JP5955551B2 - 飲料ディスペンサーのタップ装置及び泡生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、穀類分解物を含有する発泡性飲料を提供するための飲料ディスペンサーのタップ装置及び泡生成方法に関する。
近年、ビール、ノンアルコールビール、発泡酒などの様々な穀類分解物含有発泡性飲料の開発が進められている。このような穀類分解物含有発泡性飲料において、泡は、炭酸ガスの逃げを防止すると共に、弾ける音の心地良さ、泡持ちによる香り立ち、見た目の美味しさ(即ち、クリーミーな真白い泡がグラス上にこんもりと盛り上がっている情景)等を付与する重要な機能を有している。また、グラスやジョッキなどの容器に注いだビール等の泡には、酸化防止効果もある。
上記の通り、ビール等がグラスやジョッキなどの容器に注がれた際に出る泡は、極めて重要な機能を果たしており、きめが細かく持ちの良い泡が出て、できれば飲み終わるまでこの泡が消えないことが、ビール等を美味しく飲むための重要な要素となっている。
ここで、ビール等の穀類分解物含有発泡性飲料において泡が生成される原理について説明すると、ビール自体に溶け込んでいる(溶存している)炭酸ガス(CO)が、ビールの圧力が解放された際にビール内部で気化する。この時、気化した炭酸ガスをホップの樹脂や麦芽の蛋白質、炭水化物で形成された膜が包み込み、これによって気泡が形成される。
このようにして形成された泡は、ビールには欠かせないホップの苦味成分(イソフムロン)を含むビールの旨みの要素であると共に、ジョッキ等に注がれたビールの液面を大気から保護して、ビールの酸化を防止するという重要な役割を果たしている。
そのため、ビール等をジョッキなどの容器に注ぎ出すための飲料ディスペンサーのタップには、ジョッキなどへのビールの注出後に泡出しを行う泡出し機構を備えたものがある(特許文献1:特開2010−285209号公報)。この従来のタップの泡出し機構は、タップに設けられたレバーを操作することにより、タップ内の流路を絞り込むことによって、ビールの泡を生成するように構成されている。
上述したように穀類分解物含有発泡性飲料において泡は、ビール等の香味や美観等において重要な役割を果たすものであるため、従前より、泡持ちを改善するための手段が検討されている。そのような手段の一つとして、例えば、ビールに窒素ガスを添加する方法が提案されている(特許文献2:特開平10−287393号公報)。この方法では、ビールの中に窒素ガスを添加することにより、泡持ちの向上を図っている。
また、ビールの泡持ちを改善する別の手法としては、飲料ディスペンサーのタップとは別に設けられた泡出し専用のタップにおいて、この泡出し専用タップのハウジング内の絞り流路の側壁に側孔を貫通形成し、この側孔を介して空気等の雰囲気気体がビール内に巻き込まれるようにしたものが提案されている(特許文献3:実公平7−28157号公報)。
また、ビールの泡持ちを改善する更に別の手法としては、飲料注出用のタップの中に、圧縮ガス源に繋がるガス供給路に接続された多孔質部材を設け、飲料の注出が行われる際に、この多孔質部材から放出される圧縮ガスに飲料が接触するようにしたものがある(特許文献4:特開2000−344296号公報)。
特開2010−285209号公報 特開平10−287393号公報 実公平7−28157号公報 特開2000−344296号公報
しかしながら、特許文献2に記載の従来の技術では、ビールの中に窒素ガスを添加するために大規模な装置が必要であり、コスト面及び設備面の負担が大きいという問題がある。
さらに、この特許文献2に記載の方法は、ディスペンサーによってビール容器(ジョッキ等)に注がれたビールの中に窒素ガスを添加するものであるため、添加するガスが、窒素ガスのような非酸化性の気体に限定されるという制約がある。
即ち、特許文献2に記載の方法において、添加ガスとして例えば空気を使用すると、ビール中に添加された空気の成分である酸素によってビールが酸化してしまうという問題がある。
この問題は、特許文献2の図11や図12に示されているような手法においても同様に起こりうる。即ち、特許文献2の図11や図12には、生ビール樽からディスペンサーのタップに至る配管の途中で窒素ガスを吹き込むようにしているが、この位置で窒素ガスに代えて空気を吹き込むと、ビールが酸化してしまう。
ここで、泡持ち向上の観点からは、泡の中に閉じ込められている気体の成分が、その周囲に存在する大気(即ち、空気)の成分に近いことが望ましい。即ち、泡の中の気体の成分と周囲の大気(空気)の成分とが異なると、各成分の分圧の差に起因する気体の拡散効果によって、泡の内部の気体が泡の膜を通して大気と気体交換され、このとき、泡の膜に対して膜を壊そうとする力が作用する。
従って、添加ガスとして空気を使用できないことは、泡持ちの向上を図る上で制約となる。またコスト面から見ても、周囲の空気を添加ガスとして使用できれば、上述した従来の方法のように別途窒素ガスボンベ等を用意する必要がなく、極めて便利である。
また、特許文献3に記載の従来の技術は、泡出し専用タップのハウジング内にある絞り流路の側壁に側孔を貫通形成し、絞り流路における速度ヘッドの増大に伴う圧力ヘッドの減少による負圧を利用して、側孔を介して雰囲気気体を吸い込むというものであるが、その発泡機構は、絞り流路内に配置した金網による撹拌効果を利用するものである。このため、発泡化の最中のビールの中に雰囲気気体を導入することになり、個々の泡の中への雰囲気気体の取り込みを十分に行うことができず、泡の持続時間(泡持ち)の改善には限界があった。
さらに、特許文献3に記載の従来の技術は、上記の通り負圧を利用して雰囲気気体を吸い込むという構成であり、また、金網の撹拌効果を利用した発泡機構を採用しているため、その適用範囲が極めて限られており、例えば泡出しモードと液注出モードとを切換可能なタップへの適用は極めて困難、若しくは不可能である。
また、特許文献4に記載の従来の技術は、ジョッキなどの容器に注ぎ出すビール自体に圧縮ガスを接触させるものであるため、ビールの酸化防止の観点から、使用できる圧縮ガスの種類に制約があるという問題がある。
本発明は、上述した従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであって、穀類分解物含有発泡性飲料に外部ガスを添加するための大掛かりな装置を必要とすることがなく、また、外部ガスとして使用できるガスの種類に対する制約が少ない、穀類分解物含有発泡性飲料の泡持ちを改善することができる飲料ディスペンサーのタップ装置及び泡生成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、穀類分解物を含有する発泡性飲料を供給するための飲料ディスペンサーのタップ装置であって、前記発泡性飲料を液状のままで供給するための液注出機構と、前記発泡性飲料を泡状にして供給するための泡生成機構と、を備えており、前記泡生成機構は、液体状の前記発泡性飲料が加圧状態にて導入される第1室と、前記第1室からの前記発泡性飲料が泡状となって導入される第2室と、前記第1室と前記第2室とを連通する連絡流路であって、前記発泡性飲料がその内部を流れる際に前記第1室内の圧力が前記第2室内の圧力よりも高くなるように流路抵抗を付与する連絡流路と、前記第1室内に導入された後、前記第2室内に導入される前の加圧状態にある前記発泡性飲料の中に外部ガスを導入するための外部ガス導入手段と、を含む、ことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明の構成において、前記外部ガス導入手段は、前記連絡流路の途中に前記外部ガスを導入するように構成されている、ことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明の構成において、前記外部ガス導入手段は、前記第1室の中に前記外部ガスを導入するように構成されている、ことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記外部ガス導入手段は、前記外部ガスとして、少なくとも窒素ガスを含むガス、窒素ガスと炭酸ガスとを少なくとも含むガス、又は空気を導入するように構成されている、ことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記連絡流路は、前記第1室と前記第2室とを分離する隔離壁に形成されたオリフィスを含む、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、第6の発明は、第1乃至第5の発明のいずれかのタップ装置と、前記タップ装置に前記発泡性飲料を供給するための供給ラインと、前記供給ラインの中を通る前記発泡性飲料を冷却するための冷却器と、を備えた飲料ディスペンサーである。
上記課題を解決するために、第7の発明は、穀類分解物を含有する発泡性飲料を泡状化する泡生成方法において、飲料ディスペンサーのタップ装置の内部に前記発泡性飲料を加圧状態にて導入する飲料導入工程と、前記タップ装置の内部に供給された加圧状態にある前記発泡性飲料の中に外部ガスを導入するガス導入工程と、前記外部ガスが導入された加圧状態にある前記発泡性飲料の圧力を解放して泡状にする泡状化工程と、を備えたことを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明の構成において、前記タップ装置は、前記発泡性飲料を液状のままで供給するための液注出機構と、前記発泡性飲料を泡状にして供給するための泡生成機構と、を備えており、前記泡生成機構は、液体状の前記発泡性飲料が加圧状態にて導入される第1室と、前記第1室からの前記発泡性飲料が泡状となって導入される第2室と、前記第1室と前記第2室とを連通する連絡流路であって、前記発泡性飲料がその内部を流れる際に前記第1室内の圧力が前記第2室内の圧力よりも高くなるように流路抵抗を付与する連絡流路と、を含み、前記ガス導入工程において、前記第1室内に導入された後、前記第2室内に導入される前の加圧状態にある前記発泡性飲料の中に前記外部ガスが導入される、ことを特徴とする。
また、第9の発明は、第8の発明の構成において、前記ガス導入工程において、前記連絡流路の途中に前記外部ガスが導入される、ことを特徴とする。
また、第10の発明は、第8の発明の構成において、前記ガス導入工程において、前記第1室の中に前記外部ガスが導入される、ことを特徴とする。
また、第11の発明は、第7乃至第10の発明の構成において、前記ガス導入工程において、前記外部ガスとして、少なくとも窒素ガスを含むガス、窒素ガスと炭酸ガスとを少なくとも含むガス、又は空気を導入する、ことを特徴とする。
また、第12の発明は、第7乃至第11の発明による泡生成方法により生成した泡を添加した発泡性飲料である。
本発明の一実施形態によるタップ装置を備えた飲料ディスペンサーを、ビール樽及びこれに接続された炭酸ガスボンベと共に示した概略図。 図1に示した飲料ディスペンサーのタップ装置の部分を拡大して示した概略図。 本発明の他の実施形態によるタップ装置を備えた飲料ディスペンサーを、ビール樽及びこれに接続された炭酸ガスボンベと共に示した概略図。 図3に示した実施形態の一実施例によるタップ装置を示した縦断面図であり、液体状のビールを注出する際の状態を示した図。 図4に示したタップ装置において、泡を供給する際の状態を示した図。
以下、本発明の一実施形態による飲料ディスペンサーのタップ装置及びこのタップ装置を用いた泡生成方法について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態によるタップ装置は、ビール等の穀類分解物含有発泡性飲料を提供するための飲料ディスペンサーのタップ装置であり、ジョッキなどの容器にビールを注いだ後、泡状にしたビールをジョッキ内のビールの液面上に供給するための泡出し機構を備えている。
図1に示したようにこの飲料ディスペンサー1は、ビール樽(貯蔵タンク)2に接続されており、このビール樽2には、その内部に炭酸ガスを供給して液面を押圧するための炭酸ガスボンベ3が接続されている。ビール樽2の頂部にはディスペンスヘッド4が設けられており、このディスペンスヘッド4を操作することにより、ビール樽2からのビールの供給を開始し又は停止することができる。
飲料ディスペンサー1は、ビール樽2から供給されたビールが導入される注入口5を備えており、この注入口5を介して飲料ディスペンサー1内に供給されたビールは、飲料ディスペンサー1内に引き回された供給ライン6を通ってタップ装置7に供給される。
ここで、飲料ディスペンサー1の内部には、冷却器8及びこれに接続されたコンプレッサー9が設けられており、供給ライン6の中を通るビールを冷却器8によって冷却することができる。
図1及び図2に示したように、本実施形態によるタップ装置7には、外部ガス供給ライン(外部ガス導入手段)10を介してガスボンベ11が接続されている。ガスボンベ11には、供給される外部ガスの圧力を調整するための圧力調整弁12が設けられている。
外部ガスとしては、少なくとも窒素ガスを含むガスが使用される。例えば、窒素ガスと炭酸ガスとを少なくとも含む混合ガスが使用される。また、外部ガスとして空気を使用することもできる。
図2に示したようにタップ装置7は、液注出モードと泡出しモードとを切り換えるためのモード切換機構13を備えており、このモード切換機構13の切換レバー14を操作することにより、モード切換機構13の流路切換手段15によって穀類分解物含有発泡性飲料の流路が、液注出側流路(液注出機構)16と泡生成側流路17とで切り替わるようになっている。流路切換手段15としては、例えば三方弁を使用することができる。
ジョッキ40内にビールを注ぐ際には、切換レバー14を操作してビールが液注出側流路16に流れるようにして、液出口19から流下するビールをジョッキ40内に注ぎ入れる。その後、ジョッキ40内のビール液面の上に泡を載せる際には、切換レバー14を操作してビールが泡生成側流路17に流れるようにして、泡出口20から流下する泡をジョッキ40内のビール液面に載せる。
タップ装置7の泡生成機構21は、ビール樽(貯蔵タンク)2から供給されたビールが加圧状態にて導入される第1室22と、この第1室22からビールが導入される第2室23とを含んでおり、第2室23は、泡出口20に連通して大気に開放されている。
液注出側流路16を含む液注出機構と、泡生成機構21とが、タップ装置7の本体ケーシング18の中に収納されている。
泡生成機構21の第1室22と第2室23との間には隔離壁24が設けられており、この隔離壁24には泡生成用のオリフィス25が設けられている。即ち、このオリフィス25は、第1室22と第2室23とを連絡する連絡流路であると共に、オリフィス25を介して第2室23に流入する際にビールが圧力解放されて泡状になるように構成されている。
そして、本実施形態によるタップ装置7においては、オリフィス25によって加圧状態に維持された液体状のビールを収容する第1室22に、外部ガスを導入するための外部ガス導入ライン(外部ガス導入手段)10の一端が接続されている。
外部ガス導入ライン10の他端は、ガスボンベ11に接続されている。ガスボンベ11には、第1室22内に供給する外部ガスの圧力を調整するための圧力調整弁12が設けられている。
本実施形態による飲料ディスペンサー1のタップ装置7を用いて泡を供給する際には、切換レバー14を操作してビール樽2からのビールが泡生成側流路17に流れるようにする。すると、加圧状態のビールが第1室22に流入し、第2室23との間にオリフィス(連絡流路)25が存在するため、第1室22内のビールの加圧状態が維持される。
そして、本実施形態においては、加圧状態にある第1室22内のビールの中に、外部ガス導入ライン10を介してガスボンベ11から外部ガスを導入する。この時の外部ガスの圧力は、第1室22内に流入できる程度に高い圧力が必要であり、一方、第1室22に導入された外部ガスがビールの流れに逆行して逆流してしまうことがない程度に低い圧力が必要がある。
このようにして第1室22の中に外部ガスが導入され、第1室22内の加圧状態にあるビールは、外部ガスと一緒にオリフィス25を通過して第2室23に流入する際に圧力が解放される。
この圧力解放によりビール圧力が低下すると、ビール中に溶存していた炭酸ガス(CO)がビール内で気化して気泡が生成される。
このとき、ビール内には既に外部ガスが導入されているので、炭酸ガスの気化に伴って泡が生成される際には、周囲に存在する外部ガスが泡の中に取り込まれる。
また、導入された外部ガスの少なくとも一部はビール内に溶け込み、ビールがオリフィス25を通過して圧力が解放される際に、ビール内に溶存していた外部ガスが気化して気泡の生成に寄与する。
ここで、液体に溶けるガスの量は、そのガスの分圧に比例する(ヘンリーの法則)。従って、分圧が高いほど、液体に溶けるガスの量は多くなる。上述したように本実施形態においては、第1室22内の加圧状態のビールに対して外部ガスを第1室22内に流入できる程度に高い圧力で導入するようにしたので、ビール中に溶け込む外部ガスの量を高めることができる。
また、本実施形態においては、外部ガスとして少なくとも窒素ガスを含むガスを使用しているので、泡の中の気体の組成は、炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスとなっている。このように泡の中に窒素ガスが存在することにより、泡の周囲の大気(空気)との組成の相違が緩和される。逆に言えば、外部ガスを導入しない場合には、泡の中は炭酸ガスのみとなるので、周囲の空気(炭酸ガス0.032%程度を含む)との組成の相違が大きくなってしまう。
上述したように本実施形態においては、泡生成機構21の第1室22の中に、少なくとも窒素ガスを含む外部ガスを導入するようにしたので、生成された泡の中に窒素ガスを混入させることができる。これにより、泡の中の気体の組成が周囲の大気(空気)の組成に近づいて、空気中の分圧(特に窒素分圧)に近づくので、泡出口から取り出した泡の持続時間(泡持ち)が長くなる。
また、本実施形態においては、外部ガスが導入されるビールは、液状のままでジョッキ等に注がれるものではなく、もっぱら泡を生成するために使用されるビールなので、外部ガスとして酸化性の気体を使用することも可能であり、例えば空気を使用することができる。
このように本実施形態によれば、簡便な構成によってビールの泡持ちを改善することができる。また、空気を使用できるので、コスト面でも有利であり、必要設備も少なくて済むという利点がある。
次に、本発明の他の実施形態によるタップ装置ついて、図3を参照して説明する。なお、図1及び図2に示した実施形態と共通する部分については、図3において図1及び図2と同一の符号を付すことにより説明を省略し、相違点について以下で説明する。
本実施形態においては、第1室22と第2室23とを隔離する隔離壁24が厚肉に形成され、オリフィス(連絡流路)25がその軸線方向に沿って細長く形成されている。
そして、外部ガスを導入するための外部供給ライン(外部ガス導入手段)10は、隔離壁24を半径方向に貫通してオリフィス25にて開口するように形成されている。
上記構成より成る本実施形態によれば、図1に示した実施形態と同様の効果が得られると共に、それに加えて以下の効果を得ることができる。
即ち本実施形態においては、第1室22と第2室23とを連絡する細長のオリフィス25の途中に外部ガスを導入するようにしたので、オリフィス25内の限られた狭い空間の中で、しかもオリフィス25内で高められた流速によって、外部ガスとビールとの撹拌が促進され、ビール中への外部ガスの溶解がより一層促進されることになる。理想的には、泡内の気体と外部ガスとが均一組成になることが期待される。
このようにビール中への外部ガスの溶解が促進されることにより、オリフィス25を通過して圧力解放された際に形成される泡の中に、少なくとも窒素を含む外部ガスが多く存在することになり、泡の持続時間(泡持ち)をより一層長期化することができる。
次に、図3に示した上記実施形態によるタップ装置の一実施例として、特許文献1(特開2010−285209号公報)に記載された従来のタップに対して、図3に示した外部ガス導入手段を組み込んだ例について、図4及び図5を参照して説明する。
図4に示したように特許文献1に記載のタップ装置7は、切換レバー14を操作して弁部材30を図中右側に移動させることにより、弁部材30の周囲に隙間が形成され、この隙間を介して、加圧状態にある液体状のビールがタップ装置7の本体ケーシング36内に流入する。本体ケーシング36内に流入したビールは、液出口19を介して外部に放出され、ジョッキ等に注がれる。
そして、図4に示した状態から、図5に示したように切換レバー14を操作して、バネ部材26による付勢力に抗してスライダ27を図中左方向に移動させると、スライダ27に装着されたシール部材28が同時に移動して細孔29が閉止状態から開放される(図5は細孔29が開放された状態を示している)。
弁部材30の弁棒部31には、その軸線に沿って通孔32が形成されているので、この通孔32の入口端33(図中右側)から通孔32内に流入した加圧状態のビールが、通孔32の出口端34(図中左側)から細孔29内に流入する。
ここで、細孔29の径は通孔32の径よりも小さく設定されているので、細孔29における流路抵抗に起因して通孔32内のビールが加圧状態に維持される。即ち、通孔32は上述した第1室22(図3)に相当し、細孔29は上述したオリフィス25(図3)に相当し、細孔29とシール部材28の間に形成された環状空間35が第2室23(図3)に相当する。
図5に示した本実施例においては、タップ装置7の本体ケーシング36の壁と弁棒部31の厚肉壁とを貫通穿孔して、その中に外部ガス導入ライン10(図3)の一部を形成するガス導入管37が挿通されている。
そして、外部ガス導入ライン10のガス導入管37を介して、少なくとも窒素ガスを含む外部ガスが細孔29内に導入される。細孔29内に導入された外部ガスは、少なくともその一部がビールの中に溶け込む。
外部ガスが供給されたビールは、細孔29を通過して環状空間35に流入する際に圧力が解放され、この圧力解放によって液体が泡状化する。泡状となったビールは、環状空間35から泡出口20を介して外部に放出される。泡出口20の内部はほぼ大気圧となっており、環状空間35の内部は泡出口20の内部よりも僅かに高い圧力となっている。
細孔29内に導入する外部ガスの圧力は、低すぎると細孔29内のビールの圧力に負けてしまい、外部ガスを細孔29内に導入することができず、一方、高すぎるとビールの流れに逆らって逆流してしまったり、ビール泡のきめが粗くなったりしてしまう。
そこで、外部ガスの最適圧力を求めるために、圧力バランス及び泡のきめについて実験を行った。
(1)圧力バランス
・実験方法
i)室温25℃の試験室に瞬冷機を設置し、水通しできる状態にする。
ii)泡出し操作を行いながら、供給する外部ガス(空気で代表させる)の圧力を段階的に大きくする。
iii)タップの泡出口20から噴出してくる空気の噴出音を聞き分ける。
iv)噴出音が僅かに聞こえる程度の空気圧を「適」とする。
・結果
表1に示すように0.1〜0.15MPaが外部ガスの適切な圧力であると判断された。
Figure 0005955551
(2)泡のきめ
・実験方法
i)室温25℃の試験室に瞬冷機、一番搾り樽、グラスを用意する。
ii)対照区(空気追加なし)並びに試料区(空気追加あり)と共に、COカウンター圧0.25MPaのもとで、グラスの高さ70%まで液を注出する。
iii)対照区は通常通り泡付け(泡出し)し、試料区では空気圧0.1並びに0.15MPaで、空気を使用してグラスのふちまで泡付けする。
iv)泡のきめを目視で評価する。
・結果
表2に示したように、空気(外部ガス)の圧力は0.1MPaが適切であった。
Figure 0005955551
次に、本実施例によるタップ装置を使用した場合の泡持ちの改善効果について実験を行った。
・実験方法
i)室温25℃の試験室に瞬冷機、一番搾り樽、グラスを用意する。
ii)対照区(空気追加なし)並びに試料区(空気追加あり)と共に、COカウンター圧0.25MPaのもとで、グラスの高さ70%まで液を注出する。
iii)対照区は通常通り泡付け(泡出し)し、試料区では外部ガス圧0.1MPaで、混合ガス(CO:N=30:70)並びに空気を使用して、グラスのふちまで泡付けする。
iv)泡付け後、1分経過後と3分経過後で泡高さを比較する(1分経過後と3分経過後とで泡高さに変化がなければ「100%」、泡高さが半分になっていれば「50%」と評価する)。
・結果
表3に示したように、泡持ちは、対照(外部ガスなしで泡付け)において37%であったのに対し、試料(空気・混合ガス・窒素ガス)では、63〜64%と有意な改善効果が認められた。
Figure 0005955551
1 飲料ディスペンサー
2 ビール樽(貯蔵タンク)
3 炭酸ガスボンベ
4 ディスペンスヘッド
5 注入口
6 供給ライン
7 タップ装置
8 冷却器
9 コンプレッサー
10 外部ガス供給ライン(外部ガス導入手段)
11 ガスボンベ
12 圧力調整弁
13 モード切換機構
14 切換レバー
15 流路切換手段
16 液注出側流路(液注出機構)
17 泡生成側流路
18、36 タップ装置の本体ケーシング
19 液出口
20 泡出口
21 泡生成機構
22 第1室
23 第2室
24 隔離壁
25 オリフィス(連絡流路)
26 バネ部材
27 スライダ
28 シール部材
29 細孔(連絡流路)
30 弁部材
31 弁棒部
32 通孔(第1室)
33 通孔の入口端
34 通孔の出口端
35 環状空間(第2室)
37 外部ガス導入ラインの一部をなすガス導入管
40 ジョッキ

Claims (12)

  1. 穀類分解物を含有する発泡性飲料を泡状にして供給するための泡生成機構であって、
    液体状の前記発泡性飲料が加圧状態にて内部を流れる第1流路と、前記第1流路からの前記発泡性飲料が泡状となって内部を流れる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路とを連通する連絡流路であって、前記発泡性飲料がその内部を流れる際に前記第1流路内の圧力が前記第2流路内の圧力よりも高くなるように流路抵抗を付与する連絡流路と、を有する流路と、
    前記第1流路内に導入された後、前記第2流路内に導入される前の加圧状態にある前記発泡性飲料の中に少なくとも窒素ガスを含む外部ガスを導入するように構成されている外部ガス導入手段と、を備え、
    前記外部ガスが導入された加圧状態にある前記発泡性飲料の圧力を解放して泡状にする、泡生成機構。
  2. 前記外部ガス導入手段は、前記第1流路の途中に前記外部ガスを導入するように構成されている、請求項記載の泡生成機構。
  3. 前記外部ガス導入手段は、前記連絡流路の途中に前記外部ガスを導入するように構成されている、請求項記載の泡生成機構。
  4. 前記連絡流路は、前記第1流路と前記第2流路とを分離する隔離壁に形成されたオリフィスを含む、請求項乃至のいずれか一項に記載の泡生成機構。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の泡生成機構と、
    前記泡生成機構で生成された前記発泡性飲料の泡を容器に注出するための泡出口と、を備えたタップ装置。
  6. 前記発泡性飲料を液状のままで供給するための液注出機構と、
    前記液注出機構を流れる液状の前記発泡性飲料を容器に注出するための液出口と、をさらに備えた、請求項に記載のタップ装置。
  7. 請求項又はに記載のタップ装置と、
    前記タップ装置に前記発泡性飲料を供給するための供給ラインと、
    前記供給ラインの中を通る前記発泡性飲料を冷却するための冷却器と、を備えた飲料ディスペンサー。
  8. 穀類分解物を含有する発泡性飲料を泡状化する泡生成方法において、
    液体状の前記発泡性飲料が加圧状態にて内部を流れる第1流路と、前記第1流路からの前記発泡性飲料が泡状となって内部を流れる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路とを連通する連絡流路であって、前記発泡性飲料がその内部を流れる際に前記第1流路内の圧力が前記第2流路内の圧力よりも高くなるように流路抵抗を付与する連絡流路と、を有する流路の内部に前記発泡性飲料を加圧状態にて導入する飲料導入工程と、
    前記第1流路内に導入された後、前記第2流路内に導入される前の加圧状態にある前記発泡性飲料の中に少なくとも窒素ガスを含む外部ガスを導入するガス導入工程と、
    前記外部ガスが導入された加圧状態にある前記発泡性飲料の圧力を解放して泡状にする泡状化工程と、を備えた泡生成方法。
  9. 前記ガス導入工程において、前記第1流路の途中に前記外部ガスを導入する、請求項記載の泡生成方法。
  10. 前記ガス導入工程において、前記連絡流路の途中に前記外部ガスを導入する、請求項記載の泡生成方法。
  11. 請求項記載のタップ装置の前記泡生成機構により生成した泡を、当該タップ装置を操作することにより、容器内の穀類分解物を含有する発泡性飲料の液面に前記泡出口から注出する泡注出工程を備えた発泡性飲料の製造方法。
  12. 請求項記載のタップ装置の前記液注出機構を流れる穀類分解物を含有する液状の発泡性飲料を、当該タップ装置を操作することにより、前記液出口から容器に注出する液注出工程と、
    前記タップ装置の前記泡生成機構により生成した泡を、当該タップ装置を操作することにより、前記液注出工程において注出された前記容器内の前記発泡性飲料の液面に前記泡を注出する泡注出工程と、を備えた発泡性飲料の製造方法。
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