以下、本発明のスイッチング電源装置の第一実施形態について、図1〜図13に基づいて説明する。第一実施形態のスイッチング電源装置10は、ハーフブリッジ電流共振型のスイッチング電源装置であり、図1に示すように、入力電源12が接続される一対の入力端14a,14bの間に第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)の直列回路が接続されている。ハイサイド側の第一主スイッチング素子16(1)は、例えばNチャネルのMOS型FETであり、ソースからドレインの向きに電流を流す寄生ダイオード17(1)a、ドレイン・ソース間に存在する寄生コンデンサ17(1)bを有している。ローサイド側の第二主スイッチング素子16(2)もNチャネルのMOS型FETであり、上記と同様に、寄生ダイオード17(2)a、寄生コンデンサ17(2)bを有している。
第二主スイッチング素子16(2)の両端には、主トランス18の入力巻線18a、共振用インダクタ20及び共振用コンデンサ22の直列回路が接続されている。ここでは、共振用インダクタ20は、独立したインダクタ素子として設けてあるが、主トランス18のリケージインダクタで代用することもできる。
主トランス18の出力巻線18bには2つの整流素子24と1つの平滑コンデンサ26とが接続され、いわゆるセンタタップ型の整流平滑回路が設けられている。
以上のように構成された電力変換部は、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)が互いに逆位相でオンオフし、主トランス18の出力巻線18bに交流電圧を発生させ、出力巻線18bに発生する交流電圧を整流平滑することによって出力電圧Voを生成し、負荷28に出力電流Ioを供給する。
ここで、2つの主スイッチング素子は、ハイサイド側を第一主スイッチング素子、ローサイド側を第二主スイッチング素子と称しているが、ローサイド側を第一主スイッチング素子としてもよい。主トランス18の入力巻線18a、共振用インダクタ20及び共振用コンデンサ22の直列回路は、ハイサイド側の主スイッチング素子の両端に接続されているが、ローサイド側の主スイッチング素子の両端に接続しても構わない。整流素子24はダイオードであるが、同期整流用のMOS型FETに置き換えてもよい。出力巻線18b及び整流平滑回路がセンタタップ型の構成になっているが、ブリッジ整流型の構成にしてもよい。
出力電圧Voを安定化するための制御部は、誤差増幅回路30、周波数変調回路32、スイッチング電圧監視回路34、モード選択回路36、及び駆動回路38で構成されている。
誤差増幅回路30は、出力電圧Voと目標電圧Vrの差を増幅し、制御信号Ieを出力する。ここでは、オペアンプ等を用いた非反転増幅回路30aと信号絶縁用のフォトカプラ30bとで構成されている。制御信号Ieは、フォトカプラ30bの出力電流である。制御信号Ieは、出力電圧Voを目標電圧Vrに近づける方向に増減し、例えば出力電圧Voが目標値Vrよりも高くなると増加し、目標値Vrよりも低くなると減少する。非反転増幅回路30aは、一巡制御系の発振を防止するため、負帰還用のコンデンサが設けられており、出力電圧Voが変化してから制御信号Ieが変化するまで、一定の応答遅れが発生する。
ここで、制御信号Ieと出力電流Ioの関係について説明する。一般に、ハーフブリッジ電流共振型のスイッチング電源装置は、スイッチング周波数Fswを固定して出力電流Ioを変化させた場合、出力電圧Voと出力電流Ioがほぼ反比例の関係となり、出力電流Ioが小さくなると出力電圧Voが上昇し、出力電流Ioが大きくなると出力電圧Voが低下する。したがって、スイッチング電源装置10の制御信号Ieは、出力電圧Voと目標電圧Vrとの差を増幅した信号なので出力電流Ioとほぼ反比例の関係になり、制御信号Ieを観測することによって出力電流Ioを間接的に検出することができる。
周波数変調回路32は、制御信号Ieを所定の変調条件αに基づいて周波数変調することにより、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)のスイッチング周波数Fswを決定し、その情報を信号化した周波数信号を出力する。変調条件αは連続関数として表わすことができ、図2(a)のグラフに示すように、制御信号Ieが増加するとスイッチング周波数Fswを増加させる周波数変調を行う。周波数信号は、ここでは基準パルスVfであり、スイッチング周波数Fswの2倍の周波数Fでハイレベルとローレベルを繰り返すパルス電圧である。
基準パルスVfを出力する周波数変調回路32は、例えば図2(b)に示すように、タイマコンデンサ40等を用いて構成することができる。タイマコンデンサ40には、タイマコンデンサ40に充電電流J1を流すための充電回路42とタイマコンデンサ40から放電電流J2を流出させるための放電回路44とが接続されている。充電と放電は充放電切り替え回路によって切り替えられ、充放電切り替え回路は、充放電切り替え用のスイッチ48、第一の閾値Vaを出力する電圧源50a、及び第二の閾値Vb(<Va)を出力する電圧源50b、閾値切り替え用のスイッチ52で構成されている。さらに、基準パルスVfを生成するためのパルス出力回路である比較器54が設けられ、反転入力端子にタイマコンデンサが接続され、非反転入力端子に電圧源50a,50bが接続されている。電圧源50a,50bの切り替えはスイッチ52で行われ、スイッチ52は、スイッチ48が充電回路42をオンにしているとき電圧源50aをオンにし、スイッチ48が放電回路44をオンにしているとき電圧源50bをオンにする。
周波数変調回路32は、次のように動作する。スイッチ48が充電回路42をオンにすると、図2(c)のように、タイマコンデンサ40に発生する電圧V(-)が上昇し、第一の閾値Vaに達すると、スイッチ48が放電回路44をオンにしてタイマコンデンサ40を放電させる。その後、電圧V(-)が第二の閾値Vb(<Va)まで低下すると、スイッチ48が充電回路42をオンにしてタイマコンデンサを充電させる。比較器54の出力は、充電と放電が切り替わるタイミングでハイレベルとローレベルが反転し、周波数F(=2・Fsw)の基準パルスVfが生成される。この周波数Fが、スイッチング周波数Fswを指定する情報となる。
図2(a)に示す変調条件αは、制御信号Ieの変化に応じて周波数Fを連続的に変化させることによって実現する。その方法として、表1に示すような複数の方法が考えられる。
例えば、方法(A3)を実施する具体的な回路として、図3に示す周波数変調回路32aが考えられる。周波数変調回路32aは、複数のPNPトランジスタ等で構成された第一のカレントミラー56と、複数のNPNトランジスタ等で構成された第二のカレントミラー60とを有し、前者が直流電源58側に設けられ、後者がグランド側に設けられている。第一のカレントミラー56は、入力側から制御信号Ieが引き出され、それに伴って、出力側から制御信号Ieにほぼ比例した電流(2・k・Ie)が流れ出る。第二のカレントミラー60は、入力側に制御信号Ieが流し込まれ、それに伴って、出力側から制御信号Ieにほぼ比例した電流(k・Ie)を引き込む。第一のカレントミラー56は、図2(b)に示す充電回路42の働きをし、第二のカレントミラー60は放電回路44の働きをする。
比較器54の反転入力端子にはタイマコンデンサ40が接続され、非反転入力端子には、3つの抵抗62,64,66が接続されている。抵抗62,64は、直流電源58とグランドとの間に直列接続されると共に中点が非反転入力端子に接続され、抵抗66は、比較器54の出力と非反転入力端子との間に接続されている。したがって、比較器54の出力がハイレベルのとき、抵抗66は、抵抗62,64の中点の電圧を高くする方向にバイアスし、非反転入力端子の電圧V(+)が第一の閾値Vaとなる。一方、比較器54の出力がローレベルのときは、抵抗66は、抵抗62,64の中点の電圧を低くする方向にバイアスし、非反転入力端子の電圧V(+)が第二の閾値Vb(<Va)となる。このように、直流電源58と3つの抵抗62,64,66は、図2(b)に示す電圧源50a,50b、及びスイッチ52の働きをする。
第一のカレントミラー56の出力には、第一及び第二のダイオード68,70が設けられ、第一のダイオード68は、アノードが第一のカレントミラー56の出力に、カソードがタイマコンデンサ40にそれぞれ接続されている。一方、第の二ダイオード70は、アノードが第一のカレントミラー56の出力に、カソードは、比較器54の出力に接続されている。第二のカレントミラー60の出力は、タイマコンデンサ40に接続されている。
比較器54の出力がハイレベルのとき、第二のダイオード70が非導通となり、第一のダイオード68に、第一のカレントミラー56の出力側から流出する電流(2・k・Ie)が流れる。ここで、kは一定の係数である。この電流(2・k・Ie)のうち、約半分の電流(k・Ie)は第二のカレントミラー60の出力側に引き込まれ、残り半分の電流(k・Ie)が充電電流J1としてタイマコンデンサ40に流れ込む。比較器54の出力がローレベルのとき、第二のダイオード70が導通し、第一のカレントミラー56の出力側から流出する電流(2・k・Ie)が流れる。第一のダイオード68は非導通となり、第二のカレントミラー60の出力側に引き込まれる電流(k・Ie)が放電電流J2としてタイマコンデンサ40から流れ出す。このように、第一及び第二ダイオード68,70は、充放電切り替え用のスイッチ48の働きをする。
比較器54の出力は、充電と放電が切り替わるタイミングでハイレベルとローレベルが反転し、周波数Fの基準パルスVfが発生する。
周波数変調回路32aの場合、充電及び放電電流J1,J2と制御信号Ieとの関係が「J1=J2=k・Ie」となるので、基準パルスVfは、周波数Fが制御信号Ieにほぼ比例し、ハイレベルの時比率は約0.5に固定される。
スイッチング電圧監視回路34は、第一主スイッチング素子16(1)のオフ時の両端電圧Vd1又はこれに相当する電圧と、第二主スイッチング素子16(2)のオフ時の両端電圧Vd2又はこれに相当する電圧とを監視し、電圧Vd1が電圧値Vs以下に低下したことを検出すると第一タイミング信号Vt1を出力し、電圧Vd2が電圧値Vs以下に低下したことを検出すると第二タイミング信号Vt2を出力する回路である。
スイッチング電圧監視回路34の具体的な回路として、例えば図4に示すスイッチング電圧監視回路34aが考えられる。スイッチング電圧監視回路34aは、第二主スイッチング素子16(2)の両端電圧Vd2を電圧値(Vi−Vs)と比較する第一比較回路72と、電圧Vd2を電圧値Vsと比較する第二比較回路74とで構成されている。第二比較回路74は、第二主スイッチング素子16(1)の両端電圧Vd2を直接監視して、電圧値Vs以下に低下したタイミングで短時間ローレベルとなる第二タイミング信号Vt2を出力する。第一比較回路72は、電圧Vd2を監視することにより、第一主スイッチング素子16(1)の両端電圧Vd1を間接的に監視する。電圧Vd1と電圧Vd2を合計すると、常に入力電圧Viと等しくなることから、電圧Vd2が上昇して電圧値(Vi−Vs)以上になると、電圧Vd1が電圧値Vs以下に低下したと言える。第一比較回路72は、電圧Vd1が電圧値Vs以下に低下したタイミングで短時間ハイレベルとなる第一タイミング信号Vt1を出力する
モード選択回路36は、制御信号Ieの変化を出力電流Ioの変化とみなして動作し、出力電流Ioの変化に応じて第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)の動作モードを選択し、その情報を信号化した動作モード信号を出力する回路である。動作モードは2種類あり、通常動作モードとスキップ動作モードのどちらか一方が選択される。
通常動作モードは、第一主スイッチング素子16(1)がオンからオフに転じた後、オフを継続している第二主スイッチング素子16(2)が、電圧Vd2が最初に電圧値Vs以下に低下したタイミングでオンに転じ、さらに所定時間経過後にオフに転じ、その後、オフを継続している第一主スイッチング素子16(1)が、電圧Vd1が最初に電圧値Vs以下に低下したタイミングでオンに転じ、さらに所定時間経過後にオフに転じる動作を繰り返す動作モードである。モード選択回路36は、制御信号Ieを受け、出力電流Ioが所定の電流基準値よりも大きいと判断すると、通常動作モードを指定する動作モード信号を出力する。
一方、スキップ動作モードは、第一主スイッチング素子16(1)がオンからオフに転じた後、オフを継続している第二主スイッチング素子16(2)が、電圧Vd2がn回目(nは2以上の自然数)に電圧値Vs以下に低下したタイミングでオンに転じ、さらに所定時間経過後にオフに転じ、その後、オフを継続している第一主スイッチング素子16(1)が、電圧Vd1がn回目(nは2以上の自然数)に電圧値Vs以下に低下したタイミングでオンに転じ、さらに所定時間経過後にオフに転じる動作を繰り返す動作モードである。モード選択回路36は、制御信号Ieを受け、出力電流Ioが所定の電流基準値よりも小さいと判断すると、スキップ動作モードを指定する動作モード信号を出力する。
通常動作モード、スキップ動作モードの違いは、図9(a),(b)の動作波形を見ると理解しやすい。後で詳しく説明する。
モード選択回路36の具体的な回路として、例えば図5に示すモード選択回路36aが考えられる。モード選択回路36aは、比較器76、比較器76の反転入力端子を直流電源58にプルアップする抵抗78、比較器76の非反転入力端子とグランドとの間に接続された抵抗80と電圧源82の直列回路、及び比較器76の出力と非反転入力端子との間に接続された抵抗84で構成されている。制御信号Ieは抵抗78に入力され、制御信号Ieが大きくなると抵抗78の電圧降下が大きくなり、反転入力端子の電圧V(-)が低下する。
制御信号Ieが小さいとき、比較器76の出力はローレベルであり、非反転入力端子の電圧V(+)は、抵抗84からのバイアスがないので相対的に低い電圧Vk1になっている。制御信号Ieが増加すると電圧V(-)が低下する。そして、制御信号IeがIe1を超えると電圧V(-)が電圧V(+)以下になって、比較器76の出力がハイレベルに転じると共に、非反転入力端子の電圧V(+)が、抵抗84からのバイアスを受けて相対的に高い電圧Vk2に切り替わる。その後、制御信号Ieが減少すると電圧V(-)が上昇する。そして、制御信号IeがIe2(<Ie1)未満になると電圧V(-)が電圧V(+)以上になって、比較器76の出力がローレベル転じると共に、非反転入力端子の電圧V(+)が、抵抗84からのバイアスがなくなって相対的に低い電圧Vk1に切り替わる。比較器76が出力するのは、ハイレベル又はローレベルの動作モード信号Vmであり、ローレベルが通常動作モードを、ハイレベルはスキップ動作モード(ここではn=2)をそれぞれ指定する。
モード選択回路32aは、上記のように、制御信号Ieの変化を出力電流Ioの変化とみなして動作し、上記の制御信号Ieの値Ie1,Ie2が、出力電流Ioの第一及び第二電流基準値Io1,Io2に対応する。すなわち、出力電流Ioが小さくなって第一電流基準値Io1未満になると、動作モード信号Vmが通常動作モードからスキップ動作モードに切り替わり、その後、出力電流Ioが大きくなって第二電流基準値Io2(>Io1)以上になると、動作モード信号Vmがスキップ動作モードから通常動作モードに切り替わる。また、第一及び第二電流基準値Io1,Io2の大小関係をIo1<Io2として、動作モードを選択する特性にヒステリシスを持たせている点にも特徴がある。
駆動回路38は、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)を互いに逆位相にオンオフさせる回路である。第一主スイッチング素子16(1)については、基準パルスVfの2周期分に対応する周期T(1)でオフさせ、周期T(1)毎に、第一タイミング信号Vt1及び動作モード信号Vmに対応するタイミングでオンさせる。第二主スイッチング素子16(2)については、第一主スイッチング素子16(1)がオフする周期T(1)と位相が180度ずれた周期T(2)でオフさせ、周期T(2)毎に、第二タイミング信号Vt2及び動作モード信号Vmに対応するタイミングでオンさせる。
駆動回路38の具体的な回路として、例えば図6に示す駆動回路38aが考えられる。駆動回路38aは、ワンショット回路86、オンタイミング信号生成回路88、T型フリッププロップ90、ナンド回路92、アンド回路94,96、及びハイサイドドライバ98で構成されている。
ワンショット回路86は、基準パルスVfを微分した電圧を出力する微分回路86aと、その出力を反転してオフタイミング信号Vftを出力する反転回路86bとを備えている。微分回路86aはコンデンサ及び抵抗で成るハイパスフィルタであり、微分出力は、基準パルスVfがハイレベルに転じるタイミングで瞬時にハイレベルとなり、その後、微分回路86aの時定数により電圧が低下してローレベルに戻る。反転回路86bは、ベースに微分回路86aの出力が接続され、コレクタが抵抗を介して直流電源58にプルアップされたトランジスタを有し、コレクタからオフタイミング信号Vftを出力する。トランジスタは、微分出力がオン閾値に達しているときにオンする。
基準パルスVfがハイレベルに転じる周期は1/F(周波数Fの逆数)なので、オフタイミング信号Vftは、周期1/Fごとに短時間ローレベルとなるタイミングパルスとなる。このローレベルとなる時間がオン時間基準値tkであり、微分回路86aの時定数によって調節することができる。
オンタイミング信号生成回路88は、動作モード信号Vm、第一タイミング信号Vt1、第二タイミング信号Vt1、及びオフタイミング信号Vftに基づいて、オンタイミング信号Vt12を生成する。オンタイミング信号Vt12は、オフタイミング信号Vftがローレベルの期間中にハイレベルに転じ、第一タイミング信号Vt1がハイレベルに転じるタイミングであって、動作モード信号Vmの指定に対応したタイミングで、ローレベルに転じる。その後、オンタイミング信号Vt12は、オフタイミング信号Vftがローレベルの期間中にハイレベルに転じ、第二タイミング信号Vt2がローレベルに転じるタイミングであって、動作モード信号Vmの指定に対応したタイミングで、ローレベルに転じる。その後、オフタイミング信号Vftがローレベルの期間中にハイレベルに転じ、上記の動作を繰り返す。
オフタイミング信号Vftは、周波数F(周期1/F)でハイレベルとローレベルを繰り返すパルス電圧であり、ハイレベルに転じるタイミングが、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)のオフタイミングを指定する情報となる。
T型フリップフロップ90は、T端子にオフタイミング信号Vftが入力される。ナンド回路92の入力端子には、オフタイミング信号Vft及びオンタイミング信号Vt12が入力される。アンド回路94は、T型フリップフロップのQ端子の出力信号及びナンド回路92の出力信号が入力され、第一主スイッチング素子16(1)の駆動パルスVg1を出力する。駆動パルスVg1は、ハイサイドドライバ98を通じて第一主スイッチング素子16(1)のゲート・ソース間に伝送される。アンド回路96は、T型フリップフロップのQバー端子の出力信号及びナンド回路92の出力信号が入力され、第二主スイッチング素子16(2)の駆動パルスVg2を出力する。駆動パルスVg2は、第二主スイッチング素子16(2)のゲート・ソース間に直接伝送される。
T型フリップフロップ90、ナンド回路92及びアンド回路94,96の動作、すなわちオフタイミング信号Vftとオンタイミング信号Vt12を受けて駆動パルスVg1,Vg2を発生させる動作は、図7のように表わされる。
図7(a)は、オフタイミング信号Vftがローレベルに転じるよりも前に、オンタイミング信号Vt12がローレベルに転じる場合の動作を示している。この場合、駆動パルスVg1の周期T(1)は、オフタイミング信号Vftがハイレベルに転じた時に開始し、その後2回目にハイレベルに転じた時に終了する。周期T(1)の中で駆動パルスVg1がハイレベルになるのは、周期T(1)が始まった後、オンタイミング信号Vt12が2回目にローレベルに転じた時から、周期T(1)が終了するまでである。したがって、駆動パルスVg1がハイレベルになる時間ton(1)は、オン基準時間tk以上の範囲で変化する。
また、駆動パルスVg2の周期T(2)は、周期T(1)の開始後、オフタイミング信号Vftが次にハイレベルに転じた時に開始し、その後2回目にハイレベルに転じた時に終了する。周期T(2)の中で駆動パルスVg2がハイレベルになるのは、周期T(2)が始まった後、オンタイミング信号Vt12が2回目にローレベルに転じた時から、周期T(2)が終了するまでである。したがって、駆動パルスVg2がハイレベルとなる時間ton(2)は時間ton(1)と等しくなり、オン基準時間tk以上の範囲で変化する。
図7(b)は、オフタイミング信号Vftがローレベルに転じた後に、オンタイミング信号Vt12がローレベルに転じる場合の動作を示している。この場合、駆動パルスVg1の周期T(1)は、図7(a)と同様に、オフタイミング信号Vftがハイレベルに転じた時に開始し、その後2回目にハイレベルに転じた時に終了する。周期T(1)の中で駆動パルスVg1がハイレベルになるのは、周期T(1)が始まった後、オフタイミング信号Vftが2回目にローレベルに転じる時から、周期T(1)が終了するまでである。したがって、駆動パルスVg1がハイレベルになる時間ton(1)は、オンタイミング信号Vt12によらず、オン基準時間tkとなる。
また、駆動パルスVg2の周期T(2)は、図7(a)と同様に、周期T(2)の開始後、オフタイミング信号Vftが次にハイレベルに転じた時に開始し、その後2回目にハイレベルに転じた時に終了する。周期T(2)の中で駆動パルスVg2がハイレベルになるのは、周期T(2)が始まった後、オフタイミング信号Vftが2回目にローレベルに転じた時から、周期T(2)が終了するまでである。したがって、駆動パルスVg2がハイレベルになる時間ton(2)は時間ton(1)と等しくなり、オンタイミング信号Vt12によらず、オン基準時間tkとなる。
このように、駆動回路38aが出力する駆動パルスVg1,Vg2は、周波数Fswが基準パルスVfの周波数Fの1/2であり、ハイレベルの時間ton(1),ton(2)がオン時間基準値tk以上の範囲で変化する。すなわち、駆動パルスVg1,Vg2には、最小パルス幅tkが設定されている。
次に、スイッチング電源装置10の動作について、図8に基づいて説明する。図8のグラフは、出力電流Ioとスイッチング周波数Fswとの関係、及び出力電流Ioと制御信号Ieとの関係を示しており、いずれも出力電圧Voが安定化制御されて目標電圧Vrに保持されていることを条件としている。
まず、出力電流Io=Imax(<Io1,Io2)のとき、モード選択回路36aは、通常動作モードを選択している。出力電流IoがImaxから徐々に小さくなると、誤差増幅回路30が出力する制御信号Ieが徐々に大きくなり、周波数変調回路32aが出力する基準パルスVfの周波数Fが徐々に高くなり、その結果、駆動パルスVg1,Vg2の周波数であるスイッチング周波数Fswが高くなる。
動作点Aは通常動作モードであり、各部の動作波形は、図9(a)のように表わされる。ここで、図9(a)の電流I(D1)は、寄生ダイオード17(1)aに流れる電流、電流I(D2)は寄生ダイオード17(2)aに流れる電流である。駆動回路38aは、基準パルスVfを受けて生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第一主スイッチング素子16(1)をオフさせ、周期T(1)を開始させる。その後、周期T(1)の前からオフを継続している第二主スイッチング素子16(2)の電圧Vd2が低下し、電圧Vd2が「最初」に電圧値Vs以下に低下したタイミングで第二タイミング信号Vt2が出力されると、駆動回路38aが第二主スイッチング素子16(2)をオンさせる。この「最初」というのが通常動作モードの特徴である。
電圧値Vsは入力電圧Viよりも十分小さい値に設定されているので、第二主スイッチング素子16(2)のオンは、ほぼゼロボルトスイッチングとなる。なお、駆動回路38aが第二タイミング信号Vt2を受けた後、第二主スイッチング素子16(2)がオンするまでの間に、時間遅れを積極的に設けてもよい。電圧Vd2がゼロボルトに達すると、寄生ダイオード17(2)aが導通して電圧Vd2がほぼゼロボルトに保持されるので、このゼロボルトの期間中に第二主スイッチング素子16(2)をオンさせるようにすれば、より確実なゼロボルトスイッチングが実現できるからである。
さらに所定時間経過後、駆動回路38aは、基準パルスVfから生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第二主スイッチング素子16(2)をオフさせ、周期T(2)を開始させる。その後、周期T(2)の前からオフを継続している第一主スイッチング素子16(1)の電圧Vd1が低下し、電圧Vd1が「最初」に電圧値Vs以下に低下したタイミングで第一タイミング信号Vt1が出力されると、駆動回路38aが第一主スイッチング素子16(1)をオンさせる。また、第一主スイッチング素子16(1)のオンも、第二主スイッチング素子16(2)と同様に、ゼロボルトスイッチングとなる。
さらに所定時間経過後、駆動回路38aは、基準パルスVfから生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第一主スイッチング素子16(1)をオフさせ、次の周期T(1)を開始させる。これ以降は、上記の動作を繰り返す。
図8に戻って、出力電流Ioが動作点Aよりもさらに小さくなり、誤差増幅回路30の制御信号IeがIe1に達すると、モード選択回路36aは、出力電流Ioが第一電流基準値Io1になったと判断し、通常動作モードに代えてスキップ動作モードを選択する。スキップ動作モードになると、トランス18に電流が流れない期間(いわゆる電流不連続の期間。詳しくは後で説明する。)が生じる関係で、出力電圧Voを安定化するためには、スイッチング周波数Fswを通常動作モードよりも低くしなければならない。すなわち、図8(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に低下させる制御(階段状に低下させる制御)が必要になる。
動作モードが通常動作モードからスキップ動作モードに切り替わるとき、各部の動作波形は図10のように表わされる。出力電流Ioが大きいときは、モード選択回路36aの比較器76の非反転端子の電圧V(+)はVk1であり、制御信号Ieが小さいので反転入力端子の電圧V(-)の方が高く、出力端子に発生する動作モード信号Vmがローレベルとなり、通常動作モードを指定している。
この状態から出力電流Ioが緩やかに小さくなり、制御信号IeがIe1に達すると、比較器76の電圧V(-)が電圧Vk1となり、動作モード信号Vmがハイレベルに転じるので、駆動回路38aが動作モードをスキップ動作モードに切り替える。すると、出力電圧Voを目標電圧Vrに保持するにはスイッチング周波数Fswが高すぎるので、出力電圧Voが低下し始め、誤差増幅回路30の非反転増幅回路30aが応答して制御信号Ieが減少し始める。そして、制御信号Ieが小さくなると、周波数変調回路32aが出力する基準パルスVfの周波数Fが低くなり、スイッチング周波数Fswも低くなって出力電圧Voが速やかに上昇し、目標電圧Vrに戻る。
ここで、制御信号IeがIe1よりも小さくなると、比較器76の反転入力端子の電圧V(-)が再び上昇して電圧Vk1よりも高くなるので、動作モード信号Vmのハイレベルを維持できるかどうかが問題になる。モード選択回路36aは、動作モードを選択する特性にヒステリシスを有しており、非反転入力端子の電圧V(+)がVk2(>Vk1)に切り替わるので、電圧V(-)が再び上昇してもV(+)>V(-)の関係が保持され、動作モード信号Vmがハイレベルを維持し、スキップ動作モードが安定に継続される。したがって、通常動作モードからスキップ動作モードへの切り替えがスムーズに行われる。
図8の動作点Bはスキップ動作モードであり、各部の動作波形は、図9(b)のように表わされる。駆動回路38aは、基準パルスVfから生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第一主スイッチング素子16(1)をオフさせ、周期T(1)を開始させる。その後、周期T(1)の前からオフを継続している第二主スイッチング素子16(2)の電圧Vd2が低下し、電圧Vd2が「2回目」に電圧値Vs以下に低下したタイミングで第二タイミング信号Vt2が出力されると、駆動回路38aが第二主スイッチング素子16(2)をオンさせる。この「2回目」というのがスキップ動作モードの特徴である。
周期T(1)が開始して第二主スイッチング素子16(2)がオンするまでの期間は、寄生ダイオード17(2)aに電流が流れた後、いわゆる電流不連続の期間(トランスに電流が流れない期間)となる。電流不連続の期間は、共振インダクタ20、共振コンデンサ20及び寄生コンデンサ17(1)b,17(2)b等の共振動作により、電圧Vd1,Vd2が正弦波状に昇降するが、主トランス18は入力電力を出力電力に変換する動作を行わない。したがって、動作点Bの周期T(1)は、電力変換動作に関係しない電流不連続の期間が追加されることにより、動作点Aの周期T(1)よりも長くなる。また、第二主スイッチング素子16(2)のオンは、公知の擬似共振型のソフトスイッチングとなり、ゼロボルトスイッチングとほぼ同様の効果が得られる。
さらに所定時間経過後、駆動回路38aは、基準パルスVfから生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第二主スイッチング素子16(2)をオフさせ、周期T(2)を開始させる。その後、周期T(2)の前からオフを継続している第一主スイッチング素子16(1)の電圧Vd1が低下し、電圧Vd1が「2回目」に電圧値Vs以下に低下したタイミングで第一タイミング信号Vt1が出力されると、駆動回路38aが第一主スイッチング素子16(1)をオンさせる。
周期T(2)が開始して第一主スイッチング素子16(1)がオンするまでの期間は、寄生ダイオード17(1)aに電流が流れた後、いわゆる電流不連続の期間(トランスに電流が流れない期間)となる。電流不連続の期間は、上記と同様に、共振インダクタ20、共振コンデンサ20、寄生コンデンサ17(1)b,17(2)b等の共振動作により、電圧Vd1,Vd2が正弦波状に昇降するが、主トランス18は入力電力を出力電力に変換する動作を行わない。したがって、動作点Bの周期T(2)は、電力変換動作に関係しない電流不連続の期間が追加されることにより、動作点Aの周期T(2)よりも長くなる。また、第一主スイッチング素子16(1)のオンも、第二主スイッチング素子16(2)と同様に、擬似共振型のソフトスイッチングとなる。
さらに所定時間経過後、駆動回路38aは、基準パルスVfから生成したオフタイミング信号Vftに基づいて第一主スイッチング素子16(1)をオフさせ、次の周期T(1)を開始させる。これ以降は、上記の動作を繰り返す。
図8に戻って、次に、動作点Bの状態から出力電流Ioが大きくなるときの動作を説明する。出力電流Ioが緩やかに大きくなって、制御信号IeがIe2に達すると、モード選択回路36aは、出力電流Ioが第二電流基準値Io2になったと判断し、スキップ動作モードに代えて通常動作モードを選択する。通常動作モードは、出力電圧Voを安定化するため、スイッチング周波数Fswをスキップ動作モードのときよりも高くしなければならず、図8(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に上昇させる制御(階段状に上昇させる制御)が必要になる。
動作モードがスキップ動作モードから通常動作モードに切り替わるとき、各部の動作波形は、図11のように表わされる。出力電流Ioが小さいとき、モード選択回路36aの比較器76の非反転端子の電圧V(+)はVk2であり、制御信号Ieが大きい関係で反転入力端子の電圧V(-)の方が低く、出力端子に発生する動作モード信号Vmがハイレベルとなり、スキップ動作モードを指定している。
その後、出力電流Ioが緩やかに大きくなって制御信号IeがIe2に達すると、比較器76の電圧V(-)が電圧Vk2となり、動作モード信号Vmがローレベルに転じるので、駆動回路38aが動作モードを通常動作モードに切り替える。すると、出力電圧Voを目標電圧Vrに保持するにはスイッチング周波数Fswが低すぎるので、出力電圧Voが上昇し始め、誤差増幅回路30の非反転増幅回路30aが応答して制御信号Ieが増加し始める。そして、制御信号Ieが大きくなると、周波数変調回路32aが出力する基準パルスVfの周波数Fが高くなり、スイッチング周波数Fswも高くなって出力電圧Voが速やかに低下し、目標電圧Vrに戻る。
ここで、制御信号IeがIe2よりも大きくなると、モード選択回路36aの比較器76の反転入力端子の電圧V(-)が再び低下して電圧Vk2よりも低くなるので、動作モード信号Vmのローレベルを維持できるかどうかが問題になる。モード選択回路36aは、動作モードを選択する特性にヒステリシスを有しており、非反転入力端子の電圧V(+)がVk1(<Vk2)に切り替わるので、電圧V(-)が再び低下してもV(+)<V(-)の関係が保持され、動作モード信号Vmがローレベルを維持し、通常動作モードが安定に継続される。したがって、スキップ動作モードから通常動作モードへの切り替えがスムーズに行われる。
以上説明したように、スイッチング電源装置10は、出力電流Ioが小さくなると、動作モードがスキップ動作モードに切り替わるので、スイッチング周波数Fswがさほど高くならず、主スイッチング素子16(1),16(2)や整流素子24等に発生するスイッチング損失を小さくすることができる。また、通常動作モードのときは、主スイッチング素子16(1),16(2)がゼロボルトスイッチングを行い、スキップ動作モードのときは、いわゆる擬似共振型のソフトスイッチングを行うので、大きなサージ電圧や電流が発生しない。
特許文献1の電力変換装置は、出力電流が小さくなると間欠動作モードになって出力リップルが増大するという問題があるが、スイッチング電源装置10は、スキップ動作モードになっても出力リップルは増大しない。また、スキップ動作モードから通常動作モードに移行する際に、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)がハードスイッチングするという問題も発生しない。
出力電圧Voの安定化制御に関して見ると、動作モード選択回路36aは、制御信号Ieの変化を出力電流Ioの変化とみなして動作するので、出力電流Io又はこれに相当する電流を検出するための電流検出回路を省略することができ、制御部の構成をシンプルにすることができる。また、出力電流Ioの大小に応じて通常動作モードとスキップ動作モードを切り替えることによって、出力電流Ioの変化幅(Imin〜Imax)に対するスイッチング周波数Fswの変化幅が小さくなるので、出力電流Ioの変化幅に対する制御信号Ieの変化幅を小さくすることができ、制御信号Ieを出力する誤差増幅回路30の設計が容易になる。例えば、出力電流IoがIminからImaxに急変したとき、制御信号Ieを大きく変化させなくても出力電圧Voを一定に保持できるので、誤差増幅回路に30に多少の応答遅れがあったとしても、出力電圧Voの動的変動を小さくすることができる。
なお、スイッチング電源装置10において、出力電流Ioの変化幅(Imin〜Imax)に対するスイッチング周波数Fswの変化幅をより小さくする方法として、図12に示すように、出力電流Ioの変化に応じて、3つの動作モード、すなわち通常動作モード、第一スキップ動作モード(n=2)及び第二スキップ動作モード(n=3)を設定する方法が考えられる。通常動作モード及び第一スキップ動作モードは、上記の通常動作モード及びスキップ動作モードと同じである。第二スキップ動作モードはn=3であり、第一スキップ動作モードのn=2よりも多い。出力電流Ioが小さくなって第三電流基準値Io3(<Io1)に達すると、第一スキップ動作モードを第二スキップ動作モードに切り替える。第二スキップ動作モードの動作点Cの動作波形は、図13のように表わされ、トランス18に電流が流れない期間(いわゆる電流不連続の期間)が第一スキップモードの動作点Bよりも長くなる。したがって、第一スキップ動作モードから第二スキップ動作モードに切り替わると、出力電圧Voを安定化するため、図12(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に低下させる制御(階段状に低下させる制御)を行う。その後、出力電流Ioが大きくなって第四電流基準値Io4(Io3<Io4<Io1)に達すると、第二スキップ動作モードを第一スキップ動作モードに切り替える。このときは、出力電圧Voを安定化するため、図12(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に上昇させる制御(階段状に上昇させる制御)を行う。このように、図12に示す動作を行うことで、出力電流Ioの変化幅(Imin〜Imax)に対するスイッチング周波数Fswの変化幅をより小さくすることができる。
駆動回路38aは、図6に示す独特の構成により、駆動パルスVg1,Vg2に最小パルス幅tkを設け、これによってスイッチング電源装置10を起動可能にしている点にも特徴がある。入力電源12を投入した直後は、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)が共にオフし、両端電圧Vd1,Vd2がVi/2(入力電圧の約半分)で一定になっており、第一及び第二タイミングパルスVt1,Vt2が出力されないので、駆動パルスVg1,Vg2を発生させるためのきっかけが必要になる。駆動回路38aは、ワンショット回路86が出力するオンタイミング信号Vftによって、駆動パルスVg1,Vg2に最小パルス幅tkが設定されており、第一及び第二タイミングパルスVt1,Vt2が出力されなくても短幅の駆動パルスVg1,Vg2が発生するので、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)を強制的にオンオフさせることができる。したがって、それ以降は、第一及び第二タイミングパルスVt1,Vt2が発生するので、問題なくスイッチング電源装置10を起動させることができる。
次に、本発明のスイッチング電源装置の第二実施形態について、図14〜図21に基づいて説明する。ここで、第一実施形態のスイッチング電源装置10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
上述したスイッチング電源装置10の場合、動作モードが切り替わる時、図10、図11に示すように、出力電圧Voに動的変動(アンダーシュート又はオーバーシュート)が発生する。この動的変動は、出力の平滑コンデンサ26の容量を大きくすれば小さくできるが、装置の大型化やコストアップを招くという問題がある。しかし、第二実施形態のスイッチング電源装置100は、スイッチング電源装置10の周波数変調回路32が新たな周波数変調回路102に置き換えられ、出力の平滑コンデンサ26の容量が小さくても、上記の動的変動が小さい。
周波数変調回路102は、制御信号Ieを所定の変調条件α又はβに基づいて変調することにより、第一及び第二主スイッチング素子16(1),16(2)のスイッチング周波数Fswを決定し、その情報を信号化した周波数信号を出力する。変調条件α,βは、互いに異なる連続関数として表わすことができ、図15(a)のグラフに示すように、それぞれ制御信号Ieが増加するとスイッチング周波数Fswを増加させる周波数変調を行う。変調条件α,βを比較すると、入力された制御信号Ieが同じ場合、変調出力であるスイッチング周波数Fswは、変調条件βの方が低い。変調条件α,βをそれぞれ実現する方法は、上記の表1に示すような複数の方法が考えられる。
周波数変調回路102は、動作モード信号Vmに基づいて、変調条件α,βのどちらか一方を選択する。動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときは変調条件αを選択し、スキップ動作モードを指定しているときは変調条件βを選択する。動作モード信号Vmが切り替わると、選択を素早く切り替える。
図15(b)に示す周波数変調回路102の構成は、上記の周波数変調回路32とほぼ同様であるが、動作モード信号Vmに応じて回路素子の特性を変更することによって、変調条件α,βを相互に切り替えるという特徴がある。変調条件α,βを切り替える方法として、表2に示すような複数の方法が考えられる。
例えば、表2の方法(B5)と表1の方法(A1)とを組み合わせて実施する具体的な回路として、図16に示す周波数変調回路102aが考えられる。周波数変調回路102aは、複数のPNPトランジスタ等で構成された第一のカレントミラー56を有し、これが直流電源58に接続されている。第一のカレントミラー56は、入力側から制御信号Ieが引き出され、それに伴って、出力側から制御信号Ieにほぼ比例した電流J1(=k・Ie)が流れ出る。第一のカレントミラー56は、出力がタイミングコンデンサ40に接続され、図15(b)の充電回路42の働きをする。放電回路44として働くのは、放電用ダイオード104である。放電用ダイオード104は、アノードがタイミングコンデンサ40に、カソードが比較器54の出力にそれぞれ接続され、比較器54がローレベルに転じた時に導通し、タイマコンデンサ40を放電する電流J2を流す。また、放電用ダイオード104が導通すると、電流J1がタイマコンデンサ40に流れなくなる。したがって、放電用ダイオード104は、充電回路42と放電回路44の動作を切り替えるスイッチ48としても働く。
比較器54の反転入力端子にはタイマコンデンサ40が接続されている。タイマコンデンサ40は、ここでは第一及び第二コンデンサ40a,40bの並列回路であり、第二コンデンサ40bを切り離すための補助スイッチ106も設けられている。補助スイッチ106は、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときにオンし、タイマコンデンサ40の容量が、第一及び第二コンデンサ40a,40bの容量を合計した大きい値となる。反対に、補助スイッチ106は、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときにオフし、タイマコンデンサ40の容量が、第一コンデンサ40a単体の小さい容量となる。
比較器54の非反転入力端子には、3つの抵抗62,64,66が接続されている。これらは、上記のように、図15(b)の電圧源50a,50b、及び閾値切り替え用のスイッチ52の働きをする。
比較器54の出力は、充電と放電が切り替わるタイミングでハイレベルとローレベルが反転し、周波数Fの基準パルスVfが発生する。
周波数変調回路102aの場合、充電電流J1と制御信号Ieとの関係が「J1=k・Ie」となり、放電電流J2は制御信号Ieによらず大きい値(J2>>J1)となるので、基準パルスVfは、ハイレベルの時比率が約1.0で、周波数Fが制御信号Ieにほぼ比例して変化する。また、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときは、タイマコンデンサ40の容量が小さいので、充電の時間が短くなり、周波数Fが相対的に高くなる(変調条件α)。反対に、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときは、タイマコンデンサ40の容量が大きいので、充電の時間が長くなり、周波数Fが相対的に低くなる(変調条件β)。変調条件αとβの切り替えは、補助スイッチ106のオンとオフが切り替わることよって、素早く行われる。
また、表2の方法(B1)と表1の方法(A1)とを組み合わせて実施する具体的な回路として、図17に示す周波数変調回路102bが考えられる。周波数変調回路102bは、複数のPNPトランジスタ等で構成された第一のカレントミラー56を有し、これが直流電源58に接続されている。第一のカレントミラー56は、入力側から制御信号Ieが引き出され、それに伴って、出力側から制御信号Ieにほぼ比例した電流J1(=k・Ie)が流れ出る。入力側抵抗108は、第一及び第二抵抗108a,108bの並列回路であり、第二抵抗108bを切り離すための補助スイッチ110も設けられている。入力側抵抗108の抵抗値をR108、出力側抵抗112の抵抗値をR112とすると、電流変換係数は、k≒R108/R112となる。補助スイッチ110は、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときにオフし、抵抗値R108が第一抵抗108a単体の大きい値になり、電流変換係数kが相対的に大きい値になる。反対に、補助スイッチ110は、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときにオンし、抵抗値R108が、第一及び第二抵抗108a,108bを合成した小さい値になり、電流変換係数kが相対的に小さい値になる。
第一のカレントミラー56は、出力がタイミングコンデンサ40に接続され、図15(b)の充電回路42の働きをする。放電回路44として働くのは放電用ダイオード104である。放電用ダイオード104は、比較器54がローレベルに転じた時に導通し、タイマコンデンサ40を放電する電流J2を流す。また、放電用ダイオード104が導通すると、電流J1がタイマコンデンサ40に流れなくなる。したがって、放電用ダイオード104は、充電回路42と放電回路44の動作を切り替えるスイッチ48としても働く。
比較器54の反転入力端子にはタイマコンデンサ40が接続され、非反転入力端子には、3つの抵抗62,64,66が接続されている。これらは、上記のように、図15(b)の電圧源50a,50b、及び閾値切り替え用のスイッチ52の働きをする。
比較器54の出力は、充電と放電が切り替わるタイミングでハイレベルとローレベルが反転し、周波数Fの基準パルスVfが発生する。
周波数変調回路102bの場合、充電電流J1と制御信号Ieとの関係が「J1=k・Ie」となり、放電電流J2は制御信号Ieによらず大きい値(J2>>J1)となるので、基準パルスVfは、ハイレベルの時比率が約1.0で、周波数Fが制御信号Ieにほぼ比例して変化する。また、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときは、第一のカレントミラー56の電流変換係数kが大きいので、充電電流J1が大きくなって充電の時間が短くなり、周波数Fが相対的に高くなる(変調条件α)。反対に、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときは、電流変換係数kが小さいので、充電電流J1が小さくなって充電の時間が長くなり、周波数Fが相対的に低くなる(変調条件β)。変調条件αとβの切り替えは、補助スイッチ110のオンとオフが切り替わることよって、素早く行われる。
さらに、表2の方法(B6)と表1の方法(A1)とを組み合わせて実施する具体的な回路として、図18に示す周波数変調回路102cが考えられる。周波数変調回路102cは、複数のPNPトランジスタ等で構成された第一のカレントミラー56を有し、これが直流電源58に接続されている。第一のカラントミラー56の入力端とグランドとの間には、ダミー抵抗114と補助スイッチ116の直列回路が接続され、補助スイッチ116がオンのときに、ダミー抵抗114に所定のダミー電流Idaが流れる。補助スイッチ116は、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときにオンし、ダミー電流Id2を流す。したがって、第一のカレントミラー56は、通常動作モードのとき、入力側から制御信号Ieとダミー電流Idaとが引き出され、それに伴って、出力側から大きい電流J1(=k・(Ie+Ida))が流れ出る。反対に、補助スイッチ116は、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときにオフし、ダミー電流Idaを流さない。したがって、第一のカレントミラー56は、スキップ動作モードのとき、入力側から制御信号Ieだけが引き出され、それに伴って、出力側から電流J1(=k・Ie)が流れ出る。
第一のカレントミラー56は、出力がタイミングコンデンサ40に接続され、図15(b)の充電回路42の働きをする。放電回路44として働くのは、放電用ダイオード104である。放電用ダイオード104は、比較器54がローレベルに転じた時に導通し、タイマコンデンサ40を放電する電流J2を流す。また、放電用ダイオード104が導通すると、電流J1がタイマコンデンサ40に流れなくなる。したがって、放電用ダイオード104は、充電回路42と放電回路44の動作を切り替えるスイッチ48としても働く。これは、周波数変調回路102bと同様である。
比較器54の反転入力端子にはタイマコンデンサ40が接続され、非反転入力端子には、3つの抵抗62,64,66が接続されている。これらは、上記のように、図15(b)の電圧源50a,50b、及び閾値切り替え用のスイッチ52の働きをする。
比較器54の出力は、充電と放電が切り替わるタイミングでハイレベルとローレベルが反転し、周波数Fの基準パルスVfが発生する。
周波数変調回路102cの場合、充電電流J1と制御信号Ieとの関係が「J1=k・(Ie+Ida)」又は「J1=k・Ie」となり、放電電流J2は制御信号Ieによらず大きい値(J2>>J1)となるので、基準パルスVfは、ハイレベルの時比率が約1.0で、周波数Fが制御信号Ieに応じて変化する。また、動作モード信号Vmが通常動作モードを指定しているときは、「J1=k・(Ie+Ida)」となるので、充電電流J1が大きくなって充電の時間が短くなり、周波数Fが相対的に高くなる(変調条件α)。反対に、動作モード信号Vmがスキップ動作モードを指定しているときは、「J1=k・Ie」となるので、充電電流J1が小さくなって充電の時間が長くなり、周波数Fが相対的に低くなる(変調条件β)。変調条件αとβの切り替えは、補助スイッチ116のオンとオフが切り替わることよって、素早く行われる。
図15に示す周波数変調回路102は、上記の周波数変調回路102a,102b,102c以外にも様々な構成が考えられる。ここでは、図16に示す周波数変調回路102aが使用されている。
次に、スイッチング電源装置100の動作について、図19に基づいて説明する。図19のグラフは、出力電流Ioとスイッチング周波数Fswとの関係、及び出力電流Ioと制御信号Ieとの関係を示しており、いずれも出力電圧Voが安定化制御されて目標電圧Vrに保持されていることを条件としている。
まず、出力電流Io=Imax(<Io1,Io2)のとき、モード選択回路36aは、通常動作モードを選択している。出力電流IoがImaxから徐々に小さくなると、誤差増幅回路30が出力する制御信号Ieが徐々に大きくなり、周波数変調回路32aが出力する基準パルスVfの周波数Fが徐々に高くなり、その結果、駆動パルスVg1,Vg2の周波数であるスイッチング周波数Fswが高くなる。
出力電流Ioがさらに小さくなって制御信号IeがIe1に達すると、モード選択回路36aは、出力電流Ioが第一電流基準値Io1になったと判断し、通常動作モードに代えてスキップ動作モードを選択する。スキップ動作モードになると、トランス18に電流が流れない期間(いわゆる電流不連続の期間)が生じる関係で、出力電圧Voを安定化するためには、スイッチング周波数Fswを通常動作モードよりも低くしなければならない。すなわち、図19(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に低下させる制御(階段状に低下させる制御)が必要になる。
上述したスイッチング電源装置10の場合、スイッチング周波数Fswを不連続に低下させる制御は、誤差増幅回路30が制御信号Ieを変化させることによって行うが、誤差増幅回路30には一定の応答遅れがあるのでスイッチング周波数Fswを素早く低下させることができない。誤差増幅回路30は、一巡制御系の発振を防止するため、応答速度をあまり速くできないからである。したがって、図10に示すように、出力電圧Voに動的変動(アンダーシュート)が生じてしまう。これに対して、スイッチング電源装置100の場合、周波数変調回路102aの変調条件をαからβに切替えることによって、スイッチング周波数Fswを素早く低下させることができる。
通常動作モードからスキップ動作モードに切り替わるときの動作波形は、図20のように表わされる。出力電流Ioが大きいときは、モード選択回路36aが出力する動作モード信号Vmはローレベルとなり、通常動作モードを指定している。
この状態から出力電流Ioが緩やかに小さくなり、制御信号IeがIe1に達すると、動作モード信号Vmがハイレベルに転じるので、駆動回路38aが動作モードをスキップ動作モードに切り替える。これとほぼ同時に、周波数変調回路102aが動作モードの切り替わりを検出し、変調条件をαからβに素早く切り替える。変調条件が切り替わる速度は、誤差増幅回路30の応答速度よりも速いので、制御信号Ieが変化する前に、スイッチング周波数Fswが素早く低下する。その後、制御信号Ieが少し変化してスイッチング周波数Fswを微調整し、目標のスイッチング周波数Fsw(出力電圧Voが目標電圧Vrになるスイッチング周波数Fsw)を得る。制御信号Ieは少しだけ変化すればよいので、誤差増幅回路30の応答速度が遅くても、ごく短い時間で目標のスイッチング周波数Fswが得られる。したがって、図20に示すように、出力電圧Voの動的変動を非常に小さく抑えることができる。
次に、図19に戻って、スキップ動作モードで動作している状態から出力電流Ioが大きくなるときの動作を説明する。出力電流Ioが緩やかに大きくなって、制御信号IeがIe2に達すると、モード選択回路36aは、出力電流Ioが第二電流基準値Io2になったと判断し、スキップ動作モードに代えて通常動作モードを選択する。したがって、出力電圧Voを安定化するため、図19(a)に示すように、スイッチング周波数Fswを不連続に上昇させる制御(階段状に上昇させる制御)が必要になる。
上述したスイッチング電源装置10の場合、スイッチング周波数Fswの不連続に上昇させる制御は、誤差増幅回路30が制御信号Ieを変化させることによって行うが、誤差増幅回路30には一定の応答遅れがあるのでスイッチング周波数Fswを素早く上昇させることができない。したがって、図11に示すように、出力電圧Voに動的変動(オーバーシュート)が生じてしまう。これに対して、スイッチング電源装置100の場合、周波数変調回路102aの変調条件をβからαに切替えることによって、スイッチング周波数Fswを素早く高くすることができる。
スキップ動作モードから通常動作モードに切り替わるときの動作波形は、図21のように表わされる。出力電流Ioが小さいときは、モード選択回路36aが出力する動作モード信号Vmはハイレベルとなり、スキップ動作モードを指定している。
この状態から出力電流Ioが緩やかに大きくなり、制御信号IeがIe2に達すると、動作モード信号Vmがローレベルに転じるので、駆動回路38aが動作モードを通常動作モードに切り替える。これとほぼ同時に、周波数変調回路102aが動作モードの切り替わりを検出し、変調条件をβからαに素早く切り替える。変調条件が切り替わる速度は、誤差増幅回路30の応答速度よりも速いので、制御信号Ieが変化する前に、スイッチング周波数Fswが素早く上昇する。その後、制御信号Ieが少し変化してスイッチング周波数Fswを微調整し、目標のスイッチング周波数Fsw(出力電圧Voが目標電圧Vrになるスイッチング周波数Fsw)を得る。制御信号Ieは少しだけ変化すればよいので、誤差増幅回路30の応答速度が遅くても、ごく短い時間で目標のスイッチング周波数Fswが得られる。したがって、図21に示すように、出力電圧Voの動的変動を非常に小さく抑えることができる。
変調条件が切り替わることによるスイッチング周波数Fswの変化幅は、制御信号Ieがほとんど変化しなくても目標のスイッチング周波数Fswが得られるように設定するのが理想的である。これにより、差増幅回路30の応答遅れの影響がほぼマスクされ、出力電圧Voの動作モードの切り替わりによる動的変動をほぼゼロにすることができる。また、制御信号IeがIe1又はIe2に達した後のリバウンドがなくなるので、モード選択回路36aのヒステリシスの幅|Vk1−Vk2|を非常に小さくすることができる。条件が合えば、ヒステリシスを無くすことも可能であり、モード選択回路をよりシンプルな構成にすることができる。
スイッチング電源装置100の動作点A,Bにおける動作波形は、スイッチング電源装置10と同様に、図9(a),(b)のように表わされる。
以上説明したように、スイッチング電源装置100によれば、上記のスイッチング電源装置10と同様の作用効果を得ることができる。さらに、スイッチング電源装置10の周波数変調回路32に代えて周波数変調回路102を設けることによって、動作モードが切り替わる時の出力電圧Voの動的変動が小さくなるので、出力の平滑コンデンサ26の容量を小さくすることができる。
なお、本発明のスイッチング電源装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の周波数変調回路32,102の場合、周波数信号として基準パルスVfを出力するが、周波数信号は、変調結果であるスイッチング周波数の情報を信号化したものであればよく、アナログ信号、デジタル信号等の種類は問わない。ただし、基準パルスVf以外の周波数信号を使用する場合、上記の駆動回路38aをそのまま使用することができないので、周波数信号の形態に合わせて駆動回路の構成を変更する。
上記の誤差増幅回路30は、制御信号Ieを絶縁して送信する必要がなければ、フォトカプラ30bを省略し、非反転増幅回路30aの出力電圧を制御信号とすることができる。また、制御信号は、出力電圧と目標電圧との差を増幅したアナログ信号であればよく、出力電流の増減に対して同方向に変化してもよいし、反対方向に増減してもよい。ただし、上記の制御信号Ie以外の制御信号を使用する場合、上記のモード選択回路36aをそのまま使用することができないので、制御信号の形態に合わせてモード選択回路の構成を変更する。