JP5943769B2 - 四輪駆動車両のカップリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、四輪駆動車両における駆動源と副駆動輪との間に設置するビスカスカップリングなどのカップリング装置に関する。
従来、駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する四輪駆動車両では、駆動源と副駆動輪との間のプロペラシャフト上に配置したビスカスカップリング(VC)などのカップリング装置からなるトルク伝達装置を備えるものがある。
このような四輪駆動車両では、主駆動輪と副駆動輪の車輪速差がプロペラシャフト上のビスカスカップリングに対する入力差回転数となり、四輪駆動トルク(4WDトルク)を出力する構造である。すなわち、例えば、車両のフロント側にエンジン及びトランスミッションを配置し、前輪を主駆動輪とし後輪を副駆動輪とする前輪駆動車(FF車)では、車両が低摩擦抵抗(低μ)路面を走行中にドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合、まず、前輪に駆動トルクが伝達される。そして、前輪が路面のグリップ限界を超えて空転するとビスカスカップリングに差回転が入力されて後輪に駆動トルクが伝達される。
上記のような四輪駆動車両では、通常走行時には、主駆動輪と副駆動輪の回転差によりビスカスカップリングに差回転が入力され続ける四輪駆動(4WD)状態である。しかしながら、車両の走行状態に関わらずこのような四輪駆動状態が継続すると、駆動伝達系における各部の損失や走行抵抗の増大による車両の燃費(燃料消費率)の悪化を招く一因となる。また、転舵旋回など前後輪差で発生する4WDタイトターンブレーキング現象が顕著に出るため、車両の走行性能(走行商品性)の悪化も招くおそがある。さらには、低摩擦抵抗の路面でのABS(Anti-lock Braking System)作動時のカスケードロックを誘発することでも知られている。
そこで、上記の各種問題に対する従来の手法として、車両の走行状態に応じてカップリング装置による副駆動輪へのトルク伝達量を可変する機構が採用されている。このような機構として、電気的にクラッチのオンオフ制御を行うもの(特許文献1)や、手動で異なるトルク特性のビスカスカップリングの切替を行うもの(特許文献2)や、ワンウェイクラッチで異なるトルク特性のビスカスカップリングの切替を行うもの(特許文献3)がある。
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の従来技術は、対応する制御回路を備えた電子制御ユニット(ECU)や、操作用のレバーなどの付帯物が必要となることで、車両の構造の複雑化や部品点数の増加、制御処理の煩雑化につながる。そのため、車両のコスト・重量・サイズ増を招くという問題がある。また、車速が所定以上の高速域では、ビスカスカップリングなどのカップリング装置による副駆動輪へのトルク伝達の必要性が減少するところ、電子制御により副駆動輪へのトルク伝達量を可変するもの以外は、高速域での伝達トルクを適切に低減することができない、という問題もある。
特開2009−144779号公報 特開平3−20125号公報 実開平4−4537号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、かつ電子制御や手動操作などを行うことなく、車両の走行状態に応じた副駆動輪への適切なトルク伝達が可能となる四輪駆動車両のカップリング装置を提供することにある。
本発明にかかる四輪駆動車両のカップリング装置は、駆動源(3)からの駆動力を主駆動輪(W1,W2)及び副駆動輪(W3,W4)に伝達する駆動力伝達経路(20)における駆動源(3)と副駆動輪(W3,W4)との間に配置された四輪駆動車両のカップリング装置(10)であって、駆動源(3)と副駆動輪(W3,W4)との間に設けた回転軸(7)と、回転軸(7)の駆動源(3)側に接続されたハウジング(11)と、回転軸(7)の副駆動輪(W3,W4)側に接続された出力軸(12)と、ハウジング(11)内で駆動源(3)側から駆動輪(W3,W4)側に向かって直列に配置された第1カップリング部(30)及び第2カップリング部(40)と、第1カップリング部(30)と第2カップリング部(40)との間で出力軸(12)周りに回転可能に設置された慣性質量を有するイナータ部材(25)と、を備え、イナータ部材(25)は、第1カップリング部(30)の一部を構成する第1部材(25a)と、第2カップリング部(40)の一部を構成する第2部材(25b)と、第1部材(25a)と第2部材(25b)とを連結してなる第3部材(25c)と、第3部材(25c)の第1部材(25a)と連結される側の端部から第2部材(25b)の方向に延設される第4部材(25d)と、を一体に備え、第1カップリング部(30)は、ハウジング(11)と第1部材(25a)との間に形成した作動油を充填してなる第1作動室(16a)を備え、ハウジング(11)の内面に結合された第1アウタープレート群(13a)の各プレートと第1部材(25a)に結合された第1インナープレート群(14a)の各プレートとを第1作動室(16a)内で回転軸(7)の軸方向に沿って交互に配列した構成であり、第2カップリング部(40)は、第2部材(25b)と出力軸(12)との間に形成した作動油を充填してなる第2作動室(16a)を備え、第2部材(25b)に連結された第2アウタープレート群(13b)の各プレートと出力軸(12)に連結された第2インナープレート群(14b)の各プレートとを第2作動室(16a)内で軸方向に沿って交互に配列した構成であることを特徴とする。
本発明にかかる四輪駆動車両のカップリング装置によれば、第1カップリング部と第2カップリングとの2つのカップリング部を直列に配置し、それらの間をイナータ部材で連結したことで、第1カップリング部と第2カップリング部に入力される差回転数をカップリング装置全体に入力される差回転数の1/2とすることができる。これにより、カップリング装置を従来よりも低い回転領域で使用できるので、カップリング装置の作動油として高粘度の作動油を用いて装置の小型・軽量化を図る場合にも、作動油のニュートン粘性領域を使用可能となる。したがって、定常使用領域で発生するトルクを低く抑えることができるため、走行抵抗の低減を図ることができ、タイトターンブレーキ現象を防止できる。
また、上記のカップリング装置では、イナータ部材(25)は、第2カップリング部(40)を押圧するための押圧部材(27)と、第3部材(25c)と押圧部材(27)との間に介在する付勢手段(28)と、を備え、車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、押圧部材(27)が付勢手段(28)の付勢力に抗して第2カップリング部(40)側に向かって移動して、該第2カップリング部(40)の第2アウタープレート群(13b)及び第2インナープレート群(14b)に積層方向への押圧力を付与するように構成してよい。
この構成によれば、車両の加速度や傾斜角に応じた前後方向の慣性力が押圧部材に作用することで、押圧部材で第2カップリング部が押圧される。これにより、車両の加速度や傾斜角に応じて、第2カップリング部のプレート間のクリアランスを変化させることができる。したがって、第2カップリング部及びカップリング装置全体の伝達トルク特性を可変させることができる。これにより、例えば、登坂路の走行など従動輪の駆動力を必要とする状況において、カップリング装置の伝達トルクを一時的に上昇させることが可能である。
また、上記のカップリング装置では、イナータ部材(25)の第1部材(25a)は、第1カップリング部(30)の内径側に設置された筒状部分であり、第2部材(25b)は、第2カップリング部(40)の外径側に設置された第1部材(25a)よりも大径の筒状部分であり、第3部材(25c)は、第1カップリング部(30)と第2カップリング部(40)との間で第1部材(25a)から第2部材(25b)に向かって径方向に延びる平板状の部分であってよい。これによれば、車両の加速度や傾斜角又は回転軸の回転速度の変化に応じてカップリング装置のトルク特性を変化させることが可能なイナータ部材を簡単な構成で実現できる。さらに、第4部材(25d)は、第1カップリング部(30)と第2カップリング部(40)との間で出力軸(12)の外周面に沿って延びる筒状の部分であり、押圧部材(27)は、第2部材(25b)と第4部材(25d)とにガイドされて軸方向に進退移動可能に設置され、押圧部材(27)と第2部材(25b)または第4部材(25b)との間には、シール部材(29)が設置されていることとしてもよい。
なお、上記で括弧内に記した参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素に付した符号を参考のために例示したものである。

本発明にかかる四輪駆動車両のカップリング装置によれば、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、かつ電子制御や手動操作などを行うことなく、車両の走行状態に応じた副駆動輪への適切なトルク伝達が可能となる。
本発明の一実施形態にかかるカップリング装置(ビスカスカップリング)を備える四輪駆動車両の概略構成を示す図である。 ビスカスカップリングを示す側断面図である。 ビスカスカップリングにおけるピストンの動作を説明するための図で、(a)は、ピストンの非作動状態、(b)は、ピストンの作動状態を示す図である。 ビスカスカップリングの作動油のせん断速度と動粘度との関係を示すグラフである。 ビスカスカップリングの入出力差回転と伝達トルクの関係を示すグラフである。 前後スプリットμ路での発進時について説明するための図である。 低μ路でのブレーキング時について説明するための図である。 タイトターンブレーキング時について説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるトルク伝達装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。同図に示す四輪駆動車両1は、車両の前部に横置きに搭載したエンジン(駆動源)3と、エンジン3と一体に設置したトランスミッション(変速機)4と、エンジン3からの駆動力を前輪W1,W2及び後輪W3,W4に伝達するための駆動力伝達経路2とを備えている。
エンジン3の出力軸(図示せず)は、トランスミッション4、フロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)5、左右のフロントドライブシャフト6,6を介して、主駆動輪である左右の前輪W1,W2に連結されている。さらに、エンジン3の出力軸は、トランスミッション4、フロントデフ5、プロペラシャフト7、リアデファレンシャル(以下「リアデフ」という)8、左右のリアドライブシャフト9,9を介して副駆動輪である左右の後輪W3,W4に連結されている。なお、以下の説明で軸方向というときは、車両の進行方向(前後方向)に沿って延伸するプロペラシャフト7の軸方向を指すものとする。また、前又は後というときは、当該軸方向の前(車両の前進方向)及び後(後進方向)を指すものとする。
プロペラシャフト7上には、フロントデフ5からリアデフ8への駆動力伝達経路2上に配置したビスカスカップリング(カップリング装置)10が設けられている。ビスカスカップリング10は、駆動力伝達経路2において後輪W3,W4に配分するトルクを制御するためのトルク伝達装置(回転差応動型トルク伝達装置)である。
図2は、ビスカスカップリング10を示す側断面図である。同図に示すように、ビスカスカップリング10は、前側のプロペラシャフト7a(図1参照)と一体に回転する筒状のハウジング11と、ハウジング11内において該ハウジング11と同一軸線回りで後側のプロペラシャフト7b(図1参照)と一体に回転する出力軸12と、ハウジング11及び後述するイナータ部材25の外径部25bの内周面に所定間隔で相対回転不能に係合する複数のアウタープレート13(13a,13b)と、出力軸12及びイナータ部材25の内径部25aの外周面に所定間隔で相対回転不能に係合し、アウタープレート13と軸方向に交互に配置される複数のインナープレート14(14a,14b)と、ハウジング11と出力軸12との間を閉塞するカバー部材15と、ハウジング11の内径側に形成された作動室16(16a,16b)とを備える。作動室16は、後述する第1カップリング部30の第1作動室16aと第2カップリング部40の第2作動室16bの二室が設けられている。
また、ハウジング11における前壁11aの内周面と出力軸12の外周面との間には、それらの隙間をシールするシール部材20が設置されている。また、出力軸12の外周面とカバー部材15の内周面との間には、それらの隙間をシールするシール部材21が設置されている。また、ハウジング11の内周面とカバー部材15の外周面との間には、それらの隙間をシールするシール部材22が設置されている。また、ハウジング11の内周面と出力軸12の外周面との間には、軸受23が介装されている。
そして、本実施形態のビスカスカップリング10は、ハウジング11内の軸方向に沿って前後に直列に配置された第1カップリング部30と第2カップリング部40を備えている。また、第1カップリング部30と第2カップリング部40との間には、慣性質量を有するイナータ部材25が設置されている。イナータ部材25は、ハウジング11の内周面及び出力軸12の外周面に対して相対回転自在に設置されている。イナータ部材25は、第1カップリング部30の一部を構成する内径部(第1部材)25aと、第2カップリング部40の一部を構成する外径部(第2部材)25bと、内径部25aと外径部25bとを連結してなる連結部(第3部材)25cと、連結部25cの内径端から軸方向に沿って後側に延びるフランジ部25dとを一体に備えた構成である。
イナータ部材25の内径部25aは、第1カップリング部30(第1作動室16a)の内径側に設置された円筒状の部材(部分)であり、外径部25bは、第2カップリング部40(第2作動室16b)の外径側に設置された内径部25aよりも大径の円筒状の部材(部分)であり、連結部25cは、第1カップリング部30と第2カップリング部40との間で内径部25aから外径部25bに向かって径方向に延びる略平板状の部材(部分)である。内径部25aは、出力軸12の外周面に沿って軸方向に延びており、外径部25bは、ハウジング11の内周面に沿って軸方向に延びている。また、フランジ部25dは、第1カップリング部30と第2カップリング部40との間で出力軸12の外周面に沿って延びる筒状の部分である。
また、イナータ部材25は、第2カップリング部40を軸方向に押圧するためのピストン(押圧部材)27と、連結部25cとピストン27との間に介在するコイルバネ(付勢手段)28とを備える。ピストン27は、イナータ部材25の外径部25bとフランジ部25dとにガイドされて、それら間を軸方向に沿って進退移動可能に設置されている。また、ピストン27と外径部25bとの隙間、及びピストン27とフランジ部25dとの隙間には、シール部材29が設置されている。このシール部材29を設けたことにより、ピストン27の作動時に該ピストン27とイナータ部材25との隙間に作動油(シリコンオイル)の介入による粘性抵抗が生じないようにして、ピストン27の作動がスムーズになるようにしている。
また、コイルバネ28は、出力軸12の軸方向に沿って延伸する弾性金属製のバネ材であり、ピストン27とイナータ部材25の連結部25cとの間に引張力を付与しており、当該引張力にて、ピストン27を第2カップリング部40から離間する方へ付勢している。そして、車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、ピストン27に車両の前後方向の慣性力が作用することで、該ピストン27がコイルバネ28の付勢力(引張力)に抗して第2カップリング部40側に向かって移動する。これにより、第2カップリング部40のアウタープレート13b及びインナープレート14bに対して積層方向への押圧力が付与されるように構成している。
第1カップリング部30は、ハウジング11内の前側に配置されており、ハウジング11内で該ハウジング11の前壁11aとイナータ部材25の外径部25bとの間に区画された第1作動室16aを有している。第1作動室16a内には、シリコンオイルなどの粘性流体からなる作動油が充填されていると共に、ハウジング11の内周面にスプライン係合する複数のプレート(摩擦板)からなる第1アウタープレート群13aと、イナータ部材25の内径部25aの外周面にスプライン係合する複数のプレート(摩擦板)からなる第1インナープレート群14aとが軸方向に沿って交互に積層されている。イナータ部材25の連結部25cは、第1アウタープレート群13aと第1インナープレート群14aの積層方向の後端に設置されている。
したがって、第1カップリング部30は、ハウジング11の内面に結合された第1アウタープレート群13aの各プレートとイナータ部材25の内径部25aに結合された第1インナープレート群14aの各プレートとをハウジング11と内径部25aとの間に所定間隔で交互に配列した構成である。
一方、第2カップリング部40は、ハウジング11内の後側に配置されており、ハウジング11内でピストン27とカバー部材15との間に区画された第2作動室16bを有している。第2作動室16b内には、イナータ部材25の外径部25bの内周面にスプライン係合する複数のプレート(摩擦板)からなる第2アウタープレート群13bと、出力軸12の外周面にスプライン係合する複数のプレート(摩擦板)からなる第2インナープレート群14bとが交互に積層されている。ピストン27は、第2アウタープレート群13bと第2インナープレート群14bの積層方向の前端に設置されている。
したがって、第2カップリング部40は、イナータ部材25の外径部25bに連結された第2アウタープレート群13bの各プレートと出力軸12に連結された第2インナープレート群14bの各プレートとをイナータ部材25の外径部25bと出力軸12との間に所定間隔で交互に配列した構成である。
なお、本実施形態のビスカスカップリング10では、第1カップリング部30と第2カップリング部40は、第1、第2アウタープレート群13a,13b及び第1、第2インナープレート群14a,14bのプレート積層数が同一の数になっており、互いが同一のトルク特性を有するように設定されている。
次に、ビスカスカップリング10の動作について説明する。図1に示すエンジン3から出力されたトルクがトランスミッション4を介してフロントデフ5に伝達される。フロントデフ5に伝達されたトルクの一部は、フロントドライブシャフト6,6を介して前輪W1,W2に伝達され、前輪W1,W2の駆動力により車両が走行する。また、フロントデフ5に伝達されたトルクの一部はプロペラシャフト7に伝達される。プロペラシャフト7に伝達されたトルクは、ビスカスカップリング10のハウジング11に伝達される。
車両1の走行中は、後輪W3,W4から入力されるトルクが、リアデフ8を介して出力軸12に伝達される。そして、ハウジング11の回転数と出力軸12の回転数とが等しい場合は、第1カップリング部30及び第2カップリング部40のアウタープレート13(13a,13b)の回転数とインナープレート14(14a,14b)の回転数が等しく、プロペラシャフト7のトルクは後輪W3,W4には伝達されない。これにより、車両は二輪駆動(前輪駆動)により走行する。
一方、前輪W1,W2がスリップしてハウジング11と出力軸12に差回転が生じた場合は、第1カップリング部30及び第2カップリング部40のアウタープレート13とインナープレート14とに差動回転が生じ、その回転差に応じて第1カップリング部30の作動室16a内及び第2カップリング部40の作動室16b内の作動油(粘性流体)にせん断力が発生する。このせん断力により、プロペラシャフト7からハウジング11に伝達されたトルクが出力軸12に伝達されるとともに、リアデフ8を介して後輪W3,W4に伝達される。これにより、車両は四輪駆動状態になる。
本実施形態のビスカスカップリング10は、同一のトルク特性を有する第1カップリング部30と第2カップリング部40を駆動力(トルク)の伝達方向に対して直列に配置し、第1カップリング部30の第1インナープレート群14aと第2カップリング部40の第2アウタープレート群13bとを慣性質量を有するイナータ部材25で連結し、第1インナープレート群14aと第2アウタープレート群13bが一体に回転するように構成している。これにより、ビスカスカップリング10全体の入力回転と出力回転との差動(差回転)に対して、第1、第2カップリング部30、40の差動が共に1/2となるようにしている。したがって、下記で詳細に説明するように、差回転に対するトルク線形領域を使用してビスカスカップリング10のトルク特性を改善できるので、タイトターンブレーキングの抑制、及び定常走行でビスカスカップリング10に生じる引き摺りトルクの低減など図ることができる。
次に、ビスカスカップリング10が伝達する定常トルク特性について説明する。図3は、ビスカスカップリング10の作動油のせん断速度と動粘度との関係を示す図である。同図に示すように、作動油(作動室16の封入油)にシリコンオイルを使用したビスカスカップリングでは、シリコンオイルのせん断速度による動粘度が非ニュートン粘性のため、ビスカスカップリングの差回転に対する出力トルクの特性が線形にならないことで知られている。これは、静粘度が高いシリコンオイル程、差回転に対する動粘度が低下し、合わせてトルク上昇も小さくなる現象である。すなわち、図3のグラフに示すように、静粘度(せん断速度0での動粘度)が高いシリコンオイルの特性(一点鎖線で示す特性)では、せん断速度が高くなるにつれて動粘度が低下する傾向を有する。これに対して、静粘度(せん断速度0での動粘度)が低いシリコンオイルの特性(実線で示す特性)では、せん断速度が変化しても動粘度がほぼ一定の傾向を有している。
なお、ビスカスカップリングの入力差回転に対する発生トルクを線形に近づける手法として、低粘度オイルに対してプレート枚数の増加で出力トルクを確保する手法が挙げられる。しかしながら、その手法では、ビスカスカップリングの重量増加及びユニットサイズの拡大などを招いてしまう。
そこで、本実施形態のビスカスカップリング10では、第1カップリング部30と第2カップリング部40とを直列に配置して、それらの間をイナータ部材25で連結している。このイナータ部材25に、第1カップリング部30の第1インナープレート群14aと第2カップリング部40の第2アウタープレート群13bとを固定している。これにより、各々のカップリング部30,40の入力回転数がビスカスカップリング10の入力回転数に対して半減する(1/2となる)ように構成している。したがって、ビスカスカップリング10(第1カップリング部30及び第2カップリング部40)の作動油として高粘度オイルを用いることで小型化・軽量化を図る場合でも、作動油のニュートン粘性領域を使用可能となる。よって、ビスカスカップリング10の定常使用領域では、発生トルク(伝達トルク)を低く抑えることができるため、車両の走行抵抗の低減を図ることができ、タイトターンブレーキ現象の発生を抑制できる。
また、イナータ部材25は、回転方向の慣性力を生じるウエイト(慣性質量体)としての機能を兼ね備えている。そのため、ビスカスカップリング10の入力回転数の変動に応じてビスカスカップリング10のトルク特性を変化させる作用を有している。
また、イナータ部材25に第2カップリング部40を押圧可能なピストン27を設けたことで、車両の加速度や傾斜角に応じた前後方向の慣性力が作用した場合に当該ピストン27で第2カップリング部40が押圧されることで、第2カップリング部40のプレート間(第2アウタープレート群13bの各プレートと第2インナープレート群14bの各プレートとの間を指す、以下同じ。)のクリアランスを変化させることができる。これにより、第2カップリング部40及びビスカスカップリング10全体の伝達トルク特性を可変させることができる。
図4は、ビスカスカップリング10におけるピストン27の動作を説明するための図で、(a)は、ピストン27の非作動状態、(b)は、ピストン27の作動状態を示す図である。なお、図4には、ビスカスカップリング10のトルク伝達経路を一点鎖線で併記している。車両が平地路面(勾配が無いか極めて小さい路面をいう、以下同じ。)を走行している場合や、加速・減速状態以外の場合には、車両の慣性力が所定以下となる通常の走行状態である。このような通常の走行状態では、ピストン27に車両の進行方向(前後方向)の慣性力が作用しないか又は作用する慣性力が小さい。そのため、この状態では、図4(a)に示すように、ピストン27は、コイルバネ28の付勢力(引張力)で第1カップリング部30側の初期位置(非作動位置)にあり、第2カップリング部40に押圧力を付与していない状態である。したがって、第2カップリング部40では、プレート間のクリアランスが狭められていない状態であり、ビスカスカップリング10では、第1カップリング部30のトルク伝達特性と第2カップリング部40のトルク伝達特性とが等しい状態になっている。
その一方で、車両が勾配路を走行している場合や加速状態の場合には、ピストン27に車両の進行方向で後向きの慣性力が作用する。そのため、図4(b)に示すように、ピストン27は、コイルバネ28の付勢力(引張力)に抗して第2カップリング部30側の作動位置へ移動することで、第2カップリング部40に押圧力を付与する状態となる。これにより、第2カップリング部40では、プレート間のクリアランスが狭められ、第2カップリング部40のトルク伝達特性が変化する。
図5は、ビスカスカップリング10の差回転(入出力差回転)と伝達トルクとの関係を示すグラフである。同図のグラフには、定常時のトルク特性S1と、ピストン27による第2カップリング部40の押圧時(加圧時)のトルク特性S2とを示している。なお、加圧時のトルク特性S2は、ピストン27による最大加圧時のトルク特性である。ビスカスカップリングでは、一般的に、プレート間のクリアランスを狭めることによって、伝達トルクが高くなる。これに対して、本実施形態のビスカスカップリング10では、ピストン27の作動で第2カップリング部40のプレート間のクリアランスを狭めることが可能である。これにより、第2カップリング部40の差動に対する発生トルクが高くなることで、定常時の伝達トルク特性S1と比較して、加圧時の伝達トルク特性S2では、同じトルクを出力するために必要な入出力差回転が小さくなる。結果として、ピストン27の作動によって、ビスカスカップリング10の入力差回転に対する伝達トルクがより大きくなるようなトルク特性に変化させることが可能となる。すなわち、車両の加速度や勾配の程度に応じてピストン27にかかる慣性力が変化することで、カップリング機構40のトルク特性は、図5(a)に示す定常時のトルク特性S1と加圧時(最大加圧時)のトルク特性S2との間で変化する。
つまり、登坂路の走行など後輪(従動輪)W3,W4の駆動力を必要とする状況において、ビスカスカップリング10の伝達トルクを一時的に上昇させることが可能である。その後、定常状態や平坦路での走行になった場合には、ピストン27に加わる加速側の慣性力による軸方向の力が弱まる。そのため、コイルバネ28による復元力もしくは減速加速度側の慣性力によりピストン27が押し戻されて初期位置へ戻り、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性が加圧時の伝達トルク特性S2から定常時の伝達トルク特性S1に切り替わる。以下、車両の各走行状態におけるビスカスカップリング10の過渡トルク特性について詳細に説明する。
(1)乾燥路及び雪上での走行時
乾燥路及び雪上での通常走行時には、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性は、図5に示す定常時のトルク特性S1となる。一方、乾燥路及び雪上での登坂走行時及び急加速時は、イナータ部材25のピストン27が慣性力で第2カップリング部40側へ付勢されることで、第2カップリング部40が加圧されて伝達トルクが上昇する。これにより、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性が定常時のトルク特性S1から加圧時のトルク特性S2に変化する。これにより、ビスカスカップリング10の伝達トルクを一時的に上昇させることで、車両の走破性能を確保することを可能としている。
(2)前後スプリットμ路での発進時
図6は、前後スプリットμ路(前輪W1,W2が踏む路面の摩擦係数が後輪W3,W4が踏む路面の摩擦係数よりも小さい路面をいう。)での発進時について説明するための図で、(a)は、ビスカスカップリング10の入力差回転と、第1、第2カップリング部30,40の差回転と、入出力トルクの時間変化を示すグラフであり、(b)は、ビスカスカップリング10の入力トルクT1及び出力トルクT2を示す車両の模式図である。
図5のグラフに示すように、前後スプリットμ路での発進時に、第1カップリング部30からの入力負荷に対して角加速度が大きい場合は、イナータ部材25による回転方向の慣性抵抗が作用することで、第1カップリング部30の入力差回転に対して、第2カップリング部40の入力差回転を低く抑えることができる。そのため、ビスカスカップリング10の伝達トルクの一時的な上昇(過渡トルク状態)を制限することが可能となる。これにより、リアデフ8の保障強度を下げることができる。
(3)低μ路でのブレーキング時
図7は、低μ路(比較的に低摩擦係数の路面をいう。)での走行中のブレーキング時について説明するための図で、(a)は、ブレーキフラグ(ブレーキのオンオフ)と、ビスカスカップリング10の入出力トルクと、前後輪車輪速及び推定車体速の時間変化を示すグラフであり、(b)は、ビスカスカップリング10の入力トルクT1及び出力トルクT2を示す車両の模式図である。
低μ路での走行中のブレーキング時には、前輪W1,W2の回転数の大幅な低下(落ち込み)による減速トルクが大きくなる。そして、単一のカップリング部のみを備えた従来のビスカスカップリングでは、後輪W3、W4の回転数が前輪W1,W2の回転数に同期して落ち込むことでカスケードロックを誘発する可能性が高い。これに対して、本実施形態のビスカスカップリング10では、イナータ部材25の回転方向の慣性力が第1カップリング部30から第2カップリング部40へ伝達される減速側の差回転に抵抗するように作用する。そのため、図7(a)に示すように、第2カップリング部40の減速トルクを効果的に低減することが可能となる。また、前輪W1,W2の車輪速が後輪W3,W4の車輪速に引き摺られて落ち込むことを抑制できる。これらにより、カスケードロックを防止することができる。また、ブレーキング時に車両にかかる減速加速度によって、イナータ部材25のピストン27が初期位置(非作動位置)へ復帰する。そのため、車両の加速中であってもブレーキが作動したときには、瞬時にビスカスカップリング10の伝達トルク特性を定常時のトルク特性S1に切り替えて伝達トルクを低減することが可能である。
(4)タイトターンブレーキング時
図8は、タイトターンブレーキング時について説明するための図で、(a)は、アクセルフラグ(アクセルのオンオフ)、ビスカスカップリング10(VC)のトルク(伝達トルク)、車体速の時間変化を示すグラフであり、(b)は、ビスカスカップリング10の入力トルク及び出力トルクを示す車両の模式図である。なお、同図(a)のグラフには、本実施形態のビスカスカップリング10のデータ(実線)と、従来構成のビスカスカップリングのデータ(一点鎖線)とを併記している。本実施形態のような主駆動輪(前輪W1,W2)と副駆動輪(後輪W3,W4)を有する四輪駆動車両では、転舵時の前後輪の旋回半径差によって前後差回転が発生する。そのため、従動輪が4WDトルクで引き摺られるタイトターンブレーキング現象が起こる。このタイトターンブレーキング現象は、アクセルオフの際などに減速感を顕著に伴う事象である。
これに対して、本実施形態のビスカスカップリング10では、車両の減速に伴う回転軸7の回転数減少に対して、イナータ部材25の慣性力(回転方向の慣性力)が回転数の減少を抑制する方向(回り続けようとする方向)へ作用する。そのため、図8(a)のグラフに示すように、アクセルオフ時のビスカスカップリング10の伝達トルク(負荷トルク)を低減することができる。これにより、車体の減速加速度を緩和してタイトターンブレーキング現象を抑制できる。また、ビスカスカップリング10の引き摺りトルクを低減することで、車両の空走距離(アクセルオフ後の走行距離)及び空走時間を延ばすことができる。また、タイトターンブレーキング時には、通常のブレーキング時と同様に、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性は、定常時のトルク特性S1に切り替わる。そのため、ビスカスカップリング10での引き摺りトルクを低減できる。
以上説明したように、本実施形態の四輪駆動車両が備えるビスカスカップリング10では、第1カップリング部30と第2カップリング部40との2つのカップリング部をトルク伝達方向(プロペラシャフト7の軸方向)に沿って直列に配置し、それらの間をイナータ部材25で連結したことで、ビスカスカップリング10に入力される差回転数に対して、第1カップリング部30及び第2カップリング部40に入力される差回転を半減することができる。これにより、ビスカスカップリング10の作動油に高粘度の作動油を用いて小型・軽量化した際にも、作動油のニュートン粘性領域を使用可能となる。したがって、定常使用領域で発生するトルクを低く抑えることができるため、走行抵抗の低減を図ることができ、タイトターンブレーキ現象を防止できる。
また、上記のイナータ部材25は、第2カップリング部40を押圧するためのピストン27と、連結部25cとピストン27との間に介在するコイルバネ28とを備える。そして、車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、ピストン27がコイルバネ28の付勢力に抗して第2カップリング部40側に向かって移動して、該第2カップリング部40の第2アウタープレート群13b及び第2インナープレート群14bに積層方向への押圧力を付与するように構成している。
この構成によれば、車両の加速度や傾斜角に応じた前後方向の慣性力がピストン27に作用することで、該ピストン27で第2カップリング部40が押圧される。これにより、車両の加速度や傾斜角に応じて、第2カップリング部40のプレート間のクリアランスを変化させることで、第2カップリング部40及びビスカスカップリング10全体の伝達トルク特性を可変させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ビスカスカップリング10が備える複数のカップリング部として、第1カップリング部30と第2カップリング部40の二つのカップリング部を備える場合を示したが、これ以外にも、更に他のカップリング部を含む三つ以上のカップリング部を備えてもよい。
また、上記実施形態では、ビスカスカップリング10が備える第1カップリング部30と第2カップリング部40は、互いが等しい伝達トルク特性を有するものであるが、本発明にかかる第1、第2カップリング部は、必ずしも互いが等しい伝達トルク特性を有する必要はなく、互いが異なる伝達トルク特性を有するものであってもよい。
また、本発明にかかるカップリング装置が備えるイナータ部材は、車両の加速度や傾斜角又は回転軸の回転速度の変化に応じてカップリング装置のトルク特性を変化させることが可能な構成であれば、その具体的な形状等は、上記実施形態に示すものには限定されず、他の形状等であってもよい。
1 四輪駆動車両
2 駆動力伝達経路
3 エンジン(駆動源)
4 トランスミッション
5 フロントデフ
6,6 フロントドライブシャフト
7 プロペラシャフト(回転軸)
8 リアデフ
9,9 リアドライブシャフト
10 ビスカスカップリング(カップリング装置)
11 ハウジング
12 出力軸
13(13a,13b) アウタープレート群
14(14a、14b) インナープレート群
16(16a,16b) 作動室
25 イナータ部材
25a 内径部(第1部材)
25b 外径部(第2部材)
25c 連結部(第3部材)
25d フランジ部
27 ピストン(押圧部材)
28 コイルバネ(付勢手段)
29 シール部材
30 第1カップリング部
40 第2カップリング部
W1,W2 前輪
W3,W4 後輪

Claims (1)

  1. 駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する駆動力伝達経路における前記駆動源と前記副駆動輪との間に配置された四輪駆動車両のカップリング装置であって、
    前記駆動源と前記副駆動輪との間に設けた回転軸と、
    前記回転軸の前記駆動源側に接続されたハウジングと、前記回転軸の前記副駆動輪側に接続された出力軸と、
    前記ハウジング内で前記駆動源側から前記駆動輪側に向かって直列に配置された第1カップリング部及び第2カップリング部と、
    前記第1カップリング部と前記第2カップリング部との間で前記出力軸周りに回転可能に設置された慣性質量を有するイナータ部材と、を備え、
    前記イナータ部材は、前記第1カップリング部の一部を構成する第1部材と、前記第2カップリング部の一部を構成する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを連結してなる第3部材と、前記第3部材の前記第1部材と連結される側の端部から前記第2部材の方向に延設される第4部材と、
    を一体に備え、
    前記第1カップリング部は、前記ハウジングと前記第1部材との間に画成した作動油を充填してなる第1作動室を備え、前記ハウジングの内面に結合された第1アウタープレート群の各プレートと前記第1部材に結合された第1インナープレート群の各プレートとを前記第1作動室内で前記回転軸の軸方向に沿って交互に配列した構成であり、
    前記第2カップリング部は、前記第2部材と前記出力軸との間に画成した作動油を充填してなる第2作動室を備え、前記第2部材に連結された第2アウタープレート群の各プレートと前記出力軸に連結された第2インナープレート群の各プレートとを前記第2作動室内で前記軸方向に沿って交互に配列した構成であり、
    前記イナータ部材は、前記第2カップリング部を押圧するための押圧部材と、前記第3部材と前記押圧部材との間に介在する付勢手段と、を備え、
    車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、前記押圧部材が前記付勢手段の付勢力に抗して前記第2カップリング部側に向かって移動して、該第2カップリング部の前記第2アウタープレート群及び前記第2インナープレート群に積層方向への押圧力を付与するように構成し、
    前記イナータ部材の前記第1部材は、前記第1作動室の内径側に設置された筒状部分であり、
    前記第2部材は、前記第2作動室の外径側に設置された前記第1部材よりも大径の筒状部分であり、
    前記第3部材は、前記第1カップリング部と前記第2カップリング部との間で前記第1部材から前記第2部材に向かって径方向に延びる平板状の部分であり、
    前記第4部材は、前記第1カップリング部と前記第2カップリング部との間で前記出力軸の外周面に沿って延びる筒状の部分であり、
    前記押圧部材は、前記第2部材と前記第4部材とにガイドされて軸方向に進退移動可能に設置され、
    前記押圧部材と前記第2部材及び前記第4部材との間には、シール部材が設置されてい
    ことを特徴とする四輪駆動車両のカップリング装置。
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