JP5954621B2 - 画像処理方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2の画像形成装置では、入力画像データのトナー総量に対して総量規制処理を予め行っている。その後に、総量規制処理が行われた入力画像データから2つの出力画像データが生成されている。総量規制処理を行っていない入力画像データに基づいて生成される2つの出力画像データのうちいずれかの出力画像データのトナー量が総量規制値より十分少ないことがある。この場合、上記特許文献2の画像形成装置のように、入力画像データのトナー総量に対して総量規制処理を予め行うと、本来総量規制処理が不要であった出力画像データのトナー像のトナー量が過剰に減らされてしまう可能性がある。この結果、過剰に減らされたトナー量の色が色再現を担う色であった場合色再現範囲が狭くなってしまう虞がある。
本実施形態の画像処理方法では、入力画像データに基づき第1のトナー像を形成するための第1の出力画像データと、入力画像データに基づき第2のトナー像を形成するための第2の出力画像データを生成する。対象とする画像形成装置では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のカラートナーに加えて、特殊トナーのひとつである透明トナー(Cl)を含めた複数種類のトナーを使用する。記録媒体上に記録媒体側からこのトナー順に画像形成を行うとする。対象とする画像形成装置のトナー色及びトナー順が異なる場合であっても、同様の方法で適用することができる。
(画像分割処理)
画像分割処理では、入力画像データC0、M0、Y0、K0、Cl0から算出した複数種類のトナー量に基づき、入力画像データに基づき第1の中間画像データC1、M1、Y1、K1、Cl1と第2の中間画像データC2、M2、Y2、K2、Cl2とを生成する。画像分割処理における処理の流れを図2に示す。
条件1:総量規制処理によって減らされるトナー量の値が最小となる。
条件2:記録媒体上でより下層に形成される一部の種類のトナーを第1の中間画像データに、記録媒体上でより上層に形成される残りの種類のトナーを第2の中間画像データに割り当てる。例えば入力画像データがC0=40、M0=100、Y0=100、K0=100、Cl=100の場合、第1の中間画像データの信号値はC1=40、M1=100、Y1=100、K1=0、Cl1=0、第2の中間画像データの信号値はC2=0、M2=0、Y2=0、K2=100、Cl2=100となる。
総量規制処理では、第1の中間調画像データC1、M1、Y1、K1、Cl1及び第2の中間調画像データC2、M2、Y2、K2、Cl2のそれぞれについて総量規制処理を施す。トナー量の合計値Tiが総量規制値Tlimit以下である画像データC1’、M1’、Y1’、K1’、Cl1’及びC2’、M2’、Y2’、K2’、Cl2’を生成する。総量規制処理後の各色の信号値は次の式(2)により算出する。
Ti=Ci+Mi+Yi+Ki+Cli (2)
Ci’=Ci
Mi’=Mi
Yi’=Yi
Ki’=Ki
Cli’=Cli
Ti=Ci+Mi+Yi+Ki+Cli>Tlimit(i=1、2)の場合は次のように設定される。
t=max{(Tlimit−Ki−Cli)/(Ci+Mi+Yi)}
Ci’=t×Ci
Mi’=t×Mi
Yi’=t×Yi
Ki’=Ki
Cli’=Cli
擬似中間調処理では、総量規制処理が施された第1の中間画像データC1’、M(1)’、Y(1)’、K(1)’、Cl(1)’、及び第2の出力画像データC(2)’、M(2)’、Y(2)’、K(2)’、Cl(2)’に対して擬似中間調処理を施し、第1の出力画像データC(1)"、M(1)"、Y(1)"、K(1)"、Cl(1)"、及び第2の出力画像データC(2)"、M(2)"、Y(2)"、K(2)"、Cl(2)"を生成する。擬似中間調処理は対象とする画像形成装置の画像形成方法に応じて、ディザ法や誤差拡散法、ブルーノイズ法など公知技術を用いて実施すれば良い。
評価用画像形成装置はCMYK4色の有色トナー及び透明トナーClの5種類のトナーによって画像形成が可能なカラーレーザプリンタであり、記録媒体上に記録媒体側からC、M、Y、K、Clの順にトナー像を形成するとする。また総量規制値は210%である。入力画像データは、図3に示すG色相のダーク側の画像パターンG+K0〜G+K100であり、C100%とY100%の重ね合わせで再現されるグリーン(G)100%に対してKを10%ずつ加えていき、かつClを100%加えたパッチで構成されている。この入力画像データに対して従来技術による画像処理と本実施形態による画像処理を施した画像データを作成し、それぞれ評価用画像形成装置に入力した。ここで、従来技術による画像処理では、入力画像データのCMYK成分のトナー量の合計値に対して一般的な総量規制処理を施した後、第1の出力画像データにC、M、Yを、第2の出力画像データにK、Clを割り当てた。一方、本実施形態の画像処理方法では、画像分割処理によってC、M、Yを第1の中間画像データに、KとClを第2の中間画像データに割り当て、その後両中間画像データに対して総量規制処理を施した。
画像形成装置に搭載された画像処理装置は実施形態1の画像処理装置と同様の構成であり、入力画像データに基づき第1の出力画像データ及び第2の出力画像データを生成する。画像形成装置はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のカラートナー及び透明(Cl)トナーを用いて、第1の出力画像データに基づき記録媒体上に第1のトナー像を転写し定着する。その後、第2の画像データに基づき第2のトナー像を第1のトナー像が形成された記録媒体上に重ねて転写し定着することで、所望の画像の形成を行う。以下、画像形成装置の構成について、図7を参照しながら説明する。
先ず、画像処理装置から入力された第1の出力画像データに基づき記録媒体上に第1のトナー像を形成する。感光体ユニット12−C、12−M、12−Y、12−K、12−Clにおける感光体ドラムが帯電器によって所望の電位に一様に帯電される。レーザ光学ユニット11は画像形成装置に入力された第1の出力画像データに基づき帯電された各感光体ドラムを露光し、表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に基づいて現像器により各色のトナーが現像され、上流の感光体ユニットから順に感光体ドラムと1次転写ローラとの間で中間転写ベルト24に第1のトナー像が転写される。中間転写ベルト24上に転写された第1のトナー像は2次転写ローラ25との間で給紙ユニット29から供給された記録媒体に転写される。その後、定着ユニット26において加熱、加圧されることで記録媒体上に第1のトナー像が定着される。このとき第1のトナー像における単位面積あたりのトナー重量は、画像形成装置の総量規制値以下になるように画像処理装置で調整されているため、転写時や定着時にトナー量過多による画像不良が発生することなく第1のトナー像を形成することが可能である。
(態様1)
入力画像データに基づき各種のトナー量を算出するトナー量算出工程と、該トナー量算出工程によって算出した各種のトナー量に応じて、入力画像データから、第1のトナー像を形成するための第1の出力画像データと第2のトナー像を形成するための第2の出力画像データとを生成する出力画像データ生成工程と、第1の出力画像データ及び第2の出力画像データにおける各種のトナー量の合計値がそれぞれ所定の総量規制値以下になるように、各種のトナー量が減るよう第1の出力画像データ及び第2の出力画像データを変更する総量規制工程とを有する。これによれば、上記実施形態1について説明したように、入力画像データに基づき算出した各種のトナー量に応じて、入力画像データから、出力画像データを第1の出力画像データ及び第2の出力画像データを生成する。第1、第2の出力画像データにおける各種のトナー量の合計値がそれぞれ所定の総量規制値以下になるように、各種のトナー量がそれぞれ減るよう第1、第2の出力画像データを変更する。総量規制処理を画像分割後の画像データに対して施すため、どのような入力画像データであってもトナー総量を確実に総量規制値以下に低減させることができ、トナー量過多による画像不良の発生を防ぐことができる。また、従来のように入力画像データによらずCMYKトナーの総量に対して総量規制処理を施すのではなく、入力画像データのトナー量に基づき生成した第1の出力画像データ及び第2の出力画像データそれぞれに対して総量規制処理を施す。色再現を担う色のトナー量を減らす量を少なくしながら、各トナー量の合計値が所定の総量規制値以下になるように各トナー量を減らす。この結果、分割した後のいずれかの出力画像データに基づき形成されるトナー像のトナー量が総量規制値より十分少ない場合トナー量が過剰に低減されることがなくなる。これにより、分割する前に各トナー量の低減を行う従来技術と比較して、色再現に必要なトナー量は保持できる。よって、トナー量過多による画質不良を防ぎつつ、色再現範囲が過剰に狭くなることを抑制することができる。
(態様2)
(態様1)において、出力画像データ生成工程では、総量規制工程で減らすトナー量が最小となるように第1の出力画像データに割り当てる種類と、第2の出力画像データに割り当てる種類を決定する。これによれば、上記実施形態1について説明したように、画像分割後の第1の出力画像データ及び第2の出力画像データに対して総量規制処理を施すため、どのような入力画像データであっても、また画像分割手段でどのように画像を分割しても、トナー量過多による画像不良を確実に防ぐことができる。しかし、より広い色再現範囲を再現可能な出力画像データを提供するためには、総量規制処理によって減らすトナー量をできる限り小さくすることが望ましい。そこで、第1の出力画像データに割り当てる種類と第2の出力画像データに割り当てる種類を、総量規制工程で減らされるトナー量が最小となるように決定する。これにより、どのような総量規制処理で減らされるトナー量を最小にすることができ、トナー量の減少による色再現範囲の減少を最小限に抑えることが可能となる。
(態様3)
(態様1)又は(態様2)において、出力画像データ生成工程で生成する第1の出力画像データ及び第2の出力画像データは、入力画像データを種類単位で生成した出力画像データである。これによれば、上記実施形態1について説明したように、ある色をトナー量単位で分割してしまうと、その重ね合わせにより再現される色が必ずしも元の色と一致しないことが問題となる。この問題は色単位で分割することにより回避することができ、入力画像データから2つの出力画像データを生成して再現した場合でも、所望の画像を得ることが可能となる。
(態様4)
(態様1)〜(態様3)のいずれかにおいて、出力画像データ生成工程では、記録媒体上で任意の層より下層に形成される種類を第1の出力画像データに割り当てさせ、記録媒体上で任意の層より上層に形成される種類を第2の出力画像データに割り当てさせる。これによれば、上記実施形態1について説明したように、色順が変化することで再現される色が変化してしまったり特殊トナーによる効果が低減されてしまったりする問題を防ぐことができ、入力画像データを2つの画像データに分割して再現した場合でも、所望の画像を得ることが可能となる。
(態様5)
(態様1)〜(態様4)のいずれかにおいて、出力画像データ生成工程では、入力画像データのトナー量が所定の総量規制値以下である場合は入力画像データを第2の出力画像データに対応させる。これによれば、上記実施形態2について説明したように、第2の出力画像データにより形成される第2のトナー像は2回目の画像形成動作で記録媒体上に形成されるため、同一画像が2回定着されることで色や光沢が変化してしまう問題を防ぐことができる。よって、入力画像データを2つの画像データに分割して再現した場合でも、所望の画像を得ることが可能となる。
(態様6)
(態様1)〜(態様5)のいずれかにおいて、出力画像データ生成工程では、各種のトナー量の合計値が総量規制値を超えている画素の、画像を形成する全画素に対する割合を算出し、算出した総量規制値を超えている画素の割合が基準値以下の場合は入力画像データを第2の出力画像データに対応させる。これによれば、上記実施形態2について説明したように、算出した総量規制値を超える画素の割合が基準値以下の場合は、第1の出力画像データではトナー像が形成されない。このため1回目の画像形成動作を省略することが可能となり、第2の出力画像データによる1回の画像形成動作で所望の画像を得ることができる。よって、総量規制値を超える画素の割合が基準値以下となるような入力画像データの場合は、2回の画像形成動作で画像を再現する場合と比較して画像形成に要する時間を短縮することが可能となる。
(態様7)
(態様1)〜(態様6)のいずれかにおいて、総量規制工程では、第1の出力画像データ及び第2の出力画像データの各トナー量の合計値が総量規制値以下になり、かつ全トナー量における各種のトナー量の比率が総量規制を行う前と後とで変化しないように各種のトナー量を減らす。これによれば、上記実施形態1について説明したように、第1、第2の出力画像データについてトナー量の合計値が総量規制値以下になるように各色のトナー量を低減させるため、どのような入力画像データであってもトナー量過多による画像不良を確実に防ぐことができる。また、トナー量を低減させる際、カラートナーのトナー量の比率を、総量規制を行う前後で変化させないため、総量規制を行う前と後で色相が変化してしまうことを防ぐことができる。
(態様8)
(態様1)〜(態様7)のいずれかの画像処理方法によって第1の出力画像データに基づく第1のトナー像を記録媒体上に形成する第1の画像形成手段と、画像処理方法によって第1のトナー像上に第2の出力画像データに基づく第2のトナー像を形成する第2の画像形成手段とを有する。これによれば、上記実施形態1について説明したように、トナー量過多による画像不良の発生を防ぐことができると共に、色再現範囲を向上することが可能となる。
(態様9)
(態様8)において、第1の出力画像データの信号値が0である場合、第2の画像形成手段によって記録媒体上に第2の出力画像データに基づく第2のトナー像を形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、第1の出力画像データに画像部が存在しない場合、第1のトナー像の形成は行わず、記録媒体上に第2の出力画像データに基づき第2のトナー像のみを形成する。これにより2回の画像形成動作で画像を再現する場合と比較して、画像形成に要する時間を短縮することが可能となる。
11 レーザ光学ユニット
12 感光体ユニット
13 一次転写ローラ
14 中間転写ベルト
15 2次転写ローラ
16 定着ユニット
17 排紙ローラ
18 2次作像パス
19 給紙ユニット
Claims (9)
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に供給される入力画像データから、複数種類のトナー像を形成するための出力画像データを生成する画像処理方法において、
前記入力画像データに基づき各種のトナー量を算出するトナー量算出工程と、
該トナー量算出工程によって算出した各種のトナー量に応じて、前記入力画像データから、第1のトナー像を形成するための第1の出力画像データと第2のトナー像を形成するための第2の出力画像データとを生成する出力画像データ生成工程と、
前記第1の出力画像データ及び前記第2の出力画像データにおける各種のトナー量の合計値がそれぞれ所定の総量規制値以下になるように、各種のトナー量が減るよう前記第1の出力画像データ及び前記第2の出力画像データを変更する総量規制工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1記載の画像処理方法において、
前記出力画像データ生成工程では、前記総量規制工程で減らすトナー量が最小となるように前記第1の出力画像データに割り当てる種類と、前記第2の出力画像データに割り当てる種類を決定することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1又は2に記載の画像処理方法において、
前記出力画像データ生成工程で生成する前記第1の出力画像データ及び前記第2の出力画像データは、前記入力画像データを種類単位で生成した出力画像データであることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法において、
前記出力画像データ生成工程では、記録媒体上で任意の層より下層に形成される種類を前記第1の出力画像データに割り当てさせ、記録媒体上で任意の層より上層に形成される種類を前記第2の出力画像データに割り当てさせることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法において、
前記出力画像データ生成工程では、前記入力画像データのトナー量が所定の総量規制値以下である場合は前記入力画像データを前記第2の出力画像データに対応させることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理方法において、
前記出力画像データ生成工程では、各種のトナー量の合計値が総量規制値を超えている画素の、画像を形成する全画素に対する割合を算出し、算出した前記総量規制値を超えている画素の割合が基準値以下の場合は前記入力画像データを前記第2の出力画像データに対応させることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理方法において、
前記総量規制工程では、前記第1の出力画像データ及び前記第2の出力画像データの各トナー量の合計値が総量規制値以下になり、かつ全トナー量における各種のトナー量の比率が総量規制を行う前と後とで変化しないように各種のトナー量を減らすことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理方法によって前記第1の出力画像データに基づく第1のトナー像を記録媒体上に形成する第1の画像形成手段と、前記画像処理方法によって前記第1のトナー像上に前記第2の出力画像データに基づく第2のトナー像を形成する第2の画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、
前記第1の出力画像データの信号値が0である場合、前記第2の画像形成手段によって記録媒体上に前記第2の出力画像データに基づく前記第2のトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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