JP5959412B2 - Al−Cuろう付け用ペーストおよびAl−Cuろう付け方法 - Google Patents

Al−Cuろう付け用ペーストおよびAl−Cuろう付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、Al−Cuろう付け用ペーストおよびAl−Cuろう付け方法、詳しくは、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、ろう付けするためのAl−Cuろう付け用ペースト、および、そのAl−Cuろう付け用ペーストを用いたAl−Cuろう付け方法に関する。
従来、家庭用熱交換器(給湯器、空調機械など)においては、例えば、アルミニウムまたはその合金同士をろう付け(接合)してなる部材などが用いられている。
また、このようなろう付けに用いられるペースト組成物としては、例えば、(a)ケイ素−アルミニウム−銅合金などのろう付け用金属粉末40〜65重量%、(b)フッ化物系フラックス5〜35重量%、(c)メタクリル酸エステル系重合体1〜10重量%、および、(d)有機溶剤10〜40重量%を含有し、その成分(d)が芳香環及び水酸基を有さない炭化水素系有機溶剤であり、23℃における粘度が6,000〜200,000mPa・sのペースト状であるアルミニウムろう付け用ペースト組成物が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなアルミニウムろう付け用ペースト組成物は、保存安定性および塗布性に優れ、また、ろう付け性にも優れるので、アルミニウム製部材間を良好に接合することができる。
特開2009−166122号公報
一方、近年、家庭用熱交換器(給湯器、空調機械など)において、上記したアルミニウムまたはその合金同士をろう付け(接合)してなる部材の他、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とをろう付け(接合)してなる部材を用いることが検討されている。
しかしながら、特許文献1に記載のアルミニウムろう付け用ペースト組成物は、アルミニウムまたはその合金同士のろう付け性には優れるものの、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とのろう付け性は十分ではなく、そのため、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とのろう付け性に優れるろう付け用ペーストが、要求されている。
また、各種産業分野においては、ろう付け用のペーストには、例えば、2ヶ月以上の長期間保管した場合にも各種成分が沈降しないような優れた保管安定性や、例えば、安定して連続生産できるという優れた生産性が要求されている。
本発明の目的は、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、良好に接合することができ、保管安定性および生産性にも優れるAl−Cuろう付け用ペースト、および、そのAl−Cuろう付け用ペーストを用いたAl−Cuろう付け方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストは、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、ろう付けするためのAl−Cuろう付け用ペーストであって、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金と、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスと、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダと、(d)炭化水素系有機溶剤とを含み、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金および(b)Cs−Al−F化合物系フラックスの含有割合は、それらの総量100質量部に対して、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金が、40〜80質量部、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスが、20〜60質量部であり、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの含有割合は、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金、(b)Cs−Al−F化合物系フラックス、および、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、スパイラルポンプ式粘度計(撹拌速度10rpm、測定試料量150mL)により測定される25℃における粘度が、1〜300Pa・sであることを特徴としている。
また、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストでは、ブチルゴムの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、200,000〜4,000,000であることが好適である。
また、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストでは、メタクリル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、500,000〜2,000,000であることが好適である。
また、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストでは、メタクリル樹脂が、メタクリル酸C〜C18アルキルエステルのホモポリマーと、メタクリル酸C〜C18アルキルエステルおよび水酸基含有メタクリル酸エステルのコポリマーとからなる群から選択される少なくとも一種であることが好適である。
また、本発明のAl−Cuろう付け方法は、上記のAl−Cuろう付け用ペーストを、アルミニウムまたはその合金、および/または、銅またはその合金に塗布する塗布工程と、前記アルミニウムまたはその合金と、前記銅またはその合金とを、前記Al−Cuろう付け用ペーストを介して当接させる当接工程と、前記Al−Cuろう付け用ペーストを、548℃以下で加熱する加熱工程とを備えることを特徴としている。
本発明のAl−Cuろう付け用ペーストによれば、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、良好に接合することができる。
また、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストは、保管安定性に優れるので、長期間(例えば、2ヶ月以上)保管した場合にも各種成分の沈降を抑制でき、さらには、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明のAl−Cuろう付け方法では、本発明のAl−Cuろう付け用ペーストが用いられるので、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、良好に接合することができる。
本発明のAl−Cuろう付け用ペーストは、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とをろう付けするためのろう付け用ペーストであって、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金と、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスと、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダと、(d)炭化水素系有機溶剤とを含んでいる。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金は、ろう材粉末としてAl−Cuろう付け用ペーストに含有されており、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ケイ素(Si)および亜鉛(Zn)を、公知の方法で合金化することにより得ることができる。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金において、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ケイ素(Si)および亜鉛(Zn)の含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定されるが、Al−Cu−Si−Zn系合金における各元素の含有割合は、(Alが90質量%以下、)Cuが27質量%以下、Siが5.5質量%以下、Znが20質量%以下であることがより望ましい。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金は、単独使用してもよく、また、各元素の含有割合が異なる(a)Al−Cu−Si−Zn系合金を、2種類以上併用してもよい。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金の平均粒子径は、例えば、30〜180μm、好ましくは、50〜140μmである。なお、平均粒子径の測定方法は、後述する実施例に準ずる。
(b)Cs−Al−F化合物系フラックスは、アルミニウムまたはその合金や、銅またはその合金の腐食を抑制しつつ、それらの表面の酸化皮膜を除去するためにAl−Cuろう付け用ペーストに含有されている。
すなわち、例えば、塩化物系のフラックスなどを用いると、酸化皮膜を除去することはできる一方、ろう付け後に腐食が発生する場合があるが、Cs−Al−F化合物系フラックスを用いれば、腐食の発生を抑制するとともに、酸化皮膜を除去することができる。
Cs−Al−F化合物系フラックスとして、具体的には、フルオロアルミン酸セシウム(非反応性セシウム系フラックス)が挙げられる。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金および(b)Cs−Al−F化合物系フラックスの含有割合は、それらの総量100質量部に対して、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金が、40〜80質量部、好ましくは、50〜70質量部であり、また、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスが、20〜60質量部、好ましくは、30〜50質量部である。
(a)Al−Cu−Si−Zn系合金および(b)Cs−Al−F化合物系フラックスの含有割合が上記範囲であれば、優れたろう付け性を確保することができる。
一方、例えば、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金の含有割合が上記下限未満であると、ろう付け性が低下し、また、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金の含有割合が上記上限を超過すると、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスが不足するので、流動性が低下する。
(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダにおいて、ブチルゴムとしては、公知のブチルゴム、具体的には、イソブチレンとイソプレンとのコポリマーが挙げられる。
このようなブチルゴムは、特に制限されず、公知の方法により得ることができる。
ブチルゴムの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(測定条件は後述する実施例に準ずる。)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、200,000〜4,000,000、好ましくは400,000〜1,200,000である。
ブチルゴムの重量平均分子量が上記下限未満であると、保管安定性に劣り、長期保管すると各種成分の沈降(相分離)を生じる場合があり、また、上記上限を超過すると、ブチルゴム自体の生産性に劣り、また、連続生産における生産性に劣る場合がある。
また、このようなブチルゴムは、市販品としても入手することができ、具体的には、例えば、商品名「オパノールB30」(BASF社製、重量平均分子量142,000)、商品名「オパノールB50」(BASF社製、重量平均分子量308,000)、商品名「オパノールB80」(BASF社製、重量平均分子量748,000)、商品名「オパノールB100」(BASF社製、重量平均分子量1,120,000)、商品名「オパノールB150」(BASF社製、重量平均分子量2,560,000)、商品名「オパノールB200」(BASF社製、重量平均分子量4,180,000)などが挙げられる。
これらブチルゴムは、単独使用または2種類以上併用することができる。
(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダにおいて、メタクリル樹脂としては、例えば、メタクリル酸エステルのホモポリマー、メタクリル酸エステルのコポリマー、メタクリル酸エステル類と疎水性モノマーおよび/または親水性モノマーとのコポリマーなどが挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸C〜C18アルキルエステルなどが挙げられる。
これらメタクリル酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンなどのスチレン類などが挙げられる。
これら疎水性モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
親水性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、あるいは、これらの塩などの不飽和カルボン酸類などのカルボキシル基含有モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、あるいは、これらの塩などの不飽和スルホン酸類などのスルホン酸基含有モノマーなどが挙げられる。
また、親水性モノマーとして、さらに、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールエステル、メタクリル酸ポリエチレングリコールエステル、エステル部分にアルキレンオキシドが付加したメタクリル酸エステル(例えば、CH=C(CH)COO(CO)H(nは、例えば2〜12の整数)など)などの水酸基含有メタクリル酸エステルなどの水酸基含有モノマーなどが挙げられる。
これら親水性モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
メタクリル樹脂として、好ましくは、メタクリル酸エステルのホモポリマー、メタクリル酸エステルと親水性モノマーとのコポリマーが挙げられる。
また、メタクリル酸エステルと親水性モノマーとのコポリマーとして、さらに好ましくは、メタクリル酸エステルと水酸基含有モノマーとのコポリマーが挙げられる。
すなわち、ろう付け用金属の粉末(Al−Cu−Si−Zn系合金など)は、一般に表面が親水性であるので、分散性や親和性の点から、好ましくは、メタクリル樹脂を構成するモノマーとして、親水性モノマーを含有させる。しかし、上記したカルボキシル基含有モノマーやスルホン酸基含有モノマーは、酸成分であるため、親水性モノマーとして用いると、場合によっては、ろう材粉末と反応することが懸念され、また、熱分解性の点でろう付け性に不具合を生じる可能性がある。
そのため、ろう付け用金属粉末との分散性や親和性を考慮して、親水性モノマーとして、好ましくは、水酸基含有モノマーが挙げられる。
メタクリル酸エステルと親水性モノマーとのコポリマーが用いられる場合において、メタクリル樹脂を構成する全モノマーに占める水酸基含有モノマーの含有率は、(d)炭化水素系有機溶剤(後述)に対する溶解性の観点から、例えば、モノマー総量に対して、10質量%以下である。
なお、Al−Cuろう付け用ペーストにおいては、メタクリル樹脂を構成するモノマーとして、例えば、アクリル系モノマー(アクリル酸エステル、アクリル酸など)を用いることもできるが、アクリル系モノマーを用いると、ろう付け性が低下する場合がある。そのため、メタクリル樹脂を構成するモノマーとして、好ましくは、アクリル系モノマーを排除する。
メタクリル樹脂として、とりわけ好ましくは、メタクリル酸エステルのホモポリマーとして、メタクリル酸C〜C18アルキルエステルのホモポリマーが挙げられ、また、メタクリル酸エステルと水酸基含有モノマーとのコポリマーとして、メタクリル酸C〜C18アルキルエステルおよび水酸基含有メタクリル酸エステルのコポリマーが挙げられる。
これらを用いれば、Al−Cu−Si−Zn系合金の分散性および親和性の向上を図ることができる。
このようなメタクリル樹脂は、特に制限されないが、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合などの公知の重合法により、上記のモノマーをラジカル重合させることにより得られる。
メタクリル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(測定条件は、後述する実施例に準ずる。)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、500,000〜2,000,000、好ましくは、600,000〜1,000,000である。
メタクリル樹脂の重量平均分子量が上記下限未満であると、保管安定性に劣り、長期保管すると各種成分の沈降(相分離)を生じる場合があり、また、上記上限を超過すると、メタクリル樹脂自体の生産性に劣り、また、Al−Cuろう付け用ペーストの連続生産における生産性に劣る場合がある。
なお、メタクリル樹脂の重量平均分子量は、ラジカル重合開始剤の配合量などを調整することにより、適宜、設定することができる。
これら(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダは、単独使用または2種類以上併用することができる。
(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの含有割合は、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金、(b)Cs−Al−F化合物系フラックス、および、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの総量100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは、1〜5質量部である。
(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの含有割合が上記下限未満であると、保管安定性に劣り、長期保管すると各種成分の沈降(相分離)を生じる。また、上記上限を超過すると、ろう付け性に劣り、さらには、ろう付け後の外観に劣る。
(d)炭化水素系有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系/脂環族炭化水素系(ナフテン系)有機溶剤、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤(芳香環を有する炭化水素系有機溶剤)などが挙げられる。また、炭化水素系有機溶剤として、さらに、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの、水酸基を有する炭化水素系有機溶剤などが挙げられる。
これら(d)炭化水素系有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
一方、芳香環を有する炭化水素系有機溶剤は、労働衛生性、安全性、環境保全性、臭気性において劣る場合がある。
また、水酸基を有する炭化水素系有機溶剤は、保存安定性において劣る場合があり、また、例えば、水が共存する場合には、ろう材粉末と経時的に反応し、保管安定性や安全性を低下させる場合がある。
そのため、(d)炭化水素系有機溶剤として、好ましくは、芳香環および水酸基を有しない炭化水素系有機溶剤、具体的には、脂肪族炭化水素系/脂環族炭化水素系(ナフテン系)有機溶剤が挙げられる。
脂肪族炭化水素系/脂環族炭化水素系(ナフテン系)有機溶剤を用いれば、労働衛生性、安全性、環境保全性、臭気性および保管安定性を確保することができる。
また、(d)炭化水素系有機溶剤の沸点は、臭気抑制による作業の円滑性の観点から、例えば、150℃以上、好ましくは180℃以上である。
このような炭化水素系有機溶剤は、市販品としても入手可能であり、具体的には、例えば、商品名「エクソールD80」(エクソン・モービル社製、ナフテン系炭化水素系有機溶剤、沸点(初留点)205℃)などが挙げられる。
(d)炭化水素系有機溶剤の配合割合は、特に制限されないが、Al−Cuろう付け用ペーストの粘度が後述する範囲となるように、適宜設定される。
そして、Al−Cuろう付け用ペーストは、上記の各成分を、公知の方法により混合および撹拌することにより得ることができる。
各成分の含有割合は、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金と(b)Cs−Al−F化合物系フラックスと(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダと(d)炭化水素系有機溶剤との総量100質量部に対して、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金が、例えば、26.8〜53.6質量部であり、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスが、例えば、13.4〜40.2質量部であり、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダが、例えば、0.7〜6質量部であり、(d)炭化水素系有機溶剤が、その残部である。
また、Al−Cuろう付け用ペーストには、必要に応じて、例えば、酸化防止剤(例えば、ジブチルヒドロキシトルエンなど)、腐食防止剤(例えば、ベンゾトリアゾールなど)、消泡剤(例えば、シリコンオイル、グリセリンなど)、増粘剤(例えば、ワックス、硬化油、脂肪酸アミド、ポリアミドなど)、着色剤などの各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、含有させることができる。
例えば、増粘剤を添加すると、得られるAl−Cuろう付け用ペーストの保管安定性、タレ防止性、ろう付け性などのさらなる向上を図ることができる。
そして、Al−Cuろう付け用ペーストの、スパイラルポンプ式粘度計(撹拌速度10rpm、測定試料量150mL)により測定される25℃における粘度は、1〜300Pa・s、好ましくは、10〜60Pa・sである。
Al−Cuろう付け用ペーストの粘度が上記下限未満であると、保管安定性に劣り、長期保管すると各種成分の沈降(相分離)を生じ、さらに、塗布した後に垂れやすいので、ろう付け性に劣る。また、上記上限を超過すると、連続生産における生産性に劣る。
このようなAl−Cuろう付け用ペーストは、保管安定性に優れるので、長期間(例えば、2ヶ月以上)保管した場合にも各種成分の沈降を抑制でき、さらには、生産性の向上を図ることができる。
また、このようなAl−Cuろう付け用ペーストによれば、アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、良好に接合することができる。
以下において、Al−Cuろう付け用ペーストを用いてアルミニウムまたはその合金と銅またはその合金とをろう付けするAl−Cuろう付け方法について、詳述する。
この方法では、まず、上記のAl−Cuろう付け用ペーストを、アルミニウムまたはその合金からなる部材(以下、Al部材とする。)、および/または、銅またはその合金からなる部材(以下、Cu部材とする。)に塗布する(塗布工程)。
アルミニウムの合金は、アルミニウムを主成分とする合金であって、公知のアルミニウム合金が用いられる。なお、アルミニウムの合金において、アルミニウムの他に含まれる成分については特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、銅の合金は、銅を主成分とする合金であって、公知の銅合金が用いられる。なお、銅の合金において、銅の他に含まれる成分については特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
塗布方法としては、特に制限されず、例えば、はけ塗り、スプレー塗装、ロールコーター、バーコーター、ドクターブレードなど、公知の方法を採用することができる。
また、Al−Cuろう付け用ペーストの塗布量や、塗布領域形状(線状塗布、点状塗布など)については、特に制限されず、Al−Cuろう付け用ペーストの粘度や、ろう付け対象の構造などを考慮し、ろう付け後に充分な接合強度が得られるように、適宜設定される。
そして、この方法では、Al部材とCu部材とを所定の構造に組み立てるとともに、Al部材とCu部材とを、Al−Cuろう付け用ペーストを介して当接させる(当接工程)。
なお、この方法では、上記の塗布工程の後、部材を所定の構造に組み立てる前、または、組み立てた後に、必要に応じて、Al−Cuろう付け用ペーストを乾燥させておくことができる。
そして、この方法では、Al−Cuろう付け用ペーストを加熱する(加熱工程)。
加熱方法は、特に制限されず、公知のろう付け方法、例えば、炉中でろう付けする方法などを採用することができる。
加熱工程における加熱温度は、548℃以下であり、通常、ろう材(上記(a)Al−Cu−Si−Zn系合金)の融点以上、例えば、500℃以上である。
また、加熱工程における雰囲気条件は、例えば、真空雰囲気、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気などが挙げられ、また、雰囲気条件として、好ましくは、酸素濃度50ppm以下であることが挙げられる。
これにより、Al部材とCu部材とをろう付けにより接合することができる。
そして、このようなAl−Cuろう付け方法では、上記のAl−Cuろう付け用ペーストが用いられるので、アルミニウムまたはその合金(Al部材)と、銅またはその合金(Cu部材)とを、良好に接合することができる。
次に、本発明を、合成例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
合成例、実施例、比較例などにおいて用いられる物性の測定方法を以下に示す。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量(Mw)測定>
サンプルをテトラヒドロフランに溶解させ、試料濃度を1.0g/Lとして、示差屈折率検出器(RID)を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって測定し、サンプルの分子量分布を得た。
その後、得られたクロマトグラム(チャート)から、標準ポリスチレンを検量線として、サンプルの重量平均分子量(Mw)を算出した。測定装置および測定条件を以下に示す。
データ処理装置:品番HLC−8220GPC(東ソー社製)
示差屈折率検出器:品番HLC−8220GPCに内蔵されたRI検出器
カラム:品番TSKgel SuperHZM−H(東ソー社製)2本
移動相:テトラヒドロフラン
カラム流量:0.35mL/min
試料濃度:1.0g/L
注入量:10μL
測定温度:40℃
分子量マーカー:標準ポリスチレン(POLYMER LABORATORIES LTD.社製標準物質)(POLYSTYRENE−MEDIUM MOLECULAR WEIGHT CALIBRATION KIT使用)
<粘度>
サンプルの25℃における粘度を、スパイラルポンプ式粘度計(PCU−205、マルコム社製)を用いて、下記条件にて測定した。
撹拌速度:10rpm
測定試料量:150cc
試料容器:近畿容器社製ハイレジスト容器
合成例1(メタクリル樹脂a(重量平均分子量:415,000))
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、15部の炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)と、29部のメタクリル酸2−エチルヘキシルと、1部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを仕込んだ後、窒素気流下において、系内温度が90℃となるまで昇温した。
次いで、29.5部の炭化水素系有機溶剤と、過酸化ベンゾイル0.5部との混合溶液を、約2時間かけて系内に滴下した。さらに、5時間同温度に保って重合を完結させ、メタクリル樹脂(メタクリル酸エステル系共重合体)aを得た。
その後、炭化水素系有機溶剤25部で希釈し、固形分が30%の有機バインダ(メタクリル樹脂溶液)とした。
得られたメタクリル樹脂aの重量平均分子量は、415,000であった。
合成例2(メタクリル樹脂b(重量平均分子量:507,000))
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、15部の炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)と、29部のメタクリル酸2−エチルヘキシルと、1部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを仕込んだ後、窒素気流下において、系内温度が90℃となるまで昇温した。
次いで、29.6部の炭化水素系有機溶剤と、過酸化ベンゾイル0.4部との混合溶液を、約2時間かけて系内に滴下した。さらに、5時間同温度に保って重合を完結させ、メタクリル樹脂(メタクリル酸エステル系共重合体)bを得た。
その後、炭化水素系有機溶剤24部で希釈し、固形分が30%の有機バインダ(メタクリル樹脂溶液)とした。
得られたメタクリル樹脂bの重量平均分子量は、507,000であった。
合成例3(メタクリル樹脂c(重量平均分子量:896,000))
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、15部の炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)と、29部のメタクリル酸2−エチルヘキシルと、1部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを仕込んだ後、窒素気流下において、系内温度が90℃となるまで昇温した。
次いで、29.8部の炭化水素系有機溶剤と、過酸化ベンゾイル0.2部との混合溶液を、約2時間かけて系内に滴下した。さらに、5時間同温度に保って重合を完結させ、メタクリル樹脂(メタクリル酸エステル系共重合体)cを得た。
その後、炭化水素系有機溶剤24部で希釈し、固形分が30%の有機バインダ(メタクリル樹脂溶液)とした。
得られたメタクリル樹脂cの重量平均分子量は、896,000であった。
合成例4(メタクリル樹脂d(重量平均分子量:2,012,000))
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、15部の炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)と、29部のメタクリル酸2−エチルヘキシルと、1部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを仕込んだ後、窒素気流下において、系内温度が90℃となるまで昇温した。
次いで、29.9部の炭化水素系有機溶剤と、過酸化ベンゾイル0.1部との混合溶液を、約2時間かけて系内に滴下した。さらに、5時間同温度に保って重合を完結させメタクリル樹脂(メタクリル酸エステル系共重合体)dを得た。
その後、炭化水素系有機溶剤24部で希釈し、固形分が30%の有機バインダ(メタクリル樹脂溶液)とした。
得られたメタクリル樹脂dの重量平均分子量は、2,012,000であった。
合成例5(メタクリル樹脂e(重量平均分子量:3,005,000))
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、15部の炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)と、29部のメタクリル酸2−エチルヘキシルと、1部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを仕込んだ後、窒素気流下において、系内温度が90℃となるまで昇温した。
次いで、29.95部の炭化水素系有機溶剤と、過酸化ベンゾイル0.05部との混合溶液を、約2時間かけて系内に滴下した。さらに、5時間同温度に保って重合を完結させ、メタクリル樹脂(メタクリル酸エステル系共重合体)eを得た。
その後、炭化水素系有機溶剤25部で希釈し、固形分が30%の有機バインダ(メタクリル樹脂溶液)とした。
得られたメタクリル樹脂eの重量平均分子量は、3,005,000であった。
実施例1〜30および比較例1〜11
表1〜4に示す配合処方に従って、Al−Cu−Si−Zn系合金、Al−Cu−Si系合金、Cs−Al−F化合物系フラックス、ブチルゴム、メタクリル樹脂を配合し、表中に示す粘度となるように、炭化水素系有機溶剤(エクソールD80、エクソンモービル社製)を配合して撹拌し、Al−Cuろう付け用ペーストを得た。
Figure 0005959412
Figure 0005959412
Figure 0005959412
Figure 0005959412
なお、表中の各成分の詳細を下記する。
・合金
Al−Cu−Si−Zn系合金:Al 62.5質量%、Cu 27.0質量%、Si 5.5質量%、Zn 5.0質量%、平均粒子径(測定法:後述)136μm
Al−Cu−Si系合金:Al 67.5質量%、Cu 27.0質量%、Si 5.5質量%、平均粒子径(測定法:後述)136μm
・フラックス
Cs−Al−F化合物系フラックス:フルオロアルミン酸セシウム(CF−7、第一稀元素化学工業株式会社製)
・ブチルゴム
ブチルゴムA:「オパノールB30」(BASF社製、重量平均分子量142,000)
ブチルゴムB:「オパノールB50」(BASF社製、重量平均分子量308,000)
ブチルゴムC:「オパノールB80」(BASF社製、重量平均分子量748,000)
ブチルゴムD:「オパノールB100」(BASF社製、重量平均分子量1,120,000)
ブチルゴムE:「オパノールB150」(BASF社製、重量平均分子量2,560,000)
ブチルゴムF:「オパノールB200」(BASF社製、重量平均分子量4,180,000)
・メタクリル樹脂
メタクリル樹脂a:合成例1で得られたメタクリル樹脂(重量平均分子量415,000)
メタクリル樹脂b:合成例2で得られたメタクリル樹脂(重量平均分子量507,000)
メタクリル樹脂c:合成例3で得られたメタクリル樹脂(重量平均分子量896,000)
メタクリル樹脂d:合成例4で得られたメタクリル樹脂(重量平均分子量2,012,000)
メタクリル樹脂e:合成例5で得られたメタクリル樹脂(重量平均分子量3,005,000)
なお、平均粒子径の測定には、レーザー光回折・散乱式粒度分布測定装置MT3000II(MICROTRAC社製)を用いた。溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA;屈折率1.38)を使用し、試料のDV値(レーザーの前方方向に配置された検出器にて捉えた、粒子の散乱光量積算値に関連する値で、測定濃度を決定するマイクロトラックでの目安)が0.01〜1.0の範囲となるように試料を調製し、超音波装置(出力40W)を用いて超音波を3分間照射した後、流速80%(40cc/分)で循環させながら測定(測定条件:粒子透過性・・・反射)した。
[評価]
各実施例および各比較例において得られたAl−Cuろう付け用ペーストについて、下記の通り評価した。その結果を、表中に併せて示す。
<ろう付け性>
25mm×60mmのアルミニウム板(JIS A1050)の長手方向に直行する幅方向中央において、長手方向と並行に、幅約5mm、高さ約2mmでAl−Cuろう付け用ペーストを塗布した。
次いで、25mm×60mmの銅板(JIS C1020)を、塗布したAl−Cuろう付け用ペーストと接触するように、アルミニウム板に対して垂直(逆T字型)に立て、ステンレスワイヤーで固定して、ろう付け性評価用試験片を作成した。
次いで、上記試験片を箱形ろう付け炉(A−BC−M型(ノリタケTCF社製))に挿入し、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)にて、30℃から510℃まで約10分かけて昇温して、ろう付けを実施した。そして、Al−Cuろう付け用ペーストを目視観察し、ろう付け性を評価した。
評価の基準を下記する。
○:ろうが十分濡れ広がり、ろう付けができていた。
△:接合部のろうがやや不足するも、ろう付けはできていた。
×:ろう付けができていなかった。
<保管安定性(沈降性)>
Al−Cuろう付け用ペーストを、23℃において2ヶ月間静置し、各成分の沈降(相分離)性を目視観察により評価した。
評価の基準を下記する。
○:初期状態と比べほとんど変化がなかった。
△:初期状態と比べると若干の相分離が見られるが、かき混ぜると初期状態に容易に戻った。
×:初期状態と比べると相分離が著しく、かき混ぜても初期状態に戻すのが困難または戻らなかった。
<生産性>
ろう付け用ペーストの原材料を多軸分散混練機(コンビミックス:プライミクス社製、条件:アンカーミクサー30rpm、ホモミクサー500rpm、ホモディスパー500rpm、温度=20℃±15℃)を用いて混練し、均一に混練できていることがスパイラルポンプ式粘度計による設備の最上部および最下部における粘度の均一性によって確認できるまでの時間により評価した。
評価の基準を下記する。
○:混練時間30分間未満で粘度均一性が確認できた。
△:混練時間30分以上60分間未満で粘度均一性が確認できた。
×:粘度均一性が確認されるまでに混練時間60分間以上となったまたは粘度均一性が確認できなかった。
表1〜4に示すように、実施例1〜30ではろう付性、保管安定性、生産性の全ての評価を満足した。
比較例1、2では、ろうがほとんど濡れ広がらず、ろう付ができなかった。比較例3、4、8、9では、相分離が著しく、かき混ぜても初期状態に戻すのが困難または戻らず、保管安定性に劣った。比較例5では、粘度均一性が混練時間60分を超えても確認できず、生産性に劣った。比較例6、7では、ろうが十分に流動せず、また、ろう付後に変色が見られ、ろう付ができなかった。比較例10では、ろうの量が足りず、ろう付ができなかった。比較例11では、ろうが十分溶融せず、ろう付ができなかった。

Claims (5)

  1. アルミニウムまたはその合金と、銅またはその合金とを、ろう付けするためのAl−Cuろう付け用ペーストであって、
    (a)Al−Cu−Si−Zn系合金と、
    (b)Cs−Al−F化合物系フラックスと、
    (c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダと、
    (d)炭化水素系有機溶剤と
    を含み、
    (a)Al−Cu−Si−Zn系合金および(b)Cs−Al−F化合物系フラックスの含有割合は、それらの総量100質量部に対して、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金が、40〜80質量部、(b)Cs−Al−F化合物系フラックスが、20〜60質量部であり、
    (c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの含有割合は、(a)Al−Cu−Si−Zn系合金、(b)Cs−Al−F化合物系フラックス、および、(c)ブチルゴムおよび/またはメタクリル樹脂からなるバインダの総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、
    スパイラルポンプ式粘度計(撹拌速度10rpm、測定試料量150mL)により測定される25℃における粘度が、1〜300Pa・sであることを特徴とする、Al−Cuろう付け用ペースト。
  2. ブチルゴムの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、200,000〜4,000,000である、請求項1に記載のAl−Cuろう付け用ペースト。
  3. メタクリル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、500,000〜2,000,000である、請求項1または2に記載のAl−Cuろう付け用ペースト。
  4. メタクリル樹脂が、
    メタクリル酸C〜C18アルキルエステルのホモポリマーと、
    メタクリル酸C〜C18アルキルエステルおよび水酸基含有メタクリル酸エステルのコポリマーと
    からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のAl−Cuろう付け用ペースト。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のAl−Cuろう付け用ペーストを、アルミニウムまたはその合金、および/または、銅またはその合金に塗布する塗布工程と、
    前記アルミニウムまたはその合金と、前記銅またはその合金とを、前記Al−Cuろう付け用ペーストを介して当接させる当接工程と、
    前記Al−Cuろう付け用ペーストを、548℃以下で加熱する加熱工程と
    を備えることを特徴とする、Al−Cuろう付け方法。
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