JP5957384B2 - W/o乳化化粧料 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2010年12月21日付け出願の日本国特許出願第2010−283916号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
本発明はW/O乳化化粧料、特に多量のグリセリンを配合した、保湿効果に優れ、べたつきがなく、乳化安定性にも優れるW/O乳化化粧料に関する。
W/O乳化物は、O/W乳化物に比して化粧料持ちがよいことから、化粧料、特に、ファンデーションなどのメークアップ化粧料や日焼け止め化粧料において汎用されている。近年では、ファンデーションや日焼け止め化粧料などにおいてもスキンケア効果のあるものが求められており、例えば保湿効果の高いものが求められている。
グリセリンは、化粧料に配合される代表的な保湿剤である。しかしながら、グリセリンを高配合すると著しくべたついてしまうという問題があった。特に、W/O乳化化粧料は油相を連続相としているため、水相を連続相とするO/W乳化化粧料に比べて油分によるべたつきも大きいため、W/O乳化化粧料にグリセリンを高配合することはこれまで避けられていた。
また、ファンデーションや日焼け止め化粧料などは粉末成分が多量に配合されているが、このような化粧料にグリセリンを配合しても、化粧水や乳液などの粉末成分がほとんど含まれていない化粧料に比べるとグリセリンによる保湿効果が十分発揮されないという問題もあった。また、グリセリンを高配合して保湿効果を高めようとすれば、上記のようにべたつきを生じてしまう。
また、W/O乳化化粧料にグリセリンを高配合した場合の乳化安定性も重要である。
特許文献1には、特定の紫外線吸収剤と、ジメチルポリシロキサンと、モノエステル油と、シリコーン鎖分岐型アルキル・ポリオキシエチレン変性シリコーンとを含有し、紫外線防御効果、肌へなじみ、耐水性、乳化安定性がよく、べたつきのないW/O型日焼け止め化粧料が記載されている。しかしながら、保湿効果については検討されておらず、グリセリンを高配合することについても全く記載がない。
WO2007/091490
本発明は、前記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、グリセリンを高配合し、保湿効果が高く、べたつきがなく、乳化安定性に優れるW/O乳化化粧料を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、粉体を配合したW/O乳化化粧料において、多量のグリセリンとともに特定の成分を用いることで、保湿効果が高く、しかもべたつきのない乳化安定性に優れるW/O乳化化粧料が得られることが判明した。さらに、特定の不揮発性油分を併用すると、べたつきのなさや乳化安定性を損なうことなく、グリセリンによる保湿効果をさらに向上させることができることも見出した。また、多量のグリセリンによって高温保存で粘度が低下したり、経時的に粉体の凝集を生じる場合があること、特定成分の配合によりこのような粘度低下を抑制し、粉末の分散安定性を改善できることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記成分(A)〜(F)を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料を提供する:
(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンが0.1〜5質量%;
(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンが0.1〜5質量%であり、且つ(A)に対して0.2〜3倍質量;
(C)粉体が0.1〜60質量%;
(D)揮発性油分が3〜50質量%;
(E)グリセリンが10〜35質量%;及び
(F)水。
また、本発明は、前記W/O乳化化粧料において、さらにコハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン及びジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料を提供する。
また、本発明は、前記W/O乳化化粧料において、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン及びジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分が、合計で、W/O乳化化粧料中5〜20質量%であることを特徴とするW/O乳化化粧料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載のW/O乳化化粧料において、さらに有機変性粘土鉱物と、両末端シリコーン化グリセリンと、を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料を提供する。
また、本発明は、前記W/O乳化化粧料において、有機変性粘土鉱物がW/O乳化化粧料中0.05〜2質量%、両末端シリコーン化グリセリンがW/O乳化化粧料中1〜2.5質量%であることを特徴とするW/O乳化化粧料を提供する。
本発明によれば、粉末を配合したW/O乳化化粧料において、特定成分とともにグリセリンを高配合することにより、非常に高い保湿効果を有し、べたつきのなさ、乳化安定性にも優れるW/O乳化化粧料を得ることができる。さらに特定の非揮発性油分を配合することにより、べたつきのなさや乳化安定性を損なうことなくグリセリンの保湿効果をさらに向上することができる。また、有機変性粘土鉱物及び両末端シリコーン化グリセリンを配合することにより、高温保存時の粘度低下を抑制でき、また、粉体の分散安定性にも寄与する。
本発明にかかるW/O乳化化粧料、ならびに20%グリセリン水溶液(比較例)の塗布直前に対する角質水分量の経時的変化を示す図である。 各種不揮発性油分を配合した場合の塗布直前に対する角質水分量の経時的変化を示す図である。 不揮発性油分としてコハク酸ジ2−エチルヘキシルを配合したW/Oファンデーションの塗布直前に対する角質水分量の経時的変化を示す図である。
(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン
本発明において用いられるポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基と炭素数4以上のアルキル基とを有するものであり、例えば、下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。
一般式(I)において、
Rは炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基(好ましくはメチル基);
R’は水素又は炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは水素);
pは6〜30(好ましくは10〜18、特に好ましくは12〜16);
qは1〜50(好ましくは3);
mは1〜100;
n、w、xはそれぞれ1〜50;
yは0〜50
である。ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンの付加順序は特に制限されず、また、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。
一般式(I)のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの好適な例の一つとして、ABIL EM90(セチルジメチコンコポリオール、独Goldschmit社製)が挙げられる。
上記一般式(I)において、オルガノポリシロキサン主骨格が、別のオルガノポリシロキサン鎖を側鎖に有していてもよい。このようなポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの好適な例の一つとして、KF−6038(ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、信越化学工業(株)製)が挙げられる。
ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、グリセリンによるべたつき、特に塗布後のべたつきを抑制する。配合量が少なすぎるとその効果が十分得られないことがあるので、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、W/O乳化化粧料中0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上、特に1質量%以上であることが好適である。一方、過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は得られないので、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンはW/O乳化化粧料中5質量%以下、さらには3質量%以下、特に2質量%以下が好適である。
(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン
本発明において用いられるポリオキシアルキレン変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するものであり、例えば、下記一般式(II)で示されるものが挙げられる。
一般式(II)において、
Rは炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基(好ましくはメチル基);
R’は水素又は炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは水素又はメチル基);
qは1〜50(好ましくは3);
mは1〜100;
n、xはそれぞれ1〜50;
yは0〜50
である。ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンの付加順序は特に制限されず、また、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。
一般式(II)のポリオキシアルキレン変性シリコーンの好適な例の一つとして、KF−6017(PEG−10ジメチコン、信越化学工業(株)製)、が挙げられる。
上記一般式(II)において、オルガノポリシロキサン主骨格が、別のオルガノポリシロキサン鎖を側鎖に有していてもよい。このようなポリオキシアルキレン変性シリコーンの好適な例の一つとして、KF−6028(PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、信越化学工業(株)製)が挙げられる。
ポリオキシアルキレン変性シリコーンは乳化安定性に寄与する。その配合量はW/O乳化化粧料中0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上、特に1質量%以上が好ましい。またポリオキシアルキレン変性シリコーンの配合量はW/O乳化化粧料中5質量%以下、さらには4質量%以下、特に3質量%以下が好ましい。W/O乳化化粧料中のポリオキシアルキレン変性シリコーンが少なすぎると乳化安定性が不十分となり、多すぎると塗布中にべたつきを生じることがある。また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンは、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンに対して0.2〜3倍質量、さらには0.5〜2倍質量であることが好ましい。ポリオキシアルキレン変性シリコーンの配合量が少なすぎると乳化安定化効果が十分に得られず、一方、過剰に配合するとポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンによるグリセリンのべたつき抑制効果が損なわれることがある。
(C)粉体
本発明において用いる粉体は、化粧料に通常使用されるものであれば特に制限されず、1種又は2種以上を用いることができる。例えば、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、酸化チタンなどの無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、コバルトチタン酸などの無機緑色系顔料、群青、紺青などの無機青色系顔料、酸化チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、魚鱗箔、着色酸化チタンコーテッド雲母などのパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどの金属粉末顔料、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、α−酸化鉄、水和酸化鉄、シリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、微結晶性セルロース、シリコーンパウダーなどの有機粉末等が挙げられる。また、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛などの紫外線防御粉末や、有機粉末に無機粉末を被覆した複合粉末なども挙げられる。
なお、本発明においては、各種粉末が、金属セッケン、シリコーン類、脂肪酸エステルなど公知の方法で疎水化処理されたものを用いるのが好ましい。
本発明の効果は、粉末の配合量がW/O乳化化粧料中0.1質量%以上、典型的には1質量%以上、さらには5質量%以上で顕著となる。粉体の上限は特に制限されず、製品に応じて適宜設定可能であるが、通常はW/O乳化化粧料中60質量%以下、典型的には50質量%以下である。
(D)揮発性油分
本発明において用いられる揮発性油分としては、低沸点(常圧における沸点260℃以下)のイソパラフィン系炭化水素油やシリコーン油が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
低沸点イソパラフィン系炭化水素油としては、例えばイソドデカンが挙げられる。
低沸点シリコーン油としては、Si数4〜6の環状ジメチルポリシロキサン、Si数2〜5の鎖状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
揮発性油分はグリセリンよるべたつき、特に塗布中のべたつきを抑制する。配合量が少なすぎるとその効果が十分に発揮されないことがあるので、揮発性油分はW/O乳化化粧料中3質量%以上、さらには5質量%以上、特に10質量%以上であることが好適である。一方、過剰に配合しても増量に見合った効果が得られないので、揮発性油分はW/O乳化化粧料中50質量%以下、さらには40質量%以下、特に30質量%以下とすることが好適である。
(E)グリセリン
本発明においては、グリセリンが少なすぎると保湿効果が十分発揮されないので、W/O乳化化粧料中10質量%以上、さらには15質量%以上、特に20質量%以上とすることが好適である。一方、過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は得られないので、グリセリンはW/O乳化化粧料中35質量%以下、さらには30質量%以下、特に25質量%以下とすることが好適である。
(F)水
本発明において、水の配合量は特に制限されるものではなくW/O乳化化粧料を製造可能な範囲で設定可能である。通常は、W/O乳化化粧料中5〜50質量%、典型的には10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%である。
本発明のW/O乳化化粧料は、上記成分(A)〜(F)を必須成分として含むものであるが、目的に応じて、その他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
(G)不揮発性油分
本発明においては、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、及びジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分を配合することにより、グリセリンによる保湿効果をさらに向上させることができる。これら特定の不揮発性油分は、上記必須成分によるべたつき抑制効果や乳化安定化効果を損なわない。
これら特定の不揮発性油分は、合計で、W/O乳化化粧料中1質量%以上、さらには、2質量%以上、特に5質量%以上とすることが好適である。配合量が少なすぎるとこれら不揮発性油分による効果十分得られないことがある。一方、過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は得られないので、これら特定の不揮発性油分は、合計で、W/O乳化化粧料中20質量%以下、さらには15質量%以下、特に10質量%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン以外の不揮発性油分を配合することは可能である。例えば、炭化水素、エステル油、植物性油脂、動物性油脂、高級アルコール、高級脂肪酸等が挙げられる。コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン以外の不揮発性油分は、通常はW/O乳化化粧料中10質量%以下、さらには8質量%以下、特に5質量%以下とすることが好ましい。
炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィン、スクワラン、スクワレン、オゾケライト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
植物性油脂としては、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、落花生油、アーモンド油、大豆油、茶実油、ホホバ油、胚芽油等が挙げられる。
動物性油脂としては、タートル油、卵黄油、ミンク油等が挙げられる。
高級アルコールとしては、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ホホバアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール等が、高級脂肪酸としては、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
また、油分として、水への溶解度に優れ、多量の水を吸収(抱水)することのできる所謂「抱水性油分」を配合することもできる。抱水性油分とは、水を抱え込んで保持する性質を有する油分であり、特に抱水力100%以上、すなわち自重以上の水を保持できるものが好ましい。
抱水性油分としては、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット、マカデミアナッツ油脂肪酸フェトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フェトステリル、2−オクチルドデシル)、トリイソステアリン酸グリセリン、マカデミアナッツ油ポリグリセリル−6エステルズベヘネート等が挙げられる。
また、油分として、POE・POP共重合体ジアルキルエーテルを配合することもできる。POE・POP共重合体ジアルキルエーテルのアルキル基は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル、エチルであり、特に好ましくはメチルである。POE基はPOE基とPOP基の合計に対して20〜80重量%であることが好ましい。POE・POPはランダム型、ブロック型の何れでもよいが、好ましくはランダム型である。このようなPOE・POP共重合体ジアルキルエーテルは、例えば、特開2004−83541号公報、特開2006−265135号公報などに記載されている。
例えば、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
(H)有機変性粘土鉱物及び(I)両末端シリコーン化グリセリン
また、本発明のW/O乳化化粧料はグリセリンを多量に配合しているため、高温保存した場合に経時的に粘度が低下することがあり、その傾向はグリセリン配合量が多くなるほど顕著になる。
このような粘度低下は、有機変性粘土鉱物と両末端シリコーン化グリセリンとを配合することにより抑制することができる。また、グリセリン配合量が多くなると粉末の分散安定性が低下することがあるが、有機変性粘土鉱物と両末端シリコーン化グリセリンとの併用はこのような粉末の分散安定性にも寄与する。
有機変性粘土鉱物としては、水膨潤性粘土鉱物(例えばモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイトなど)の結晶層間に介在する変換性カチオンを有機極性化合物や有機カチオン(例えば、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤)で置換したものが挙げられる。具体的には、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(=クオタニウム−18ヘクトライト)、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト(=クオタニウム−18ベントナイト)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトや、ジオクタデシルジメチルアンモニウムモンモリロナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムモンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムモンモリロナイト等が挙げられる。
有機変性粘土鉱物は、例えば「ベントン38」(=クオタニウム−18ヘクトライト)、「ベントン34」(=クオタニウム−18ベントナイト)、「ベントン27」(=ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト)(いずれもエレメンティススペシャリティーズ(英)社製)、「クレイトーン40」、「クレイトーンSO」(いずれもサザン・クレイ社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。有機変性粘土鉱物は1種または2種以上を用いることができる。
本発明においては、平均厚さ0.1μm以下、平均長径が0.5〜50μmの板状粒子である有機変性粘土鉱物を用いることがその効果の点で好ましい。上記のような市販の有機変性粘土鉱物は通常平均厚さ2μm以上の凝集体であるが、油分中、湿式ビーズミルなどにより機械的剪断力及び/又は衝撃力によって剥離処理することにより、平均厚さ0.1μm以下、平均長径が0.5〜50μmの有機変性粘土鉱物板状粒子が分散した高分散体を得ることができる(特開2009−40720号公報参照)。本発明においては、このように油分中に高分散された状態の有機変性粘土鉱物が好適に用いられる。高分散体を形成する油分は特に制限されないが、前記揮発性油分は好適な高分散体形成用油分の一つである。
本発明において用いる両末端シリコーン化グリセリンは、グリセリン又はポリグリセリンの両末端OH基の水素原子が直鎖型のオルガノポリシロキシアルキル基で置換されたものであり、例えば、下記一般式(III)で示されるものが挙げられる。
一般式(III):
一般式(III)中、R、R’はそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜11のアルキレン基であり、mはそれぞれ独立して10〜120の数、nは1〜11の数である。
両末端シリコーン化グリセリンの基本構造はBAB型トリブロック共重合体である。
は、好ましくはメチル基またはフェニル基、さらに好ましくはメチル基である。
’は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数3〜6のアルキル基である。
は、好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは2〜4のアルキレン基である。
mは、好ましくはそれぞれ独立して40〜80、さらに好ましくは50〜70である。
nは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは2〜4である。
上記一般式(III)の両末端シリコーン化グリセリンの製造は、公知の方法により製造可能である。例えば、(ポリ)グリセリンジアリルエーテルと片末端水素化ジメチルポリシロキサンの混合液中に塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液を加え、これを加熱・反応させ、ここに塩酸水溶液を添加し、過熱加水分解した後、重曹水を加えて中和した後、精製し、エバポレーションして得ることができる。ただしこの製造方法に限定されるものでない。
有機変性粘土鉱物は、W/O乳化化粧料中0.05〜2質量%、さらには0.1〜1質量%であることが好ましい。有機変性粘土鉱物が少なすぎると粘土低下抑制効果や粉末分散安定化効果が十分得られないことがあり、多すぎると粘度が過剰に高くなったり、べたつき感を生じる傾向がある。
また、両末端シリコーン化グリセリンはW/O乳化化粧料中1〜2.5質量%、さらには1〜2質量%であることが好ましい。両末端シリコーン化グリセリンが少なすぎると、粘土低下抑制効果や粉末分散安定化効果が十分得られないことがあり、多すぎるとべたつき感を生じる傾向がある。
その他成分
本発明のW/O乳化化粧料には、本発明の効果を損なわない限り、化粧料に一般的に使用されるその他の成分を適宜配合することも可能である。
例えば、界面活性剤、アルコール類、保湿剤、紫外線吸収剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、各種水溶性高分子、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料などの他、消炎剤、ビタミン類、アミノ酸類、動植物抽出物、皮膚栄養・賦活剤等の薬剤などが挙げられる。
製品形態
本発明にかかるW/O乳化化粧料の製品形態は特に制限されず、粉体配合のW/O乳化化粧料が通常採用されている製品に応用することができる。好適な例としては、ファンデーション、化粧下地、頬紅、アイライナー、アイブロウなどのメークアップ化粧料;日焼け止め化粧料などが挙げられ、広範囲の肌に塗布される化粧料であるファンデーション、化粧下地、日焼け止め化粧料には特に有用である。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、以下の試験例で用いた変性シリコーンは次の通りである。POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンを意味する。配合量は特に指定のない限り質量%で示す。
<(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン>
・変性シリコーンA1:
ラウリル基とPOE基とで変性された分岐鎖ジメチルポリシロキサン[KF−6038、信越化学工業(株)製]
・変性シリコーンA2:
セチル基と、POE・POP基とで変性された直鎖ジメチルポリシロキサン[ABIL EM
90、独Goldschmit社製]
<(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン>
・変性シリコーンB1:
POE基で変性された直鎖ジメチルポリシロキサン[KF−6017、信越化学工業(株)製]
・変性シリコーンB2:
POE基で変性された分岐鎖ジメチルポリシロキサン[KF−6028、信越化学工業(株)製]
また、本発明で用いた試験方法は次の通りである。
(保湿効果試験)
上腕内側部に試料を2mg/cm塗布し、塗布直前及び塗布後8時間に、皮膚水分測定器コルネオメーター(Corneometer:独Courage+Khazaka社製)により、角質水分量を測定した(N=5)。
各試料について、(塗布後8時間の角質水分量)−(塗布直前の角質水分量)で求めた角質水分変化量(平均値)から、次の基準で保湿効果を評価した。角質水分変化量が高いほど、保湿効果(肌の水分保持能力)が高いと評価できる。
AA:角質水分変化量が20以上
A+:角質水分変化量が15以上20未満
A :角質水分変化量が10以上15未満
B :角質水分変化量が 5以上10未満
C :角質水分変化量が5未満
(べたつき)
20名のパネルにより、試料を塗布した場合に「べたつかない」と評価したパネルの数により、下記の基準で評価した。
A:14名以上
B:8〜13名
C:7名以下
(乳化安定性)
試料を20℃で4週間静置した後の外観を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
A:乳化粒子の分離や凝集などの外観変化が認められない。
B:乳化粒子の分離や凝集などの外観変化が僅かに認められる。
C:乳化粒子の分離や凝集などの外観変化が認められる。
試験例1 保湿効果、べたつきのなさ、乳化安定性
表1の組成でW/Oファンデーションを調製し、試験を行った。

(製法)
油性成分(デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ジイソステアリン酸ジグリセリル)と変性シリコーンとをホモミキサーを用いて混合し(室温、9000rpm)、これに有機変性ヘクトライト高分散体を加えて混合し(室温、9000rpm)、さらに粉体を加えて混合し分散液を得る(室温、9000rpm)。別に、水性成分(グリセリン、グルタミン酸ナトリウム、フェノキシエタノール、水)を混合・溶解し、これを前記分散液に添加してホモミキサーで乳化し(室温、9000rpm)、脱気してW/O乳化化粧料を得る。
表1のように、粉体無配合の場合には、グリセリンが5質量%程度でも保湿効果が得られる(試料1−1)。
これに対して、粉体を配合している場合には、保湿効果を得るためにはグリセリンが10質量%以上必要であった(試料1−2〜1−6)。また、グリセリンとともに、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンとポリオキシアルキレン変性シリコーンとを用いた場合には、グリセリンを10質量%以上配合していてもべたつきがなく、乳化安定性も良好であったが、ポリオキシアルキレン変性シリコーンなしでは乳化安定性が著しく低下してしまい(試料1−7)、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンなしでは塗布後のべたつきが著しかった(試料1−8)。
従って、グリセリンを10質量%以上配合するとともに、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンとポリオキシアルキレン変性シリコーンとを併用することが重要であることが理解される。
図1は、前記試料1−2〜1−4、ならびに20%グリセリン水溶液(比較例)の塗布直前に対する角質水分量の経時的変化を示している。
図1からもわかるように、粉末を配合したW/O乳化化粧料において保湿効果を十分得るためには、グリセリンを10質量%以上、さらには15質量%以上、特に20質量%以上配合することが好適である。なお、グリセリンを過剰に配合してもそれに見合った効果の増大は得られなかった。よって、グリセリンの配合量は35質量%以下、さらには30質量%以下、特に25質量%以下とすることが好適である。
試験例2 ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン
さらに、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの配合量について検討を行った。

表2のように、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの配合量が少ないと、塗布後の肌のべたつきが十分抑制できないことがある。よって、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンはW/O乳化化粧料中0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上、特に1質量%以上とすることが好適である。一方、過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は得られないので、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンはW/O乳化化粧料中5質量%以下、さらには3質量%以下、特に2質量%以下とすることが好適である。
試験例3 ポリオキシアルキレン変性シリコーン
ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの配合量を変えて検討を行った。

表3のように、(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンに対して(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンが少ないと、乳化安定性が不十分となることがあり、過剰であるとポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの配合によるグリセリンの塗布後のべたつき抑制効果が損なわれることがある。
このようなことから、(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンは(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンに対して、0.2〜3倍質量、さらには0.5〜2倍質量の範囲で配合することが好適である。
また、(B)/(A)が上記範囲内であっても、W/O乳化化粧料中の(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンが少なすぎると乳化安定性が不十分となり、多すぎると塗布中にべたつきを生じることがある。よって、(B)の配合量はW/O乳化化粧料中0.1以上、さらには0.5質量%以上、特に1質量%以上が好ましい。また(B)の配合量はW/O乳化化粧料中5質量%以下、さらには4質量%以下、特に3質量%以下が好ましい。
試験例4 揮発性油分
さらに、揮発性油分の配合量を変えて検討を行った。
表4のように、揮発性油分が少なすぎると塗布中にべたつきが感じられることがあった。よって、揮発性油分はW/O乳化化粧料中3質量%以上、さらには5質量%以上、特に10質量%以上配合することが好適である。一方、揮発性油分を過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は期待できない。また、過剰に配合しようとすると、他の成分の配合量が制限されることになる。よって、揮発性油分はW/O乳化化粧料中50質量%以下、さらには40質量%以下、特に30質量%以下とすることが好適である。
試験例5 不揮発性油分
不揮発性油分を配合した場合の保湿効果を調べた。試験に用いた試験組成Aは下記表5の通りである。
図2は、各被験油分を用いたW/O乳化化粧料の塗布直前に対する角質水分量の経時的変化を示している(比較例:ドデカメチルシクロヘキサシロキサン)。
図2からわかるように、不揮発性油分の配合により、角質水分量が増加する傾向が認められ、特に幾つかの不揮発性油分で顕著な増加が認められた。なお、グリセリンを配合しない場合には、これら不揮発性油分を配合しても角質水分量は塗布直前と比べてほとんど変化しなかった。よって、不揮発性油分自体には保湿効果は全くない。詳細なメカニズムは不明であるが、粉末存在下でもグリセリンが十分その保湿効果を発揮するように不揮発性油分が機能している可能性が考えられる。
さらに、図2で角質水分量の増加が大きかった不揮発性油分を用いてW/O乳化化粧料(前記試験組成Aでグリセリン10質量%配合)を調製し、べたつき、乳化安定性を調べた。また、のびの軽さについても比較した。結果を表6に示す。

表6のように、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ジメチルポリシロキサン、あるいはメチルフェニルポリシロキサンでは、べたつきがなく乳化安定性にも優れ、また、のびも軽く、使用性に優れていた。しかし、それ以外の不揮発性油分では、油分によるべたつきを生じたり、のびが重くなったり、乳化安定性を低下させてしまうことがあった。
従って、本発明においては、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ジメチルポリシロキサン、及びメチルフェニルポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分を配合することが好適である。
代表例として、コハク酸ジ2−エチルヘキシルを配合したW/Oファンデーションの塗布直前に対する角質水分量の変化を図3に示す。図3の各試料の組成は下記表7の通りである。何れの試料においても、コハク酸ジ2−エチルヘキシルを配合しなかった場合に比べて保湿効果が向上し、べたつきがなく、のびが軽く、乳化安定性に優れるものであった。

これらの結果からもわかるように、上記特定の不揮発性成分が少なすぎるとその効果が十分発揮されない。よって、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンは、合計で、W/O乳化化粧料中1質量%以上、さらには2質量%以上、特に5質量%以上とすることが好適である。一方、上記特定の不揮発性成分を過剰に配合してもそれに見合った効果の向上は得られないので、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンは、合計で、W/O乳化化粧料中20質量%以下、さらには15質量%以下、特に10質量%以下とすることが好適である。
試験例6 有機変性粘土鉱物及び両末端シリコーン化グリセリン
上記のように、粉体を配合したW/O乳化化粧料において、多量のグリセリンとともに(A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン、及び揮発性油分を配合することで、保湿効果が非常に高く、べたつきのない乳化安定性の良好なW/O乳化化粧料を得ることができ、さらに特定の不揮発性油分を配合することで、べたつきのなさや乳化安定性を損なうことなくグリセリンの保湿効果をより高めることができた。
そこで、W/O乳化化粧料の粘度安定性についても検討を行った。試験方法は次の通りである。
(粘度安定性)
試料を50℃で静置保存し、2週間後、4週間後に粘度を測定した。調整直後の粘度(V)に対する50℃静置保存後の粘度(V)の低下率を次式により算出し、下記の基準で粘度安定性を評価した。粘度は30℃で、芝浦システム株式会社製、単一円筒型回転粘度計(ローターNo.4)により測定した。
粘度低下率%=[(V−V)/V]×100
A:粘度低下率が25%未満
B:粘度低下率が25%以上40%未満
C:粘度低下率が40%以上50%未満
D:粘度低下率が50%以上

表8のように、何れのW/Oファンデーションも保湿効果やべたつきのなさ、乳化安定性には優れているものの、50℃の高温で保存すると粘度が低下する傾向が認められ、この傾向はグリセリン濃度が高い程顕著であった。
そこで、このような高温保存による粘度低下の抑制について検討を行った。また、粉体の分散安定性についても次の方法で調べた。
(粉体の分散安定性)
50mlのスクリュー管(直径3cm)に試料を約30ml入れて閉栓し、室温及び50℃にて1ヶ月静置し、肉眼観察により下記の基準で粉体の分散性を評価した。
A:色じま(黄色スジや赤色ムラ)が認められない。
B:色じま(黄色スジや赤色ムラ)がわずかに認められる。
C:色じま(黄色スジや赤色ムラ)が認められる。

表9のように、両末端シリコーン化グリセリンを1質量%以上配合した場合には、高温保存時の粘度低下が顕著に抑制され、しかも、粉体の分散安定性にも優れるW/O乳化化粧料が得られた。
本発明者らがさらに検討を行なったところ、下記表10に示すように、両末端シリコーン化グリセリンを配合した場合であっても有機変性粘土鉱物を配合しなかった場合には上記のような粘度低下抑制効果は得られず、また、粉体の分散安定性にも劣っていた(試料10−6)。また、有機変性粘土鉱物を配合した場合であっても両末端シリコーン化グリセリンを配合しなかった場合には、やはり上記のような粘度低下抑制効果は得られず、また、粉体の分散安定性にも劣っていた(試料10−1)。
このようなから、高温保存時の粘度低下抑制効果、粉体の分散安定化効果は、両末端シリコーン化グリセリンと有機変性粘土鉱物との相互作用により発揮されるものと考えられた。
表10からもわかるように、両末端シリコーン化グリセリンの配合量が少なくなると高温保存時の粘度低下抑制効果が不十分となり、粉体の分散安定性も低下する。一方、配合量が多くなるとべたつきを生じるようになるので、両末端シリコーン化グリセリンはW/O乳化化粧料中1〜2.5質量%、さらには1〜2質量%とすることが好適である。
また、有機変性粘土鉱物の配合量が少なくなると高温保存時の粘度低下抑制効果が不十分となり、粉体の分散安定性も低下する。一方、配合量が多くなるとべたつきを生じる傾向があることから、有機変性粘土鉱物の配合量はW/O乳化化粧料中0.05〜2質量%、さらには0.1〜1質量%が好ましい。

Claims (5)

  1. 下記成分(A)〜(F)を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料:
    (A)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンが0.1〜5質量%;
    (B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンが0.1〜5質量%であり、且つ(A)に対して0.2〜3倍質量;
    (C)粉体が0.1〜60質量%;
    (D)揮発性油分が3〜50質量%;
    (E)グリセリンが10〜35質量%;及び
    (F)水。
  2. 請求項1記載のW/O乳化化粧料において、さらにコハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン及びジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料。
  3. 請求項2記載のW/O乳化化粧料において、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン及びジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の不揮発性油分が、合計で、W/O乳化化粧料中1〜20質量%であることを特徴とするW/O乳化化粧料。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のW/O乳化化粧料において、さらに有機変性粘土鉱物と、両末端シリコーン化グリセリンと、を含有することを特徴とするW/O乳化化粧料。
  5. 請求項4記載のW/O乳化化粧料において、有機変性粘土鉱物がW/O乳化化粧料中0.05〜2質量%、両末端シリコーン化グリセリンがW/O乳化化粧料中1〜2.5質量%であることを特徴とするW/O乳化化粧料。
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