実施の形態1.
以下、図の説明を容易にするために液晶表示装置100の短辺方向をY軸方向とし、長辺方向をX軸方向とし、X−Y平面に垂直な方向をZ軸方向とする。液晶表示装置100の表示面側を+Z軸方向とする。また、液晶表示装置の上方向を+Y軸方向とする。液晶表示装置100の表示面を見て(対向して)左側を+X軸方向とする。
図1は、本発明に係る実施の形態1の液晶表示装置100の背面斜視図である。背面板金1は、板材である。背面板金1は、例えばアルミニウムをプレス加工によって成形している。放熱器2a,2bは、背面板金1の裏面側(−Z軸方向側)に配置されている。放熱器2a,2bは、背面板金1のX軸方向の両端付近に配置されている。放熱器2a,2bは、背面板金1の裏面に左右対称に配置されている。放熱器2a,2bの風路は、鉛直方向(+Y軸方向)に設けられている。つまり、放熱フィン21はY−Z平面に略平行に配置されている。放熱器2a,2bの放熱フィン21の+Y軸方向の端部は、斜めにカットされている。斜めにカットされた部分を放熱フィンカット部9と呼ぶ。放熱器2aの−Y軸方向の端部には、送風器3aが取り付けられている。また、放熱器2bの−Y軸方向の端部には、送風器3bが取り付けられている。
図2および図3は、液晶表示装置100の内部構造を液晶表示面側から見た斜視図である。図2および図3では、液晶表示素子18、拡散シート16,17、LED用導光板15、レーザー用導光板14、反射シート13およびレーザー用導光素子12を外した状態の図である。図2は、液晶表示装置100の+X軸方向端部の下部(−Y軸方向の部分)を拡大した斜視図である。図3は、液晶表示装置100の+X軸方向端部の上部(+Y軸方向の部分)を拡大した斜視図である。図2では、背面板金1の裏面側(−Z軸方向側)に配置されている放熱器2aおよび送風器3aを破線で示している。図3では、背面板金1の裏面側(−Z軸方向側)に配置されている放熱器2aを破線で示している。
背面板金1の+X軸方向の端部には、LED保持部材11が配置されている。LED保持部材11は、L字形状に曲げられた形状をしている。LED保持部材11は、X−Y平面に平行な面とY−Z平面に平行な面とで構成されている。LED保持部材11のY−Z平面に平行な面の−X軸方向の面には、LED基板10が取り付けられている。LED基板10は、Y軸方向に長い矩形状をしている。LED基板10の−X軸方向の面には、LED光源7が取り付けられている。LED光源7は、Y軸方向に1列に複数配置されている。各々のLED光源7は、−X軸方向に光L7を出射する。
背面板金1の+Z軸方向の面には、LD保持部材4が取り付けられている。LD保持部材4は、四角柱形状をしている。LD保持部材4の長手方向は、Y軸方向と略平行である。LD保持部材4は、Y軸方向に1列に複数配置されている。LD保持部材4には2個のレーザー発光素子5が取り付けられている。LD保持部材4にはレーザー発光素子5を取り付けるための孔が開けられている。孔はX軸方向に平行に開けられている。レーザー発光素子5は、−X軸方向からLD保持部材4に開けられた孔に挿入されて保持される。背面板金1の−Z軸方向の面には、放熱器2が取り付けられている。放熱器2は、効率良くLD保持部材4からの熱を放熱するため、LD保持部材4の−Z軸方向の位置に配置されている。つまり、放熱器2は、LD保持部材4とともに背面板金1を挟むように配置されている。
本実施の形態1の液晶表示装置100は、LED光源7とレーザー発光素子5とを組み合わせた光源を有している。LED光源アレイ8は、複数のLED光源7を一列に並べたものである。実施の形態1では、Y軸方向に複数のLED光源7を並べている。レーザー光源アレイ6は、複数のレーザー発光素子5をLD保持部材4で保持し、そのLD保持部材4を複数並べたものである。実施の形態1では、Y軸方向にレーザー発光素子5を保持した複数のLD保持部材4を並べている。
LED光源7は、光源に青色LEDおよび蛍光体を有している。具体的には、LED光源7は、青色の光を発する青色LEDチップを備えたパッケージに、この青色の光を吸収して緑色の光を発する緑色蛍光体を充填している。上述のように、LED光源アレイ8は、LED光源7をアレイ状に配置している。LED光源アレイ8は、LED光源7を鉛直方向(Y軸方向)に配置している。このような光源を用いることで、液晶表示装置100は、広い色再現範囲と低消費電力を共に兼ね備えることができる。
LED光源アレイ8は、青色の単色LEDと青色の光を吸収して緑色を発光する蛍光体とを備えた青緑色LEDを採用している。これは、緑色の光を発する単色LEDや緑色の光を発するレーザーが、ディスプレイに適用可能な簡易で小型なものにおいて、青緑色LEDより低消費電力の点および高出力の点で劣るためである。
人間は赤色の色差に対する感度が高い。そのため、赤色における波長帯域幅の差は、人間の視覚にはより顕著な差となって感じられる。ここで、波長帯域幅の差は色純度の差である。従来、液晶表示装置に光源として使用されている白色LEDは、特に600nmから700nmまでの波長帯の赤色のスペクトルのエネルギー量が少ない。つまり、波長域幅の狭いカラーフィルタを用いて純赤として好ましい630〜640nmの波長領域で色純度を高めようとすると、極めて透過光量が減少し、光の利用効率が低下する。従って、著しく輝度が低下するという問題が発生する。
一方で、レーザー発光素子5は波長帯域幅が狭く、光を損失することなしに高い色純度の光が得られる。3原色の色の中でも特に、赤色の光を非常に単色性の高いレーザー発光素子5とすることによる低消費電力化に対する効果が高く、色純度向上に対する効果も高い。そこで、本実施の形態1の液晶表示装置100においては、レーザー発光素子5は赤色の光を発する光源を採用する。
また、従来の白色LED光源を用いた液晶表示装置は、緑色の色純度も低下させていた。なぜなら、赤色の光の波長帯域幅が広いため、赤色の光の一部がスペクトルの隣接する緑色のフィルタを透過するためである。しかしながら、本実施の形態1の液晶表示装置100は、緑色の色純度を向上させることが可能となる。なぜなら、赤色の色純度が増すため、緑色フィルタを透過する赤色の光量が低減されるからである。
純赤色として好ましい630〜640nmの赤色のレーザー発光素子5は素子温度が上昇するに従い電気−光変換効率が著しく低下する。純赤色とは、波長幅の狭い純度の高い赤色で、深い色の赤色のことである。深い赤色としては、630〜640nmの波長が好ましい。また、レーザー発光素子5が高温の状態で高出力の光を出射し続けると、素子の劣化が加速し寿命が短くなってしまう。このため、強制空冷を含む効率よい冷却システムの導入が必要となる。
一方、LED光源7の温度に対する電気−光変換効率の変化は、レーザー発光素子5と比較すると極めて少ない。しかし、発熱をレーザー発光素子5側に伝えないように効率よく放熱させる必要がある。
レーザー発光素子5から出力される光は指向性が高い。このため、面発光装置としての光の均一性を得るためには、レーザー発光素子5には高い位置決め精度が求められる。一般的に使われているレーザー発光素子5は、直径が約6mmの円筒形のパッケージ形状をしている。レーザー発光素子5は、パッケージをLD保持部材4に圧入して固定される。レーザー発光素子5は、レーザーが出射する発光側からLD保持部材4に圧入される。LD保持部材4は、レーザー発光素子5を固定する部品である。パッケージをLD保持部材4に固定する方法は伝熱効率の点において優れている。なぜなら、パッケージの熱が熱伝導によりLD保持部材4に伝わるためである。
LD保持部材4は、レーザー発光素子5を挿入するための孔等を有する複雑な形状をしている。そのため、LD保持部材4を安価に精度良く製造するためには、LD保持部材4は小型である方が望ましい。なぜなら、LD保持部材4を小型にすることで、加工の際の取り扱いが向上して、精度の良い部品加工が容易になるからである。ここでは、一例としてレーザー発光素子5を2個ずつLD保持部材4に固定する方法を例として示している。しかし、LD保持部材1個に対して、レーザー発光素子5を1個ずつ固定する方法でも良い。また、3個以上のレーザー発光素子5を固定する方法でも良い。
レーザー発光素子5が圧入されたLD保持部材4は、背面板金1に取り付けられる。LD保持部材4は、レーザー用導光板14の−Z軸方向(背面側)の面に配置されている。LD保持部材4が背面板金1に取り付けられる位置は、放熱器2の中心線上に対向した位置である。中心線は、Y軸に平行である。つまり、放熱器2は、レーザー発光素子5が圧入されたLD保持部材4が背面板金1の上に配置された領域に対応した背面板金1の反対の面の領域に取り付けられている。
LD保持部材4は、比較的熱伝導率の高い部材で作製される。熱伝導率の高い部材とは、例えばアルミニウムである。レーザー発光素子の発した熱は、放熱器2に伝えられ、空気中に拡散されて放熱される。
全てのレーザー発光素子5は、背面板金1を挟んで放熱器2に対向した領域に配置されている。この構成により、各レーザー発光素子5と外気との熱抵抗を最小限にできる。そして、レーザー発光素子5で発生した熱を効率よく外気に放熱できる。
一方、レーザー発光素子5と比較して、LED光源7は使用可能な温度範囲が広い。そのため、レーザー発光素子5と比較して、冷却には余裕がある。そこで、LED光源7は、レーザー光源アレイ6や放熱器2から離れた位置の背面板金1の上に配置している。
背面板金1は、LED用導光板15の端面(入射面)に対向するように折り曲げられている。背面板金1の折り曲げられた位置は、X軸方向の両方の端部である。この背面板金1の折り曲げられた位置に、LED光源7は取り付けられている。
LED光源7は、アルミ基板10の上に表面実装されている。アルミ基板10は、LED保持部材11に取り付けられている。LED保持部材11は、背面板金1の折り曲げられた部分に取り付けられている。LED光源7は、LED用導光板15の+X軸方向の端面(入射面)に対向して配置されている。
図4は、液晶表示装置100を−Y軸方向から見た構成図である。液晶表示素子18、拡散シート16,17、LED用導光板15、レーザー用導光板14および反射シート13は、X−Y平面に平行に配置されている。各々、+Z軸方向から−Z軸方向に向けて、液晶表示素子18、拡散シート17、拡散シート16、LED用導光板15、レーザー用導光板14、反射シート13の順に配置されている。
レーザー用導光素子12の導光部分は、レーザー用導光板14の−Z軸方向側に配置されている。また、レーザー用導光素子12の反射部12aは、レーザー用導光板14の+X軸方向側に配置されている。レーザー用導光板14の−Z軸方向に配置されたレーザー用導光素子12の部分は、光L5が隣接する光L5と重なることで、点状の光から線状の光に変換される部分である。光L5は、レーザー用導光素子12の内部をX軸方向に進行する間に、自己の発散角でY軸方向に広がる。光L5は、Y軸方向に広がることで、Y軸方向に隣接する他の光L5と重なる。レーザー用導光板14の+X軸方向に配置されたレーザー用導光素子12の部分は、光L5の進行方向を変更する反射部12aである。
レーザー発光素子5は、レーザー用導光板14の−Z軸方向に配置されている。図4では、反射シート13が、レーザー発光素子5とレーザー用導光板14との間に配置されている。光L5は、レーザー発光素子5から+X軸方向(LED光源7側)に出射する。光L5は、レーザー用導光素子12の中を+X軸方向に伝播して、反射部12aで、反射により+Z軸方向に進路を変え、その後反射により−X軸方向に進路を変える。その後光L5は、レーザー用導光板14に入射面から入射する。
LED光源7は、LED用補助導光板15の端面(入射面)に対向して配置されている。光L7は、LED光源7から−X軸方向に出射した後、LED用補助導光板15に入射面から入射する。
LED光源7は、LED基板10に取り付けられている。LED基板10は、LED保持部材11に取り付けられている。LED保持部材11は、背面板金1に取り付けられている。
LED保持部材11は、Y−Z平面に平行な面と、X−Y平面に平行な面とを有している。つまり、LED保持部材11は、L字形状に曲げられた板部材である。背面板金1は、Y−Z平面に平行な面と、X−Y平面に平行な面とを有している。つまり、背面板金1は、L字形状に曲げられた板部材である。
LED光源7は、LED基板10の−X軸方向側に配置されている。LED基板10は、LED保持部材11のY−Z平面に平行な面の−X軸方向側に配置されている。LED保持部材11のY−Z平面に平行な面は、背面板金1のY−Z平面に平行な面の−X軸方向側に配置されている。LED保持部材11のX−Y平面に平行な面は、背面板金1のX−Y平面に平行な面の+Z軸方向側に配置されている。LED保持部材11は、LED保持部材11の折り曲げ部分が背面板金1の折り曲げ部分に重なるように、背面板金1に取り付けられている。つまり、LED保持部材11の折り曲げ部分の外側は、背面板金1の折り曲げ部分の内側に接している。
放熱器2は、背面板金1のX−Y平面に平行な面の−Z軸方向側に配置されている。レーザー発光素子5は、LD保持部材4に取り付けられている。LD保持部材4は、背面板金1のX−Y平面に平行な面の+Z軸方向側に配置されている。放熱器2は、LD保持部材4が背面板金1に取り付けられた位置の反対側の面の対応する位置に取り付けられている。つまり、放熱2は、レーザー発光素子5が背面板金1に取り付けられた面の反対側の面に取り付けられ、レーザー発光素子5とともに背面板金1を挟む位置に配置されている。
放熱フィン21は、Y−Z平面に平行な板形状をしている。放熱フィン21は、X軸方向に、等間隔で複数配置されている。ダクトカバー20は、放熱器2の−Z軸方向に配置されている。ダクトカバー20は、放熱器2の−Z軸方向、+X軸方向および−X軸方向を囲むように配置されている。
レーザー用導光板14は、入射面から入射した光L5を面状の光として+Z軸方向に出射する。レーザー用導光板15は、入射面から入射した光L7を面状の光として+Z軸方向に出射する。面状の光となった光L5は、レーザー用導光板15を透過する際に、面状の光となった光L7と混合する。光L5と光L7とは混合した白色の面状の光となって、+Z軸方向に進む。
レーザー用導光板14は、端面(入射面)から入射した光L5を面上の光に変換する。LED用導光板15は、端面(入射面)から入射した光L7を面上の光に変換する。LED用補助導光板15は、レーザー用導光板14の+Z軸方向に配置されている。液晶表示素子18は、LED用導光板15の+Z軸方向に配置されている。青緑色の光L7は、LED光源7から出射する。赤色の光L5は、レーザー発光素子5から出射する。青緑色の光L7と赤色の光L5とは合成されて白色の光となる。合成された白色の光は、拡散シート16,17を透過して液晶表示素子18に照射される。
なお、図4では、光L5がレーザー用導光板14の+X軸方向の端面からのみ入射し、光L7がLED用導光板15の+X軸方向の端面からのみ入射する構成となっている。しかし、図4は、−X軸方向からの光L5,L7の入射を省いて説明している。実施の形態1では、光L5はレーザー用導光板14の+X軸方向の端面および−X軸方向の端面から入射する。また、光L7はLED用導光板15の+X軸方向の端面および−X軸方向の端面から入射する。このため、放熱器2a,2bは、背面板金1のX軸方向の両端部に設けられている。
レーザー発光素子5で発生した熱は、LD保持部材4に熱伝導により伝わる。その後、レーザー発光素子5の熱は背面板金1に熱伝導により伝わり、放熱器2に熱伝導により伝わり、空気中に放熱される。放熱器2は、背面板金1を介してレーザー発光素子5と対向した位置に配置されている。このため、レーザー発光素子5の熱は、背面板金1の中をX−Y平面上の方向に伝わることなく放熱器2に伝わることができる。つまり、レーザー発光素子5の熱は、背面板金1の厚み方向(Z軸方向)を伝わって放熱器2に伝わることができる。このため、レーザー発光素子5の熱は、効率よく放熱器2から放熱される。なぜなら、背面板金1は厚みの薄い板材でできているため、多くの熱を背面板金1の中をX−Y平面上の方向に伝えることができないからである。
一方、LED光源7で発生した熱は、LED基板10に熱伝導により伝わる。その後、LED光源7の熱は、LED保持部材11に熱伝導により伝わり、背面板金1に熱伝導により伝わる。LED光源7の熱は、背面板金1から放熱器2に熱伝導により伝わり、空気中に放熱される。LED光源7の熱の放熱は、レーザー発光素子5の熱の放熱より効率は劣る。しかし、LED光源7の熱は、放熱器2以外に、LED基板10の表面およびLED保持部材11の表面からも空気中に放熱される。このため、放熱器2に伝わるLED光源7の熱は、LED光源7の発熱量の一部となる。
上述のように、LED光源7は、レーザー発光素子5と離れた位置に配置されている。つまり、LED光源7は液晶表示装置100の側面(+X軸方向および−X軸方向)に配置されており、レーザー発光素子5は、液晶表示装置100の裏面(−Z軸方向)に配置されている。このため、LED光源7とレーザー発光素子5との間に断熱板等の断熱部材を配置できる。このような断熱部材を配置することで、LED光源7の周辺の暖かい空気をレーザー発光素子5から分離することが容易となる。図4では、レーザー用導光素子12の反射部12aが断熱部材の機能を有している。
また、熱伝導により、LED光源7の熱は、放熱器2に伝わり放熱される。このため、放熱器2は、レーザー発光素子5とLED光源7との両方の熱を放熱する。このため、LED光源7は、レーザー発光素子5の放熱器と別に放熱器を持つ必要がなく、液晶表示装置100の軽量化を実現できる。
このように、レーザー発光素子5を液晶表示装置100の裏面側に配置し、LED光源7を液晶表示装置100の側面側に配置する構成は、レーザー発光素子5の熱とLED光源7の熱を容易に分離できるとともに、放熱器2を共通化するのに有効である。
この効果は、レーザー発光素子5を液晶表示装置100の裏面側でLED光源7の近くに配置することで、より有効となる。なぜなら、より多くのLED光源7の熱が背面板金1を伝わって放熱器2から放熱されるからである。
また、光L7をLED用導光板15に入射させる端面とレーザー用導光素子12を用いて光L5をレーザー用導光板14に入射させる端面とを同じ方向の端面とする構成により、断熱効果はより有効となる。なぜなら、レーザー用導光素子12の反射部12aに断熱板の機能を持たせることができるからである。
上記の構成で、レーザー発光素子5とLED光源7とを入れ替えることは可能である。しかし、次の理由により、実施の形態1で示した構成の方が望ましい。第1の理由は、レーザー発光素子5の放熱をLED光源7の放熱より優先できることである。第2の理由は、レーザー用導光素子12により指向性の強い光L5を容易に線状の光とできることである。レーザー発光素子5は、出射直後はほぼ点状の光である。また、レーザー発光素子5は、指向性の強い光であるため、隣接する光L5と重ねて線状の光とするまでに、一定の光学距離が必要である。一方、光L7は発散角の大きな光であるため、光L5より短い光学距離で線状の光とすることができる。このため、光L5をレーザー用導光素子12の中を伝播させて光学距離を確保する。また、光L7は短い光学距離でLED用導光板15に入射できるため、LED光源7はLED用導光板15の端面(入射面)に対向して配置される。
また、LED光源7を放熱器2から離れた位置に配置することにより、LED光源7の放熱性は低下する。このため、LED光源7を、背面板金1を介して放熱器2と対向する位置に配置した場合と比較して、LED光源7の温度は高くなる。しかし、LED光源7の熱の一部が放熱器2に伝わる過程で、背面板金1の表面から放熱されるため、LED光源7から放熱器2に伝わる熱量が減る。このため、放熱器2に送り込む外気の量(風速)を少なく抑えることが可能になる。
また、実施の形態1の構成は、LED光源7の放熱器をレーザー発光素子5の放熱器と共用している。これにより、LED光源7の放熱器を液晶表示装置100の左右方向の端部(X軸方向の端部)に配置する必要がなくなる。このため、液晶表示装置100の左右方向(X軸方向)の寸法を小さくできる。
なお、図示はしていないが、LED保持部材11と背面板金1との接触面に熱伝導シートを挟んでもよい。また、LED保持部材11と背面板金1との接触面に熱伝導グリスを塗布しても良い。同様に、LD保持部材4と背面板金1との接触面に熱伝導シートを挟んでもよい。また、LD保持部材4と背面板金1との接触面に熱伝導グリスを塗布しても良い。同様に、放熱器2と背面板金1との接触面に熱伝導シートを挟んでもよい。また、放熱器2と背面板金1との接触面に熱伝導グリスを塗布しても良い。
また、実施の形態1では、レーザー発光素子5の発する光L5はレーザー用導光板14により面状の光となり、LED光源7の発する光L7はLED用導光板15により面状の光となる。しかし、本願発明の特徴は、レーザー発光素子5とLED光源7とを離れた位置に置き、LED光源7の発する熱がレーザー発光素子5に伝わることを抑えることにある。このため、レーザー用導光板14とLED用導光板15とを一体の導光板として、光L5と光L7とを一体となった導光板の同一の端面(入射面)から入射する構成でも良い。
光L5および光L7は、一体となった導光板の中を−X軸方向に進み、光L5の一部の光および光L7の一部の光が順次+Z軸方向に出射することで面状の光を発する。LED光源7の−Z軸方向側には、レーザー用導光素子12の反射部12aがあるため、LED光源7の発する熱はレーザー発光素子5に伝わり難い。
図5は、液晶表示装置110を−Y軸方向から見た構成図である。液晶表示装置110は、レーザー用導光板14とLED用導光板15とを一体とした導光板30を用いている。図5は、図4に対して、レーザー用導光板14とLED用導光板15とを一体とした導光板30を用いている点で異なる。また、レーザー用導光素子12に対して導光素子31を用いている。
図4の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。同一の構成要素とは、液晶表示素子18、拡散シート16,17、反射シート13、LD保持部材4、レーザー発光素子5、LED光源7、LED基板10、LED保持部材11、背面板金1、放熱器2およびダクトカバー20である。
導光素子31は、光L5を導光板30に導く機能を持つ点ではレーザー用導光素子12と同じである。しかし、導光素子31は、光L7を入射するためのY−Z平面に平行な面を有している。つまり、導光素子31は、Y−Z平面に平行な板形状の導光部分を有している。LED光源7は、導光素子31のY−Z平面に平行な面に対向して配置されている。また、LED光源7は、導光素子31のY−Z平面に平行な面を挟んで導光板30の入射面に対向して配置されている。つまり、LED光源7は、導光素子31のY−Z平面に平行な導光部分を挟んで導光板30の入射面に対向して配置されている。
導光板30は、レーザー用導光板14とLED用導光板15とを一体としている。つまり、光L5および光L7が同一の入射面から導光板30に入射している。レーザー発光素子5から出射した光L5は、導光素子31に入射する。導光素子31に入射した光L5は、導光素子31の中を伝播した後、導光素子31の出射面から導光板30の入射面に向けて出射する。つまり、光L5は、導光素子31の出射面から−X軸方向に出射する。導光素子31に入射した光L5は、導光素子31の2つの反射面で反射する。導光素子31に入射した光L5は、−X軸方向に進行した後、1つ目の反射面で進行方向を+Z軸方向に変える。その後、光L5は、2つ目の反射面で反射して進行方向を−X軸方向に変える。
LED光源7から出射した光L7は、まず導光素子31の2つ目の反射面の近くに入射する。LED光源7は、導光素子31の2つ目の反射面の+X軸方向に配置されている。また、LED光源7は、導光板30の入射面に導光素子31を挟んで、対向して配置されている。光L7は、LED光源7から−X軸方向に出射する。その後、光L7は導光素子31に入射する。つまり、光L7は導光素子31のY−Z平面に平行な板形状の導光部分に入射する。光L7は、導光素子31の中を−X軸方向に進み、導光素子31の出射面から導光板30の入射面に向けて出射する。つまり、光L7は、導光素子31の出射面から−X軸方向に出射する。
光L5が導光素子31から出射する出射面は、光L7が導光素子31から出射する出射面と同一の面である。このため、導光素子31から出射する際、光L5は光L7と混合する。
図6は、放熱器2aの部分を−X軸方向から見た構成図である。放熱器2aの−Z軸方向にダクトカバー20が取り付けられている。送風器3aは、放熱器2aの−Y軸方向の端部の−Z軸方向に取り付けられている。つまり、送風器3aは、放熱器2aの下側方向の端部の放熱フィン21の先端の位置に取り付けられている。送風器3aの取り付けられた位置は、ダクトカバー20が切り欠かれている。
送風器3は、制御により回転数を変えることができる。制御方法は、例えばPWM制御や電圧制御といった方法である。送風器3は、回転数に応じた量の外気を取り込み、放熱器2に風を送り込める。送風器3から送り込まれた外気は、ダクトカバー20と放熱器2とで囲まれた空間を通り、ダクトカバー20の上部(+Y軸方向の端部)に設けられた排気口メッシュ19から外部に排気される。つまり、送風器3から送り込まれた外気は、放熱フィン21の間を+Y軸方向に流れる。
外気は、ダクトカバー20と放熱器2とで囲まれた空間を通る際、放熱器2に設けられた放熱フィン21から熱を受け取り外部に排出する。排出される熱は、レーザー発光素子5の熱およびLED光源7の熱である。このとき、放熱フィン21が鉛直方向(Y軸方向)に設けられていれば、空気の流れを乱す恐れがなく、風路の圧力損失を高めてしまう恐れもない。
放熱器2の大きさは、放出する熱量、外気との許容温度差および放熱フィン21の間を通る際の風速で決まる。放熱器2の大きさとは、放熱フィンの厚みや高さ、放熱フィンの枚数のことである。
レーザー発光素子5は素子の温度が上昇するに従い電気−光変換効率が著しく低下する。またレーザー発光素子5が高温の状態で高出力の光を出射し続けると、素子の劣化が加速し寿命が短くなる。このため、レーザー発光素子5は最大でも50℃以下で使用することが望ましい。
一方、液晶表示装置は30℃以上の環境温度下での動作も求められる。このため、実施の形態1の放熱器2等の冷却系に求められる外気との許容温度差は10〜20K程度となる。例えば、50型以上の大型の液晶表示装置1において、400cd/m2や500cd/m2といった一般的な輝度を得る場合、光源だけで片側20W以上の発熱が生じる。片側20W以上とは、1つの放熱器2a,2bの処理する熱量である。
この20W以上の熱量を放熱させるために、フィンの高さが30mmで放熱器2a,2bのX軸方向の幅が100mm程度の巨大な放熱器を用いても、放熱フィンの間の風速は1m/s以上必要となる。
送風器を用いた強制空冷を行う際の課題の1つは、静音化がある。一般的にパワーの弱い送風器のほうが静かである。パワーの弱い送風器を使い、所望の風速を得るためには、風路の圧力損失を低くする必要がる。
風路の圧力損失を高める要因の1つに排気口メッシュ19の存在がある。排気口メッシュ19は、埃の混入の防止や手の誤挿入の防止等のために設けられている。排気口メッシュ19は、部品点数の低減やコストの低減のために、バックカバーなどと一体で樹脂成型されている場合が多い。また、メッシュ部の強度の点から、排気口メッシュ19の開口率を大きくするには限界がある。
放熱器2は、放熱フィン21の上部(+Y軸方向の端部)を斜めにカットしている。つまり、排気側の放熱フィンの高さは、吸気側の放熱フィンの高さよりも低い。
具体的には、レーザー発光素子5h2に対向する部分の放熱フィン21は斜めにカットしてある。レーザー発光素子5h2は、レーザー光源アレイ6の最上部(+Y軸方向の最上部)に配置されている。更に、ダクトカバー20は、放熱フィン21が斜めにカットされている部分に排気口メッシュ19を有している。
構造上、レーザー発光素子5のなかで最も冷却が困難なのは、レーザー光源アレイ8の最上部(+Y軸方向の端部)に配置されているレーザー発光素子5h2である。なぜなら、外気がダクトカバー20と冷却器2とで囲まれた空間を通る際、冷却器2に設けられた放熱フィン21から熱を受け取るため、空気の流れ方向に進むに従い空気は暖められ、風路の最上部(+Y軸方向の端部)で最も温度が高くなる。放熱フィンから空気への熱伝達量は、放熱フィンと空気の温度差に比例するので、レーザー発光素子5h2付近(+Y軸方向の端部付近)では、放熱フィンと流れる空気の温度差が小さくなり、放熱性能が低下するためである。
しかし、レーザー発光素子5h2の発熱は、LD保持部材4hに熱伝導により伝わり、放熱器2に熱伝導により伝わる。実施の形態1では、放熱器2がレーザー発光素子5h2に対向して配置されている。このため、たとえ放熱フィン21の高さを低くしても、放熱のための構成としては最も適した構成をしている。
一方、放熱フィン21の排気側を斜めにカットすることで、排気メッシュの開口面積を大きくすることができる。排気メッシュの開口は、放熱フィン21を斜めにカットした部分に対向して設けられている。例えば、鉛直方向に対して30度の角度でカットした場合、単に放熱器2の鉛直線上に排気口を設けた場合と比較して、開口面積を1.7倍にできる。放熱器2の鉛直線上に排気口を設けるとは、放熱器2の最上部(+Y軸方向の端部)にZ−X平面に平行な排気口を設けることである。
例えば、樹脂成型の強度からくる制約から、開口率の限界が30%であったとする。しかし、排気側の放熱フィンを鉛直方向に対して30度の角度でカットすると、開口面積が1.7倍となる。このため、開口率を51%とした場合と同等の排気口メッシュ19を得ることができる。
このため、放熱フィン21の高さを低くすることで放熱性能が低下したが、排気口メッシュ19の開口面積を大きくすることで放熱性能を向上できる。また、ダクトへの埃の混入を防止し、手の誤挿入等を防止しながら、風路の圧力損失の増加を抑えられる。
なお、実施の形態1において、放熱器2a,2bは、鉛直方向に放熱フィン21が設けられているくし型のものを記載した。しかし、放熱フィン21が鉛直方向に設けられているものであれば、形状はこれに限ったものではない。例えば、図7は別の形の放熱器24の例を示したものである。図1に示すくし型の放熱器2と同様に、放熱フィンを有する箱型の放熱器は、押し出し加工で作製できる。押し出し加工で得られた箱型の放熱器に放熱フィンカット部9および吸気部22を追加工する。放熱器下端(−Y軸方向の端部)を小さな板材で塞ぐことで、吸気部22から放熱フィンカット部9に至る空間は囲まれた領域となる。このように、放熱器24はダクトカバー20を用いずに冷却風路を形成できる。
図8は、分割された放熱器25を示した斜視図である。放熱器25は、図1に示した放熱器2を分割部23で上下方向(Y軸方向)に2分割したものである。また、図9は、放熱器25の部分を−X軸方向から見た構成図である。放熱器25の−Z軸方向側にダクトカバー20を設けている。図9において、放熱器25が分割部23を有する以外は、図6と同様である。つまり、送風器3から送り込まれた外気は、放熱フィン21の間を+Y軸方向に流れる。外気は、ダクトカバー20と放熱器2とで囲まれた空間を通る際、放熱器2に設けられた放熱フィン21から熱を受け取り外部に排出する。
放熱器を複数の部品に分割するメリットは、部品の大きさが小さくなるため、部品の加工が容易となる点や組み立て等のときに扱いやすくなる点である。一方、放熱器を分割することで懸念されるデメリットは、風路の圧力損失の増加と、放熱性能の低下である。
分割された放熱器25の隙間が大きい場合、分割部23に渦が発生する。この渦により、風路の圧力損失が大きくなる。また、この渦により、騒音が発生する原因となる。しかし、分割された放熱器25の隙間を小さくすることで、圧力損失の増大や騒音が発生を抑えられる。
しかし分割部23の位置によって、放熱性能が低下する可能性がある。具体的には、放熱フィンカット部9およびその近傍に分割部23を設けると、放熱性能が低下する。
一般的に、背面板金1の厚みは1.5mm程度である。このため、熱がX−Y平面上に広がる熱拡散効果は低いと考えられる。一方、放熱器のベースの厚みは3〜5mm程度である。放熱器のベースとは、放熱フィン21を並べる土台の部分である。放熱器のベースは、十分な厚みを有するため、熱がX−Y平面上に広がる熱拡散効果は高いと考えられる。
分割部23がLD保持部材4hに対向した位置にある場合、冷却効果は低減する。LD保持部材4hは、放熱フィンカット部9に対向する位置に配置されている。放熱フィンカット部9は、他の放熱フィン21の部分と比べて放熱性能が低い。このため、放熱フィンカット部9に分割部23があることで、放熱フィン21の表面積はさらに小さくなり、冷却効果は低減する。
放熱器を分割する場合、分割部23はフィンカット部9以外の場所に配置する。これにより、放熱性能の低下を抑えて、放熱器の加工性を改善して、組み立て等のときの取り扱いを容易にできる。なお、実施の形態1では放熱器を上下方向(Y軸方向)に2分割して説明した。しかし、フィンカット部9以外の場所で分割を行えば、3分割以上に分けても良い。
また、実施の形態1では、放熱器2a,2bの下方(−Y軸方向)に軸流型の送風器3を配置している。しかし、多翼型などの別の形の送風器を用いても良い。また、送風器3a,3bは、放熱フィン21の先端部に接して配置されている。しかし、放熱フィン21と送風機3との間に隙間があっても良い。
以上のように、実施の形態1に記載した発明は、赤色のレーザー発光素子を光源とすることで広い色再現範囲を実現できる。また、実施の形態1に記載した発明は、送風能力の低い送風器を使用しても、光源の冷却性能を確保できる。また、実施の形態1に記載した発明は、厚みを抑えた液晶表示装置を得られる。
なお、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。