JP5953964B2 - 可変動弁機構の異常診断装置 - Google Patents

可変動弁機構の異常診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の気筒毎に設けられた機関バルブのバルブ特性値を変更する可変動弁機構について固着異常を診断する装置に関するものである。
例えば特許文献1に記載されているように、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性値を機関運転状態に応じて変更する可変動弁機構が知られている。この可変動弁機構には、機関バルブのバルブ特性値を変更する可変機構部や、可変機構部を駆動する駆動部が設けられており、バルブ特性値が目標値と一致するように駆動部の制御値が制御される。
ここで、特許文献1に記載の装置では、駆動部に設けられた可動機構(サンシャフト)の目標動作位置と実際の動作位置との乖離量を算出し、この算出された乖離量が過剰に大きい状態が継続しているときには、可変動弁機構に異常有りと判定するようにしている。こうした異常診断を行うようにすれば、可変動弁機構の固着異常、つまり異物の噛み込みや付着などによって可変動弁機構が動作不能になったり、動作速度が低下したりする異常を診断することができる。
特開2007−205296号公報
ところで、可変動弁機構の可変機構部に固着異常が生じると、その可変機構部の作動性が低下するため、可変機構部を駆動する駆動部の作動性も低下する。この点、上記文献1に記載の装置では、こうした可変機構部の固着異常と駆動部の固着異常とを区別することができず、あくまでも可変動弁機構全体としての固着異常の有無を診断するのみである。従って、例えば固着異常が発生している箇所の特定に時間を要したり、本来交換する必要の無い部品を交換してしまうなどの不都合等が生じるおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変機構部と駆動部とを備える可変動弁機構において、固着異常の発生箇所を特定することのできる異常診断装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、複数の気筒毎に設けられて機関バルブのバルブ特性値を変更する可変機構部と、前記可変機構部を駆動する駆動部とを備える可変動弁機構の異常診断装置であって、前記バルブ特性値を一定値に保持するときに前記駆動部から出力されるトルクである保持トルクについて、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、前記可変機構部に固着異常ありと判定し、全ての気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、前記駆動部に固着異常ありと判定することをその要旨とする。
一般に、バルブ特性値を変更する可変機構部には、機関バルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングの反力が作用し、この反力は駆動部にも伝達される。従って、バルブ特性値を一定値に保持するときには、駆動部から出力される保持トルクが上記反力と釣り合う大きさとなるように調整される。
ここで、可変機構部が固着しているときには、上記反力が可変機構部の固着部での駆動抵抗により減衰されるため、可変機構部から駆動部に伝達される反力は小さくなる。従って、複数の気筒のうちで可変機構部に固着が発生している気筒の保持トルクは、可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるようになる。そこで、同構成では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、可変機構部に固着異常ありと判定するようにしており、これにより可変機構部での固着異常の発生を特定することができるようになる。
他方、駆動部が固着しているときには、可変機構部から伝達されてくる上記反力が駆動部の固着部での駆動抵抗で減衰されるため、駆動部において固着が発生しているときには、可変機構部で固着が発生しているときと異なり、全気筒における保持トルクが、可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるようになる。そこで、同構成では、全ての気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、駆動部に固着異常ありと判定するようにしており、これにより駆動部での固着異常の発生を特定することができるようになる。
以上のように、同構成によれば、可変機構部と駆動部とを備える可変動弁機構において、固着異常の発生箇所を特定することができるようになる。
なお、請求項2に記載の発明によるように、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なる保持トルクになっている気筒の可変機構部に固着異常ありと判定する、という構成を採用することにより、各気筒に設けられた可変機構部のうちで固着異常が発生している可変機構部を特定することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときであって、当該一部の気筒における保持トルクと前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクとの乖離度合が小さいときには、前記可変動弁機構の正常動作時と比較して前記可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行い、前記乖離度合が大きいときには、前記可変機構部を往復動させる処理を行うことをその要旨とする。
可変機構部で固着が発生している場合において、保持トルクが大きいときほど固着度合(可変動弁機構の作動性低下に対する固着の影響度合)は比較的低くなっている。そして、固着度合が低いときには、固着度合がそれ以上に高くならないようにするための処理を行うことが望ましい。そこで同構成では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるとき、つまり可変機構部において固着異常ありと判定されるときにおいて、一部の気筒における保持トルクと可変動弁機構の正常動作時における保持トルクとの乖離度合が小さく、固着度合が比較的低いと判断できるときには、可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行うようにしている。そのため、可変機構部の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、異物をより一層噛み込んでしまうことを抑えることができる。従って、固着度合が更に高くなることを抑えることが可能になる。
一方、可変機構部で固着が発生している場合において、固着度合が高いときには、そうした固着を解消するための処理を行うことが望ましい。そこで同構成では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるとき、つまり可変機構部において固着異常ありと判定されるときにおいて、一部の気筒における保持トルクと可変動弁機構の正常動作時における保持トルクとの乖離度合が大きく、固着度合が比較的高いと判断できるときには、可変機構部を往復動させる処理を行うようにしている。そのため、可変機構部の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、可変機構部の往復動によって異物を除去することが可能になる。従って、固着度合が高いときには、そうした固着を解消することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが予め定められた第1の所定値以下のときには、当該一部の気筒における保持トルクは前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定することをその要旨とする。
上述したように、可変機構部が固着しているときには、上記反力が可変機構部の固着部での駆動抵抗により減衰されるため、可変機構部から駆動部に伝達される反力は小さくなる。従って、複数の気筒のうちで可変機構部に固着が発生している気筒の保持トルクは、可変動弁機構の正常動作時における保持トルクよりも小さくなる。そこで、同構成では、
複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが予め定められた第1の所定値以下のときには、当該一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定するようにしている。従って、一部の気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なっているか否かを適切に判定することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、全ての気筒における保持トルクが前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときには、全ての気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定することをその要旨とする。
上述したように、駆動部が固着しているときには、可変機構部から伝達されてくる上記反力が駆動部の固着部での駆動抵抗で減衰されるため、駆動部において固着が発生しているときの全気筒での保持トルクは、可変動弁機構の正常動作時における保持トルクよりも非常に小さくなる傾向がある。そこで、同構成では、全ての気筒における保持トルクが上記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときには、全ての気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定するようにしている。従って、全ての気筒における保持トルクが可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なっているか否かを適切に判定することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記第1の所定値以下のときであって、同保持トルクが前記第1の所定値よりも小さくかつ前記第2の所定値よりも大きい値に設定された第3の所定値を超えているときには、前記可変機構部に固着異常がないときと比較して前記可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行うことをその要旨とする。
上述したように、可変機構部で固着が発生している場合において、保持トルクが大きいときほど固着度合(可変動弁機構の作動性低下に対する固着の影響度合)は比較的低くなっている。そして、固着度合が低いときには、固着度合がそれ以上に高くならないようにするための処理を行うことが望ましい。そこで同構成では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが上記第1の所定値以下のとき、つまり可変機構部において固着異常ありと判定されるときにおいて、保持トルクが上記第1の所定値から上記第3の所定値の間にあり、固着度合が比較的低いと判断できるときには、可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行うようにしている。そのため、可変機構部の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、異物をより一層噛み込んでしまうことを抑えることができる。従って、固着度合が更に高くなることを抑えることが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記第3の所定値以下のときであって、同保持トルクが前記第3の所定値よりも小さくかつ前記第2の所定値よりも大きい値に設定された第4の所定値を超えているときには、前記可変機構部を往復動させる処理を行うことをその要旨とする。
上述したように、可変機構部で固着が発生している場合において、固着度合が高いときには、そうした固着を解消するための処理を行うことが望ましい。そこで同構成では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが上記第1の所定値よりも小さい上記第3の所定値以下のとき、つまり可変機構部において固着異常ありと判定されるときにおいて、保持トルクが上記第3の所定値から上記第4の所定値の間にあり、固着度合が比較的高いと判断できるときには、可変機構部を往復動させる処理を行うようにしている。そのため、可変機構部の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、可変機構部の往復動によって異物を除去することが可能になる。従って、固着度合が高いときには、そうした固着を解消することができるようになる。
なお、請求項8に記載の発明によるように、バルブ特性値の変更時に可変動弁機構における固着異常の有無を仮判定し、固着異常有りと仮判定されるときには、バルブ特性値の変更を中止してバルブ特性値を一定値に保持し、上記保持トルクに基づいた固着異常の判定を行う、という構成を採用することもできる。ちなみに、バルブ特性値の変更時に固着異常の有無を仮判定する態様としては、例えばバルブ特性値の変更中において駆動部の出力トルクが過剰に高い場合や、バルブ特性値の目標値と実際値との乖離が大きい状態が継続している場合等に固着異常有りと仮判定することができる。
上記保持トルクとしては、請求項9に記載の発明によるように、前記駆動部には、供給電圧のデューティ比が大きくなるほど出力トルクが大きくなるモータが設けられており、前記保持トルクの代用値として前記デューティ比を用いる、という構成を採用することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の可変動弁機構の異常診断装置において、前記駆動部には、減速機構が設けられていることをその要旨とする。
減速機構内には回転部材が設けられているため、その回転部材において異物を噛み込むおそれがある。従って、上記駆動部に減速機構が設けられている場合には、駆動部の固着異常が発生しやすくなるおそれがある。この点、同構成では、上述した異常診断装置を備えるようにしているため、減速機構が設けられた駆動部での固着異常を特定することができるようになる。
本発明にかかる可変動弁機構の異常診断装置を具体化した第1実施形態にあって、これが適用されるエンジンのシリンダヘッド周りの構造を示す断面図。 同実施形態における可変機構部の破断斜視図。 同実施形態における可変動弁機構の模式図。 固着異常の有無によるスプリング反力及び保持デューティの変化を示すタイムチャート。 同実施形態における異常診断処理の手順を示すフローチャート。 固着度合に応じたスプリング反力及び保持デューティの変化を示すタイムチャート。 第2実施形態における異常診断処理の手順を示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる可変動弁機構の異常診断装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示されるように、可変動弁機構を備える多気筒内燃機関の機関本体1は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上方に載置されたシリンダヘッド20とを備えている。なお、本実施形態における内燃機関は4気筒エンジンとなっている。
シリンダブロック10の内部には、気筒数に応じた円筒状のシリンダ11が形成されており、各シリンダ11には、ピストン12が摺動可能に収容されている。シリンダブロック10の上部にはシリンダヘッド20が組み付けられており、シリンダ11の内周面、ピストン12の上面及びシリンダヘッド20の下面によって燃焼室13が区画形成されている。
シリンダヘッド20には、燃焼室13に連通する吸気ポート21及び排気ポート22が形成されている。吸気ポート21は吸気通路30の一部を構成している。また、排気ポート22は排気通路40の一部を構成している。
吸気ポート21には、同吸気ポート21と燃焼室13とを連通・遮断する機関バルブとしての吸気バルブ31が設けられている。排気ポート22には、同排気ポート22と燃焼室13とを連通・遮断する機関バルブとしての排気バルブ41が設けられている。各バルブ31、41はバルブスプリング24によって閉弁方向に付勢されている。
また、シリンダヘッド20の内部には、各バルブ31、41に対応してラッシュアジャスタ25が設けられている。そして、このラッシュアジャスタ25と各バルブ31、41との間にはロッカアーム26が架設されている。ロッカアーム26は、一端がラッシュアジャスタ25に支持されており、他端が各バルブ31、41の端部に当接されている。
更に、シリンダヘッド20には、各バルブ31、41を駆動する吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト42がそれぞれ回動可能に支持されている。吸気カムシャフト32には吸気カム32aが形成されており、排気カムシャフト42には排気カム42aが形成されている。排気カム42aの外周面は、排気バルブ41に当接しているロッカアーム26のローラ26aに当接されている。これにより、機関運転中に排気カムシャフト42が回転すると、排気カム42aの作用により、ラッシュアジャスタ25によって支持された部分を支点としてロッカアーム26が揺動する。そしてロッカアーム26の揺動により、排気バルブ41が開弁方向にリフトされる。
一方、吸気バルブ31に当接するロッカアーム26と吸気カム32aとの間には、吸気バルブ31のバルブ特性値を変更する可変機構部300が各気筒毎に設けられている。この可変機構部300は可変動弁機構の一部を構成する機構であり、入力アーム311と出力アーム321とを有している。これら入力アーム311及び出力アーム321はシリンダヘッド20に固定された支持パイプ330を中心に揺動可能に支持されている。ロッカアーム26は、バルブスプリング24の付勢力によって出力アーム321側に付勢され、同ロッカアーム26の中間部分に設けられたローラ26aが出力アーム321の外周面に当接されている。
また、可変機構部300の外周面には凸部313が設けられており、この凸部313には、シリンダヘッド20内に固定されたスプリング50の付勢力が作用する。このスプリング50の付勢力により、入力アーム311の先端に設けられたローラ311aが吸気カム32aの外周面に当接している。これにより、機関運転中に吸気カムシャフト32が回転すると、吸気カム32aの作用により、可変機構部300は支持パイプ330を中心に揺動する。そして、出力アーム321によってロッカアーム26が押圧されることにより、ラッシュアジャスタ25によって支持されている部分を支点としてロッカアーム26が揺動する。このロッカアーム26の揺動により、吸気バルブ31は開弁方向にリフトされる。
上記支持パイプ330には、その軸方向に沿って移動可能な制御軸340が挿入されている。可変機構部300は、制御軸340を軸方向に変位させることにより、支持パイプ330を中心とした入力アーム311と出力アーム321との相対位相差、即ち図1に示す角度θを変更する。
次に、図2を参照して、可変機構部300の構成を更に詳しく説明する。
図2に示されるように、シリンダヘッド20に固定された支持パイプ330の内部には、制御軸340が軸方向に移動可能に挿入されている。また、支持パイプ330には円筒状のスライダ350が軸方向に移動可能に外嵌されている。
この円筒状のスライダ350の内壁には、その周方向に沿って延伸する溝353が形成されている。そして、この溝353には、制御軸340に形成された凹部に基端部が挿入された係止ピン341が嵌合されている。また、支持パイプ330の管壁には、その軸方向に延伸する長孔331が形成されており、係止ピン341はこの長孔331を通じてスライダ350の溝353に係止されている。これによりスライダ350は、支持パイプ330及び制御軸340を中心に自由に揺動し、且つ制御軸340の軸方向の変位に連動して移動可能にされている。
また、スライダ350の外周面には、その中央部分にヘリカルスプライン351が形成されるとともに、その両端部分にはヘリカルスプライン351と歯すじが逆向きに傾斜したヘリカルスプライン352が形成されている。
このスライダ350には、図2に示されるように入力部310と、これを挟むように配設される一対の出力部320とが外嵌されている。入力部310の内周面には、ヘリカルスプライン312が形成されており、このヘリカルスプライン312がスライダ350のヘリカルスプライン351と噛合している。また、入力部310の外周面には、制御軸340の径方向に突出する一対の入力アーム311が形成されており、これら一対の入力アーム311の間にはローラ311aが回動自在に支持されている。
一方、一対の出力部320の内周面にはヘリカルスプライン322が形成されており、このヘリカルスプライン322がスライダ350のヘリカルスプライン352とそれぞれ噛合している。また、出力部320の外周面には、制御軸340の径方向に突出する出力アーム321がそれぞれ形成されている。
このように構成された可変機構部300では、制御軸340が軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダ350が軸方向に変位する。スライダ350の外周面に形成されたヘリカルスプライン351、352は、歯すじの形成方向がそれぞれ異なっており、入力部310及び出力部320の内周面に形成されたヘリカルスプライン312,322とそれぞれ噛合されている。そのため、スライダ350が軸方向に変位すると、入力部310と出力部320はそれぞれ逆の方向に回動する。その結果、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が変更され、吸気バルブ31のバルブ特性値である最大リフト量及び開弁期間が変更される。具体的には、図2に示す矢印Hi方向に制御軸340を変位させると、制御軸340とともにスライダ350がHi方向に移動する。これに伴って入力アーム311と出力アーム321との相対位相差、即ち図1に示した角度θが大きくなり、吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間INCAMが大きくなって吸入空気量が増大する。一方、図2に示す矢印Lo方向に制御軸340を変位させると、制御軸340とともにスライダ350がLo方向に移動するのに伴って入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が小さくなり、吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間INCAMが小さくなって吸入空気量は減少する。
本実施形態の内燃機関では、このように吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間INCAMが変更されることにより吸入空気量GAが調量される。
次に、図3を参照して、可変機構部300の制御軸340を軸方向に変位させる駆動部200、及び駆動部200の制御態様を説明する。なお、この駆動部200も、可変動弁機構の一部を構成する。
図3に示されるように、駆動部200には、供給電圧のデューティ比が大きくなるほど出力トルクが大きくなる電動式のモータ210と、モータ210の回転速度を減速するとともに同モータ210の回転運動を直線運動に変換して出力する出力軸221を有した減速機構220とが備えられている。
制御軸340の先端部と出力軸221の先端部とは、連結部400にて連結されている。これにより、モータ210を所定の範囲、例えば10回転分の回転角範囲(0〜3600°)内で回転させると、モータ210の回転運動が減速機構220の出力軸221を通じて直線運動に変換されて制御軸340に伝達され、制御軸340が軸方向に変位して可変機構部300が駆動される。
因みに、モータ210を逆回転させると、制御軸340は、図3に示す矢印Hi方向に移動し、上述したように可変機構部300の入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が大きくなる。一方、モータ210を正回転させると、制御軸340は図3に示す矢印Lo方向に移動し、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が小さくなる。
なお、可変機構部300の各ヘリカルスプラインの歯すじ方向を変更することにより、モータ210を正回転させたときには入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が大きくなり、モータ210を逆回転させたときには入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が小さくなるようにすることも可能である。
制御軸340の矢印Hi方向への移動及び矢印Lo方向への移動は、制御軸340に設けられた図示しないストッパによって所定の範囲内で規制されており、このストッパによって規制される位置が制御軸340の可動限界位置となっている。
このように駆動部200を駆動して制御軸340をその軸方向に変位させることにより吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間INCAMは、制御軸340の軸方向の位置に対応して変化する。また、制御軸340の軸方向の位置は、駆動部200の駆動量、より詳しくはモータ210の回転角に対応して変化する。
駆動部200には、モータ210の相対回転角を検出する回転角センサS1が設けられている。
回転角センサS1は、可変動弁機構の駆動制御、換言すればモータ210の回転駆動制御を行うモータ用制御装置150に接続されている。このモータ用制御装置150では、上記可動限界位置を基準位置とし、この基準位置と回転角センサS1で検出される相対回転角とに基づいてモータ210の絶対回転角が算出される。この絶対回転角は、可動限界位置からの制御軸340の位置と一致するため、同絶対回転角に基づいて制御軸340の軸方向の位置を示すストローク値Sが算出される。
モータ用制御装置150で算出されたストローク値Sは、機関用制御装置100に入力される。この機関用制御装置100には、例えば以下のような各種センサやスイッチが接続されている。
・車両の運転者によって操作されるアクセル操作部材、つまりアクセルペダルの操作量(アクセル操作量ACCP)を検出するアクセルセンサ111。
・内燃機関の吸気通路30に設けられたスロットルバルブの開度(スロットル開度TA)を検出するスロットルセンサ112。
・上記吸気通路30を介して燃焼室13に吸入される空気の量、すなわち吸入空気量GAを検出するエアフロメータ113。
・内燃機関のクランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ114。
・内燃機関の冷却水の温度を検出する水温センサ115。
・内燃機関の始動及び停止を行うイグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという)116。
機関用制御装置100は、各種センサから出力された信号等に基づいて機関運転状態を把握する。そして、その把握した機関運転状態に基づいて燃料噴射制御や点火時期制御といった各種機関制御を行う。
また、機関用制御装置100は、上記可変機構部300及び上記駆動部200とで構成される可変動弁機構の駆動制御も行う。具体的には、機関用制御装置100は、上記ストローク値Sに基づいて吸気バルブ31の最大リフト量VLの現状値を算出する。また、同機関用制御装置100は、機関運転状態に基づいて最大リフト量VLの目標値である目標リフト量VLpを算出する。この目標リフト量VLpは、モータ用制御装置150に入力され、同モータ用制御装置150では、目標リフト量VLpに対応する目標ストローク値Spが算出される。そして、実際のストローク値Sが目標ストローク値Spと一致するようにモータ210のデューティ比がフィードバック制御されることにより、実際の最大リフト量VLが目標リフト量VLpに向けて変更される。なお、最大リフト量VLと開弁期間INCAMとは同期して変化するため、目標リフト量VLpに代えて目標開弁期間INCAMpを設定し、この目標開弁期間INCAMpに対応する目標ストローク値Spを算出するようにしてもよい。
ところで、上記可変動弁機構において、異物の噛み込み等による固着異常が生じると、バルブ特性値を変更することが困難になる。そこで、本実施形態では、そうした固着異常の有無を診断するようにしており、特に、固着異常が可変機構部300で発生しているのか、または駆動部200(モータ210又は減速機構220)で発生しているのかを特定できるようにしている。
図4を併せ参照して、固着異常の発生箇所を特定するための原理を説明する。なお、図4には、最大リフト量VLが一定値に保持されているときの態様を示している。
一般に、バルブ特性値を変更する可変機構部には、機関バルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングの反力が作用する。例えば、上記可変機構部300の場合には、吸気バルブ31を閉弁方向に付勢するバルブスプリング24の反力が出力アーム321を介してスライダ350に作用する。このスライダ350に作用したスプリング反力は、制御軸340、連結部400、出力軸221を介して駆動部200に伝達される。
なお、スプリング反力は吸気バルブ31のリフト量が大きくなるほど増大する。そのため、図4に示すように、駆動部200に作用するスプリング反力は、各気筒での吸気バルブ31の開閉動作に同期して変動を繰り返す。また、4気筒エンジンの場合には、クランクシャフトが2回転して吸気カムシャフト32が1回転すると、全気筒の吸気行程が一巡する。そのため、例えば点火順序が1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒となっている場合には、クランクシャフトが2回転する間に、1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順で、スプリング反力のピークが表れる。
また、出力アーム321に作用したバルブスプリング24の反力は、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が小さくなる方向にスライダ350を移動させる付勢力として作用する。
従って、バルブ特性値を一定の値に保持するときには、駆動部200から出力される保持トルクが、変動するスプリング反力と釣り合う大きさとなるように調整される。より詳細には、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が小さくなる方向に作用するスプリング反力に抗する方向、つまり出力軸221を可変機構部300側に押し出す方向に保持トルクを発生させる。そして、同スプリング反力が大きくなるほど保持トルクも大きくなるように、モータ210へのデューティ比が調整される(以下、バルブ特性値を一定の値に保持するときにモータ210に供給される電圧のデューティ比を、保持デューティという)。また、保持デューティが大きくなるほど保持トルクも大きくなるため、保持デューティと保持トルクとは一対一で対応している。そこで、以下では、保持トルクの代用値として保持デューティを用いるようにしている。
さて、例えば4番気筒に設けられた可変機構部300において、スライダ350のヘリカルスプラインに異物を噛み込むなどして固着異常が生じているときには、スプリング反力が可変機構部300の固着部での駆動抵抗により減衰される。そのため、図4に二点鎖線LCHで示すように、4番気筒の可変機構部300から駆動部200に伝達されるスプリング反力は小さくなる。従って、可変機構部300において固着が発生している気筒の保持デューティHDは、図4に二点鎖線LCDで示すように、可変機構部300において固着が発生していない他の気筒の保持デューティHDよりも小さくなる。より詳細には、可変動弁機構に固着異常が生じていない正常動作時における保持デューティHDと異なって小さくなる。そこで、本実施形態では、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているとき、つまり予めの実験等によって定められた正常判定値HAに比して小さいときには、可変機構部300に固着異常ありと判定するようにしている。なお、この正常判定値HAは、保持デューティHDが可変動弁機構の正常動作時の値となっているか否かを判定するための判定値であり、上記第1の所定値に相当する。
他方、駆動部200が固着しているときには、可変機構部300から伝達されてくるスプリング反力が駆動部200の固着部での駆動抵抗で減衰される。そのため、図4に二点鎖線LBHで示すように、駆動部200において固着が発生しているときに駆動部200に作用するスプリング反力は、ほぼ一定の非常に小さい値になる。従って、図4に二点鎖線LBDで示すように、駆動部200において固着が発生しているときには、可変機構部300での固着発生と異なり、一部の気筒ではなく、全気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なって非常に小さくなる。そこで、本実施形態では、全ての気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているとき、つまり上記正常判定値HAよりも小さい値に設定された異常判定値HBに比して小さいときには、駆動部200に固着異常ありと判定するようにしている。なお、この異常判定値HBは、上記第2の所定値に相当する。
図5に、上記原理に基づいて行われる可変動弁機構の異常診断処理について、その処理手順を示す。この処理は、モータ用制御装置150によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、目標リフト量VLpが変更されたか否か、つまりバルブ特性値の変更途中であるか否かが判定される(S100)。
そして、目標リフト量VLpが変更されておらず、現在、バルブ特性値が一定の値に保持されているときには(S100:NO)、ステップS130以降の処理が行われる。
一方、目標リフト量VLpが変更されており、現在、バルブ特性値の変更途中であるときには(S100:YES)、モータ210が回転しておらず、かつ駆動デューティDDが駆動異常判定値A以上であるか否かが判定される(S110)。この駆動デューティDDは、バルブ特性値の変更途中におけるモータ210のデューティ比である。そして、ステップS110にて否定判定されるときには(S110:NO)、可変動弁機構に固着異常が起きていないと判断されて、本処理は、一旦終了される。
一方、ステップS110にて肯定判定されるときには(S110:YES)、可変動弁機構に固着異常が生じている可能性があると仮判定される。そして固着異常の発生部位を特定するために、ステップS120以降の処理が行われる。
まず、ステップS120では、現在のバルブ特性値を保持する保持モードが実行される。ここでは、現在の最大リフト量VLが目標リフト量VLpに設定されることにより、バルブ特性値の変更が中止されて、吸気バルブ31のバルブ特性値は一定値に保持される。
次に、保持デューティHDが上述した異常判定値HBよりも小さくなっている状態が、所定の判定時間TH以上継続されているか否かが判定される(S130)。この判定時間THは、全気筒において「保持デューティHD<異常判定値HB」の状態になっていることを判定するための時間であり、少なくともクランクシャフトが2回転するのに要する時間が設定される。例えば、機関回転速度に基づいて判定時間THを可変設定してもよい。また、ステップS130では、判定時間THに代えて、クランクシャフトが少なくとも2回転したことをクランク角にて検出し、この2回転する間において保持デューティHDが常に上記異常判定値HBよりも小さくなっていたことを確認するようにしてもよい。
そして、ステップS130にて、保持デューティHDが異常判定値HBよりも小さくなっている状態が、判定時間TH以上継続されていると判定されるときには(S130:YES)、全ての気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっている。そのため、上述した原理に基づき、駆動部200に固着異常有りと判定される(S160)。なお、駆動部200に固着異常有りと判定されるときには、モータ210及び減速機構220の少なくとも一方において固着異常が生じていると判定される。そして、本処理は、一旦終了される。
一方、ステップS130にて否定判定されるときには、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、予めの実験等によって定められた正常判定値HAに比して小さいか否かが判定される(S140)。より具体的には、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となった回数が4回未満か否かが判定される。つまり、先の図4において実線LADにて示すように、全気筒の可変機構部300において固着異常が発生していないときには、全ての気筒において保持デューティHDが大きく変動を繰り返すため、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数は「4回」になる。一方、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが上記正常判定値HAに比して小さいとき、例えば先の図4に二点鎖線LCDにて示したように、4番気筒の可変機構部300にて固着異常が生じているときには、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数は「3回」になる。同様に、2つの気筒において可変機構部300にて固着異常が生じているときには、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数は「2回」となる。また、3つの気筒において可変機構部300にて固着異常が生じているときには、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数は「1回」になる。
なお、全気筒の可変機構部300において固着異常が生じているときには、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数は「0回」になる。このように全気筒の可変機構部300において固着異常が生じているときには、保持デューティHDが常に正常判定値HAよりも小さい値となる。ここで、ステップS140での判定は、ステップS130にて駆動部200での固着異常発生が否定された場合に行われる。従って、ステップS140にて、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となる回数が「0回」であったと判定されるときには、全気筒の可変機構部300において固着異常が生じていると判定することが可能である。
こうしてステップS140にて肯定判定されるときには、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているため、上述した原理に基づき、可変機構部300に固着異常有りと判定される(S170)。なお、本実施形態では、ステップS140の判定条件、つまり「保持デューティHD≧正常判定値HA」の条件についてこれを満たせなかった気筒を記憶するようにしており、ステップS170では、その記憶された気筒に設けられた可変機構部300に固着異常有りと判定される。
一方、ステップS140にて否定判定されるときには、可変動弁機構に固着異常なしと判定されて(S150)、本処理は一旦終了される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上述した異常診断処理では、ステップS130にて、保持デューティHDが異常判定値HBよりも小さくなっている状態が、判定時間TH以上継続されていると判定されるときには、次のように判定される。すなわち全ての気筒における保持デューティHDが、上記正常判定値HAよりも小さい値に設定された異常判定値HBに比して小さいと判定されるため、上記原理に基づいて駆動部200に固着異常ありと判定される。
また、ステップS140にて、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧正常判定値HA」となった回数が4回未満であると判定されるときには、次のように判定される。すなわち複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、正常判定値HAに比して小さいと判定されるため、上記原理に基づいて可変機構部300に固着異常ありと判定される。
このようにして可変機構部300と駆動部200とを備える可変動弁機構において、固着異常の発生箇所が可変機構部300なのか駆動部200なのかが特定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが正常所定値HAよりも小さいときには、当該一部の気筒の保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているため、可変機構部300に固着異常ありと判定している。そして、全ての気筒における保持デューティHDが正常所定値HAよりも小さい値に設定された異常判定値よりも小さいときには、全ての気筒の保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているため、駆動部200に固着異常ありと判定するようにしている。従って、可変機構部300と駆動部200とを備える可変動弁機構において、固着異常の発生箇所を特定することができるようになる。
(2)複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが正常所定値HAよりも小さいときには、「保持デューティHD≧正常判定値HA」の条件についてこれを満たせなかった気筒、つまり可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なる保持デューティHDになっている気筒を記憶するようにしている。そして図5に示したステップS170では、その記憶された気筒に設けられた可変機構部300に固着異常有りと判定するようにしている。従って、各気筒に設けられた可変機構部300のうちで固着異常が発生している可変機構部300を特定することができるようになる。
(3)駆動部200には、減速機構220が設けられている。ここで、減速機構220内には回転部材が設けられているため、その回転部材において異物を噛み込むおそれがある。従って、駆動部200に減速機構220が設けられている場合には、駆動部200の固着異常が発生しやすくなるおそれがある。この点、本実施形態では、上述した異常診断処理を行うことにより、減速機構220が設けられた駆動部200での固着異常を特定することができるようになる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の異常診断装置を具体化した第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
図6に示すように、可変機構部300において、同可変機構部300が動けない程度に完全に固着している場合には、二点鎖線LCHにて示すように、スプリング反力は変動すること無く一定の低い値になる。一方、可変機構部300での固着の度合が低く、同可変機構部300がある程度動ける場合には、その固着度合が低いほどスプリング反力は大きくなり、このスプリング反力に抗する保持トルク、つまり保持デューティHDも大きくなる。
そこで本実施形態では、固着異常の有無に加えて、さらに可変機構部300での固着度合(換言すれば可変動弁機構の作動性低下に対する固着の影響度合)を保持デューティHDの大きさに基づいて判別し、その固着度合に応じた処置を行うようにしており、第1実施形態で説明した異常診断処理の一部を変更するとともに新たな処理を追加するようにしている。そこで、以下では、第1実施形態との相異点を中心に、本実施形態の異常診断装置を説明する。
図7に示すように、本処理が開始されるとまず、目標リフト量VLpが変更されたか否か、つまりバルブ特性値の変更途中であるか否かが判定される(S200)。
そして、目標リフト量VLpが変更されておらず、現在、バルブ特性値が一定の値に保持されているときには(S200:NO)、ステップS230以降の処理が行われる。
一方、目標リフト量VLpが変更されており、現在、バルブ特性値の変更途中であるときには(S200:YES)、モータ210が回転しておらず、かつ駆動デューティDDが駆動異常判定値A以上であるか否かが判定される(S210)。この駆動デューティDDは、バルブ特性値の変更途中におけるモータ210のデューティ比である。そして、ステップS210にて否定判定されるときには(S210:NO)、可変動弁機構に固着異常が起きていないと判断されて、本処理は、一旦終了される。
一方、ステップS210にて肯定判定されるときには(S210:YES)、可変動弁機構に固着異常が生じている可能性があると仮判定される。そして固着異常の発生部位を特定するとともに固着度合に応じた処置を行うために、ステップS220以降の処理が行われる。
まず、ステップS220では、第1実施形態と同様に、現在のバルブ特性値を保持する保持モードが実行される。ここでは、現在の最大リフト量VLが目標リフト量VLpに設定されることにより、バルブ特性値の変更が中止されて、吸気バルブ31のバルブ特性値は一定値に保持される。
次に、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、予めの実験等によって定められた第1判定値H1に比して小さいか否かが判定される(S230)。より具体的には、第1実施形態と同様に、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第1判定値H1」となった回数が4回未満か否かが判定される。なお、第1判定値H1には、可変動弁機構での固着異常の有無を判定できる値、つまり技術的には上記正常判定値HAに準じた値が設定されている。ちなみに、本実施形態では、固着の度合も判定するようにしているため、固着異常の有無を判定する第1判定値H1としては、上記正常判定値HAよりも大きい値が設定されている。
そして、ステップS230にて否定判定されるとき、つまりクランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第1判定値H1」となった回数が4回のときには(保持デューティHDが先の図6に示す二点鎖線LCD1となっているときに相当)、可変動弁機構に固着異常なしと判断される。そして、異常判定フラグFが「0」に設定されて(S270)、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS230にて肯定判定されるとき、つまりクランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第1判定値H1」となった回数が4回未満であり、少なくとも一部の気筒の保持デューティHDが第1判定値H1よりも小さいときには、ステップS240以降の処理が行われる。
ステップS240では、第1判定値H1よりも小さいと判定された保持デューティHDが、予めの実験等によって定められた第2判定値H2を超えているか否かが判定される。より具体的には、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第2判定値H2」となった回数が「4回」か否かが判定される。なお、第2判定値H2は、上記第1判定値H1よりも小さく且つ上記異常判定値HBよりも大きい値が設定されている。また、この第2判定値H2は上記第3の所定値に相当する。
そして、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第2判定値H2」となった回数が「4回」であるときには(保持デューティHDが先の図6に示す二点鎖線LCD2となっているとき)、第1判定値H1よりも小さいと判定された保持デューティHDが第2判定値H2を超えていることになる。従って、ステップS240にて肯定判定されるときには、可変機構部300に固着異常が生じているものの固着度合は比較的低いと判断される。そしてこの場合には、異常判定フラグFが「1」に設定されて(S280)、本処理は一旦終了される。
このようにして異常判定フラグFが「1」に設定されると、目標リフト量VLpの制限処理が実行される。この制限処理では、可変機構部300に固着異常なしと判定される場合と比較して、可変機構部300の可動範囲が狭くなるように目標リフト量VLpが制限される。同制限処理は適宜行うことができるが、例えば、現在設定されている目標リフト量VLpや、現在設定されている目標リフト量VLpよりもやや小さい最大リフト量VLを、目標リフト量VLpとして設定可能な上限値として設定するようにしてもよい。
一方、ステップS240にて否定判定されるとき、つまりクランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第2判定値H2」となった回数が4回未満であり、第2判定値H2を超えていない保持デューティHDが存在するときには、次のステップS250の処理が行われる。
ステップS250では、第2判定値H2よりも小さいと判定された保持デューティHDが、予めの実験等によって定められた第3判定値H3を超えているか否かが判定される。より具体的には、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第3判定値H3」となった回数が「4回」か否かが判定される。なお、第3判定値H3は、上記第2判定値H2よりも小さく且つ上記異常判定値HBよりも大きい値が設定されている。また、この第3判定値H3は上記第4の所定値に相当する。
そして、クランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第3判定値H3」となった回数が「4回」であるときには(保持デューティHDが先の図6に示す二点鎖線LCD3となっているとき)、第2判定値H2よりも小さいと判定された保持デューティHDが第3判定値H3を超えていることになる。従って、ステップS250にて肯定判定されるときには、可変機構部300に固着異常が生じており、その固着度合は比較的高いと判断される。そしてこの場合には、異常判定フラグFが「2」に設定されて(S290)、本処理は一旦終了される。
このようにして異常判定フラグFが「2」に設定されると、可変機構部300を強制的に往復動させる異物除去処理が実行される。
一方、ステップS250にて否定判定されるとき、つまりクランクシャフトが2回転する間に、「保持デューティHD≧第3判定値H3」となった回数が4回未満であり、第3判定値H3を超えていない保持デューティHDが存在するときには、次のステップS260の処理が行われる。
ステップS260では、保持デューティHDが上述した異常判定値HBよりも小さくなっている状態が、所定の判定時間TH以上継続されているか否かが判定される。この判定時間THは、全気筒において「保持デューティHD<異常判定値HB」の状態になっていることを判定するための時間であり、少なくともクランクシャフトが2回転するのに要する時間が設定される。例えば、機関回転速度に基づいて判定時間THを可変設定してもよい。また、ステップS260では、判定時間THに代えて、クランクシャフトが少なくとも2回転したことをクランク角にて検出し、この2回転する間において保持デューティHDが常に上記異常判定値HBよりも小さくなっていたことを確認するようにしてもよい。
そして、ステップS260にて、保持デューティHDが異常判定値HBよりも小さくなっている状態が、判定時間TH以上継続されていると判定されるとき、つまり保持デューティHDが先の図6に示す二点鎖線LBDの状態になっているときには(S260:YES)、駆動部200に固着異常有りと判断される。そしてこのようにして駆動部200に固着異常有りと判断されると、異常判定フラグFが「4」に設定され(S310)、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS260にて否定判定されるときには(保持デューティHDが先の図6に示す二点鎖線LCD4となっているとき)、保持デューティHDが異常判定値HBほどには低くなっていないものの、非常に小さくなっているため、可変機構部300に固着異常が生じており、その固着度合はかなり高いと判断される。そしてこの場合には、異常判定フラグFが「3」に設定されて(S300)、本処理は一旦終了される。
このようにして異常判定フラグFが「3」に設定されると、可変機構部300を強制的に往復動させる異物除去処理が実行される。ただし異常判定フラグFが「3」に設定されているときに実行される異物除去処理は、同異常判定フラグFが「2」に設定されているときの異物除去処理に比べて、異物除去効果がより高くなるように実行される。例えば、可変機構部300を強制的に往復動させる時間をより長くしたり、往復動させる範囲をより広くしたり、往復動させるときの速度を速くしたりすることにより、異物除去効果がより高められる。
なお、本実施形態においても、ステップS230にて肯定判定されるときには、「保持デューティHD≧第1判定値H1」の条件を満たせなかった気筒、つまり可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なる保持デューティHDになっている気筒を記憶するようにしている。これにより各気筒に設けられた可変機構部300のうちで固着異常が生じている可変機構部300が特定される。
次に、本実施形態によって得られる特有の作用を説明する。
可変機構部300で固着が発生している場合において、保持デューティHDが大きいときほど固着度合は比較的低くなっている。そして、固着度合が低いときには、固着度合がそれ以上に高くならないようにするための処理を行うことが望ましい。そこで、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが上記第1判定値H1よりも小さく、可変機構部300において固着異常ありと判定されるときには、さらに次の判定が行われる。すなわち一部の気筒における保持デューティHDと可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDとの乖離度合が小さいか否かが判定される。より具体的には、保持デューティHDが上記第1判定値H1から上記第2判定値H2の間にあるときには、上記乖離度合が小さいと判断されて、固着度合は比較的低いと判断される。そして固着度合が比較的低いと判断されるときには、可変機構部300の可動範囲が狭くなるように制限する処理が行われる。そのため、可変機構部300の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、異物をより一層噛み込んでしまうことを抑えることができる。従って、固着度合が更に高くなることを抑えることが可能になる。
また、可変機構部300で固着が発生している場合において、固着度合が高いときには、そうした固着を解消するための処理を行うことが望ましい。そこで、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、上記第1判定値H1よりも小さい値に設定された第2判定値H2よりも小さく可変機構部300において固着異常ありと判定されるときには、さらに次の判定が行われる。すなわち一部の気筒における保持デューティHDと可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDとの乖離度合が大きいか否かが判定される。より具体的には、保持デューティHDが上記第2判定値H2から上記第3判定値H3の間にあるときには、上記乖離度合が大きいと判断されて、固着度合は比較的高いと判断される。そして固着度合が比較的高いと判断されるときには、可変機構部300を往復動させる処理が行われる。そのため、可変機構部300の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、可変機構部300の往復動によって異物を除去することが可能になる。従って、固着度合が高いときには、そうした固着を解消することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記(1)〜(3)の効果に加えて、次の効果も得ることができる。
(4)複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが第1判定値H1よりも小さいときであって、同保持デューティHDが第1判定値H1よりも小さくかつ異常判定値HBよりも大きい値に設定された第2判定値H2を超えているときには、次のように判断するようにしている。すなわち一部の気筒における保持デューティHDと可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDとの乖離度合が小さく、固着度合が比較的低いと判断するようにしている。そして、固着度合が比較的低いと判断されるときには、可変機構部300に固着異常がないときと比較して、可変機構部300の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行うようにしている。そのため、可変機構部300の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、異物をより一層噛み込んでしまうことを抑えることができる。従って、固着度合が更に高くなることを抑えることが可能になる。
(5)複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが上記第2判定値H2よりも小さいときであって、同保持デューティHDが第2判定値H2よりも小さくかつ異常判定値HBよりも大きい値に設定された第3判定値H3を超えているときには、次のように判断するようにしている。すなわち一部の気筒における保持デューティHDと可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDとの乖離度合が大きく、固着度合が比較的高いと判断するようにしている。そして、固着度合が比較的高いと判断されるときには、可変機構部300を往復動させる処理を行うようにしている。そのため、可変機構部300の固着が、異物の噛み込みにより生じているときには、可変機構部300の往復動によって異物を除去することが可能になる。従って、固着度合が高いときには、そうした固着を解消することができるようになる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・バルブ特性値の変更時において固着異常の有無を仮判定する方法は、適宜変更することができる。例えば、バルブ特性値の目標値と実際値との乖離が大きい状態が継続している場合に固着異常有りと仮判定してもよい。
・バルブ特性値の変更時における固着異常の仮判定を省略し、バルブ特性値が一定値に保持されているときに限り、固着部位の特定を行うようにしてもよい。この変形例は、図5に示したステップS110及びステップS120の処理を省略するとともに、ステップS100にて肯定判定されるときには異常診断処理を一旦終了させることにより、具現化できる。また、この変形例は、図7に示したステップS210及びステップS220の処理を省略するとともに、ステップS200にて肯定判定されるときには異常診断処理を一旦終了させることによっても具現化できる。
・複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDが、予めの実験等によって定められた判定値に比して小さいか否かを判定するために、クランクシャフトが2回転する間に保持デューティHDが所定の判定値を超えた回数を計測し、その計測された回数が4回に達したかどうかを判定するようにしたが、この他の態様で判定してもよい。例えば、各気筒毎に保持デューティHDの積算値や平均値を求める。そして、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持デューティHDの積算値や平均値が、予めの実験等によって定められた判定値に比して小さいか否かを判定し、この判定値よりも小さい保持デューティHDに対応した気筒の可変機構部300について固着異常有りと判定してもよい。また、クランクシャフトが2回転する間に、保持デューティHDが所定の判定値に対して立ち上がったり、立ち下がったりした回数が「4回」有ったか否かを判定するようにしてもよい。
・「保持デューティHD≧正常判定値HA」の条件を満たせなかった気筒や、「保持デューティHD≧第1判定値H1」の条件を満たせなかった気筒を記憶することにより、各気筒に設けられた可変機構部300のうちで固着異常が生じている可変機構部300を特定するようにしたが、こうした記憶処理を省略してもよい。この場合でも、少なくとも可変機構部300での固着異常の有無は診断することができ、上記(2)以外の効果を得ることができる。
・第1実施形態では、各気筒における保持デューティHDが、可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDと異なっているか否かを判定するために、保持デューティHDの値そのものを予め定められた判定値と比較するようにしたが、この他の態様で判定するようにしてもよい。たとえば、上述したような保持デューティHDの積算値や平均値を算出し、その算出された値に基づいて判定するようにしてもよい。
・第2実施形態では、一部の気筒における保持デューティHDと可変動弁機構の正常動作時における保持デューティHDとの乖離度合についてその大小を判定するために、保持デューティHDの値そのものを予め定められた判定値と比較するようにしたが、この他の態様で判定するようにしてもよい。たとえば、上述したような保持デューティHDの積算値や平均値を算出し、その算出された値に基づいて乖離度合の大小を判定するようにしてもよい。
・保持トルクの代用値として保持デューティHDを用いるようにしたが、保持トルクそのものをセンサ等で検出するようにしてもよい。
・駆動部200には、減速機構220を設けるようにしたが、こうした減速機構220を備えていない駆動部200でも、例えばモータ210の固着ロック等は起こりえる。従って、駆動部200に減速機構220を備えていない可変動弁機構にも、本発明は同様に適用することができる。
・上記内燃機関の気筒数は4気筒であったが、他の気筒数であってよい。この場合には保持デューティHDが所定の判定値を超えた回数についてこれを上述した「4回」から、気筒数に応じた回数(例えば6気筒であれば「6回」)等に変更すればよい。
・第2実施形態では、可変機構部300の固着度合を判別するために、第2判定値H2及び第3判定値H3といった2つの判定値を設定するようにした。この他、3つ以上の判定値を設定してより細かく固着度合を判別するようにしてもよい。また、判定値を1つのみにして処理を簡素化してもよい。
・第2実施形態では、可変機構部300の可動範囲が狭くなるように制限する処理や、可変機構部300を往復動させる処理を行うようにしたが、いずれか一方の処理のみを行うようにしてもよい。また、双方の処理を行わず、可変機構部300の固着度合のみを判別するようにしてもよい。また、可変機構部300の固着度合に応じて別の処理を行うようにしてもよい。
・上記可変動弁機構は、吸気バルブ31の最大リフト量及び開弁期間を変更可能な機構であった。この他、少なくとも吸気バルブの最大リフト量を変更可能な機構、あるいは少なくとも吸気バルブの開弁期間を変更可能な機構にであっても、本発明は同様に適用することができる。また、最大リフト量や開弁期間とは異なるバルブ特性値(例えば開弁時期や閉弁時期など)を変更する可変動弁機構であってもよい。また、排気バルブ41のバルブ特性値を変更する可変動弁機構であってもよい。
1:機関本体、10:シリンダブロック、11:シリンダ、12:ピストン、13:燃焼室、20:シリンダヘッド、21:吸気ポート、22:排気ポート、24:バルブスプリング、25:ラッシュアジャスタ、26:ロッカアーム、26a:ローラ、30:吸気通路、31:吸気バルブ、32:吸気カムシャフト、32a:吸気カム、40:排気通路、41:排気バルブ、42:排気カムシャフト、42a:排気カム、50:スプリング、100:機関用制御装置、111:アクセルセンサ、112:スロットルセンサ、113:エアフロメータ、114:クランク角センサ、115:水温センサ、116:イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、150:モータ用制御装置、200:駆動部、210:モータ、220:減速機構、221:出力軸、300:可変機構部、310:入力部、311:入力アーム、311a:ローラ、312:ヘリカルスプライン、313:凸部、320:出力部、321:出力アーム、322:ヘリカルスプライン、330:支持パイプ、331:長孔、340:制御軸、341:係止ピン、350:スライダ、351:ヘリカルスプライン、352:ヘリカルスプライン、353:溝、400:連結部。

Claims (10)

  1. 複数の気筒毎に設けられて機関バルブのバルブ特性値を変更する可変機構部と、前記可変機構部を駆動する駆動部とを備える可変動弁機構の異常診断装置であって、
    前記バルブ特性値を一定値に保持するときに前記駆動部から出力されるトルクである保持トルクについて、複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、前記可変機構部に固着異常ありと判定し、全ての気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、前記駆動部に固着異常ありと判定する
    ことを特徴とする可変動弁機構の異常診断装置。
  2. 複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときには、前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なる保持トルクになっている気筒の可変機構部に固着異常ありと判定する
    請求項1に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  3. 複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なるときであって、当該一部の気筒における保持トルクと前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクとの乖離度合が小さいときには、前記可変動弁機構の正常動作時と比較して前記可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行い、前記乖離度合が大きいときには、前記可変機構部を往復動させる処理を行う
    請求項1または2に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  4. 複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが予め定められた第1の所定値以下のときには、当該一部の気筒における保持トルクは前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定する
    請求項1または2に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  5. 全ての気筒における保持トルクが前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときには、全ての気筒における保持トルクが前記可変動弁機構の正常動作時における保持トルクと異なると判定する
    請求項4に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  6. 複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記第1の所定値以下のときであって、同保持トルクが前記第1の所定値よりも小さくかつ前記第2の所定値よりも大きい値に設定された第3の所定値を超えているときには、前記可変動弁機構の正常動作時と比較して前記可変機構部の可動範囲が狭くなるように制限する処理を行う
    請求項5に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  7. 複数の気筒のうちの一部の気筒における保持トルクが前記第3の所定値以下のときであって、同保持トルクが前記第3の所定値よりも小さくかつ前記第2の所定値よりも大きい値に設定された第4の所定値を超えているときには、前記可変機構部を往復動させる処理を行う
    請求項6に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  8. 前記バルブ特性値の変更時に前記可変動弁機構における固着異常の有無を仮判定し、固着異常有りと仮判定されるときには、前記バルブ特性値の変更を中止して同バルブ特性値を一定値に保持し、前記保持トルクに基づいた固着異常の判定を行う
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  9. 前記駆動部には、供給電圧のデューティ比が大きくなるほど出力トルクが大きくなるモータが設けられており、前記保持トルクの代用値として前記デューティ比を用いる
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
  10. 前記駆動部には、減速機構が設けられている
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の可変動弁機構の異常診断装置。
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