JP2011219616A - アクリルエマルジョン - Google Patents

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一二 影石
Ariyoshi Ando
有美 安藤
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Abstract

【課題】
本発明は、塗料、粘着剤、接着剤などの用途で、よりよい性能、機能を有するアクリルエマルジョンを得ることを課題とする。
【解決手段】
本発明は、水中で、メタクリル酸0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル3〜20重量%、および、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%(合計で100重量%)のアクリル単量体が乳化重合したアクリルエマルジョンであり、アクリルエマルジョンの加熱残分が14〜16%のとき、粘度(25℃)が0.5〜5.0mPa・sのアクリルエマルジョンである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料、粘着剤、接着剤などに用いられるアクリルエマルジョンに関する。
“にかわ”等で知られているとおり、接着剤は、太古の昔から身近な存在である。接着剤は、ポリ酢酸ビニルエマルジョンやゴム糊などのように、溶媒が蒸発することで接着機能を発揮するものから、エポキシ樹脂接着剤のように主剤と硬化剤を混合し、加熱等により三次元架橋を起こさせてより強靱な接着力や耐熱性、耐薬品性を発揮するものもある。
特許文献1には、アルキル基の炭素原子数が4〜14個の(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、水酸基含有モノマーから選ばれる一種以上のモノマー、反応性ノニオン乳化剤を使用し、75℃以下の重合温度で乳化重合するアクリル系粘着剤が提案されている。特許文献1に示されている技術では、乳化重合用乳化剤として反応性ノニオン乳化剤が使用されるため、乳化重合中におけるアクリル単量体の乳化、分散安定化の不良が懸念され、凝集、皮張りなどの不具合が予測される。また、アクリルエマルジョンの粘度に関しては全く考慮されておらず、塗料、粘着剤、接着剤として重要な被着体へのヌレ性、親和性などが不十分である。
特許文献2には、乳化重合用乳化剤としてノニオン性乳化剤とアニオン性乳化剤を併用するアクリルエマルジョンが提案されている。特許文献2で示されている技術では、アクリルエマルジョンのチキソトロピー性が高いため、被着体への侵入性、浸透性、ヌレ性などが不足することが懸念され、接着性、粘着性などが不十分である。
特許文献3には、特定の反応性乳化剤を使用するアクリルエマルジョンを含む粘着剤が提案されている。特許文献3で提案されている技術では、アクリルエマルジョンの固形分が高く、粘度が高いため、被着体への浸透性、親和性、ヌレ性が不良であることが予測され、接着剤、粘着剤、塗料として十分な性能が発揮されない。
特開平9−143444号公報 特開2005−232331号公報 特開2003−336024号公報
本発明は、アクリルエマルジョンが使用される塗料、粘着剤、接着剤などの用途で、よりよい性能、機能を有するアクリルエマルジョンを得ることを課題とする。
本発明は、水中で、メタクリル酸0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル3〜20重量%、および、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%(合計で100重量%)のアクリル単量体が乳化重合したアクリルエマルジョンであり、アクリルエマルジョンの加熱残分が14〜16%のとき、粘度(25℃)が0.5〜5.0mPa・sのアクリルエマルジョンである。

本発明のアクリルエマルジョンは、アクリルエマルジョンの粘度が特定の最適範囲に制御されるため、種々被着体に対するアクリルエマルジョンの浸透性、親和性、ヌレ性が良好であり、被着体の細部、細孔にまで浸透し、強い界面接着性を発揮する。
本発明のアクリルエマルジョンは、低粘度であり、種々材料に対して浸透性、ヌレ性、親和性が良好であるため、特に、性質が異なる異種材料の接着剤として有用である。
本発明のアクリルエマルジョンは、水中で、メタクリル酸0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル3〜20重量%、および、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%(合計で100重量%)のアクリル単量体が乳化重合したアクリル共重合体を含む。
本発明のアクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体は、使用するアクリル単量体100重量%中、メタクリル酸(以下、MAAとも言う)が0〜3重量%であり、好ましくは、0〜2重量%、より好ましくは、0.2〜1.5重量%使用されるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、メタクリル酸の使用量が3重量%を超える場合には、アクリルエマルジョンの貯蔵安定性が悪くなり、貯蔵経時で粘度上昇を起こす。
本発明のアクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体は、アクリル単量体100重量%中、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAとも言う)および/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル(以下、4HBMAとも言う)が3〜20重量%であり、好ましくは、3〜16重量%、より好ましくは、5〜16重量%使用されるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、HEMAおよび/または4HBMAの使用量が、3重量%未満の場合には、アクリルエマルジョンの凝集力が不足し、接着性、付着性、粘着性が低下する。本発明のアクリルエマルジョンでは、HEMAおよび/または4HBMAの使用量が、20重量%を超える場合には、アクリルエマルジョンの貯蔵安定性が悪化し、貯蔵経時で粘度上昇、エマルジョン粒子径の肥大化を起こす。
本発明のアクリルエマルジョンでは、接着性、付着性、粘着性の観点から、HEMAの使用が推奨される。もっとも好ましくは、アクリル単量体100重量%中、HEMAが8〜12重量%使用されるのが推奨される。本発明のアクリルエマルジョンでは、HEMAが8〜12重量%使用される場合には、アクリルエマルジョンの凝集力が適切となり、粘度が制御されて、被着体への浸透性、ヌレ性、親和性が向上し、接着性が一段と良好となる傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルへキシルなどが例示される。本発明のアクリルエマルジョンでは、メタクリル酸アルキルエステルは単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステルのなかでは、アルキル基が直鎖状であり、かつアルキル基の炭素原子数が1〜4個の、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステルが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、アルキル基が直鎖状であり、かつアルキル基の炭素原子数が1〜4個のメタクリル酸アルキルエステルが使用されるとき、アクリルエマルジョンの凝集エネルギーが大きくなり、被着体への浸透性、ヌレ性、親和性が向上して接着性、付着性、粘着性が向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリル共重合体は、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステルは、77〜97重量%であり、好ましくは、82〜97重量%、より好ましくは、82.5〜94.8重量%使用されるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、メタクリル酸アルキルエステルの使用量が77重量%未満の場合には、アクリルエマルジョンの貯蔵安定性が悪化し、貯蔵経時で粘度上昇を起こす。本発明のアクリルエマルジョンでは、メタクリル酸アルキルエステルの使用量が97重量%を超える場合には、アクリルエマルジョンの凝集エネルギーが不足し、接着性が悪化する。
本発明のアクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体は、使用する全てのアクリル単量体が、好ましくは、メタクリレート(CH=C(CH)−C(O)O−)であるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、使用する全てのアクリル単量体がメタクリレートの場合、ポリエチレン、ABS、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニル樹脂などの有機高分子材料、アルミニウム、鉄、チタン合金などの金属、ガラス、モルタルなどの無機材料などの被着体への浸透性、ヌレ性、親和性が良好となって接着性、付着性、粘着性が向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンの加熱残分(以下、固形分とも言う)が14〜16%のとき、粘度(25℃)が0.5〜5.0mPa・sであり、好ましくは、0.8〜3.5mPa・s、より好ましくは、0.8〜3.0mPa・sであるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンの加熱残分が14〜16%のときの粘度(25℃)が0.5mPa・s未満の場合には、被着体へのアクリルエマルジョンの塗着効率が悪くなり、作業性が悪化する。アクリルエマルジョンの加熱残分が14〜16%のときの粘度(25℃)が5.0mPa・sを超える場合には、被着体への浸透性、侵入性が悪化し、ガラス繊維ストランド、炭素繊維ストランド、ポリアラミド繊維ストランド、ポリエチレン繊維ストランドのように細孔部を有する被着体、繊維束へのアクリルエマルジョンの浸透性、侵入性が悪化し、必要十分な界面剪断強度が発揮されなくなる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンの加熱残分はJIS K 5407:1997にしたがって測定した。なお、測定温度は140℃、測定(加熱)時間は60分とした。
本発明のアクリルエマルジョンでは、イオン交換水で加熱残分を14〜16%に調整したアクリルエマルジョンの粘度は、「VISCOANALYSER VAR−100」(ジャスコインターナショナル(株)のレオロジー測定装置)を使い、25℃で測定した。
アクリルエマルジョンの粘度の測定条件は、
測定テストジオメトリー コーン・プレート
コーン:C 40 1(40mm1℃. Plate)
サンプルローディング方法 ギャップ
レギュレーター強度 100.0%
剪断速度テーブル 剪断速度1.000E+2〜1.000E+4 1/s
とした。
アクリルエマルジョンの粘度(mPa・s)は、剪断速度800〜1200 1/sの平均値とした。
本発明のアクリルエマルジョンでは、剪断速度800〜1200 1/sのとき、好ましくは、25℃で測定される粘度の最大値と粘度の最小値の比が2.0以下であり、より好ましくは、粘度の最大値と粘度の最小値の比が1.8以下、さらに好ましくは、粘度の最大値と粘度の最小値の比が1.5以下であることが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、剪断速度800〜1200 1/sのとき、25℃で測定される粘度の最大値と粘度の最小値の比が2.0以下であれば、種々材料に対する浸透性、侵入性、ヌレ性、親和性が、さらに良好であり、性質が異なる異種材料間の接着剤として優れた性能を遺憾なく発揮する。ことさら、ガラス繊維ストランド、炭素繊維ストランド、ポリアラミド繊維ストランド、ポリエチレン繊維ストランドのような微細径で細孔部を持つ被着体、繊維束への浸透性、侵入性に優れ、良好な接着性を発揮する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル樹脂などの有機高分子材料、アルミニウム合金、チタン合金、鉄などの金属、ガラス、モンモリロナイト、炭素製材料などの無機材料などを相互に接着する接着剤として有用である。
本発明のアクリルエマルジョンでは、性質の異なる異種材料間の接着性を優れたものとするため、アクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体の凝集エネルギーが、好ましくは、398〜420MPa、より好ましくは、398〜418MPa、さらに好ましくは、398〜417MPaであるのが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体の凝集エネルギーが394〜420MPaであれば、種々被着体に対する浸透性、ヌレ性、親和性が良好となり、種々材料に対する良好な接着強度が発揮される傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、以下にアクリルエマルジョン、すなわち、アクリルエマルジョンに含まれるアクリル共重合体の凝集エネルギーの算出方法について説明する。
本発明では、アクリル共重合体の凝集エネルギーCEは、メタクリル酸(以下、MAAとも言う)0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAとも言う)および/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル(以下,4HBMAとも言う)3〜20重量%を含む分子中に(メタ)アクリロイル基以外の官能基を有するアクリル単量体(P)がラジカル重合した化学構造CS(P)の分子量をMp、凝集エネルギーをCE(P)、アクリル共重合体中の化学構造CS(P)のモル分率をPx、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%を含む分子中に(メタ)アクリロイル基以外の官能基を持たないアクリル単量体(Q)がラジカル重合した化学構造CS(Q)の分子量をMq、凝集エネルギーをCE(Q)、アクリル共重合体中の化学構造CS(Q)のモル分率をQxとして(ただし、Px+Qx=1.0である)、
CE=1.15×{Px×CE(P)+Qx×CE(Q)}/(Px×Mp+Qx×Mq)
で算出する。
本発明では、アクリル単量体(P)がラジカル重合した化学構造CS(P)の凝集エネルギーCE(P)は、CE(P)=ΣEcoh(p)で算出し、アクリル単量体(Q)がラジカル重合した化学構造CS(Q)の凝集エネルギーCE(Q)は、CE(Q)=ΣEcoh(q)で算出する。
ここで、ΣEcoh(p)は化学構造CS(P)を構成する、例えば、−CH、−CH−、>C<、−COOH、−OHなどの原子団の凝集エネルギーEcoh(p)の総和を表し、ΣEcoh(q)は化学構造CS(Q)を構成する、例えば、−CH、−CH−、>C<などの原子団の凝集エネルギーEcoh(q)の総和を表す。
本発明では、化学構造CS(P)、化学構造CS(Q)に含まれる、例えば、−CH、−CH−、>C<、−COOH、−OHなどの原子団の凝集エネルギーは、参考文献:(1)R.F.Fedors:「A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids」, Polm. Eng. Sci., 14(2).147-154(1974)、および、参考文献:(2)「SP値 基礎・応用と計算方法」((株)情報機構)、第6刷、p69、2008を参照し、R.F.Fedors が提案している原子団の凝集エネルギーEcoh (J/mol)を使用した。
本発明では、アクリル単量体の分子量は、アクリル単量体を生産、上市している、例えば、三菱レイヨン(株)、大阪有機化学(株)、日本触媒(株)、日油(株)、東亞合成(株)、共栄社化学(株)、興人(株)、レーヌ(株)、サートマー(株)など、メーカーのカタログ値を使用した。
一例として、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチルなどがラジカル重合した化学構造の凝集エネルギー算出例を表1に示した。
表1中、MAAはメタクリル酸を表し、HEMAはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを表し、4HBMAはメタクリル酸4−ヒドロキシブチルを表し、MMAはメタクリル酸メチルを表し、BMAはメタクリル酸n−ブチルを表し、BzMAはベンジルメタクリレートを表す。本発明のアクリルエマルジョンでは、これらの略号は、以下の説明でも使用する。
Figure 2011219616
MAA(メタクリル酸)を例に取り、アクリル単量体(P)の凝集エネルギーCE(P)の算出方法を説明する。原子団のEcoh(J/mol)の欄には−CH−などの各原子団の凝集エネルギー(J/mol)を示し、MAA欄左の枠には、MAAがラジカル重合した化学構造が有する原子団の数を示し、右の枠には原子団の凝集エネルギー(J/mol)と原子団の数の積を示した。MAA欄、右枠を縦に合計したものがMAAの凝集エネルギーCE(P)である。
本発明では、アクリル単量体としてメタクリル酸(以下、MAAとも言う)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAとも言う)、メタクリル酸メチル(以下、MMAとも言う)、メタクリル酸n−ブチル(以下、BMAとも言う)を使用するアクリルエマルジョンを例に取り、凝集エネルギーの算出方法を説明する。
ここで、本例では、MMA/BMA/MAA/HEMA=35/54/1/10(=100)(重量%)=0.427/0.464/0.014/0.095(=1.000)(モル分率)とする。
MMAがラジカル重合した化学構造の分子量は100、凝集エネルギーは33830J/mol、BMAがラジカル重合した化学構造の分子量は142、凝集エネルギーは48650J/mol、MAAがラジカル重合した化学構造の分子量は86、凝集エネルギーは38750J/mol、HEMAがラジカル重合した化学構造の分子量は130、凝集エネルギーは60850J/molであるから、アクリル共重合体の凝集エネルギーCE=1.15×(0.427×33830+0.464×48650+0.014×38750+0.095×60850)/(0.427×100+0.464×142+0.014×86+0.095×130)=408MPaとなる。
本発明では、アクリルエマルジョンの粒子径は、好ましくは、50〜500nm、より好ましくは、50〜300nm、さらに好ましくは、80〜250nmであるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンの粒子径が50〜500nmであれば、被着体への浸透性、ヌレ性、親和性が良好となる傾向が見られ、接着性が向上する傾向が見られる。
本発明では、アクリルエマルジョンの粒子径は、濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」(大塚電子(株)社の分析器)を使用して25℃で測定した。
本発明のアクリルエマルジョンの製造方法の一例を以下に説明する。本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、水を媒体とする乳化重合で製造される。
本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、メタクリル酸(以下、MAAとも言う)0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAとも言う)および/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル(以下、4HBMAとも言う)3〜20重量%、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%を含む合計で100重量%のアクリル単量体混合物、水、および、アクリル単量体混合物100重量%を、乳化重合して製造される。
本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、0.8〜10重量%の、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの乳化剤を用いて、プレエマルジョンを製造する。
本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、重合開始剤として、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤を使用して、好ましくは、重合温度が、30〜90℃で、好ましくは、プレエマルジョン法により乳化重合して製造される。
本発明のアクリルエマルジョンでは、より好ましくは、アクリル単量体混合物100重量%に対して、0.8〜10重量%の、「ラテムル PD−104」(ポリオキシレンアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム、花王(株)社の製品)、「アクアロン KH−05」、「アクアロン KH−10」(以上、第一工業製薬(株)社の製品)、「アデカリアソーブ SR−1025」(アデカ(株)社の製品)などの陰イオン性反応性乳化剤を使用して製造する。
本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、陰イオン性反応性乳化剤を含むアクリル単量体濃度が、65〜75重量%である合計で100重量%のプレエマルジョンを製造して製造する。
本発明のアクリルエマルジョンは、好ましくは、重合温度60〜85℃で、重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2´−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(和光純薬工業(株)の水溶性有機アゾ系重合開始剤「VA−061」)などの、水溶性重合開始剤を使用し、プレエマルジョンを、好ましくは、2〜5時間で重合系に添加し、アクリルエマルジョンを乳化重合で製造するのが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、さらに好ましくは、プレエマルジョンの一部、好ましくは、5〜30重量%を先に乳化重合しシードエマルジョンを製造した後、残りのプレエマルジョンを所定時間で添加して乳化重合するのが推奨される。本発明のアクリルエマルジョンでは、シードエマルジョンを製造することにより、アクリルエマルジョンが低粘度化され、被着体への侵入性、浸透性、ヌレ性が向上し、接着性がよりよくなる傾向が見られる。また、アクリルエマルジョンの貯蔵安定性が向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、プレエマルジョンは、例えば、MAA0〜3重量%、HEMAおよび/または4HBMA3〜20重量%、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%からなる合計で100重量%のアクリル単量体混合物、水、陰イオン性反応性乳化剤を混合し、ホモジナイザーなどの乳化機を使用して高速撹拌することにより製造できる。ここで、本発明のアクリルエマルジョンでは、乳化重合に使用する水は、乳化重合の安定性、製造したアクリルエマルジョンの貯蔵安定性を向上するため、好ましくは、イオン交換水を使用するのが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンの貯蔵安定性を向上するために、アクリルエマルジョンに、好ましくは、アンモニア、トリエチルアミン、苛性ソーダなどの、好ましくは、塩基性化合物を添加し、pH(25℃)を、好ましくは、6.5〜9.5に調節することが推奨される。本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルエマルジョンのpH(25℃)が6.5〜9.5であれば、アクリルエマルジョンが貯蔵経時で分離、沈殿、粘度上昇などを起こすことなく安定化される傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、乳化重合中の酸素の影響を抑制するため、最初に重合装置に仕込む水の溶存酸素濃度は、好ましくは、2mg/L以下であるのが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、初期仕込み水中の溶存酸素濃度(mg/L)は、溶存酸素計「OM−51ハンディタイプ」((株)HORIBA社の溶存酸素濃度計)を使用して測定した。
本発明のアクリルエマルジョンは、アクリルエマルジョンのハンドリング性をよくし、被着体への浸透性、ヌレ性を改善し、接着剤としての性能を向上するため、アクリルエマルジョンの加熱残分(以下、固形分とも言う)は、好ましくは、5〜45重量%、より好ましくは、10〜40重量%、さらに好ましくは、10〜20重量%であるのが望ましい。本発明のアクリルエマルジョンは、固形分が5〜45重量%であれば、被着体への浸透性、ヌレ性がよく、接着性が向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンは、アクリル単量体が、メタクリル酸0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル3〜20重量%、および、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%以外に、好ましくは、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリルマクロモノマー0.5〜10重量%を使用してもよい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルマクロモノマーとして、ポリメタクリル酸メチルマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリスチレン/アクリロニトリルマクロモノマーなどが例示される。本発明のアクリルエマルジョンの製造方法では、アクリルマクロモノマーは、単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、上市されているアクリルマクロモノマーとして、例えば、「アロンマクロマーAA−6」、「アロンマクロマーAS−6」、「アロンマクロマーAN−6」、「アロンマクロマーAB−6」(以上、東亞合成(株)社の製品)などが例示される。
本発明のアクリルエマルジョンでは、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリルマクロモノマーが使用されることで、種々素材、被着体へのアクリルエマルジョンの浸透性、侵入性、ヌレ性が一段と改善され、向上するだけでなく、被着体表面にアクリルエマルジョンが均一に塗布、展開される傾向が見られ、接着性、付着性、粘着性が一段と向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリルマクロモノマーは、アクリル単量体100重量部中に、好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは、1〜8重量%、さらに好ましくは、3〜8重量%使用されるのが望ましい。
本発明のアクリルエマルジョンでは、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリルマクロモノマーの使用量が0.5〜10重量%であれば、被着体表面にアクリルエマルジョンが均一に塗布、展開される傾向が見られ、接着性、付着性、粘着性が一段と向上する傾向が見られる。
本発明のアクリルエマルジョンでは、アクリルマクロモノマーが、好ましくは、ポリメタクリル酸メチルマクロモノマーであるのが望ましい。アクリルエマルジョンの凝集力が向上し、硬さや強靱性、耐熱性と、種々被着体への接着性が同時に向上する傾向が見られる。
以下に実施例で本発明を詳細に説明する。
以下に実施例で本発明の詳細を説明する。なお、以下の実施例では、評価方法、測定方法等を次の通りとした。また、特に断りがない限り、組成比は重量%を表すものとする。
1)加熱残分(%)(以下、固形分とも言う)
JIS K 5407:1997にしたがって加熱残分を測定した。なお、測定は14
0℃で60分間加熱乾燥し、行った。
2)pH(25℃)
pHメーターを使用し、25℃で測定した。
3)粒子径(nm)
濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」(大塚電子(株)社の分析器)を使用し
て25℃で測定した。
4)粘度(mPa・s)
イオン交換水で加熱残分を14〜16%に調整したアクリルエマルジョンの粘度を、「VISCOANALYSER VAR−100」(ジャスコインターナショナル(株)のレオロジー測定装置)を使い、25℃で測定した。
測定条件は、
測定テストジオメトリー コーン・プレート
コーン:C 40 1(40mm1℃. Plate)
サンプルローディング方法 ギャップ
レギュレーター強度 100.0%
剪断速度テーブル 剪断速度1.000E+2〜1.000E+4 1/s
とした。
粘度(mPa・s)は剪断速度800〜1200 1/sの粘度の平均値とした。粘度が0.5〜5.0mPa・sのものを合格(○)とし、それ以外は不合格(×)とした。
また、剪断速度800〜1200 1/sの粘度の最大値/最小値は2.0以下の場合を合格(○)とし、2.0を超える場合は不合格(×)とした。
5)溶存酸素濃度(mg/L)
初期仕込み水中の溶存酸素濃度(mg/L)は、溶存酸素計「OM−51ハンディタイプ」((株)HORIBA社の溶存酸素濃度計)を使用して測定した。
6)異種材料接着性試験(引張剪断強度の測定)
1.使用した材料
1)ポリプロピレンシート:ポリプロピレン「J−900GP」(出光石油化学(株)社製)/無水マレイン酸10%変性ポリプロピレン「ユーメックス 1010」(三洋化成(株)社製)(=90/10)を、あらかじめ混合、混練し、加熱プレスを使用して、厚さ1.5mmのシートにした。
2)アルミニウム板:厚さ1.5mmのJIS A2017Pアルミニウム板を使用した。
3)接着剤:アクリルエマルジョンをイオン交換水で固形分が15%になるよう希釈し、異種材料間の接着剤として使用した。
2.接着試験用テストピースの作製
アルミニウム板にアクリルエマルジョン接着剤を乾燥膜厚が200μmになるよう塗布した後、140℃で30分間加熱した。アクリルエマルジョンが塗布されている面をポリプロピレンシートに圧着し、200℃で3分間、加熱プレスし、接着試験用テストピースを作製した。
3.接着試験
JIS K 6850:1999に準じて接着試験を行い、異種材料間の引張剪断強度を測定した。引張剪断強度が15MPa以上で合格(○)とした。
実施例1
撹拌装置、温度センサー、還流冷却器、モノマー滴下口がついた1L四つ口フラスコに表1イオン交換水137.4gを仕込み、脱気、窒素ガスのバブリングを数回繰り返し溶存酸素濃度が2mg/L以下になるまで脱酸素した後、昇温を開始した。以後の乳化重合工程では、窒素ガスの吹き込みを継続した。
メタクリル酸メチル41.0g、メタクリル酸n−ブチル54.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0gのアクリル単量体混合物100g、「アデカリアソーブSR−1025」(アデカ(株)社製の反応性乳化剤、25%水溶液)8.0g、プレエマルジョン製造用イオン交換水39.7gを混合し、乳化機にかけ10000回転で10分間乳化し、プレエマルジョンを製造した。
フラスコ内温度が重合温度の75℃になった時点で、プレエマルジョンの10wt%(14.8g)を投入した。フラスコ内温度が重合温度の75℃に回復した時点で、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.2gを添加し、この後75℃で1時間乳化重合を行った。
プレエマルジョンの残り90wt%(132.9g)を3時間でフラスコ内に滴下し、滴下終了後75℃でさらに30分間重合を行った後、30分で80℃に昇温して熟成反応を行った。昇温30分後に過硫酸アンモニウム0.020g、イオン交換水0.400gを添加し、この後30分後に、さらに過硫酸アンモニウム0.010g、イオン交換水0.200gを添加し、添加終了後さらに30分間熟成反応を行い、冷却した。
40℃以下になるまで冷却して、「アデカネートB−1016」(アデカ(株)の消泡剤)0.05gを添加し、さらに30分間撹拌、混合し、25%アンモニア水0.47g、希釈用イオン交換水393.5ggを添加して実施例1のアクリルエマルジョンAE−1を製造した。
アクリルエマルジョンAE−1の凝集エネルギーは399MPaであった。アクリルエマルジョンAE−1の固形分は15.0%、粘度は1.6mPa・s、剪断速度800〜1200 1/sの粘度の最大値/最小値は1.02、pHは8.2、粒子径は135nmであった。
表2に実施例のアクリルエマルジョンAE−1の組成等について記載した。表2中、(1)はフラスコに仕込むイオン交換水の量(部)、(2)は重合開始剤である過硫酸アンモニウムの使用量(部)を表し、(3)はアクリルエマルジョンに使用するアクリル単量体の使用量(部)、および、アクリル単量体が乳化重合してできるアクリル共重合体の凝集エネルギー(MPa)を表し、(4)はプレエマルジョンを作製する際に使用する陰イオン性反応性乳化剤の「アデカリアソーブSR−1025」(アデカ(株)社の反応性乳化剤)の使用量(部)を表し、(5)はプレエマルジョンを製造するためのイオン交換水の使用量(部)を表し、(6)(7)は熟成反応工程で使用する重合開始剤の過硫酸アンモニウムとイオン交換水の使用量(部)を表し、(8)はアクリルエマルジョンの泡立ちを抑制する消泡剤である「アデカネートB−1016」(アデカ(株)社の消泡剤)の使用量(部)を表し、(9)はアクリルエマルジョンのpHを調整するための25%アンモニア水の使用量(部)を表し、(10)はアクリルエマルジョンの固形分を15%に調節するために添加する希釈用イオン交換水の使用量(部)を表し、(11)は製造したアクリルエマルジョンの合計量(部)を表し、(12)はアクリルエマルジョンの製造条件(プレエマルジョン添加時間、重合温度)を表し、(13)にはアクリルエマルジョンの特性値(固形分、粘度、剪断速度800〜1200 1/sの粘度の最大値/最小値、pH、粒子径)を示した。
実施例2〜実施例6
アクリル単量体組成等を表2に示したとおり変える以外は、実施例1と同様にして実施例2〜実施例6のアクリルエマルジョンAE−2、AE−3、AE−4、AE−5、AE−6を製造した。
Figure 2011219616
比較例1
撹拌装置、温度センサー、還流冷却器、モノマー滴下口がついた1L四つ口フラスコにイオン交換水137.4gを仕込み、窒素ガスのバブリングを行った。溶存酸素濃度を測定したところ2mg/L以下であった。この後、アクリルエマルジョン製造中は、窒素ガスの吹き込みを継続した。
メタクリル酸メチル45.0g、メタクリル酸n−ブチル54.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0gのアクリル単量体混合物100g、「アデカリアソーブSR−1025」(アデカ(株)社製の反応性乳化剤、25%水溶液)8.0g、プレエマルジョン製造用イオン交換水39.7gを混合し、乳化機にかけ10000回転で10分間乳化し、プレエマルジョンを製造した。
フラスコ内温度が重合温度の80℃になった時点で、プレエマルジョンの10wt%(14.8g)を投入した。フラスコ内温度が重合温度の80℃に回復した時点で、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.2gを添加し、この後80℃で1時間乳化重合を行った。
プレエマルジョンの残り90wt%(132.9g)を2時間でフラスコ内に滴下し、滴下終了後80℃でさらに60分間重合を行った。この後、過硫酸アンモニウム0.020g、イオン交換水0.400gを添加し、30分後に、過硫酸アンモニウム0.010g、イオン交換水0.200gを添加し、添加終了後さらに30分間、80℃で熟成反応を行い、冷却した。
40℃以下になるまで冷却して、「アデカネートB−1016」(アデカ(株)の消泡剤)0.05gを添加し、さらに30分間撹拌、混合し、25%アンモニア水0.47g、希釈用イオン交換水393.5gを添加して比較例1のアクリルエマルジョンAE−7を製造した。
アクリルエマルジョンAE−7の凝集エネルギーは393MPaであった。アクリルエマルジョンエマルジョンAE−8の固形分は15.2%、粘度は5.8mPa・s、剪断速度800〜1200 1/sの粘度の最大値/最小値は2.3、pHは8.2、粒子径は142nmであった。表3に比較例のアクリルエマルジョンAE−7の組成等について記載した。
比較例2〜比較例5
アクリル単量体組成等を表3に示したとおり変える以外は、比較例1と同様にして比較例2〜比較例5のアクリルエマルジョンAE−8〜AE−11を製造した。
Figure 2011219616
アクリルエマルジョンの試験結果
表4に実施例1〜6のアクリルエマルジョンAE−1〜AE−6の、固形分が15%のときの粘度、剪断速度800〜1200 1/sのときの粘度の最大値/最小値、アクリル共重合体の凝集エネルギーをまとめて示した。実施例1〜6のアクリルエマルジョンAE−1〜AE−6は、いずれも目標通りのアクリルエマルジョンであった。
実施例、比較例で製造したアクリルエマルジョンを性質の異なる異種材料であるポリプロピレン/アルミニウム合金の接着剤として使用し、接着強度(引張剪断強度)を求めた。
表4に実施例1〜6のアクリルエマルジョンAE−1〜AE−6を使用した引張剪断強度を示した。実施例のアクリルエマルジョンAE−1〜AE−6が異種材料用の接着剤として使用された場合は、構造接着剤としても適用できるレベルの良好な接着性が発揮された。
Figure 2011219616
表5に比較例1〜5のアクリルエマルジョンAE−7〜AE−11の、固形分が15%のときの粘度、剪断速度800〜1200 1/sのときの粘度の最大値/最小値、アクリル共重合体の凝集エネルギーをまとめて示した。比較例1〜5のアクリルエマルジョンAE−7〜AE−11は、いずれも目標をすべて満足するアクリルエマルジョンとはならなかった。
表5に比較例1〜5のアクリルエマルジョンAE−7〜AE−11を使用した引張剪断強度を示した。比較例のアクリルエマルジョンAE−7〜AE−11が使用された場合には、十分な接着強度は発揮されなかった。
Figure 2011219616

Claims (3)

  1. 水中で、メタクリル酸0〜3重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび/またはメタクリル酸4−ヒドロキシブチル3〜20重量%、および、アルキル基の炭素原子数が1〜8個のメタクリル酸アルキルエステル77〜97重量%(合計で100重量%)のアクリル単量体が乳化重合したアクリル共重合体を含むアクリルエマルジョンであり、アクリルエマルジョンの加熱残分が14〜16%のとき、粘度(25℃)が0.5〜5.0mPa・sのアクリルエマルジョン。
  2. 剪断速度が800〜1200 1/sのとき、25℃で測定される粘度の最大値と粘度の最小値の比が2.0以下である請求項1に記載のアクリルエマルジョン。
  3. アクリル共重合体の凝集エネルギーが398〜417MPaである請求項1または2のいずれかに記載のアクリルエマルジョン。
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