JP5339359B2 - 光学読取方法 - Google Patents

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本発明は、情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを多量に含有する着色インクで印刷されたバーコードあるいはQRコード等の可視の情報パターンを読み取る光学読取方法に関する。
近年、各種物品、各種プリペイドカードあるいは通行カード等の管理にバーコードあるいはQRコード等の情報パターンを印刷し、光学読取装置を用いて読み取り、管理や認証チェックが行われており、情報パターンに偽造防止手段を施し、それを光学読取システムにより読み取り、情報パターンが偽造されたものであるか否かを判別するセキュリティシステムが種々提案されている。
例えば、蛍光体を含有した非可視インクによりバーコード等の非可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンに半導体レーザを照射して蛍光体を励起させ、蛍光体から発する蛍光を受光して非可視の情報パターンから情報を光学読取装置で読み取るセキュリティシステムが実施されている。この場合、半導体レーザダイオードの発光スペクトルの波長に対し、蛍光体の発光スペクトルの波長は長波長側に遷移し、半導体レーザダイオードの発光スペクトルの波長の幅が狭いので、半導体レーザダイオードの発光スペクトルの波長と蛍光体の発光スペクトルの波長がかなり離れることとなる。このため、特殊な光学フィルタを受光素子の前に使用すると、レーザにより蛍光体マーク(情報パターン)を照射しながら、受光素子で蛍光のみを受光し蛍光体マークの情報を読み取ることができる。このセキュリティシステムでは、蛍光体マークが偽造され難いこと及び蛍光体マークを読み取る技術が偽造され難いことから、セキュリティを持たせられる。
しかし、上記セキュリティシステムでは、光源として半導体レーザダイオードを使用しているので、光学読取装置の光源の駆動回路が複雑かつ大型になり、コストが高いという欠点を有している。
そこで、小型でかつ低価格の光学読取装置を必要とする場合、半導体レーザダイオードより部品価格が安価で、駆動回路規模の小さい通常の発光ダイオードが光源として使用が検討される。
レーザに替えて発光ダイオードより発光する励起光のスペクトルで蛍光体マーク(情報パターン)を照射しながら、受光素子で蛍光を受光し蛍光体マークの情報を読み取る場合、レーザとは異なって発光ダイオードより発光する励起光のスペクトルの幅が広いため、蛍光体の発光スペクトルと一部重なってしまい、そのために光学フィルタで両方の光を分離することが困難となり、光学読取装置に誤判定が生じるおそれがあるので採用できない。
このような発光スペクトルの重複を避けるためには、使用する蛍光体ならびに発光ダイオードの種類を選ばなければならず、選択範囲が制限されてしまうという欠点を有している。
そこで、小型化が可能で、コストの安価な光学読取システムが提案されている(特許文献1)。この光学読取システムは、情報記録媒体に赤外線で励起され蛍光を発光する蛍光体を含有した非可視インクで印刷された印刷層(情報パターン)の情報を光学読取システムで光学的に読み取るものであり、蛍光体がネオジウムを賦活元素として添加した無機酸化物からなり、蛍光体を励起する発光素子の発光中心波長が780〜850nmの範囲で、印刷層からの蛍光を受光する受光素子の受光可能な波長領域が850〜1100nmの範囲で、発光素子からの赤外線により印刷層を照射して蛍光体を励起せしめ、その後に発光素子を消灯して蛍光体の残光を受光素子で検出することにより、印刷層(情報パターン)の情報を光学的に読み取るものであり、上述した蛍光体の発光スペクトルと一部重なってしまうことを解消し誤判定が生じるおそれを無くしている。
特開平6−274677号公報
しかしながら、本発明者が、蛍光体非可視インクを用いた印刷層(情報パターン)の情報を光学的に読み取りテストしたところ、読み取り不能が生じることが多かった。
バーコードあるいはQRコード等の情報パターンが可視の情報パターンとすることの要望があり、可視の情報パターンであっても、高いセキュリティを有することの要望がある。
そこで、本発明者は、特許文献1と同様にレーザに替えて発光ダイオードの発光を励起光として採用でき小型化が可能でコストの安価な光学読取システムとすることができ、さらに特許文献1とは別の方法により励起光で励起される印刷層(情報パターン)からの発光を受光でき励起光の受光を回避できる、印刷層及び光学読取方法について、鋭意に探索した。その結果、コア/シェル型の半導体量子ドットが強い発光を行うことの知見を得た。そして、コア/シェル型の半導体量子ドットを含むインクは非可視インクであるので、バーコードあるいはQRコード等の可視の情報パターンとして印刷できるように改善する必要性があることが分かった。そこでさらに、本発明者は、コア/シェル型の半導体量子ドットを利用し可視の情報パターンとすることができてしかも一段階高いセキュリティを得るための思索を積み重ねた。
本発明は、上記事情にかんがみ案出されたもので、その目的とするところは、情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンを肉眼認識する取扱いを補償する一方、該情報パターンのコピーについては該情報パターンについて情報解読できる光学読取装置での解読が行えないセキュリティシステムを実現でき、あるいは高い品質保証を与える可視のトレイサビリティを実現できる光学読取方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の光学読取方法は、情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを含有する着色インクにより可視の情報パターンが印刷され、該情報パターンに前記半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光線を照射すると共に前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させ、かつ該熱膨張又は熱収縮した該半導体量子ドットから、長波長側に遷移する波長又は短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の長波長側部分又は短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取ること、を特徴とする。
上記構成によれば、情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンを肉眼認識する取扱いを補償すると共に、通常の安価な発光素子によって情報パターンを励起することができかつ情報パターンから強い光の発光を実現させることができ、通常の安価なシリコン系フォトダイオード等の受光素子で感度良く検出できる。
上記構成によれば、該情報パターンのコピーについては該情報パターンについて情報解読できる光学読取装置での解読が行えないセキュリティシステムを実現でき、あるいは高い品質保証を与える可視の情報パターンでありながら情報解読が正規の光学読取装置でのみ行えるトレイサビリティを実現できる。
さらに、上記構成によれば、一段高いセキュリティを補償することができる。すなわち、光学読取装置について、長波長領域に遷移した発光を行わせ、該遷移して発光した光の中、長波長側部分の波長に感度を有する光センサを用いて情報解読を行う構成なので、光学読取装置の模倣製作が難しく、IT技術に熟知した悪意を有する者・組織が、仮に情報記録媒体の表面に印刷された情報パターンのインクの構成を分析して知り得て同じインクで情報パターンを印刷したとしても、模倣製作した光学読取装置による情報解読は行えない。
上記構成によれば、情報パターンの発光源がコア/シェル型の半導体量子ドットを熱膨張させて励起し、そのときに発光する長波長側に遷移する波長の光を受光し情報の解読を行う特殊な光学読取装置を用いることで、はじめて情報解読ができるものであり、一段と高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる。
必要に応じ、前記半導体量子ドットに熱線もしくは高熱又は冷熱を与えることにより前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させることが有効である。
前記着色インクは、染料、ロイコ色素、又は粒子径がサブミクロンの顔料のいずれかの着色材で着色され、該着色材が前記励起光線の前記コア/シェル型の半導体量子ドットへの照射を阻害しない組成であること、を特徴とする。
コア/シェル型の半導体量子ドットとしては、例えば、(1)CdSe/ZnSであるか、(2)ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとしているものであるか、(3)Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとしているものであるか、(4)ZnSナノ粒子をコアとしているものであるか、(5)Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとしているものであるか、(6)シリコンナノ粒子をコアとしているものであることが好ましい。
なお、CdSe/ZnSのコア/シェル型の半導体量子ドットを用いると、トルエン等で良好に分散できて凝集が起こらず、インクとしての使用が良好で、情報パターンを良好に印刷できる。
上記構成によれば、情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンを肉眼認識する取扱いを補償する一方、該情報パターンのコピーについては該情報パターンについて情報解読できる光学読取装置での解読が行えないセキュリティシステムを実現でき、あるいは高い品質保証を与える可視のトレイサビリティを実現でき、クレジットカード、キャッシュカード、テレホンカード、IDカード、学生証、スタンプカード、ポイントカード等の偽造、変造、改ざんを防止できるとともに、システムの小型化、省スペース化が可能であり、あるいは可視のトレイサビリティを実現できる。
第1の実施形態の光学読取方法を説明するための概念図である。 室温の半導体量子ドットを励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。 半導体量子ドットを膨張させて励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。 第2の実施形態の光学読取方法にかかり、半導体量子ドットを膨張させて励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。
以下、本発明の光学読取方法の実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕 はじめに、光学読取方法を実施するための構成を説明する。図1は、この実施形態の光学読取方法を説明するための概念図である。図1において、情報記録カード10は、情報記録媒体(あるいは管理対象物でもよい)11と、該情報記録媒体11に印刷された可視のバーコード、あるいはQRコード等の情報パターン12とからなる。
情報記録媒体11は、例えばカード本体であり、酸化チタン等の白色顔料を分散、保持した塩化ビニール系シート等から構成され、赤外線、可視光線、及び紫外線を反射する性質を有している。情報記録媒体11は、例えばキャッシュカード、各種プリペイドカード、テレホンカード、通行カード、健康保険証等が適用される。
情報パターン12は、この実施形態では、CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを分散保持する透明なバインダと、を含有する着色インクによりセキュリティ情報が可視の情報パターン12として印刷され、隠蔽膜(不図示)で隠蔽され、脱落不能とされる。上記着色インクは、染料、ロイコ色素、又は粒子径がサブミクロンの顔料のいずれかの着色材で着色され、該着色材が前記励起光線の前記コア/シェル型の半導体量子ドットへの照射を阻害しない組成であるものとする。
特に、顔料を用いると、染料、ロイコ色素に比べ、着色に耐久性・耐候性を持たせられるが、顔料の粒径が1μmを超えて大きくなると、顔料が本来の遮光性を発揮し光を遮断しインク中に含まれる半導体量子ドットへの照射を阻害することになる。また顔料を用いると、励起光の照射による熱の吸収性が良く、温度上昇し易くので半導体量子ドットが熱膨張し易くなる。特に、カーボンブラックを用いて黒インクとすることが好ましい。黒以外の有色インクとする場合には、顔料の粒子径をサブミクロン、好ましくは粒径が0.6〜0.8μmの範囲に揃えると、カラーフィルターのように透光性を保有できるので、粒径が0.6〜0.8μmの範囲の顔料を適量用いるのが好ましい。
着色インクをこのような構成にすると、該着色インクについても簡単な模倣・製造が困難となるから、この点からも高いセキュリティを実現でき、特に、粒径がサブミクロンの顔料で着色したインクを用いて情報パターンを印刷するときは、色について高い耐候性、耐退色性を有する情報パターンが得られ、コア/シェル型の半導体量子ドットの化学的安定性が高いことと相俟って、長期間にわたり高い品質保証を与えるシステムを実現できる。
この実施形態の光学読取方法は、励起光H1を発光する安価な電子部品である発光ダイオード13と、励起により発光する光線H2を受光する安価な電子部品である光センサ14と、情報判定部15とを有する光学読取装置(符号なし)を用いる。発光ダイオード13は、セキュリティ情報に励起光H1を照射するように設けられ、光センサ14は、情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットが励起されて発光する光線H2を受光するように設けられる。情報パターン12から情報を読み取るためには、発光ダイオード13及び光センサ14の位置関係が固定されたまま、情報パターン12を有する情報記録カード10が発光ダイオード13及び光センサ14に対して相対的かつ直線的に走査移動される必要があり、この走査移動は、光学読取装置に具備された機械機構によるものであっても、手動操作によるものであっても、どちらでも良い。
発光ダイオード13は、情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を発光するものであって、励起光H1の照射により情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットが熱膨張しつつ励起されるようにする。このため、発光ダイオード13の励起光H1を必要に応じて集光レンズを介して集光し情報パターン12に照射するように構成される。また、発光ダイオード13については、高出力のものを選択し、あるいは複数個し使用して照射し、あるいは、赤外線を発光する発光ダイオードと紫外線を発光する発光ダイオードとを併用するものとする。
この実施形態で、最も重要なことは、情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットが熱膨張した状態で長波長側にシフトした光線H2を発光させることであり、熱膨張しない状態で光を発光させることではない。これは、通常よりも一段階高いセキュリティ、一段階高い品質表示保証を求めているためである。
光センサ14は、例えばフォトダイオードを用いることができる。この光センサ14は、コア/シェル型の半導体量子ドットを含む情報パターン12が熱膨張した状態で長波長側にシフトして発光する光の長波長側部分の波長に感度を有している必要がある。また、情報パターン12が加熱される前の温度及び加熱された後の温度が例えば情報パターン12に向けた放射温度センサで測定でき、かつ加熱される前の温度(例えば15℃〜30℃)から加熱された後の温度(例えば60℃〜85℃)までの時間を計測できるようになっていて、光センサ14は、温度上昇にかかる時間を経過の時点で光センサ14が発光する光の長波長側部分の波長を受光するものとする。
具体的には、CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットは、熱膨張しない状態で励起されると、図2に示すように、粒径が異なる毎に波長が異なる複数の可視光線を発光し、熱膨張した状態で励起されると、図3に示すように、長波長側に大きく遷移した粒径が異なる毎に波長が異なる複数の可視光線を発光する。したがって、図3において、図2に示す波長領域から長波長側に外れた範囲Yで示す波長領域に感度を有する光センサ14を用いるものとする。なお、コア/シェル型の半導体量子ドットのコア粒子が単一の粒子径からなる場合にも、同じ関係になるものとする。
情報判定部15は、光センサ14が受光した電気信号(矩形信号)を増幅し情報パターン12のコード情報を光学的に読み取るように構成される。
この実施形態の光学読取方法は、情報パターン12を有する情報記録媒体11が所定位置に載置され又は送り込まれると、発光ダイオード13から発行する半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を情報パターン12に照射し半導体量子ドットを熱膨張を伴う励起を行わせる。そして、熱膨張した半導体量子ドットから、図2に示す熱膨張する前の該半導体量子ドットから発光する波長に比べ、図3に示す長波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該発光する光の中の長波長側部分に感度を有する光センサ14で該発光を受光し、該発光する光の中の長波長側部分に感度を有する光センサ14で該発光を受光し情報判定部15で受光信号をパターン化し、情報パターン12を読み取り得るか否か、情報パターン12がデータベースに記録されているデータと照合して一致しているか否かにより、情報パターン12の真贋を判定するものである。
この実施形態によれば、情報パターン12を通常の安価な発光ダイオード13の発光によって励起することができかつ半導体量子ドットから強い光の発光を実現させることができる(量子サイズ効果)から、通常の安価なシリコン系フォトダイオード等の受光素子で感度良く検出できる。
この実施形態によれば、情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンを肉眼認識する取扱いを補償する一方で、該情報パターンのコピーについては、該情報パターンについて情報解読できる光学読取装置での解読が行えないセキュリティシステムを実現でき、あるいは高い品質保証を与える可視のトレイサビリティを実現できる光学読取方法を提供することができる。
この実施形態によれば、光学読取装置について、長波長側に遷移して発光する光の波長の中の長波長側部分に感度を有する光センサを用いて情報解読を行う構成なので、光学読取装置の模倣製作が難しく、リーダーの模倣が難しいので、高いセキュリティを有する光学読取方法を実現できる。
この実施形態によれば、情報パターンの発光源であるコア/シェル型の半導体量子ドットを熱膨張が伴うように励起し、そのときに長波長側に遷移して発光する光の中の長波長側部分に感度を有する光センサで該発光を受光して情報解読を行う構成であるから、特殊な光学読取装置を用いることで、はじめて情報解読ができるものであり、一段と高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる。
〔第2の実施形態〕
この実施形態は、半導体量子ドットを熱収縮させ、かつ該熱収縮した該半導体量子ドットから、短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取る構成である。
すなわち、情報パターンを有する情報記録媒体が所定位置に載置され又は送り込まれると、情報パターンを例えば0℃〜−10℃の冷熱空気を吹き掛けて半導体量子ドットを熱収縮させる(不図示)。そして、発光ダイオードから発行する半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を情報パターンに照射し、熱収縮した半導体量子ドットから、図2に示す熱収縮する前の該半導体量子ドットから発光する波長に比べ、図4に示す短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該発光する光の中の短波長側部分Yaに感度を有する光センサで該発光を受光し情報判定部で受光信号をパターン化し、情報パターンを読み取り得るか否か、さらに情報パターンがデータベースに記録されているデータと照合して一致しているか否かにより、情報パターンの真贋を判定するものである。したがって、図4において、図2に示す波長領域から短波長側に外れた範囲Yaで示す波長領域に感度を有する光センサを用いるものとする。なお、コア/シェル型の半導体量子ドットのコア粒子が単一の粒子径からなる場合にも、同じ関係になるものとする。
この実施形態によれば、情報パターンの発光源であるコア/シェル型の半導体量子ドットを熱収縮が伴うように励起し、そのときに短波長側に遷移して発光する光の中の短波長側部分に感度を有する光センサで該発光を受光して情報解読を行う構成であるから、特殊な光学読取装置を用いることで、はじめて情報解読ができるものであり、一段と高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。上記の実施形態では、CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットを用いたが、以下のようなコア/シェル型の半導体量子ドットを含んだ可視インクによりセキュリティ情報が印刷されても良い。
(1)ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとする、コア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(2)コア/シェル型の半導体量子ドットが、Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとする、コア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(3)Zn2+,In3+,Agを含むチオール錯体を熱分解することにより、In3+,AgがドープされたZnSナノ粒子(Zn(1−2x)InAgS)であるコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(4)コアがMnイオンを含んだZnSナノ粒子であるコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(5)また、Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとするコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(6)エルビウムの熱膨張率は、20℃において、7.6×10−6/℃であり、これは、20℃において、2.5×10−6/℃であるシリコンの熱膨張率の約3倍に当たる。このため、エルビウムを採用することは、膨張による波長のシフトを実現する上で最も好ましい。この場合、シリコンナノ粒子との組み合わせのコア/シェル型の半導体量子ドットとするのが好ましい。
これには、シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとするものと、エルビウムをコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとするものの2通りが含まれる。
シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとする場合には、シリコンナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとし、エルビウムナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとするのが好ましい。
シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとする場合には、情報パターンを22℃〜90℃の範囲で温めてから、波長325nmの励起光を照射すると、情報パターンから波長720nm〜740nmの発光が得られ、この発光が強い発光であることが確認できた。
また、エルビウムナノ粒子をコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとする場合には、エルビウムナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとし、シリコンナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとするのが好ましい。
エルビウムナノ粒子をコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとする場合には、情報パターンを22℃〜90℃の範囲で温めてから、波長325nmの励起光を照射すると、情報パターンから波長720nm〜740nmの発光が得られ、この発光が強い発光であることが確認できた。
また、シリコンナノ粒子の表面に酸素をドーピングさせた、またはシリコンナノ粒子の内部が酸化している酸化シリコンナノ粒子とエルビウムの組み合わせのコア/シェル型の半導体量子ドットとすると、一層強い光を放射するので好ましい。
さらに、シリコンナノ粒子をコアとするコア/シェル型の半導体量子ドットは、複数の炭化水素基が、シリコンナノ粒子内のそれぞれのSi原子と結合し、Si原子の表面が炭化水素基で覆われ発光波長及び発光効率の低下を防止され、紫外線励起により可視光を発光し、MgSiとSiCl(四塩化珪素)との反応条件により粒径を調整されているものが選ばれることが好ましい。
本発明は、各種カードの真贋判定に利用できる他に、製品アイテムを追跡するトレイサビリティの可視情報の読み取りに利用できる。なお、本発明は、半導体レーザダイオードを励起光の光源とすることを排除するものではない。
10 情報記録カード
11 情報記録媒体
12 情報パターン
13 発光ダイオード
14 光センサ
15 情報判定部

Claims (11)

  1. 情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを含有する着色インクにより可視の情報パターンが印刷され、該情報パターンに前記半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光線を照射すると共に前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させ、かつ該熱膨張又は熱収縮した該半導体量子ドットから、長波長側に遷移する波長又は短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の長波長側部分又は短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取ること、を特徴とする光学読取方法。
  2. 前記半導体量子ドットに熱線もしくは高熱又は冷熱を与えることにより前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させることを特徴とする請求項1に記載の光学読取方法。
  3. 前記着色インクは、染料、ロイコ色素、又は粒子径がサブミクロンの顔料のいずれかの着色材で着色され、該着色材が前記励起光線の前記コア/シェル型の半導体量子ドットへの照射を阻害しない組成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  4. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、CdSe/ZnSであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  5. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  6. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  7. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、ZnSナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  8. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  9. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、シリコンナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
  10. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、エルビウムをシェルとすることを特徴とする請求項9に記載の光学読取方法。
  11. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、エルビウムをコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光学読取方法。
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