JP5950685B2 - 制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、周期外乱を有する状態で駆動される移動体の駆動状態を、周期外乱による影響を補償するように制御するフィードバック制御回路を有する制御装置と、このような制御装置によりベルトの幅方向の寄り制御を行う画像形成装置に関する。
複写機やプリンタ等の画像形成装置では、画像の形成に各色の感光ドラムに形成されたトナー画像を合成して、紙などの記録材に転写する、中間転写ベルトが用いた構造が知られている。中間転写ベルトは駆動ローラやテンションローラ等に張架されているため、ローラの精度やベルト自体の平行度や張力分布、さらには記録材突入などの外乱によって、走行中にベルト幅方向に蛇行や片寄りを生じてしまう。以下、ベルト幅方向の蛇行や片寄りをまとめて寄りと記す。
この寄りは、各色の画像を合成する際に、各色の画像の位置ずれの原因となるため、画像形成装置ではステアリング制御を行ってベルト寄りを修正している。ステアリング制御はセンサにより中間転写ベルトの寄り位置もしくは寄り速度を検知し、検知量に基づいて特定のローラ(以下、ステアリングローラと記す)を傾斜させるフィードバック制御を行うことによって、ベルトの寄りを補正するものである。
さらに、ステアリング方式によるローラの傾斜によって生ずるベルト寄りの速度は、ベルトの回転方向の移動速度(以下、ベルト移動速度と略す)に比例することが知られている。これは、ベルトは幅方向と回転方向の挙動に連成を有することを表し、ベルトの寄りを高精度に制御するためには、この連成を考慮する必要がある。
このような連成を考慮し、ベルトの寄り制御のフィードバックゲインをベルト移動速度に関する可変ゲイン制御系とした構造が提案されている。そこではまず、ベルト基準速度と呼ばれる平常時のベルト移動速度で、ベルト寄り制御のフィードバック制御系の調整を行う。しかし、その後ベルト移動速度が変化し、ベルト基準速度と異なると、単位時間当たりの寄り量が変化するため寄りフィードバック制御系が不安定になる。その結果、ベルト移動速度が速くなると、寄りフィードバック制御系のループゲインが高くなり過ぎ、寄り応答が発振してしまう。そこで、寄りフィードバック制御系に、ベルト基準速度をベルト移動速度で除算した値を乗ずることで、閉ループの安定化を行っている(特許文献1)。以下、この方式を可変ゲイン方式と称す。
一方、記録材突入などの突発的外乱(別の外乱)によって生じる寄りを抑圧するには、記録材が突入するタイミングでステアリングローラをフィードフォワード制御することが効果的である。このために、記録材を検出するセンサを用いて、記録材が中間転写ベルトに突入するタイミングを予測し、ベルト移動速度に対するフィードフォワード制御を行う構造が提案されている。この構造では、このようなフィードフォワード制御を行って、記録材が突入しベルト移動速度が低下することを防ぐようにしている(特許文献2)。
特開2008−111928号公報 特開2005−107118号公報
上述の特許文献1に記載の可変ゲイン方式の場合、張架ローラの偏心などによる周期的な外乱によりベルト移動速度がランプ状に変動する条件では有効である。しかし、記録材突入など別の外乱によりベルト移動速度が振動的かつ急峻に低下すると、フィードバック制御系がハイゲインとなり、大きくステアリングを振ってしまう可能性がある。
また、特許文献2に記載のベルト移動方向の制御では、同一種の記録材が一定の速度で突入するという条件ならば、その条件に対応する唯一のフィードフォワード入力を生成しておけばよい。しかし、ベルト寄りの制御では、記録材突入の外乱発生時にステアリング量が大きければ大きな寄り偏差を生じるが、この外乱発生時にステアリング量が小さければほとんど寄り偏差を生じない。これより、寄りのフィードフォワード制御は、例え同一種の記録材が一定の速度で突入するという条件でも、数多くのフィードフォワード入力を生成し記憶しておかなければならないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、多量の記憶容量を要することなく、周期外乱に対する制御を行う制御系に記録材の突入の様な別の外乱が加わっても、安定した制御を行える装置を実現すべく発明したものである。
本発明は、周期外乱を有する状態で駆動される移動体の駆動状態を、前記周期外乱による影響を補償するように制御するフィードバック制御回路と、前記移動体に前記周期外乱とは別の外乱が加わるタイミングを検出する別外乱検出部と、前記移動体に前記別の外乱が加わるタイミングでの、前記周期外乱の位相角を推定又は検出する位相角推定部と、予め設定されたそれぞれ異なる少なくとも4種類の前記周期外乱の位相角にそれぞれ対応した前記別の外乱に関するフィードフォワード入力を記憶する記憶部と、前記位相角推定部により推定又は検出された前記周期外乱の位相角に基づいて、各前記フィードフォワード入力をそれぞれ補間する補間係数を決定し、決定した各前記補間係数をそれぞれ各前記フィードフォワード入力に乗じたものを加算する補間演算部と、前記補間演算部で演算した出力を前記フィードバック制御回路に加算する加算部と、を備えた、ことを特徴とする制御装置にある。
本発明の場合、予め設定された少なくとも4種類の周期外乱の位相角に対応したフィードフォワード入力を、別の外乱が加わる位相角に基づいて補間し、フィードバック制御回路に加算するようにしている。このため、多量の記憶容量を要することなく、周期外乱に対する制御を行う制御系に別の外乱が加わっても、安定した制御を行える。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 本発明の実施形態に係る制御装置のブロック線図。 本実施形態のステアリング制御の流れを示すフローチャート。 本実施形態のベルト駆動装置の概略構成を示す斜視図。 周期外乱の位相角を変えて記録材を突入させるシミュレーションを行った場合の時間に対する寄り変位を示す図。 図5のシミュレーションから求めた、周期外乱の位相角とその位相角での寄り変位の最大値との関係を示す図。 予め設定する4種類の周期外乱の位相角(代表角)を決定する流れを示すフローチャート。 代表角に対応したフィードフォワード入力を生成するための反復学習制御のブロック図。 反復学習制御のフローチャート。 反復学習制御のシミュレーション結果の2例を、それぞれの反復回数での時間に対する寄り変位を示す図。 本実施形態の効果を確認するために行ったシミュレーション結果を、可変ゲイン方式との比較で(a)寄り変位の応答を、(b)ステアリング量の応答を、固定フィードフォワード制御系との比較で(c)寄り変位の応答を、それぞれ示す図。
本発明の実施形態について、図1ないし図11を用いて説明する。まず、本実施形態の制御装置を適用した画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する複数の画像形成部50Y、50M、50C、50Kを、中間転写ベルト31の回転方向(走行方向)に並べた、所謂タンデム型の画像形成装置である。このような画像形成装置100では、それぞれの画像形成部で形成したトナー像を中間転写ベルト31に重ね合わせて記録紙に転写するためのベルトユニット30を備える。なお、各図面を通して同一符号は、同一又は対応する部分を示す。
まず、画像形成部の構成を説明する。図1において、50Y、50M、50C、50Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部を表す。各画像形成部の構成は全て同一なので、以下ではイエロー画像形成部50Yの構成と画像形成時の動作を簡単に説明し、他の画像形成部の説明は省略する。画像形成部50Yには、像担持体としての感光ドラム51が配置されている。そして、感光ドラム51の周囲には、帯電部材である帯電ローラ52、露光装置53、現像装置54、ドラムクリーニングブレード(不図示)が配置されている。
画像の形成が開始されるとまず、感光ドラム51に接触する帯電ローラ52が感光ドラム51の表面を所定の電圧で均一に帯電する。次に、露光装置53が上位装置(不図示)から画像情報を受け取り、この情報を時系列のデジタル画素信号で変調したレーザ光で感光ドラム51の表面を露光することにより静電潜像を形成する。ここで、上位装置とは、例えば、スキャナなどの原稿読取装置、パーソナルコンピュータなどの外部端末を指す。さらに、現像装置54は現像バイアス電圧を印加し、静電潜像にイエロートナーを付着させてトナー像を形成する。
ベルトユニット30は、移動体としての無端状のベルトである中間転写ベルト(転写媒体)31と、これを支持する回転可能な駆動ローラ32、従動ローラ33、二次転写ローラ34、及び、ベルトクリーニングブレード(不図示)を備える。駆動ローラ32は、モータ32aにより回転駆動され、中間転写ベルト31を矢印X方向に回転駆動する。従動ローラ33は、後述するように、中間転写ベルト31を幅方向(中間転写ベルト31の表面と平行で且つ中間転写ベルト31の回転方向に交差する方向)に移動させるステアリングローラとしても機能する。また、中間転写ベルト31に一定の張力を与えてたわみを防止するために、従動ローラ33はテンションばね(不図示)によって加圧される。
画像形成時には、ベルトユニット30は、一次転写部T1で、一次転写ローラ35によって中間転写ベルト31に一次転写バイアス電圧を加えることにより、感光ドラム51上に形成したイエロートナー像を中間転写ベルト31に転写する。次に、転写したトナー像をマゼンタの画像形成部50Mに搬送し、イエロートナー像とマゼンタトナー像を重ね合わせる。同様にシアントナー像とブラックトナー像を重ね合わせて、中間転写ベルト31上にフルカラートナー像を形成する。
中間転写ベルト31上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写部T2に送られ、二次転写ローラ34によって二次転写バイアス電圧を加えることにより、トナー画像と同期して二次転写部T2に搬送された記録材Pに転写される。ここで、記録材Pは給紙カセット(不図示)からレジストローラ40などによって二次転写部T2に搬送される。さらに、フルカラートナー像を転写した記録材Pは、定着器41に送られ、加熱、加圧等の画像定着処理をした後、不図示のトレイに排出される。二次転写終了後に中間転写ベルト31上に残留したトナーは、中間転写ベルト31に当接するベルトクリーニングブレード(不図示)によって除去される。
また、本実施形態の画像形成装置100は、従動ローラ33端部の支持部をローラの回転軸に交差する方向(例えば紙面上下方向)に移動させるアクチュエータを有するステアリング機構33aを有している。ステアリング機構33aは、制御装置200に制御される。制御装置200は、中間転写ベルト31の幅方向端部位置を検知する寄りセンサ33b、記録材Pが二次転写部T2に突入する前の記録材Pの位置を検知する記録材検知センサ33cの信号などに基づいて、ステアリング機構33aを制御する。また、制御装置200は、駆動ローラ32の回転を検知する回転検知センサであるエンコーダ32bの信号に基づきモータ32aを制御して、駆動ローラ32の回転速度、延いては、中間転写ベルト31の回転速度(ベルト移動速度)を制御する。
図1では、ステアリング機構33aを従動ローラ33の紙面手前側のみを示しているが、従動ローラ33の紙面奥側にも同様の機構を備える。但し、従動ローラの片側はヒンジなどで固定し、もう片側にステアリング機構を備えても良い。何れにしても、ステアリング機構33aを用いて、従動ローラ33の両端に紙面上下方向の位置の差を発生させる。これにより、従動ローラ33は紙面垂直方向から傾き、中間転写ベルト31の片寄り(寄り位置)を制御することが可能となる。即ち、中間転写ベルト31の幅方向の位置制御(ベルト寄り制御)を行うことができる。なお,図1ではステアリング機構のアクチュエータは直動型として示しているが、カム機構などの変換機構を用いて回転型アクチュエータを用いたり、リンク機構などの伝達機構を用いたりしても良い。
[制御装置]
次に、上述の制御装置200の構成について、図2を用いて説明する。制御装置200は、上述のように、ベルト移動速度とベルト寄り制御とを行う。このために、制御装置200は、ベルト移動速度を制御する速度制御回路12と、ベルト寄り位置を制御する寄り制御回路11とを有する。速度制御回路12と寄り制御回路11とは、それぞれフィードバック制御回路である。また、本実施形態では、記録材Pが二次転写部T2に突入する別の外乱による寄り位置のフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御回路10を有する。
ここで、速度制御回路12のPは、モータ32aへの電圧指令からベルト移動速度までの伝達関数、寄り制御回路11のPは、ステアリング量から寄り変位までの伝達関数である。
速度制御回路12では、ベルト移動速度yを検出部15によって検出する。検出部15には、エンコーダ32bからの信号が送られる。なお、ベルト移動速度はベルト自体の速度を検出するか、本実施形態のように、駆動ローラ32の角速度を検出して定数倍しても良い。検出部15によって検出されたベルト移動速度y(検出部15の出力)は、減算部17において、目標速度rから減算され、その偏差eがフィードバック制御器Kに入力される。
寄り制御回路11では、ベルト寄り変位xを、検出部16によって検出する。検出部16には、寄りセンサ33bからの信号が送られる。検出部16によって検出されたベルト寄り変位x(検出部16の出力、寄り制御回路11の制御値)は、減算部18において、目標位置rから減算され、その偏差eがフィードバック制御器Kに入力される。本実施形態では寄りの目標位置は0とする。即ち、本実施形態の寄り制御回路11は、駆動ローラ32の偏心などの周期外乱を有する状態で駆動される移動体としての中間転写ベルト31の駆動状態(ベルト寄り変位)を、周期外乱による影響を補償するように制御する。
検出部13には、記録材検知センサ33cからの信号が送られるため、この信号から記録材Pが二次転写部T2に突入する(記録材突入の)タイミングが検出可能である。即ち、検出部13は、移動体としての中間転写ベルト31に、ローラ偏心などの周期外乱とは別の記録材突入の外乱が加わるタイミングを検出する別外乱検出部である。このタイミングでステアリング機構33aにフィードフォワード入力が与えられる。
また、記録材突入によるベルト移動速度への外乱をdph、ベルト寄り変位への外乱(別の外乱)をdpy、ベルト移動速度が変動することによる現れるベルト寄り変位への外乱をdprと表す。さらに、ステアリングローラ自体もしくは駆動ローラなどの他のローラが軸偏心を起こすことによる、ベルト寄り変位への周期外乱をdと表す。
次に、寄りへのフィードフォワード制御回路10の構成を説明する。ステアリングローラ(従動ローラ33)は、周期外乱dによるベルト蛇行(影響)を補償するため、常にステアリングを振っている。即ち、寄り制御回路11によるフィードバック制御を行っている。このため、記録材突入による外乱が加わるタイミングが、仮に毎回一定であっても、記録材突入のタイミングにおけるステアリング量によって寄りの応答は様々となる。
本実施形態では、記録材突入のタイミングで、ステアリング量が決まる原因となる周期外乱dの位相角φを検出して、周期外乱dとは別の記録材突入の外乱(別の外乱)を補償するためのフィードフォワード入力を生成する。しかし、あらゆる位相角に対するフィードフォワード入力を準備しておくことは、大量の記憶装置を必要としてしまう。そこで、本実施形態では、フィードフォワード制御回路10は、記憶部であるメモリ21に、予め設定されたそれぞれ異なる少なくとも4種類の周期外乱の位相角にそれぞれ対応した記録材突入の外乱に関するフィードフォワード入力を記憶しておく。そして、周期外乱dの位相角φに基づいてこれら各フィードフォワード入力を補間して、上述の寄り制御回路11に加算(重畳)するようにしている。
このために、フィードフォワード制御回路10は、メモリ21に加えて、位相角推定部14、補間演算部19、加算部20を有する。位相角推定部14は、上述の検出部13から、中間転写ベルト31に記録材突入の外乱(別の外乱)が加わるタイミングでの、周期外乱dの位相角φを推定する。即ち、記録材検知センサ33cが記録材Pの先端を検知してから所定時間経過後に、記録材Pが二次転写部T2に突入する。また、位相角推定部14には、周期外乱dが入力される。このため、位相角推定部14は、記録材突入のタイミングでの周期外乱dの位相角φを推定できる。
ここで、周期外乱dの位相角φは、ローラの偏心が最大となる位相角である。したがって、例えば、駆動ローラ32の周期外乱dの位相角φ(記録材が突入した時のローラの偏心が最大となる位相角)は、駆動ローラ32の回転角度をエンコーダ32bにより検知することで推定できる。なお、位相角推定部14は、実際に記録材突入のタイミングの周期外乱の位相角を検出するようにしても良い。以下、位相角推定部14は、周期外乱の位相角を推定するとして説明するが、検出する場合も同様である。
補間演算部19は、位相角推定部14により推定された周期外乱dの位相角φに基づいて、後述するように、各フィードフォワード入力をそれぞれ補間する補間係数を決定する。そして、決定した各補間係数をそれぞれ各フィードフォワード入力に乗じたものを加算する。加算部20は、補間演算部19で演算した出力を寄り制御回路11に加算する。以下、具体的に説明する。
まず、本実施形態では、メモリ21に予め設定する周期外乱の位相角(代表角)を4種類とする。補間演算部19は、メモリ21に予め設定された各周期外乱の位相角のうち、位相角推定部14により推定された周期外乱の位相角と近い位相角のフィードフォワード入力に対する補間係数が大きくなるように、それぞれ補間係数を決定する。即ち、代表する4つの位相角φ、φ、φ、φに対応する4種類のフィードフォワード入力uILC1、uILC2、uILC3、uILC4のみをメモリ21に記憶させておく。そして、位相角推定部14により推定された周期外乱dの位相角φが代表角φ(i=1〜4)に近づくにつれて、それに対応するフィードフォワード入力uILCi(i=1〜4)が最大になるように補間係数α(i=1〜4)を式(1)以下のように求める。
Figure 0005950685
ここで、式(1)のφは、位相角のバイアスを調整する設計パラメータである。また、nは自然数である。このように表した式(1)は、4つの代表角φのうち、周期外乱dの位相角φとの差分(φ−φ)が、±90度以内となることを意味している。即ち、φを0として考えた場合に、cos(φ−φ)=αの値が負とならないようにしている。仮に、αが負の値となる場合も含むと、後述するように、φとφが180度ずれているため、αをフィードフォワード入力uILCiに乗じて全部足し合わせた場合に、良好な補償ができなくなる。
このように決定された補間係数αは、式(2)に示すように、フィードフォワード入力uILCiにそれぞれ乗じられ、全て加算される。
Figure 0005950685
即ち、補間演算部19は、4種類の代表角φのうち、位相角推定部14により推定された周期外乱dの位相角φと近い2つの位相角に、近い方の位相角が大きくなるような補間係数αをそれぞれ乗じる。一方、他の2つの位相角には0の補間係数αをそれぞれ乗じる。そして、これら加算して、補間演算部19で演算した出力uffwとして、加算部20で寄り制御回路11に加算する。なお、このような代表角φの決定方法、およびそれに対応するフィードフォワード入力uILCiの決定方法については後述の数値例で説明する。
このようなフィードフォワード制御について、図3のフローチャートで説明する。まず、フィードフォワード入力uILCi(i=1〜4)を、後述する反復学習制御を用いて、印刷動作の前の予備動作として学習により生成する(S1)。そして、記録材を検知したら(S2)、記録材が中間転写ベルトに突入する際の周期外乱dの位相角φを推定する(S3)。推定した位相角φから上述の式(1)を用いて補間係数αを決定し、フィードフォワード入力uILCiを補間する(S4)。補間した出力uffwを寄り制御回路11に加算(重畳)する(S5)。これを印刷ジョブが終了するまで行う(S6)。
[モデリング]
次に、フィードフォワード制御系の設計のために、寄りのモデル化を行う。寄り変位をx、ステアリング量をuとして、操作量であるステアリング量から制御量である寄り変位までの状態システムPの導出を行う。また、寄りの動特性に比べてステアリング駆動系の動特性は高いと仮定し、ステアリング量は一意に決まるとする。駆動ローラ32の半径をR、とすると、寄り速度は以下のように表される。
Figure 0005950685
ここで、aは定数であり、ステアリング量とベルト移動速度が一定となるようにベルトを走行させ、寄り速度を計測する方法で実験的に同定される。これを状態方程式として表すと、
Figure 0005950685
となり、駆動ローラの角速度に対する時変システムP(s)として表される。
さらに、制御系設計の説明とシミュレーションにおいて、図4に示すベルト移動速度と寄りに連成があるシミュレーションモデルを用いるため、導出を以下に示す。駆動ローラ32の角度をθ、ベルト駆動用のモータ32aの角度をθ、駆動ローラ32とモータ32aとの間のばね定数、減衰定数をそれぞれk、cと表している。本実施形態のシミュレーションでは、ベルト移動方向は、駆動ローラ32とモータ32aからなる2慣性系とする。また、中間転写ベルト31は剛体とし、中間転写ベルト31と駆動ローラ32の滑りは考慮しないと仮定する。さらに、モータ32aはモータ制御ドライバにより指令電圧Vに比例した角速度に正確に追従制御されるとして、モータ32aの回転角をθとする。すると、モータ32aの角速度は、
Figure 0005950685
となる。ここでdは定数である。モータ32aと駆動ローラ32からなる2慣性系の運動方程式は、駆動ローラ32の慣性をIとおくと、
Figure 0005950685
となる。ここで、状態ベクトルを、
Figure 0005950685
として、式(5)と式(6)から状態方程式を導出すると、
Figure 0005950685
となり、観測出力を駆動ローラ32の速度とすると、状態方程式、出力方程式は、
Figure 0005950685
となる。さらに、モータ制御ドライバの動特性を2次遅れ系とし、モータ制御ドライバに与える指令速度をu、モータ制御ドライバの状態量をxf1、xf2とすると、状態方程式は、
Figure 0005950685
となる。式(10)と式(9)を直列接続し、x=[xとして、拡大系を構成すると、走行方向のモデルは以下の状態方程式で表される。
Figure 0005950685
Figure 0005950685
ここで、寄り方向のモデル式(3)とベルト駆動方向のモデル式(12)で拡大系を構成することで、ベルト走行とベルト寄りの連成モデルが得られる。状態方程式は以下のように求まる。
Figure 0005950685
[制御系設計]
次に、ベルト移動速度と寄りに対するフィードバック制御系を設計する。ベルト移動方向のフィードバック制御器Kは、ベルト走行方向の変位の積分を補償するため、以下に示す2型のサーボ系とする。
Figure 0005950685
寄りのフィードバック制御器Kはスライディングモード制御系を用いる。制御入力は、線形入力と非線系入力で構成され、
Figure 0005950685
となる。ここで、σは切換え関数であり、
Figure 0005950685
とする。本実施形態では、S=560.22、k=2、η=0.3とする。
[代表角の決定]
次に、補間型フィードフォワード制御系を設計する。4種類の周期外乱の位相角である代表角φ(i=1〜4)は、次のように決定する。まず、4種類よりも多くそれぞれ異なる複数の周期外乱の位相角(例えば、10〜180degの10deg刻み)でそれぞれ記録材突入の外乱(別の外乱)を中間転写ベルト31に加える。次に、これらの場合の、寄り変位(寄り制御回路11の制御値)xの時間に対する変化を、図5に示すように求める。次いで、寄り変位xが最も大きい時間tmaxでの複数の周期外乱の位相角(10〜180deg)とそれに対する寄り変位xとの関係を、図6に示すように求める。そして、図6から、寄り変位xが最大となる位相角、寄り変位xが最小となる位相角、及び、寄り変位xの中央値となる2つの位相角を代表角φ(i=1〜4)として決定する。以下、具体的に説明する。
周期外乱dを周波数ω=2.441・2・π、位相角φの正弦波
Figure 0005950685
として、式(13)を用いて、記録材突入のシミュレーションを行った寄り変位の応答を図5に示す。ここで、周期外乱の6周期目に記録材が突入するとして、ベルト移動速度に対する記録材突入の外乱dphにステップ状の外乱を、寄りに対する記録材突入の外乱dpyに1周期のみの正弦波状の外乱を与えている。さらに、記録材突入時の周期外乱dの位相角φを10degから180degまで10deg刻みで変化させている。
図5より、記録材の外乱dph、dpyが一定でも、記録材突入時の周期外乱dの位相角φにより、寄りの応答(寄り制御回路11の制御値、寄り変位x)は変化することがわかる。したがって、記録材突入外乱によるベルト寄りを抑制するフィードフォワード制御系を設計するには、位相角毎にフィードフォワード入力を生成してメモリに保存すれば良いことになる。しかし、上述したように、それではフィードフォワード入力の蓄積に多くのメモリを費やすこととなる。そこで、本実施形態では、メモリの消費を最大限に抑えるフィードフォワード制御系を構築する。
図5より、記録材突入後、寄り変位(寄り制御回路11の制御値)xが最大になる時間tmax=2.51秒付近に着目する。そして、図6に、横軸を記録材突入外乱が印加される時点での位相角φとし、縦軸を2.51秒での寄り変位xの最大値とする応答を示す。実線が、シミュレーションにより得られた応答、破線は正弦波で近似した応答である。図6より、寄り変位xの最大値は位相角φに対して周期的な応答になっていることがわかる。そこで本実施形態では、2.51秒付近での、寄り変位(寄り制御回路11の制御値)が正の方向に最大になる位相角φ、寄り変位xが負の方向に最大になる位相角φとする。また、2.51秒付近での、寄り変位xの位相角φに対する周期的な応答の中央値(一点鎖線)を、φ、φとする。そして、これらφ、φ、φ、φを代表角とする。これら代表角は、図6から、φ=155deg、φ=60deg、φ=335deg、φ=235degとなる。
ここまでは,式(13)のモデルを用いてtmaxとφ(i=1〜4)を求めているが、実際の装置を用いて図6の寄り変位xの最大値と位相角φの関係をマッピングして求めても良い。手順は、図7に示すように、まず、寄りフィードバック制御を行いながらベルトを走行させ(S11)、式(14)のフィードバック制御により寄り変位が0となる(収束する)のを確認する(S12)。そして,記録材を突入させ(S13)、突入による寄りの時刻歴応答と、突入時の外乱の位相角φを計測する(S14)。これを、位相角φの分布に偏りが無くなるまでデータ取得を繰り返すことにより、実験的に図5が作成される(S15)。実験的に作成された図5より、寄り変位xが最大になる時間tmaxを決定する(S16)。次いで、横軸にφを取り,縦軸にその位相角における時刻tmaxにおける寄り変位xをデータ処理しマッピングすることで、実験データにより図6を作成する(S17)。そして、図6から代表角φ(i=1〜4)を読み取る(S18)。
[フィードフォワード入力の生成]
このように決定された代表角φ(i=1〜4)で記録材が突入する時に、それにより生じる寄りを最適に抑制するためのフィードフォワード入力uILCi(i=1〜4)は、反復学習制御を用いて生成される。反復学習制御を用いる代表角でのフィードフォワード入力生成について述べる。
反復学習制御は、実際の装置を用いて、目標値に対する追従制御を反復して行うことによって、目標値に対する偏差を低減するものである。例えば、フィードフォワード入力uILCiを求めるためには、記録材突入のタイミングで周期外乱の位相角が代表角φになるように記録材を挿入する試行を反復する必要がある。同様に,記録材突入のタイミングで周期外乱の位相角が代表角φ(i=2〜4)になるように記録材を挿入する試行を反復することで、φ(i=2〜4)に対応するフィードフォワード入力uILCi(i=2〜4)が学習される。
このような反復学習制御を行うために、本実施形態の制御装置200は、図8に示すような反復学習制御回路1を有する。反復学習制御回路1は、逆システムP −1を含むフィルタ回路と、フィルタ出力加算部4とを有する。逆システムP −1は、寄り制御回路11の操作量(ステアリング量)から制御量(寄り変位)までの状態システムP(s)の逆システムであり、寄り制御回路11でフィードバックされた数値yと目標値rとの偏差ey[k]が入力される。なお、kは、反復回数である。フィルタ出力加算部4は、上述のフィルタ回路の出力を寄り制御回路11に加算する。メモリ21(図2)は、このような反復学習制御回路1が反復学習制御した結果に基づき、偏差ey[k]が最小となるフィルタ回路の出力を、それぞれフィードフォワード入力として記憶する。反復学習制御回路1は、予め設定された各周期外乱の位相角φ(i=1〜4)が同じ時にそれぞれ複数回、中間転写ベルト31に加わった記録材突入の外乱に基づいて反復学習制御する。以下、具体的に説明する。
本実施形態では、寄り位置の目標値rは0であるので、反復学習制御により、外乱による偏差を抑圧するためのフィードフォワード入力が反復試行により生成される。反復学習制御回路1は、図8に示すように、制御偏差ey[k](k回目の偏差)から制御入力を生成する逆システムP −1と、逆システムP −1の学習に不要な周波数帯域を遮断する安定化フィルタQと、生成された制御入力を記憶するメモリを備える。ここで、メモリは図2に示すメモリ21とする。また、最終的に生成された制御入力がフィードフォワード入力としてメモリ21に記憶される。
偏差ey[k]は、逆システムP −1に入力され、その出力が加算部2に入力される。また、k回目の寄りのフィードバック制御入力ub[k]が加算部2に入力される。さらに、加算部2の出力と、k回目の反復学習制御による制御入力f[k]が加算部3に入力される。加算部3からの出力は、安定化フィルタQに入力される。安定化フィルタQの出力はk+1回目の制御入力f[k+1]としてメモリに記憶される。メモリに記憶された制御入力f[k+1]はk+1回目の追従制御において制御対象にフィードフォワード入力として加えられる。即ち、寄り制御回路11のフィードバック制御器Kの出力ub[k+1]に加算される。さらに本実施形態では、逆システムP −1は、ローラの回転角速度
Figure 0005950685
に依存する時変システムとなる。逆システムP −1は、式(4)の逆伝達関数に、プロパにするためのローパスフィルタを直列に接続し、
Figure 0005950685
として導出される。安定化フィルタQは、遮断周波数6Hz、次数6のローパスフィルタとする。次に、反復学習制御のフローについて図9を用いて説明する。まず、初回の試行は、反復学習制御による入力を用いずに行われる(S21、S22)。それ以降k回目の反復試行は、制御入力f[k]を用いて行われる。制御はデジタル制御で行われるので、k回目の試行におけるjサンプル目の制御入力および偏差をfkj、ekjと表す。同様に、k回目の試行におけるjサンプル目のフィードバック制御入力をukjと表す。
この図7に示すようなフローチャートは、反復学習制御アルゴリズムとして画像形成装置のコンピュータにプログラミングして実装される。制御プログラムは、まず、記録材突入時の位相角がφ(i=1〜4)となるように記録材を挿入する信号を発生する(S23)。次いで、前回の動作で得られた反復学習制御入力f[k]を用いてk回目の動作を開始し、一回の動作に総サンプル数mでの制御偏差の最大値emaxを求める(S24)。初回の動作では、emax、jは0となる。そして、記録材突入のタイミングで制御入力fkjをステアリング機構33aに印加し(S25)、そのときの偏差ekjを取得する。制御偏差ekjを学習フィルタに通過させ、フィードバック制御入力ukjと加算した後、反復学習制御入力fkjと合算する。この信号を安定化フィルタQに通過させた結果を、k+1回目の反復学習制御入力f(k+1)jとしてメモリに記憶する(S26)。そして、一回の試行における制御偏差の最大値emaxが十分に小さいと判断するまで反復試行を行う。
即ち、制御入力fkjを印加した場合の制御偏差ekjが前回のemaxよりも小さければ、制御偏差ekjを新たなemaxとして更新する(S27)。これを、サンプル数jが総サンプル数mに達するまで行う(S28、S29)。サンプル数がmに達したら、k回目の動作を終了し(S30)、emaxが十分に小さい、例えば、0となったかを判定し(S31)、emaxが十分に小さくなければ、k+1回目の動作を行い(S32)、emaxが十分に小さければ、学習を終了する。このような反復学習動作を全ての代表角φ(i=1〜4)で行い、それぞれemaxが十分に小さい時の反復学習制御入力f[k]を、フィードフォワード入力uILCi(i=2〜4)として、メモリに記憶する。
本実施形態の場合、予め設定された4種類の周期外乱dの位相角φに対応したフィードフォワード入力uILCiを、記録材突入の外乱が加わる位相角に基づいて補間し、寄り制御回路11に加算するようにしている。このため、多量の記憶容量を要することなく、周期外乱に対する制御を行う制御系に記録材突入の外乱が加わっても、安定した制御を行える。
[シミュレーション]
次に、本実施形態について行ったシミュレーションについて説明する。まず、代表角に対する反復学習制御の有効性について説明する。図10(a)に、式(13)のシミュレーションモデルを用いて,周期外乱の位相角φに対応するフィードフォワード入力uILC1を学習している過程の応答を示す。点線で初回の試行すなわち学習入力なしでの寄り応答、破線で2回目の反復試行における寄り応答、実線で5回目の反復試行における寄り応答を示している。記録材突入試行を反復することによって、記録材突入による寄りの偏差は学習入力によって抑圧されていることがわかる。
図10(b)に、周期外乱の位相角φに対応するフィードフォワード入力uILC2を学習している過程の応答を示す。図10(a)と同様に、5回の学習で、寄りの偏差を抑圧していることがわかる。周期外乱の位相角φ、φに対応するフィードフォワード入力uILC3、uILC4についても同様の手順で学習し,有効性を確認している。
次に、代表角での反復学習制御入力を用いる図2の補間型フィードフォワード制御系の有効性をシミュレーションで確認する。毎分70枚の記録材突入が発生するとして、シミュレーションを行う。記録材突入のタイミングは図2中の検出部13と位相角推定部14によって検知され、その際の周期外乱dの位相角は、最大の周期外乱の要因となるローラにロータリエンコーダ等を取り付ることにより検出可能とする。また、シミュレーションでは可変ゲイン方式との比較を行う。可変ゲイン方式では、寄りフィードバック制御系にベルト移動速度の関数となるゲインG
Figure 0005950685
を乗じている。ここで、定数vはベルト移動速度が基準速度であるときの駆動ローラの角速度である。図11(a)に、実線で本実施形態の制御系による寄り変位の応答を、破線で可変ゲイン方式による寄りの応答を示す。また、図11(b)に、本実施形態の制御系と可変ゲイン方式による寄り制御のステアリング量の応答を示す。記録材突入のタイミングで周期外乱の位相角は毎回異なっているが、本実施形態の制御系では式(1)、(2)を用いて記録材突入外乱に対するフィードフォワード制御を行うことにより、可変ゲイン方式に比べて寄りの偏差を抑えることができている。また図11(b)より、本実施形態の制御系ではフィードバック制御系のゲインが固定であるため、ステアリング量が過大になることはない。しかし、可変ゲイン方式では式(20)からもわかるように、記録材突入によりベルト走行速度が遅くなると寄りフィードバックの制御ゲインが高くなっていくため、図11(b)の破線で示すように大きくステアリングを振ってしまう。
次に、記録材の突入が起こらない状態で反復学習制御により寄り偏差の学習を行い、その得られたフィードフォワード入力を記録材の突入が発生する状態において使用するフィードフォワード制御系との比較を行う。以下、この制御系を、固定フィードフォワード制御系と略す。図11(c)に、実線で本実施形態の補間フィードフォワード制御系による寄り変位の応答を、破線で固定フィードフォワード制御系による寄り変位の応答を示す。固定フィードフォワード制御系は、記録材突入外乱に対する抑圧が考慮されていないため、記録材が突入するタイミングで周期的に大きな偏差を発生してしまうことがわかる。
なお、本実施形態のシミュレーションは、周期外乱は単一であるとしている。周期外乱が複数存在する場合は、2番目の大きさの周期外乱が最大の大きさの周期外乱の4割程度の振幅以下ならば、最大の大きさの周期外乱のみを考慮すれば良いことをシミュレーションで確認している。
[他の実施形態]
上述の実施形態では、代表角を4種類としているが、代表角を例えば、4の整数倍(8、16)などに設定することもできる。但し、多く設定するとメモリを多く使用することになるため、本発明では、少なくとも4種類としている。また、上述の実施形態では、本発明をタンデム型の画像形成装置に適用しているが、画像形成部が1個のモノクロの画像形成装置など、他の画像形成装置にも適用可能である。また、ベルトユニットしては、中間転写ベルトに関する装置だけではなく、例えば、記録材を加熱する定着ベルト(移動体)を有する定着装置でベルトの寄り制御を行うようなものにも適用可能である。即ち、定着ベルトと加圧ローラなどの加圧部材とのニップ部に記録材が突入する場合に、上述のような制御が有効である。更に、本発明の制御装置は、ベルトユニット以外にも、周期外乱を有する状態で駆動される移動体で、周期外乱とは別の外乱が加わるようなものであれば適用可能である。
1・・・反復制御回路、4・・・フィルタ出力加算部、10・・・フィードフォワード制御回路、11・・・寄り制御回路(フィードバック制御回路)、12・・・速度制御回路、13・・・検出部(別外乱検出部)、14・・・位相角推定部、19・・・補間演算部、20・・・加算部、21・・・メモリ(記憶部)、30・・・ベルトユニット、31・・・中間転写ベルト(移動体、ベルト)、32・・・駆動ローラ、33a・・・ステアリング機構、50Y、50M、50C、50K・・・画像形成部、100・・・画像形成装置、200・・・制御装置、P −1・・・逆システム、T1・・・一次転写部、T2・・・二次転写部

Claims (6)

  1. 周期外乱を有する状態で駆動される移動体の駆動状態を、前記周期外乱による影響を補償するように制御するフィードバック制御回路と、
    前記移動体に前記周期外乱とは別の外乱が加わるタイミングを検出する別外乱検出部と、
    前記移動体に前記別の外乱が加わるタイミングでの、前記周期外乱の位相角を推定又は検出する位相角推定部と、
    予め設定されたそれぞれ異なる少なくとも4種類の前記周期外乱の位相角にそれぞれ対応した前記別の外乱に関するフィードフォワード入力を記憶する記憶部と、
    前記位相角推定部により推定又は検出された前記周期外乱の位相角に基づいて、各前記フィードフォワード入力をそれぞれ補間する補間係数を決定し、決定した各前記補間係数をそれぞれ各前記フィードフォワード入力に乗じたものを加算する補間演算部と、
    前記補間演算部で演算した出力を前記フィードバック制御回路に加算する加算部と、を備えた、
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記補間演算部は、前記記憶部に予め設定された各前記周期外乱の位相角のうち、前記位相角推定部により推定又は検出された周期外乱の位相角と近い位相角のフィードフォワード入力に対する補間係数が大きくなるように、それぞれ前記補間係数を決定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記フィードバック制御回路でフィードバックされた数値と目標値との偏差が入力される、前記フィードバック制御回路の操作量から制御量までの状態システムの逆システムを含むフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力を前記フィードバック制御回路に加算するフィルタ出力加算部とを有し、反復学習制御を行う反復学習制御回路を備え、
    前記記憶部は、予め設定された各前記周期外乱の位相角が同じ時にそれぞれ複数回、前記移動体に加わった前記別の外乱に基づいて前記反復学習制御回路が反復学習制御した結果に基づき、前記偏差が最小となる前記フィルタ回路の出力を、それぞれ各前記フィードフォワード入力として記憶する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記記憶部に予め設定された各前記周期外乱の位相角は4種類であり、
    前記4種類の周期外乱の位相角は、4種類よりも多くそれぞれ異なる複数の前記周期外乱の位相角でそれぞれ前記別の外乱を前記移動体に加えた場合の、前記フィードバック制御回路の制御値の時間に対する変化が最も大きい時間での複数の前記周期外乱の位相角とそれに対する前記制御値との関係で、前記制御値が最大となる位相角、前記制御値が最小となる位相角、及び、前記制御値の中央値となる2つの位相角である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記記憶部に予め設定された各前記周期外乱の位相角及び前記記憶部に記憶された各前記フィードフォワード入力は、それぞれ4種類であり、
    前記補間演算部は、前記4種類の周期外乱の位相角のうち、前記位相角推定部により推定又は検出された前記周期外乱の位相角と近い2つの位相角に、近い方の位相角が大きくなるような補間係数をそれぞれ乗じ、他の2つの位相角には0の補間係数をそれぞれ乗じる、
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の制御装置。
  6. 画像を形成する画像形成部と、
    無端状のベルトと、前記ベルトを駆動する駆動ローラと、前記ベルトを幅方向に移動させるステアリング機構と、前記画像形成部で形成された画像を前記ベルトに転写する一次転写部と、前記ベルトに転写された画像を記録材に転写する二次転写部とを有するベルトユニットと、
    前記ステアリング機構を制御する、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の制御装置と、を備え、
    前記移動体は、前記ベルトであり、
    前記周期外乱は、前記駆動ローラの偏心により生じる外乱であり、
    前記別の外乱は、記録材が前記二次転写部に突入することにより生じる外乱であり、
    前記周期外乱の位相角は、前記駆動ローラの偏心の位相角である、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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