JP2014008787A - 四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置 - Google Patents

四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、かつ電子制御や手動操作などを行うことなく、車両の走行状態に応じて四輪駆動状態と二輪駆動状態との適切な切り替えが可能となる四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置を提供する。
【解決手段】
第1プロペラシャフト(7a)と一体に回転すると共に、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて生じる慣性力により軸方向に沿って移動可能なスリーブ(52)と、スリーブ(52)に設けたドグ歯(32)と第2プロペラシャフト(7b)側のガイド部材(41)に設けたドグ歯(42)とを有するドグクラッチ機構(55)と、を含み、車両の加速度又は走行勾配に応じてスリーブ(52)が移動することで、第1プロペラシャフト(7a)から第2プロペラシャフト(7b)に駆動力が伝達されない二輪駆動状態と、駆動力が伝達される四輪駆動状態との切り替えがなされるように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、四輪駆動車両における駆動源と副駆動輪との間の回転軸上に設置した駆動力伝達の有無を切り替える駆動力伝達切替装置に関する。
従来、駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する四輪駆動車両がある。四輪駆動車両には、車両の走行状態に応じてプロペラシャフトを介して駆動源から副駆動輪側に伝達される駆動力の伝達の有無を切り替える機構(2WD−4WD切替機構)が設けられている。このような機構として、電気的にクラッチのオンオフ制御を行うもの(特許文献1)や、駆動部品間の締結・解放の切り替えを手動で行うもの(特許文献2)などがある。これらの機構によれば、副駆動輪に駆動力が伝達される四輪駆動状態と、副駆動輪に駆動力が伝達されない二輪駆動状態とを車両の走行状態に応じて切り替えることができる。
しかしながら、特許文献1、2に記載の従来技術は、対応する制御回路を備えた電子制御ユニット(ECU)や、操作用のレバーなどの付帯物が必要となることで、車両の構造の複雑化や部品点数の増加、制御処理の煩雑化につながる。そのため、車両のコスト・重量・サイズ増を招くという問題がある。また、車速が所定以上の高速域では副駆動輪へのトルク伝達の必要性が減少するところ、電子制御により副駆動輪への駆動力伝達の有無を切り替えるもの以外は、高速域で副駆動輪に伝達される駆動力を適切に低減することができない、という問題もある。
特開2009−144779号公報 特開平2−60842号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、かつ電子制御や手動操作などを行うことなく、車両の走行状態に応じた副駆動輪への駆動力伝達の有無の切り替えが可能となる四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置を提供することにある。
本発明にかかる四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置は、駆動源(3)からの駆動力を主駆動輪(W1,W2)及び副駆動輪(W3,W4)に伝達する駆動力伝達経路(20)を有する四輪駆動車両において、駆動源(3)と副駆動輪(W3,W4)との間の回転軸(7)上に設置した駆動力伝達の有無を切り替える駆動力伝達切替装置(50)であって、駆動源(3)側の第1回転軸(7a)又は副駆動輪(W3,W4)側の第2回転軸(7b)のいずれかと一体に回転すると共に、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて生じる慣性力により回転軸(7)の軸方向に沿って移動可能な慣性部材(52)を含み、車両の加速度又は走行勾配に応じて慣性部材(52)が移動することで、第1回転軸(7a)から第2回転軸(7b)に駆動力が伝達されない二輪駆動状態と、第1回転軸(7a)から第2回転軸(7b)に駆動力が伝達される四輪駆動状態との切り替えがなされるように構成したことを特徴とする。
本発明にかかる四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置によれば、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて生じる慣性力によって慣性部材が移動することで、第1回転軸から第2回転軸に駆動力が伝達されない二輪駆動状態と、第1回転軸から第2回転軸に駆動力が伝達される四輪駆動状態との切り替えがなされるように構成したので、電子的な制御や手動操作による切り替えなどを行うことなく、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて副駆動輪への駆動力伝達の有無を自動的に切り替えることができる。したがって、駆動力伝達の切り替え制御を行うための制御回路を備えた電子制御ユニットや、操作用のレバーなどの付帯物を増設せずに済むことで、車両の構造の複雑化や部品点数の増加を回避しながらも、車両の走行状態に応じた副駆動輪への適切な駆動力伝達の切り替えが可能となる。また、電子制御によらずに、車速の高速域での四輪駆動状態から二輪駆動状態への自動的な切り替えが可能となる。したがって、車両の走行性能を向上させることができる。
また、慣性部材(52)は、第1回転軸(7a)上で軸方向に摺動可能に設置されており、駆動力伝達切替装置(50)は、慣性部材(52)に設けたドグ歯(32)と、第2回転軸(7b)側に固定した部材(41)に設けたドグ歯(42)とを備え、慣性部材(52)の移動によりドグ歯(32,42)同士の係合・非係合が切り替わるドグクラッチ機構(55)であってよい。
これによれば、慣性部材の移動によりドグ歯の係合・非係合を切り替える構成のドグクラッチ機構によって、簡単な構成でありながら、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて副駆動輪への駆動力伝達の有無を自動的に切り替えることができる機構を実現できる。また、ドグ歯同士の係合・非係合が切り替わるドグクラッチ機構によって駆動力伝達の有無の切り替えを確実に行うことが可能となる。
また、上記の駆動力伝達切替装置では、車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、慣性部材(52)が第2回転軸(7b)側に向かって移動し、慣性部材(52)のドグ歯(32)が第2回転軸(7b)側のドグ歯(42)に係合するようにしてよい。
この構成によれば、車両の従動輪側のトルクを必要とする登坂路での発進時などに、副駆動輪に駆動力が伝達される四輪駆動状態とすることができる一方、車両の定常走行時及び減速時には、副駆動輪に駆動力が伝達されない二輪駆動状態とすることができる。また、車両の減速時には二輪駆動状態となるので、低摩擦抵抗の路面(低μ路面)でのABS作動時のカスケードロックが起こらずに済む。
また、上記のトルク伝達装置では、慣性部材(52)と第2回転軸(7b)側に固定された部材(41)との間には、慣性部材(52)を第2回転軸(7b)側に固定された部材(41)から離間させる方へ付勢する付勢手段(51)が介在しているとよい。
この構成によれば、所定以上の慣性力が慣性部材に作用しない状態では、付勢手段の付勢力によって慣性部材をドグクラッチ機構が非係合となる位置に保持することが可能となる。したがって、簡単な構成で、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて二輪駆動状態と四輪駆動状態を確実に切り替えることが可能となる。
なお、上記で括弧内に記した参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素に付した符号を参考のために例示したものである。
本発明にかかる四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置によれば、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、かつ電子制御や手動操作などを行うことなく、車両の走行状態に応じた副駆動輪への駆動力伝達の有無の切り替えが可能となる。
本発明の実施形態にかかる駆動力伝達切替装置を備える四輪駆動車両の概略構成を示す図である。 駆動力伝達切替装置を示す概略の側断面図である。 駆動力伝達切替装置のドグクラッチ部を示す図で(a)は、概略の斜視図、(b)は、非係合(解放)状態を示す図、(c)は、係合状態を示す図である。 駆動力伝達切替装置の動作を説明するための図で、(a)は、後輪側に駆動力が伝達されない二輪駆動状態、(b)は、後輪側に駆動力が伝達される四輪駆動状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる駆動力伝達切替装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。同図に示す四輪駆動車両1は、車両の前部に横置きに搭載したエンジン(駆動源)3と、エンジン3と一体に設置したトランスミッション(変速機)4と、エンジン3からの駆動力を前輪W1,W2及び後輪W3,W4に伝達するための駆動力伝達経路2とを備えている。
エンジン3の出力軸(図示せず)は、トランスミッション4、フロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)5、左右のフロントドライブシャフト6,6を介して、主駆動輪である左右の前輪W1,W2に連結されている。さらに、エンジン3の出力軸は、トランスミッション4、フロントデフ5、プロペラシャフト7、リアデファレンシャル(以下「リアデフ」という)8、左右のリアドライブシャフト9,9を介して副駆動輪である左右の後輪W3,W4に連結されている。なお、以下の説明で軸方向というときは、車両の進行方向(前後方向)に沿って延伸するプロペラシャフト7の軸方向を指すものとする。また、前又は後というときは、当該軸方向の前(車両の前進方向)及び後(後進方向)を指すものとする。
プロペラシャフト7上には、フロントデフ5からリアデフ8への駆動力伝達経路2上に配置した駆動力伝達切替装置(2WD−4WD切替装置)50と、ビスカスカップリング(トルク伝達装置)10とが設けられている。駆動力伝達切替装置50は、前側の第1プロペラシャフト(第1回転軸)7aと後側の第2プロペラシャフト(第2回転軸)7bとの間に設置されており、第1プロペラシャフト7aから第2プロペラシャフト7bへの駆動力伝達の有無を切り替えることで、車両の駆動状態を二輪駆動(2WD)状態と四輪駆動(4WD)状態とに切り替えるための装置である。また、ビスカスカップリング10は、駆動力伝達経路2において後輪W3,W4に配分するトルクを制御するためのトルク伝達装置(回転差応動型トルク伝達装置)である。ビスカスカップリング10については、公知の構成を採用可能であるため、ここではその詳細な構成及び動作の説明は省略する。
図2は、駆動力伝達切替装置50を示す概略の側断面図である。同図に示すように、第2プロペラシャフト7bの前端は、ニードルベアリング56を介して第1プロペラシャフト7aの後端に対して相対回転可能に連結されている。そして、第1プロペラシャフト7aと第2プロペラシャフト7bの間に設けた駆動力伝達切替装置50は、第1プロペラシャフト7aの外周面に形成したスプライン歯57にスプライン係合するスリーブ52と、スリーブ52の外周面に一体固定された慣性質量体であるウエイト部材53と、第1プロペラシャフト7aの外周面に圧入によって相対移動不能に係合するリング状のガイド部材41とを備える。また、ガイド部材41の前側(第1プロペラシャフト7a側)の面に設けたドグ歯42と、スリーブ52の後側(第2プロペラシャフト7b側)の面に設けたドグ歯32と、スリーブ52とガイド部材41との間に介在するリターンスプリング(付勢部材)51とを備えている。また、第1プロペラシャフト7a上には、スリーブ52の移動を規制するためのスナップリング54が取り付けられている。なお、第2プロペラシャフト7bは、ベアリング40で回転自在に支持されている。
リターンスプリング51は、その軸方向が第1、第2プロペラシャフト7a,7bの軸方向に延伸する弾性金属製のコイルバネである。スリーブ52は、車両の加速度や走行路の勾配に応じて生じる慣性力により、スプライン歯57の延伸方向である第1プロペラシャフト7aの軸方向に沿って第1プロペラシャフト7a上を前後に移動(摺動)するようになっている。スリーブ52が軸方向へ移動することで、スリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42との係合・非係合が切り替わる。すなわち、スリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42が係合する係合位置と、スリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42との係合が解除される非係合位置とを選択的に取ることができる。これにより、第1プロペラシャフト7aと第2プロペラシャフト7bの接続・切断を切り替えることができる。上記のガイド部材41に設けたドグ歯42とスリーブ52に設けたドグ歯32とで、第1プロペラシャフト7aから第2プロペラシャフト7bへの駆動力伝達の有無を切り替えるためのドグクラッチ部55が構成されている。
したがって、駆動力伝達切替装置50(ドグクラッチ部55)が係合しているときは、第2プロペラシャフト7bを介して後輪W3,W4側に駆動力が伝達される四輪駆動状態となり、駆動力伝達切替装置50(ドグクラッチ部55)が係合していないときは、後輪W3,W4側に駆動力が伝達されない二輪駆動状態となるように構成されている。
なお、スリーブ52の係合位置側へのストロークは、ドグ歯32がガイド部材41のドグ歯42に当接することで規制される。一方、スリーブ52の非係合位置側へのストロークは、スリーブ52がスナップリング54に当接することで規制される。
図3は、駆動力伝達切替装置50のドグクラッチ部55を示す図で、(a)は、概略の斜視図、(b)は、非係合(解放)状態を示す部分側面図、(c)は、係合状態を示す部分側面図である。なお、同図では、リターンスプリング51は、図示を省略している。同図に示すように、ドグクラッチ部55を構成するスリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42は、それら周方向の端面が軸方向に対して傾斜する傾斜面32a,42aになっている。これにより、ドグ歯32,42は、互いの当接面が軸方向に対して傾斜角(θ)を有する面となっている。この傾斜角によって、スリーブ52に対する入力トルク(負荷トルク)が所定以上の場合にのみドグ歯32,42の係合状態が維持され、入力トルクが所定以下になった場合には、リターンスプリング51からスリーブ52に作用する付勢力にてドグ歯32,42が引き離されるようになっている。
また、車両の走行中に非係合位置にあるスリーブ52が、登坂路での急加速などでガイド部材41側の係合位置に向かって移動する場合がある。しかしながら、ドグ歯32,42に上記の傾斜角を設けていることによって、スリーブ52とガイド部材41が相対回転している状態では、スリーブ52のドグ歯32がガイド部材41のドグ歯42に弾かれる。そのため、通常走行中の路面の勾配や加速によってドグクラッチ機構55が係合状態となることはない。
次に、上記構成の駆動力伝達切替装置50による駆動力伝達の切り替えについて説明する。ここでは、当該動作に関連する車両の走行状態として、(1)登坂停止時(登坂路での停車状態)、(2)登坂発進(登坂路での停車状態からの発進)直後、(3)加速中、(4)再加速、(5)減速(制動)の各走行状態について説明する。図4は、駆動力伝達切替装置50の動作を説明するための図で、(a)は、駆動力伝達切替装置50の非作動状態(二輪駆動状態)、(b)は、駆動力伝達切替装置50の作動状態(四輪駆動状態)を示す図である。
(1) 登坂停止時
車両が所定以上の勾配を有する登坂路で停止している(登坂停止)状態で、スリーブ52に対して軸方向に作用する推力(慣性力)がリターンスプリング51の付勢力を超える場合には、リターンスプリング51の付勢力に抗してスリーブ52がガイド部材41側(第2プロペラシャフト7b側)の係合位置へ移動する。これにより、スリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42とが当接する。したがって、ドグ歯32,42同士が押し付け合った状態で待機する。
(2)発進直後
上記登坂路での停止状態から車両が発進(登坂発進)した直後、スリーブ52のドグ歯32とガイド部材41のドグ歯42との位相が同期したときに互いが係合する(噛み合う)。これにより、スリーブ52とガイド部材41が一体に回転するようになる。したがって、図4(b)に示すように、第1プロペラシャフト7aと第2プロペラシャフト7bが直結状態となり、第1プロペラシャフト7aから第2プロペラシャフト7bに駆動力が伝達される。
(3)加速中
登坂発進後、車輪のスリップの収束と共にプロペラシャフト7(7a,7b)を介して伝達されるトルク(負荷トルク)が低下する。そのため、登坂路の勾配が減少して車両の走行路面が傾斜路面から平地路面に戻る過程で、ドグ歯32,42同士の係合を保持できなくなる。これにより、ドグ歯32,42の係合が外れ、リターンスプリング51の付勢力でスリーブ52が第1プロペラシャフト7a側の非係合位置に戻される。そうすると、図4(a)に示すように、第1プロペラシャフト7aから第2プロペラシャフト7bに駆動力が伝達されない二輪駆動状態となる。
(4)再加速
車両の走行中に駆動力伝達切替装置50が非作動であった場合でも、低速からの再加速などで加速度が駆動力伝達切替装置50の作動条件に達すると、駆動力伝達切替装置50が作動状態(四輪駆動状態)に切り替わる。その状態で、ドグ歯32,42に掛かる伝達トルク(負荷トルク)と釣り合い続ける場合には、駆動力伝達切替装置50が作動状態のまま車両が走行する。車両の加速度が駆動力伝達切替装置50の作動条件より小さくなると、上記(3)の状態(二輪駆動状態)となる。
(5)減速(制動)
駆動力伝達切替装置50の作動状態(四輪駆動状態)のときに車両の加減速状態が加速から減速に切り替わった場合、アクセルオフによって車両の加速度が低下した瞬間に、スリーブ52が非係合位置に戻る。これにより、駆動力伝達切替装置50が非作動状態(二輪駆動状態)となる。このように、車両の減速時(制動時)にはスリーブ52が非係合位置に向けて付勢されることで、瞬時に四輪駆動状態から二輪駆動状態への切り替えがなされる。したがって、前後輪のカスケードロックやABS干渉が起こらずに済む。
そして、本実施形態の駆動力伝達切替装置50では、リターンスプリング51の設定荷重(付勢力)とスリーブ(慣性部材)52の重量(慣性質量)との釣り合いにより、駆動力伝達切替装置50を作動させるために必要な車両の加速度の閾値を所望の値に設定することができる。この加速度の閾値は、車両の雪上での登坂性能に必要な条件と、平地路面での発進性能に必要な条件との両方を満たすことができる値に設定することが望ましい。
以上説明したように、本実施形態の駆動力伝達切替装置50では、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて生じる慣性力によってスリーブ52が移動することで、前側の第1プロペラシャフト7aから後側の第2プロペラシャフト7bに駆動力が伝達されない二輪駆動状態と、第1プロペラシャフト7aから第2プロペラシャフト7bに駆動力が伝達される四輪駆動状態との切り替えがなされるように構成した。これにより、電子的な制御や手動操作による切り替えなどを行うことなく、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて副駆動輪である後輪W3,W4への駆動力伝達の有無を自動的に切り替えることができる。したがって、駆動力伝達の切り替え制御を行うための制御回路を備えた電子制御ユニットや、操作用のレバーなどの付帯物を増設せずに済むことで、車両の構造の複雑化や部品点数の増加を回避しながらも、車両の走行状態に応じた後輪W3,W4への適切な駆動力伝達の切り替えが可能となる。また、電子制御によらずに、車速の高速域での四輪駆動状態から二輪駆動状態への自動的な切り替えが可能となる。したがって、車両の走行性能を向上させることができる。
また、駆動力伝達切替装置50は、スリーブ52に設けたドグ歯32と、第2プロペラシャフト7b側に固定したガイド部材41に設けたドグ歯42とを備え、スリーブ52の移動によりドグ歯32,42同士の係合・非係合が切り替わるドグクラッチ機構55を有する。
これによれば、スリーブ52の移動によりドグ歯32,42同士の係合・非係合を切り替える構成のドグクラッチ機構55によって、簡単な構成でありながら、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて後輪W3,W4への駆動力伝達の有無を自動的に切り替えることができる機構を実現できる。また、ドグ歯32,42同士の係合・非係合が切り替わるドグクラッチ機構55によって、後輪W3,W4への駆動力伝達の有無の切り替えを確実に行うことが可能となる。
また、上記の駆動力伝達切替装置50は、プロペラシャフト7を前側の第1プロペラシャフト7aと後側の第2プロペラシャフト7bとに分割し、それらの間に上記のスリーブ52やガイド部材41などの構成部品を取り付けたものである。そのため、本実施形態の駆動力伝達切替装置50は、若干の部品交換などを行うだけで既存の車両のプロペラシャフト上に設置することが可能であり、車両の大幅な設計変更や構成部品の交換などを伴わずに搭載することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示す駆動力伝達切替装置50を構成するガイド部材41やスリーブ41などの各部品の具体的な形状等は一例であり、各部品は、他の形状等であってもよい。例えば、上記実施形態では、スリーブ41と慣性質量であるウエイト部53が別部材である場合を示したが、これ以外にも、スリーブが慣性質量を有する一部材で構成されていてもよい。
1 四輪駆動車両
2 駆動力伝達経路
3 エンジン
4 トランスミッション
5 フロントデフ
6,6 フロントドライブシャフト
7 プロペラシャフト(回転軸)
7a 第1プロペラシャフト(第1回転軸)
7b 第2プロペラシャフト(第2回転軸)
8 リアデフ
9,9 リアドライブシャフト
10 ビスカスカップリング(トルク伝達装置)
32 ドグ歯
41 ガイド部材
42 ドグ歯
50 駆動力伝達切替装置
51 リターンスプリング(付勢手段)
52 スリーブ(慣性部材)
53 ウエイト部材(慣性部材)
54 スナップリング
55 ドグクラッチ機構
56 ニードルベアリング
57 スプライン歯
W1,W2 前輪(主駆動輪)
W3,W4 後輪(副駆動輪)

Claims (4)

  1. 駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する駆動力伝達経路を有する四輪駆動車両において、前記駆動源と前記副駆動輪との間の回転軸上に設置した駆動力伝達の有無を切り替える駆動力伝達切替装置であって、
    前記駆動源側の第1回転軸又は前記副駆動輪側の第2回転軸のいずれかと一体に回転すると共に、車両の加速度又は走行路の勾配に応じて生じる慣性力により前記回転軸の軸方向に沿って移動可能な慣性部材を備え、
    車両の加速度又は走行勾配に応じて前記慣性部材が移動することで、前記第1回転軸から前記第2回転軸に駆動力が伝達されない二輪駆動状態と、前記第1回転軸から前記第2回転軸に駆動力が伝達される四輪駆動状態との切り替えがなされるように構成した
    ことを特徴とする四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置。
  2. 前記慣性部材は、前記第1回転軸上で前記軸方向に摺動可能に設置されており、
    前記駆動力伝達切替装置は、
    前記慣性部材に設けたドグ歯と、前記第2回転軸側に固定した部材に設けたドグ歯とを備え、前記慣性部材の移動により前記ドグ歯同士の係合・非係合が切り替わるドグクラッチ機構である
    ことを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置。
  3. 車両の加速度又は走行路の登坂勾配が所定以上になると、前記慣性部材が前記第2回転軸側に向かって移動し、前記慣性部材のドグ歯が前記第2回転軸側のドグ歯に係合する
    ことを特徴とする請求項2に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置。
  4. 前記慣性部材と前記第2回転軸側に固定された部材との間には、前記慣性部材を前記第2回転軸側に固定された部材から離間させる方へ付勢する付勢手段が介在している
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達切替装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104265788A (zh) * 2014-09-12 2015-01-07 四川大学 具有引导齿的齿式离合器
CN104265788B (zh) * 2014-09-12 2016-05-25 四川大学 具有引导齿的齿式离合器

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