JP2009037138A - 画像形成装置、カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色再現範囲の拡大と、特色の選択自由度向上。
【解決手段】 所望の色の記録媒体と白色トナーを用いた色設計を行うことで、記録媒体に応じた階調補正と適正なトナー付与量を決定する。
また、白色トナーを記録媒体上最下層に配置し、記録媒体の発色を前記白色トナーで遮断することで画像描画を行ない、その上に白色トナー以外のトナーを印字することで記録媒体色と白色トナー以外のトナーの発色によるカラー画像を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば複写機,プリンター,ファクシミリ,デジタルプルーフなどに用いる電子写真方式や印刷、インクジェット方式など画像形成装置に関するものである。
従来より、高速・高画質な画像形成装置として、電子写真方式を採用した複写機やレーザービームプリンタが知られている。近年のデジタル技術の進歩によって、POD市場からオフィスや家庭のコンシューマ市場まで、電子写真画像形成装置の高画質化への要求は高まっており、印刷の様なスクリーン処理を施した画像はもとより、銀塩写真の様な高い階調性,広い色再現範囲,良好な粒状性を有する画像特性への要求が更に高まっている。特にCG画像やデジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に迫る広い色再現範囲の実現が望まれている。
この種の電子写真画像形成装置は、像担持体にレーザービームなどにより光を照射し、そのとき光が照射された量により画像が記録されるもので、文字などの2値的な画像から、写真などの中間調を含んだ画像まであらゆる画像を形成することができる。このときの中間濃度を再現する際に、パルス幅変調方式(PWM方式)と、ディザ法や濃度パターン法などの画像処理手法を用いることで、様々なパターンを像担持体上に形成することができる。
得られた像担持体上のパターンに対し、帯電したトナー粒子を付着させ、更に紙等のシート上へ転写、定着することで最終的な出力画像を得る。このときに用いるトナーとしては、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の4色が一般的に使用されている。トナーは、粒状性,階調性,濃度,彩度,グロスなど、種々の画像特性向上のため、様々な改良が加えられている。
また更なる高画質化や高機能化を目的とし、上記4色以外に異なる色のトナーを追加で使用するプリンタも存在する。
例えば、オレンジ色やブルー色といったCMYKのプロセスカラーによる色再現では表現できない色のトナーを搭載し、広域な色再現を実現するものがある。また、透明トナーを用い、高グロス化、グロスの均一化や透かし印刷などがある。また、特許文献1のように濃度レベルの異なる複数のトナーを用いハイライトからハーフトーン領域にかけて、更なる粒状性の向上や階調再現性の向上などを実現する技術が開示されている。
特開2004-070208号公報
しかし、上記従来技術では、
・ユーザー所望の任意色を再現することはできない。
・トナーを追加し色再現範囲を拡張する方法は、発色の選択がメーカーの提供するトナーからに限定され、発色の選択の任意性がない。
・トナーの種類を増やすことは、トナー製造プラントの洗浄などの作業が発生し、生産性が低下し生産コストが上昇する。
・メーカーにとってもトナー色材の変更によるトナー物理特性の変化に、画像形成装置の描画条件を合わせ込む作業が発生してしまう。
などの問題を抱えている。
上記課題を解決するため、本発明は、所望の色の記録媒体と白色トナーを用いた色設計を行うことで、記録媒体に応じた階調補正と適正なトナー付与量を決定することを特徴とする。
また、白色トナーを記録媒体上最下層に配置し、記録媒体の発色を前記白色トナーで遮断することで画像描画を行ない、その上に白色トナー以外のトナーを印字することで記録媒体色と白色トナー以外のトナーの発色によるカラー画像を形成することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体の発色に応じた任意色の印字が可能となる。
また、記録媒体の発色を利用したカラー画像の色再現範囲の拡張が可能となる。これにより、空や海などの鮮やかで透き通った写真調の画像の質感を大幅に向上させることが可能となるばかりでなく、会社や商品のロゴマークなどに多用される鮮やかな色の発色も実現することができる。また、記録媒体には、既存のプロセスカラーで出力できないオレンジ色,金色,銀色、蛍光色といった特色を用いても良く、特色印刷の代替用途が可能となる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下に図9を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。以下図9で述べる電子写真方式の画像形成装置の構成は、レーザビームプリンタ・複写機・レーザファクシミリ・デジタルプルーフなどに用いられ、かつ、本実施例の説明に好適なものとなっている。
まず、図9を参照して、電子写真方式の画像形成装置の基本構成について説明する。
画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム11と、その周りに配置された帯電器12,画像露光器17,現像器19,転写帯電器14,定着器15,クリーニング部材16を有して構成される電子写真方式の画像形成装置である。
感光ドラム11としては、導電性の支持基体を最下層として、電荷発生層,電荷輸送層のように2層構造よりなる機能分離タイプのものや、単層型のものが使用できる。
帯電器12は、感光ドラム11を均一帯電する帯電手段である。帯電手段としては、ワイヤーと電界制御グリッドよりなるコロナ帯電器を用いたコロナ帯電方式、像担持体に接触させた帯電ローラーに直流あるいは直流と交流の重畳バイアスを印加して帯電するローラー帯電方式などが挙げられる。
画像露光器17は、帯電後の感光ドラム11表面を像露光して静電潜像を形成する露光手段である。露光手段としては、半導体レーザーを使用したスキャナータイプのものや、LEDに集光装置であるセルフォックレンズを介して像露光をおこなうもの、また、EL素子やプラズマ発光素子などを用いたものなど、種々の光学系を好適に用いることができる。
現像器19は、感光ドラム11上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像(顕画像)を形成する現像手段である。現像方式としては、磁性トナーを磁力により搬送し、現像ニップにて非接触で像担持体上に飛翔現像させる磁性1成分の非接触現像方式、あるいは現像ニップで像担持体に接触させて現像処理をおこなう磁性接触現像方式、さらに、非磁性トナーをブレードにより規制し帯電させ、現像スリーブに担時して搬送し現像ニップにおいて非接触でトナーを飛翔現像させる非磁性1成分の非接触現像方式、あるいは現像ニップで像担持体に接触させ現像処理をおこなう非磁性1成分の接触現像方式、同じく非磁性トナーを磁性粉体であるキャリアに混合させ同じく現像スリーブで現像ニップまで搬送し現像処理をおこなう2成分現像方式など様々な現像方式を使用することができる。
転写帯電器14は、感光ドラム11上のトナー像を紙などの記録媒体10に転写する転写手段である。転写方式としては、電気的な力、あるいは機械的な力を利用した転写方式を使用することができる。電気的な力を利用して転写をおこなう方法として、コロナワイヤーによりトナーの帯電極性と逆極性の直流バイアスを印加して転写をおこなうコロナ転写方式、ローラーを当接させ、トナーと逆極性のバイアスを印加するローラー転写方式などが挙げられる。
さらに本発明特有の構成として、現像器19内には、現像材として白色トナー20が充填されている。
また、図10は、従来のプリンタ装置の構成を示す図である。図10において、100はプリンタに対する画像情報源を生成するホストコンピュータ、101はプリンタ本体である。プリンタ本体101は、コントローラ部102と、コントローラ部102から出力される画像データを受取り、記録紙に印刷するエンジン部106で構成される。
コントローラ部102は、ホストコンピュータ100と接続するコンピュータインタフェース部103と、ホストコンピュータ100から転送されるビデオRGB画像データやコードデータをプリンタ用の画像データにビットマップ変換する画像処理部104と変換したビットマップデータを保存するバッファメモリ104a、エンジン106と接続するビデオインタフェース部105から構成される。
さらに本発明特有の構成として、画像処理部104はビットマップデータを反転させる反転回路を有する反転手段104bを有する。
本実施形態は、記録媒体上に白色トナーを印字して記録媒体の発色を遮断することによる発色をさせない第一の領域と、記録媒体による発色をさせる第二の領域を記録媒体上に配置することで、記録媒体の表面が印字の発色部として描画されることを特徴とする。
まず、本実施例における記録媒体について述べる。
記録媒体の発色は任意である。しかし、記録媒体にはCIELab色空間で白トナーとの色差が少なくともΔEで3以上のコントラストが、印字領域と非印字領域の識別の観点から必要である。記録媒体は、所望の発色を有するものをユーザーが任意に選択する。記録媒体は、メーカーが印字条件を明確にした推奨のものを設定し、ユーザーはその記録媒体を選択することが好適である。
なお、本明細書では、色度値(CIELab、色相、彩度)や色差(ΔE)は、GretagMacbeth社製の測色計スペクトロリノを使用して測定した値を用いている。測定条件は、観測光源D50,観測視野2°である。また、濃度値はGretagMacbeth社製のRD918を用いている。
次に図5の画像サンプルを用い画像描画の方式について述べる。
白色トナーを印字して記録媒体の発色を遮断することによって発色をさせない領域と、遮断せずに記録媒体を発色させる領域を設定することで、記録媒体の表面を印字パターンとして描画する。図5には、白色トナーの印字部110と非印字部111が配置されている。
また、プリンタ本体の機内汚れなどを防止するため、記録媒体のエッジから内側数mmの範囲を印字しない非印字部112が設けられている。記録媒体の発色がエッジ部に現れてしまうが、エッジ部の発色が白色トナーに近い白色の記録媒体を選択したり、縁無し印刷を行うことでエッジ部の発色を回避することが可能である。
次に図6を用い画像形成について述べる。
画像形成を行う際には、入力された画像信号を、画像形成用の(出力デバイスで出力可能な)出力信号に変換しなければならない。
図6に、色変換方式の一手法を示す。
図6では、入力信号に所定のγ補正を施した後、ハーフトーン処理、反転処理を行って白色トナーの画像データWを生成し、パルス幅変調(PWM)回路に入力する。
まず、図4と図10を用い、ハーフトーン制御について述べる。
ホストコンピュータ100から入力された画像データは、インタフェース部103を介して、画像処理部104でハーフトーン処理される。記録媒体の発色と白色トナーによるハーフトーン制御は、低濃度領域から高濃度領域にかけて白色トナーの印字率を減らすことで行う。図4は、2つの記録媒体上に白色トナー印字した場合の階調と濃度の関係を示している。横軸は8bitの階調値で、縦軸は白色トナーの印字率とその印字による均一パッチ濃度の2軸である。
図4では、階調値0は白色トナーを100%の印字率で印字し、階調値が増加するにつれ白色トナーの印字率を減少させていくことで、ハーフトーンを形成している。そして階調値255で白色トナーの印字率が0%になる。階調値0では白色トナーが記録媒体上を覆い、白色トナーで記録媒体の発色が遮断されたことで濃度値0.1を示す。階調値が大きくなり白色トナーの印字率を減少させることで、記録媒体の濃度値が上昇し、階調値255の白色トナーを印字しない条件では、記録媒体1の濃度は1.63、記録媒体2の濃度は0.87と、記録媒体そのものの濃度値を示す。
すなわち、白色トナーの印字率を減少させることで記録媒体の発色によるハーフトーンを形成することが可能となる。
ハーフトーン処理はAMスクリーンや誤差拡散法などディザ法やFMスクリーンなど一般的な手法を用いるが、その限りではない。
次に、画像処理部104でハーフトーン処理によりビットマップデータ変換された画像データは、バッファメモリ104aに保持される。バッファメモリ104aに一時保管されたビットマップデータは、反転回路を有する反転手段104bによって反転される。反転されたビットマップデータはメモリー104aに上書きされ、そのデータはエンジン106に転送される。
また、ビットマップデータの各画素に、例えば8bitの階調をもたせ、露光手段の発光時間を変調させ中間調を表現するPWM処理においては、変換テーブルを持ち合わせることで露光手段の発行時間を変換する。変換テーブルの一例をグラフ化したものが図7である。
以上説明したように、記録媒体上に反転手段により変換された画像データに従い白色トナーを印字することで、白色トナーを印字して記録媒体の発色を遮断することによる発色をさせない領域と、記録媒体による発色をさせる領域を設定し、画像を描画することが可能となる。
本実施例特有の効果は、記録媒体の発色を白色トナーで遮断することで、記録媒体の発色に応じた任意色の印字が可能となる。
図2および図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。同図に示すように、本実施形態では、複数の現像器19を備えた画像形成装置により、複数のトナーを用いてカラー画像形成を行う。
図2の画像形成装置は、感光ドラム11,帯電器12,現像器19,転写帯電器14からなる画像形成ステーションSTを、シート搬送方向に沿って複数(図では5つ)並べたタンデム方式の装置である。各画像形成ステーションSTの現像器には異なる色のトナーが装填されている。この装置では、各画像形成ステーションSTで作像したトナー像を順次直接シート上に重ね合わせていくことで、カラー画像の形成を行う。
また、図3の画像形成装置は、単一の感光ドラム11の周囲に複数の現像器19(図では5つ)を配置した1ドラム方式の装置である。各現像器19には、異なる色または濃度のトナーが装填される。この装置では、現像器19を順次切り換えて作像した各色のトナー像を中間転写体18上で重ね合わせ、その重ね合わされたトナー像をシートに一括転写してカラー画像の形成を行う。
画像形成装置としては、ここで示したもののほか,2つ以上の現像器を有し,2種類以上のトナーを用いて画像形成を行うタイプのものであれば、いかなる構成のものでも好適に用いることができる。
本実施形態では、上記構成の画像形成装置において、白色トナーを記録媒体上最下層に配置し、記録媒体の発色を前記白色トナーで遮断することで画像描画を行ない、その上に白色トナー以外のトナーを印字することで記録媒体色と白色トナー以外のトナーの発色によるカラー画像を形成する画像形成装置および画像形成手段に関するものである。
図2のタンデム方式で直接記録媒体上にトナーを重ね合わせる装置の場合、順番として最初に白色トナー20を現像し、そして転写する。図3の1ドラム方式で中間転写体上に重ね合わせた像を記録媒体上に一括転写する場合、順番として最後に、すなわち、中間転写体上において白色トナーが最上層に配置するよう、白色トナー現像する。
図11を用い、記録媒体色がYMCKプロセスカラー色による色再現範囲外である場合の画像描画の方式について述べる。また、レッド色の記録媒体を例に説明する。
CIELAB空間上で、記録媒体色の色相に対し高明度領域から高彩度領域にかけて白色トナーの印字率を減らしていくことで画像形成を行う。記録媒体上に白色トナー印字した場合の階調カーブの一例を図11に示す。横軸はレッド色相ラインに沿った階調値で、縦軸は白色トナーの印字率とそれによる均一パッチの彩度(c*)の2軸である。破線120は、プロセスカラーによる2次色レッドの彩度を表しており、高彩度の記録媒体の発色を色設計に用いることで、一般的なCMYプロセストナー色による色空間よりも色再現範囲の拡張が可能である。
次に、上記した画像形成装置の画像形成動作について説明する。
画像形成装置は、原稿読取装置(スキャナ部)によって原稿上のカラー画像を読み取り、CCDでRGBに色分解された入力画像信号を得る。あるいは、画像形成装置がプリンタ機能を有する場合には、コンピュータからRGBのプリントデータ(入力画像信号)を得る場合もある。なお、ここではRGBの入力画像を用いているが、これは単に原稿読取装置やコンピュータのプリンタドライバの仕様に基づくものにすぎない。入力画像としては、RGB画像の他にも、CMYK画像,L*a*b*画像や、特色用のチャンネルを含む画像なども入力可能である。
画像形成を行う際には、入力されたRGBの色信号を、画像形成用の(出力デバイスで出力可能な)CMYK+記録媒体色の色信号に変換しなければならない。
図1に、色変換方式の一手法を示す。
図1では、入力画像のRGB信号をCMYKと記録媒体色を併せた5色に色分解した後、CMYK+記録媒体色の版データに分版することで、C、M、Y,K,記録媒体色の5色の色信号を得る。そして、5色の色信号に対して、所定のγ補正を施した後、ハーフトーン処理を行う。そして、記録媒体色の版データのおのおのの画素値をネガポジ反転したものを白色の版データとし、PWM回路に入力する。
ハーフトーン処理後に記録媒体色の版を白色トナーの版に反転する例を述べたが、PWM処理前に白色トナーの版を持ち合わせればよく、記録媒体色から白色トナーの版に反転する処理は、CMYK+記録媒体色に色分解後からPWM処理の直前までに行えばよい。
なお、分版とは、ある色(版またはチャンネルともいう)の画像データを、少なくとも2色以上のトナー用の画像データに分割することをいう。
また、入力画像のRGB信号をCMYKと記録媒体色を併せた5色に色分解した後、記録媒体色を反転したものを白色の版データとし、CMYK+W色の版データに分版することで、C、M、Y,K,Wの5色の色信号を得てもかまわない。
図12は、色変換方式の別の手法を示したものである。
ここでは、ダイレクトマッピングにより、入力画像のRGB信号から直接C、M、Y,K,Wの5色の信号に色分解している。
ダイレクトマッピングとは、ルックアップテーブル(LUT)を参照して、入力信号(入力画像の色情報)から出力デバイスの出力信号(画像形成用の色情報)へダイレクトに変換する色変換方式をいう。たとえば、色空間内のL*a*b*やRGBなどの3つの入力信号を与えることにより、その色を再現するために必要な出力色空間内の信号値を、CMYKの4色あるいは特色を含めた5色などのかたちで出力する。
この色変換方式はマトリクス演算を必要とせず、非線形な変換が可能となることから、UCRの設定など色変換の自由度が大幅に向上し、トナーの載り量をコントロールしながら、所望の色再現を可能にすることができる。
また、ダイレクトマッピングによれば、入力画像のRGB信号から白色トナーを含めたそれぞれの色信号を発生させるので、トーンジャンプなどの出力品位の低下を招くこともない。
次に、図13を用い、記録媒体色の色相が既存のトナー色の色相と近く、YMCKプロセスカラー色による色再現範囲内である場合の画像形成動作を、Y色記録媒体とY色トナーを一例として説明する。
図13では、入力画像のRGB信号をCMYK4色に色分解した後、Y信号をY色記録媒体色(Y‘色)とY色トナーの版データに分版することで、C、M、Y,K,Y’の5色の色信号を得る。そして、5色の色信号に対して、所定のγ補正を施した後、ハーフトーン処理を行う。そして、Y‘色を反転したものを白色のW版データとし、PWM回路に入力する。
また、ダイレクトマッピングにより、入力画像のRGB信号から直接C、M、Y,K,Wの5色の信号に色分解してもかまわない。
次に、図8を用い、記録媒体色の色相が既存のトナー色の色相と近い場合の画像描画方式を、Y色記録媒体とY色トナーを一例として説明する。
低濃度領域から中間調では白色トナーのみを使用し、中間調領域から高濃度領域はY色トナーのみを使用することにより画像形成を行うことが好適である。
Y色トナーと白色トナーの階調カーブの一例を図8に示す。横軸は白色トナーとY色トナーに分版する前の画像の階調値で、縦軸は白色トナーおよびY色トナーに分版した際の各々の印字率とそれによる均一パッチの濃度の2軸である。
図8の例では、階調値の小さいハイライト領域から中間調では、白色トナーのみにより画像形成を行う。階調値0における白色トナーの印字率100%から、印字率を減少させていき、階調値200で白色トナーの印字率を0%にする。一方、Y色トナーについては、階調値200を超えたところからY色トナーを付与し、印字率100%まで徐々に印字率を増加させていく。
つまり、中間調領域までは、白色トナーの印字率を減少させ記録媒体の発色によりハーフトーンを形成し、高濃度領域はY色の記録媒体上にY色トナーを重ね合わせ、印字率を増加させていくことで画像形成を行うのである。
このようにして得られた画像の濃度カーブは図8の濃度グラフである。高明度領域で白色トナーのみを使用し、かつ、中間調領域で白色トナー以外の色トナーを使用することにより、色再現範囲の拡張と良好な階調再現性が得られている。
記録媒体の発色と、それにトナーを印字した場合の発色を考慮した色分解テーブルやダイレクトマッピングの変換テーブルを画像形成装置の画像処理部が所持することを前提として記述してきたが、そうでない記録媒体もある。
その対応として、メーカーが任意の記録媒体の変換テーブルを配布し、それをプリンタの画像処理部に取り込んでも良いし、市販の測色機(分光測色機など)やプリンタ本体に内蔵するカラーセンサなどの測色手段の出力から色分解テーブルを新規に作成する手段を設けてもかまわない。
本実施例特有の効果として、記録媒体の発色を利用したカラー画像の色再現範囲の拡張を実現する。また、白色トナーを下地とすることで、その他の色トナーの発色性が向上する。
これにより、空や海などの鮮やかで透き通った写真調の画像の質感を大幅に向上させることが可能となるばかりでなく、会社や商品のロゴマークなどに多用される鮮やかな色の発色も実現することができる。
また、記録媒体には、既存のプロセスカラーで出力できないオレンジ色,金色,銀色、蛍光色といった特色を用いても良く、特色印刷の代替用途が可能となる。
図14は、本実施形態に係る画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。同図に示すように、本実施形態では、複数の現像器19を備えた画像形成装置により、複数のトナーを用いてカラー画像形成を行う。
図14の画像形成装置は、感光ドラム11-1,11-2,11-3,11-4、帯電器12,現像器19-1,19-2,19-3,19-4,19-5,転写帯電器14からなる画像形成ステーションSTを、矢印のシート搬送方向に沿って複数(図では4つ)並べたタンデム方式の装置である。各画像形成ステーションSTの現像器には異なる色のトナーが装填されている。この装置では、各画像形成ステーションSTで作像したトナー像を順次中間転写ベルトB上に重ね合わせ、中間転写ベルトから一括転写しカラー画像の形成を行う。
また、最下流の感光ドラムにのみ2つの現像器を配置し、他の感光ドラムには1つの現像器を配置することを特徴とする。そして、最下流の感光ドラムに設置された現像器には、K色とW色トナーが充填されて、K色とW色トナーで多重現像を行なう。
本実施例の画像描画の方式について述べる。
現像器19-1から19−5には、同順にC、M、Y、K、W色トナーが充填されている。中間転写ベルトには感光ドラム11−1からC色、感光ドラム11−2からM色、感光ドラム11−3からY色と順次トナー像が重ねあわせていく。最下流の感光ドラム11−4上には、まず現像器19-5からW色トナーが現像され、次に、現像器19−4からBK色トナーがW色トナーとは併置で多重現像される。それらのK色トナー像を一括で中間転写ベルトに1次転写をする。
本実施例では、BK色とW色トナーによる併置の多重現像を実現するため、色ずれを低減する方法として、前記2色のトナーの像担持体として共通の感光体ドラムを用いた。また、感光ドラムも1つ低減可能で、コストダウン、装置の小型化が可能である。
これにより、W色とK色のトナー像の重複部を排除可能となり、トナー載り量の合計量の削減や、K色とW色を重ね合わせた場合の飛び散りが低減可能である。
本発明の第2の実施例に係る色分解処理を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る画像形成装置構成の一例を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る画像形成装置構成の一例を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る階調を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る出力画像を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る画像処理を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る画像処理を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る階調を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る画像形成装置を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の画像処理回路を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る階調を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る色分解処理を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る色分解処理を説明する図である。 本発明の第3の実施例に係る画像形成装置を説明する図である。
符号の説明
11 感光ドラム
12 帯電器
14 転写帯電器
15 定着機
16 クリーニング部材
17 画像露光機
19 現像器
20 白色トナー
100 ホストコンピュータ
101 プリンタ本体
102 コントローラー
103 インターフェース
104 画像処理部
106 プリンタ制御部
107 プリンタ制御回路
104a バッファメモリ
104b 画像データ反転回路
110 白色トナー印字部
111 白色トナー非印字部
112 記録媒体エッジ部
ST 画像形成ステーション

Claims (7)

  1. 白色トナーを印字する電子写真方式の画像形成装置において、希望する色の発色を有する記録媒体に前記白色トナーを印字する第一の領域と、白色トナーを載せない第二の領域を形成することで画像を作像することを特徴とする画像形成装置。
  2. 白色トナーと、前記白色トナーと発色の異なる少なくとも1色のトナーを印字するカラーの電子写真方式の画像形成装置において、希望する色の発色を有する記録媒体に前記白色トナーを印字する第一の領域と、トナーを載せない第二の領域と、前記記録媒体上に前記白色トナーを載せた領域に前記白色トナーと発色の異なる少なくとも1つのトナーを重ね合わせた第三の領域と、前記記録媒体に前記白色トナーと発色の異なる少なくとも1つのトナーを載せた第四の領域を形成することで画像を形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. CIELab色空間において、白色トナーの印字部との色差がΔEで3以上の発色を有する記録媒体を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 記録媒体色の画像データの画素値をネガポジ反転する反転手段を有し、希望する色の画像データを前記反転手段により反転することで白色トナーの画像データとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 白色トナーと黒色トナーと少なくとも1つのカラー色トナーを印字し、前記白色トナーと黒色トナーを多重現像することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 入力画像の色信号からダイレクトマッピングにより前記白色トナーとカラートナーのそれぞれの色信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 色度計測手段により記録媒体の色度を測定し、前記記録媒体の色度に応じた色分解手法を自動で作成する画像処理手段を有し、前記画像処理手段によって前記記録媒体の色度に応じた色分解を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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