の搬送方向に対しての記録材を引き抜くときの角度を変えることで片寄り力を変化させた。比較に先立って記録材の引き抜く角度を変えながら片寄り力を測定すると、最大で片寄り力は3000gfまで発生させることができるのを確認した。また定着フィルムの強度違いで比較するために、定着フィルムの基層の膜厚が40μm、50μm、60μm、70μmの場合について、フィルム端部破損が発生したときの片寄り力を記録した。また定着フィルムの基層膜厚違い(強度違い)による定着性の違いも確認した。
定着性は濃度低下率で表し、以下の方法で算出する。測定器はマクベス反射濃度計RD914を用い、紙上に定着されたハーフトーン画像を、シルボン紙を5枚重ねたところに
荷重0.4N/cmで5往復擦った前後の濃度を測定する。本実施形態では、ハーフトーン濃度として擦る前の濃度D1が約0.7のものを用いた。擦った後の濃度をD2とすると、濃度低下率は(D1−D2)/D1により算出される。定着フィルム各基層膜厚に対して、ブラック単色のハーフトーン画像を印字し、上記濃度低下率の測定を行い定着性の評価を行った。
濃度低下率が10%未満の場合を良好な定着性とし◎、10%以上20%未満を○、濃度低下率が20%以上のものを定着不良として×と評価した。また、定着性の判断基準は装置の仕様によるものであり、必要とされる定着性は装置によって適宜決めることができる。
通紙耐久によるフィルム端部破損の有無の確認は、通紙により片寄り力が発生し易いように長手方向両端部に設けられている加圧バネ114の加圧力のバランスを崩して行なった。本実施形態の構成では左右両端の加圧バネ114は各73.5Nの加圧力(総圧力で147N)である。本比較では駆動側にプラス10%の加圧バネ(80.85N)を用い、反駆動側にマイナス10%の加圧バネ(66.15N)を用いることで片寄り力を発生し易い状態にして通紙耐久を行なった。
加圧ローラ110による定着フィルム112の搬送力は、加圧力の低い反駆動側よりも加圧力の高い駆動側が高くなり、上述のように駆動側に定着フィルム112が片寄り易くなる。通紙耐久に先立ち、このときの片寄り力を上記のようにロードセルで測定すると通紙中の片寄り力の平均値で約500gfであった。フィルム端部破損の有無の確認は、加熱装置の寿命の2倍である10万枚までを目標に通紙耐久を行い、定着フィルムの片寄りによる端部の折れや座屈、あるいは亀裂の有無の確認を行なった。
フィルム端部破損の比較結果を表1に示す。
ジャム処理によるフィルム端部破損の比較結果は、基層膜厚が40μmのとき、従来の定着フランジが600gfで破壊したのに対して、本実施形態の定着フランジでは1000gfまで破損しなくなった。そして、基層膜厚が50μmでは、従来の定着フランジが1200gfで破壊したのに対して、本実施形態の定着フランジは2000gfまで破損しなくなった。従来の定着フランジに対して本実施形態の定着フランジは大凡2倍の片寄り力まで耐えられるようになった。また本実施形態の定着フランジでは、基層膜厚が60μm以上でジャム処理によるフィルム端部破損は発生しなくなった。
通紙耐久によるフィルム端部破損の比較結果は、基層膜厚が40μmのとき従来の定着フランジが1万枚で破壊したのに対して、本実施形態の定着フランジは5万枚まで破損しなくなった。基層膜厚が50μmでは、従来の定着フランジが5万枚で破壊したのに対して、本実施形態の定着フランジは加熱装置の寿命の2倍である10万枚まで破損しなくなった。定着性に関しては、基層の膜厚が60μm以下では定着不良が発生せず、50μmで濃度低下率が10%未満となり良好な定着性を示した。
すなわち、本実施形態の定着フランジ130では、定着不良が発生しない基層膜厚60μmでジャム処理及び通紙耐久によるフィルム端部破損の発生を抑えることができた。本実施形態の定着フランジ130の構成のように、定着フィルムの回転軌道の中で曲率半径が比較的小さい部分で定着フィルムの片寄りを規制する構成にすることで、フィルム端部破損の発生を抑制することができる。
以上、駆動側(駆動ギア131側)の定着フランジ130について説明したが、反駆動側も駆動側と同様の構成であり、反駆動側においても同様な作用効果がある。また本実施形態では、一例として、定着フランジ130のフィルム規制面130aの上方部にテーパー角度θを付けて、定着フィルム112の曲率半径Rが大きくなる領域LRが接触摺動しない構成にしたが、これに限ったものでは無い。
例えば、図7(a)に示すように、定着フィルム112の曲率半径Rが大きくなる領域LRがフィルム規制面130aと接触しないようにフィルム規制面130aを曲面する構成や、図7(b)のように段差面130cを設けた構成にしても良い。また図7(c)に示すように、定着フィルム112の曲率半径Rが大きくなる領域のフィルム規制面を無くした構成にし、曲率半径が小さくなる領域で定着フィルムの片寄りを規制するようにしてもフィルム端部破損が発生しし難く、上述と同様の作用効果が得られる。
また本実施形態では、定着フィルムの回転軌道の中で曲率半径が最も小さくなる領域で、定着フィルムの片寄りを規制したが、本発明はこれに限られるものでは無い。定着フィルムの片寄りを規制する曲率半径の大きさは、定着フィルム円筒半径よりも比較的小さいければフィルム端部破損の抑制効果が得られるため、定着フィルムの強度や加画像熱装置の片寄り力の発生する状況に合わせて最適化すると良い。
《第2の実施形態》
本発明の第2の実施形態を以下に説明する。本実施形態において、未定着トナー像を形成する画像形成装置については、上記第1の実施形態と同じく一般的であり説明を省略する。また画像加熱装置においても、基本構成は第1の実施形態と同じフィルム加熱方式の画像加熱装置であり、同じ部材については、同一の符号で示し説明を省略する。本実施形態では第1の実施形態と同様に、定着フィルム端面において曲率半径が比較的小さい部分で定着フィルムの長手方向の片寄りを規制する構成であるが、定着フィルムの曲率半径を小さく変形させる部材を設けている。
この定着フィルムの曲率半径を小さく変形させた部分で定着フィルム112の片寄りを規制するため、第1の実施形態の定着フランジ130の構成よりも更にフィルム端部破損の発生を抑制することができる。以下に詳しく説明する。
(定着フランジ)
図8に本実施形態の定着フランジ150による定着フィルム112の片寄り規制の模式図を示す。図8は、図1と同様に駆動側(図中右側)に定着フィルム112が片寄った場合に定着フランジ150のフィルム規制面150aに定着フィルム端部が突き当たったところの模式図と定着フランジ150の規制面150aの断面図である。本実施形態の定着フランジ150の上方部には、定着フィルムの曲率半径を小さく変形させる定着フィルム回転体ガイド部材151が設けられている。
定着フィルム回転体ガイド部材151は定着フィルム112の内面から接触し定着フィルム112を上方へ押し上げ、定着フィルム112の曲率半径が小さくなるように変形させる。定着フィルム回転体ガイド部材151の材質は耐熱性樹脂である液晶ポリマー(LCP)であり、定着フィルム112の回転を阻害しないように定着フィルム112の矢印R2方向の回転により、矢印R3方向へ従動回転するようになっている。
本実施形態の定着フランジ150も第1の実施形態と同様に、定着フィルムの曲率半径rが小さくなる定着ニップN上下流領域(上流領域Trjと下流領域Trk)で定着フィルムの片寄りを規制する。本実施形態の定着フランジ150は、定着フィルム回転ガイド部材151により、定着フィルムの曲率半径r2が定着ニップN上下流領域のLrkとLrjの曲率半径rよりも小さくなるように変形させている。
このニップ部Nの上下流の曲率半径rよりも小さく変形させた定着フィルム端面領域Lrtが、上流領域Trjと下流領域Trkと共に接触箇所として定着フランジ150と接触摺動し、定着フィルムの片寄りを規制する。定着フィルム回転体ガイド部材151により変形させられる定着フィルム112の曲率半径r2の大きさは、回転体ガイド部材151の形状によって決まる。定着フランジのフィルム規制領域Trtと接触摺動する定着フィルムの端面Lrt部の曲率半径r2は、小さいほど断面二次モーメントが大きくなるため座屈強度が強くなる。
曲率半径が、小さすぎると定着フィルム112の屈曲疲労に繋がるため、本実施形態では回転体ガイド部材151の半径を3mmとした。第1の実施形態では、曲率半径rが最も小さくなる定着ニップN部の上流領域Lrjと下流領域Lrkで、定着フィルムの片寄りを規制した。本実施形態では、更に曲率半径が小さくなる領域Lrtを形成し、その部分でも定着フィルムの片寄りを規制するため、第1の実施形態より強い片寄り力が加わってもフィルム端部破損が発生し難い。
(本実施形態の効果)
本実施形態の定着フランジ150の構成においても、第1の実施形態と同様のフィルム端部破損の比較試験を行った。フィルム端部破損の比較結果を表2に示す。
ジャム処理によるフィルム端部破損の比較結果は、基層膜厚が40μmのとき第1の実施形態の定着フランジ130が1000gfで破壊したのに対して、本実施形態の定着フランジ150は2000gfまで破損しなくなった。また、基層膜厚が50μm以上では、ジャム処理によるフィルム端部破損は発生しなくなった。通紙耐久によるフィルム端部破損の比較結果は、本実施形態の定着フランジ150では基層膜厚が40μmでも加熱装置の寿命の2倍である10万枚まで破損しなくなった。
即ち、本実施形態の定着フランジでは、定着性が良好な基層膜厚50μmでジャム処理及び通紙耐久によるフィルム端部破損の発生を抑えることができた。本実施形態の定着フランジ150のように、定着フィルムの曲率半径をより小さく変形させ、この曲率半径を小さく変形させた部分で定着フィルム112の片寄りを規制する定着フランジ構成にすることで、更にフィルム端部破損の発生を抑制することができる。
本実施形態においても、駆動側の定着フランジ150について説明したが、反駆動側も駆動側と同様の構成であり、反駆動側においても同様な作用効果がある。また本実施形態では、一例として、定着フランジ150の上方部に定着フィルムの曲率半径を小さく変形させる定着フィルム回転体ガイド部材151を設けたが、定着フィルム回転ガイド部材151の設置位置はこれに限ったものでは無い。曲率半径を小さく変形させた部分で定着フィルム112の片寄りを規制すれば、定着フィルムの一周域内のどこに定着フィルム回転ガイド部材を設けても同様の効果作用が得られる。
また本実施形態では定着フィルム回転ガイド部材151により定着フィルムの曲率半径r2をr=3mmに変形させたがこれに限らず、定着フィルムの強度や加熱装置の片寄り力の発生する状況に合わせて曲率半径の大きさを最適化をすると良い。
また本実施形態の定着フィルム回転体ガイド部材151は、画像加熱装置上方に一個所設置されており、定着フィルム112の内面から接触するような構成であるが、これに限られるものでは無い。例えば、図9の定着フィルム回転ガイド部材152に示すように、定着フィルム112の表面から押し込むように定着フィルムの曲率半径を小さく変形させても良い。また図9の定着フィルム回転ガイド部材152のように複数個所で曲率半径を小さく変形させ、定着フィルム112の片寄りを規制しても良い。
更にフィルム端部破損が発生し難くできるため、定着性能を向上させるために定着フィルムの膜厚を薄くする場合や、定着フィルム強度が低いものを用いる場合に有効である。また、本実施形態の定着フィルム回転体ガイド部材151は定着フィルムの回転に伴い回転する構成であるが、これに限られない。即ち、定着フィルムの回転を大きく阻害しない範囲であれば、回転しない固定部材で定着フィルムの内面、若しくは外表面から接触摺動し、曲率半径を小さく変形させるようなガイド部材構成でも良い。
参考例
図10に示す参考例では、定着フィルム112の内周中心に定着フィルム112から離間したハロゲンヒータ201を設け、摺動部材200で加圧ローラ110と定着ニップNを形成するような構成を用いる。また別の参考例では、回転体である定着フィルムの内側に圧接するヒータの替わりに電磁誘導加熱手段(励磁コイルと磁束コア)を用いる、あるいは回転体内部に抵抗層を設けて通電により自己発熱させることで回転体を加熱する。
前者においては、回転体が鉄等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)で形成され、回転体の外側の励磁コイル、回転体の内側の磁束コアにより、回転体に渦電流を発生させる。後者においては、電極より通電することで回転体を加熱する。これらの場合においても図13の摺動部材200のようなバックアップ部材で加圧ローラ110と定着ニップNを形成する。
(変形例)
上述した実施形態においては、回転体である定着フィルムは、基層126と離型層127の2層構成のものを用いたが、これに限らず、基層126と離型層127の間に弾性層を設けた構成にしても良い。耐熱性のシリコーンゴムなどを弾性層として用いることで定着フィルムが記録材の凹凸と密着しやすくなるため画質が良好になる。弾性層の厚みは、厚いほど記録材の凹凸と密着し易くなり画質が良好になるが、厚すぎると加熱ヒータの熱が記録材に伝達し難くなり定着性が落ちるため30μm〜300μm程度が好ましい。
このように弾性層を設けた定着フィルムを用いた場合においても、定着フィルム端面において曲率半径が比較的小さい部分で定着フィルムの長手方向の片寄りを規制する構成であれば、上述のようにフィルム端部破損が発生し難く、上述と同様の作用効果が得られる。
110・・加圧ローラ、112・・定着フィルム、113・・加熱ヒータ、119・・ヒータホルダー、151・・回転体ガイド部材、201・・ハロゲンヒータ、N・・ニップ部

Claims (3)

  1. 筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内面に接触しているヒータと、
    前記フィルムを前記ヒータと共に挟持してニップ部を形成するローラと、
    前記フィルムの長手方向の端面に対向する対向面を有し、前記フィルムの長手方向への移動を規制する規制部材と、
    を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を搬送しつつ加熱する画像加熱装置において、
    前記フィルムを前記フィルムの長手方向から見た場合に、前記フィルムの前記ニップ部の入口近傍の領域である第1の領域の曲率半径と、前記フィルムの前記ニップ部の出口近傍の領域である第2の領域の曲率半径と、がいずれも、前記フィルムの回転方向に関し前記フィルムの前記ニップ部から最も離れた領域である第3の領域の曲率半径よりも小さくなるように、前記フィルムは前記ニップ部のみで挟持され、
    前記フィルムの長手方向において、前記フィルムの前記第3の領域に対向する前記対向面の領域は、前記フィルムの前記第1の領域に対向する前記対向面の領域と、前記フィルムの前記第2の領域に対向する前記対向面の領域と、のいずれよりも前記フィルムの前記端面から離れており、
    前記フィルムの前記第1の領域の曲率半径と、前記フィルムの前記第2の領域の曲率半径と、が等しいことを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記フィルムは、基層と、前記基層の外側に形成された離型層と、を有し、弾性層を有していないことを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  3. 前記基層は耐熱性樹脂からなることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
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