JP5956034B1 - テルミサルタン含有医薬組成物 - Google Patents

テルミサルタン含有医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5956034B1
JP5956034B1 JP2015147784A JP2015147784A JP5956034B1 JP 5956034 B1 JP5956034 B1 JP 5956034B1 JP 2015147784 A JP2015147784 A JP 2015147784A JP 2015147784 A JP2015147784 A JP 2015147784A JP 5956034 B1 JP5956034 B1 JP 5956034B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
telmisartan
pharmaceutical composition
containing pharmaceutical
precipitation
surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015147784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017025043A (ja
Inventor
大介 杉浦
大介 杉浦
Original Assignee
エルメッド エーザイ株式会社
エルメッド エーザイ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルメッド エーザイ株式会社, エルメッド エーザイ株式会社 filed Critical エルメッド エーザイ株式会社
Priority to JP2015147784A priority Critical patent/JP5956034B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5956034B1 publication Critical patent/JP5956034B1/ja
Publication of JP2017025043A publication Critical patent/JP2017025043A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】優れた溶出率を示し、かつ析出を防止することができるテルミサルタン含有医薬組成物を提供すること。【解決手段】テルミサルタンと、析出防止剤とを含み、前記析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかであるテルミサルタン含有医薬組成物である。析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである態様、界面活性剤を更に含む態様、界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40の少なくともいずれかである態様などが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、テルミサルタン含有医薬組成物に関する。
テルミサルタンは、高血圧症の治療に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗剤である。テルミサルタンは、pH1〜7の胃腸管の生理的pH範囲の水性系において溶解性が非常に悪いことが知られている。
これまでに、テルミサルタンの溶出率を改善する方法として、テルミサルタンと少なくとも一種の塩基性物質とを含有する水溶液を調製する工程と、前記水溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥顆粒を得る工程とを含む、実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製造方法(例えば、特許文献1参照)、溶解媒体中に分散した3から50重量%のテルミサルタンを含有する医薬組成物であって、(a)モル比で、塩基性試薬:テルミサルタン=1:1から10:1の塩基性試薬、(b)最終組成物に対して、約1から20重量%の量の界面活性剤または乳化剤、および、(c)25から70重量%の水溶性希釈剤を含有し、(d)必要により、0から20重量%のさらなる賦形剤および/または補助剤を含有してもよく、すべての成分の合計は100%である、医薬組成物(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
一方、医薬組成物は、主薬の溶解性だけではなく、体内で吸収されるまでに析出しないことも重要である。
したがって、優れた溶出率を示し、かつ析出を防止することができるテルミサルタン含有医薬組成物の開発が強く求められている。
特開2008−285501号公報 特表2006−502194号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた溶出率を示し、かつ析出を防止することができるテルミサルタン含有医薬組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> テルミサルタンと、析出防止剤とを含み、
前記析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかであることを特徴とするテルミサルタン含有医薬組成物である。
<2> 析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである前記<1>に記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
<3> 界面活性剤を更に含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
<4> 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40の少なくともいずれかである前記<3>に記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
<5> 界面活性剤の含有量が、0.3質量%以上である前記<3>から<4>のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
<6> 塩基性物質を更に含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
<7> 塩基性物質が、メグルミン及びアルギニンの少なくともいずれかである前記<6>に記載のテルミサルタン含有医薬組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた溶出率を示し、かつ析出を防止することができるテルミサルタン含有医薬組成物を提供することができる。
(テルミサルタン含有医薬組成物)
本発明のテルミサルタン含有医薬組成物は、テルミサルタンと、析出防止剤とを少なくとも含み、更に必要に応じて、界面活性剤、塩基性物質などのその他の成分を含む。
<テルミサルタン>
前記テルミサルタンは、化学名が4’−〔〔2−n−プロピル−4−メチル−6−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−ベンズイミダゾール−1−イル〕−メチル〕−ビフェニル−2−カルボン酸である。
前記テルミサルタンは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記テルミサルタンの前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記テルミサルタン含有医薬組成物が錠剤の場合には、1錠当たり、20mg〜160mgとすることができ、前記テルミサルタン含有医薬組成物が顆粒の場合には、顆粒の質量の20質量%〜30質量%とすることができる。
<析出防止剤>
前記析出防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかである。前記析出防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを単独で使用してもよいし、ヒプロメロースを単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記析出防止剤の中でも、テルミサルタンが析出するまでの時間をより遅くすることができる点で、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
前記析出防止剤は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記析出防止剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、テルミサルタンが析出するまでの時間をより遅くすることができる点で、有利である。
前記析出防止剤を含有させることにより、テルミサルタンが溶解後に析出することを防止することができる。したがって、本発明は、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含むテルミサルタンの析出防止剤、並びに前記析出防止剤を用いるテルミサルタンの析出防止方法にも関する。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、塩基性物質、賦形剤、流動化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、矯味剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤、塩基性物質を含むことが好ましい。
前記その他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン、マクロゴール、ラウロマクロゴール、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、テルミサルタン含有医薬組成物の溶出挙動がより優れる点で、ステアリン酸ポリオキシル40、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60の少なくともいずれかが好ましく、ステアリン酸ポリオキシル40がより好ましい。
前記界面活性剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3質量%以上が好ましく、0.3質量%〜7質量%がより好ましく、2質量%〜5質量%が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、テルミサルタンの溶出率がより優れる点で、有利である。
−塩基性物質−
前記塩基性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機塩基、塩基性アミノ酸、アミノ糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記塩基性アミノ酸の具体例としては、アルギニン(以下、「L−アルギニン」と称することがある)、リジン(以下、「L−リジン」と称することがある)などが挙げられる。前記アミノ糖の具体例としては、メグルミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、テルミサルタンの溶解性に優れる点で、メグルミン及びアルギニンの少なくともいずれかが好ましい。
前記塩基性物質の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記テルミサルタン含有医薬組成物が錠剤の場合には、1錠当たり、10mg〜320mgとすることができ、前記テルミサルタン含有医薬組成物が顆粒の場合には、顆粒の質量の10質量%〜40質量%とすることができる。
−賦形剤−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、乳糖、無水乳糖、白糖、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−流動化剤−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動化剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、サラシミツロウ、カルナウバロウ、ポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−結合剤−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、部分アルファー化デンプン、酸化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ミツロウ、結晶セルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−懸濁化剤−
前記懸濁化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記懸濁化剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−乳化剤−
前記乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−安定化剤−
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜硫酸塩、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記安定化剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−矯味剤−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、白糖、ソルビトール、キシリトール、果糖ブドウ糖液糖、グリチルリチン酸二カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料の前記テルミサルタン含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<態様>
前記テルミサルタン含有医薬組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顆粒、錠剤などが挙げられる。
<製造方法>
前記テルミサルタン含有医薬組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記テルミサルタン含有医薬組成物が顆粒の場合は、例えば、流動層造粒装置を用いて、前記析出防止剤、前記賦形剤、前記流動化剤などを混合した混合物に、前記テルミサルタン、前記塩基性物質、前記界面活性剤などを溶解させた水溶液を噴霧し、造粒することにより製造することができる。前記造粒の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記テルミサルタン含有医薬組成物が錠剤の場合は、例えば、前記顆粒に、前記滑沢剤などを添加、混合し、打錠機を用いて打錠したり、前記賦形剤、前記流動化剤などを混合した混合物に、前記テルミサルタン、前記塩基性物質、前記界面活性剤などを溶解させた水溶液を噴霧し、造粒した顆粒に、前記析出防止剤、前記滑沢剤などを添加、混合し、打錠機を用いて打錠したりすることにより製造することができる。前記打錠の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に制限されるものではない。
(試験例1)
<錠剤の製造>
以下のようにして、錠剤1を製造した。
−造粒工程−
高速撹拌混合機(メカノミル、岡田精工株式会社製)を用いて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 248.75gと、軟質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製) 1.25gとを混合し、混合物を得た。
水を室温あるいは加温しながら、テルミサルタン(住友化学株式会社製) 100gと、メグルミン(メルク社製) 100gと、ステアリン酸ポリオキシル40(日油株式会社製) 1.35gとを水 312.5gに溶解させ、水溶液を得た。
給気温度を85℃に設定した流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)を用いて、前記混合物に前記水溶液を噴霧し、造粒し、造粒物を得た。
−打錠工程−
前記造粒物に、1質量%のステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)を添加、混合し、ロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製)を用いて、1錠中のテルミサルタンの量が80mgとなるように打錠し、錠剤1を得た。なお、界面活性剤の錠剤における含有量は、0.3質量%である。
<溶出試験>
前記錠剤1−1及び1−2について、日本薬局方試薬・試液の溶出試験第2液(pH6.8)を用い、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法(パドル法)により、溶出試験を行い、析出開始時間を目視にて測定した。
その結果、前記錠剤1は、優れた溶出率を示したものの、溶出試験開始100分間後に析出が始まった。
したがって、テルミサルタンが体内で吸収されるまでの時間を考慮すると、テルミサルタンの析出を防止する必要があると考えられる。
(試験例2:析出防止剤の検討)
<錠剤の製造>
以下のようにして、錠剤2を製造した。
−造粒工程−
高速撹拌混合機(メカノミル、岡田精工株式会社製)を用いて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 242.2gと、軟質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製) 0.2422gとを混合し、混合物を得た。
水を室温あるいは加温しながら、テルミサルタン(住友化学株式会社製) 112gと、メグルミン(メルク社製) 112gと、ステアリン酸ポリオキシル40(日油株式会社製) 9.52gとを水 350gに溶解させ、水溶液を得た。
給気温度を85℃に設定した流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)を用いて、前記混合物に前記水溶液を噴霧し、造粒し、造粒物を得た。
−打錠工程−
前記造粒物に、1質量%のステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)を添加、混合し、ロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製)を用いて、1錠中のテルミサルタンの量が80mgとなるように打錠し、錠剤2を得た。なお、界面活性剤の錠剤における含有量は、2質量%である。
<溶出試験>
前記試験例1の溶出試験において、溶出試験第2液(pH6.8)に、錠剤質量の3質量%の下記添加剤を添加した以外は、同様にして溶出試験を行い、析出開始時間を目視にて測定した。なお、添加剤を添加しなかった場合についても同様にして試験した。結果を表1に示す。
[添加剤]
・ ヒプロメロース(TC−5E、信越化学工業株式会社製)
・ ヒドロキシプロピルセルロース(グレードSSL、日本曹達株式会社製)
・ クロスポビドン(ポリプラスドンINF−10、ISP社製)
・ コポリビドン(プラスドンS−630、ISP社製)
・ クエン酸トリエチル(シトロフレックス−2、森村商事株式会社製)
・ ポリビニルアルコール(EG−03、日本合成化学工業株式会社製)
Figure 0005956034
表1の結果から、ヒプロメロース又はヒドロキシプロピルセルロースを添加した場合には、テルミサルタンの溶解後の析出を十分な時間防止できることが確認された。
(試験例3:析出防止剤の量の検討)
<錠剤の製造>
前記試験例2の錠剤2の製造における打錠工程を以下のように変更した以外は、同様にして、錠剤3−1〜3−5を製造した。
−打錠工程−
前記造粒物に、錠剤における含有量が1質量%、2質量%、3質量%、又は5質量%となるようにヒドロキシプロピルセルロース(グレードSSL、日本曹達株式会社製、以下、「HPC」と称することがある。)を添加、混合し、次いで、1質量%のステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)を添加、混合し、ロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製)を用いて、1錠中のテルミサルタンの量が80mgとなるように打錠し、錠剤3−2〜3−5を得た。また、ヒドロキシプロピルセルロースを添加しなかった以外は同様にして製造した錠剤を錠剤3−1とした。
<溶出試験>
前記錠剤3−1〜3−5について、日本薬局方試薬・試液の溶出試験第2液(pH6.8)を用い、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法(パドル法)により、溶出試験を行った。結果を表2−1及び2−2に示す。
Figure 0005956034
Figure 0005956034
表2−1及び2−2の結果から、析出防止剤の錠剤における含有量は、1質量%でもテルミサルタンの析出を防止できることが確認され、2質量%以上の場合には、より優れた析出防止効果が確認された。

Claims (9)

  1. テルミサルタンと、析出防止剤と、界面活性剤とを含み、
    前記析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかであり、
    前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40の少なくともいずれかであることを特徴とするテルミサルタン含有医薬組成物。
  2. 前記析出防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである請求項1に記載のテルミサルタン含有医薬組成物。
  3. 前記界面活性剤の含有量が、0.3質量%以上である請求項1から2のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物。
  4. 塩基性物質を更に含む請求項1から3のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物。
  5. 前記塩基性物質が、メグルミン及びアルギニンの少なくともいずれかである請求項4に記載のテルミサルタン含有医薬組成物。
  6. 前記テルミサルタンが造粒物に含まれ、前記析出防止剤が前記造粒物に含まれない請求項1から5のいずれかに記載のテルミサルタン含有医薬組成物。
  7. テルミサルタンと、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40の少なくともいずれかの界面活性剤とを含む医薬組成物に用いられ、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含有することを特徴とするテルミサルタンの析出防止剤。
  8. 請求項7に記載の析出防止剤を用いることを特徴とするテルミサルタンと、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40の少なくともいずれかの界面活性剤とを含む医薬組成物におけるテルミサルタンの析出防止方法。
  9. 前記テルミサルタンを含有する造粒物と、前記析出防止剤とを混合する工程を含む請求項8に記載のテルミサルタンの析出防止方法。
JP2015147784A 2015-07-27 2015-07-27 テルミサルタン含有医薬組成物 Active JP5956034B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015147784A JP5956034B1 (ja) 2015-07-27 2015-07-27 テルミサルタン含有医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015147784A JP5956034B1 (ja) 2015-07-27 2015-07-27 テルミサルタン含有医薬組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5956034B1 true JP5956034B1 (ja) 2016-07-20
JP2017025043A JP2017025043A (ja) 2017-02-02

Family

ID=56425684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015147784A Active JP5956034B1 (ja) 2015-07-27 2015-07-27 テルミサルタン含有医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5956034B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502194A (ja) * 2002-09-24 2006-01-19 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング テルミサルタンを含有する新規固形医薬調合物およびその調製方法
JP2006524635A (ja) * 2003-04-30 2006-11-02 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング テルミサルタンナトリウム塩の医薬製剤
JP2007504258A (ja) * 2003-09-05 2007-03-01 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 酸及び両性の難溶性有効成分の経口投与剤
CN102091047A (zh) * 2009-12-15 2011-06-15 陕西步长制药有限公司 一种替米沙坦口崩片及其制法和检测方法
CN102114015A (zh) * 2010-01-05 2011-07-06 浙江华海药业股份有限公司 含替米沙坦的固体口服制剂及其制备方法
WO2012043709A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 塩野義製薬株式会社 難溶性薬物の溶解性改善製剤

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502194A (ja) * 2002-09-24 2006-01-19 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング テルミサルタンを含有する新規固形医薬調合物およびその調製方法
JP2006524635A (ja) * 2003-04-30 2006-11-02 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング テルミサルタンナトリウム塩の医薬製剤
JP2007504258A (ja) * 2003-09-05 2007-03-01 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 酸及び両性の難溶性有効成分の経口投与剤
CN102091047A (zh) * 2009-12-15 2011-06-15 陕西步长制药有限公司 一种替米沙坦口崩片及其制法和检测方法
CN102114015A (zh) * 2010-01-05 2011-07-06 浙江华海药业股份有限公司 含替米沙坦的固体口服制剂及其制备方法
WO2012043709A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 塩野義製薬株式会社 難溶性薬物の溶解性改善製剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017025043A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6061438B2 (ja) ジアミン誘導体含有医薬組成物
RU2485947C2 (ru) Фармацевтические композиции энтакапона, леводопы и карбидопы с улучшенной биодоступностью
TWI812602B (zh) 含二胺衍生物之口腔崩散錠及其製造方法
US9629808B2 (en) Sustained-release solid preparation for oral use
JP2021038218A (ja) リバーロキサバン含有錠剤
JP5823592B2 (ja) 安定性が改善された製剤
JP5956034B1 (ja) テルミサルタン含有医薬組成物
JP2017203013A (ja) エゼチミブ含有医薬組成物及びその製造方法、エゼチミブ含有医薬組成物の硬度低下抑制剤及び硬度低下抑制方法、並びにエゼチミブ含有医薬組成物の吸湿抑制剤及び吸湿抑制方法
JP2017520631A (ja) 経口崩壊性錠剤
JP6147711B2 (ja) 医薬用組成物及びその製造方法、並びに口腔内崩壊錠及びその製造方法
JP6186139B2 (ja) 口腔内速崩壊性錠剤
JP2017007979A (ja) テルミサルタン含有医薬組成物
JP2020196713A (ja) エドキサバンを含有する口腔内崩壊錠
JP6344678B2 (ja) テルミサルタン含有製剤及びその製造方法
JPWO2011081118A1 (ja) 経口投与用医薬組成物
JP2018203705A (ja) レボセチリジン固形製剤
JP2010241759A (ja) 安定性に優れた医薬組成物
JP6853828B2 (ja) メマンチンまたはその薬学上許容される塩を含有する医薬組成物
JP2016124844A (ja) テルミサルタン含有顆粒の製造方法、及びテルミサルタン含有錠剤の製造方法
JP2017132724A (ja) アムロジピン含有被覆造粒物を含む配合口腔内崩壊錠
JP6558530B2 (ja) アリピプラゾール医薬品製剤
JP6150564B2 (ja) 口腔内速崩壊性錠剤
JP2022062674A (ja) 懸濁性顆粒及びそれを用いた懸濁用顆粒製剤
JP2021063077A (ja) エドキサバン含有造粒物及び口腔内崩壊錠
JP2019031491A (ja) 糖尿病治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5956034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250