JP5949257B2 - 配線加工方法 - Google Patents
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Description
以下、一実施形態を図1〜図15に従って説明する。なお、本実施形態において、先の図18〜図20で示した従来と同様な構成部分については同一符号を付して説明する。
図1に示すように、FIB装置1は、真空容器10と、制御装置30とを有している。真空容器10内には、イオン源12と、電子系13と、ステージ14と、検出器15と、ガスノズル16とが設けられている。
電子系13は、引出電極20と、コンデンサレンズ21と、ブランキング電極22と、可動絞り23と、フォーカスレンズ24と、偏向電極25とを有している。
ガスノズル16は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)用のガス供給源に接続されている。このガスノズル16は、半導体装置40の表面に、例えば修正配線を形成するための化合物ガスを散布する。化合物ガスとしては、W(CO)6、WF6等のタングステン系、Mo(CO)6、Cr(CO)6、Ni(CO)4等の金属カルボニル、Al(CH3)3、Cd(C-2H5)2等のアルキル金属、TiI等のハロゲン系のガス等の化合物ガスを用いることができる。そして、ガスノズル16から化合物ガスを散布しながら、イオンビームBを走査することによって、化学反応させ、固体成分であるタングステン(又は他の金属)のみを半導体装置40の表面に堆積する。その結果、半導体装置40上にタングステンからなる修正配線が形成される。
図2に示すステップS1において、まず、加工対象サンプルである半導体装置40をステージ14にセットする。すなわち、半導体装置40をステージ14上に載置し、ステージ14のホルダにより半導体装置40をステージ14上に固定する。ここで、半導体装置40は、図3に示すように、多層(ここでは、6層)の配線構造を有している。具体的には、半導体装置40は、6層の配線層41〜46と、それら配線層41〜46間に形成された絶縁膜51〜56とが交互に積層された構造を有している。この半導体装置40では、2層目の配線層42に形成された配線42Aが回路修正すべき修正対象の配線であり、その配線42Aの上層の5層目の配線層45に太くて厚い電源配線45Aが形成されている。このため、修正対象の配線42Aを露出させるためには、5層目の配線層45に形成された上記電源配線45Aの一部分を切削してその電源配線45Aに貫通孔を明ける必要がある。このように、本ステップでは、太くて厚い電源配線45Aをくり抜き切除する必要のある半導体装置40をステージ14(図1参照)上にセットする。なお、本例の電源配線45Aは銅配線であり、電源配線45Aの平面形状は略矩形状に形成されている。電源配線45Aの配線幅は例えば1〜5μm程度とすることができ、電源配線45Aの膜厚は例えば0.5〜1.5μm程度とすることができる。また、本例では、電源配線45Aの延在される長手方向(配線方向)に延びる第1の軸をY軸とし、長手方向と平面視で直交する電源配線45Aの短手方向(幅方向)に延びる第2の軸をX軸とし、電源配線45Aの厚さ方向に延びる第3の軸をZ軸とする。
ステップS2において、CPU31は、第1加工工程61における加工エリアA1(図3参照)を設定する。この加工エリアA1は、半導体装置40の修正すべき回路箇所、つまり修正対象の配線42Aの位置に対応して設定される。なお、本実施形態では、図3に示すように加工エリアA1を平面視矩形状の加工パターンとしたが、矩形状に限らず、正方形状、五角形状などの多角形状又はその他の形状としてもよい。
(1)電源配線45Aに対して斜め上方からイオンビームBを深く注入(照射)して多数の微小径の穴45Xを形成した後に、電源配線45Aに対して真上からイオンビームBを照射してミリングを実施するようにした。深い穴45Xの形成によって電源配線45Aの結晶粒G1を均等化した後に、電源配線45Aに対してFIB装置1によるミリング(FIB加工)が実施されるため、サイズの大きな結晶粒G1が残ることが抑制される。これにより、電源配線45Aを貫通する平坦な貫通孔47を形成することができる。したがって、その後のFIB加工により、底面が平坦な切削穴48を半導体装置40に形成することができる。この結果、修正対象の配線42Aのみを露出することができ、その配線42Aに対して確実に配線修正処理を施すことができる。換言すると、孔明け加工される電源配線45Aが銅配線であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、FIB加工によって意図した配線加工を行うことができるようになるため、加工歩留まりの低下を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態の第1加工工程61では、電源配線45Aの長手方向に対し平面位置で直交する方向(図6及び図8の左右方向)の一方の斜め上方(図6及び図8では、左斜め上方)からイオンビームBを照射するようにした。これに限らず、図16に示すように、電源配線45Aの長手方向に対し平面視で直交する方向(図16(a)の左右方向)の双方の斜め上方、つまり左斜め上方及び右斜め上方からイオンビームBを照射するようにしてもよい。この場合には、例えば第1加工工程61を以下のように実施すればよい。詳述すると、ステップS4で傾斜角θ1が45°となるようにステージ14を傾斜させ、ステップS5でイオンビームBのX軸方向及びY軸方向のピッチ幅を上記実施形態のピッチ幅の2倍に設定する。なお、その他の照射条件(イオンビームBの径、イオンビームBの強度、及びイオンのドーズ量等)は上記実施形態と同様に設定される。そして、ステップS6において、加工エリアA1の半導体装置40に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射する。これにより、イオンビームBの入射位置から電源配線45Aの短手方向、具体的にはX矢印方向(図中の右方向)に向かって斜め下方に延びる深い穴45Xが電源配線45Aに形成される。このときのイオンビームBの入射角θ2は、45°となる。なお、イオンビームBの半導体装置40内での進行方向(破線参照)と半導体装置40の上面とがなす鋭角の角度θ3も45°となる。
これらの場合であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、従来の場合よりも平坦に貫通孔47を形成することができる。
・上記実施形態では、電源配線45Aに対して孔明け加工を実施するようにしたが、これに限らず、例えばグランド配線等の太くて分厚い他の配線に対して孔明け加工を実施するようにしてもよい。
膜厚が1.0μm、配線幅が3μm、結晶粒G1の最小粒径(サイズ)が約0.2μmである電源配線45Aをくり抜き切除するFIB加工(配線加工)を行った。第1加工工程61では、電源配線45Aの上層に厚さが約3000Åのカバー膜55Aを形成し、傾斜角θ1が45°となるようにステージ14を基準面L1に対して傾斜させた。このとき、イオンビームBの進行方向が、電源配線45Aの長手方向に対して直角となるように、且つ、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜するように、上記ステージ14を傾斜させた。次に、イオンビームBの径を0.05μm、イオンビームBのX軸方向のピッチ幅を0.25μm、イオンビームBのY軸方向のピッチ幅を0.25μm、ガリウムイオンのドーズ量を30nC/μm2、イオンビームBの強度(電流量)を100pA、加工エリアA1を4μm×3μmに設定した。そして、加工エリアA1の半導体装置40(電源配線45A等)に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射し、多数の穴45Xをハニカム状に形成した。
40 半導体装置
45A 電源配線(配線)
45X,45Y 穴
47 貫通孔
55A カバー膜
61 第1加工工程
62 第2加工工程
A2 加工エリア
C1〜C4 辺
B 集束イオンビーム
B1〜B4 走査パターン
G1 結晶粒
Ln 法線
θ1 傾斜角
θ2 入射角
Claims (7)
- 集束イオンビーム加工により、半導体装置に形成されている配線に貫通孔を明ける配線加工方法であって、
前記配線の表面の法線に対し傾斜した方向で前記集束イオンビームを前記配線に照射して、前記傾斜した方向に延在する穴を前記配線に多数形成する第1加工工程と、
前記穴の形成された配線に対して前記法線と平行に前記集束イオンビームを照射して、前記配線を削る第2加工工程と、
を有することを特徴とする配線加工方法。 - 前記第1加工工程は、
前記配線の表面上にカバー膜を形成する工程と、
前記カバー膜を通じて前記配線に前記集束イオンビームを照射して、前記穴を形成する工程とを有し、
前記第2加工工程では、前記カバー膜を通じて前記配線に前記集束イオンビームを照射することを特徴とする請求項1に記載の配線加工方法。 - 前記第1加工工程における前記集束イオンビームの進行方向を、前記配線が延在される長手方向に対して直角になるように、且つ、前記長手方向と平面視で直交する短手方向に対して鋭角に傾斜するように設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線加工方法。
- 前記第2加工工程では、前記集束イオンビームの照射される加工エリアが有する辺のうちN(Nは2以上の整数)個の辺からそれぞれ前記集束イオンビームの走査を開始するN個の走査パターンを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の配線加工方法。
- 前記第2加工工程では、前記集束イオンビームが照射される加工エリアが有する全ての辺からそれぞれ前記集束イオンビームの走査を開始する複数の走査パターンを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の配線加工方法。
- 前記第1加工工程では、前記集束イオンビームの進行方向と前記法線とのなす角度を30°〜45°に設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の配線加工方法。
- 前記第1加工工程では、前記穴によって分断される前記配線の結晶粒の粒径が、前記集束イオンビームの照射前における前記配線の結晶粒の最小粒径に近づくように、前記集束イオンビームの径及び前記集束イオンビームのピッチ幅が設定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の配線加工方法。
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