JP2014194456A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着画像の品質低下を抑制する定着装置を提供する。
【解決手段】加熱部材と、加熱部材により加熱されるベルト部材20と、ベルト部材20の外周面に当接して当接部を形成する加圧手段30と、ベルト部材20の内側に配置され、ベルト部材20を介して加圧手段30を押圧する第1定着ローラ23および第2定着ローラ24と、第1定着ローラ23と、第2定着ローラ24との間に配置され、ベルト部材20を介して加圧手段30を押圧する押圧部材25とを有し、押圧部材25は、加圧手段30の形状に沿って形成された押圧面を有し、押圧面に設けられる弾性層のベルト部材20の搬送方向における中央部の厚さを、前記ベルト部材の搬送方向における両端部の厚さより厚く形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体上に形成されたトナー画像を定着させる定着装置およびその定着装置を備えた電子写真プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置における定着装置は、熱拡散部材を介し、面状発熱体の熱を、張架された定着ベルトに伝え、定着ローラおよびパッド、これらと定着ベルトを挟んで対向する加圧ローラによって形成される当接領域であるニップ部にトナーが転写された記録媒体を搬送し、そのニップ部において熱と圧力によりトナー像を記録媒体に定着させ、画像を形成するように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−68285号公報
しかしながら、従来の技術においては、印刷速度を上げたときに、良好な画像形成品質を得られるように、記録媒体の搬送方向において充分なニップ幅を得ることが困難であるため、パッドを挟んで定着ローラとは逆側の位置にもう1つの定着ローラを配置し、定着ベルトを挟んで加圧ローラに接触させることにより、ニップ幅を増やすようにしたが、パッドおよびパッドと両定着ローラとの間における記録媒体の搬送方向のニップ部での圧力にばらつきが生じてしまい、画像の乱れ等の定着画像の品質低下が発生するという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、定着画像の品質低下を抑制することを目的とする。
そのため、本発明は、加熱部材と、前記加熱部材により加熱されるベルト部材と、前記ベルト部材の外周面に当接して当接部を形成する加圧手段と、前記ベルト部材の内側に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する第1定着ローラおよび第2定着ローラと、前記第1定着ローラと、前記第2定着ローラとの間に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する押圧部材とを有し、前記押圧部材は、前記加圧手段の形状に沿って形成された押圧面を有し、前記押圧面に設けられる弾性層は、前記ベルト部材の搬送方向における中央部の厚さが、前記ベルト部材の搬送方向における両端部の厚さより厚く形成されていることを特徴とする。
このようにした本発明は、定着画像の品質低下を抑制することができるという効果が得られる。
第1の実施例における定着装置の構成を示す側面図 第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図 第1の実施例におけるパッドの構成を示す説明図 第1の実施例における弾性層厚とニップ圧力の関係を示す説明図 第1の実施例におけるニップ圧力の分布の説明図 第1の実施例における評価結果の説明図 第1の実施例における面状発熱体の構成を示す斜視図 第1の実施例における熱拡散部材の構成を示す説明図 第1の実施例における定着ベルトの構成を示す説明図 第1の実施例における加圧ローラの構成を示す説明図 第1の実施例における第1定着ローラの構成を示す説明図 第1の実施例における第2定着ローラの構成を示す説明図 第2の実施例におけるパッドの構成を示す説明図 第2の実施例におけるニップ圧力の分布の説明図
以下、図面を参照して本発明による定着装置および画像形成装置の実施例を説明する。
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図2において、画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等であり、記録媒体に転写された現像剤としてのトナーを定着させる定着装置を備えたものである。なお、画像形成装置1は、定着装置を備えたものであれば、電子写真方式のプリンタ、複写機、ファクシミリ装置に限られることなく、どのようなものであってもよい。また、本実施例では、画像形成装置1をカラー画像形成装置として説明するが、モノクロ画像形成装置であってもよい。
画像形成装置1は、記録媒体としての印刷媒体3を収容する給紙カセット4と、印刷媒体3上にブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順で各色の現像剤像としてのトナー像を形成するトナー像形成部12K、12Y、12M、12Cと、トナー像形成部12K、12Y、12M、12Cの感光ドラム13K、13Y、13M、13Cの表面に静電潜像を形成する露光装置15K、15Y、15M、15Cと、トナー像形成部12K、12Y、12M、12Cで形成されたトナー像を印刷媒体3上に転写する転写ローラ14K、14Y、14M、14Cと、搬送される印刷媒体3上に形成されたトナー像を定着させる定着装置2と、印刷媒体3を給紙カセット4からトナー像形成部12K、12Y、12M、12Cへ搬送する給紙機構部5と、定着装置2から搬送された印刷媒体3を排出部19へ排出する排出機構部16とから構成されている。
トナー像形成部12K、12Y、12M、12Cは、像担持体としての感光ドラム13K、13Y、13M、13Cと、それぞれの感光ドラムを一様に帯電させる帯電装置と、それぞれの感光ドラムに形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、それぞれの感光ドラムに残留したトナーを除去する感光クリーニング装置とから構成されている。
露光装置15K、15Y、15M、15Cは、それぞれの感光ドラム13K、13Y、13M、13Cに隣接するように配置され、選択的に光を照射して感光ドラム13K、13Y、13M、13Cの表面に静電潜像を形成する。
転写ローラ14K、14Y、14M、14Cは、転写ベルト10を挟んで感光ドラム13K、13Y、13M、13Cに対向して配置され、感光ドラム13K、13Y、13M、13Cに形成されたトナー像を印刷媒体3上に転写する。
給紙機構部5は、給紙カセット4に収容されている印刷媒体3を1枚ずつ分離して給紙する給紙ローラ6a,6b、分離片7、搬送ローラ8およびレジストローラ9により構成され、印刷媒体3を画像形成装置1の底部に配設された給紙カセット4からトナー像形成部12K、12Y、12M、12Cへと送り出す。
排出機構部16は、排出ローラ17および排出搬送ローラ18により構成され、転写ベルト10の下流に配設された定着装置2から搬送された印刷媒体3を排出ローラ17により搬送し、さらに排出搬送ローラ18により排出部19に排出する。
図1は第1の実施例における定着装置の構成を示す側面図である。
図1において、定着装置2は、面状発熱体28により加熱され、無端状の回転可能なベルト部材としての定着ベルト20と、定着ベルト20を介してニップ部34を形成する加圧ローラ21と、定着ベルト20を挟んで加圧ローラ21に対向して配置され、定着ベルト20および加圧ローラ21を押圧するパッド22と、定着ベルト20の内側に配置され、定着ベルト20を介して加圧ローラ21を押圧する第1定着ローラ23および第2定着ローラ24と、加圧ローラ21を第1定着ローラ23の方向へ押圧するために加圧ローラ21に荷重をかける弾性部材25と、パッド22を加圧ローラ21の方向へ押圧するためにパッド22に荷重をかける弾性部材26と、第2定着ローラ24を加圧ローラ21の方向へ押圧するために第2定着ローラ24に荷重をかける弾性部材27と、張架された定着ベルト20を加熱する加熱部材としての面状発熱体28と、面状発熱体28の熱を拡散させる熱拡散部材29と、熱拡散部材29や面状発熱体28および加熱部材に荷重を与えることで定着ベルト20を張架させる弾性部材31と、定着ベルト20の温度を検知する温度検知手段32と、ニップ部34を通して定着した印刷媒体を分離する分離ガイド33とから構成されている。
次に、加圧ローラ21、パッド22、第1定着ローラ23および第2定着ローラ24により形成されるニップ部34について詳細に説明する。
加圧手段としての加圧ローラ21と、図中矢印Bで示す定着ベルト20の搬送(回転)方向、すなわち図中矢印Aが示す媒体搬送方向における上流側から順に配設された第2定着ローラ24、パッド22、および第1定着ローラ23とは、定着ベルト20を介して対向して配置され、加圧ローラ21は、図示しない押圧機構により弾性部材25の所定の押圧力で第1定着ローラ23へ押圧され、定着ベルト20の外周面に当接して当接部を形成している。
なお、加圧手段としては、回転することは必須の要件でなく、摩擦係数の低い材料で表面を覆った固定ガイド等としても良いが、本実施例では定着ベルト20に従動して回転する回転部材としての加圧ローラ21を用いている。
また、押圧部材としてのパッド22は、第1定着ローラ23と第2定着ローラ24との間に配置され、圧縮コイルスプリング等の弾性部材26により定着ベルト20を介して加圧ローラ21を押圧する方向に付勢されている。
さらに、第2定着ローラ24も図示しない押圧機構により定着ベルト20を介して加圧ローラ21を押圧する方向に所定の押圧力で付勢されている。
以上の構成により、定着ベルト20およびその定着ベルト20の内部材を含む定着ベルトユニット35と、加圧ローラ21との間には、図中矢印Aが示す媒体搬送方向において所定の幅(長さ)を保持した当接部としてのニップ部34が形成される。
定着ベルト20は、図9に示すように、ニッケル、ポリイミド、ステンレス等の材料で形成された円筒状のベルト基材200の外周面にシリコーンゴム、フッ素樹脂等の耐熱性の弾性層201が形成され、さらに弾性層201の外周面にはフッ素樹脂等からなる離型層202が形成されている。この定着ベルト20は、第1定着ローラ23の回転に伴うニップ部34における摩擦力によって第1定着ローラ23の回転に従動して回転し、面状発熱体28により熱拡散部材29を介して加熱される。
面状発熱体28は、図7に示すように、ステンレスやセラミックス等の基材280表面上に薄いガラス層等の電気絶縁層283を形成し、その上にニッケル−クロム合金、銀−パラジウム合金等の材料を用いた抵抗発熱体281や電極282を形成し、さらに抵抗発熱体281や電極282上にフッ素系樹脂による保護層284を形成し、その保護層284によって保護された面状ヒータである。
熱拡散部材29は、アルミニウムや銅等の熱伝導性や加工性の高い材料で形成され、図8(a)の上面図に示すように、弾性部材31により定着ベルト20の内側に押圧されて当接する曲面領域290が形成され、また図8(b)の下面図に示すように、曲面領域290の反対面には平面溝領域291が形成されている。
平面溝領域291には、面状発熱体28が収納されており、弾性部材31により加圧部材30を介して面状発熱体28の発熱面が平面溝領域291に押圧されて当接している。
加圧手段としての加圧ローラ21は、図10に示すように、鉄、アルミニウム合金等の金属製のパイプまたはシャフトからなる芯金210と、シリコーンゴム、フッ素樹脂等の耐熱性の弾性層211と、フッ素樹脂等からなる離型層212とが積層されて構成され、図示しない軸受けにより回転可能に支持されている。この加圧ローラ21は、第1定着ローラ23の回転に伴うニップ部34における摩擦力によって従動回転する定着ベルト20の回転に伴って従動回転する。
第1定着ローラ23は、図11に示すように、鉄、アルミニウム合金等の金属製のパイプまたはシャフトからなる芯金230と、芯金230の外周面にシリコーンゴム、フッ素樹脂等の耐熱性の弾性層231とが設けられ、図示しない軸受けにより回転可能に支持され、芯金230に設けた図示しない定着ローラギヤに定着モータから伝達される駆動力によって図1中の矢印Aで示す媒体搬送方向に印刷媒体3を搬送する回転方向に回転するように駆動される。
第2定着ローラ24は、図12に示すように、鉄、アルミニウム合金等の金属製のパイプまたはシャフトからなる芯金240と、芯金240の外周面にシリコーンゴム、フッ素樹脂等の耐熱性の弾性層241とが設けられている。この第2定着ローラ24は、第1定着ローラ23の回転に伴うニップ部34における摩擦力によって従動回転する定着ベルト20の回転に伴って従動回転する。
次に、パッド22の構成を図3の第1の実施例におけるパッドの構成を示す説明図に基づいて図1を参照しながら説明する。なお、図3(a)はパッド22全体の構成を示す説明図であり、図3(b)はパッド22の弾性層の構成を示す説明図であり、図3(c)は比較例の弾性層の構成を示す説明図である。
図3(a)において、パッド22は、鉄、アルミニウム合金等の金属からなる支持基材220と、支持基材220に接着固定され、シリコーンゴム、フッ素樹脂等で構成された耐熱性の弾性層221と、弾性層221の表面にシリコーン系コーティング等の摺動層222とを設けて構成されている。なお、摺動層222は、定着ベルト20の内周面との摩擦抵抗を下げるために用いている。
弾性層221の押圧面223は、定着ベルト20を介して加圧ローラ21に押圧されて当接し、その押圧面223の曲率は、加圧ローラ21の半径と、定着ベルト20の厚さとの和に略一致している。
なお、加圧手段は、加圧ローラ21のように回転体に限定されるものでないため、加圧手段の面形状が平面形状である場合、パッド22の加圧手段と当接する押圧面223の形状は平面形状となる。
このように、押圧面223の形状は、加圧手段と密着するように、加圧手段の形状に沿って加圧手段と同じ面形状で形成され、本実施例のように回転部材である加圧ローラ21を用いた場合、加圧ローラ21の外周面に沿った曲面形状となる。
これにより、パッド22と加圧ローラ21とが当接するときの両部材間の接触量(ニップ量)のバラツキを低減させ、パッド22内における加圧ローラ21との押圧力であるニップ圧力を安定させている。
弾性部材26は、パッド22の図1中矢印Aで示す媒体搬送方向と直交する方向である長手方向に複数配置されており、その長手方向におけるニップ圧力が均一になるように設定されている。
図3(b)において、本実施例のパッド22は、弾性層221の図中矢印Aが示す媒体搬送方向(図1中矢印Bが示す定着ベルト20の搬送方向)における両端部の厚さTa、Tc、すなわち図中矢印Aが示す媒体搬送方向の上流(入口)側のパッド22の弾性層221の厚さTaおよび媒体搬送方向の下流(出口)側のパッド22の弾性層221の厚さTcより、パッド22の媒体搬送方向における中央部の弾性層221の厚さTbが厚くなるように形成されている。
したがって、パッド22の弾性層221の厚さは、
中央部の弾性層221の厚さTb>端部の弾性層221の厚さTa
かつ、中央部の弾性層221の厚さTb>端部の弾性層221の厚さTc
の関係を有している。
このパッド22の媒体搬送方向における中央部とは、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向における端部からの距離Lcが弾性層221全体の媒体搬送方向における幅Lnの50±15%の範囲内をいうものとする。
本実施例では、パッド22の中央部の厚さTbは、パッド22の端部の弾性層221の厚さTa、Tcの約1.3倍以上、約10倍以下とした。また、本実施例では、基材220と弾性層221とが接触する面は、図3(b)に示すように台形状としたが、図1に示す加圧ローラ21と反対方向に凸部を形成する逆V字形状や半円形状、曲面形状、または曲面形状と角形状を組み合わせた形状としても良い。
このように、本実施例のパッド22は、加圧手段の形状に沿って形成された押圧面223を有し、その押圧面223に設けられる弾性層221は、定着ベルト20の搬送方向における中央部の厚さTbが、定着ベルト20の搬送方向における両端部の厚さTa、Tcより厚く形成されている。また、弾性層221は、媒体搬送方向における中央部の押圧力が、媒体搬送方向における両端部の押圧力より大きくなるように形成されている。
本実施例では、弾性層221は、定着ベルト20の搬送方向における中央部の厚さTbが、定着ベルト20の搬送方向における両端部の厚さTa、Tcより厚くなるように形成するものとして説明したが、中央部と両端部で弾性係数の異なる弾性層をそれぞれ設けることにより、中央部と両端部の押圧力を異ならせるようにしても良い。
なお、図3(c)に示す比較例のパッド1022では、弾性層1221の厚さTdは媒体搬送方向において一定となっている。パッド1022での基材1220と弾性層1221の接触面の形状は、図3(c)に示すように、弾性層1221が定着ベルト20を介して加圧ローラ21に当接する面と同形状の曲面である。
本実施例では、比較のためパッド1022の弾性層1221の厚さTdは、パッド1022の両端部の弾性層1221の厚さTa、Tcと同じ厚さとし、また厚さTaと厚さTcも同じ、すなわち厚さTa=Tc=Tdとした。
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置の動作を図2に基づいて説明する。
電源が投入され、オペレータにより画像形成を開始させる操作を受付けた画像形成装置1は、画像形成動作を開始し、給紙カセット4に収容された印刷媒体3が給紙ローラ6a、6bおよび分離片7により1枚ずつ分離されて送り出され、搬送ローラ8およびレジストローラ9により転写ベルト10へと搬送される。
このとき、トナー像形成部12K、12Y、12M、12Cでは、感光ドラム13K、13Y、13M、13Cが帯電装置により帯電し、帯電した感光ドラム13K、13Y、13M、13Cの表面に露光装置15K、15Y、15M、15Cにより静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置によって現像され、感光ドラム13K、13Y、13M、13C上に現像剤像としてのトナー像が形成される。
次に、転写ベルト10に搬送された印刷媒体3は、搬送ローラ11a、11bによる転写ベルト10の走行にしたがって感光ドラム13K、13Y、13M、13Cと転写ローラ14K、14Y、14M、14Cとの間を通過する。このとき、感光ドラム13K、13Y、13M、13C上に形成されたトナー像は印刷媒体3に転写される。トナー像が転写された後、感光ドラム13K、13Y、13M、13C上に残ったトナーは感光クリーニング装置により回収される。
トナー像が転写された印刷媒体3は、転写ベルト10から定着装置2へ搬送され、定着装置2により印刷媒体3上のトナー像は熱と圧力により印刷媒体3に定着される。トナー像が定着された印刷媒体3は、排出ローラ17および排出搬送ローラ18により排出部19に搬送され、装置外に排出される。
次に、定着装置の動作を図1に基づいて説明する。
画像形成装置による画像形成動作の開始に従って、第1定着ローラ23は、印刷媒体3が搬送される媒体搬送方向に回転し、定着ベルト20および加圧ローラ21を従動回転させる。面状発熱体28は、電力が供給されることで発熱し、熱拡散部材29の図8(b)に示す平面溝領域291を介して面状発熱体28から熱拡散部材29に熱が伝達され、熱拡散部材29の図8(b)に示す曲面領域290を介して熱拡散部材29から摺動する定着ベルト20に熱が伝達される。
定着ベルト20の温度は、熱拡散部材29とニップ部34との間に配置され、定着ベルト20の内側の温度を検知する温度検知手段32により検知され、その定着ベルト20の温度が所定の定着温度に保たれるように面状発熱体28への電力の供給が制御される。
この定着ベルト20の温度が所定の定着温度に保たれた状態において、トナー像が転写された印刷媒体3が搬送されてくると、その印刷媒体3は定着ベルト20を介して第2定着ローラ24、パッド22、および第1定着ローラ23と、加圧ローラ21とにより形成されたニップ部34で挟持され、定着ベルト20による所定の定着温度での加熱と、所定の押圧力での加圧とにより、トナー像36を印刷媒体3上に定着させる。
ここで、パッド22からニップ部34に加わる圧力(以下、「ニップ圧力」という。)について図4の第1の実施例における弾性層厚とニップ圧力の関係を示す説明図および図5の第1の実施例におけるニップ圧力の分布の説明図に基づいて図1を参照しながら説明する。
図4(a)は本実施例のパッド22の弾性層厚とニップ圧力の関係を示し、図5(a)は弾性層221の媒体搬送方向における中央部の厚さを端部の厚さより厚くしたとき、パッド22に荷重Nを加えたときにニップ部34にかかる圧力分布を示している。
また、図4(b)は比較例のパッド1022の弾性層厚とニップ圧力の関係を示し、図5(b)は弾性層1221の媒体搬送方向における厚さを一定にしたとき、パッド1022に荷重Nを加えたときにニップ部34にかかる圧力分布を示している。
なお、パッドからニップ部に加わる圧力を媒体搬送方向における弾性層の中央部および両端部の3か所に分けて説明する。
図4(b)に示すように、比較例のパッド1022の弾性層1221の厚さが媒体搬送方向において一定(均一な厚さT)である場合、そのパッド1022に荷重Nを加えたときのニップ部34にかかる圧力は、媒体搬送方向における上流側の弾性層1221の端部の圧力がPa、媒体搬送方向における下流側の弾性層1221の端部の圧力がPc、媒体搬送方向における弾性層1221の中央部の圧力がPbである。
このとき、弾性層1221の端部の圧力Pa、Pcより、弾性層1221の中央部の圧力Pbが高くなる。なお、弾性層1221の媒体搬送方向における中央部の荷重方向の弾性係数をKbとする。
一方、図4(a)に示すように、本実施例のパッド22の媒体搬送方向における中央部の弾性層221の厚さをT+ΔTとし、比較例よりΔT厚さを増やしたとき、媒体搬送方向における中央部の荷重方向の弾性係数は、Kb´=Kb×T/(T+ΔT)となり、ΔTが大きくなれば弾性係数が低下し、同じ圧縮量(変位)ではニップ部34にかかる圧力は低下することになる。
このとき、パッド22にかかる圧力Nは一定なので、弾性層221の媒体搬送方向における中央部における圧力Pbが下がることで、弾性層221の媒体搬送方向における両端部における圧力Pa、Pcが上がる。
弾性層221の媒体搬送方向における中央部における圧力Pbが下がり、媒体搬送方向における両端部における圧力Pa、Pcが上がることにより、中央部における圧力Pbと両端部における圧力Pa、Pcとの差が縮まるため、パッド22からニップ部34にかかる圧力の大きさのばらつきが小さくなる。
また、従来例を示す図5(b)において、区間Aは、第2定着ローラ24と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域、区間Cは、パッド1022と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域、区間Eは、第1定着ローラ23と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域であり、区間Bは、第2定着ローラ24とパッド1022との間の定着ベルト20に加圧ローラ21が当接されることで形成されるニップ領域、区間Dは、第1定着ローラ23とパッド1022との間の定着ベルト20に加圧ローラ21が当接されることで形成されるニップ領域である。
図5(b)に示すように、区間Bおよび区間Dでは、ニップ圧力が低下しており、それに対して区間Cにおいてパッド1022により形成されるニップ領域ではニップ圧力のピークを確認することができる。
本実施例を示す図5(a)において、区間Aは、第2定着ローラ24と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域、区間Cは、パッド22と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域、区間Eは、第1定着ローラ23と加圧ローラ21とを当接させることで形成されるニップ領域であり、区間Bは、第2定着ローラ24とパッド22との間の定着ベルト20に加圧ローラ21が当接されることで形成されるニップ領域、区間Dは、第1定着ローラ23とパッド22との間の定着ベルト20に加圧ローラ21が当接されることで形成されるニップ領域である。
図5(a)に示すように、本実施例では、媒体搬送方向におけるパッド22の両端部の弾性層221の厚さよりパッド22の中央部の弾性層221の厚さを大きくしたことにより、パッド22に比較例と同じ荷重をかけたときの本実施例の区間Cのパッド22の中央部のニップ圧力が、図5(b)に示す比較例の区間Cのニップ圧力より下がっている(図4(a)に示す圧力Pb´<圧力Pb)。
そして、下がったニップ圧力に相当する荷重分がパッド22の媒体搬送方向における両端部へ移動し、パッド22の両端部におけるニップ圧力が上がり、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力も上がる(図4(a)に示す圧力Pa´>圧力Pa、圧力Pc´>圧力Pc)。
このように、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力も上がるため、パッド22のニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22と二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができる。
本実施例では、図3(b)に示すパッド22の弾性層221の媒体搬送方向における両端部の厚さTa、Tcを0.55mmとし、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向における中央部の厚さTbを1.10mmとした。また、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向、すなわち短手方向の長さLnは6mmであり、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向と直交する方向、すなわち長手方向の長さを352mmとした。また、弾性体26による加圧力を98N(14N/個×7個)とした。
一方、図3(c)に示す比較例のパッド1022の弾性層1221の厚さTdを0.55mmとし、他のパラメータは本実施例のパッド22の弾性層221と同一、すなわち弾性層1221の短手方向の長さLnを6mm、長手方向の長さを352mm、弾性体26による加圧力を98N(14N/個×7個)とした。
本実施例のパッド22のニップ圧力では、パッド22のニップ領域の区間Cにおけるニップ圧力のピークと、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力の落ち込みとの差が、それぞれ約350g/cm2、約150g/cm2であった。
これに対し、比較例のパッド1022のニップ圧力では、パッド1022のニップ領域の区間Cにおけるニップ圧力のピークと、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力の落ち込みとの差が、それぞれ約550g/cm2、約350g/cm2であった。
このように、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向における両端部の厚さよりパッド22の弾性層221の媒体搬送方向における中央部の厚さを厚くすることにより、パッド22のニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22と二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができた。
なお、評価試験は、画像形成装置1に本実施例のパッド22または比較例のパッド1022を備えた定着装置2を装着し、電源を投入した後、ウォームアップ終了時に、A4サイズの印刷用紙(沖データエクセレントペーパ坪量64g/m2)を10枚連続印刷して行った。
このときの印刷パターンは単色トナーで印刷デューティ(印刷密度)を100%とし、印刷速度はA4印刷用紙を縦送りで50ppm(枚/分)、45ppm(枚/分)、40ppm(枚/分)の3水準として印刷を行った。
上記条件で評価試験を行ったときの印刷用紙(印刷媒体3)上の定着トナー画像の乱れ、ずれ、ムラ等の画像の乱れを定着画像品位の評価項目とした。
この定着画像品位の評価は、印刷用紙上の未定着時のトナーの位置から定着時にトナーがずれることによって生じた不均一部分(画像の乱れ)の有無を目視で判断したものである。この画像の乱れは、定着時にトナーが移動し印刷用紙の地肌が見える、光沢ムラが見えるものである。
本実施例では、定着画像品位の評価を、図6(b)、(c)、(d)に示すように、定着画像に乱れのないものを「○」(図6(b))、定着画像に乱れがページ内に部分的に発生したものを「△」(図6(c))、定着画像に乱れがページ内に全面的に発生したものを「×」(図6(d))の3段階のレベルに分類した。
上記評価条件で本実施例のパッド22および比較例のパッド1022を備えた定着装置を有する画像形成装置1での定着画像品位の評価結果を図6(a)に示す。
図6(a)に示すように、本実施例のパッド22を用いた定着装置2を有する画像形成装置1は、40〜50ppmの印刷速度において定着画像品位の評価は「○」であり、定着画像に乱れが生じていないことが分かる。
一方、比較例のパッド1022を用いた定着装置2を有する画像形成装置1は、40、45ppmの印刷速度において定着画像品位の評価は「△」、50ppmの印刷速度において定着画像品位の評価は「×」であり、定着画像に乱れが生じた。
このように、本実施例では、図1および図3に示すように、パッド22の弾性層221が定着ベルト20を介して加圧ローラ21に当接する押圧面223の曲率を、加圧ローラ21の半径と定着ベルト20の厚さの和に略一致させ、押圧面223の表面形状と加圧手段である加圧ローラ21の表面形状とを略一致させることにより、パッド22と加圧ローラ21とが当接するときの両部材間のニップ量のばらつきを低減させることができ、パッド22と加圧ローラ21とのニップ部におけるニップ圧力を安定させることができる。
また、パッド22の弾性層221の媒体搬送方向における中央部Tcの厚さを、弾性層221の媒体搬送方向における両端部の厚さTa、Tbより、厚くしたことにより、パッド22の媒体搬送方向における中央部における加圧ローラ21とのニップ圧力のピークが下がり、パッド22の媒体搬送方向における両端部における加圧ローラ21とのニップ圧力のピークが上がるため、パッド22のニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22と二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができる。
以上説明したように、第1の実施例では、パッドの弾性層が定着ベルトを介して加圧ローラに当接する面の表面形状と加圧手段である加圧ローラの表面形状とを略一致させ、パッドの弾性層の媒体搬送方向における中央部の厚さを、弾性層の媒体搬送方向における両端部の厚さより、厚くしたことにより、パッドのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッドと二つの定着ローラとの間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができるという効果が得られる。
また、印刷速度を上げても定着画像の乱れ等の発生による定着画像の品質低下を効果的に抑制することができ、定着画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
第2の実施例の構成は、パッドの構成が第1の実施例の構成と異なっている。その第2の実施例の構成を図13の第2の実施例におけるパッドの構成を示す説明図に基づいて図1を参照しながら説明する。なお、図13(a)はパッド全体の説明図であり、図13(b)はパッドの弾性層の説明図である。また、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13において、本実施例のパッド22bは、弾性層221bの図中矢印Aが示す媒体搬送方向における上流側の端部の厚さT1より媒体搬送方向における下流側の端部の厚さT2が厚くなるように形成されている。本実施例では、第1の実施例に対する追加条件として、弾性層221bの下流側の端部の厚さT2は、上流側の端部の厚さT1の約1.1倍以上とした。
ただし、第1定着ローラ23により形成されるニップ圧力のピークをP1とし、第2定着ローラ24により形成されるニップ圧力のピークをP2としたとき、P1>P2となるときに、厚さT2>厚さT1の関係になる。逆に、P1<P2のときは、厚さT2<厚さT1の関係となり、厚さT1は厚さT2の約1.1倍以上になる。
本実施例では、P1>P2となるため、厚さT2>厚さT1の関係になる。
また、本実施例では、第1の実施例との比較のため、パッド22bの媒体搬送方向における中央部の弾性層221bの厚さTbは、第1の実施例における図3(b)に示す弾性層221の厚さTbと同じとし、パッド22bの媒体搬送方向における上流側の弾性層221bの端部の厚さT1と第1の実施例における図3(b)に示す媒体搬送方向における上流側の弾性層221の端部の厚さTaとを同じとし、パッド22bの媒体搬送方向における下流側の弾性層221bの端部の厚さT2は、第1の実施例における図3(b)に示す媒体搬送方向における下流側の弾性層221の端部の厚さTcより大きくした。
したがって、パッド22bの弾性層221bの厚さは、
上流側の弾性層221bの端部の厚さT1=第1の実施例の厚さTa
かつ、下流側の弾性層221bの端部の厚さT2>第1の実施例の厚さTc
の関係を有している。
なお、パッド22bの媒体搬送方向における中央部の弾性層221bの厚さTb>上流側の弾性層221bの端部の厚さT1、かつパッド22bの媒体搬送方向における中央部の弾性層221bの厚さTb>下流側の弾性層221bの端部の厚さT2の関係を有している。
また、第1の実施例と同様に、パッド22bの媒体搬送方向における中央部とは、パッド22bの弾性層221の媒体搬送方向における端部からの距離Lcが弾性層221全体の媒体搬送方向における幅Lnの50±15%の範囲内をいうものとする。また、その他のパッド22bの構成は、第1の実施例と同様である。
上述した構成の作用について説明する。
画像形成装置および定着装置の動作は第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
図13に示すパッド22bから図1に示すニップ部34に加わる圧力(ニップ圧力)について図14の第2の実施例におけるニップ圧力の分布の説明図に基づいて図1および図13を参照しながら説明する。
第1の実施例では、図5に示すように、比較例のニップ圧力に対して第1の実施例のパッド22を用いた場合のニップ圧力は、区間Cのパッド22におけるニップ領域のピークが下がり、その下がった分のニップ圧力により区間Bおよび区間Dのパッド22と、第2定着ローラ24および第1定着ローラ23との間におけるニップ領域の落ち込んだニップ圧力を上げ、パッド22のニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22と二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくするようにした。
しかし、第1の実施例のパッド22を用いた場合のニップ圧力では、区間Dの落ち込みのニップ圧力に対し、区間Bの落ち込みのニップ圧力の方が小さかった。これは、第2定着ローラ24により形成されるニップ圧力のピークP2に対し、第1定着ローラ23により形成されるニップ圧力のピークP1の方が大きく、パッド22と第1定着ローラ23との間のニップ圧力の落ち込み量を小さくする効果があるためである。
本実施例では、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向における下流側の端部の厚さT2が、媒体搬送方向における上流側の端部の厚さT1より厚くなるように形成したことにより、図14に示すように、同じ荷重をパッド22bにかけたときの下流側端部の圧力が小さくなり、上流側端部の圧力が大きくなる。そして、区間Dの落ち込みニップ圧力が小さくなり、区間Bの落ち込みニップ圧力が大きくなる。
そのため、本実施例では、第1の実施例と比較してさらに、パッド22bのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22bと二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができる。
本実施例では、図13に示すパッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向における上流側の端部の厚さT1を0.55mm、下流側の端部の厚さT2を0.75mmとし、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向における中央部の厚さTbを1.10mmとした。また、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向、すなわち短手方向の長さLnは6mmであり、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向と直交する方向、すなわち長手方向の長さを352mmとした。また、弾性体26による加圧力を98N(14N/個×7個)とした。
一方、比較対象としてのパッドは、第1の実施例のパッドを用い、図3(b)に示す第1の実施例のパッド22の弾性層221の媒体搬送方向における下流側の端部の厚さTcを0.55mmとし、他のパラメータは本実施例のパッド22bの弾性層221bと同一、すなわち弾性層221の媒体搬送方向における上流側の端部の厚さTaを0.55mm、弾性層221の媒体搬送方向における中央部の厚さTbを1.10mm、弾性層221の短手方向の長さLnを6mm、長手方向の長さを352mm、弾性体26による加圧力を98N(14N/個×7個)とした。
本実施例のパッド22bのニップ圧力では、パッド22bのニップ領域の区間Cにおけるニップ圧力のピークと、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力の落ち込みとの差が、それぞれ約270g/cm2、約250g/cm2であった。
これに対し、図5(a)に示す第1の実施例のパッド22のニップ圧力では、パッド22のニップ領域の区間Cにおけるニップ圧力のピークと、区間Bおよび区間Dにおけるニップ圧力の落ち込みとの差が、それぞれ約350g/cm2、約170g/cm2であった。
このように、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向における下流側の端部の厚さT2が、媒体搬送方向における上流側の端部の厚さT1より厚くなるようにしたことにより、第1の実施例と比較してもさらに、パッド22bのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22bと二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができた。
なお、本実施例の評価試験は、第1の実施例の評価試験と同様の手法で行った。その結果、本実施例のパッド22bを用いた定着装置2を有する画像形成装置1も、40〜50ppmの印刷速度において定着画像品位の評価は「○」であり、定着画像に乱れが生じていないことを確認し、第1の実施例と比較しても良好な印刷品質を得られることを確認した。
本実施例では、第1定着ローラ23を、定着ベルト20の搬送方向における第2定着ローラ24の下流側に配置し、第1定着ローラ23により形成されるニップ圧力のピーク(区間E)、すなわち第1定着ローラ23と加圧ローラ21との間の押圧力の最大圧力をP1とし、第2定着ローラ24により形成されるニップ圧力のピーク(区間A)、すなわち第2定着ローラ24と加圧ローラ21との間の押圧力の最大圧力をP2としたとき、P1>P2となるときに、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向(定着ベルト20の搬送方向)における下流側の端部の厚さT2を、媒体搬送方向(定着ベルト20の搬送方向)における上流側の端部の厚さT1より厚くなるようにしたことにより、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向における下流側の端部の圧力が小さくなり、また上流側の端部の圧力が大きくなり、そして、図14に示す区間Dの落ち込みニップ圧力が小さくなり、区間Bの落ち込みニップ圧力が大きくなる。
そのため、パッド22bのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22bと二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを、第1の実施例と比較してさらに小さくすることができる。
一方、P1<P2となるときは、パッド22bの弾性層221bの媒体搬送方向(定着ベルト20の搬送方向)における上流側の端部の厚さT1を、媒体搬送方向(定着ベルト20の搬送方向)における下流側の端部の厚さT2より厚くすることにより、パッド22bのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッド22bと二つの定着ローラ(第1定着ローラ23および第2定着ローラ24)との間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを、第1の実施例と比較してさらに小さくすることができる。
以上説明したように、第2の実施例では、パッドの弾性層が定着ベルトを介して加圧ローラに当接する面の表面形状と加圧手段である加圧ローラの表面形状とを略一致させ、第1定着ローラにより形成されるニップ圧力のピークをP1とし、第2定着ローラにより形成されるニップ圧力のピークをP2としたとき、P1>P2となるときに、パッドの弾性層の媒体搬送方向における下流側の端部の厚さを、媒体搬送方向における上流側の端部の厚さより厚くなるようにし、またP1<P2となるときに、パッドの弾性層の媒体搬送方向における上流側の端部の厚さを、媒体搬送方向における下流側の端部の厚さより厚くなるようにしたことにより、さらに、パッドのニップ領域におけるニップ圧力、およびパッドと二つの定着ローラとの間のニップ領域におけるニップ圧力のばらつきを小さくすることができるという効果が得られる。
また、印刷速度を上げても定着画像の乱れ等の発生による定着画像の品質低下を効果的に抑制することができ、定着画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
なお、本発明は、各実施例に限定されるものでなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。また、上述した各部材の構成は例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
さらに、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をカラープリンタとして説明したが、それに限られるものでなく、画像形成装置は電子写真方式を採用したモノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等であってもよい。
1 画像形成装置
2 定着装置
3 印刷媒体
4 給紙カセット
5 給紙機構部
6a,6b 給紙ローラ
7 分離片
8、11a、11b 搬送ローラ
9 レジストローラ
10 転写ベルト
12K、12Y、12M、12C トナー像形成部
13K、13Y、13M、13C 感光ドラム
14K、14Y、14M、14C 転写ローラ
15K、15Y、15M、15C 露光装置
16 排出機構部
17 排出ローラ
18 排出搬送ローラ
19 排出部
20 定着ベルト
21 加圧ローラ
22、22b パッド
23 第1定着ローラ
24 第2定着ローラ
25、26、27、31 弾性部材
28 面状発熱体
29 熱拡散部材
30 加圧部材
32 温度検知手段
33 分離ガイド
34 ニップ部
220 支持基材
221、221b 弾性層
222 摺動層

Claims (9)

  1. 加熱部材と、
    前記加熱部材により加熱されるベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に当接して当接部を形成する加圧手段と、
    前記ベルト部材の内側に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する第1定着ローラおよび第2定着ローラと、
    前記第1定着ローラと、前記第2定着ローラとの間に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する押圧部材とを有し、
    前記押圧部材は、前記加圧手段の形状に沿って形成された押圧面を有し、前記押圧面に設けられる弾性層は、前記ベルト部材の搬送方向における中央部の厚さが、前記ベルト部材の搬送方向における両端部の厚さより厚く形成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記加圧手段は、回転部材であり、
    前記押圧部材の押圧面は、曲面形状を有することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の定着装置において、
    前記第1定着ローラを、前記ベルト部材の搬送方向における前記第2定着ローラの下流側に配置し、
    前記第1定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP1とし、
    前記第2定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP2とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における上流側の端部の厚さをT1とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における下流側の端部の厚さをT2としたとき、
    P1>P2のとき、T1<T2の関係を有することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の定着装置において、
    前記第1定着ローラを、前記ベルト部材の搬送方向における前記第2定着ローラの下流側に配置し、
    前記第1定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP1とし、
    前記第2定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP2とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における上流側の端部の厚さをT1とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における下流側の端部の厚さをT2としたとき、
    P1<P2のとき、T1>T2の関係を有することを特徴とする定着装置。
  5. 加熱部材と、
    前記加熱部材により加熱されるベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に当接して当接部を形成する加圧手段と、
    前記ベルト部材の内側に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する第1定着ローラおよび第2定着ローラと、
    前記第1定着ローラと、前記第2定着ローラとの間に配置され、前記ベルト部材を介して前記加圧手段を押圧する押圧部材とを有し、
    前記押圧部材は、前記加圧手段の形状に沿って形成された押圧面を有し、前記押圧面に設けられる弾性層は、前記ベルト部材の搬送方向における中央部の押圧力が、前記ベルト部材の搬送方向における両端部の押圧力より大きくなるように形成されていることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置において、
    前記加圧手段は、回転部材であり、
    前記押圧部材の押圧面は、曲面形状を有することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の定着装置において、
    前記第1定着ローラを、前記ベルト部材の搬送方向における前記第2定着ローラの下流側に配置し、
    前記第1定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP1とし、
    前記第2定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP2とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における上流側の端部の厚さをT1とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における下流側の端部の厚さをT2としたとき、
    P1>P2のとき、T1<T2の関係を有することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項5または請求項6に記載の定着装置において、
    前記第1定着ローラを、前記ベルト部材の搬送方向における前記第2定着ローラの下流側に配置し、
    前記第1定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP1とし、
    前記第2定着ローラと前記加圧手段との間の押圧力の最大圧力をP2とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における上流側の端部の厚さをT1とし、
    前記押圧部材の弾性層の前記ベルト部材の搬送方向における下流側の端部の厚さをT2としたとき、
    P1<P2のとき、T1>T2の関係を有することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2018146690A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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