JP5956949B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、小型投射プロジェクタに使用される半導体レーザはその光量や順方向電流特性が温度により変化するため、表示画面の白バランスが変わるという問題がある。半導体レーザの温度変化を補う方法が特許文献2に開示されている。
また、半導体レーザは温度により順方向電流特性だけでなく、発生するレーザ光の波長も変化するため、たとえ温度変化によらず光量を一定にできたとしても、白バランスがずれる可能性がある。
本発明は、温度変化による白バランスの変化を低減した画像表示装置としてのレーザ投射プロジェクタを提供することを目的とする。
次に画像処理部2による白バランス制御を図2、図3により説明する。
図2は、レーザの光量(縦軸)と順方向電流(横軸)の特性を示し、これが温度により変化することを示す。
例えば温度条件T1の時の電流特性において、電流I1の時は光量がL1、電流I2の時は光量がL2となるが、これが温度条件T2になると、電流I1の時は光量がL1’、電流I2の時は光量がL2’となり、同じ電流を流しても、光量が下がる。
そこでT1時の電流I1及びI2の時のポイントP1,P2の光量L1及びL2を計測しておき、その光量L1及びL2が常に一定になるようフィードバック制御を行う。一般的にはこのような制御をAPC(Auto Power Control)と呼ぶ。RGBの光量が一定であれば、白バランスも変化しない。
画像処理部2は入力される映像信号をまず画質補正部20によりコントラスト調整やガンマ補正、映像歪み補正など一般的な画質補正処理が行われる。同期処理部21は映像信号より水平及び垂直同期信号を分離し、基準光生成部22及びMEMSドライバ8へ供給する。なお、元々水平及び垂直同期信号が映像信号と分離されて画像処理部2へ入力される場合は、同期処理部21は単なる分配機能であればよいが、映像信号がLVDS(Low Voltage Differential Signaling)などの小振幅差動信号で入力され、且つ同期信号が映像信号など他の信号に重畳されて送られてくる場合は、差動信号をCMOSレベルのパラレル信号に変換し、さらに同期信号と映像信号を分離する必要がある。
図4は、本実施例の画像処理部2の動作を示したタイミング図である。
図5は、本実施例の基準光の表示位置を示した説明図である。これら図4と図5は、基準光の光量を示す信号を映像信号の垂直帰線期間に重畳するタイミングを示す。
図6は、本実施例における比視感度と温度の特性を示した特性図である。
比視感度とは、人の目が光の各波長の明るさを感じる強さを数値で表したもので、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l’Eclairage)にて規格化されている。波長が555nm付近の光を最も強く感じ、その強さを "1" として、他の波長の明るさを感じる度合いをその比となるよう、1以下の数で表しており、その分布はガウス分布に似た特性となっている。例えばGreenの波長を515nmとすると、その比視感度は0.6082、Redの波長を635nmとすると、その比視感度は0.217、Blueの波長を455nmとすると、その比視感度は0.048と定められている。
上記の変動は波長の変動であって、光量の変動ではないため、光センサ9でその変化を検出することはできない。即ち、フォトダイオードなどの光センサ9の出力は、多少波長依存性はあるものの、10nm程度の波長変動では大きく変化しない。またその波長依存性は比視感度分布特性とは全く異なるため、光センサ9の出力を用いて波長変動による白バランスのばらつきを抑える制御は行えない。
図7は、本実施例における温度ゲインと温度の特性を示した特性図であり、比視感度の温度特性を示した図でもある。その説明図で、例えばRedの場合、0℃では波長変動で20%輝度が上昇するため、その逆補正を行うため、レーザドライバ4のゲイン回路41にて20%減の係数0.8を乗算する。逆に50℃では20%輝度が減少するため、その逆補正を行うため、レーザドライバ4のゲイン回路41にて20%増の係数1.2を乗算する。その間は常温の25℃の係数1を中心軸とした直線補間とすることで、図7のような補正係数直線を元にRedのレーザをレーザドライバ4のゲイン回路41にて制御する。GreenとBlueも同様に、Greenは±7%の補正係数直線、Blueは±10%の補正係数直線を元にGreenとBlueのレーザをレーザドライバ4のゲイン回路41にて制御する。
但し、図7の補正係数直線の傾きは一例であり、温度による波長変動量は同一色であっても、レーザの個体差、材料、構造等により異なるため、レーザ毎に個別に特性を取得し、その補正係数直線を算出して不揮発メモリ3へ保存する必要がある。
なお、レーザ波長変動の補正係数と図2で説明したスロープ効率の変動値(L1×|1/η’−1/η|、L2×|1/η’-1/η|)が両方とも存在する場合は、互いの係数を乗算し、その結果をレーザドライバ4のゲイン回路41へ設定すればよい。
Claims (3)
- 発生した光を外部に投射して映像を表示する画像表示装置であって、
前記光を発生する多原色の半導体レーザ光源と、
当該半導体レーザ光源を駆動して前記光の光量を制御する光源駆動部と、
前記半導体レーザ光源が発生した光を反射して外部に投射し、当該の光を反射する方向は移動自在な反射ミラーと、
当該の反射ミラーを駆動して前記光を反射する方向を制御する反射ミラー駆動部と、
前記画像表示装置に入力された第1の映像信号を処理して、外部に表示する前記映像に係る第2の映像信号を前記光源駆動部に供給して制御し、当該の第2の映像信号に係る同期信号を前記反射ミラー駆動部に供給する画像処理部と、
前記半導体レーザ光源が発生する光の光量を測定して測定値を前記画像処理部に供給する光センサと、
前記半導体レーザ光源の温度を測定して測定値を前記画像処理部に供給する温度センサと、
を有し、
前記画像処理部は、
設定された第1の温度で前記光源駆動部が前記半導体レーザ光源を駆動する電流値における、前記光センサが測定した前記光量の第1の測定値に基づく信号を前記光源駆動部に供給する第2の映像信号に重畳し、
前記電流値において前記半導体レーザ光源が発生する光の光量を、前記第1の温度とは異なる第2の温度で前記光センサが測定した第2の測定値が前記第1の温度における前記第1の測定値を目標値として近づくよう、前記光源駆動部を制御し、
前記半導体レーザ光源は赤色光源、緑色光源及び青色光源を含み、
前記画像処理部は、前記温度センサが測定した前記赤色光源の温度が上昇した場合には前記赤色光源の電流増幅率を上げ、前記緑色光源の温度が上昇した場合には前記緑色光源の電流増幅率を下げ、青色光源の温度が上昇した場合には前記青色光源の電流増幅率を下げるよう、前記光源駆動部を制御する
ことを特徴とする画像表示装置。 - 発生した光を外部に投射して映像を表示する画像表示装置であって、
前記光を発生する多原色の半導体レーザ光源と、
当該半導体レーザ光源を駆動して前記光の光量を制御する光源駆動部と、
前記半導体レーザ光源が発生した光を反射して外部に投射し、当該の光を反射する方向は移動自在な反射ミラーと、
当該の反射ミラーを駆動して前記光を反射する方向を制御する反射ミラー駆動部と、
前記画像表示装置に入力された第1の映像信号を処理して、外部に表示する前記映像に係る第2の映像信号を前記光源駆動部に供給して制御し、当該の第2の映像信号に係る同期信号を前記反射ミラー駆動部に供給する画像処理部と、
前記半導体レーザ光源が発生する光の光量を測定して測定値を前記画像処理部に供給する光センサと、
前記半導体レーザ光源の温度を測定して測定値を前記画像処理部に供給する温度センサと、
を有し、
前記画像処理部は、
設定された第1の温度で前記光源駆動部が前記半導体レーザ光源を駆動する2箇所の電流値における、前記光センサが測定した前記光量の第1の測定値を前記光源駆動部に供給する第2の映像信号に重畳し、
前記2箇所の電流値において前記半導体レーザ光源が発生する光の光量を、前記第1の温度とは異なる第2の温度で前記光センサが測定した第2の測定値が前記第1の温度における前記第1の測定値を目標値として近づくよう、前記2箇所の電流値を増減させて前記光源駆動部を制御し、
前記半導体レーザ光源は赤色光源、緑色光源及び青色光源を含み、
前記画像処理部は、前記温度センサが測定した前記赤色光源の温度が上昇した場合には前記赤色光源の電流増幅率を上げ、前記緑色光源の温度が上昇した場合には前記緑色光源の電流増幅率を下げ、青色光源の温度が上昇した場合には前記青色光源の電流増幅率を下げるよう、前記光源駆動部を制御する
ことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項2に記載の画像表示装置において、前記電流増幅率は光源温度に対する一次関数を用いて設定されることを特徴とする画像表示装置。
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