JP5955609B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置に関する。
従来、携帯電話等に搭載されるカメラの撮影用レンズを駆動するレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のレンズ駆動装置は、レンズを内周側で保持するレンズバレルと、レンズバレルが収容されるハウジングと、レンズバレルをその光軸方向へ駆動する駆動用磁石および駆動用コイルとを備えている。駆動用磁石は、レンズバレルの外周面に固定され、駆動用コイルは、駆動用磁石に対向するようにハウジングの内周面に固定されている。また、ハウジングの底面には、撮像素子が実装された基板の上面が固定されている。
特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、レンズバレルとハウジングとの間に、レンズバレルを光軸方向へ案内するためのガイドボールが設けられている。レンズバレルには、ガイドボールの一部が収容される曲面状の第1収容溝が形成されている。第1収容溝は、レンズバレルの外周面の、駆動用磁石が固定されていない部分に形成されている。また、ハウジングには、ガイドボールの一部が収容される曲面状の第2収容溝が形成されている。特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、レンズバレルが光軸方向へ移動する際に、第1収容溝および第2収容溝にその一部が収容されるガイドボールが回転する。そのため、レンズバレルは、ガイドボールに沿って光軸方向へ直線状に移動することが可能となっている。
特開2011−197626号公報
しかしながら、特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、レンズバレルが光軸方向へ移動する際に、第1収容溝および第2収容溝からガイドボールが外れるおそれがある。レンズバレルが光軸方向へ移動する際に、第1収容溝および第2収容溝からガイドボールが外れると、ハウジングに対してレンズバレルが傾くおそれがある。すなわち、このレンズ駆動装置では、レンズバレルが光軸方向へ移動する際に、レンズバレルに保持されるレンズの光軸が撮像素子に対して傾くおそれ(チルトが発生するおそれ)がある。
そこで、本発明の課題は、レンズを保持する可動体が光軸方向へ移動する際の可動体の傾きを抑制することが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のレンズ駆動装置は、レンズを保持しレンズの光軸方向へ移動可能な可動体と、可動体が収容される固定体と、可動体を光軸方向へ駆動するための駆動機構と、可動体を光軸方向へ案内するための複数のガイドボールと、ガイドボールと一緒に可動体を光軸方向へ案内するとともにレンズの光軸に略平行でかつガイドボールの中心を通過する軸を中心とする可動体の回動を防止するための第2ガイドボールと、光軸方向における可動体の位置を検出するための位置検出機構とを備えるレンズ駆動装置であって、レンズ駆動装置は、光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるように形成され、駆動機構は、可動体に固定される駆動用磁石と、固定体に固定される駆動用コイルとを備え、駆動用磁石は、略三角柱状に形成され、駆動用コイルは、プリント基板と、プリント基板上で略長方形状に引き回された導線からなるコイル部とを備えるシート状コイルであり、位置検出機構での検出結果に基づいて駆動用コイルに供給される電流がフィードバック制御され、複数のガイドボールは、可動体と固定体との間に配置されるとともに、光軸方向から見たときに互いに重なるように配置され、可動体には、ガイドボールが当接する平面状の2個の可動側当接面が光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、固定体には、ガイドボールが当接する平面状の2個の固定側当接面が光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、可動体は、2個の可動側当接面と2個の固定側当接面との間にガイドボールが挟まれるように光軸方向に直交する一方向へ付勢された状態でガイドボールに沿って光軸方向へ移動し、ガイドボールは、光軸方向から見たときのレンズ駆動装置の一方の対角線上の2個の角部である第1角部の一方に配置され、第2ガイドボールは、第1角部の他方に配置され、駆動用磁石は、光軸方向から見たときのレンズ駆動装置の他方の対角線上の2個の角部である第2角部の一方において可動体に固定され、駆動用コイルは、コイル部が第2角部の一方で折れ曲がるように、かつ、コイル部が駆動用磁石に対向するように、固定体に固定され、位置検出機構は、第2角部の他方において可動体または固定体のいずれか一方に固定される検出用磁石と、第2角部の他方において可動体または固定体のいずれか他方に固定されるホール素子とを備えることを特徴とする。
本発明のレンズ駆動装置では、可動体に、ガイドボールが当接する平面状の2個の可動側当接面が光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、固定体に、ガイドボールが当接する平面状の2個の固定側当接面が光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成されている。また、本発明では、複数のガイドボールが光軸方向から見たときに互いに重なるように配置されている。そのため、本発明では、複数のガイドボールのうちの1個のガイドボールを中心にして、かつ、光軸方向に直交する方向を軸方向として、可動体が回動するのを防止することが可能になり、その結果、可動体の傾きを抑制することが可能になる。
また、本発明では、光軸方向から見たときに、2個の可動側当接面が略V形状をなすように形成され、2個の固定側当接面が略V形状をなすように形成されるとともに、可動体は、2個の可動側当接面と2個の固定側当接面との間にガイドボールが挟まれるように光軸方向に直交する一方向へ付勢された状態でガイドボールに沿って光軸方向へ移動する。そのため、本発明では、可動体が光軸方向へ移動する際に、2個の可動側当接面と2個の固定側当接面との間からガイドボールが外れるのを防止することが可能になる。したがって、本発明では、可動体が光軸方向へ移動する際の可動体の傾きを抑制することが可能になる。また、本発明では、複数のガイドボールが2個の可動側当接面と2個の固定側当接面とに接触するように一方向へ付勢された状態で、可動体がガイドボールに沿って上下方向へ移動するため、上下方向へ移動する可動体のがたつきを抑制することが可能になる。
また、本発明では、レンズ駆動装置は、レンズの光軸に略平行でかつガイドボールの中心を通過する軸を中心とする可動体の回動を防止するための第2ガイドボールを備えている。そのため、レンズの光軸に略平行でかつガイドボールの中心を通過する軸を中心とする可動体の回動を、第2ガイドボールによって防止して、光軸方向に直交する方向への可動体のずれを防止することが可能になる。また、本発明では、レンズ駆動装置は、光軸方向における可動体の位置を検出するための位置検出機構を備え、駆動機構は、可動体に固定される駆動用磁石と、固定体に固定される駆動用コイルとを備え、位置検出機構での検出結果に基づいて駆動用コイルに供給される電流がフィードバック制御される。そのため、ガイドボールによって可動体が光軸方向へ案内されていても、目標停止位置にある可動体が目標停止位置からずれるのを抑制することが可能になる。また、本発明では、レンズ駆動装置は、光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるように形成され、ガイドボールは、光軸方向から見たときのレンズ駆動装置の一方の対角線上の2個の角部である第1角部の一方に配置され、第2ガイドボールは、第1角部の他方に配置され、駆動用磁石は、光軸方向から見たときのレンズ駆動装置の他方の対角線上の2個の角部である第2角部の一方において可動体に固定され、位置検出機構は、第2角部の他方において可動体または固定体のいずれか一方に固定される検出用磁石と、第2角部の他方において可動体または固定体のいずれか他方に固定されるホール素子とを備えている。そのため、デッドスペースとなりやすいレンズ駆動装置の第1角部にガイドボールおよび第2ガイドボールが配置され、デッドスペースとなりやすいレンズ駆動装置の第2角部に駆動用磁石、検出用磁石およびホール素子が配置される。したがって、レンズの径方向へレンズ駆動装置を小型化することが可能になる。あるいは、レンズの径方向でレンズ駆動装置を大型化させることなく、レンズの径を大きくすることが可能になる。また、本発明では、駆動用コイルは、プリント基板と、プリント基板上で略長方形状に引き回された導線からなるコイル部とを備えるシート状コイルであり、駆動用コイルは、コイル部が第2角部の一方で折れ曲がるように、かつ、コイル部が駆動用磁石に対向するように、カバー部材の内周面に固定されているため、カバー部材の内周面の全周に亘って駆動用コイルが配置されている場合と比較して、レンズの径方向へレンズ駆動装置を小型化することが可能になる。あるいは、レンズの径方向でレンズ駆動装置を大型化させることなく、レンズの径を大きくすることが可能になる。
本発明において、光軸方向から見たときに、略V形状をなす2個の可動側当接面の交点から、略V形状をなす2個の固定側当接面の交点へ向かう方向が一方向と略平行になっていることが好ましい。このように構成すると、可動体に生じる一方向の付勢力によって、2個の可動側当接面にガイドボールを均等な接触圧で接触させることが可能になり、また、2個の固定側当接面にガイドボールを均等な接触圧で接触させることが可能になる。したがって、可動体の傾きやがたつきを効果的に抑制することが可能になる。
本発明において、可動体または固定体のいずれか一方には、第2ガイドボールが当接する平面状の2個の第1当接面が光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、可動体または固定体のいずれか他方には、第2ガイドボールが当接する平面状の1個の第2当接面が形成されていることが好ましい。このように構成すると、光軸方向から見たときに略V形状をなす2個の第1当接面によって、光軸方向に直交する方向における第2ガイドボールの位置ずれを防止することが可能になる。また、このように構成すると、第2ガイドボールが当接する平面状の1個の第2当接面によって、レンズ駆動装置を構成する各部品の寸法誤差やレンズ駆動装置の組立誤差を吸収して、2個の可動側当接面と2個の固定側当接面との間にガイドボールを容易に配置すること、および、2個の第1当接面と1個の第2当接面との間に第2ガイドボールを容易に配置することが可能になる。したがって、レンズ駆動装置を構成する各部品の寸法精度やレンズ駆動装置の組立精度が低くても、2個の可動側当接面と2個の固定側当接面との間にガイドボールを容易に配置すること、および、2個の第1当接面と1個の第2当接面との間に第2ガイドボールを容易に配置することが可能になる。
本発明において、レンズ駆動装置は、たとえば、2個のガイドボールと、1個の第2ガイドボールとを備えている。この場合には、最小数のガイドボールと第2ガイドボールとによって、可動体が光軸方向へ移動する際の可動体の傾きを抑制すること、および、光軸方向に直交する方向への可動体のずれを防止することが可能になる。すなわち、レンズ駆動装置の構成を簡素化しつつ、可動体が光軸方向へ移動する際の可動体の傾きを抑制すること、および、光軸方向に直交する方向への可動体のずれを防止することが可能になる。
本発明において、固定体は、磁性材料で形成され可動体の外周側を覆うカバー部材を備え、可動体は、駆動用磁石とカバー部材との間に生じる磁気的吸引力によって一方向へ付勢されていることが好ましい。このように構成すると、駆動用磁石によって可動体が一方向へ付勢されているため、可動体を付勢するための付勢用の磁石が別途設けられる場合と比較して、レンズ駆動装置の構成を簡素化することが可能になる。
本発明において、駆動用磁石の、駆動用コイルとの対向面は、光軸方向において、2極に着磁されていることが好ましい。このように構成すると、駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。
本発明において、固定体は、光軸方向における可動体と固定体との衝突時の衝撃を緩和するクッション部材を備えることが好ましい。このように構成すると、落下等の強い衝撃をレンズ駆動装置が受けたときの、可動体および固定体の損傷を抑制することが可能になる。
以上のように、本発明のレンズ駆動装置では、レンズを保持する可動体が光軸方向へ移動する際の可動体の傾きを抑制することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の平面図である。 図1のE−E断面の断面図である。 図1に示すレンズ駆動装置の分解斜視図である。 図3に示すスリーブを異なる方向から示す斜視図である。 図3に示すボール保持部材の斜視図である。 図3に示すボール保持部材を異なる方向から示す斜視図である。 図1のF−F断面の断面図である。 図7のG−G断面の断面図である。 図7のH−H断面の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(レンズ駆動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1の平面図である。図2は、図1のE−E断面の断面図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の分解斜視図である。なお、以下の説明では、図1〜図3に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とし、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。また、Y方向とZ方向とから構成される平面をYZ平面、Z方向とX方向とから構成される平面をZX平面とする。
本形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるものであり、全体として扁平な略四角柱状に形成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、撮影用のレンズ2の光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。また、レンズ駆動装置1の4つの側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。
本形態では、Z方向(上下方向)が光軸方向とほぼ一致している。また、本形態では、レンズ駆動装置1の下端側に撮像素子3が配置されており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
レンズ駆動装置1は、レンズ2を保持し光軸方向へ移動可能な可動体4と、可動体4が収容される固定体5と、可動体4を光軸方向へ駆動するための駆動機構6とを備えている。また、レンズ駆動装置1は、可動体4を光軸方向へ案内するための2個のガイドボール7と、ガイドボール7と一緒に可動体4を案内するとともに光軸方向を軸方向とする可動体4の回動を防止するための1個の第2ガイドボール8とを備えている。さらに、レンズ駆動装置1は、光軸方向における可動体4の位置を検出するための位置検出機構9を備えている。
可動体4は、レンズ2が固定されるスリーブ12を備えている。スリーブ12は、略筒状に形成されている。スリーブ12の内周面は、上下方向から見たときの形状が略円形状となるように形成されている。スリーブ12の内周面には、上下方向から見たときの形状が略円形状となるレンズ2が固定されている。なお、レンズ2は、レンズホルダを介してスリーブ12に固定されても良い。すなわち、略筒状に形成されるレンズホルダの内周面にレンズ2が固定され、スリーブ12の内周面にレンズホルダの外周面が固定されても良い。
スリーブ12の外周面は、上下方向から見たときの形状が略五角形状となるように形成されている。具体的には、上下方向から見たときのスリーブ12の外周面は、上下方向から見たときに、右前端の角部と左前端の角部と右後端の角部と左後端の角部とを有する略四角形から、右後端の角部が面取りされて形成された略五角形状に形成されている。スリーブ12の右後端の角部に形成される側面は、スリーブ12の前後左右に形成される側面に対して約45°傾いている。
スリーブ12の左後端の角部には、ガイドボール7の一部が配置される凹部12aが形成されている。スリーブ12の右前端の角部には、第2ガイドボール8の一部が配置される切欠部12bが形成されている。凹部12aおよび切欠部12bの具体的な構成については後述する。また、スリーブ12の左前端の角部には、位置検出機構9を配置するための切欠部12cが形成されている。切欠部12cは、スリーブ12の左前端の角部において、スリーブ12の左側面から右方向へ窪むように形成されている。切欠部12cには、位置検出機構9を構成する後述の検出用磁石29が固定される磁石固定面12dが形成されている。磁石固定面12dは、YZ平面と略平行になっている。
固定体5は、レンズ駆動装置1の上端側の前後左右の側面を構成する略四角筒状のカバー部材13と、レンズ駆動装置1の下端側の前後左右の側面を構成するベース部材14と、撮像素子3が実装されるとともにレンズ駆動装置1の下端面を構成する基板15と、略四角筒状のカバー部材13の上面を塞ぐトッププレート16とを備えている。また、固定体5は、ガイドボール7を保持するボール保持部材17と、第2ガイドボール8を保持するボール保持部材18と、光軸方向における可動体4と固定体5との衝突時に衝撃を緩和する2個のクッション部材19とを備えている。なお、図1では、トッププレート16およびクッション部材19の図示を省略している。
カバー部材13は、磁性材料で形成されている。また、カバー部材13は、上下方向から見たときの形状が略正方形の枠状となる略四角筒状に形成されている。カバー部材13の上下方向の長さは、スリーブ12の上下方向の長さよりも長くなっている。カバー部材13は、可動体4および駆動機構6の外周側の全体を覆っている。
ベース部材14は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となる平板状に形成されている。ベース部材14の上面には、カバー部材13の下端が固定されている。ベース部材14の中心には、上下方向に貫通する貫通孔14aが形成されている。貫通孔14aは、上下方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されている。この貫通孔14aは、その下端側が上端側よりも前後左右方向へ広がる段付孔となっている。上下方向から見たときの貫通孔14aの大きさは、撮像素子3の大きさよりもわずかに大きくなっている。貫通孔14aの段差部には、赤外光を透過させず可視光を透過させるIRカットフィルタ20が固定されている。
基板15は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となる平板状に形成されている。この基板15は、ベース部材14の下端に取り付けられている。撮像素子3は、基板15の上面に実装されている。基板15の上面に実装された撮像素子3は、ベース部材14の貫通孔14aの下端側の中に配置されている。トッププレート16は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となる平板状に形成されている。トッププレート16の中心には、円形の貫通孔16aが形成されている。このトッププレート16は、カバー部材13の上端に取り付けられている。
ボール保持部材17は、上下方向から見たときの形状が略L形状となるブロック状に形成されており、レンズ駆動装置1の左後端の角部において、カバー部材13の内周面に固定されている。ボール保持部材18は、上下方向から見たときの形状が略六角形状となるブロック状に形成されており、レンズ駆動装置1の右前端の角部において、カバー部材13の内周面に固定されている。ボール保持部材17、18の具体的な構成については後述する。
クッション部材19は、ゴムやスポンジ等の弾力性を有する材料で形成されている。また、クッション部材19は、上下方向から見たときの形状が略L形状となる平板状に形成されている。2個のクッション部材19のうちの一方のクッション部材19は、ベース部材14の上面に固定され、他方のクッション部材19は、トッププレート16の下面に固定されている。
可動体4は、カバー部材13とベース部材14とトッププレート16とによって囲まれる空間内に収容されている。可動体4の下端面(具体的には、スリーブ12の下端面)は、ベース部材14の上面に固定されるクッション部材19に当接可能となっており、可動体4の上端面(具体的には、スリーブ12の上端面)は、トッププレート16の下面に固定されるクッション部材19に当接可能となっている。
駆動機構6は、カバー部材13の内周面に固定される駆動用コイル22と、スリーブ12の外周面に固定される駆動用磁石23とを備えている。駆動用コイル22は、プリント基板24と、プリント基板24上で引き回された導線からなるコイル部25とを備えるシート状コイルである。具体的には、駆動用コイル22は、微細な銅配線からなるコイル部25がプリント基板24上に形成されることによって構成されたFPコイルである。コイル部25は、プリント基板24上で導線(微細な銅配線)が略長方形状に引き回されることで形成されており、図3に示すように、2個の長辺部25aを備えている。2個の長辺部25aは、上下方向で重なっている。
駆動用コイル22は、略長方形状をなすコイル部25の長手方向の略中心位置においてコイル部25が略直角に折れ曲がった状態でカバー部材13の内周面に固定されている。具体的には、レンズ駆動装置1の右後端の角部においてコイル部25が略直角に折れ曲がるように、レンズ駆動装置1の右後端の角部においてカバー部材13の内周面に固定されている。駆動用コイル22には、コイル部25に電流を供給するためのフレキシブルプリント基板(FPC)26が接続されている。FPC26は、カバー部材13とベース部材14との間からレンズ駆動装置1の外部へ引き出されている。
駆動用磁石23は、上下方向から見たときの形状が略直角二等辺三角形となる略三角柱状に形成されており、図1に示すように、互いに略直交する2個の平面状の第1側面23aと、2個の第1側面23aを繋ぐ平面状の第2側面23bと、平面状の上端面および下端面とを備えている。この駆動用磁石23は、スリーブ12の右後端の角部に形成される側面に固定されている。具体的には、第2側面23bがスリーブ12の右後端の角部に形成される側面に固定されており、駆動用磁石23は、レンズ駆動装置1の右後端の角部に配置されている。また、第1側面23aは、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。
駆動用磁石23の第1側面23aは、所定の隙間を介して、駆動用コイル22に対向している。すなわち、第1側面23aは、駆動用コイル22との対向面である。また、第1側面23aは、駆動用コイル22を介して、カバー部材13の右後端の角部の内周面と対向しており、第1側面23aの全体は、カバー部材13によって覆われている。本形態のカバー部材13は、駆動機構6の磁気回路を形成するためのヨークの機能を果たしている。
駆動用磁石23は、第1側面23aの磁極と第2側面23bの磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。また、第1側面23aは、上下方向において、2極に着磁されている。すなわち、第1側面23aの上端側または下端側のいずれか一方がN極となり、第1側面23aの上端側または下端側のいずれか他方がS極となるように、第1側面23aは2極に着磁されている。第1側面23aの上端側は、コイル部25の2個の長辺部25aのうちの上側に配置される一方の長辺部25aと対向し、第1側面23aの下端側は、下側に配置される他方の長辺部25aと対向している。また、上下方向において、駆動用磁石23の長さは、カバー部材13の長さよりも短くなっている。
上述のように、レンズ駆動装置1の右後端の角部に駆動用磁石23が配置されており、YZ平面またはZX平面と略平行に配置された第1側面23aは、駆動用コイル22を介してカバー部材13の右後端の角部の内周面と対向している。駆動用磁石23とカバー部材13との間には、磁気的吸引力が生じており、この磁気的吸引力によって、可動体4は、図1の矢印V1で示す右後ろ方向へ付勢されている。また、上述のように、上下方向において、駆動用磁石23の長さは、カバー部材13の長さよりも短くなっている。本形態では、可動体4の可動範囲(上下方向の可動範囲)において、駆動用磁石23とカバー部材13との対向面積が一定になっている。
ガイドボール7および第2ガイドボール8は、真球状に形成された球状部材である。本形態では、ガイドボール7の外径と、第2ガイドボール8の外径とが等しくなっている。ガイドボール7は、スリーブ12とボール保持部材17との間に配置されており、レンズ駆動装置1の左後端の角部に配置されている。第2ガイドボール8は、スリーブ12とボール保持部材18との間に配置されており、レンズ駆動装置1の右前端の角部に配置されている。
位置検出機構9は、略長方形の板状に形成される検出用磁石29と、検出用磁石29に対向配置されるホール素子30とを備えている。検出用磁石29は、スリーブ12の切欠部12cに形成される磁石固定面12dに固定されている。ホール素子30は、検出用磁石29と対向するように、カバー部材13の左前端の角部の内周面に固定されている。すなわち、検出用磁石29およびホール素子30は、レンズ駆動装置1の左前端の角部に配置されている。ホール素子30は、FPC31に実装されている。FPC31は、カバー部材13の前側面の内側に沿って引き回された後、カバー部材13とベース部材14との間からレンズ駆動装置1の外部へ引き出されている。
(スリーブの凹部および切欠部の構成、ボール保持部材の構成)
図4は、図3に示すスリーブ12を異なる方向から示す斜視図である。図5は、図3に示すボール保持部材17の斜視図である。図6は、図3に示すボール保持部材18を異なる方向から示す斜視図である。図7は、図1のF−F断面の断面図である。図8は、図7のG−G断面の断面図である。図9は、図7のH−H断面の断面図である。なお、図7では、ベース部材14、基板15、トッププレート16およびクッション部材19等の図示を省略している。
上述のように、スリーブ12には、ガイドボール7の一部が配置される凹部12aと、第2ガイドボール8の一部が配置される切欠部12bとが形成されている。
凹部12aは、スリーブ12の左後端の角部において、後側面から前方向へ窪むように形成されている。また、凹部12aは、上下方向から見たときの形状が略長方形状となる角溝状に形成されるとともに、スリーブ12の上端面から下端面までの間の、上下方向におけるスリーブ12の全域に形成されている。凹部12aの左側に形成される平面状の左側面12fは、YZ平面と略平行になっており、凹部12aの前側に形成される平面状の前側面12gは、ZX平面と略平行になっている。本形態では、左側面12fおよび前側面12gに、ガイドボール7が当接している。すなわち、本形態の左側面12fおよび前側面12gは、ガイドボール7が当接する2個の可動側当接面となっている。左側面12fと前側面12gとは、上下方向から見たときに略V形状をなすように形成されている。具体的には、左側面12fと前側面12gとは、上下方向から見たときに互いに略直交する略V形状をなすように形成されている。
切欠部12bは、スリーブ12の右前端の角部において、右側面から左方向へ窪むように形成されている。また、切欠部12bは、スリーブ12の上端面から下端面までの間の、上下方向におけるスリーブ12の全域に形成されている。凹部12aの左側に形成される平面状の左側面12hは、YZ平面と略平行になっている。本形態では、左側面12hに、第2ガイドボール8が当接している。すなわち、本形態の左側面12hは、第2ガイドボール8が当接する1個の第2当接面となっている。
ボール保持部材17は、上述のように、上下方向から見たときの形状が略L形状となるブロック状に形成されている。具体的には、図5に示すように、ボール保持部材17は、ZX平面に略平行な第1側面部17aと、第1側面部17aの右端から前方向へ突出する第2側面部17bとからなるブロック状に形成されている。このボール保持部材17は、第1側面部17aの後ろ側面がカバー部材13の内周面に固定されることで、レンズ駆動装置1の左後端の角部において、カバー部材13の内周面に固定されている。
第1側面部17aの前側に形成される平面状の前側面17cは、ZX平面と略平行になっており、第2側面部17bの左側に形成される平面状の左側面17dは、YZ平面と略平行になっている。本形態では、前側面17cおよび左側面17dに、ガイドボール7が当接している。すなわち、本形態の前側面17cおよび左側面17dは、ガイドボール7が当接する2個の固定側当接面となっている。前側面17cと左側面17dとは、上下方向から見たときに略V形状をなすように形成されている。具体的には、前側面17cと左側面17dとは、上下方向から見たときに互いに略直交する略V形状をなすように形成されている。
第2側面部17bの左側面17dの上端、下端、および、上下方向の中心位置のそれぞれには、上下方向におけるガイドボール7の移動を規制する規制部17e、17f、17gが形成されている。規制部17e〜17gは、左方向へ突出するように形成されている。前側面17cと、左側面17dと、規制部17e〜17gとによって囲まれた空間に、2個のガイドボール7のそれぞれの一部が配置されている。上下方向における規制部17eと規制部17gとの距離は、ガイドボール7の外径よりも大きくなっている。また、上下方向における規制部17gと規制部17fとの距離も、ガイドボール7の外径よりも大きくなっている。
ボール保持部材18は、上述のように、上下方向から見たときの形状が略六角形状となるブロック状に形成されており、その右側面18aおよび左側面18bは、YZ平面と略平行になっている。このボール保持部材18は、右側面18aがカバー部材13の内周面に固定されることで、レンズ駆動装置1の右前端の角部において、カバー部材13の内周面に固定されている。
ボール保持部材18の左側面18bには、右方向へ向かって窪む凹部18cが形成されている。凹部18cは、上下方向において、左側面18bの下端側の一部に形成されるとともに、前後方向において、左側面18bの略中心位置の一部に形成されている。凹部18cの中には、第2ガイドボール8の一部が配置されている。また、凹部18cには、YZ平面およびZX平面に対して略45°傾いた平面状の2個の側面18dが形成されている。本形態では、2個の側面18dに、第2ガイドボール8が当接している。すなわち、本形態の2個の側面18dは、第2ガイドボール8が当接する2個の第1当接面となっている。2個の側面18dは、上下方向から見たときに略V形状をなすように形成されている。具体的には、2個の側面18dは、上下方向から見たときに互いに略直交する略V形状をなすように形成されている。上下方向における凹部18cの幅は、第2ガイドボール8の外径よりも大きくなっている。
2個のガイドボール7は、上下方向で重なるように配置されている。すなわち、2個のガイドボール7は、上下方向から見たときに互いに重なるように配置されている。また、上述のように、駆動用磁石23とカバー部材13との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4は、図1の矢印V1で示す右後ろ方向へ付勢されている。すなわち、スリーブ12の左側面12fおよび前側面12gと、ボール保持部材17の前側面17cおよび左側面17dとの間に2個のガイドボール7が挟まれるように、可動体4は付勢されている。そのため、2個のガイドボール7は、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとに常時、接触している。
また、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとに、2個のガイドボール7が接触しているため、図8に示すように、上下方向から見たときに、左側面12fと前側面12gとの交点C1から、前側面17cと左側面17dとの交点C2へ向かう矢印V2の方向は、可動体4が付勢されている方向である矢印V1の方向と略平行になっている。
また、図1の矢印V1で示す右後ろ方向へ可動体4が付勢されているため、第2ガイドボール8は、スリーブ12の左側面12hと、ボール保持部材18の2個の側面18dとに常時、接触している。左側面12hと2個の側面18dとに接触する第2ガイドボール8は、光軸Lに略平行でガイドボール7の中心を通過する軸L1を中心とする可動体4の回動を防止する機能を果たしている。
なお、本形態では、レンズ駆動装置1の右前端の角部および左後端の角部は、第1角部であり、レンズ駆動装置1の左前端の角部および右後端の角部は、第2角部である。また、本形態では、右後ろ方向は、光軸方向に直交する一方向である。
(レンズ駆動装置の概略動作)
以上のように構成されたレンズ駆動装置1では、駆動用コイル22に電流が供給されると、可動体4が上下方向へ移動する。上述のように、駆動用磁石23とカバー部材13との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4が右後ろ方向へ付勢されており、2個のガイドボール7は、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとに接触し、第2ガイドボール8は、左側面12hと、2個の側面18dとに接触している。そのため、駆動用コイル22に電流が供給されると、可動体4は、右後ろ方向へ付勢された状態で、ガイドボール7および第2ガイドボール8に沿って上下方向へ移動する。このときには、ガイドボール7および第2ガイドボール8は、可動体4の移動に伴って回転する。
可動体4が目標停止位置まで移動すると、可動体4が目標停止位置に留まるように、位置検出機構9での可動体4の位置の検出結果に基づいて、駆動用コイル22へ電流が供給される。すなわち、本形態では、可動体4が目標停止位置に留まるように、位置検出機構9での検出結果に基づいて、駆動用コイル22に供給される電流がフィードバック制御される。このフィードバック制御は、図示を省略する制御部によって実行される。制御部は、たとえば、基板15に実装されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、上下方向で重なるように配置される2個のガイドボール7が、略V形状をなすスリーブ12の左側面12fおよび前側面12gと、略V形状をなすボール保持部材17の前側面17cおよび左側面17dとに接触している。そのため、本形態では、2個のガイドボール7のうちの一方のガイドボール7を中心にして、かつ、上下方向に直交する方向を軸方向として、固定体5に対して可動体4が回動するのを防止することが可能になり、その結果、上下方向に対する可動体4の傾き(チルト)を抑制することが可能になる。
また、本形態では、略V形状をなす左側面12fおよび前側面12gと、略V形状をなす前側面17cおよび左側面17dとの間にガイドボール7が挟まれるように右後ろ方向へ付勢された状態で、可動体4は、ガイドボール7および第2ガイドボール8に沿って上下方向へ移動する。そのため、本形態では、可動体4が上下方向へ移動する際に、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとの間から2個のガイドボール7が外れるのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、可動体4が上下方向へ移動する際の上下方向に対する可動体4の傾きを抑制することが可能になる。
また、本形態では、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとに2個のガイドボール7が接触するように右後ろ方向へ付勢された状態で、可動体4がガイドボール7および第2ガイドボール8に沿って上下方向へ移動するため、上下方向へ移動する可動体4のがたつきを抑制することが可能になる。
本形態では、上下方向から見たときに、左側面12fと前側面12gとの交点C1から、前側面17cと左側面17dとの交点C2へ向かう矢印V2の方向は、可動体4が付勢されている方向である矢印V1の方向と略平行になっている。そのため、可動体4に生じる付勢力によって、左側面12fと前側面12gとにガイドボール7を均等な接触圧で接触させることが可能になり、また、前側面17cと左側面17dとにガイドボール7を均等な接触圧で接触させることが可能になる。したがって、本形態では、可動体4の傾きやがたつきを効果的に抑制することが可能になる。
本形態では、第2ガイドボール8は、光軸Lに略平行でガイドボール7の中心を通過する軸L1を中心とする可動体4の回動を防止する機能を果たしている。そのため、本形態では、第2ガイドボール8によって、上下方向に直交する方向への固定体5に対する可動体4のずれを防止することが可能になる。
本形態では、第2ガイドボール8は、平面状に形成されるスリーブ12の1個の左側面12hと、略V形状をなすように形成されるボール保持部材18の2個の側面18dとに接触している。そのため、本形態では、2個の側面18dによって、上下方向に直交する方向における第2ガイドボール8の位置ずれを防止することが可能になる。また、本形態では、左側面12hによって、レンズ駆動装置1を構成する各部品の寸法誤差やレンズ駆動装置1の組立誤差を吸収して、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとの間にガイドボール7を容易に配置すること、および、左側面12hと2個の側面18dとの間に第2ガイドボール8を容易に配置することが可能になる。したがって、本形態では、レンズ駆動装置1を構成する各部品の寸法精度やレンズ駆動装置1の組立精度が低くても、左側面12fおよび前側面12gと、前側面17cおよび左側面17dとの間にガイドボール7を容易に配置すること、および、左側面12hと2個の側面18dとの間に第2ガイドボール8を容易に配置することが可能になる。
本形態では、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるレンズ駆動装置1の左後端の角部にガイドボール7が配置され、レンズ駆動装置1の右前端の角部に第2ガイドボール8が配置されている。また、本形態では、略三角柱状に形成される駆動用磁石23が、レンズ駆動装置1の右後端の角部に配置され、検出用磁石29およびホール素子30は、レンズ駆動装置1の左前端に配置されている。すなわち、本形態では、デッドスペースとなりやすいレンズ駆動装置1の4つの角部にガイドボール7と、第2ガイドボール8と、駆動用磁石23と、検出用磁石29およびホール素子30とが配置されている。そのため、本形態では、レンズ2の径方向へレンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。あるいは、レンズ2の径方向でレンズ駆動装置1を大型化させることなく、レンズ2の径を大きくすることが可能になる。
また、本形態では、駆動用コイル22は、シート状コイルであり、かつ、レンズ駆動装置1の右後端の角部でコイル部25が略直角に折れ曲がるように、レンズ駆動装置1の右後端の角部でカバー部材13の内周面に固定されている。そのため、本形態では、カバー部材13の内周面の全周に亘って駆動用コイル22が配置されている場合と比較して、レンズ2の径方向へレンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。あるいは、レンズ2の径方向でレンズ駆動装置1を大型化させることなく、レンズ2の径を大きくすることが可能になる。
本形態では、駆動用磁石23とカバー部材13との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4が右後ろ方向へ付勢されている。そのため、本形態では、可動体4を右後ろ方向へ付勢するための付勢用の磁石が別途設けられる場合と比較して、レンズ駆動装置1の構成を簡素化することが可能になる。
本形態では、駆動用磁石23の第1側面23aは、上下方向において、2極に着磁され、第1側面23aの上端側は、コイル部25の2個の長辺部25aのうちの上側に配置される一方の長辺部25aと対向し、第1側面23aの下端側は、下側に配置される他方の長辺部25aと対向している。そのため、本形態では、駆動機構6の駆動力を高めることが可能になる。
本形態では、可動体4が目標停止位置まで移動すると、可動体4が目標停止位置に留まるように、位置検出機構9での可動体4の位置の検出結果に基づいて、駆動用コイル22へ電流が供給されている。そのため、本形態では、ガイドボール7と第2ガイドボール8とによって可動体4が上下方向へ案内されていても、可動体4を目標停止位置で維持することが可能になる。
本形態では、可動体4の下端面は、ベース部材14の上面に固定されるクッション部材19に当接可能となっており、可動体4の上端面は、トッププレート16の下面に固定されるクッション部材19に当接可能となっている。そのため、本形態では、落下等の強い衝撃をレンズ駆動装置1が受けたときに、可動体4と固定体5とが接触しても、可動体4および固定体5の損傷を抑制することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、スリーブ12の左側面12fと前側面12gとは、上下方向から見たときに互いに略直交する略V形状をなすように形成されている。すなわち、上述した形態では、左側面12fと前側面12gとのなす角度が略90°となっている。この他にもたとえば、左側面12fと前側面12gとのなす角度は、鋭角であっても良いし、鈍角であっても良い。同様に、上述した形態では、ボール保持部材17の前側面17cと左側面17dとのなす角度は略90°となっているが、前側面17cと左側面17dとのなす角度は、鋭角であっても良いし、鈍角であっても良い。さらに、上述した形態では、ボール保持部材18の2個の側面18dのなす角度は略90°となっているが、2個の側面18dのなす角度は、鋭角であっても良いし、鈍角であっても良い。
上述した形態では、上下方向から見たときに、左側面12fと前側面12gとの交点C1から、前側面17cと左側面17dとの交点C2へ向かう矢印V2の方向は、可動体4が付勢されている方向である矢印V1の方向と略平行になっている。この他にもたとえば、交点C1から交点C2へ向かう矢印V2の方向は、矢印V1の方向に対して傾いていても良い。
上述した形態では、スリーブ12に、第2ガイドボール8が当接する1個の左側面12hが形成され、ボール保持部材18に、第2ガイドボール8が当接する2個の側面18dが形成されている。この他にもたとえば、スリーブ12に、第2ガイドボール8が当接する2個の側面が形成され、ボール保持部材18に、第2ガイドボール8が当接する1個の側面が形成されても良い。この場合には、スリーブ12に形成される2個の側面は、略V形状をなすように形成され、ボール保持部材18に形成される1個の側面は、平面状に形成される。
上述した形態では、レンズ駆動装置1は、2個のガイドボール7と、1個の第2ガイドボール8とを備えている。この他にもたとえば、レンズ駆動装置1は、3個以上のガイドボール7を備えていても良い。また、レンズ駆動装置1は、2個以上の第2ガイドボール8を備えていても良い。ただし、レンズ駆動装置1が2個のガイドボール7と1個の第2ガイドボール8とを備えている場合には、最小数のガイドボール7と第2ガイドボール8とによって、可動体4が上下方向へ移動する際の可動体4の傾きを抑制すること、および、上下方向に直交する方向への可動体4のずれを防止することが可能になる。すなわち、この場合には、レンズ駆動装置1の構成を簡素化しつつ、可動体4が上下方向へ移動する際の可動体4の傾きを抑制すること、および、上下方向に直交する方向への可動体4のずれを防止することが可能になる。
上述した形態では、駆動用磁石23が可動体4に固定され、駆動用コイル22が固定体5に固定されている。この他にもたとえば、駆動用磁石23が固定体5に固定され、駆動用コイル22が可動体4に固定されても良い。また、上述した形態では、検出用磁石29が可動体4に固定され、ホール素子30が固定体5に固定されているが、検出用磁石29が固定体5に固定され、ホール素子30が可動体4に固定されても良い。
上述した形態では、駆動用磁石23とカバー部材13との間に生じる磁気的吸引力によって、可動体4が右後ろ方向へ付勢されている。この他にもたとえば、駆動用磁石23に加えて、可動体4を右後ろ方向へ付勢するための付勢用の磁石が設けられても良い。この場合には、駆動用コイル22および駆動用磁石23は、レンズ駆動装置1の右後端の角部以外の箇所に配置されても良い。
上述した形態では、ボール保持部材17に規制部17gが形成されているが、ボール保持部材17に規制部17gが形成されていなくても良い。この場合には、規制部17gが形成されている場合と比較して、可動体4が上下方向へ移動する際に、ガイドボール7が回転しやすくなる。また、ボール保持部材17に規制部17e、17fが形成されていなくても良い。また、上述した形態では、ボール保持部材18の凹部18cは、上下方向において、左側面18bの下端側の一部に形成されているが、凹部18cは、上下方向における左側面18bの全域に形成されても良い。
上述した形態では、駆動用磁石23の第1側面23aは、上下方向において、2極に着磁されている。この他にもたとえば、第1側面23aは、単極着磁されても良い。この場合には、コイル部25の2個の長辺部25aのうちの一方の長辺部25aと、第1側面23aとが対向する。また、上述した形態では、駆動用コイル22は、プリント基板24と、プリント基板24上で引き回された導線からなるコイル部25とを備えるシート状コイルであるが、駆動用コイル22は、略長方形の平板状に導線が巻回されることで形成された空芯コイルであっても良い。
上述した形態では、レンズ駆動装置1の右後端の角部に略三角柱状に形成された駆動用磁石23が配置されている。この他にもたとえば、駆動用磁石23に代えて、レンズ駆動装置1の右後端の角部に、平板状に形成された2枚の駆動用磁石が互いに略直交するように配置されても良い。また、駆動用磁石23に代えて、レンズ駆動装置1の右後端の角部に、略L形状に形成された駆動用磁石が配置されても良い。
上述した形態では、検出用磁石29を利用して光軸方向における可動体4の位置を検出している。この他にもたとえば、駆動用磁石23を利用して光軸方向における可動体4の位置を検出しても良い。この場合には、ホール素子30は、たとえば、駆動用コイル22を構成するプリント基板24に実装される。また、上述した形態では、位置検出機構9は、検出用磁石29とホール素子30とを備える電磁式の検出機構であるが、位置検出機構9は、たとえば、固定体5に固定される発光素子および受光素子と、可動体4に固定され発光素子からの光を受光素子に向かって反射する反射板とを備える光学式の検出機構であっても良い。
上述した形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。また、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略六角形状等の多角形状、円形状、あるいは、楕円形状となるように形成されても良い。
1 レンズ駆動装置
2 レンズ
4 可動体
5 固定体
6 駆動機構
7 ガイドボール
8 第2ガイドボール
9 位置検出機構
12f 左側面(可動側当接面)
12g 前側面(可動側当接面)
12h 左側面(第2当接面)
13 カバー部材
17c 前側面(固定側当接面)
17d 左側面(固定側当接面)
18d 側面(第1当接面)
19 クッション部材
22 駆動用コイル
23 駆動用磁石
23a 第1側面(駆動用コイルとの対向面)
24 プリント基板
25 コイル部
29 検出用磁石
30 ホール素子
C1 左側面と前側面との交点(可動側当接面の交点)
C2 前側面と左側面との交点(固定側当接面の交点)
L 光軸
L1 ガイドボールの中心を通過する軸
Z 光軸方向

Claims (7)

  1. レンズを保持し前記レンズの光軸方向へ移動可能な可動体と、前記可動体が収容される固定体と、前記可動体を前記光軸方向へ駆動するための駆動機構と、前記可動体を前記光軸方向へ案内するための複数のガイドボールと、前記ガイドボールと一緒に前記可動体を前記光軸方向へ案内するとともに前記レンズの光軸に略平行でかつ前記ガイドボールの中心を通過する軸を中心とする前記可動体の回動を防止するための第2ガイドボールと、前記光軸方向における前記可動体の位置を検出するための位置検出機構とを備えるレンズ駆動装置であって、
    前記レンズ駆動装置は、前記光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるように形成され、
    前記駆動機構は、前記可動体に固定される駆動用磁石と、前記固定体に固定される駆動用コイルとを備え、
    前記駆動用磁石は、略三角柱状に形成され、
    前記駆動用コイルは、プリント基板と、前記プリント基板上で略長方形状に引き回された導線からなるコイル部とを備えるシート状コイルであり、
    前記位置検出機構での検出結果に基づいて前記駆動用コイルに供給される電流がフィードバック制御され、
    複数の前記ガイドボールは、前記可動体と前記固定体との間に配置されるとともに、前記光軸方向から見たときに互いに重なるように配置され、
    前記可動体には、前記ガイドボールが当接する平面状の2個の可動側当接面が前記光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、
    前記固定体には、前記ガイドボールが当接する平面状の2個の固定側当接面が前記光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、
    前記可動体は、2個の前記可動側当接面と2個の前記固定側当接面との間に前記ガイドボールが挟まれるように前記光軸方向に直交する一方向へ付勢された状態で前記ガイドボールに沿って前記光軸方向へ移動し、
    前記ガイドボールは、前記光軸方向から見たときの前記レンズ駆動装置の一方の対角線上の2個の角部である第1角部の一方に配置され、
    前記第2ガイドボールは、前記第1角部の他方に配置され、
    前記駆動用磁石は、前記光軸方向から見たときの前記レンズ駆動装置の他方の対角線上の2個の角部である第2角部の一方において前記可動体に固定され、
    前記駆動用コイルは、前記コイル部が前記第2角部の一方で折れ曲がるように、かつ、前記コイル部が前記駆動用磁石に対向するように、前記固定体に固定され、
    前記位置検出機構は、前記第2角部の他方において前記可動体または前記固定体のいずれか一方に固定される検出用磁石と、前記第2角部の他方において前記可動体または前記固定体のいずれか他方に固定されるホール素子とを備えることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記光軸方向から見たときに、略V形状をなす2個の前記可動側当接面の交点から、略V形状をなす2個の前記固定側当接面の交点へ向かう方向が前記一方向と略平行になっていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記可動体または前記固定体のいずれか一方には、前記第2ガイドボールが当接する平面状の2個の第1当接面が前記光軸方向から見たときに略V形状をなすように形成され、
    前記可動体または前記固定体のいずれか他方には、前記第2ガイドボールが当接する平面状の1個の第2当接面が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ駆動装置。
  4. 2個の前記ガイドボールと、1個の前記第2ガイドボールとを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記固定体は、磁性材料で形成され前記可動体の外周側を覆うカバー部材を備え、
    前記可動体は、前記駆動用磁石と前記カバー部材との間に生じる磁気的吸引力によって前記一方向へ付勢されていることを特徴する請求項1から4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記駆動用磁石の、前記駆動用コイルとの対向面は、前記光軸方向において、2極に着磁されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記固定体は、前記光軸方向における前記可動体と前記固定体との衝突時の衝撃を緩和するクッション部材を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のレンズ駆動装置。
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