JP2002293150A - 4輪駆動車の制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の制御装置

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JP2002293150A
JP2002293150A JP2001100035A JP2001100035A JP2002293150A JP 2002293150 A JP2002293150 A JP 2002293150A JP 2001100035 A JP2001100035 A JP 2001100035A JP 2001100035 A JP2001100035 A JP 2001100035A JP 2002293150 A JP2002293150 A JP 2002293150A
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wheel
wheel drive
wheels
torque
drive state
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JP2001100035A
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English (en)
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Toshio Fumoto
寿男 麓
Hideji Hiruta
秀司 昼田
Hiroshi Takagi
宏 高木
Hiroto Kono
裕人 河野
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪駆動状態での急発進時に発生するタイヤ
ジャダの解消を課題とする。 【解決手段】 ジャダは、車輪がスリップするほどにエ
ンジン10から出力される駆動トルクが大きいこと、前
後輪の応答遅れ時間差に比して一方の車輪側トルクの立
ち上がりが急となり、その一方の車輪だけが先にスリッ
プするほどに駆動トルクの増加率が大きいこと、その結
果として全車輪がスリップすることで発生するから、ス
ロットル開度センサ62で検出されるスロットル開度が
所定値以上であり、スロットル開度の増加率が所定値以
上であり、車輪角加速度センサ61a〜61dで検出さ
れる車輪角加速度が全車輪で所定値以上であるときは、
ジャダが発生しているか、あるいは発生する可能性が高
いと判断して、4輪駆動状態を禁止し、2輪駆動状態に
切り換えるコントロールユニット60を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は4輪駆動車、詳しく
は、2輪駆動状態と4輪駆動状態とが切換可能に構成さ
れた4輪駆動車の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、4輪駆動車では、エンジ
ンからの駆動トルクがトランスファ(動力分配装置)で
前後輪に分配され、駆動輪のスリップ抑制、および走行
安定性や走破性の向上が図られる。また多板クラッチを
用いた可変トルク分配装置を備えたものでは、該クラッ
チの締結力を制御することにより前後輪へのトルク分配
を変化させることができる。さらに上記クラッチを解放
することにより前輪側駆動系(動力伝達系)と後輪側駆
動系とを切断して2輪駆動状態を達成することができ、
逆に上記クラッチを締結することにより両駆動系を接続
して4輪駆動状態を達成することができる。一般に、2
輪駆動状態のときに駆動輪がスリップすると4輪駆動状
態に切り換えて各駆動輪が負担するトルクを減少させ
る。同様に、4輪駆動状態のときにいずれかの駆動輪が
スリップすると該駆動輪が負担するトルクが減少するよ
うにトルク分配を変化させる。
【0003】特開平9−52539号公報には、前後輪
の回転数差に基いてトルク分配をフィードバック制御す
る場合において、トルク分配を変化させるためにクラッ
チの締結力を変化させたときに、上記フィードバック制
御にハンチングが生じることが記載されている。すなわ
ち、クラッチの締結力を変化させてから実際に車輪がそ
の変化したトルクを受けて路面を蹴って回転するまでに
応答遅れが生じ、しかもその応答遅れ時間が前輪と後輪
とで異なるから、前輪の回転変化と後輪の回転変化とが
時間的にずれて起こる。その結果、前輪の回転数が極小
値となったり極大値となったりするタイミングと、後輪
の回転数が極小値となったり極大値となったりするタイ
ミングと、したがって前後輪の回転数差が極小値となっ
たり極大値となったりするタイミングとが相互に一致せ
ず、フィードバック制御にハンチングが生じるというも
のである。
【0004】そこで、同公報には、トルク分配の変化速
度(クラッチ締結力の変化速度)を状況に応じて小さく
したり大きくしたり変更する技術思想が開示されてい
る。変化速度を小さくすれば、車輪の回転変化が緩やか
となり、先に生じる車輪の回転変化を後で生じる車輪の
回転変化に接近させることができて、上記各タイミング
が相互に接近し、上記ハンチングの発生が抑制される。
変化速度を大きくすれば、車輪の回転変化が急となり、
旋回走行時の前後輪の回転数差を十分に吸収させること
ができて、タイトコーナブレーキ現象の発生が抑制され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者等は
上記従来技術を用いても対処することのできないジャダ
が所定の運転状態において発生することを見出した。図
6を参照してその発生メカニズムを説明する。いま4輪
駆動状態での発進時を考え、時刻t0にアクセルペダル
が急激に大きく踏み込まれたとする。前述したように動
力伝達系に生じる応答遅れ時間の相違のために前輪と後
輪とで駆動トルクの到達時刻が異なる。この応答遅れ
は、より具体的には、例えばギヤのバックラッシュやプ
ロペラシャフトの捩じれ剛性等、駆動系を構成する部材
の機械的構造的理由に主として起因する。そして、その
ようなあそびやガタの程度およびその累積値が異なるこ
とで応答遅れ時間が相違する。
【0006】前輪と後輪のいずれに早くエンジンの駆動
トルクが伝達されるかはエンジンの位置や各駆動系の構
造による。いまFF(フロントエンジン・フロントドラ
イブ)車を例にとる。FF車では、一般に、常時駆動輪
である前輪側駆動系でガタが小さくなり、2輪駆動時に
は従動輪となる後輪側駆動系でガタが大きくなる。した
がって、前輪に早くトルクが伝わり、それより遅れて後
輪にトルクが伝わる。図6において、実線を前輪側トル
クの挙動、点線を後輪側トルクの挙動とし、時刻t1を
前輪にトルクが到達した時刻、時刻t2を後輪にトルク
が到達した時刻とする。
【0007】ここで、アクセルペダルが急激に(短時間
のうちに)踏み込まれているから、前輪と後輪との応答
遅れ時間差に比べて前輪側トルクの立ち上がりが急とな
り、その結果、後輪側トルクがまだ小さいうちに(符号
g)前輪側トルクが相当大きくなる(符号a)。しかも
アクセルペダルが大きく踏み込まれているから、伝達さ
れる駆動トルクも過大となり、したがって前輪と路面と
の接点に働く駆動力Fが過大となって、該駆動力Fが、
駆動力Fの反力としての路面摩擦力(μ×W:μは路面
摩擦係数、Wはタイヤにかかる接地荷重)より大きくな
って(F>μ×W)、前輪がスリップし始める(符号
b)。
【0008】車輪がスリップすると、図7に矢印kで示
すように、スリップ量の増大に伴って路面摩擦係数μが
低下する。その結果、前輪側トルクが減少し始める(符
号c)。この前輪側トルクが減少し始める頃、遅れて伝
わってきた後輪側トルクが増大基調にある(符号h)。
したがって前輪側トルクはますます減少する(符号
d)。その結果、図7に矢印mで示すように、前輪のス
リップ量はある値をピークに(符号n)下がりつづけ、
路面摩擦係数μは再び回復する。
【0009】そして、前輪の駆動力Fが路面摩擦力(μ
×W)以下となったときに(F≦μ×W)、前輪のスリ
ップが終了する(符号e,o)。その結果、前輪側トル
クが再び増大し始める(符号f)。この前輪側トルクが
増大し始める頃、今度は後輪がスリップして(符号
i)、その路面摩擦係数μが低下し、後輪側トルクが減
少し始める(符号j)。
【0010】このようにして、トルク増大、スリップ発
生、トルク減少、スリップ終了、トルク増大、…という
サイクルが、以下、前輪側と後輪側とで交互に繰り返し
行われる。このトルク変動は前輪側と後輪側とでトルク
の増減傾向が反対となり相互に増長しあうから発散し収
束することがない。そして、このトルク変動の周期と動
力伝達系ないしサスペンションの固有振動数とが同期し
て自励振動(共振)が起こり、トルク変動がますます増
加していくことになる。そして、車両は前後輪いずれか
が常にスリップしていて発進できず、また激しい振動に
より駆動系の構成部材の耐久性や信頼性が損なわれる。
【0011】このジャダの発生に対してトルク分配の変
化速度を小さくしたり大きくしたり変更する上記の従来
技術は機能しない。つまり、このジャダは、アクセルペ
ダルの最初の踏み込み速度(前輪側駆動トルクの最初の
立ち上がり速度)と、後輪側駆動系の応答遅れ時間との
関係が、ある所定の条件に当てはまったときに、前輪側
と後輪側とでトルクの増減傾向がちょうど裏返しのタイ
ミングで同期することにより発生するものであって、別
段クラッチの締結力を制御して前後輪へのトルク分配を
変化させるようなことはしておらず、したがって該トル
ク分配の変化速度を小さくしたり大きくしたり変更して
も収束できるものではない。
【0012】本発明者等は、上記ジャダの発生回避を目
的に鋭意検討を重ね、該ジャダの発生原因を詳細に分析
して本発明を完成したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明は、2輪駆動状態と4輪駆動状態とが切
換可能に構成された4輪駆動車の制御装置であって、ス
ロットル開度に関連する値を検出するスロットル開度関
連値検出手段と、車輪角加速度を検出する車輪角加速度
検出手段と、上記スロットル開度関連値検出手段で検出
されるスロットル開度関連値が所定値以上であり、該ス
ロットル開度関連値の増加率が所定値以上であり、かつ
上記車輪角加速度検出手段で検出される車輪角加速度が
全車輪で所定値以上であるときは、4輪駆動状態を禁止
する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、車速を検出する車速検出手
段を備え、制御手段は、該車速検出手段で検出される車
速が所定値以下であるときに、4輪駆動状態を禁止する
ことを特徴とする。
【0015】前述のように、上記ジャダは、前輪側およ
び後輪側でいずれもスリップ・グリップが繰り返し起こ
り、その結果、トルクの増大・減少が繰り返し起こり、
しかも相互にちょうど反対のタイミングで同期して交互
に繰り返し起こって、その結果、前輪側のトルク変動と
後輪側のトルク変動とが相互に発散する方向に増長し合
う現象である。このことから、まず、スリップが起こら
なければこのジャダは発生しない。また、たとえスリッ
プが起こっても前輪または後輪のいずれか一方だけで起
こっているうちはジャダは発生しない。また、たとえ全
車輪でスリップが起こってもその全車輪のスリップがほ
ぼ同時に起こっているうちはジャダは発生しない。
【0016】つまり、図6からも明らかなように、ジャ
ダ発生の条件は、車輪がスリップするほどに駆動トルク
が大きいこと、しかも前後輪の応答遅れ時間差に比して
一方の車輪側トルクの立ち上がりが急となり、その一方
の車輪だけが先にスリップするほどに駆動トルクの増加
率が大きいこと、かつ、その結果として全車輪がスリッ
プすることである。
【0017】したがって、本発明のように、スロットル
開度関連値(例えば、スロットル開度そのもの、あるい
はアクセルペダルの踏み込み量、あるいはエンジンから
出力される駆動トルク等を挙げることができる)が所定
値以上であり、該スロットル開度関連値の増加率が所定
値以上であり、かつ車輪角加速度が全車輪で所定値以上
であるときは、上記ジャダが発生しているか、あるいは
発生する可能性の高いときであるから、そのときは4輪
駆動状態を禁止して該ジャダの発生を確実に回避するの
である。4輪駆動状態を禁止すれば、少なくとも従動輪
となった車輪のスリップがなくなり、トルク変動が起こ
らず、ジャダに至らない。
【0018】なお、4輪駆動状態を禁止したのちは、運
転者がアクセルペダルを踏み続けているとすれば、前輪
または後輪のいずれかの駆動輪だけがスリップを続ける
ことになる。そして、例えば、所定時間経過後に再び2
輪駆動状態から4輪駆動状態に切り換えれば、その4輪
駆動状態への切り換えのタイミングで偶然運転者が急激
なアクセル操作をしたというような場合を除き、一般的
な4輪駆動車の機能が働いて、スリップが抑制され、ジ
ャダが発生することなく車両が発進することになるであ
ろう。
【0019】また、アクセルペダルの踏み込み量が同じ
でも、路面摩擦係数μが低いときは高いときに比べてス
リップが起き易く、その結果、上記ジャダが発生する確
率が高くなる。したがって、ジャダ発生原因の1つに路
面摩擦係数μが低いことを追加してもよい。
【0020】ここで、上記ジャダは、発進時に限らず、
高μ路を通常に安定走行していたときに、低μ路に差し
掛かり、そのとき偶然運転者がアクセルペダルを大きく
急激に踏み込んだというような場合にも、前述の発生条
件が揃うから、発生する可能性がある。もっとも、アク
セルペダルを大きく急激に踏み込むのは、走行中よりも
発進時に多くみられる傾向であるから、上記請求項2に
記載の発明のように、車速が低車速で発進時であると判
断されるときに限って4輪駆動状態禁止動作を行なうよ
うにしても、本発明の効果は十分奏される。以下、発明
の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】[全体構成]図1に示すように、
本実施の形態に係る4輪駆動車1は、エンジン10が車
体前部のエンジンルーム内で出力軸11が車幅方向に延
びるように横置き配置されたFF形式のものである。エ
ンジン出力軸11はトルクコンバータ12に連結され、
変速機13に接続されている。変速機出力軸の出力ギヤ
14とフロントデファレンシャル装置15のデフケース
のリングギヤ16とが噛合している。デファレンシャル
装置15から左右の前輪車軸17,18が延び、各車軸
17,18に左右の前輪駆動軸19,20が自在継手で
連結されている。したがって各駆動軸19,20に備え
られた図外の左右の前輪は、2輪駆動状態でも4輪駆動
状態でもエンジン10からの駆動トルクが伝達される常
時駆動輪となる。
【0022】デフケースの第2のリングギヤ21と車幅
方向に延びるトランスファ軸22の入力ギヤ23とが噛
合している。トランスファ軸22のベベルギヤ24と車
体前後方向に延びるトランスファ出力軸25のベベルギ
ヤ26とが噛合している。トランスファ出力軸25に2
つのプロペラ軸27,28および可変トルク分配装置と
してのトランスファクラッチ(カップリング装置)30
が自在継手で連結されている。クラッチ30から後方に
延びるギヤ軸31のベベルギヤ32とリヤデファレンシ
ャル装置33のデフケースのベベルギヤ34とが噛合し
ている。デファレンシャル装置33から左右の後輪車軸
35,36が延び、各車軸35,36に左右の後輪駆動
軸37,38が自在継手で連結されている。したがって
各駆動軸37,38に備えられた図外の左右の後輪は、
クラッチ30が解放された2輪駆動状態ではエンジン1
0からの駆動トルクが伝達されない従動輪となり、クラ
ッチ30が締結された4輪駆動状態ではエンジン10か
らの駆動トルクが伝達される駆動輪となる。
【0023】ここで、常時駆動輪である前輪側の駆動系
は短く、ガタが小さいから、エンジン10からの駆動ト
ルクは早く伝達される。一方、2輪駆動時には従動輪と
なる後輪側の駆動系は長く、ガタが大きいから、エンジ
ン10からの駆動トルクは遅れて伝達される。
【0024】[トランスファクラッチ]図2に示すよう
に、クラッチ30は、前輪側すなわち入力側のプロペラ
軸28と連結したケーシング41と、後輪側すなわち出
力側のギヤ軸31と連結したシャフト42とを備え、パ
イロットクラッチ部30Aとメインクラッチ部30Bと
を有する。パイロットクラッチ部30Aは、電磁コイル
43と、ケーシング41に備えられた多数の入力側パイ
ロット摩擦板44…44およびアーマチュア45と、シ
ャフト42に遊嵌合されたパイロットカム体46と、該
カム体46に備えられた多数の出力側パイロット摩擦板
47…47とを含む。メインクラッチ部30Bは、シャ
フト42に備えられ、上記パイロットカム体46と多数
のボール48…48を挟んで係合するメインカム体49
と、同じくシャフト42に備えられた多数の出力側メイ
ン摩擦板と50…50、ケーシング41に備えられた多
数の入力側メイン摩擦板51…51とを含む。
【0025】電磁コイル43に電流を印加しないとき
は、パイロットクラッチ部30Aおよびメインクラッチ
部30Bのいずれにおいても摩擦板44,47:50,
51同士が接触せず、入力側のケーシング41から出力
側のシャフト42へエンジン10からの駆動トルクが伝
達されることはない。つまり前輪のみが駆動輪となる2
輪駆動状態が達成される。このとき両カム体46,49
はフリーで、図3に示したように、両カム体46,49
の対向面に形成された凹部46a,49aにボール48
…48が収まっている。
【0026】これに対し、電磁コイル43に電流を印加
したときは、図2に符号アで示すように、コイル43回
りに磁界が形成され、アーマチュア45が電磁コイル4
3側に吸引されて、符号イで示すように、パイロット摩
擦板44,47同士が押圧される。その結果、パイロッ
トクラッチ部30Aに摩擦トルク(パイロットトルク)
が発生し、図4に符号ウで示すように、パイロットカム
体46が回転して、ボール48…48がメインカム体4
9を軸方向エに押圧する。すなわちパイロットトルクが
軸方向の力に変換され、かつ増幅されてメインクラッチ
部30Bに伝達される。するとメイン摩擦板同士50,
51が押圧され、メインクラッチ部30Bに大きな摩擦
トルク(メイントルク)が発生して、図2に符号オで示
すように、入力側のケーシング41から出力側のシャフ
ト42へ動力が伝達される。つまり前輪に加えて後輪も
駆動輪となる4輪駆動状態が達成される。そして、4輪
駆動状態において、前輪と後輪との駆動トルクの分配が
印加電流に応じて可変に制御される。
【0027】[コントロールユニット]図1に示すよう
に、この4輪駆動車1のコントロールユニット60は、
各車輪の車輪速度(車輪角加速度)を検出する車輪速セ
ンサ61a〜61dからの信号(例えばABS用の信号
を援用してもよい)、エンジン10の吸気通路に配置し
たスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度セ
ンサ62(他にもアクセルペダルの踏み込み量を検出す
るセンサであってもよい)からの信号、リヤデファレン
シャル装置33内の作動油の温度を検出するリヤデフ油
温センサ63からの信号等を入力し、その結果に基い
て、上記クラッチ30の電磁コイル43に印加する電流
の制御、すなわち2輪駆動状態と4輪駆動状態との切換
制御、および4輪駆動状態での前後輪への駆動トルク分
配制御等を行なう。
【0028】なお、コントロールユニット60は、上記
制御の際、車速も考慮に入れるが、車速は車輪速センサ
61a〜61dからの信号に基いて演算できる。もちろ
ん、車速を検出する車速センサを別途設けてもよい。
【0029】[制御動作]図5のフローチャートを参照
して、この4輪駆動車1の具体的制御動作の一例を説明
する。ステップS1で、上記各センサからの信号をはじ
めとする各種状態量を検出し、ステップS2で、ノーマ
ルモードでの駆動トルクを演算する。このノーマルモー
ドとは、次に判定する各モードのいずれにも該当しない
ときのモードである。ステップS3、ステップS5、…
で、モード1に該当するか、モード2に該当するか、…
を判定し、ステップS4、ステップS6、…で、該当す
るモードでの駆動トルクを演算する。しかるのち、ステ
ップS11で、上記の各演算された駆動トルクをベース
値として最終トルクを決定し、ステップS12で、該最
終トルクが出力されるようにエンジン10を制御する。
また、ステップS13で、各モードに応じたクラッチ3
0の制御(印加電流制御)を実行する。ここで、上記モ
ード1、モード2、…判定は、例えば、タイトコーナリ
ング判定、定常走行判定、タイヤジャダ判定、高油温判
定、異径タイヤ判定、カップリング信頼性保護判定等を
含む。
【0030】コントロールユニット60は、タイヤジャ
ダ判定において、(1)スロットル開度センサ62で検
出されるスロットル開度が所定値以上(駆動トルクが大
きく、車輪がスリップする)であり、(2)スロットル
開度の増加率が所定値以上(駆動トルクの増加率が大き
く、前後輪の応答遅れ時間差に比して前輪側トルクの立
ち上がりが急となり、前輪だけが先にスリップする)で
あり、(3)車輪速センサ61a〜61dで検出される
車輪角加速度(一定周期で行われるこの制御動作の1サ
イクル毎に車輪速度がサンプリングされることから車輪
角加速度が求められる)が全車輪で所定値以上(全車輪
がスリップしている)であり、かつ(4)車速が所定値
以下(発進時)であるときには、タイヤジャダが発生し
ているか、あるいは発生する可能性が高いと判断して、
4輪駆動状態を禁止する。つまりトランスファクラッチ
30の電磁コイル43への印加電流をゼロとして2輪駆
動状態に切り換える。これにより少なくとも従動輪とな
った後輪のスリップがなくなり、前後輪でスリップ・グ
リップが逆位相で同期することがなくなり、前輪側と後
輪側とでトルク変動が発散せず、タイヤジャダが確実に
解消または回避される。
【0031】[この4輪駆動車の特徴] (1)一般に、4輪駆動状態での発進時にタイヤジャダ
が発生すると、運転者は、そのジャダを感じて、また発
進しないことを感じて、いったんアクセルペダルの踏み
込みを中止するのが通例である。しかし、この4輪駆動
車1では、発進時のタイヤジャダを解消または回避でき
るから、運転者がアクセルペダルの踏み込みを中止する
ことなく踏み続けたままで、ジャダが消失する。そし
て、次に再び4輪駆動状態に切り換えたときに、通常の
4輪駆動機能が発揮されて、ジャダが発生することなく
発進可能となる。つまり、運転者がわざわざアクセル操
作をしなくとも安定した発進性が保たれる。
【0032】(2)タイヤジャダ判定において、車速を
考慮に入れないようにすると、高μ路を通常に安定走行
中に低μ路に入り、そのタイミングで運転者が偶然にも
アクセルペダルを大きく急激に踏み込んだというような
場合において発生し得るタイヤジャダが解消される。し
たがって、やはり運転者がわざわざアクセル操作をしな
くとも高い走行安定性が保たれる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
4輪駆動状態で発生するジャダが抑制でき、運転者の操
作負担の低減、駆動系構成部材の耐久性の担保、良好な
発進性の確保、4輪駆動車本来の良好な走行安定性・走
破性の維持等が図られる。本発明は、2輪駆動状態と4
輪駆動状態とが切換可能に構成された4輪駆動車一般へ
の幅広い利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る4輪駆動車の駆動
系を示す骨子図である。
【図2】 同駆動系上に備えられたトランスファクラッ
チの概略断面図である。
【図3】 同クラッチのカム体の動作図である。
【図4】 同じく動作図である。
【図5】 同4輪駆動車の具体的制御動作の一例を示す
フローチャートである。
【図6】 タイヤジャダー発生メカニズムを説明するタ
イムチャートである。
【図7】 スリップ量と路面摩擦係数との関係を表すグ
ラフ図である。
【符号の説明】
1 4輪駆動車 10 エンジン 30 トランスファクラッチ 60 コントロールユニット(制御手段) 61 車輪速センサ(車輪角加速度検出手段) 62 スロットル開度センサ(スロットル開度関連
値検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 宏 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 河野 裕人 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D036 GB05 GC03 GD08 GE04 GG05 GG24 GG33 GG40 GH18 GJ17 3D043 AA02 AB17 EA03 EA18 EA42 EB03 EB12 EE02 EE07 EF02 EF12 EF15 EF19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2輪駆動状態と4輪駆動状態とが切換可
    能に構成された4輪駆動車の制御装置であって、スロッ
    トル開度に関連する値を検出するスロットル開度関連値
    検出手段と、車輪角加速度を検出する車輪角加速度検出
    手段と、上記スロットル開度関連値検出手段で検出され
    るスロットル開度関連値が所定値以上であり、該スロッ
    トル開度関連値の増加率が所定値以上であり、かつ上記
    車輪角加速度検出手段で検出される車輪角加速度が全車
    輪で所定値以上であるときは、4輪駆動状態を禁止する
    制御手段とを備えることを特徴とする4輪駆動車の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 車速を検出する車速検出手段を備え、制
    御手段は、該車速検出手段で検出される車速が所定値以
    下であるときに、4輪駆動状態を禁止することを特徴と
    する請求項1に記載の4輪駆動車の制御装置。
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