JP5869460B2 - 四輪駆動車両のトルク伝達装置 - Google Patents
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Description
なお、上記で括弧内に記した参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素に付した符号を参考のために例示したものである。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態にかかるトルク伝達装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。同図に示す四輪駆動車両1は、車両の前部に横置きに搭載したエンジン(駆動源)3と、エンジン3と一体に設置したトランスミッション(変速機)4と、エンジン3からの駆動力を前輪W1,W2及び後輪W3,W4に伝達するための駆動力伝達経路2とを備えている。
(1)乾燥路及び雪上での走行時
乾燥路及び雪上での通常走行時には、車両の加速度が低く傾斜角も小さいため、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性は、ベーストルク特性LB(図6参照)となる。一方、乾燥路及び雪上での登坂走行時及び急加速時は、イナータ部材25にかかる慣性力でイナータ部材25が作動位置へ移動することで、ビスカスカップリング10の伝達トルクが上昇し、前輪W1,W2と後輪W3,W4のトルク配分の最適化が図られることで、車両の走破性の確保が可能である。
前後スプリットμ路(前輪W1,W2が踏む路面の摩擦係数が後輪W3,W4が踏む路面の摩擦係数よりも小さい路面をいう。)での発進時、特に、前輪W1、W2が低μ(低摩擦係数)路面にあるときの急発進では、ビスカスカップリング10に最も高い差動回転が入力して発生トルクが過大となる。しかしながら、車両の前後加速度が小さいため、イナータ部材25にかかる慣性力は小さい。そのため、ビスカスカップリング10の伝達トルクは、最大トルクラインL2(図6参照)には至らず、過大トルクの発生を抑制できる。したがって、リアデフ8の保障強度を下げることができる。
低μ路(比較的に低摩擦係数の路面をいう。)での走行中のブレーキング時には、前輪W1,W2の回転数の大幅な低下(落ち込み)による減速トルクが大きくなる。そして、従来のビスカスカップリングでは、後輪W3、W4の回転数が前輪W1,W2の回転数に同期して落ち込むことでカスケードロックを誘発する可能性が高い。これに対して、本実施形態のビスカスカップリング10では、イナータ部材25の減速側の慣性力がセットスプリング28の荷重(セット荷重)に対抗するように作用するため、プレート13,14への押付力が低減してベーストルク特性LBに対して更にトルク低減が可能となり、前後輪の締結力を弱めることができる。これにより、カスケードロックを防止でき、ABS制御干渉も抑制することが可能となる。
従来のビスカスカップリングを備えた四輪駆動車両では、転舵時の前後車輪旋回半径差で前後差回転が発生するため、副駆動輪の駆動トルク(4WDトルク)で車両が引き摺られるタイトターンブレーキング現象が起こる。このタイトターンブレーキング現象は、アクセルオフの際などに減速感を顕著に伴う事象である。これに対して、本実施形態のビスカスカップリング10を備えた四輪駆動車両では、図6に示すように、低差回転ではフリクションリング17の摩擦力は僅かであるため、最少トルクラインL1の近傍まで伝達トルクが低減する。これにより、車両の引き摺りトルクを抑制することができ、良好な走行感覚を得ることができる。また、転舵初期に引き摺りトルクによる減速加速度が発生したとしても、イナータ部材25の作用により発生トルクが低減するため、瞬時に減速加速度の緩和が可能となる。
次に、本発明の第2実施形態にかかる四輪駆動車両のトルク伝達装置について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。
(1)乾燥路及び雪上での走行時
乾燥路及び雪上での通常走行時には、加速度が低く傾斜角も小さいため、ビスカスカップリング10−2の伝達トルク特性は、定常時のトルク特性S1となる。一方、乾燥路及び雪上での登坂走行時及び急加速時は、イナータ部材25−2にかかる慣性力による作用でイナータ部材25−2が作動位置へ移動することで、ビスカスカップリング10−2の伝達トルクが作動時のトルク特性S2に向けて上昇する。これにより、前輪W1,W2と後輪W3,W4のトルク配分の最適化が図られることで、車両の走破性の確保が可能である。
駆動輪が低μ路面にある状態での急発進では、ビスカスカップリング10に高い差回転が入力されて発生トルクが過大となる。しかしながら、前後加速度が小さくイナータ部材25−2は作動位置へ移動しないため、ビスカスカップリング10の伝達トルク特性は、定常時のトルク特性S1のままである。したがって、過大トルク発生を抑制でき、リアデフ8の保障強度を下げることができる。
低μ路面でのブレーキング時には、イナータ部材25−2の慣性力が減速側差動に抵抗するよう作用するため、定常時のトルク特性S1に対して更に減速トルクの低減が可能となる。これにより、カスケードロックを防止できる。また、減速側の加速度によりイナータ部材25−2が非作動位置へ復帰するため、車両の加速中であっても瞬時に定常時のトルク特性S1への低減が可能である。
低μ路での走行中のブレーキング時には、車量の減速に対してイナータ部材25−2の慣性力(回転方向の慣性力)が作用することで、イナータ部材25−2が回転を継続しようとする。そのため、車両の減速加速度の緩和が可能となる。また、ブレーキング時と同様に、ビスカスカップリングのトルク特性は定常時のトルク特性S1の状態である。そのため、後輪W3,W4の引き摺りトルクを低減できる。
2 駆動力伝達経路
3 エンジン
4 トランスミッション
5 フロントデフ
6,6 フロントドライブシャフト
7 プロペラシャフト(回転軸)
8 リアデフ
9,9 リアドライブシャフト
10 ビスカスカップリング(トルク伝達装置)
11 ハウジング
12 出力軸
13 アウタープレート
14 インナープレート
14a 第1インナープレート
14b 第2インナープレート
14c 歯部
15 カバー部材
16 作動室
17 フリクションリング(摩擦部材)
18 セットリング
25 イナータ部材
25a 爪部
28 セットスプリング(付勢手段)
W1,W2 前輪(主駆動輪)
W3,W4 後輪(副駆動輪)
Claims (3)
- 駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する駆動力伝達経路における前記駆動源と前記副駆動輪との間に配置されたトルク伝達装置であって、
前記駆動源と前記副駆動輪との間に設けた回転軸の前記駆動源側に接続されたハウジングと、
前記回転軸の前記副駆動輪側に接続された出力軸と、
前記出力軸の外周側で軸方向にのみ相対移動可能に設置された慣性質量を有するイナータ部材と、
前記ハウジングと前記イナータ部材との間に画成した粘性流体を充填してなる作動室と、
前記イナータ部材を付勢する付勢手段と、を備え、
前記ハウジングに結合された複数のアウタープレートと前記イナータ部材に結合された複数のインナープレートを前記作動室内で前記回転軸の軸方向に沿って交互に配列した構成であり、
車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、前記イナータ部材が前記付勢手段の付勢力に抗して車両の後側の作動位置へ移動して、前記アウタープレートと前記インナープレートに積層方向への押圧力を付与することで、前記アウタープレートと前記インナープレートとのクリアランスが変化して、伝達トルク特性が変化するように構成した
ことを特徴とする四輪駆動車両のトルク伝達装置。 - 前記複数のインナープレートは、前記イナータ部材に係合しない第1インナープレートと、前記イナータ部材に係合する第2インナープレートとが交互に積層されており、
前記第1インナープレートと前記第2インナープレートとの間には、前記第1インナープレートと前記第2インナープレートを所定の摩擦力で摺接させる摩擦部材が介在しており、
前記第1インナープレートと前記第2インナープレートの差回転が大きくなる程、前記摩擦部材の摩擦力が大きくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車両のトルク伝達装置。 - 前記摩擦部材は、前記第1インナープレートと前記第2インナープレートの内径側の端部又はその近傍に設置された環状の部材である
ことを特徴とする請求項2に記載の四輪駆動車両のトルク伝達装置。
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