JP5957977B2 - 印刷物、および検査方法 - Google Patents
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Description
これらの情報はいずれも印刷物自身が有するものであるので、サーバ等に照合対象の情報を記録しておくなどの必要がなく、検査のための装置構成を簡素にできる。
これにより、必要に応じて、不可視な第1の画像情報を視認可能とすることができ、読取エラー時など、その確認等を容易に行える。
これにより、封入物とその送り先が対応しているか等の、封緘物についての照合検査を行えるようになる。
第1の発明の印刷物を用いることにより、第1の画像情報と第2の画像情報が対応するかを照合しくじの真正性の検査を容易に行うことができる。第1の画像情報は不可視であるので偽造を防ぐことができ、真正性が強く求められるくじに本発明の印刷物を用いることは、特に有効である。
赤外線蛍光層の上に第1の画像情報を形成した場合には、印刷物を読み取った画像データ上で、第1の画像情報のエッジ部分でより高いコントラストが得られる利点がある。
(封緘物1aの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態の印刷物である封緘物1aについて示す図である。図1(a)は封緘物1aの断面構成を示す図である。図1(b)は検査用媒体11の上面を示す図である。また、図1(c)は、封緘物1aの上面を示す図である。
ベタ印刷は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷等で行ってもよいし、転写シート、ラベル等を用いて赤外線蛍光層20を基材10上に形成するようにしてもよい。また、上記の蛍光材料をスプレーで塗布することにより赤外線蛍光層20を形成してもよい。
また、本実施形態では、例えば、封入物21を個人ごとの各種の請求書や申込用紙とし、画像情報30をこれに対応させ、封入物21の送り先の名称をバーコードで記録したものとする。
さらに、本実施形態では、封筒40に、画像情報45(第2の画像情報)として、封緘物1aの送り先の名称が可視光下で読取可能なOCR用文字で記録されている。
ただし、画像情報30と画像情報45は、対応する情報でありマッチングによる照合に用いられるものであれば、これに限らない。例えば、ダイレクトメール等で広告等を封入する場合であれば、画像情報30を広告の対象となる性別や年齢等の属性情報とし、画像情報45を封緘物1aの送り先の性別や年齢等の属性情報としてもよい。
次に、封緘物1aの検査について図2、図3を参照して説明する。
赤外線カメラ55は、励起光により励起された赤外線蛍光層20の蛍光体から発光される赤外線を受光素子で受光し、各受光素子での受光量を画像上の輝度値(画素値)に変換する赤外線撮像装置である。なお、赤外線カメラ55としては、赤外線領域に感度を有するものであれば特に限定されることはない。
フィルタ53は、赤外線カメラ55の受光面に設けられ、赤外線照射装置51からの赤外線(励起光)をカットし、赤外線蛍光層20から発光された赤外線のみ受光するためのものである。
フィルタ53としては、例えば、波長901nm以上の赤外線のみを透過するフィルタを用いることにより、赤外線照射装置51からの励起光をカットし、赤外線蛍光層20から発光した赤外線のみ赤外線カメラ55で受光し撮像を行うことができる。
カメラ61は、可視光領域に感度を有し、可視光下で封緘物1aの画像情報45を撮影するものである。
なお、赤外線蛍光層20から外れる部分では、基材10が低輝度の部分として画像データ90上に現れる。基材10を反射した励起光はフィルタ53でカットされるためである。
また、封筒40は分離可能であるので、必要に応じてこれを取り外して画像情報30を視認することができ、読取エラーが生じた場合など、その確認等も容易に行える。
図4は、本発明の第2の実施形態の印刷物である封緘物1bについて示す図である。図4(a)は、封緘物1bの断面構成を示す図である。図4(b)は、第1の実施形態と同様にして検査用媒体11aの画像情報30を赤外線で読み取った画像データ90aの例を示したものである。
一方、第1の実施形態では、赤外線蛍光層20の上に画像情報30を形成するので、封緘物1aを読み取った画像データ90上で、画像情報30の輪郭部分でより高いコントラストが得られる利点がある。
図5は、本発明の第3の実施形態の印刷物であるくじ1cを示す図である。図5(a)は、くじ1cの断面構成を示す図である。図5(b)は、くじ1cの上面を示したものである。
ここでは、画像情報45をくじ番号を示すOCR用数字とし、画像情報30をこれに対応する番号を示すバーコードとするが、これに限られることはない。
一方、画像情報45は第1の実施形態と同様に読取ることができ、画像情報45と画像情報30の照合を行うことで、くじ1cの真正性の検査を容易に行うことができる。画像情報30は肉眼では不可視であるので、その偽造を防ぎ、セキュリティ性を高めることができる。くじについては真正性が強く求められるので、このようにしてセキュリティ性を高めることが特に有効である。
なお、前記と同様に、赤外線透過・可視光反射/吸収層41を分離可能にしておき、この画像情報30を当たりや外れの情報を示すものとしておけば、当初は当たり外れが不可視であるが、赤外線透過・可視光反射/吸収層41を分離することによりこれを視認可能なくじとすることもできる。
図7は、第4の実施形態の印刷物である光ディスク1gを示す図である。図7(a)は、光ディスク1gの断面構成を示す図である。図7(b)は、光ディスク1gを上面から見た図である。
ここでは、画像情報45をシリアル番号を示すOCR用数字とし、画像情報30をこれに対応する番号を示すバーコードとするが、これに限られることはない。
図8は、第5の実施形態の印刷物である切符1hを示す図である。図8(a)は、切符1hの断面構成を示す図である。図8(b)は、切符1hを上面から見た図である。
第5の実施形態では、画像情報45を発券駅を示すOCR用文字とし、画像情報30をこれに対応する情報を示すバーコードとするが、これに限られることはない。
<赤外線蛍光材料>
赤外線蛍光層20を形成するための蛍光材料として、赤外線励起・赤外線発光顔料をスクリーンインキ化して用いた。
スクリーンインキの組成を以下に示す。
SG−YS(根本特殊化学社製):2%
アクリル系樹脂:28%
有機溶剤(ミネラルスピリット系):69%
補助材:1%
基材10としてA4判のOCR(Optical Character Reader)用紙を用い、スクリーン印刷機により上記のスクリーンインキを塗布した。塗布面積は3cm×5cmとし、スクリーンメッシュは、250メッシュを使用した。赤外線蛍光層20の塗布後、45℃の乾燥機で20分間乾燥した。
電子写真方式のプリンタ、リコー社製IPSiO NX760で、カーボンブラックを含む黒色トナーを用いて、JANコードをバーコードとして印刷した。バーコードは、一部が赤外線蛍光層20の塗布面積内に入り、一部が赤外線蛍光層20の塗布面積から外れるように印刷を行った。
実施例1では、中身が透けて見えない紙製の封筒40(重量100g/m2、厚さ約150μm)を用いて画像情報30を覆った。また、この封筒の表面には、カーボンブラックを含まないインキにて模様が印刷されていた。基材10は、画像情報30の印刷面が封筒の直ぐ下となるように封入した。以上の構成を図9(a)に示す。なお、図9、および後述する図10では、画像情報30が赤外線蛍光層20の塗布面積内に入る部分を30aで、画像情報30が赤外線蛍光層20の塗布面積から外れる部分を30bで示している。
赤外線照射装置51として波長825nmの赤外線を照射するものを用い、赤外線カメラ55として、波長980nmの赤外線を受光する赤外線受光センサを用い、封筒40の表面上をスキャンした。センサにて受光した信号は、画像データとしてモニタ上に映した。なお、フィルタ53としては、波長825nmの赤外線をカットし、波長980nmの赤外線を透過するものを用いた。
封筒40を使用する代わりに、一般的なクリーン紙42で画像情報30を覆い、前記と同様にして読取装置による読み取りを行った。この構成を図9(b)に示す。
実施例1では、赤外線蛍光層20を下に形成し、画像情報30を上に形成したが、実施例3では、画像情報30を基材10に先に形成し、その後、赤外線蛍光層20を上に形成した。また、実施例2と同様クリーン紙42で画像情報30を覆い、前記と同様にして読取装置による読み取りを行った。その他は、実施例1と同様である。この構成を図9(c)に示す。
1c〜1f:くじ
1g:光ディスク
1h:切符
10:基材
20:赤外線蛍光層
30、45:画像情報
40:封筒
41:赤外線透過・可視光反射/吸収層
50、60、80:読取装置
70:情報処理装置
Claims (7)
- 基材上に、
赤外線を吸収する材料で形成した第1の画像情報と、
前記第1の画像情報の上または下に形成される、赤外線による励起光で励起され励起光とはピーク波長が異なる赤外線を発光する蛍光体を含む赤外線蛍光層と、
が設けられ、
前記第1の画像情報が、赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層で覆われ、
前記赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層、または当該層で覆われていない箇所に、前記第1の画像情報と対応する第2の画像情報が記録されたことを特徴とする印刷物。 - 前記赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層が、分離可能であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
- 前記赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層が、封筒であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物。
- くじに用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物。
- 前記第1の画像情報の上に前記赤外線蛍光層が形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷物。
- 前記赤外線蛍光層の上に前記第1の画像情報が形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷物。
- 基材上に、赤外線を吸収する材料で形成した第1の画像情報と、前記第1の画像情報の上または下に形成される、赤外線による励起光で励起され励起光とはピーク波長が異なる赤外線を発光する蛍光体を含む赤外線蛍光層と、が設けられ、前記第1の画像情報が、赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層で覆われ、前記赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する層、または当該層で覆われていない箇所に、前記第1の画像情報と対応する第2の画像情報が記録された印刷物に対して、励起光を赤外線照射装置で照射するステップと、
前記赤外線蛍光層から発光された赤外線を、前記励起光のピーク波長をカットするフィルタを介して赤外線撮像装置により受光することで、前記第1の画像情報の読取を行うステップと、
前記第2の画像情報の読取を行うステップと、
前記第1の画像情報と前記第2の画像情報の照合を行うステップと、
を有することを特徴とする検査方法。
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