JP5952202B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
内部検知部は、先端側内部検知部と後端側内部検知部とを備える。
次に、外部電極は、素子本体部の先端部分に形成される外部検知部を備えている。
つまり、後端側内部検知部の形成領域は、ヒータの発熱部に対向する領域を含むことになり、ヒータの発熱部により加熱され易い部分となる。このため、検出素子の素子本体部のうち後端側内部検知部の形成領域は、ヒータによる加熱により活性化状態となり、特定ガスを検出可能な状態となる。
これらのことから、検出素子の素子本体部のうち、内部電極の内部検知部および外部電極の外部検知部の形成領域は、測定対象ガスおよびヒータによって加熱されて活性化状態となる。これにより、素子本体部が適切な活性化状態となり、内部電極と外部電極との間の電気抵抗値が小さくなって、特定ガスを検出可能な状態となる。
なお、本発明における「周方向寸法」とは、検出素子の中心軸線に垂直な平面において、検出素子の中心軸線を中心とした角度領域で表される。例えば、後端側内部検知部の周方向寸法は、検出素子の中心軸線を中心とした角度領域のうち後端側内部検知部の形成領域に対応した角度領域である。
なお、後端側内部検知部は、素子本体部の軸線方向において少なくとも接触点から発熱部の発熱中心にかけて形成してもよい。
これにより、内部電極と外部電極との間の電気抵抗値が小さくなり、特定ガスの検出精度が向上する。
次に、本発明のガスセンサにおいては、後端側内部検知部は、素子本体部の軸線方向において少なくとも接触点から発熱部の後端位置にかけて形成される、という構成を採ることができる。
これにより、内部電極と外部電極との間の電気抵抗値が小さくなり、特定ガスの検出精度が向上する。
このように後端側内部検知部を形成することで、素子本体部における周方向領域のうちヒータの発熱部によって活性化状態となる領域に後端側内部検知部を配置できるとともに、内部電極と素子本体部との接触面積を大きく確保できる。
次に、本発明のガスセンサにおいては、内部検知部の厚さ寸法は、内部リード部の厚さ寸法よりも大きい、という構成を採ることができる。
次に、本発明のガスセンサにおいては、後端側内部検知部は、素子本体部の軸線方向における接触点から発熱部の先端位置までの領域において、素子本体部における周方向の全体に形成される、という構成を採ることができる。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1−1.全体構成]
図1は、本発明が適用された実施形態としてのガスセンサ(酸素センサ1)の全体構成を表す断面図である。
尚、本実施形態においては、図1に示す酸素センサ1の下端側が本発明における「センサの先端側」に相当し、同様に、図1に示す酸素センサ1の上端側が「センサの後端側」に相当する。
検出素子2は、軸線方向(図2では上下方向)に延びると共に先端側(図2では下方)が閉塞された有底筒状の素子本体部24と、素子本体部24の外面に形成される外部電極26と、素子本体部24の内面に形成される内部電極27と、を備えている。また、検出素子2の先端部分は、特定ガス(本実施形態では、酸素)を検出するためのガス検出部25となる。
セラミックヒータ3は、軸線方向に延びる長尺形状(棒状)に形成されており、その先端側内部に発熱部142を備えるセラミックヒータである。
図1に戻り、ケーシング4は、検出素子2を保持するとともにそのガス検出部25を排気管等の内部に突出させる主体金具5と、主体金具5の上部に延設されて検出素子2との間で基準ガス空間を形成する外筒6と、主体金具5の内部に収容されるホルダ51,充填部材52,スリーブ53と、外筒6の内部に保持されるセパレータ7と、セパレータ7の内部に収容される外部電極端子部材8,内部電極端子部材9と、を備えて構成されている。
セパレータ7は、その軸方向中央付近の外周面に外側に突出したフランジ部71を有している。セパレータ7は、外筒6が外方から加締められることにより、このフランジ部71の下端面が外筒6の上部に係止される態様で外筒6の内部に保持されている。
また、通気フィルタ17は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の未焼成成形体を、PTFEの融点よりも高い加熱温度で一軸方向に延伸することにより得られる多孔質繊維構造体(例えば、商品名:ゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株)))により、水滴等の水を主体とする液体の透過は阻止し、かつ気体(空気、水蒸気等)の透過は許容する通気フィルタとして構成されている。
図2および図3に示すように、検出素子2は、素子本体部24と、外部電極26と、内部電極27と、を備えている。また、検出素子2の先端部分は、特定ガス(本実施形態では、酸素)を検出するためのガス検出部25となる。
内部接続部27bおよび内部リード部27cは、それぞれの幅方向寸法(周方向寸法)が同一寸法となる形態で形成されている。
[1−3.セラミックヒータ]
図4に示すように、セラミックヒータ3は、軸線方向に延びる長尺形状(棒状)に形成されており、その先端側内部に発熱部142を備えるセラミックヒータである。
グリーンシート146のうちグリーンシート140に接する圧着面とは反対側の表面にアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にしてグリーンシート140,146が碍管101に巻き付けられて外周から内向きに押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミックヒータ3として形成される。
図2に示すように、内部検知部27aは、素子本体部24の軸線方向において、セラミックヒータ3と検出素子2との接触点63よりも先端側領域に設けられる先端側内部検知部27dと、接触点63よりも後端側領域に設けられる後端側内部検知部27eと、を備える。
また、図7に、検出素子2の周方向における内部電極27の形成領域を模式的に表した説明図を示す。なお、図7では、図6に示す検出素子2およびセラミックヒータ3におけるA−A断面、B−B断面、C−C断面に相当する説明図をそれぞれ示す。
図7の「B−B断面」欄および「C−C断面」欄の内容から判るように、後端側内部検知部27eは、検出素子2の中心軸線S1を中心とする周方向領域については、周方向寸法(検知部周方向寸法W1または検知部幅方向寸法W1ともいう)が内部リード部27cの周方向寸法(リード部周方向寸法W3またはリード部幅方向寸法W3ともいう)よりも大きく形成されている。
以上説明したように、本実施形態の酸素センサ1においては、内部電極27の先端側内部検知部27dは、検出素子2のうち接触点63(接触位置Cp)よりも先端側の領域に設けられており、排気ガス(測定対象ガス)による加熱により活性化状態となり易い部分に設けられる。
また、後端側内部検知部27eの検知部周方向寸法W1は、セラミックヒータ3の発熱部142の周方向寸法(発熱部周方向寸法W2または発熱部幅方向寸法W2ともいう)よりも大きい。さらに、後端側内部検知部27eは、その少なくとも一部が素子本体部24の周方向においてセラミックヒータ3の発熱部142の発熱部発熱中心Hcに対向するように形成されている。
本実施形態においては、内部検知部27aの厚さ寸法は、内部リード部27cの厚さ寸法に比べて、大きく形成されている。
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
内燃機関の排気ガスが測定対象ガスの一例に相当し、酸素が特定ガスの一例に相当し、セラミックヒータ3がヒータの一例に相当する。
酸素センサ1の検出素子2に関して、内部電極27の形状(形成領域)を変更した場合における検出素子2の活性化状態の違いを比較測定した測定結果について説明する。
図8では、内部電極27の内部検知部27aのうち、先端側内部検知部27dの周方向寸法(幅方向寸法)をWaとして表し、後端側内部検知部27eの周方向寸法(幅方向寸法)をWbとして表し、内部リード部27cの周方向寸法(幅方向寸法)をWcとして表す。
図8では、先端側内部検知部27dが検出素子2の内面の周方向の全面に形成される形態の内部電極27を図示しており、先端側内部検知部27dの周方向寸法Wa(幅方向寸法Wa)は、検出素子2の内面の全周寸法と同じである。また、図8における後端側内部検知部27eの周方向寸法Wb(幅方向寸法Wb)は、図7における検知部周方向寸法W1に相当する。
第1測定として、セラミックヒータ3および測定対象ガスによる加熱が行われる条件下において、内部検知部27aにおける後端側内部検知部27eの検知部周方向寸法W1(検知部幅方向寸法W1(=Wb))を変化させた場合において、検知部周方向寸法W1ごとの検出素子2の活性化状態を比較した比較測定について説明する。
第1測定では、後端側内部検知部27eの検知部周方向寸法W1がセラミックヒータ3の発熱部142の発熱部周方向寸法W2(発熱部幅方向寸法W2)よりも大きい検出素子2(試料1)と、後端側内部検知部27eの検知部周方向寸法W1がセラミックヒータ3の発熱部142の発熱部周方向寸法W2よりも小さい検出素子2(試料2〜試料4)と、の4種類の検出素子2を用いた。
また、試料1から試料4は、いずれも、後端側内部検知部27eの軸線方向位置および軸線方向寸法Lbに関して、後端側内部検知部27eが図6に示す接触位置Cpから発熱部後端位置Huまでの領域(第2領域T2、第3領域T3、第4領域T4)を少なくとも含むように形成されている。
検出素子2の活性化状態は、内部電極27と外部電極26との間の電気抵抗値(電極間抵抗値Ri)に基づき判断することができ、電極間抵抗値Riが小さいほど活性化状態が高いと判断でき、電極間抵抗値Riが大きいほど活性化状態が低いと判断できる。
図9に示すように、試料1が最も電極間抵抗値Riが小さくなり(最も活性化状態が高くなり)、試料1から試料4にかけて次第に電極間抵抗値Riが大きくなる(活性化状態が低くなる)ことが判る。
なお、試料2は、検知部周方向寸法W1が発熱部周方向寸法W2の80%相当値である。また、試料1から試料4のいずれも、内部リード部27cの周方向寸法Wc(幅方向寸法Wc)は、発熱部周方向寸法W2の20%相当値である。
よって、第1測定によれば、後端側内部検知部27eの検知部周方向寸法W1(検知部幅方向寸法W1)がセラミックヒータ3の発熱部142の発熱部周方向寸法W2(発熱部幅方向寸法W2)の80%相当値よりも大きい検出素子であれば、セラミックヒータ3および測定対象ガスによる加熱が行われる条件下において、適切に酸素を検出できることが判る。
次に、第2測定として、セラミックヒータ3および測定対象ガスによる加熱が行われる条件下において、内部検知部27aの後端側内部検知部27eとセラミックヒータ3の発熱部142との対向面積の大きさを変化させた場合において、対向面積の大きさごとの検出素子2の活性化状態を比較した比較測定について説明する。
図10に、内部電極27の内部リード部27cがセラミックヒータ3の発熱部142に対向しないように配置された酸素センサ1のうち、図6に示す検出素子2およびセラミックヒータ3におけるC−C断面に相当する説明図を示す。
図11の左側領域に示すように、試料11が最も電極間抵抗値Riが小さくなり(最も活性化状態が高くなり)、試料11から試料13にかけて次第に電極間抵抗値Riが大きくなる(活性化状態が低くなる)ことが判る。
よって、第2測定によれば、後端側内部検知部27eとセラミックヒータ3の発熱部142との重複面積(対向面積)の大きさが発熱部142の50%相当値となるよう構成された酸素センサ1であれば、セラミックヒータ3および測定対象ガスによる加熱が行われる条件下において、適切に酸素を検出できることが判る。
次に、第3測定として、第2測定に用いた3種類の各試料について、検出素子2とセラミックヒータ3との相対位置を変更して、内部電極27の内部リード部27cがセラミックヒータ3の発熱部142に対向するように配置された酸素センサ1について、対向面積の大きさごとの検出素子2の活性化状態を比較した比較測定について説明する。
図11の右側領域に示すように、試料21,22,23のいずれも電極間抵抗値Riはほぼ等しい値であり、第2測定において最も活性化状態が高い試料11と同等の抵抗値あるいは同等以下の抵抗値を示している。つまり、第3測定の試料21,22,23は、いずれも第2測定での試料11と同等あるいはそれ以上に良好な活性化状態である。
次に、第4測定として、セラミックヒータ3による加熱は行わず、測定対象ガスによる加熱のみが行われる条件下において、検出素子2とセラミックヒータ3との接触位置Cp(接触点63)に対する内部検知部27a(後端側内部検知部27e)の検知部後端位置Euの相対位置を変化させた場合において、その相対位置ごとの検出素子2の活性化状態を比較した比較測定について説明する。
図12に示すように、試料31,32,33が最も電極間抵抗値Riが小さくなり(最も活性化状態が高くなり)、試料34から試料35にかけて次第に電極間抵抗値Riが大きくなる(活性化状態が低くなる)ことが判る。
次に、第5測定として、セラミックヒータ3による加熱は行わず、測定対象ガスによる加熱のみが行われる条件下において、内部検知部27aの周方向寸法(幅方向寸法)を変化させた場合において、周方向寸法ごとの検出素子2の活性化状態を比較した比較測定について説明する。
図13に示すように、試料41が最も電極間抵抗値Riが小さくなり(最も活性化状態が高くなり)、試料41から試料44にかけて次第に電極間抵抗値Riが大きくなる(活性化状態が低くなる)ことが判る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
あるいは、後端側内部検知部27eの他の例としては、素子本体部24の軸線方向における接触位置Cp(接触点63)から発熱部142の発熱部後端位置Huまでの領域(図6での第2領域T2から第4領域T4)では周方向領域の全体(全周)に形成され、発熱部後端位置Huから検知部後端位置Euまでの領域(図6での第5領域T5)では周方向領域の一部領域に形成される構成の後端側内部検知部27eが挙げられる。換言すれば、この後端側内部検知部27eは、連結側検知部27f以外の領域が周方向の全体(全周)に形成されるとともに、連結側検知部27fの領域が周方向領域の一部領域に形成される構成である。このような構成の後端側内部検知部27eを備える内部電極27の形状を模式的に表した展開図を図14に示す。
次に、上記の第1実施形態では、内部接続部27bおよび内部リード部27cがそれぞれの幅方向寸法(周方向寸法)が同一寸法となる形態の内部電極27の検出素子2について説明したが、内部電極27はこのような形態に限定されるものではない。例えば、内部接続部27bは、内部リード部27cよりも幅方向寸法を大きく形成しても良い。あるいは、内部接続部27bは、外部接続部26bと同様に、周方向の全周にわたり形成される形態であってもよい。
Claims (7)
- 軸線方向に延びると共に先端が閉じた有底筒状をなし、固体電解質体を主体として構成される素子本体部と、前記素子本体部の内面に形成される内部電極と、前記素子本体部の外面に形成される外部電極と、を備えて測定対象ガス中の特定ガスを検出する検出素子と、
先端部に発熱部を備える長尺形状に形成され、先端部が前記検出素子の内部に挿入されると共に前記検出素子に当接して前記検出素子を加熱するヒータと、
前記検出素子および前記ヒータを収容するケーシングと、
を備えるガスセンサであって、
前記外部電極は、前記素子本体部の先端部分に形成される外部検知部を備え、
前記内部電極は、前記素子本体部の先端部分に形成される内部検知部と、前記素子本体部の後端から前記内部検知部にかけて形成された内部リード部と、を備え、
前記内部検知部は、前記素子本体部の軸線方向において、前記ヒータと前記検出素子との接触点よりも先端側領域に設けられる先端側内部検知部と、前記接触点よりも後端側領域に設けられる後端側内部検知部と、を備え、
前記先端側内部検知部は、前記素子本体部における周方向の全体に形成されており、
前記後端側内部検知部は、前記素子本体部の中心軸線を中心とする周方向に沿った周方向寸法が前記内部リード部の周方向寸法よりも大きく形成されるとともに、少なくとも一部が前記発熱部に対向しており、
前記後端側内部検知部のうち前記内部リードに連結される連結側検知部は、周方向の一部にのみ形成されるとともに、少なくとも一部が前記発熱部に対向すること、
を特徴とするガスセンサ。 - 前記後端側内部検知部は、その少なくとも一部が前記素子本体部の周方向において少なくとも前記発熱部の発熱中心に対向すること、
を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記後端側内部検知部は、前記素子本体部の周方向に沿った周方向寸法が前記発熱部の周方向寸法の80%相当値以上であること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。 - 前記後端側内部検知部は、前記素子本体部の軸線方向において少なくとも前記接触点から前記発熱部の後端位置にかけて形成されること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 前記後端側内部検知部は、前記素子本体部の周方向に沿った周方向寸法が前記発熱部の周方向寸法以上であること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 前記内部検知部の厚さ寸法は、前記内部リード部の厚さ寸法よりも大きいこと、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 前記後端側内部検知部は、前記素子本体部の軸線方向における前記接触点から前記発熱部の先端位置までの領域において、前記素子本体部における周方向の全体に形成されること、
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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