JP5945360B1 - 収納袋及びスライダー付設用収納袋 - Google Patents
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Abstract
Description
図1と図2に示すように、本発明の(スライダー付設用)収納袋は、表て面シート1Aと裏面シート1Bの左右両端縁をシールして、上端縁に開口部6が形成された袋体1を備え、開口部6の内面に、開口端縁6aに余裕を持たせることなく(開口端縁6aぎりぎりに)ファスナー4を設けてある。
ファスナー4は、凸条部12が形成された雄部2と、凸条部12が係脱自在に嵌込まれる係合凹溝13が設けられた雌部3と、から成る。凸条部12は、断面視キノコ形状に形成され、細長い柄部12aの先端に幅の広いカサ部12bを有し、カサ部12bは、断面視で、袋の開口側の小凸部24aが緩やかに(鈍角に)膨出状として形成され、かつ、袋の奥側の小凸部24bが鋭く(鋭角に)突出状に形成されている。係合凹溝13は、雌部3の内面に突設された袋の開口側の第1突条部21と、袋の奥側の第2突条部22とによって形成され、第1突条部21・第2突条部22が先端縁に向うにつれて次第に接近し、さらに、第1突条部21・第2突条部22の先端縁には、凸条部12先端のカサ部12bを係止するための係止片部21a,22aが形成されている。ファスナー4は、PPやPE等の軟質合成樹脂から成り、表て面シート1Aと裏面シート1Bの内面に、雄部2と雌部3が対向状となるように配設され、袋体1の全幅(幅方向の全長)にわたって溶着されている。なお、袋体1は、熱可塑性の合成樹脂から成り、「溶着」とは、熱と押圧力を加えることにより、接着剤を用いずに、合成樹脂(具体的には、表て面シート1A・裏面シート1B及びファスナー4)を相互に接合する加工であり、「熱圧着」あるいは「熱溶着」と言い換えることもできる。
極薄帯片5は、PE等の軟質合成樹脂から成り、細長帯状に形成されている。極薄帯片5は、上部5aが袋体1の開口部6から突出した状態とし、中間部がファスナー4の雄部2と雌部3に挟持されている。極薄帯片5は、ファスナー4の雄部2・雌部3よりも可撓性が大きく設定され、自由自在に弯曲して変形可能である。
即ち、極薄帯片5は、厚さ寸法tが非常に小さく設定され、雄部2と雌部3の間に挟まれたとしても、係合の邪魔をすることがなく、雄部2と雌部3が係合した状態で、極薄帯片5が雄部2・雌部3に沿ってしなやかに弯曲する。
より好ましくは、極薄帯片5の厚さ寸法tは、15μm〜50μmに設定されるのが良い。さらに、極薄帯片5の厚さ寸法tを20μm〜30μmに設定するのが最も好適である。
厚さ寸法tが、下限値未満であると、極薄帯片5の引張り強度が低下して、引張力Fが付与されると破れてしまう虞れがある。また、極薄帯片5の剛性が確保できず、製造工程に於て、極薄帯片5を袋体1の開口部6に差込むのが難しくなる。
図9に示す比較例では、帯片50の厚さ寸法t´が、上述の上限値を超えて過大となっており、具体的には、100μm〜150μmに設定されている。
このように、帯片50の厚さ寸法t´が過大となると、ファスナー4の雄部2と雌部3の間に帯片50を挟み込む際、帯片50によって、雄部2の凸条部12と雌部3の係合凹溝13に過大な圧縮力が作用して変形が生じ、また、第1突条部21・第2突条部22が押し広げられる。こうなってしまうと、雄部2と雌部3を係止させることができなくなり、また、帯片50を取り除いた後も、雄部2と雌部3に変形の癖が残留して、雄部2と雌部3が係止不能となる。あるいは、雄部2と雌部3が、帯片50の圧縮力により圧潰して破壊される虞れがある。本発明では、このようなことが発生せず、正規係合姿勢(図2参照)が保たれる。
図3に示すように、開口部6に差し込まれた極薄帯片5を、指で掴んで上方へ引張力Fを付与すると、係合凹溝13の一方を形成する袋開口側の第1突条部21に対し、極薄帯片5から圧縮力Pが付与されて弾性変形し、さらに、第1突条部21は、極薄帯片5に引き擦られて、矢印Mにて示す拡開方向(図例では上方)へ移動する。この際、雄部2の凸条部12にも、極薄帯片5から圧縮力が付与され、かつ、極薄帯片5に引き擦られて凸条部12が袋開口側へ僅かに傾く。極薄帯片5は、引張力Fが付与された際、凸条部12の先端縁、及び、第1突条部21の先端縁と接触して、合成樹脂同士の摩擦抵抗が生じる。この摩擦抵抗によって、極薄帯片5に張力T,Tが作用し、極薄帯片5が真っ直ぐに伸びようとして、第1突条部21及び凸条部12を押圧する。
図4に示すように、極薄帯片5に引張力Fを付与して、第1突条部21を矢印M方向にさらに拡開する。極薄帯片5は、張力T,Tによって真っ直ぐに伸びようとして、雄部2と雌部3を離反する方向に押圧し、凸条部12が第2突条部22の係止片部22aを乗り越えて、雄部2と雌部3の係合を解除する。
次に、図5に示すように、極薄帯片5の押圧力によって、雄部2と雌部3が離反し、凸条部12が係合凹溝13から押し出される。そして、極薄帯片5は上方に引き抜かれる。
スライダー8は、閉じたファスナー4を開くための第1スライダー部品15と、開いたファスナー4を閉じるための第2スライダー部品16と、から構成されている。
第1スライダー部品15は、半天井部30と、半天井部30の下面中央に垂設され雄部2と雌部3の間に差込まれる小突起部31と、半天井部30の下面両側端縁に垂設された一対の側壁部32,32とを、有している。なお、側壁部32,32が一定の弾性を有するように形成するのが好ましい。
第2スライダー部品16は、半天井部40と、半天井部40の下面に垂設され内側に狭窄部41が形成される一対の柱部42,42と、柱部42,42の下端に連結され半天井部40及び柱部42,42と協働して第1スライダー部品15の側壁部32,32を嵌込むための凹部43,43を形成する下床片部44,44とを、有している。第2スライダー部品16は、狭窄部41が、袋体1の開口部6の内面に取着されたファスナー4を、袋体1の外側から押圧して、雄部2と雌部3を係合させるように構成されている。
第1スライダー部品15に設ける側壁部32,32の内側の幅は、第2スライダー部品16に設ける柱部42,42の外側の幅とほぼ同じか僅かに小さく設定されている。
つまり、ファスナー4の一部位にて雄部2と雌部3の係合が解除して、そこを起点としてファスナー4を簡単に開くことが可能となり、係合が解除された雄部2と雌部3の間に小突起部31を差し込んで第1スライダー部品15を容易かつ迅速に取付けることができ、スライダー8の取付け作業に掛かる手間を軽減でき、作業能率を向上する。
図7では、袋体1の開口端縁6aから一定の長さ寸法Lの余裕を持たせて、ファスナー4を設けてある。袋体1の開口部6には、ファスナー4の雄部2と雌部3の係合の解除を開始するための極薄帯片5が差し込まれ、ファスナー4の長手方向の一部位に極薄帯片5を介在させている。ファスナー4と開口端縁6aの中間位置には、吊下げ陳列用の貫通孔9が設けられている。
図8に示すように、雄部2と雌部3の係合を部分的に解除して、ファスナー4が開くきっかけを作ることで、開口端縁6a,6aを指で拡げて、容易にファスナー4を開くことが可能となる。
1B 裏面シート
2 雄部
3 雌部
4 ファスナー
5 極薄帯片
6 開口部
6a 開口端縁
8 スライダー
F 引張力
t 厚さ寸法
Claims (2)
- 表て面シート(1A)・裏面シート(1B)によって形成される開口部(6)の内面に、対向状に配設された雄部(2)と雌部(3)から成るファスナー(4)を備えている収納袋に於て、
細長帯状の極薄帯片(5)が、上記ファスナー(4)と直交する方向に上記開口部(6)に差し込まれて、上記ファスナー(4)の長手方向の一部位に、該極薄帯片(5)が介在し、
上記極薄帯片(5)は、上記ファスナー(4)の長手方向の上記一部位から引抜自在とし、その厚さ寸法(t)が、上記表て面シート(1A)・裏面シート(1B)の厚さ寸法より小さく設定された極薄状であり、かつ、全体が均一な厚さ寸法(t)に形成され、
上記極薄帯片(5)が介在した上記ファスナー(4)の長手方向の上記一部位に於て、上記極薄帯片(5)が上記雌部(3)を押し広げて変形させることなく、上記雄部(2)と上記雌部(3)が正規係合姿勢を保ち、
上記極薄帯片(5)を指で掴んで引張力(F)を付与すると、上記極薄帯片(5)が介在した上記ファスナー(4)の上記一部位にて上記雄部(2)と上記雌部(3)の係合を部分的に解除すると共に上記極薄帯片(5)が上記ファスナー(4)の上記一部位から抜き去られ、上記ファスナー(4)の上記雄部(2)と上記雌部(3)の係合の解除を開始するための起点を上記一部位に形成するように構成されたことを特徴とする収納袋。 - 表て面シート(1A)・裏面シート(1B)によって形成される開口部(6)の内面に、開口端縁(6a)近傍にて対向状に配設された雄部(2)と雌部(3)から成るファスナー(4)を備えており、該ファスナー(4)を開閉するためのスライダー(8)の取付けが予定されるスライダー付設用収納袋に於て、
細長帯状の極薄帯片(5)が、上記ファスナー(4)と直交する方向に上記開口部(6)に差し込まれて、上記ファスナー(4)の長手方向の一部位に、該極薄帯片(5)が介在し、
上記極薄帯片(5)は、上記ファスナー(4)の長手方向の上記一部位から引抜自在とし、その厚さ寸法(t)が、上記表て面シート(1A)・裏面シート(1B)の厚さ寸法より小さく設定された極薄状であり、かつ、全体が均一な厚さ寸法(t)に形成され、
上記極薄帯片(5)が介在した上記ファスナー(4)の長手方向の上記一部位に於て、上記極薄帯片(5)が上記雌部(3)を押し広げて変形させることなく、上記雄部(2)と上記雌部(3)が正規係合姿勢を保ち、
上記極薄帯片(5)を指で掴んで引張力(F)を付与すると、上記極薄帯片(5)が介在した上記ファスナー(4)の上記一部位にて上記雄部(2)と上記雌部(3)の係合を部分的に解除すると共に上記極薄帯片(5)が上記ファスナー(4)の上記一部位から抜き去られ、上記開口端縁(6a)近傍に設けられた上記ファスナー(4)の上記一部位にスライダー取付用起点を形成するように構成されたことを特徴とするスライダー付設用収納袋。
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