JP5952798B2 - 介護移動用カート - Google Patents

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Description

本発明は、被介護者が介護者の助けを借りて移動する場合に用いる介護移動用カートに係り、特に、被介護者の歩行訓練にも使用することが可能な介護移動用カートに関する。
自力歩行が困難になった被介護者がベッドから車いす等に移動する場合、介護者の手助けが必要であるが、この作業は介護者にとって重労働であった。そこで、このような課題を解決するものとして、近年、介護者の肉体的負担を軽減させる技術が強く望まれている。そして、それに関し既に幾つかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「多機能患者移送装置」という名称で、リフトカート及びリフトコンポーネントを備え、歩行困難な患者を移送することが可能な装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、中央構造体を含むリフトカートを有し、互いにほぼ平行な2本のアームを有する前側バーやリフトフォークが中央構造体に連結されるとともに、この中央構造体によって前側バーやリフトフォークが昇降される構造となっている。
このような構造によれば、リフトフォークに患者インターフェイスを連結することにより、患者インターフェイスによって支持された患者を昇降させることができる。
また、特許文献2には、「要介護者移動用装置および歩行補助用装置としての使用に適した介護補助装置」という名称で、自力歩行が困難な要介護者を移動させる装置と、補助具があれば自力歩行が可能な要介護者用の歩行補助装置を兼ねる装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、上体支持部が接続される支柱とともに、鉛直方向へ昇降する可動ロッドを備えた昇降装置が台車部上に設置され、可動ロッドに座部が接続された構造となっている。
このような構造によれば、歩行補助用装置として使用できることに加え、要介護者を着座させたままベッドなどから装置へ引き取ることができる。
特表2011−516182号公報 特開2013−31635号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、前側バーやリフトフォークの昇降手段を兼ねる中央構造体に脚部が連結されており、前側バーやリフトフォークあるいは脚部に対して昇降手段が着脱可能な構造となっていないため、歩行補助用装置として用いる場合には重すぎて扱い難いという課題があった。さらに、構造が複雑なため、安価に製造することができず、また、嵩張るため、広い保管スペースを必要とするという課題があった。加えて、保管場所等に複数台を収納する目的で入れ子状に重ねる際には、前側バーとリフトフォークを上方へ回転させ、脚部を横方向へ回転させるという煩雑な操作を行わなければならないため、作業性が悪いという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、要介護者を移動させる装置と歩行補助用装置の2つの機能を備えているものの、歩行補助用装置として使用する際に必要となる上体支持部が、昇降装置に接続される可動ロッドとは別に設けられた構造となっているため、構造が複雑であり、製造コストが高くなるという課題があった。また、上体支持部が邪魔になって入れ子状に重ねて配置できないため、狭いスペースに保管できないという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、簡単かつ軽量な構造であるため、製造コストが安く、かつ、広い保管スペースを必要とせず、歩行訓練にも使用することが可能な介護移動用カートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である介護移動用カートは、第1の水平部と第1の垂直部からなり側面視L字状をなす一対のアームと、第1の垂直部に端部が接続され、一対のアームを互いに連結する第1のアーム連結具と、第2の水平部と第2の垂直部からなり側面視L字状をなす一対の脚部と、両端近傍に形成された貫通孔に挿設される第2の垂直部を回動自在に保持しつつ、一対の脚部を互いに連結する脚部連結具と、この脚部連結具上に設置され第1のアーム連結具を昇降させる昇降手段と、第2の水平部の下面に着脱可能に取り付けられるキャスタと、脚部連結具と脚部に取り付けられて第2の垂直部を脚部連結具に対して回動自在な状態から回動を拘束されるように第2の水平部を脚部連結具に固定する固定手段と、を備え、昇降手段は、第1のアーム連結具に対して着脱可能に取り付けられ、第1の垂直部と第2の垂直部は、一方の端部に形成される第1の段付き保持部に対して他方の端部に形成される第1の段付き部が内挿されることで、互いの軸心を一致させるとともに、この軸心まわりに回動可能に、かつ、軸心方向に沿って移動自在に連結されることを特徴とするものである。
このような構造の介護移動用カートにおいては、第1のアーム連結具が昇降手段に連結されていないため、フレームを人力によって持ち上げることで、第1の水平部の高さが容易に調節されるという作用を有する。また、第2の垂直部は、脚部連結具によって回動自在に保持されるとともに、第1の垂直部に対して軸心方向に沿って移動自在に連結される構造であることから、固定手段による第2の水平部の脚部連結具に対する固定状態を解消することで、脚部が第2の垂直部を中心として回動可能になるという作用を有する。
また、本発明の介護移動用カートは、自力歩行が困難な被介護者を介護者が補助して移動させる場合と、被介護者の歩行訓練に使用する場合のいずれに対しても一対のアームを利用するものであり、軽量かつ簡単な構造となっている。また、上記歩行訓練に使用する際には、昇降手段を取り外すことによりさらに軽量化される。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の介護移動用カートにおいて、第1のアーム連結具は、アームに対して直交するように前記一対の第1の垂直部にそれぞれ立設され先端から所定の長さに亘って外周面に雄ネジ部が形成された一対の棒状体と、この雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が内周面に形成された円筒体と、からなり、脚部連結具は、貫通孔が形成されていない側の端部同士が回動可能に連結される第1の連結片及び第2の連結片からなり、貫通孔から回動中心までの距離は第1の連結片の方が第2の連結片よりも長いことを特徴とするものである。
このような構造の介護移動用カートにおいては、請求項1記載の発明の作用に加えて、円筒体を回転させて一方の棒状体の側へ移動させると、第1のアーム連結具による連結状態が解消され、一対のアームは互いに分離するとともに、脚部連結具に対し第1の水平部が第1の垂直部を中心として回動可能になるという作用を有する。そこで、固定手段による第2の水平部の脚部連結具に対する固定状態を解消し、貫通孔が設けられている側の端部同士が近接するように第1の連結片及び第2の連結片を回動させると、嵩張らない状態に小さく折り畳まれるという作用を有する。このとき、第1の連結片における貫通孔から回動中心までの距離が第2の連結片における当該距離よりも長いため、一対の棒状体が前後にずれた状態に配置されるという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の介護移動用カートにおいて、第1の垂直部に対し、その回動方向に沿って長穴状のガイド部が長く形成され、第1のアーム連結具の両端は、このガイド部によって、その長手方向へ摺動可能にそれぞれ保持されることことを特徴とするものである。
このような構造の介護移動用カートにおいては、請求項1に記載の発明の作用に加えて、ガイド部内を第1のアーム連結具の端部が摺動できる範囲内で、第1の水平部が第1の垂直部を中心として回動可能になるという作用を有する。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の介護移動用カートにおいて、第1の垂直部と前記第2の垂直部は、軸心まわりに回動可能に連結される代わりに、第1の段付き保持部と第1の段付き部軸心まわりに回動不能に係合するように形成されることを特徴とするものである。
このような構造によれば、アームを第1の垂直部を中心として回動させると、それに連動して脚部が第2の垂直部を中心として回動する。すなわち、本発明の介護移動用カートにおいては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、アームの第1の水平部を操作することにより、アームの第1の水平部と脚部の第2の水平部の回動角度が同時に調節されるという作用を有する。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の介護移動用カートにおいて、第1のアーム連結具に代えて、第1の垂直部を回動自在に保持する一対の筒状部と、この一対の筒状部が互いに平行をなすように両端に設けられた連結部と、からなる第2のアーム連結具を備え、筒状部に対して係止可能に第1の垂直部の外周面に段付き状の係止部が設けられることを特徴とするものである。
このような構造によれば、第2のアーム連結具の筒状部によってアームの第1の垂直部が回動可能に保持されるため、第1の垂直部を中心としてアームの第1の水平部を回動させると、これに連動して脚部の第2の水平部が第2の垂直部を中心として回動する。したがって、本発明の介護移動用カートにおいては、アームを操作するだけで脚部の回動角度も同時に調節されるという請求項4に記載の発明の作用がより一層発揮される。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の介護移動用カートにおいて、一方の端面から所定の長さに亘って第1の段付き部と同形状の第2の段付き部が設けられるとともに、他方の端部から所定の長さに亘って第1の段付き保持部と同形状の第2の段付き保持部が設けられた棒状体からなる延長部材を備え、第2の段付き部の側面には、半径方向に対して平行に凹部が設けられ、第1の段付き保持部には、第2の段付き部が内部に挿入された場合に、凹部に対して連通可能に複数の位置決め孔が半径方向に対して平行に、かつ、その長手方向に沿って設けられ、アームと延長部材は、第1の垂直部と第2の垂直部が軸心まわりに回動可能に、かつ、軸心方向に沿って移動自在に連結される代わりに、凹部と位置決め孔を連通するように挿設される位置決め部材によって、第1の垂直部及び第2の垂直部の一方に設けられた第1の段付き部と第2の段付き保持部が軸心まわりに回動可能に、かつ、軸心方向に沿って移動自在に連結されるとともに、第1の垂直部及び第2の垂直部の他方に設けられた第1の段付き保持部と第2の段付き部がその長手方向へ移動不能に、かつ、軸心まわりに回動不能に連結されることを特徴とするものである。
このような構造の介護移動用カートにおいては、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、位置決め部材を係止させる位置決め孔を変更すると、アームの高さが段階的に変化するという作用を有する。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の介護移動用カートにおいて、第2の水平部の側面にキャスタ軸が水平に設けられるとともに、このキャスタ軸によって回転自在に支持されるフレームと、このフレームに対して垂直に立設される3本の車軸と、この3本の車軸によって回転自在にそれぞれ支持される3つのローラと、からなる3連キャスタを備え、3の車軸は、フレームがキャスタ軸を中心として回転した場合に同一の軌跡を描くように、その回転方向に沿って等間隔に配置されることを特徴とするものである。
このような構造の介護移動用カートにおいては、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、床面にローラの半径を超える段差がある場合、その段差に突き当たったローラの車軸を中心としてフレームが進行方向側へ転動し、当該ローラの上方に位置する別のローラが段差を乗り越えるようにして前方へ繰り出されるという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の介護移動用カートによれば、フレームや脚部の位置を変更できるため、入れ子の状態に重ねることで狭い保管スペースに対しても複数台分をまとめて効率良く収納することができる。また、簡単な構造であるため、製造コストを安くすることができる。さらに、歩行訓練に使用する場合には、昇降手段を取り外して軽量化することで、扱い易くなり、安全性も高まる。
本発明の請求項2に記載の介護移動用カートによれば、請求項1記載の発明の効果を奏することに加えて、貫通孔が設けられている側の端部同士が近接するように第1の連結片及び第2の連結片を回動させることで、嵩張らない状態に小さく折り畳まれるため、狭い保管スペースにも容易に収納できるという効果を奏する。
本発明の請求項3に記載の介護移動用カートによれば、請求項1に記載の発明の効果を奏することに加えて、固定手段による第2の水平部の脚部連結具に対する固定状態を解消し、アームの第1の水平部と脚部の第2の水平部の回動角度を調節することにより、他の介護移動用カートを入れ子の状態に重ねて配置することができる。これにより、狭い保管スペースに対しても複数台の介護移動用カートを容易に収納することが可能となる。
本発明の請求項4に記載の介護移動用カートによれば、アームと脚部のいずれか一方の回動を拘束すれば、他方の回動も拘束することができる。したがって、例えば、アームの回動が拘束されている場合には、脚部の回動を拘束する固定手段は不要となる。この場合、固定手段の脱着により脚部連結具に対する脚部の回動を拘束したり、その拘束を解除したりする必要がないため、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明に比べ、保管時の折り畳み作業及び使用時の展開作業を短時間で効率よく行うことができる。
本発明の請求項5に記載の介護移動用カートによれば、保管時の折り畳み作業及び使用時の展開作業を短時間で効率よく行うことができるという請求項4に記載の発明の効果がより一層発揮される。
本発明の請求項6に記載の介護移動用カートによれば、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載された発明の効果を奏することに加え、アームの高さの調節を軽量かつ簡単な構造で実現できるという効果を奏する。
本発明の請求項7に記載の介護移動用カートによれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された発明の効果を奏することに加え、床面等に段差があっても容易に乗り越えることができるという効果を奏する。
(a)は本発明の実施の形態に係る介護移動用カートの実施例1の外観を示す斜視図であり、(b)は脚部連結具の平面図であり、(c)はエアージャッキの外観を示す斜視図である。 (a)は実施例1の介護移動用カートを構成するフレームの外観を示す斜視図であり、(b)は中心軸を通る平面で切断されたフレームの断面の一部を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1(a)において介護移動用カートに座部が取り付けられた状態及び介護移動用カートが折り畳まれた状態を示す図である。 (a)は図3(a)においてエアージャッキや座部を取り外すとともにフレームを延長した状態を示す図であり、(b)は同図(a)において中心軸を通る平面で切断されたフレームの断面の一部を示す図であり、(c)及び(d)は同図(b)の一部を拡大した図である。 (a)及び(b)はそれぞれアーム連結補助具及び脚部連結具の外観を示す斜視図であり、(c)及び(d)はそれぞれ同図(a)及び(b)の変形例を示した図である。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る介護移動用カートの実施例2の外観を示す斜視図である。 (a)及び(c)は本発明の実施の形態に係る介護移動用カートの実施例3の外観を示す斜視図であり、(b)は同図(a)におけるB−B線矢視断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る介護移動用カートの実施例4の外観を示す斜視図であり、(b)及び(c)はそれぞれフレーム及びアーム連結具の外観を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る介護移動用カートの実施例5の外観を示す斜視図であり、(b)はパンタグラフジャッキの外観を示す斜視図である。 (a)は図9(a)においてパンタグラフジャッキを取り外してフレームを延長するとともに3連キャスタを取り付けた状態を示す図であり、(b)及び(c)はそれぞれ3連キャスタの正面図及び側面図である。 (a)〜(c)は図10(a)においてフレームの一部を拡大して示した側面図である。
本発明の介護移動用カートの構造とその作用及び効果について、図1〜図11を参照しながら具体的に説明する。
なお、実施例1において図3(a)及び図4を用いてそれぞれ説明する座部13及び延長部材15は、実施例2〜5における各介護移動用カートに対しても設置可能であり、それらを設置したことによる作用及び効果は、実施例2〜5における各介護移動用カートにおいても同様に発揮される。また、実施例5において図10を用いて説明する3連キャスタ27は、実施例1〜4における各介護移動用カートに対しても同様に設置可能である。
実施例1の介護移動用カートについて図1〜図5を用いて説明する(特に、請求項2及び請求項6に対応)。
図1(a)は本実施例の介護移動用カート1aの外観を示す斜視図であり、図1(b)は脚部連結具6の平面図であり、図1(c)はエアージャッキ7の外観を示す斜視図である。図2(a)及び図2(b)はそれぞれフレーム2の外観を示す斜視図及び部分断面図である。なお、図1(c)の破線は足踏みペダル7cが押し下げられた状態を示しており、図2(b)はフレーム2について中心軸Lを通る平面で切断された場合の断面図の一部を示している。
図1(a)に示すように、介護移動用カート1aは、ともに側面視略L字状をなす一対のアーム3,3及び脚部4,4からなるフレーム2と、アーム3,3を連結するアーム連結具5と、脚部4,4を連結する脚部連結具6と、脚部連結具6に設置されるエアージャッキ7からなる。また、脚部4は、両端近傍の下面にキャスタ8,8がそれぞれ取り付けられるとともに、ボルト等の締結具9を用いて水平部4aが脚部連結具6に固定されている。
図1(b)に示すように、脚部連結具6は、両端近傍に貫通孔10a,10aを有する細長い平板状の連結片6a,6bからなる。連結片6a,6bは、一方の貫通孔10a,10aにボルト等の締結具9を取り付けるなどして、一端が回動可能に連結されており、他方の貫通孔10a,10aの近傍に設けられた貫通孔10b,10bには、脚部4の垂直部4bがそれぞれ回動自在に挿設されている。
なお、図1(b)の破線は、連結片6bを連結片6aに対して回動させた状態を示している。この図から明らかなように、連結片6aの長さは連結片6bよりも長く、また、貫通孔10bから回動中心までの距離も、連結片6aの方が連結片6bよりも長くなっている。
図1(c)に示すように、エアージャッキ7は、アーム連結具5を保持可能に側面視円弧状をなす受け具11が先端に取り付けられたピストンロッド7aと、このピストンロッド7aを駆動するエアシリンダ7bを備えており、足踏みペダル7cを操作するとピストンロッド7aが上方へ移動し、解除ハンドル(図示せず)を操作するとピストンロッド7aが下方へ移動する構造となっている。そして、エアジャッキ7は、受け具11を当接させるようにしてアーム連結具5を下方から支持可能に連結片6aの上面に立設されている。したがって、ピストンロッド7aが上方へ移動すると、アーム連結具5とともにアーム3,3が上昇し、ピストンロッド7aが下方へ移動すると、アーム連結具5とともにアーム3,3が下降する。すなわち、エアージャッキ7は、アーム3,3の昇降手段として機能する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、アーム3は水平部3aと垂直部3bからなり、脚部4は水平部4aと垂直部4bからなる。脚部4の垂直部4bに端面から所定の長さに亘って形成された段付き部12aは、アーム3の垂直部3bに穿設された段付き保持部12bに対し、垂直部3b及び垂直部4bの軸心を一致させるとともに、その軸心まわりに回動可能に、かつ、その長手方向へ摺動自在に内挿されている。その結果、アーム3は脚部4に対し、上下方向へ移動可能、かつ、垂直部3b及び垂直部4bの軸心まわりに回動可能に連結された状態となっている。
アーム連結具5は、円柱状又は円筒状をなし先端から所定の長さに亘って外周面に雄ネジ部が形成された棒状体5aと、この雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が内周面に形成された円筒体5bからなる。棒状体5aは、アーム3に対して直交するように垂直部3bに立設されており、棒状体5a,5aは垂直部3b,3bに対してそれぞれ、フレーム3,3を平行に配置した場合に円筒体5bを同時に螺合可能に設置されている。すなわち、フレーム3,3は、円筒体5bを棒状体5a,5aの双方に螺合させることで一体化したアーム連結具5を介して互いに連結される構造となっている。
脚部4には、垂直部4bの近傍の水平部4aの上面に、連結片6aや連結片6bを固定する締結具9を取り付けるための貫通孔10cが設けられ、後述する脚部連結部15を固定する締結具9を取り付けるための貫通孔10dが垂直部4bに設けられている。
図3(a)は介護移動用カート1aのフレーム2に座部13が取り付けられた状態を示しており、図3(b)は介護移動用カート1aが折り畳まれた状態を示している。
図3(a)に示すように、座部13は、上面にクッション材14が載置された座面13aと、この座面13aの三方を囲むように立設される側面13b,13bと背面13cと、アーム3の水平部3aを挿入可能に形成され側面13bの端縁に沿って設けられる筒状部13dからなる。
ここで、座部13の使用方法について説明する。まず、車椅子やベッド等の上に予め設置した座部13の座面13aに介護者が補助をしながら被介護者を座らせる。このとき、作業の支障にならなければ、できるだけクッション材14を座面13aに敷いておくことが望ましい。
次に、介護移動用カート1aを移動させ、座部13の筒状部13d,13dにアーム3の水平部3a,3aをそれぞれ挿入した後、足踏みペダル7cを操作してエアージャッキ7のピストンロッド7aを上方へ移動させる。その結果、上昇するアーム3,3とともに、座部13に座った被介護者が持ち上げられる。この状態であれば、介護移動用カート1aごと被介護者を所望の場所へ容易に移動させることができる。
図3(a)に示す介護移動用カート1aにおいて、座部13をアーム3,3から取り外し、円筒体5bを回転させて棒状体5a,5aのいずれかの側へ移動させるとアーム連結具5が分解された状態となるため、アーム3,3はアーム連結具5を介した連結状態が解消され、互いに分離するとともに、脚部連結具6に対し水平部3aが垂直部3bを中心として回動可能となる。さらに、脚部4の貫通孔10cから締結具9を取り外すと、水平部4aは垂直部4bを中心として回動可能となる。
そこで、アーム3,3と脚部4,4の平行状態を維持しつつ、貫通孔10bが設けられている側の端部同士が近接するように、連結片6a,6bをエアージャッキ7の近傍に設置された締結具9を回動中心として回動させると、前述したように連結片6aにおける貫通孔10bから回動中心までの距離が連結片6bにおける貫通孔10bから回動中心までの距離よりも長いことから、棒状体5a,5aは先端同士が突き当たることなく、前後にずれた状態に配置される。
したがって、介護移動用カート1aは、図3(b)に示すように非常にコンパクトな状態に折り畳まれる。
このように介護移動用カート1aにおいては、貫通孔10bが設けられている側の端部同士が近接するように連結片6a,6bを上述の締結具9を回動中心として回動させると、嵩張らない状態に小さく折り畳まれるため、狭い保管スペースにも容易に収納することができる。
図4(a)は図3(a)においてエアージャッキ7や座部13を取り外し、アーム連結補助具18と脚部連結具19をフレーム2に取り付けるとともに、アーム3の垂直部3bと脚部4の垂直部4bの間に延長部材15を設置してフレーム2を延長した状態を示している。また、図4(b)は図4(a)において中心軸Lを通る平面で切断されたフレーム2の断面の一部を拡大して示した図であり、図4(c)は延長部材15の一部を拡大した図であり、図4(d)は図4(b)において垂直部3bと延長部材15の一部を拡大した図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、延長部材15は、円柱状若しくは円筒状をなす棒状体からなり、一方の端面から所定の長さに亘って垂直部4bの段付き部12aと同形状の段付き部15aが設けられるとともに、他方の端部から所定の長さに亘って垂直部3bの段付き保持部12bと同形状の段付き保持部15bが設けられており、アーム3の垂直部3bと脚部4の垂直部4bの間に設置可能な構造となっている。
図4(c)に示すように、延長部材15の段付き部15aの側面には、半径方向に対して平行に凹部15cが設けられ、この凹部15cの内部には略円柱状の位置決め部材16aが半球状に形成された先端部を出没自在に設置されている。そして、凹部15cの内部には圧縮バネ16bが設置されており、この圧縮バネ16bによって位置決め部材16aは凹部15cから押し出される方向へ付勢されている。
また、図4(d)に示すように、垂直部3bの段付き保持部12bには、延長部材15の段付き部15aが内部に挿入された場合に、位置決め部材16aの先端部を突出可能に、複数の位置決め孔17が半径方向に対して平行に、かつ、その長手方向に沿って設けられている。
図4(d)に示すように、位置決め部材16aが位置決め孔17に係止していると、アーム3の垂直部3bを延長部材15に対して長手方向へ移動させることはできないが、位置決め部材16aを手で押し込むなどして、位置決め孔17との係止状態を解消すると、アーム3の垂直部3bは延長部材15に対して長手方向へ移動可能となる。そして、位置決め部材16aを係止させる位置決め孔17を変更すると、アーム3の高さが段階的に変化する。このように、本発明の介護移動用カート1aでは、アーム3の高さの調節が軽量かつ簡単な構造で実現可能となっている。
図5(a)及び図5(b)はそれぞれアーム連結補助具18と脚部連結具19の外観を示す斜視図であり、図5(c)及び図5(d)はそれぞれアーム連結補助具18と脚部連結具19の変形例を示した図である。
図5(a)に示すように、アーム連結補助具18はアーム3の水平部3aを挿入可能に形成された筒状部18a,18aが互いに平行をなすように連結部18bの両端に設けられた構造となっている。また、図5(b)に示すように、脚部連結具19は脚部4の垂直部4bを挿入可能に形成された筒状部19a,19aが互いに平行をなすように連結部19bの両端に設けられるとともに、垂直部4b,4bを筒状部19a,19aに挿入した際に、貫通孔10d,10dに連通するように筒状部19a,19aの側面に貫通孔10e,10eが設けられた構造となっている。
なお、アーム連結補助具18や脚部連結具19の構造は、図5(a)や図5(b)に示すものに限定されない。例えば、図5(c)及び図5(d)に示すように、アーム連結補助具18や脚部連結具19を、筒状部18a,18aや筒状部19a、19aの代わりに半筒状部18c,18cや半筒状部19c,19cを備えた構造としても良い。ただし、半筒状部18cの側面には、締結具9を取り付けるための貫通孔10fを設けるとともに、アーム3の水平部3aの対応する箇所に貫通穴10fと連通するように貫通孔(図示せず)を設けることが望ましい。
本実施例の介護移動用カート1aにおいては、自力歩行が困難な被介護者を介護者が補助して移動させる場合と、被介護者の歩行訓練に使用する場合のいずれの場合にもアーム3,3を利用できることから、例えば、上体支持部の他に可動ロッドを必要とする従来技術に比べて、軽量かつ簡単な構造と言える。したがって、製造コストを安くすることができる。また、歩行訓練に使用する場合には、エアージャッキ7を取り外してさらに軽量化することができる。これにより、扱い易くなるとともに安全性も高まる。
加えて、介護移動用カート1aを病院や介護施設等の設備として導入する場合、エアージャッキ7が取り外された複数の介護移動用カート1aを歩行訓練用として常備し、共用のエアージャッキ7を必要に応じて取り付けるようにすれば、設備導入費用の総額を少なく抑えることができる。
なお、実施例2〜実施例5の介護移動用カート1b〜1eにおいてもエアージャッキ7やパンタグラフジャッキ24はフレーム2に対し着脱可能に設置されている。したがって、歩行訓練に使用する場合にこれらを取り外して軽量化することによる上述の作用・効果は、介護移動用カート1b〜1eにおいても同様に発揮される。
実施例2の介護移動用カートについて図6を用いて説明する(特に、請求項4に対応)。
図6(a)は本実施例の介護移動用カート1bの外観を示す斜視図であり、図6(b)は介護移動用カート1bが折り畳まれた状態を示している。なお、図1〜図5に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)に示すように、介護移動用カート1bは、実施例1の介護移動用カート1aにおいて、垂直部4bが段付き部12aの代わりに角柱状の段付き部12cを備えるとともに、垂直部3bが段付き保持部12bの代わりに段付き部12cに係合可能に形成された段付き保持部12d(図示せず)を備えた構造となっている。
このような構造の介護移動用カート1bにおいては、垂直部3b,3bがアーム連結具5で連結されている場合、アーム3,3の回動が拘束されるため、アーム3,3の段付き保持部12d,12dに段付き部12c,cが係合する脚部4,4が回動不能になるという作用を有する。したがって、介護移動用カート1bでは、介護移動用カート1aと異なり、脚部4の回動を拘束するために貫通孔10cを水平部4aに設け、締結具9を貫通孔10cに取り付けるようにして脚部4を連結片6aや連結片6bに固定する必要がない。
図6(a)において、円筒体5bを回転させて棒状体5a,5aのいずれかの側へ移動させ、アーム3,3を互いに分離すると、アーム3は垂直部3bを中心として回動可能となる。これにより、アーム3に対して回動不能に連結された脚部4も同時に垂直部4bを中心として回動可能となる。
そこで、脚部連結具6が後方へ向かって凸となるように、エアージャッキ7近傍に設置された締結具9を回動中心として連結片6a,6bを回動させると、アーム3と脚部4は一体となって垂直部3b及び垂直部4bを中心として脚部連結具6と相対的に回動し、介護移動用カート1bは、図6(b)に示すような状態に折り畳まれる。一方、折り畳まれた介護移動用カート1bを使用する場合には、棒状体5a,5aが一直線をなすようにアーム3,3の位置を調節しながら、締結具9を回動中心として連結片6a,6bを回動させることで図6(a)の状態に戻る。
このように、介護移動用カート1bにおいては、アーム3と脚部4が回動不能に連結されているため、アーム3の回動に対する拘束状態を解消するだけで、脚部4も回動可能となる。すなわち、介護移動用カート1bでは、締結具9の脱着により脚部連結具6に対する脚部4,4の回動を拘束したり、その拘束を解除したりする必要がないため、保管時の折り畳み作業及び使用時の展開作業を介護移動用カート1aの場合よりも短時間で効率よく行うことができる。
実施例3の介護移動用カートについて図7を用いて説明する(特に、請求項1及び請求項3に対応)。
図7(a)は本実施例の介護移動用カート1cの外観を示す斜視図であり、図7(b)は図7(a)におけるB−B線矢視断面図である。また、図7(c)は保管場所等に介護移動用カート1cが重ねて収納された状態を示している。なお、図1〜図6に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7(a)及び図7(b)に示すように、介護移動用カート1cは、実施例1の介護移動用カート1aにおいて、棒状体5a,5aと円筒体5bからなるアーム連結具5及び連結片6a,6bからなる脚部連結具6の代わりに棒状体のみからなるアーム連結具20及び細長い平板状の脚部連結具21を備え、アーム3の垂直部3bに対し、その回動方向に沿って長穴状のガイド部22が長く形成されるとともに、アーム連結具20の両端がガイド部22,22によって、その長手方向へ摺動可能に保持された構造となっている。
なお、脚部連結具21は脚部連結具6において連結片6a,6bを一体化したものに相当し、貫通孔10a,10bは脚部連結具6の場合と同様に設けられている。また、介護移動用カート1cを使用する際には、図7(a)に示すように、アーム3,3の水平部3a,3aに対しアーム連結補助具18を取り付けることが望ましい。
このような構造の介護移動用カート1cにおいては、ガイド部22の内部をアーム連結具20の端部が摺動できる範囲内でアーム3の水平部3aが垂直部3bを中心として回動可能となる。したがって、脚部4の貫通孔10cから締結具9を取り外して水平部4aも垂直部4bを中心として回動可能とすれば、アーム3の水平部3aと脚部4の水平部4aの回動角度を調節することで、図7(c)に示すような状態に重ねることができる。すなわち、本発明の介護移動用カート1cによれば、入れ子の状態に重ねることで、狭い保管スペースに対しても複数台を容易に収納することができる。
本実施例では、アーム3の水平部3aを所定の範囲で回動可能な構造としているが、アーム連結具20がエアージャッキ7に連結されていないことから、フレーム3を持ち上げて水平部3aの高さを調節することで、アーム連結補助具18によってアーム3の回動が拘束されている場合でも複数台の介護移動用カート1cを入れ子の状態に重ねて配置することができる。
なお、実施例1〜実施例3の介護移動用カート1a〜1cにおいてもアーム連結具5がエアージャッキ7に連結されていないため、アーム3を人力で容易に持ち上げることができる。したがって、図3(b)や図6(b)に示した状態に折り畳む代わりに、アーム3を持ち上げて水平部3aの高さを調節するとともに、脚部4の締結具9を外して水平部4aを適切な角度に回動させることで、上述の場合と同様に複数台分をまとめて入れ子の状態に重ねて配置することができる。
また、本実施例の介護移動用カート1cにおいて、実施例2で図6を用いて説明したように、アーム3の垂直部3bと脚部4の垂直部4bが回動不能に連結された構造とすることもできる。この場合、実施例2の介護移動用カート1bの場合と同様に、アーム3を操作するだけで脚部4の回動角度も同時に調節されるという作用、及び保管時の折り畳み作業及び使用時の展開作業を短時間で効率よく行うことができるという効果が発揮される。
実施例4の介護移動用カートについて図8を用いて説明する(特に、請求項5に対応)。
図8(a)は本実施例の介護移動用カート1dの外観を示す斜視図であり、図8(b)及び図8(c)はそれぞれフレーム2及びアーム連結具23の外観を示す斜視図である。なお、図1〜図7に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、介護移動用カート1dは、実施例2の介護移動用カート1bにおいて、アーム連結具5及び脚部連結具6の代わりにそれぞれアーム連結具23及び脚部連結具21を備え、アーム連結具23の筒状部23aに対して係止可能にアーム3の垂直部3bの外周面に段付き状の係止部3cが設けられたことを特徴とする。
なお、図8(c)に示すように、アーム連結具23は、アーム3の垂直部3bを挿入可能に形成された筒状部23a,23aが互いに平行をなすように連結部23bの両端に設けられた構造となっている。
このような構造の介護移動用カート1dにおいては、アーム連結具23の筒状部23aによってアーム3の垂直部3bが回動可能に保持されるため、垂直部3bを中心として水平部3aを回動させると、アーム3に連動して脚部4の水平部4aが垂直部4bを中心として回動する。すなわち、アーム3の水平部3aを操作することにより、アーム3の水平部3aと脚部4の水平部4aの回動角度が同時に調節されるという作用を有する。
この場合、締結具9の脱着により脚部連結具21に対する脚部4,4の回動を拘束したり、その拘束を解除したりする必要がないため、複数台分まとめて入れ子の状態に重ねる作業を実施例3の介護移動用カート1cに比べて、より短時間で効率よく行うことができる。
実施例5の介護移動用カートについて図9〜11を用いて説明する(特に、請求項7に対応)。
図9(a)は本実施例の介護移動用カート1eの外観を示す斜視図であり、図9(b)はパンタグラフジャッキ24の外観を示す斜視図である。また、図10(a)は図9(a)においてパンタグラフジャッキ24を取り外し、アーム3の垂直部3bと脚部4の垂直部4bの間に延長部材15を設置してフレーム2を延長するとともに3連キャスタ27を取り付けた状態を示す図であり、図10(b)及び図10(c)はそれぞれ3連キャスタ27の正面図及び側面図である。なお、図9(a)は脚部4の水平部4aから3連キャスタ27が取り外された状態を示している。また、図10(b)及び図10(c)では、キャスタ軸26を図10(a)よりも拡大して示しており、図11(a)〜図11(c)ではキャスタ8の図示を省略している。さらに、図1〜図8に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施例の介護移動用カート1eは、実施例3の介護移動用カート1cにおいて、エアージャッキ7の代わりにパンタグラフジャッキ24が設置され、脚部連結具21の代わりに脚部連結具25が設置されるとともに、脚部4の垂直部4bに3連キャスタ27が着脱可能に取り付けられたことを特徴とする。
なお、脚部連結具25は、両端に貫通孔10a,10aが設けられた細長い板状部材であり、脚部4には、水平部4aと垂直部4bに貫通孔10c,10dがそれぞれ設けられている。すなわち、脚部連結具25は、水平部4a,4aの貫通孔10c,10cに連通するように配置された貫通穴10a,10aに締結具9を挿通して締結することで、脚部4,4を回動不能に連結する構造となっている。
パンタグラフジャッキ24は、脚部連結具25の上面に一端が枢着される一対のロワーアーム24a,24aと、このロワーアーム24a,24aの他端に雌ネジ部材24d,24dを介して一端が連結される一対のアッパーアーム24b,24bと、このアッパーアーム24b,24bの他端が枢着される受け台24cと、雌ネジ部材24d,24dに螺合するネジ棒24eを備えており、ネジ棒24eの回転運動が受け台24cの昇降運動に変換される構造となっている。そして、パンタグラフジャッキ24は、受け台24cを当接させるようにしてアーム連結具20を下方から支持可能に脚部連結具25の上面に立設されている。
また、脚部4の水平部4aの両端近傍の外側面には、3連キャスタ27を設置可能にキャスタ軸26,26が設けられている。
すなわち、介護移動用カート1eでは、パンタグラフジャッキ24がアーム3,3の昇降手段として機能する。
なお、実施例1の介護移動用カート1aはエアージャッキ7を備え、本実施例の介護移動用カート1eはパンタグラフジャッキ24を備えているが、本発明の介護移動用カートは、必ずしもこのような構造に限定されるものではない。例えば、エアージャッキ7やパンタグラフジャッキ24の代わりに電動ジャッキを備えた構造であっても良い。
図10(a)及び図10(b)に示すように、3連キャスタ27は、キャスタ軸26で回転自在に支持され3本の車軸27bを介して平行に連結される一対のフレーム27a,27aと、このフレーム27a,27aの間に設置され車軸27bによってそれぞれ回転自在に支持される3つのローラ28a〜28cからなる。そして、3つの車軸27bは、フレーム27aがキャスタ軸26を中心として回転した場合に略同一の軌跡を描くように、その回転方向に沿って略等間隔に配置されている。
なお、本実施例では、一対のフレーム27a,27aに3本の車軸27bが設置されているが、必ずしもこのような構造でなくとも良く、例えば、一枚のフレーム27aに3本の車軸27bが設置された構造であっても良い。このような構造であっても、以下に説明する作用及び効果は同様に発揮される。
図11(a)に示すように、床面29を移動する介護移動用カート1eの前方に、ローラ28a〜28cの半径に満たない段差30aがある場合、ローラ28aは段差30aを無理なく超えることができる。
これに対し、図11(b)に示すように、床面29にローラ28a〜28cの半径を超える段差30aがある場合、段差30bに突き当たったローラ28aは、それ以上前へ進むことができないため、ローラ28aの車軸27bを中心としてフレーム27aが進行方向側へ転動し、図11(c)に示すように、ローラ28aの上方に位置するローラ28bが段差30bを乗り越えるようにして前方へ繰り出される。このようにして、段差30bを容易に乗り越えることができる。
なお、高さが車軸26,26の距離とローラ28a〜28cの直径との合計を超える段差については乗り越えることができない。しかし、そのような場合でも、本発明の介護移動用カート1eにおいては、3連キャスタ27が着脱可能な構造であるため、サイズの異なる複数の3連キャスタ27を予め準備しておき、床面29の段差の高さに応じて適宜交換することによれば対応可能である。
請求項1乃至請求項7に記載された発明は、病院や介護施設等において被介護者の移動を介護者が補助する場合や被介護者自身が歩行訓練をする場合などに利用可能である。
1a〜1e…介護移動用カート 2…フレーム 3…アーム 3a…水平部 3b…垂直部 3c…係止部 4…脚部 4a…水平部 4b…垂直部 5…アーム連結具 5a…棒状体 5b…円筒体 6…脚部連結具 6a,6b…連結片 7…エアージャッキ 7a…ピストンロッド 7b…エアシリンダ 7c…足踏みペダル 8…キャスタ 9…締結具 10a〜10f…貫通孔 11…受け具 12a,12c…段付き部 12b,12d…段付き保持部 13…座部 13a…座面 13b…側面 13c…背面 13d…筒状部 14…クッション材 15…延長部材 15a…段付き部 15b…段付き保持部 15c…凹部 16a…位置決め部材 16b…圧縮バネ 17…位置決め孔 18…アーム連結補助具 18a…筒状部 18b…連結部 18c…半筒状部 19…脚部連結具 19a…筒状 19b…連結部 19c…半筒状部 20…アーム連結具 21…脚部連結具 22…ガイド部 23…アーム連結具 23a…筒状部 23b…連結部 24…パンタグラフジャッキ 24a…ロワーアーム 24b…アッパーアーム 24c…受け台 24d…雌ネジ部材 24e…ネジ棒 25…脚部連結具 26…キャスタ軸 27…3連キャスタ 27a…フレーム 27b…車軸 28a〜28c…ローラ 29…床面 30a,30b…段差

Claims (7)

  1. 第1の水平部と第1の垂直部からなり側面視L字状をなす一対のアームと、
    前記第1の垂直部に端部が接続され、前記一対のアームを互いに連結する第1のアーム連結具と、
    第2の水平部と第2の垂直部からなり側面視L字状をなす一対の脚部と、
    両端近傍に形成された貫通孔に挿設される前記第2の垂直部を回動自在に保持しつつ、前記一対の脚部を互いに連結する脚部連結具と、
    この脚部連結具上に設置され前記第1のアーム連結具を昇降させる昇降手段と、
    前記第2の水平部の下面に着脱可能に取り付けられるキャスタと、
    前記脚部連結具と前記脚部に取り付けられて前記第2の垂直部を前記脚部連結具に対して回動自在な状態から回動を拘束されるように前記第2の水平部を前記脚部連結具に固定する固定手段と、を備え、
    前記昇降手段は、前記第1のアーム連結具に対して着脱可能に取り付けられ、前記第1の垂直部と前記第2の垂直部は、一方の端部に形成される第1の段付き保持部に対して他方の端部に形成される第1の段付き部が内挿されることで、互いの軸心を一致させるとともに、この軸心まわりに回動可能に、かつ、前記軸心方向に沿って移動自在に連結されることを特徴とする介護移動用カート。
  2. 前記第1のアーム連結具は、前記アームに対して直交するように前記一対の第1の垂直部にそれぞれ立設され先端から所定の長さに亘って外周面に雄ネジ部が形成された一対の棒状体と、この雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が内周面に形成された円筒体と、からなり、
    前記脚部連結具は、前記貫通孔が形成されていない側の端部同士が回動可能に連結される第1の連結片及び第2の連結片からなり、
    前記貫通孔から回動中心までの距離は前記第1の連結片の方が前記第2の連結片よりも長いことを特徴とする請求項1記載の介護移動用カート。
  3. 前記第1の垂直部に対し、その回動方向に沿って長穴状のガイド部が長く形成され、
    前記第1のアーム連結具の両端は、このガイド部によって、その長手方向へ摺動可能にそれぞれ保持されることを特徴とする請求項1記載の介護移動用カート。
  4. 前記第1の垂直部と前記第2の垂直部は、前記軸心まわりに回動可能に連結される代わりに、前記第1の段付き保持部と前記第1の段付き部前記軸心まわりに回動不能に係合するように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の介護移動用カート。
  5. 前記第1のアーム連結具に代えて、前記第1の垂直部を回動自在に保持する一対の筒状部と、この一対の筒状部が互いに平行をなすように両端に設けられた連結部と、からなる第2のアーム連結具を備え、
    前記筒状部に対して係止可能に前記第1の垂直部の外周面に段付き状の係止部が設けられることを特徴とする請求項4記載の介護移動用カート。
  6. 一方の端面から所定の長さに亘って前記第1の段付き部と同形状の第2の段付き部が設けられるとともに、他方の端部から所定の長さに亘って前記第1の段付き保持部と同形状の第2の段付き保持部が設けられた棒状体からなる延長部材を備え、
    前記第2の段付き部の側面には、半径方向に対して平行に凹部が設けられ、
    前記第1の段付き保持部には、前記第2の段付き部が内部に挿入された場合に、前記凹部に対して連通可能に複数の位置決め孔が半径方向に対して平行に、かつ、その長手方向に沿って設けられ、
    前記アームと前記延長部材は、前記第1の垂直部と前記第2の垂直部が前記軸心まわりに回動可能に、かつ、前記軸心方向に沿って移動自在に連結される代わりに、前記第1の垂直部及び前記第2の垂直部の一方に設けられた前記第1の段付き部と前記第2の段付き保持部が前記軸心まわりに回動可能に、かつ、前記軸心方向に沿って移動自在に連結されるとともに、前記凹部と前記位置決め孔を連通するように挿設される位置決め部材によって、前記第1の垂直部及び前記第2の垂直部の他方に設けられた前記第1の段付き保持部と前記第2の段付き部がその長手方向へ移動不能に、かつ、前記軸心まわりに回動不能に連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の介護移動用カート。
  7. 前記第2の水平部の側面にキャスタ軸が水平に設けられるとともに、
    このキャスタ軸によって回転自在に支持されるフレームと、
    このフレームに対して垂直に立設される3本の車軸と、
    この3本の車軸によって回転自在にそれぞれ支持される3つのローラと、からなる3連キャスタを備え、
    前記3本の車軸は、前記フレームが前記キャスタ軸を中心として回転した場合に同一の軌跡を描くように、その回転方向に沿って等間隔に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の介護移動用カート。
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