JP5949257B2 - 配線加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線加工方法に関するものである。
近年、半導体装置における高集積化及び高機能化が図られており、半導体装置の開発段階では、多くの回路論理の修正が必要となっている。具体的には、半導体装置において論理ミスやレイアウトミスなどが原因で回路が正常に動作しない場合、ミスがあった箇所の配線を修正するために集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)装置が用いられる(例えば、特許文献1,2参照)。
例えば2つの配線を接続する修正を行う場合、図17に示すように、FIB装置80は、平面視矩形状にパターン設定した半導体装置40上の加工エリアA10(回路修正範囲)を集束イオンビームによりスパッタリング(ミリング)する。このスパッタリングにより、半導体装置40表面から複数の絶縁膜及び配線層を削ることにより目的の配線を露出させる。その後、この加工エリアA10を含む半導体装置40表面にタングステンガス等を吹き付けながら導電体を貼り付けることにより2つの配線を接続する。
特開平01−315937号公報 特表2003−526919号公報
ところで、近年のLSIでは、配線の材料としてアルミニウムの代わりに銅が用いられるようになってきている。このような配線材料の変化によって、高速な動作周波数と低消費電力で処理能力が飛躍的に向上した。しかしながら、銅配線の場合には、アルミニウム配線に比べて加工性が悪いという問題がある。詳述すると、例えば図18に示すように、多層配線構造を有する半導体装置40の2層目の配線層42に形成された配線42Aが修正対象である場合には、その上層に形成された電源配線45Aをくり抜き切除する必要がある。このような電源配線45Aのように厚い銅配線に対してFIB装置によるミリング(FIB加工)を単純に実施すると、集束イオンビームが電源配線45Aに対して均一に照射されたとしても、その電源配線45Aが不均一に除去される。このため、図18及び図19に示すように、電源配線45Aが凹凸状に残る、つまり集束イオンビームにより半導体装置40に形成された切削穴49の底面が凹凸面になる。なお、図19は、上記切削穴49の形成後に、集束イオンビームを走査して得られた半導体装置40表面のSIM(Scanning Ion Microscope)画像である。
さらに、上記切削穴49の底面が凹凸面の状態のままFIB加工を続けると、図20に示すように、切削穴49の凹凸が増幅した形で切削が進行してしまう。すると、配線修正をすべき目的の配線42Aの直前層まで切削したときに、配線42Aとは別の配線の切断や、不要な穴を明けて配線42A以外の配線間短絡を引き起こす、といった問題が発生する。このように、銅配線の場合には、FIB加工によって意図した加工を行うことができないという問題があり、このことが加工歩留まりの低下を招く要因となっていた。
本発明の一観点によれば、集束イオンビーム加工により、半導体装置に形成されている配線に貫通孔を明ける配線加工方法であって、前記配線の表面の法線に対し傾斜した方向で前記集束イオンビームを前記配線に照射して、前記傾斜した方向に延在する穴を前記配線に多数形成する第1加工工程と、前記穴の形成された配線に対して前記法線と平行に前記集束イオンビームを照射して、前記配線を削る第2加工工程と、を有する。
本発明の一観点によれば、加工歩留まりの低下を抑制することができるという効果を奏する。
一実施形態のFIB装置を示す概略構成図。 一実施形態のFIB加工方法を示すフローチャート。 一実施形態の加工対象サンプルである半導体装置を示す概略斜視図。 一実施形態の配線加工方法を示す概略断面図。 第1加工工程におけるステージの傾斜を示す説明図。 一実施形態の配線加工方法における第1加工工程を示す概略斜視図。 第1加工工程における集束イオンビームの入射角を示す説明図。 (a)、(b)は、第1加工工程における集束イオンビームの進行方向を示す説明図。 銅配線の結晶粒の成長方向を解析した実験結果を示す説明図。 第2加工工程におけるステージの傾斜を示す説明図。 一実施形態の配線加工方法における第2加工工程を示す概略斜視図。 (a)〜(d)は、第2加工工程における走査パターンを示す説明図。 一実施形態の配線加工方法を示す概略断面図。 一実施形態の配線加工方法における第2加工工程後の半導体装置の表面を示すSIM画像。 一実施形態のFIB加工方法を示す概略断面図。 (a)、(b)は、変形例の第1加工工程を示す説明図。 従来のFIB加工方法を示す概略斜視図。 従来のFIB加工方法を示す概略断面図。 従来のFIB加工における切削穴形成後の半導体装置の表面を示すSIM画像。 従来のFIB加工方法を示す概略断面図。 銅配線の結晶粒を示す概略斜視図。
(一実施形態)
以下、一実施形態を図1〜図15に従って説明する。なお、本実施形態において、先の図18〜図20で示した従来と同様な構成部分については同一符号を付して説明する。
まず、集束イオンビーム装置(FIB装置)1の構成について説明する。
図1に示すように、FIB装置1は、真空容器10と、制御装置30とを有している。真空容器10内には、イオン源12と、電子系13と、ステージ14と、検出器15と、ガスノズル16とが設けられている。
イオン源12には、例えば液体のガリウムが貯留されている。この液体ガリウムはイオン源12の先端の導出針を介して外部に導出される。
電子系13は、引出電極20と、コンデンサレンズ21と、ブランキング電極22と、可動絞り23と、フォーカスレンズ24と、偏向電極25とを有している。
引出電極20は、イオン源12との間に電圧を印加して、イオン源12の導出針から液状ガリウムの正電荷イオンを引き出す。コンデンサレンズ21は、イオン源12から放出されたイオンビームBの過剰な拡散を抑制する。
ブランキング電極22は、イオンビームBを照射するときは対になった電極間に電位差を与えずにイオンビームBをそのまま通過させる。また、ブランキング電極22は、非照射時には電位差を与えて、イオンビームBの軌道を曲げ、ステージ14上に載置される加工対象サンプル(ここでは、半導体装置)40にイオンビームBを照射しないようにする。
可動絞り23は、内径の異なる複数の孔23Xを有している。各孔23Xは、内径の大きさによって通過するイオン量を制御する。可動絞り23の孔23Xを通過したイオンビームBは、フォーカスレンズ24によって集束される。偏向電極25は、印加電圧により発生する電界内において、イオンビームBの軌道を曲げ、半導体装置40表面の所定領域に集束イオンビーム(イオンビーム)Bを照射する。なお、制御装置30は、偏向電極25の電界を変化させて、半導体装置40の表面の所定領域を走査する。
ステージ14は、半導体装置40を保持するホルダ(図示略)を有し、4軸又は5軸(XYZ方向、傾斜、回転)に変位可能になっている。このステージ14の上方には、検出器15及びガスノズル16が配置されている。
検出器15は、イオンビームBの照射により、半導体装置40から発生する2次イオン又は2次電子を検出し、その検出結果を示す検出信号を制御装置30に出力する。
ガスノズル16は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)用のガス供給源に接続されている。このガスノズル16は、半導体装置40の表面に、例えば修正配線を形成するための化合物ガスを散布する。化合物ガスとしては、W(CO)、WF等のタングステン系、Mo(CO)、Cr(CO)、Ni(CO)等の金属カルボニル、Al(CH、Cd(C-等のアルキル金属、TiI等のハロゲン系のガス等の化合物ガスを用いることができる。そして、ガスノズル16から化合物ガスを散布しながら、イオンビームBを走査することによって、化学反応させ、固体成分であるタングステン(又は他の金属)のみを半導体装置40の表面に堆積する。その結果、半導体装置40上にタングステンからなる修正配線が形成される。
電子系13は、制御装置30と接続されている。制御装置30は、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)31と、メモリ32と、表示部33と、入力部34とを有している。制御装置30では、これらCPU31、メモリ32、表示部33及び入力部34がバス35を介して互いに接続されている。
CPU31は、メモリ32に格納されている制御プログラムに従ってFIB装置1の動作を統括制御する。例えば、CPU31は、引出電極20、ブランキング電極22及び偏向電極25等に電圧を印加し、可動絞り23を駆動制御する。また、CPU31は、ステージ14を駆動する駆動機構(図示略)を制御して、ステージ14を4軸方向又は5軸方向に変位させる。さらに、CPU31は、検出器15が出力した2次電子又は2次イオン分布に基づいて、走査イオン像(Scanning Ion Microscope:SIM)として結像させたイメージ画像(SIM画像)を生成し、ステージ14上に載置された半導体装置40の表面像を表示部33に出力させる。これにより、FIB加工作業(ミリング加工作業)はSIM画像を観察しながら行われる。
メモリ32には、上記制御プログラムの他に、イオンビームBを照射して半導体装置40表面をミリング加工する加工エリア(加工範囲)の加工パターンに応じた走査パターンデータが格納されている。このメモリ32としては、通常、キャッシュ・メモリ、システム・メモリ及びディスプレイ・メモリ等が含まれる。
表示部33は、上述した半導体装置40の表面像(SIM画像)の表示に用いられる。この表示部33としては、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)が用いられる。
入力部34は、ユーザ(例えば、オペレータ)からの照射開始、照射停止、照射位置指定等の要求、指示やパラメータの入力に用いられる。この入力部34としては、例えばキーボードやマウス装置が用いられる。
次に、上記FIB装置1によるFIB加工方法(配線修正方法)について説明する。
図2に示すステップS1において、まず、加工対象サンプルである半導体装置40をステージ14にセットする。すなわち、半導体装置40をステージ14上に載置し、ステージ14のホルダにより半導体装置40をステージ14上に固定する。ここで、半導体装置40は、図3に示すように、多層(ここでは、6層)の配線構造を有している。具体的には、半導体装置40は、6層の配線層41〜46と、それら配線層41〜46間に形成された絶縁膜51〜56とが交互に積層された構造を有している。この半導体装置40では、2層目の配線層42に形成された配線42Aが回路修正すべき修正対象の配線であり、その配線42Aの上層の5層目の配線層45に太くて厚い電源配線45Aが形成されている。このため、修正対象の配線42Aを露出させるためには、5層目の配線層45に形成された上記電源配線45Aの一部分を切削してその電源配線45Aに貫通孔を明ける必要がある。このように、本ステップでは、太くて厚い電源配線45Aをくり抜き切除する必要のある半導体装置40をステージ14(図1参照)上にセットする。なお、本例の電源配線45Aは銅配線であり、電源配線45Aの平面形状は略矩形状に形成されている。電源配線45Aの配線幅は例えば1〜5μm程度とすることができ、電源配線45Aの膜厚は例えば0.5〜1.5μm程度とすることができる。また、本例では、電源配線45Aの延在される長手方向(配線方向)に延びる第1の軸をY軸とし、長手方向と平面視で直交する電源配線45Aの短手方向(幅方向)に延びる第2の軸をX軸とし、電源配線45Aの厚さ方向に延びる第3の軸をZ軸とする。
次に、上記電源配線45Aの一部分に貫通孔を明ける配線加工方法について説明する。この配線加工方法(孔明け加工方法)は、大きく分けて、電源配線45Aに対して斜め上方からイオンビームBを深く注入して多数の微小径の穴を形成する第1加工工程61(事前加工)と、その第1加工工程61後の電源配線45Aに対して真上からイオンビームBを照射してミリングを実施する第2加工工程62(本加工)とを含む。
まず、第1加工工程61について簡単に説明する。図21に示すように、電源配線45Aは、多数のグレイン(結晶粒)G1が集まって形成されている。この結晶粒G1のサイズ(粒径)はばらつきが大きく、電源配線45Aには大小様々なサイズの結晶粒G1が含まれている。このような結晶粒G1のサイズのばらつきに起因して以下のような問題が発生するということが、本発明者らの鋭意研究によって解ってきた。詳述すると、電源配線45Aに対して単純に真上からイオンビームBを照射してミリングを実施すると、隣接する結晶粒G1を接合する結晶粒界から先に崩れ、大小様々なサイズの結晶粒G1が分離しながら削られることになる。これにより、サイズの小さい結晶粒G1が先に無くなり、サイズの大きい結晶粒G1が残るため、その残った結晶粒G1が凸部として残って、図18及び図19に示すように切削穴49の底面が凹凸状態になると考えられる。そこで、本実施形態では、本加工に先立って第1加工工程61において、電源配線45Aの上面の法線Ln(図5参照)に対し傾斜してイオンビームBを深く注入(照射)することで、サイズの大きな結晶粒G1を複数の小さな結晶粒G1に分断するようにした。これにより、電源配線45A内の結晶粒G1のサイズばらつきを小さくすることができ、FIB加工後の面が凹凸状になることを抑制することができる。
以下、第1加工工程61、つまりステップS2〜S6の処理について詳述する。
ステップS2において、CPU31は、第1加工工程61における加工エリアA1(図3参照)を設定する。この加工エリアA1は、半導体装置40の修正すべき回路箇所、つまり修正対象の配線42Aの位置に対応して設定される。なお、本実施形態では、図3に示すように加工エリアA1を平面視矩形状の加工パターンとしたが、矩形状に限らず、正方形状、五角形状などの多角形状又はその他の形状としてもよい。
続いて、図2に示すステップS3において、FIB装置1は、上記加工エリアA1の半導体装置40をイオンビームBによりスッパタリング(ミリング)し、半導体装置40の表面から絶縁膜56,55を削る。このとき、加工エリアA1をスパッタする深さは、図4に示すように、上記電源配線45Aを削ることのないように、その電源配線45A上に形成された絶縁膜55が極薄く残るように絶縁膜56,55を削る。この電源配線45A上に残った極薄い絶縁膜55がカバー膜55Aとなる。このように、本ステップでは、イオンビームBにより絶縁膜56,55を所要の厚さだけ削ることにより、電源配線45A上にカバー膜55Aが形成される。このカバー膜55Aの厚さは、例えば3000Å程度とすることができる。なお、本ステップでは、加工エリアA1内の半導体装置40の表面に対して真上からイオンビームBが照射される。
次いで、ステップS4において、CPU31は、ステージ14を所定角度に傾斜させる。例えば、CPU31は、図5に示すように、ステージ14を駆動する駆動機構を制御して、ステージ14を基準面(基準位置)L1に対して所定の角度θ1だけ傾斜させる。具体的には、電源配線45Aの長手方向(Y軸方向)を回転軸にして、ステージ14を基準面L1に対して所定の角度θ1だけ傾斜させる。これにより、電源配線45Aの長手方向に延びるY軸と直交するX軸と基準面L1とのなす角度が上記角度θ1となる。この角度θ1は、例えば15°〜60°の範囲が好ましく、30°〜45°の範囲がより好ましい。なお、本明細書では、角度θ1をステージ14の傾斜角θ1とも称する。なお、基準面L1は、イオンビームBが垂直に照射される面(位置)とする。
次に、ステップS5において、CPU31は、第1加工工程61におけるイオンビームBの照射条件(各種パラメータ等)を設定する。詳述すると、CPU31は、イオンビームBの径及びイオンビームBのピッチを設定する。これらイオンビームBの径と、イオンビームBのX軸方向及びY軸方向のピッチ幅は、例えば電源配線45Aの結晶粒G1の最小サイズ(最小粒径)に応じて設定される。例えば上記結晶粒G1の最小粒径が0.2μm程度である場合に、イオンビームBの径を0.05μm程度、イオンビームBのX軸方向のピッチ幅を0.25μm程度、イオンビームBのY軸方向のピッチ幅を0.25μm程度とすることができる。すなわち、大きなサイズの結晶粒G1を細かく分断して、分断後の結晶粒G1の粒径を上記最小粒径に近づけるように、イオンビームBの径及びイオンビームBのピッチ幅が設定される。なお、電源配線45Aの結晶粒G1の最小粒径は、例えば電源配線45Aの膜厚、配線幅、材料、製造条件(スパッタ加工電圧等)によって決定される。
また、CPU31は、イオンビームBの強度を設定する。このイオンビームBの強度(電流量)は、例えば電源配線45Aに対する穴明け加工に最適なレベルであって、電子系13等で最もフォーカスを絞り込めるレベルに設定される。
さらに、CPU31は、イオン(ここでは、ガリウムイオン)のドーズ量を設定する。このイオンのドーズ量は、例えばイオンビームBの強度、イオンビームBの入射角度や電源配線45Aの膜厚等に応じて設定される。具体的には、次工程のステップS6において電源配線45AにイオンビームBを照射したときに、そのイオンビームBによって電源配線45Aに所望の深さの穴を形成することができるように、イオンのドーズ量が設定される。
次に、ステップS6において、FIB装置1は、上記加工エリアA1内の半導体装置40に対して斜め上方からイオンビームBを照射する。具体的には、図5に示すように、上記ステップS4でステージ14と共に傾斜された半導体装置40の加工エリアA1に対して、基準面L1に垂直に照射されるイオンビームBを照射する。より具体的には、CPU31は、電子系13を駆動制御して、上記設定された照射条件及び加工エリアA1の座標に基づいて、イオンビームBの平面方向の偏向量を制御することで、加工エリアA1内の半導体装置40の所定箇所に対して、基準面L1に垂直に照射されるイオンビームBを照射する。このとき、イオンビームBの入射角θ2、つまりイオンビームBの進行方向と半導体装置40の表面(上面)の法線(垂直線)Lnとがなす角度が鋭角になる。具体的には、イオンビームBの入射角θ2は上記ステージ14の傾斜角θ1と同じ角度になる。また、イオンビームBの半導体装置40内での進行方向と半導体装置40の上面とがなす鋭角の角度θ3は、入射角θ2の余角と等しくなる。このため、角度θ3は(90°−θ2)となる。この角度θ3は、イオンビームBの進行方向とX軸方向とがなす鋭角の角度と同じ角度になる。すなわち、図6に示すように、イオンビームBの進行方向は、X軸方向(電源配線45Aの短手方向)に対して鋭角に傾斜している。また、イオンビームBの進行方向は、Y軸方向(電源配線45Aの長手方向)に対して直角になる。
このようなイオンビームBが電源配線45Aに入射されると、電源配線45Aの厚さ方向に延在する穴45Xが電源配線45Aに形成される。具体的には、イオンビームBが電源配線45Aに入射されると、その入射位置から電源配線45Aの短手方向(X軸方向)に向かって斜め下方に延びるように、電源配線45Aに深い穴45Xが形成される。そして、上記ステップS5で設定したピッチ幅等に応じてイオンビームBが電源配線45Aに照射されると、多数の穴45Xが蜂の巣状(ハニカム状)に形成されることになる。これによって、電源配線45Aの結晶粒G1が寸断され、大きなサイズの結晶粒G1が多数の細かい結晶粒G1に分断されることになる。この結果、電源配線45A内の多数の結晶粒G1のサイズばらつきが小さくなる。すなわち、斜め上方からのイオンビームBの照射によって、電源配線45A内の多数の結晶粒G1のサイズが同程度になるまで結晶粒G1が破壊される。
ここで、例えば穴45Xの深さが浅くなると、上記結晶粒G1の寸断が不十分となるという問題が生じる。その一方で、穴45Xが電源配線45Aの厚さ方向を貫通すると、その電源配線45Aの下層に形成された絶縁膜55が上記イオンビームBによってダメージを受けて後工程に悪影響を及ぼすという問題がある。そこで、穴45Xは、電源配線45Aの厚さ方向にできる限り深く延在するように、且つ電源配線45Aの厚さ方向を貫通することのないように形成される。例えば、穴45Xの底面と電源配線45Aの下面との間の厚さは1000〜3000Å程度とすることができる。
本工程では、電源配線45Aの上層には極薄いカバー膜55Aが形成されているため、上記イオンビームBの照射によって形成される穴45Xの形状ばらつき(深さばらつき)を抑制することができる。詳述すると、例えば上記ステップS3において、電源配線45Aの上面を露出させるようにミリングを実施した場合には、その電源配線45Aの上面が凹凸状に形成されることになる。このような凹凸状の面に対してイオンビームBを照射すると、そのイオンビームBの入射位置によって電源配線45Aを貫通するまでの距離が変わってしまう。このため、電源配線45Aの厚さ方向を貫通しない穴45Xと、電源配線45Aの厚さ方向を貫通する貫通穴とが形成されてしまう。
これに対し、上記ステップS3において、電源配線45Aの上層の絶縁膜55を残す場合、つまりカバー膜55Aを形成する場合には、そのカバー膜55Aの上面は上述した電源配線45Aの上面よりも凹凸が小さくなる。このため、このような凹凸の小さいカバー膜55Aを通じて電源配線45Aに対してイオンビームBを照射した場合には、そのイオンビームBの照射によって形成される穴45Xの形状ばらつき(深さばらつき)を抑制することができる。この結果、電源配線45Aの結晶粒G1を安定して寸断することができる。
ここで、イオンビームBの入射角や進行方向を上記条件に設定した理由を説明する。まず、イオンビームBの入射角θ2、つまりステージ14の傾斜角θ1を15°〜60°(好適には、30°〜45°)に設定した理由について説明する。例えば、図7に示すように、イオンビームBの入射角θ2が60°よりも大きくなって90°に近づくほど、電源配線45Aの厚さ方向を貫通するまでの距離が長くなる(一点鎖線参照)。すると、イオンビームBによる切削が削り屑の影響を受けやすくなるため、所望の深さ(例えば、電源配線45Aの厚さ方向の70〜99%程度の深さ)まで電源配線45Aを削れなくなってしまう。一方、イオンビームBの入射角θ2が15°よりも小さくなって0°に近づくほど、第2加工工程62におけるイオンビームBの照射時に、その照射による加工と上記穴45Xとの重なりが大きくなって加工むらが発生してしまう(二点鎖線参照)。そこで、上述したように、イオンビームBの入射角θ2(ステージ14の傾斜角θ1)を15°〜60°(好適には、30°〜45°)に設定するようにした。
次に、イオンビームBの進行方向を、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜し、電源配線45Aの長手方向に対して直角になるように設定した理由について説明する。イオンビームBの入射角θ2を鋭角に設定する場合のイオンビームBの進行方向としては大きく分けて2種類考えられる。一つ目は、図8(a)に示すように、本実施形態と同様に、電源配線45Aの長手方向(配線方向)に対し平面位置で直交する方向(横方向)の斜め上方からイオンビームBを照射する方向である。すなわち、このときのイオンビームBの進行方向は、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜し、電源配線45Aの長手方向に対して直角になる。二つ目は、図8(b)に示すように、電源配線45Aの長手方向(配線方向)に沿って斜め上方からイオンビームBを照射する方向である。すなわち、このときのイオンビームBの進行方向は、電源配線45Aの長手方向に対して鋭角に傾斜し、電源配線45Aの短手方向に対して直角になる。ここで、銅配線の結晶粒は、図9に示すように、銅配線の長手方向(配線方向)に沿って成長していることが、本発明者らの鋭意研究によって解ってきた。このため、図8(b)に示すように結晶粒の成長方向(ここでは、Y軸方向)に沿って斜め上方からイオンビームBを照射するよりも、図8(a)に示すように結晶粒の成長方向に対し直交するX軸方向の斜め上方からイオンビームBを照射した方が、結晶粒を安定して寸断することができると考えられる。すなわち、図8(a)に示した進行方向でイオンビームBを電源配線45Aに照射した方が、そのイオンビームBの照射によって、電源配線45Aの多数の結晶粒G1のサイズを均等化することができると考えられる。そこで、本実施形態では、イオンビームBの進行方向を、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜し、電源配線45Aの長手方向に対して直角になるように設定するようにした。
次に、上記第1加工工程61によって結晶粒G1が略均等化された電源配線45Aに対して第2加工工程62を施す。以下に、第2加工工程62、つまりステップS7〜S9の処理について説明する。
ステップS7において、CPU31は、ステージ14の傾斜角θ1が0°に戻るようにステージ14を変位させる。例えば、CPU31は、図10に示すように、ステージ14を駆動する駆動機構を制御して、ステージ14の下面が基準面L1と平行となるようにステージ14を変位させる。これにより、半導体装置40の上面が基準面L1と平行になる。
次に、ステップS8において、CPU31は、第2加工工程62における加工エリアA2と、第2加工工程62におけるイオンビームBの照射条件とを設定する。詳述すると、CPU31は、半導体装置40の修正すべき回路箇所、つまり修正対象の配線42Aの位置に対応して加工エリアA2を設定する。例えば図11に示すように、加工エリアA2は、修正対象の配線42A(図11では図示略)の真上に形成された電源配線45Aの配線幅よりも広い範囲に設定され、その電源配線45Aと電源配線45Aの側面を覆う絶縁膜55とが含まれる範囲に設定される。この加工エリアA2の平面形状は、上記第1加工工程61における加工エリアA1と同じ平面形状であってもよいし、加工エリアA1と異なる平面形状であってもよい。また、加工エリアA2のサイズは、上記加工エリアA1と同じサイズであってもよいし、加工エリアA1と異なるサイズであってもよい。なお、本実施形態では、加工エリアA2を平面視矩形状の加工パターンとしたが、矩形状に限らず、正方形状や五角形状などの多角形状又はその他の形状としてもよい。
また、CPU31は、イオンビームBの強度及びイオン(ここでは、ガリウムイオン)のドーズ量を設定する。イオンビームBの強度は、第1加工工程61時におけるイオンビームBの強度よりも強くなるように設定される。具体的には、イメージ画像(SIM画像)の確認に支障のない程度にイオンビームBの強度(電流量)が引き上げられる。また、イオンのドーズ量は、例えば電源配線45Aの膜厚やイオンビームBの強度等に応じて設定される。
次に、ステップS9において、FIB装置1は、上記加工エリアA2内の半導体装置40に対して真上からイオンビームBを照射してミリングし、電源配線45Aの一部分をくり抜き切除する。このとき、図10に示すように、イオン源12から基準面L1に対して垂直にイオンビームBが照射されることにより、イオン源12から加工エリアA2内の半導体装置40(電源配線45A等)に対して垂直にイオンビームBが入射される。すなわち、半導体装置40の上面の法線と平行にイオンビームBが半導体装置40に対して照射される。換言すると、イオンビームBの進行方向が半導体装置40の上面の法線Lnと平行になる。
このようなイオンビームBが加工エリアA2(平面視矩形状)の加工パターンとなるように走査されて、電源配線45A及び絶縁膜55が切削される。具体的には、CPU31は、電子系13を駆動制御して、上記設定された照射条件及び加工エリアA2の座標に基づいて、イオンビームBの平面方向の偏向量を制御することで、加工エリアA2内の半導体装置40の表面をイオンビームBで走査する。図11には、本実施形態におけるイオンビームBの走査方向(走査パターン)の一例を太線矢印で示している。すなわち、図11に示すように、電源配線45Aの上面から見て略N字が連続したパターンとなるようにイオンビームBを走査しながら所定の深さの切削加工処理を行う。本実施形態では、図12(a)〜(d)に示すように、加工エリアA2の四辺の各辺を走査開始辺として上記走査パターンとなるように加工エリアA2内をイオンビームBで走査する。具体的には、図12(a)に示す走査パターンB1では、加工エリアA2の辺C1を走査開始辺として、つまり辺C1に沿ってイオンビームBを走査し始め、平面視で略N字が連続したパターンとなるように、辺C1に対向する辺C3までイオンビームBを走査する。図12(b)に示す走査パターンB2では、加工エリアA2の辺C2を走査開始辺として、平面視で略N字が連続したパターンとなるように、辺C2に対向する辺C4までイオンビームBを走査する。図12(c)に示す走査パターンB3では、加工エリアA2の辺C3を走査開始辺として、平面視で略N字が連続したパターンとなるように、辺C3に対向する辺C1までイオンビームBを走査する。図12(d)に示す走査パターンB4では、加工エリアA2の辺C4を走査開始辺として、平面視で略N字が連続したパターンとなるように、辺C4に対向する辺C2までイオンビームBを走査する。なお、本明細書では、説明の便宜上、走査パターンB1(走査パターンB2〜B4)となるようにイオンビームBを走査することを、「走査パターンB1(走査パターンB2〜B4)を実施する」という。
そして、これら走査パターンB1〜B4を、例えば走査パターンB1→B2→B3→B4の順に繰り返し実施してミリングを行うことで、加工エリアA2内の半導体装置40(絶縁膜55及び電源配線45A等)を厚さ方向に少しずつ削っていく。すなわち、1回の走査(スキャン)毎に4つの走査パターンB1〜B4を所定の順序で繰り返してミリングを実施する。このとき、半導体装置40表面から発生する2次イオン又は2次電子の分布が検出器15で検出され、その分布に基づいてCPU31で生成された半導体装置40表面のSIM画像が表示部33に出力される。このようなSIM画像を観察しながら上記FIB装置1によるミリング(FIB加工)が実施される。
以上説明したFIB装置1によるミリングによって、図13及び図14に示すように、電源配線45Aに対して、底面の凹凸が小さい貫通孔47を明けることができる。すなわち、電源配線45Aの厚さ方向を貫通し、その底面が平坦な貫通孔47を電源配線45Aに明けることができる。なお、図14は、図11及び図12のようにイオンビームBを走査して得られた半導体装置40表面のSIM画像である。
その後、加工エリアA2内の半導体装置40に対してFIB装置1によるミリング(FIB加工)を続けることにより、図15に示すように、修正対象の配線42Aの上面を露出する切削穴48が半導体装置40に形成される。具体的には、絶縁膜56、電源配線45A、絶縁膜55、配線層44、絶縁膜54、配線層43及び絶縁膜53の厚さ方向を貫通し、配線42Aの上層に形成された絶縁膜52を貫通する切削穴48が半導体装置40に形成される。本実施形態では、電源配線45Aに対して底面の平坦な貫通孔47が形成された状態でFIB加工が続けられるため、半導体装置40(電源配線45Aの下層の絶縁膜及び配線層)が平坦に切削され、底面が平坦な切削穴48が形成される。これにより、所望の配線42Aのみを露出することができ、不要な穴の形成による配線間短絡などの問題の発生を抑制することができる。そして、上記切削穴48によって露出された配線42Aに対して配線修正が実施される。
ここで、上記イオンビームBの走査(スキャン)を複数の方向(ここでは、加工エリアA2の四辺に対応する4方向)から実施した理由について説明する。本実施形態のような第1加工工程61の無い従来のFIB加工方法では、イオンビームBの走査を一方向(例えば、走査パターンB1〜B4のいずれか1つの走査パターン)からのみ実施していた。そこで、本発明者らは、第1加工工程61実施後の電源配線45Aに対して、走査パターンB1〜B4のいずれか1つの走査パターンとなるように、つまり一方向からのみイオンビームBの走査を実施する実験を行った。しかし、第1加工工程61の無い従来のFIB加工を行った場合よりも貫通孔47の底面の凹凸が小さくなるものの、底面の平坦な貫通孔47を安定して生成することができないという問題があった。この点について検討を行った結果、電源配線45Aの結晶粒G1の成長方向にばらつきが見られることが解ってきた。そこで、本実施形態では、電源配線45Aの結晶粒G1の成長方向がどのような方向であっても深さ方向に削る速度にばらつきが生じないように、第1加工工程61実施後の電源配線45Aに対してイオンビームBの走査を複数の方向から実施するようにした。さらに、このようにイオンビームBの走査を複数の方向から実施すると、削り屑が所定の箇所に集中することを抑制することができる、という利点がある。
このように、イオンビームBの走査を複数の方向から実施することで、結晶粒の成長方向のばらつきの影響を抑制し、削り屑の所定箇所への集中を抑制するができるため、底面の平坦な貫通孔47を安定して生成できるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電源配線45Aに対して斜め上方からイオンビームBを深く注入(照射)して多数の微小径の穴45Xを形成した後に、電源配線45Aに対して真上からイオンビームBを照射してミリングを実施するようにした。深い穴45Xの形成によって電源配線45Aの結晶粒G1を均等化した後に、電源配線45Aに対してFIB装置1によるミリング(FIB加工)が実施されるため、サイズの大きな結晶粒G1が残ることが抑制される。これにより、電源配線45Aを貫通する平坦な貫通孔47を形成することができる。したがって、その後のFIB加工により、底面が平坦な切削穴48を半導体装置40に形成することができる。この結果、修正対象の配線42Aのみを露出することができ、その配線42Aに対して確実に配線修正処理を施すことができる。換言すると、孔明け加工される電源配線45Aが銅配線であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、FIB加工によって意図した配線加工を行うことができるようになるため、加工歩留まりの低下を抑制することができる。
(2)電源配線45Aの上層に極薄いカバー膜55Aを形成した状態で、深い穴45Xの形成(ステップS6)及びミリング(ステップS9)を実施するようにした。このカバー膜55Aの上面の凹凸は比較的小さくなるため、穴45Xの形状ばらつき(深さばらつき)を抑制でき、電源配線45Aの結晶粒G1を安定して寸断することができる。これにより、結晶粒G1のサイズを好適に均等化することができるため、電源配線45Aに底面の平坦な貫通孔47を安定して形成することができる。
(3)第1加工工程61では、イオンビームBの進行方向を、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜し、電源配線45Aの長手方向に対して直角になるように設定した。これにより、電源配線45Aの結晶粒G1の成長方向に対し直交する方向の斜め上方からイオンビームBが照射されるため、結晶粒G1を安定して寸断することができる。これにより、結晶粒G1のサイズを好適に均等化することができるため、電源配線45Aに底面の平坦な貫通孔47を安定して形成することができる。
(4)第2加工工程62では、イオンビームBの走査を複数の方向(ここでは、加工エリアA2の四辺に対応する4方向)から実施するようにした。これにより、電源配線45Aの結晶粒G1の成長方向がどのような方向であっても深さ方向に削る速度にばらつきが生じることを抑制でき、さらに削り屑が所定の箇所に集中することも抑制することができる。したがって、電源配線45Aに底面の平坦な貫通孔47を安定して形成することができる。
(5)第2加工工程62(FIB装置1によるミリング)に先立って第1加工工程61を実施することにより、ガス支援エッチングを用いなくても、電源配線45Aを平坦に切削することができる。これにより、ガス支援エッチングのためのガス供給装置を省略できる。このため、安価なFIB装置1を実現することができる。また、電源配線45Aの切削の際に、ガスを用いる必要がないため、環境への悪影響を低減することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態の第1加工工程61では、電源配線45Aの長手方向に対し平面位置で直交する方向(図6及び図8の左右方向)の一方の斜め上方(図6及び図8では、左斜め上方)からイオンビームBを照射するようにした。これに限らず、図16に示すように、電源配線45Aの長手方向に対し平面視で直交する方向(図16(a)の左右方向)の双方の斜め上方、つまり左斜め上方及び右斜め上方からイオンビームBを照射するようにしてもよい。この場合には、例えば第1加工工程61を以下のように実施すればよい。詳述すると、ステップS4で傾斜角θ1が45°となるようにステージ14を傾斜させ、ステップS5でイオンビームBのX軸方向及びY軸方向のピッチ幅を上記実施形態のピッチ幅の2倍に設定する。なお、その他の照射条件(イオンビームBの径、イオンビームBの強度、及びイオンのドーズ量等)は上記実施形態と同様に設定される。そして、ステップS6において、加工エリアA1の半導体装置40に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射する。これにより、イオンビームBの入射位置から電源配線45Aの短手方向、具体的にはX矢印方向(図中の右方向)に向かって斜め下方に延びる深い穴45Xが電源配線45Aに形成される。このときのイオンビームBの入射角θ2は、45°となる。なお、イオンビームBの半導体装置40内での進行方向(破線参照)と半導体装置40の上面とがなす鋭角の角度θ3も45°となる。
続いて、ステージ14を傾斜させた状態で該ステージ14を平面方向に180°回転させる。次いで、加工エリアA1の半導体装置40に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射する。これにより、イオンビームBの入射位置から電源配線45Aの短手方向、具体的には反X矢印方向(図中の左方向)に向かって斜め下方に延びる深い穴45Yが電源配線45Aに形成される。この穴45Yは、上記穴45Xと同様に、電源配線45Aの厚さ方向にできる限り深く延在するように、且つ電源配線45Aの厚さ方向を貫通することのないように形成される。本工程では、上記穴45Xと平面視で重ならないように穴45Yが形成される。このときのイオンビームBの入射角θ2は、45°となる。なお、イオンビームBの半導体装置40内での進行方向(実線参照)と半導体装置40の上面とがなす鋭角の角度θ3も45°となる。
・上記変形例において、穴45Xを形成する際のイオンビームBの径及びイオンビームBのピッチ幅と、穴45Yを形成する際のイオンビームBの径及びイオンビームBのピッチ幅とを異なる値に設定するようにしてもよい。また、穴45Xを形成する際のイオンビームBの入射角θ2と、穴45Yを形成する際のイオンビームBの入射角θ2とを異なる角度に設定するようにしてもよい。これらの場合であっても、穴45Xと平面視で重ならないように穴45Yを形成することが好ましい。
・上記実施形態の第2加工工程62では、加工エリアA2が有する全ての辺(ここでは、加工エリアA2が長方形であるため、4辺)からそれぞれイオンビームBの走査を開始する複数の走査パターンB1〜B4を繰り返し実施するようにした。これに限らず、例えば加工エリアA2が有する全ての辺(例えば、加工エリアA2が四角形の場合には4辺、加工エリアA2が五角形の場合には5辺)のうちN(Nは2以上の整数)個の辺からそれぞれイオンビームの走査を開始するN個の走査パターンを繰り返し実施するようにしてもよい。具体的には、加工エリアA2が有する全ての辺C1〜C4のうち2つの辺C1,C2からそれぞれイオンビームの走査を開始する2つの走査パターンB1,B2を繰り返し実施するようにしてもよい。
あるいは、複数の走査パターンB1〜B4のうちいずれか1つの走査パターン(例えば、走査パターンB1)となるようにイオンビームBの走査を実施するようにしてもよい。
これらの場合であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、従来の場合よりも平坦に貫通孔47を形成することができる。
・上記実施形態の第1加工工程61におけるイオンビームBの進行方向を、電源配線45Aが延在される長手方向に対して直角になるように、且つ、上記長手方向と平面視で直交する短手方向に対して鋭角に傾斜するように設定するようにした。これに限らず、例えば第1加工工程61におけるイオンビームBの進行方向を、電源配線45Aの短手方向に対して直角になるように、且つ、電源配線45Aの長手方向に対して鋭角に傾斜するように設定するようにしてもよい。この場合であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、第1加工工程61の実施がない従来の場合よりも平坦に貫通孔47を形成することができる。このように、第1加工工程61では、電源配線45Aの表面の法線Lnに対し傾斜してイオンビームBが照射されるように、そのイオンビームBの進行方向を設定するようにすればよい。
・上記実施形態におけるステップS3では、電源配線45Aの上層にカバー膜55Aを形成するようにした。これに限らず、上記ステップS3において、カバー膜55Aの形成を省略するようにしてもよい。すなわち、ステップS3において、加工エリアA1の半導体装置40をイオンビームBによりスパッタリング(ミリング)し、電源配線45Aの上面が露出するように半導体装置40の表面から絶縁膜56,55を削るようにしてもよい。この場合であっても、第2加工工程62に先立って第1加工工程61を実施することにより、第1加工工程61の実施がない従来の場合よりも平坦に貫通孔47を形成することができる。
・上記実施形態におけるFIB装置1の構成は図1に示した構成に限定されず、その他の構成であってもよい。
・上記実施形態では、電源配線45Aに対して孔明け加工を実施するようにしたが、これに限らず、例えばグランド配線等の太くて分厚い他の配線に対して孔明け加工を実施するようにしてもよい。
(実施例)
膜厚が1.0μm、配線幅が3μm、結晶粒G1の最小粒径(サイズ)が約0.2μmである電源配線45Aをくり抜き切除するFIB加工(配線加工)を行った。第1加工工程61では、電源配線45Aの上層に厚さが約3000Åのカバー膜55Aを形成し、傾斜角θ1が45°となるようにステージ14を基準面L1に対して傾斜させた。このとき、イオンビームBの進行方向が、電源配線45Aの長手方向に対して直角となるように、且つ、電源配線45Aの短手方向に対して鋭角に傾斜するように、上記ステージ14を傾斜させた。次に、イオンビームBの径を0.05μm、イオンビームBのX軸方向のピッチ幅を0.25μm、イオンビームBのY軸方向のピッチ幅を0.25μm、ガリウムイオンのドーズ量を30nC/μm、イオンビームBの強度(電流量)を100pA、加工エリアA1を4μm×3μmに設定した。そして、加工エリアA1の半導体装置40(電源配線45A等)に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射し、多数の穴45Xをハニカム状に形成した。
次に、第2加工工程62では、傾斜角θ1が0°となるようにステージ14を変位させた。次に、イオンビームBの強度(電流量)を100pA、ガリウムイオンのドーズ量、具体的には4つの走査パターンB1〜B4の合計のドーズ量を1nC/μm(=0.25×4)、加工エリアA2を4μm×2.5μmに設定した。そして、加工エリアA2の半導体装置40(電源配線45A等)に対して上記設定した照射条件でイオンビームBを照射し、電源配線45Aに対して孔明け加工を実施した。
以上の条件で第1加工工程61及び第2加工工程62を実施することにより、図14に示したような底面の平坦な貫通孔47を電源配線45Aに安定して形成することができた。すなわち、ガス支援エッチング等の特別な処理を行うことなく、上記条件で第1加工工程61及び第2加工工程62のみを実施することにより、底面の平坦な貫通孔47を安定して形成することができた。
1 FIB装置
40 半導体装置
45A 電源配線(配線)
45X,45Y 穴
47 貫通孔
55A カバー膜
61 第1加工工程
62 第2加工工程
A2 加工エリア
C1〜C4 辺
B 集束イオンビーム
B1〜B4 走査パターン
G1 結晶粒
Ln 法線
θ1 傾斜角
θ2 入射角

Claims (7)

  1. 集束イオンビーム加工により、半導体装置に形成されている配線に貫通孔を明ける配線加工方法であって、
    前記配線の表面の法線に対し傾斜した方向で前記集束イオンビームを前記配線に照射して、前記傾斜した方向に延在する穴を前記配線に多数形成する第1加工工程と、
    前記穴の形成された配線に対して前記法線と平行に前記集束イオンビームを照射して、前記配線を削る第2加工工程と、
    を有することを特徴とする配線加工方法。
  2. 前記第1加工工程は、
    前記配線の表面上にカバー膜を形成する工程と、
    前記カバー膜を通じて前記配線に前記集束イオンビームを照射して、前記穴を形成する工程とを有し、
    前記第2加工工程では、前記カバー膜を通じて前記配線に前記集束イオンビームを照射することを特徴とする請求項1に記載の配線加工方法。
  3. 前記第1加工工程における前記集束イオンビームの進行方向を、前記配線が延在される長手方向に対して直角になるように、且つ、前記長手方向と平面視で直交する短手方向に対して鋭角に傾斜するように設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線加工方法。
  4. 前記第2加工工程では、前記集束イオンビームの照射される加工エリアが有する辺のうちN(Nは2以上の整数)個の辺からそれぞれ前記集束イオンビームの走査を開始するN個の走査パターンを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の配線加工方法。
  5. 前記第2加工工程では、前記集束イオンビームが照射される加工エリアが有する全ての辺からそれぞれ前記集束イオンビームの走査を開始する複数の走査パターンを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の配線加工方法。
  6. 前記第1加工工程では、前記集束イオンビームの進行方向と前記法線とのなす角度を30°〜45°に設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の配線加工方法。
  7. 前記第1加工工程では、前記穴によって分断される前記配線の結晶粒の粒径が、前記集束イオンビームの照射前における前記配線の結晶粒の最小粒径に近づくように、前記集束イオンビームの径及び前記集束イオンビームのピッチ幅が設定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の配線加工方法。
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