以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
[画像形成装置の構成]
図1は、実施の形態1における画像形成装置1の構成を示す概略図である。画像形成装置1は、媒体(または記録媒体)上に画像を形成する装置であり、ここでは電子写真プリンタである。
画像形成装置1は、媒体を載置する媒体載置装置としての媒体収容カセット100と、媒体収容カセット100に載置された媒体を搬送する媒体搬送部200と、媒体搬送部200により搬送された媒体に画像を形成する画像形成部300とを有する。
媒体収容カセット100は、媒体としての用紙Pを収容する。この媒体収容カセット100については、後に詳しく説明する。
媒体搬送部200は、媒体収容カセット100に収容された用紙Pを1枚ずつ取り出して用紙搬送路Wに沿って搬送する。図1では、媒体搬送部200は、媒体収容カセット100に収容された用紙Pを給紙する給紙ローラ201を有する。給紙ローラ201は、媒体収容カセット100に積載された用紙Pのうち最上部の用紙Pの搬送方向先端部に圧接され、回転することによって用紙Pを繰り出す。また、媒体搬送部200は、給紙ローラ201から繰り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ローラ対202を有する。さらに、媒体搬送部200は、分離ローラ対202からの用紙Pを画像形成部300まで搬送する搬送ローラ対203、レジストローラ対204、および搬送ローラ対205と、画像形成部300で画像が形成された用紙Pを搬送する搬送ローラ対206,207と、搬送ローラ対207からの用紙Pを装置外へ排出するための排紙ローラ対208とを有する。排紙ローラ対208により排出された用紙Pは、排紙スタッカ209に収納される。
画像形成部300は、媒体搬送部200により搬送された用紙Pに現像剤像であるトナー像を形成する。画像形成部300は、像担持体である感光体ドラム310、感光体ドラム310を帯電させる帯電部320、帯電後の感光体ドラム310を露光して静電潜像を形成する露光部330、感光体ドラム310上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部340、感光体ドラム310上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写部350、および転写後の用紙Pに熱を供給して用紙P上のトナー像を定着させる定着部360を有する。さらに、画像形成部300は、転写後の感光体ドラム310上のトナーを除去するクリーニング部370を備えてもよい。図1の例では、帯電部320は帯電ローラであり、転写部350は転写ローラである。現像部340は、感光体ドラム310上の静電潜像にトナーを供給する現像ローラ341と、現像ローラ341にトナーを供給する供給ローラ342と、供給ローラ342にトナーを供給するトナー収容部343とを有する。また、感光体ドラム310、帯電部320、現像部340、およびクリーニング部370は、画像形成ユニット380に収容されている。
さらに、画像形成装置1は、図示しないが、各ローラなどの被駆動部材を駆動するモータや、各ローラなどの被駆動部材への動力伝達のオン・オフを行うクラッチ、画像形成部300の帯電部320や転写部350などに200V〜5000Vの高電圧を供給する高圧電源、回路モータに5Vや24Vの直流電圧を供給する低圧電源を有する。
[媒体収容カセットの構成]
図2は、実施の形態1における媒体収容カセット100の斜視図である。
媒体収容カセット100は、媒体収容部10、第1の移動部としての媒体案内部40、第2の移動部としての媒体案内部50、および後端ガイド60を備える。
媒体収容部10は、用紙Pを収容する容器であり、用紙Pを載置するための媒体載置部20を有する。媒体載置部20は、用紙Pが載置される載置面21を有する。媒体載置部20は、ここでは平板状の部材である。
媒体案内部40,50および後端ガイド60は、用紙Pの位置を規制する部材であり、媒体載置部20に対して移動自在に設けられる。
ここで、図2において、X軸方向は、用紙Pが搬送される方向である媒体搬送方向を示す。Z軸方向は、載置面21に平行で媒体搬送方向に垂直な方向である幅方向を示す。Y軸方向は、X軸およびZ軸の両方と直交する方向を示す。他の図面においても、X、Z、およびY軸方向は、それぞれ、媒体搬送方向、幅方向、およびこれら両方向に垂直な方向を示す。一例では、図1に示すように、Z軸方向は感光体ドラム310の回転軸方向と平行であり、Y軸方向は鉛直方向と平行である。
以下の説明では、適宜、媒体搬送方向(X軸方向)に対して平行な方向を「X方向」と称し、X方向のうち、媒体搬送方向の上流側から下流側に向かう方向を「+X方向」、その反対方向を「−X方向」と称する。また、幅方向(Z軸方向)に対して平行な方向を「Z方向」と称し、Z方向のうち、媒体搬送方向上流側(用紙Pの後端側)から見て右に向かう方向を「+Z方向」、左に向かう方向を「−Z方向」と称する。また、媒体搬送方向および幅方向の両方と直交する方向(Y軸方向)に対して平行な方向を「Y方向」と称し、Y方向のうち、載置面21の上方に向かう方向を「+Y方向」、その反対方向を「−Y方向」と称する。なお、本明細書において、「平行」、「垂直」とは、それぞれ、厳密な意味での平行、垂直に限定されるものではなく、略平行、略垂直を含む。
図2を参照すると、媒体収容部10は、媒体案内部40,50と係合する壁部としての壁面部30を有する。壁面部30は、媒体載置部20の載置面21と交差する方向に延びるとともに、Z方向に延在する。ここでは、壁面部30は、媒体載置部20(または載置面21)に対して垂直に延び、媒体搬送方向における載置面21の下流側に設けられている。より具体的には、媒体収容部10は、Y方向から見て略矩形状であり、その+X方向側の端部に壁面部30が設けられる。また、媒体収容部10の−X方向側の端部には、壁面部30と対向するように壁面部11が設けられ、媒体収容部10のZ方向の両端部には、互いに対向するように一対の壁面部12,13が設けられる。媒体載置部20、壁面部30、および壁面部11〜13は、凹部14を形成し、この凹部14に用紙Pが収容される。
媒体案内部40および50は、互いにZ方向に対向するように配置され、それぞれ媒体収容部10に対してZ方向にスライド可能に設けられる。また、後端ガイド60は、媒体搬送方向における壁面部30の上流側に配置され、媒体収容部10に対してX方向にスライド可能に設けられる。
図3は、媒体収容部10を媒体載置側から見た斜視図であり、図4は、媒体収容部10を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。以下、図2〜図4を参照して、媒体収容部10の構成をより詳しく説明する。
壁面部30は、媒体案内部40,50と係合して媒体案内部40,50の移動方向を規制するように構成される。具体的には、壁面部30は、媒体案内部40,50と係合して媒体案内部40,50の移動を所定の方向に案内または規制する係合部を有する。図3,4の例では、壁面部30は、幅方向における一方側(−Z方向側)に形成される溝部31と、他方側(+Z方向側)に形成される溝部32とを有する。溝部31は、媒体案内部40の後述する規制部44と係合し、媒体案内部40の移動方向をZ方向に規制するように、Z方向に延在して形成される。溝部32は、媒体案内部50の後述する規制部54と係合し、媒体案内部50の移動方向をZ方向に規制するように、Z方向に延在して形成される。
また、壁面部30は、第1のギヤ部としてのピニオンギヤ71(図2〜図4では不図示、図13に図示)を回転自在に保持する。具体的には、図4に示すように、壁面部30は、その裏面部33(載置面21側から見て裏面側の部分)から、+X方向に突出するように延在して形成される軸部34を有する。軸部34は、ピニオンギヤ71と嵌合し、ピニオンギヤ71の回転軸として機能する。すなわち、ピニオンギヤ71は、軸部34回りに回転可能に支持される。
さらに、壁面部30の裏面部33には、ピニオンギヤ71に対応する後述するラックギヤ43,53を収容するZ方向に延在する凹部35と、後述するラックギヤ43の付勢部43b,43cと当接する当接部36と、ラックギヤ53の付勢部53b,53cと当接する当接部37とが形成される。凹部35は、溝部31,32と連通する。当接部36は、凹部35の+Y方向側に位置してZ方向に延在し、凹部35の+Y方向側の壁面を構成する。当接部37は、凹部35の−Y方向側に位置してZ方向に延在し、凹部35の−Y方向側の壁面を構成する。軸部34は、凹部35のY方向およびZ方向における中央部に配置される。
媒体載置部20は、媒体案内部40,50と係合して媒体案内部40,50の移動方向を規制するように構成される。具体的には、媒体載置部20は、媒体案内部40,50と係合して媒体案内部40,50の移動を所定の方向に案内または規制する係合部を有する。図3,4の例では、媒体載置部20は、幅方向における一方側(−Z方向側)に形成される溝部22と、他方側(+Z方向側)に形成される溝部23とを有する。溝部22は、媒体案内部40の後述する規制部47と係合し、媒体案内部40の移動方向をZ方向に規制するように、Z方向に延在して形成される。溝部23は、媒体案内部50の後述する規制部57と係合し、媒体案内部50の移動方向をZ方向に規制するように、Z方向に延在して形成される。さらに、媒体載置部20は、後端ガイド60の移動方向を規制する溝部24を有する。溝部24は、後端ガイド60と係合し、後端ガイド60の移動方向をX方向に規制するように、X方向に延在して形成される。
また、媒体載置部20は、第2のギヤ部としてのピニオンギヤ72(図2〜図4では不図示、図14に図示)を回転自在に保持する。具体的には、図4に示すように、媒体載置部20は、その底面部25(載置面21側から見て裏面側の部分)から、−Y方向に突出するように延在して形成される軸部26を有する。軸部26は、ピニオンギヤ72と嵌合し、ピニオンギヤ72の回転軸として機能する。すなわち、ピニオンギヤ72は、軸部26回りに回転可能に支持される。
さらに、媒体載置部20の底面部25には、ピニオンギヤ72に対応する後述するラックギヤ46,56を収容するZ方向に延在する凹部27と、後述するラックギヤ46の付勢部46b,46cと当接する当接部28と、ラックギヤ56の付勢部56b,56cと当接する当接部29とが形成される。凹部27は、溝部22,23と連通する。当接部28は、凹部27の+X方向側に位置してZ方向に延在し、凹部27の+X方向側の壁面を構成する。当接部29は、凹部27の−X方向側に位置してZ方向に延在し、凹部27の−X方向側の壁面を構成する。軸部26は、凹部27のX方向およびZ方向における中央部に配置される。
図4に示すように、軸部34は、裏面部33に対して垂直な方向(X方向)に軸を形成し、軸部26は、底面部25に対して垂直な方向(Y方向)に軸を形成する。軸部34と軸部26とは、互いに垂直な関係になるように形成される。
図5は、媒体案内部40を媒体載置側から見た斜視図であり、図6は、媒体案内部40を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。以下、図5および図6を参照して、媒体案内部40の構成をより詳しく説明する。
媒体案内部40は、用紙Pの位置を規制する第1の媒体規制部41を有する。具体的には、第1の媒体規制部41は、用紙Pの幅方向の位置を規制する規制部41aと、用紙Pの媒体搬送方向の位置を規制する規制部41bと、用紙Pが載置される載置部41cとを有する。規制部41aは、+Z方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの−Z方向側の端部の位置を規制する。規制部41aは、X方向に延在してX方向への用紙Pの移動を案内する。規制部41bは、−X方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの+X方向側の端部(先端部)の位置を規制する。規制部41bは、規制部41aの+X方向側の端部から+Z方向に突出するように設けられる。載置部41cは、+Y方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの−Y方向側の面(裏面)と接する。載置部41cは、規制部41aの−Y方向側の端部から+Z方向に突出するように設けられる。
また、媒体案内部40は、壁面部30と係合して媒体案内部40の移動方向を規制する第1の移動規制部42を有する。第1の移動規制部42は、具体的には、壁面部30と係合して媒体案内部40の移動方向をZ方向に規制する。図5,6の例では、第1の移動規制部42は、Z方向に延在する第1の延在部としてのラックギヤ43と、壁面部30の溝部31と係合する規制部44とによって構成される。
ラックギヤ43は、媒体規制部41の+X方向側の端部に配置され、媒体規制部41から+Z方向に延びる。ラックギヤ43は、ピニオンギヤ71と噛合する歯部43aを有する。歯部43aは、ラックギヤ43のZ方向の移動に伴ってピニオンギヤ71が回転するように、またピニオンギヤ71の回転に伴ってラックギヤ43がZ方向に移動するように、Z方向に沿って形成される。また、ラックギヤ43は、歯部43aをピニオンギヤ71に向かって付勢するための付勢部43b,43cを有する。
さらに、媒体案内部40は、媒体載置部20と係合して媒体案内部40の移動方向を規制する第2の移動規制部45を有する。第2の移動規制部45は、具体的には、媒体載置部20と係合して媒体案内部40の移動方向をZ方向に規制する。図5,6の例では、第2の移動規制部45は、Z方向に延在する第2の延在部としてのラックギヤ46と、媒体載置部20の溝部22と係合する規制部47とによって構成される。
ラックギヤ46は、媒体規制部41の−Y方向側の端部に配置され、媒体規制部41から+Z方向に延びる。ラックギヤ46は、ピニオンギヤ72と噛合する歯部46aを有する。歯部46aは、ラックギヤ46のZ方向の移動に伴ってピニオンギヤ72が回転するように、またピニオンギヤ72の回転に伴ってラックギヤ46がZ方向に移動するように、Z方向に沿って形成される。また、ラックギヤ46は、歯部46aをピニオンギヤ72に向かって付勢するための付勢部46b,46cを有する。
図7は、ラックギヤ43および46が取り外された媒体案内部40を媒体載置側から見た斜視図であり、図8は、ラックギヤ43および46が取り外された媒体案内部40を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。以下、図5〜図8を参照して、媒体案内部40の構成をより詳しく説明する。
図8に示すように、媒体規制部41には、規制部41bの裏側の裏面部41dのうち、壁面部30の溝部31に対応する部分に、規制部44および接続部48が設けられる。規制部44および接続部48は、ここでは媒体規制部41と一体に形成されるが、媒体規制部41に対して取り付けられてもよい。規制部44は、溝部31に嵌め入れられて溝部31に案内されてZ方向に摺動するように構成される。接続部48は、裏面部41dとラックギヤ43との間に所定の間隔を空けて、媒体規制部41とラックギヤ43とを接続するように構成される。ここでは、接続部48は、裏面部41dから+X方向に突出する突起部(またはボス)48a,48bおよび係止部(または爪部)48cを有する。
また、媒体規制部41には、載置部41cの裏側の底面部41eのうち、媒体載置部20の溝部22に対応する部分に、規制部47および接続部49が設けられる。規制部47および接続部49は、ここでは媒体規制部41と一体に形成されるが、媒体規制部41に対して取り付けられてもよい。規制部47は、溝部22に嵌め入れられて溝部22に案内されてZ方向に摺動するように構成される。接続部49は、底面部41eとラックギヤ46との間に所定の間隔を空けて、媒体規制部41とラックギヤ46とを接続するように構成される。ここでは、接続部49は、底面部41eから−Y方向に突出する突起部(またはボス)49a,49bおよび係止部(または爪部)49cを有する。
一方、ラックギヤ43は、図6に示すように、Z方向に延在する本体部43dと、媒体規制部41側の接続部48と係合する接続部43eとを有する。本体部43dには、−Y方向側の端部にZ方向に沿って歯部43aが形成され、+Y方向側の端部に付勢部43b,43cが形成される。接続部43eは、接続部48と係合することにより、本体部43dを接続部48に対して+Y方向に変位させて、ラックギヤ43と媒体規制部41とを接続するように構成される。具体的には、接続部43eは、本体部43dの−Z方向側の端部から−Y方向に突出するように設けられ、接続部48の突起部48a,48bと係合する係合穴43f,43g、および係止部48cと係合する係止穴(または四角穴)43hを有する。
ラックギヤ43は、ラックギヤ43側に形成された係合穴43f,43gを媒体規制部41側に形成された突起部48a,48bと嵌め合わせるとともに、ラックギヤ43側に形成された係止穴43hを媒体規制部41側に形成された係止部48cと嵌め合わせることにより、媒体規制部41に固定される。このとき、例えば、突起部48a,48bは、媒体規制部41に対するラックギア43の位置および向きを規定する役割を果たし、係止部48cは、ラックギヤ43の+X方向への移動を阻止して媒体規制部41にラックギヤ43を留める役割を果たす。
図6に示すように、ラックギヤ46は、Z方向に延在する本体部46dと、媒体規制部41側の接続部49と係合する接続部46eとを有する。本体部46dには、−X方向側の端部にZ方向に沿って歯部46aが形成され、+X方向側の端部に付勢部46b,46cが形成される。接続部46eは、接続部49と係合することにより、本体部46dを接続部49に対して+X方向に変位させて、ラックギヤ46と媒体規制部41とを接続するように構成される。具体的には、接続部46eは、本体部46dの−Z方向側の端部から−X方向に突出するように設けられ、接続部49の突起部49a,49bと係合する係合穴46f,46g、および係止部49cと係合する係止穴(または四角穴)46hを有する。
ラックギヤ46は、ラックギヤ46側に形成された係合穴46f,46gを媒体規制部41側に形成された突起部49a,49bと嵌め合わせるとともに、ラックギヤ46側に形成された係止穴46hを媒体規制部41側に形成された係止部49cと嵌め合わせることにより、媒体規制部41に固定される。このとき、例えば、突起部49a,49bは、媒体規制部41に対するラックギア46の位置および向きを規定する役割を果たし、係止部49cは、ラックギヤ46の−Y方向への移動を阻止して媒体規制部41にラックギヤ46を留める役割を果たす。
図9は、媒体案内部50を媒体載置側から見た斜視図であり、図10は、媒体案内部50を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。以下、図9および図10を参照して、媒体案内部50の構成をより詳しく説明する。
媒体案内部50は、用紙Pの位置を規制する第2の媒体規制部51を有する。具体的には、第2の媒体規制部51は、用紙Pの幅方向の位置を規制する規制部51aと、用紙Pの媒体搬送方向の位置を規制する規制部51bと、用紙Pが載置される載置部51cとを有する。規制部51aは、−Z方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの+Z方向側の端部の位置を規制する。規制部51aは、X方向に延在してX方向への用紙Pの移動を案内する。規制部51bは、−X方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの+X方向側の端部(先端部)の位置を規制する。規制部51bは、規制部51aの+X方向側の端部から−Z方向に突出するように設けられる。載置部51cは、+Y方向を向く平板状の部材であり、用紙Pの−Y方向側の面(裏面)と接する。載置部51cは、規制部51aの−Y方向側の端部から−Z方向に突出するように設けられる。
また、媒体案内部50は、壁面部30と係合して媒体案内部50の移動方向を規制する第3の移動規制部52を有する。第3の移動規制部52は、具体的には、壁面部30と係合して媒体案内部50の移動方向をZ方向に規制する。図9,10の例では、第3の移動規制部52は、Z方向に延在する第3の延在部としてのラックギヤ53と、壁面部30の溝部32と係合する規制部54とによって構成される。
ラックギヤ53は、媒体規制部51の+X方向側の端部に配置され、媒体規制部51から−Z方向に延びる。ラックギヤ53は、ピニオンギヤ71と噛合する歯部53aを有する。歯部53aは、ラックギヤ53のZ方向の移動に伴ってピニオンギヤ71が回転するように、またピニオンギヤ71の回転に伴ってラックギヤ53がZ方向に移動するように、Z方向に沿って形成される。また、ラックギヤ53は、歯部53aをピニオンギヤ71に向かって付勢するための付勢部53b,53cを有する。
さらに、媒体案内部50は、媒体載置部20と係合して媒体案内部50の移動方向を規制する第4の移動規制部55を有する。第4の移動規制部55は、具体的には、媒体載置部20と係合して媒体案内部50の移動方向をZ方向に規制する。図9,10の例では、第4の移動規制部55は、Z方向に延在する第4の延在部としてのラックギヤ56と、媒体載置部20の溝部23と係合する規制部57とによって構成される。
ラックギヤ56は、媒体規制部51の−Y方向側の端部に配置され、媒体規制部51から−Z方向に延びる。ラックギヤ56は、ピニオンギヤ72と噛合する歯部56aを有する。歯部56aは、ラックギヤ56のZ方向の移動に伴ってピニオンギヤ72が回転するように、またピニオンギヤ72の回転に伴ってラックギヤ56がZ方向に移動するように、Z方向に沿って形成される。また、ラックギヤ56は、歯部56aをピニオンギヤ72に向かって付勢するための付勢部56b,56cを有する。
図11は、ラックギヤ53および56が取り外された媒体案内部50を媒体載置側から見た斜視図であり、図12は、ラックギヤ53および56が取り外された媒体案内部50を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。以下、図9〜図12を参照して、媒体案内部50の構成をより詳しく説明する。
図12に示すように、媒体規制部51には、規制部51bの裏側の裏面部51dのうち、壁面部30の溝部32に対応する部分に、規制部54および接続部58が設けられる。規制部54および接続部58は、ここでは媒体規制部51と一体に形成されるが、媒体規制部51に対して取り付けられてもよい。規制部54は、溝部32に嵌め入れられて溝部32に案内されてZ方向に摺動するように構成される。接続部58は、裏面部51dとラックギヤ53との間に所定の間隔を空けて、媒体規制部51とラックギヤ53とを接続するように構成される。ここでは、接続部58は、裏面部51dから+X方向に突出する突起部(またはボス)58a,58bおよび係止部(または爪部)58cを有する。
また、媒体規制部51には、載置部51cの裏側の底面部51eのうち、媒体載置部20の溝部23に対応する部分に、規制部57および接続部59が設けられる。規制部57および接続部59は、ここでは媒体規制部51と一体に形成されるが、媒体規制部51に対して取り付けられてもよい。規制部57は、溝部23に嵌め入れられて溝部23に案内されてZ方向に摺動するように構成される。接続部59は、底面部51eとラックギヤ56との間に所定の間隔を空けて、媒体規制部51とラックギヤ56とを接続するように構成される。ここでは、接続部59は、底面部51eから−Y方向に突出する突起部(またはボス)59a,59bおよび係止部(または爪部)59cを有する。
一方、ラックギヤ53は、図10に示すように、Z方向に延在する本体部53dと、媒体規制部51側の接続部58と係合する接続部53eとを有する。本体部53dには、+Y方向側の端部にZ方向に沿って歯部53aが形成され、−Y方向側の端部に付勢部53b,53cが形成される。接続部53eは、接続部58と係合することにより、本体部53dを接続部58に対して−Y方向に変位させて、ラックギヤ53と媒体規制部51とを接続するように構成される。具体的には、接続部53eは、本体部53dの+Z方向側の端部から+Y方向に突出するように設けられ、接続部58の突起部58a,58bと係合する係合穴53f,53g、および係止部58cと係合する係止穴(または四角穴)53hを有する。
ラックギヤ53は、ラックギヤ53側に形成された係合穴53f,53gを媒体規制部51側に形成された突起部58a,58bと嵌め合わせるとともに、ラックギヤ53側に形成された係止穴53hを媒体規制部51側に形成された係止部58cと嵌め合わせることにより、媒体規制部51に固定される。このとき、例えば、突起部58a,58bは、媒体規制部51に対するラックギア53の位置および向きを規定する役割を果たし、係止部58cは、ラックギヤ53の+X方向への移動を阻止して媒体規制部51にラックギヤ53を留める役割を果たす。
図10に示すように、ラックギヤ56は、Z方向に延在する本体部56dと、媒体規制部51側の接続部59と係合する接続部56eとを有する。本体部56dには、+X方向側の端部にZ方向に沿って歯部56aが形成され、−X方向側の端部に付勢部56b,56cが形成される。接続部56eは、接続部59と係合することにより、本体部56dを接続部59に対して−X方向に変位させて、ラックギヤ56と媒体規制部51とを接続するように構成される。具体的には、接続部56eは、本体部56dの+Z方向側の端部から+X方向に突出するように設けられ、接続部59の突起部59a,59bと係合する係合穴56f,56g、および係止部59cと係合する係止穴(または四角穴)56hを有する。
ラックギヤ56は、ラックギヤ56側に形成された係合穴56f,56gを媒体規制部51側に形成された突起部59a,59bと嵌め合わせるとともに、ラックギヤ56側に形成された係止穴56hを媒体規制部51側に形成された係止部59cと嵌め合わせることにより、媒体規制部51に固定される。このとき、例えば、突起部59a,59bは、媒体規制部51に対するラックギア56の位置および向きを規定する役割を果たし、係止部59cは、ラックギヤ56の−Y方向への移動を阻止して媒体規制部51にラックギヤ56を留める役割を果たす。
図13は、軸部34の軸を通るX−Y平面における媒体収容カセット100の断面図であり、図14は、軸部26の軸を通るX−Y平面における媒体収容カセット100の断面図である。以下、図2〜図14を参照して、媒体収容部10に対して媒体案内部40および50を摺動可能に固定する方法を説明し、これによって媒体収容カセット100の構成を明らかにする。
図7および図8に示すように媒体案内部40からラックギヤ43,46を取り外した状態で、媒体案内部40の規制部44と媒体収容部10の溝部31とを係合させるとともに、媒体案内部40の規制部47と媒体収容部10の溝部22とを係合させる。具体的には、媒体案内部40の規制部44および接続部48を壁面部30の溝部31に挿入し、規制部44を溝部31に係合させ、接続部48を溝部31の+X方向側に突出させる。また、媒体案内部40の規制部47および接続部49を媒体載置部20の溝部22に挿入し、規制部47を溝部22に係合させ、接続部49を溝部22の−Y方向側に突出させる。
また、図11および図12に示すように媒体案内部50からラックギヤ53,56を取り外した状態で、媒体案内部50の規制部54と媒体収容部10の溝部32とを係合させるとともに、媒体案内部50の規制部57と媒体収容部10の溝部23とを係合させる。具体的には、媒体案内部50の規制部54および接続部58を壁面部30の溝部32に挿入し、規制部54を溝部32に係合させ、接続部58を溝部32の+X方向側に突出させる。また、媒体案内部50の規制部57および接続部59を媒体載置部20の溝部23に挿入し、規制部57を溝部23に係合させ、接続部59を溝部23の−Y方向側に突出させる。
次に、ラックギヤ43および46を取り付ける。具体的には、ラックギヤ43側の接続部43eを媒体規制部41側の接続部48に接続し、ラックギヤ46側の接続部46eを媒体規制部41側の接続部49に接続する。ラックギヤ43および46の取り付け後の状態において、ラックギヤ43は、壁面部30の凹部35内に配置され、ラックギヤ46は、媒体載置部20の凹部27内に配置される。
また、ラックギヤ53および56を取り付ける。具体的には、ラックギヤ53側の接続部53eを媒体規制部51側の接続部58に接続し、ラックギヤ56側の接続部56eを媒体規制部51側の接続部59に接続する。ラックギヤ53および56の取り付け後の状態において、ラックギヤ53は、壁面部30の凹部35内に配置され、ラックギヤ56は、媒体載置部20の凹部27内に配置される。
次に、ピニオンギヤ71を軸部34に対して回転可能に固定する。具体的には、図13に示すように、ピニオンギヤ71を、裏面部33側からラックギヤ43および53を挟んで軸部34に嵌合させた後、ネジ81でネジ止めする。より具体的には、ピニオンギヤ71の軸穴に軸部34を嵌め入れた後、軸部の中心部に形成されたX方向に延びるネジ穴に対してネジ81を螺合させ、ネジ81のネジ頭によってピニオンギヤ71のX方向の位置を規制する。ピニオンギヤ71にはラックギヤ規制部としてのフランジ71aが形成されており、このフランジ71aによってラックギヤ43および53のX方向の動きが規制される。また、このとき、ラックギヤ43の付勢部43b,43cは、壁面部30の当接部36と当接して弾性変形力によってラックギヤ43の歯部43aをピニオンギヤ71に押し付ける。また、ラックギヤ53の付勢部53b,53cは、壁面部30の当接部37と当接して弾性変形力によってラックギヤ53の歯部53aをピニオンギヤ71に押し付ける。
また、ピニオンギヤ72を軸部26に対して回転可能に固定する。具体的には、図14に示すように、ピニオンギヤ72を、底面部25側からラックギヤ46および56を挟んで軸部26に嵌合させた後、ネジ82でネジ止めする。より具体的には、ピニオンギヤ72の軸穴に軸部26を嵌め入れた後、軸部の中心部に形成されたY方向に延びるネジ穴に対してネジ82を螺合させ、ネジ82のネジ頭によってピニオンギヤ72のY方向の位置を規制する。ピニオンギヤ72にはラックギヤ規制部としてのフランジ72aが形成されており、このフランジ72aによってラックギヤ46および56のY方向の動きが規制される。また、このとき、ラックギヤ46の付勢部46b,46cは、媒体載置部20の当接部28と当接して弾性変形力によってラックギヤ46の歯部46aをピニオンギヤ72に押し付ける。また、ラックギヤ56の付勢部56b,56cは、媒体載置部20の当接部29と当接して弾性変形力によってラックギヤ56の歯部56aをピニオンギヤ72に押し付ける。
このようにして、媒体収容部10に対して媒体案内部40および50が摺動可能に固定される。
図15は、軸部34および軸部26を通るX−Y平面における、媒体案内部50が取り付けられた媒体収容部10の断面図である。
図15から、ラックギヤ53とラックギヤ56とが互いに垂直の関係にあることが分かる。また、軸部34と軸部26とが互いに垂直の関係にあることが分かる。
[画像形成装置の動作]
以下、画像形成装置1の動作について説明する。
図1において、媒体収容カセット100にセットされた用紙Pは、給紙ローラ201によって繰り出され、分離ローラ対202によって1枚ずつに分離された後、搬送ローラ対203によって搬送され、レジストローラ対204に突き当てられる。ここで用紙Pの斜行が矯正される。その後、用紙Pは、搬送ローラ対205によって搬送され、画像形成部300に送られる。
画像形成部300では、感光体ドラム310にトナー像が形成され、転写部350によって、感光体ドラム310から用紙P上にトナー像が転写され、定着部360にてトナー像が用紙Pに定着され、用紙Pに画像が形成される。
画像が形成された用紙Pは、搬送ローラ対206,207によって排紙ローラ対208に搬送され、排紙ローラ対208によって排紙スタッカ209に排紙される。
次に、媒体収容カセット100の動作または作用を説明する。以下の説明において、媒体案内部40,50および後端ガイド60の移動は、使用者の手動によって実現されてもよいし、画像形成装置1のモータ等による駆動によって実現されてもよい。
図2を参照すると、媒体収容カセット100の媒体載置部20にセットされた用紙Pの幅方向の両端部は、媒体案内部40,50の規制部41a,51aによって規制される。この場合、幅方向における媒体案内部40,50の位置は、幅方向における規制部41aと51aとの間の距離が用紙Pの幅方向のサイズと一致するように調節される。したがって、セットされる用紙Pの幅方向のサイズが変わった場合、媒体案内部40,50は、用紙Pのサイズに合わせて移動する。このとき、ラックギヤとピニオンギヤによって、媒体案内部40,50のうちの一方の媒体案内部の移動により、他方の媒体案内部の移動が同時に行われる。具体的には、媒体案内部40に+Z方向(または−Z方向)の力が加えられると、媒体案内部40が+Z方向(または−Z方向)に移動するとともに、ラックギヤ43,46の移動によりピニオンギヤ71,72が回転し、このピニオンギヤ71,72の回転によって媒体案内部50のラックギヤ53,56が−Z方向(または+Z方向)に移動し、媒体案内部50が−Z方向(または+Z方向)に移動する。ラックギヤおよびピニオンギヤは、一方の媒体案内部の移動量と他方の媒体案内部の移動量とが同じになるように構成されてもよい。この場合、幅方向における規制部41aと51aとの間の中央位置が一定に維持され、中央基準による給紙が可能となる。
また、媒体収容カセット100の媒体載置部20にセットされた用紙Pの媒体搬送方向下流側の端部は、媒体案内部40,50の規制部41b,51b(または壁面部30)によって規制され、上流側の端部は、後端ガイド60によって規制される。この場合、媒体搬送方向における後端ガイド60の位置は、媒体搬送方向における後端ガイド60と規制部41b,51b(または壁面部30)との間の距離が用紙Pの媒体搬送方向のサイズと一致するように調節される。したがって、セットされる用紙Pの媒体搬送方向のサイズが変わった場合、後端ガイド60は、用紙Pのサイズに合わせて移動する。
なお、媒体載置部20は、図1に示すように、用紙Pを+Y方向に移動(または上昇)させるための積載板90を備えてもよい。この積載板90には、用紙Pの搬送方向下流側の部分が載置される。積載板90は、媒体収容カセット100が画像形成装置1の本体400から引き出された状態では、X方向およびZ方向に平行となり、媒体収容カセット100が本体400に装着されると、固定端91を支点として+Y方向に回転し、用紙Pを給紙ローラ201に当接させるように構成される。
[効果]
以上のとおり、本実施の形態では、載置面21と交差する方向に延びるとともに幅方向に対して平行に延在する壁面部30が設けられ、この壁面部30と媒体案内部40とが係合する。この構成によれば、壁面部30と媒体案内部40との係合によって媒体規制部41の傾斜またはガタつきを抑制することができ、媒体の斜行を抑制することができる。
具体的には、本実施の形態では、媒体載置部20に対して略垂直であって幅方向に平行な壁面部30において、媒体案内部40に形成された規制部44と溝部31とを係合させ、媒体案内部40に設けられたラックギヤ43とピニオンギヤ71とを係合させている。このようにすることで、媒体規制部41のガタつきまたは傾斜を抑えることができ、媒体規制部41のガタつきまたは傾斜によって媒体搬送方向(所望の搬送方向)に対して媒体が傾斜することを低減することができる。これにより、画像形成部300に供給される媒体の斜行を抑えることができ、より高い画像品質を得ることができる。
また、本実施の形態では、媒体搬送方向における載置面21の下流側の壁面部30において、媒体案内部40を壁面部30に係合させている。つまり、給紙ローラ201側において壁面部30と媒体案内部40とを係合させることとしている。このようにすることで、給紙ローラ201に近い媒体搬送方向の下流側の位置における媒体規制部41の挙動が安定するので、給紙を安定化することができる。
さらに、本実施の形態では、媒体案内部40を壁面部30に係合させるとともに、媒体載置部20にも係合させている。具体的には、媒体載置部20において、媒体案内部40に形成された規制部47と溝部22とを係合させ、媒体案内部40に設けられたラックギヤ46とピニオンギヤ72とを係合させている。このようにすることで、媒体規制部41のガタつきまたは傾斜をさらに低減することができ、所望の媒体搬送方向に対して媒体が傾斜して搬送されることを低減することができる。より具体的には、媒体案内部40を媒体載置部20だけに係合させる構成では、用紙Pの側圧によって媒体規制部41の上部のガタつきや傾斜が発生し、これにより媒体搬送時に用紙Pの斜行が発生する場合がある。これに対し、本構成では、媒体案内部40を媒体載置部20に係合させるだけでなく、さらに壁面部30に係合させるので、用紙Pの側圧による媒体規制部41の上部のガタつきや傾斜が抑制され、給紙時の用紙Pの斜行が抑制される。
以上のような効果は、媒体案内部50についても同様に得られる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2における媒体収容カセットについて説明する。本実施の形態2の媒体収容カセットは、実施の形態1の媒体収容カセットに対し、壁面部と媒体案内部との係合箇所が多い点で異なり、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
図16は、実施の形態2における媒体案内部40,50を媒体載置側から見た斜視図であり、図17は、実施の形態2における媒体案内部40,50を媒体載置側の反対側から見た斜視図である。
本実施の形態の媒体収容カセットは、実施の形態1の媒体収容カセットと比較して、Y方向の寸法が大きく、最大載置量が多い。そして、図16,17に示すように、媒体規制部41,51は、実施の形態1よりY方向の寸法が大きい。媒体規制部のY方向の寸法が大きくなるほど、媒体規制部のたわみや、ガタつき、傾斜が生じやすくなり、用紙Pの斜行が生じやすくなる。
本実施の形態では、最大積載量が多い場合の用紙Pの斜行を抑制する等の観点より、媒体案内部40は、載置面21と交差する方向に並ぶように、第1の延在部としてのラックギヤを複数有する。また、媒体案内部50は、載置面21と交差する方向に並ぶように、第3の延在部としてのラックギヤを複数有する。図16,17の例では、媒体案内部40は、Y方向に並ぶように、2つのラックギヤ43−1,43−2と2つの規制部44−1,44−2とを有し、媒体案内部50は、Y方向に並ぶように、2つのラックギヤ53−1,53−2と2つの規制部54−1,54−2を有する。これに対応して、壁面部30側には、ラックギヤ43−1,53−1と噛合するピニオンギヤ71−1と、ラックギヤ43−2,53−2と噛合するピニオンギヤ71−2とが設けられる。その他、壁面部30側には、媒体案内部側のラックギヤおよび規制部の数に応じた数の溝部や凹部等が設けられる。
上記以外の構成および動作については、実施の形態1と同様である。
なお、図16,17では、媒体案内部40に2本のラックギヤを設ける場合を例示したが、3本以上のラックギヤを設けてもよく、例えば最大積載量や媒体規制部のY方向の寸法に応じて適宜増設してもよい。これは、媒体案内部50についても同様である。
以上のとおり、本実施の形態では、媒体案内部40は、載置面21と交差する方向に並ぶ複数のラックギヤを有し、この複数のラックギヤが壁面部30と係合する。これにより、載置面21と交差する方向における媒体規制部41の寸法が大きい場合でも、媒体規制部41の傾斜またはガタつきを抑制し、媒体の斜行を抑制することができる。
具体的には、本実施の形態では、媒体載置部20に対して略垂直であって幅方向に平行な壁面部30において、媒体案内部40に形成された規制部と溝部とを係合させ、媒体案内部40に第1の延在部として設けられた複数本のラックギヤを各ラックギヤに対応するピニオンギヤと係合させている。このようにすることで、媒体の積載量が多くなった場合においても、媒体搬送方向(所望の搬送方向)に対して媒体が傾斜することを安定して低減することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
例えば、上記の説明では、媒体載置部20と係合する第2の移動規制部45(例えばラックギヤ46および規制部47)を設ける構成を例示したが、第2の移動規制部45は省略されてもよく、この場合においても一定の効果が得られる。
また、上記の説明では、2つの媒体案内部40および50を有する構成を例示したが、1つの媒体案内部を有する構成であってもよい。