JP5943737B2 - 給紙装置のためのサクション調整指示装置、および給紙装置のためのサクション制御装置 - Google Patents

給紙装置のためのサクション調整指示装置、および給紙装置のためのサクション制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、印刷および溝切りなどの加工を行う加工装置に段ボールシートを1枚ずつ供給するために、積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを給紙ロールにより送り出す給紙装置のためのサクション調整指示装置に関する。詳細には、本発明は、給紙装置から下流側の加工装置に搬送される段ボールシートの給紙ずれを検出し、その給紙ずれに応じてサクション機構の吸引力の調整を指示するサクション調整指示装置に関する。
従来、段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層のシートを給紙ロールにより給紙する給紙装置が、ロータリーフィーダとして知られている。この種の給紙装置は、最下層の段ボールシートの前端がフロントゲートを通過して所定距離搬送されたときに、その最下層の段ボールシートとその上方に積層された段ボールシートとを給紙ロールから引き離すグレイトと称する昇降部材を備える。昇降部材は、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、その昇降動作を給紙ロールの給紙動作と同期して行う。
昇降部材を備えた給紙装置の一例として、特許文献1に記載された給紙装置が提案されている。特許文献1に記載の給紙装置の下流側には、シート検出センサ、および一対のフィードロールが配置される。両フィードロールは、給紙装置から給紙された段ボールシートを挟んで搬送し下流側の加工装置に供給する。シート検出センサが段ボールシートの前端の通過を検出した時点で、段ボールシートの前端における給紙ずれ量が演算される。この給紙ずれ量に応じて、給紙ローラに相当する送りコロを回転駆動するモータの回転速度が、増速または減速される。このモータの可変速制御により、給紙装置からその下流側の加工装置への搬送タイミングが適正なタイミングになるように段ボールシートが送り出される。
特開平8−268583号公報
特許文献1には、給紙装置において、給紙ずれが生ずる原因の一例が記載されている。すなわち、積層された段ボールシートとガイドおよびフロントゲートとの摩擦により段ボールシートが円滑に落下せず、段ボールシートの落下タイミングと送りコロの停止タイミングとがずれてしまうことから、給紙動作開始の際に段ボールシートが加速中の送りコロに落下したときに、段ボールシートと送りコロとの間でスリップが発生する。このスリップが、給紙ずれを引き起こし、段ボールシートを適正なタイミングで送り出せない原因となる。
ところで、給紙動作開始の際に段ボールシートが送りコロ上に落下して接触した後でも、昇降部材が下降した状態において送りコロによる給紙動作が実行されている間に、段ボールシートと送りコロとの間でスリップが発生し、下流側の加工装置への搬送タイミングが遅れるという給紙ずれが生ずることがある。また、昇降部材が上昇した状態において段ボールシートが送りコロから引き離された後に、最下層の段ボールシートは両フィードロールに挟まれて搬送される。最下層の段ボールシートは、その上方に積層された段ボールシートとの摩擦抵抗力、および昇降部材のシート受面との摩擦抵抗力を受けることから、両フィードロールによる搬送動作が実行されている間に、下流側の加工装置への搬送タイミングが遅れるという給紙ずれも生ずることがある。
昇降部材が下降した状態において送りコロによる給紙動作が実行されている間に、段ボールシートと送りコロとの間でスリップが発生する場合には、特許文献1に記載された給紙装置のように、送りコロを回転させるモータを可変速制御したとしても、その制御に従う正確な速度で段ボールシートを搬送することができないことから、特許文献1に記載の給紙装置でも、給紙動作が実行されている間に生ずる給紙ずれを解消することは困難である。
昇降部材が下降した状態において段ボールシートと送りコロとの間に生ずるスリップの程度、および、昇降部材が上昇した状態において両フィードロールにより搬送される段ボールシートが受ける摩擦抵抗力は、サクション機構の吸引力の大きさに関連するものと考えられる。搬送タイミングが遅れるという給紙ずれが生じた場合、この給紙ずれの発生原因を特定することは容易でないことから、作業者は、給紙ずれ量が許容範囲内に収まるまで、給紙装置を作動させながらサクション機構の吸引力を増減させるという調整作業を繰り返し行う必要があった。このため、サクション機構の吸引力を調整する作業は、作業者にとって手間のかかる作業であった。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、給紙装置のサクション機構の吸引力を容易に調整することができるサクション調整指示装置を提供することを目的とする。
(第1の発明態様およびその具体的態様)
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明態様は、積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって送り出す給紙装置において、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するとともに、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するシート検出部と、シート検出部が段ボールシートの前端の通過を検出したときに、その前端について給紙ずれの有無を判断し、シート検出部が段ボールシートの後端の通過を検出したときに、その後端について給紙ずれの有無を判断する判断部と、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加させることを指示する吸引増加信号を発生し、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少させることを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、を備える。
第1の発明態様では、シート検出部は、1つの検出器により段ボールシートの前端および後端を検出する構成でも、2つの検出器により段ボールシートの前端および後端をそれぞれ検出する構成でもよい。
第1の発明態様では、シート検出部は、給紙ローラから搬送力が付与されて給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出する構成であれば、給紙ロールが給紙方向に間隔をおいて複数配列されている場合、その複数の給紙ロールのうちの少なくとも一部の給紙ロールと接触して給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出する構成でもよい。
第1の発明態様では、判断部は、段ボールシートの前端、または後端について、予定の搬送長さだけ搬送するために給紙ロール、または給紙装置より下流側に配置された搬送装置が回転駆動された駆動量に相当する搬送長さを、その予定の搬送長さと比較した結果から、給紙ずれの有無を判断する構成でも、予定の搬送長さに対する駆動量に相当する搬送長さの差分を演算した結果から、給紙ずれの有無を判断する構成でもよい。また、差分を演算する構成では、その差分が所定閾値以上か否かを判断することにより、判断部が給紙ずれの有無を判断する構成でもよい。ここで、給紙装置より下流側に配置された搬送装置は、一対のフィードロールを含む。
第1の発明態様では、指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号は、情報表示部を制御する表示制御部に供給されて吸引力の増加または減少を指示する情報を表示するために使用されても、サクション機構を制御する吸引制御部に供給されて吸引力の増加または減少を指令するために使用されてもよい。また、指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号は、吸引力の増加または減少を指示する信号の外に、吸引力の変化量を表す信号を含む信号形態でもよい。
請求項2に記載の具体的態様では、シート検出部が、段ボールシートの前端の通過を検出するシート前端検出器と、段ボールシートの後端の通過を検出するシート後端検出器とを含む。
具体的態様では、シート前端検出器およびシート後端検出器は、別個の構造で独立して検出動作を行う構成でも、一部の構造が共通する構成でもよい。たとえば、検出器として、光源と受光部とからなる光学センサを使用する場合、一部の構造が共通する構成として、共通の1つの光源と、光源からの光を分割するハーフミラーなどの光学系と、段ボールシートの前端に対応する前端受光部と、段ボールシートの後端に対応する後端受光部とを備える構成が考えられる。
請求項3に記載の具体的態様では、給紙装置が、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールに接触させ、上昇したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールから引き離す昇降部材を備え、シート前端検出器が、昇降部材が下降したときに給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、シート後端検出器が、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される。
具体的態様では、シート前端検出器およびシート後端検出器は、給紙装置より給紙方向の下流側に配置されるのであれば、給紙装置より下流側に配置される一対のフィードロールの上流側および下流側のいずれに配置されてもよい。シート後端検出器が両フィードロールより下流側に配置される場合、シート後端検出器は、給紙装置から送り出された段ボールシートが両フィードロールより下流側に配置される搬送装置により搬送されている間に、段ボールシートの後端の通過を検出する。また、シート前端検出器およびシート後端検出器は、給紙方向において同じ位置に配置されても、異なる位置に配置されてもよい。
請求項4に記載の具体的態様では、給紙装置が、給紙方向に間隔をおいて配列された複数の給紙ロールを備え、シート前端検出器が、昇降部材が下降している間に複数の給紙ロールの全てに接触して給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される。
具体的態様では、所定シート長より短い段ボールシートが給紙されるときに、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向の上流側に配置された一部の給紙ロールが回転駆動されない構成である場合、複数の給紙ロールの全てとは、回転駆動される複数の給紙ロールの全てを意味する。
(第2の発明態様およびその具体的態様)
上記目的を達成するために、請求項5に記載の第2の発明態様は、積層された複数の段ボールシートの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙する給紙ロールと、積層された段ボールシートを給紙ロールに引き寄せるように吸引し、吸引力を調整することが可能に構成されるサクション機構と、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールに接触させ、上昇したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールから引き離す昇降部材と、を備える給紙装置において、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出して前端検出信号を発生するシート前端検出器と、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出して後端検出信号を発生するシート後端検出器と、給紙ロール、および給紙装置より下流側に配置された搬送装置をそれぞれ回転駆動する駆動部の駆動量に従って、給紙装置から下流側の加工装置に向かって搬送される段ボールシートの搬送長さを測定する測定部と、シート前端検出器が前端検出信号を発生するまでに測定部により測定された搬送長さと、給紙装置とシート前端検出器との間の距離とに基づいて、段ボールシートの前端について給紙ずれ量を演算する前端給紙ずれ演算部と、シート後端検出器が後端検出信号を発生するまでに測定部により測定された搬送長さと、給紙装置とシート後端検出器との間の距離とに基づいて、段ボールシートの後端について給紙ずれ量を演算する後端給紙ずれ演算部と、前端給紙ずれ演算部により演算された給紙ずれ量を基に、段ボールシートの前端について給紙ずれの有無を判断し、後端給紙ずれ演算部により演算された給紙ずれ量を基に、段ボールシートの後端について給紙ずれの有無を判断する給紙ずれ判断部と、給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加させることを指示する吸引増加信号を発生し、給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少させることを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、を備える。
第2の発明態様では、給紙ずれ判断部は、段ボールシートの前端または後端について、演算された給紙ずれ量が「0」であるか否かにより給紙ずれの有無を判断する構成でも、演算された給紙ずれ量が所定閾値以上であるか否かにより給紙ずれの有無を判断する構成でもよい。
請求項6に記載の具体的態様は、情報表示部と、指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力の増加または減少を作業者に指示する情報を情報表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
第1または第2の発明態様の具体的態様では、情報表示部は、作業者に指示する内容を表すメッセージを画面に表示する構成でも、吸引力の増加および減少にそれぞれ対応した2つのランプのいずれかを点灯させる構成でもよい。
(第3の発明態様)
上記目的を達成するために、請求項7に記載の第3の発明態様は、積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって送り出す給紙装置において、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するとともに、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するシート検出部と、シート検出部が段ボールシートの前端の通過を検出したときに、その前端について給紙ずれの有無を判断し、シート検出部が段ボールシートの後端の通過を検出したときに、その後端について給紙ずれの有無を判断する判断部と、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加することを指示する吸引増加信号を発生し、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少することを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力が増加し、または減少するように、サクション機構を制御する吸引制御部と、を備える。
第3の発明態様では、吸引制御部が、吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力が増加し、または減少するように、サクション機構を制御する構成であれば、その制御方法は限定されない。たとえば、吸引制御部が、吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力が所定の増加単位量または所定の減少単位量だけ変化するように、サクション機構を制御する構成でも、サクション機構の吸引力が給紙ずれ量に応じた増加量または減少量だけ変化するように、サクション機構を制御する構成でもよい。
第2および第3の発明態様でも、第1の発明態様と同様に、各構成要件を種々の態様で具体化してもよい。
(第1および第2の発明態様の効果)
第1または第2の発明態様では、判断部または給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、指示発生部がサクション機構の吸引力を増加することを指示する吸引増加信号を発生する。また、判断部または給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、指示発生部がサクション機構の吸引力を減少することを指示する吸引減少信号を発生する。この結果、吸引増加信号および吸引減少信号の指示に従うことにより、サクション機構の吸引力を調整することが容易になり、手間のかかる吸引力の調整作業を軽減し、または解消することができる。
具体的には、段ボールシートの前端の通過が検出された時点で、給紙ずれが有る場合には、サクション機構の吸引力を増加させることで、給紙ずれを解消することができる。サクション機構の吸引力を増加させた場合、段ボールシートと給紙ロールとの間の摩擦力が大きくなり、両者の間にスリップが生じ難くなる。段ボールシートが給紙ロールと接触している間、段ボールシートは給紙ロールから搬送力を確実に受けて搬送される。この結果、判断部または給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、吸引増加信号の指示に従ってサクション機構の吸引力を増加させることにより、段ボールシートの前端における給紙ずれを解消することができる。
一方、サクション機構の吸引力を増加させた結果、段ボールシートの前端が検出される時点で給紙ずれが生じていない場合でも、段ボールシートの前端が検出された後に、給紙ずれが生ずることがある。昇降部材の上昇後、段ボールシートが給紙ロールからの搬送力を受けなくなると、給紙装置の下流側に配置された一対のフィードロールなどの搬送装置が、段ボールシートの前方部分を挟持して搬送力を付与する。段ボールシートは、下流側の搬送装置から搬送力を受けると同時に、その搬送力に対して抵抗となる吸引力をサクション機構から受ける。サクション機構の吸引力が大き過ぎると、段ボールシートは、搬送力に対して抵抗となる大きな吸引力を受けることから、段ボールシートの後端について給紙ずれが生じ、段ボールシートを適正なタイミングで下流側の加工装置に給紙することができなくなる。このため、判断部または給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端における給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、吸引減少信号の指示に従ってサクション機構の吸引力を減少させることにより、段ボールシートの後端における給紙ずれを解消することができる。
(具体的態様の効果)
請求項2に記載の具体的態様では、シート前端検出器およびシート後端検出器は、段ボールシートの前端の通過および後端の通過を個別に検出する。この結果、1つの検出器が段ボールシートの前端の通過および後端の通過を検出する構成に比べ、シート前端検出器およびシート後端検出器は、段ボールシートの前端の通過および後端の通過を高速かつ正確に検出することができる。すなわち、1つの検出器が、段ボールシートの前端の通過および後端の通過を区別して検出動作を高速で行い、前端の通過に伴う立上り検出信号と、後端の通過に伴う立下り検出信号とをそれぞれ正確に発生することは困難であり、このため給紙ずれを正確に測定することが困難になる。これに対し、2つの検出器が段ボールシートの前端の通過および後端の通過を個別に検出することにより、段ボールシートの前端および後端について給紙ずれを高速かつ正確に測定することができ、サクション機構の吸引力の増加または減少を適切に指示することができる。
請求項3に記載の具体的態様では、シート前端検出器が、昇降部材が下降したときに給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、シート後端検出器が、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される。この結果、昇降部材が下降したときにサクション機構の吸引力に応じた搬送力が給紙ロールから付与された状態で給紙されている段ボールシートの前端について、吸引力が小さいことに起因する給紙ずれを検出することができる。また、昇降部材が上昇したときにサクション機構の吸引力に応じた摩擦抵抗力が掛けられた状態で給紙された後に給紙装置から送り出された段ボールシートの後端について、吸引力が大きいことに起因する給紙ずれを検出することができる。
請求項4に記載の具体的態様では、シート前端検出器が、昇降部材が下降している間に複数の給紙ロールの全てに接触して給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される。昇降部材が下降したとき、複数の給紙ロールの全てが、段ボールシートと接触してサクション機構の吸引力に応じた搬送力を段ボールシートに付与する。この結果、複数の給紙ロールの全てが搬送力を付与している状態で給紙されている段ボールシートの前端について、吸引力が小さいことに起因する給紙ずれを正確に検出することができる。
請求項6に記載の第1および第2の発明態様の具体的態様では、表示制御部が、指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力の増加または減少を作業者に指示する情報を情報表示部に表示させる。この結果、作業者は、情報表示部の表示内容に従って、サクション機構の吸引力を増加させればよいのか、または減少させればよいのかを知ることができ、吸引力の調整作業を容易にして軽減することができる。
(第3の発明態様の効果)
請求項7に記載の具体的態様では、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、指示発生部が、サクション機構の吸引力を増加することを指示する吸引増加信号を発生する。また、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、指示発生部が、サクション機構の吸引力を減少することを指示する吸引減少信号を発生する。吸引制御部が、吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力が増加し、または減少するように、サクション機構を制御する。この結果、サクション機構の吸引力が、吸引増加信号または吸引減少信号に従って自動的に増減されることから、作業者による吸引力の調整作業を軽減し、または解消することができる。
本発明の第1の実施形態に係る段ボールシート製函機1の部分的構成を示す正面図である。 段ボールシート製函機1の給紙ユニット2のサクション機構14を省略して給紙装置4を拡大して示す正面図である。 給紙ユニット2の電気的構成を主に示すブロック図である。 給紙制御プログラムに従う処理を示すフローチャートである。 段ボールシートの前端が前端検出器LDの配置位置に到達した状態を示す図である。 段ボールシートの前端が第2のフィードロール6A、6Bの配置位置に到達した状態を示す図である。 段ボールシートの後端が後端検出器TDの配置位置に到達した状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成を主に示すブロック図である。 第2の実施形態における給紙制御プログラムに従う処理を示すフローチャートである。 吸引制御メモリ149の記憶内容を示す説明図である。
[第1の実施形態]
本発明のサクション調整指示装置を段ボールシート製函機に適用した第1の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。段ボールシート製函機は、給紙ユニットから給紙される段ボールシートに、印刷、縦罫線、溝切りおよび打ち抜きなどの複数の加工を順次施す機械であり、特開2003−1727号公報および特開2011−230441号公報などにより公知である。段ボールシート製函機の全体的構成は公知であるので、本発明のサクション調整指示装置に特に関連する給紙ユニットおよび印刷ユニットについて説明し、クリーザユニット、スロッタユニットおよびダイカットユニットについて、その説明を省略する。なお、図面において矢印で示す方向に従って、上下方向、左右方向および前後方向が定められる。
《段ボールシート製函機1の部分的構成》
図1は、本実施形態の段ボールシート製函機1の給紙ユニット2および印刷ユニット3の構成を示す正面図である。給紙ユニット2は、給紙装置4と、第1のフィードロール5A、5Bと、第2のフィードロール6A、6Bとを備える。印刷ユニット3は、印刷シリンダ7と、プレスロール8とを主に備える。段ボールシート製函機1は、各ユニットを同期して駆動するために主駆動モータMTを備える。
〈給紙ユニット2の構成〉
給紙ユニット2は、給紙装置4から1枚ずつ給紙される段ボールシートSHを、第1のフィードロール5A、5Bおよび第2のフィードロール6A、6Bにより順次挟持しながら搬送し、印刷ユニット3に送り出す。第1のフィードロール5A、5Bは、段ボールシートSHの給紙方向DFにおいて、給紙装置4の下流に配置される。第2のフィードロール6A、6Bは、給紙方向DFにおいて、第1のフィードロール5A、5Bの下流に配置される。第1および第2のフィードロールの各フィードロールは、同じ直径のロールであり、主駆動モータMTに連結されて駆動される。
(給紙装置4の詳細な構成)
図1および図2を参照して給紙装置4の構成を説明する。給紙装置4は、給紙テーブル10の上方に、フロントゲート11と、バックガイド12とを備える。フロントゲート11は、給紙方向DFにおいて一定の位置に配置される。フロントゲート11は、積層される多数の段ボールシートの前端、すなわち図2において段ボールシートの左側の端部と当接し、段ボールシートの前端の位置を揃える。バックガイド12は、給紙方向DFにおける段ボールシートの長さに応じて、フロントゲート11に対して左右方向に移動可能に配置される。バックガイド12は、段ボールシートの後端、すなわち図2において段ボールシートの右側の端部と当接し、段ボールシートの後端の位置を揃える。
給紙装置4は、給紙テーブル10の下方に、4列の給紙ロール13A〜13Dと、サクション機構14と、昇降機構15とを備える。図1において、給紙ロール13A〜13Dは、給紙方向DFに配列される。図1には示されないが、多数の給紙ロールが、給紙方向DFと直交する方向に延びる4本の回転軸の各回転軸に固定される。
サクション機構14は、積層された段ボールシートを下方に吸引する。サクション機構14は、吸引室16と、ダクト17と、ブロアモータ18とを備える。吸引室16は、給紙テーブル10の下方に配置された多数の給紙ロールの全てを収容する大きさに形成される。ダクト17は、吸引室16とブロアモータ18とを連結する。ブロアモータ18は、誘導モータから構成され、駆動信号の周波数に応じた速度で回転する。ブロアモータ18の回転速度が高速になるほど、大きな負圧が吸引室16内に発生する。大きな負圧により、積層される段ボールシートは、大きな吸引力で給紙ロール13A〜13Dに向かって吸引される。
図2は、サクション機構14を省略して給紙装置4を拡大して示す正面図である。図2において、昇降機構15は、グレイト19と、連結機構20と、駆動機構21とを備える。グレイト19は、受け板19Aと、一対の支持脚19B、19Cとを有する。受け板19Aは、給紙方向DFにおいて、給紙ロール13A〜13Dの配置領域と同じ領域に配置され、下方から段ボールシートSHに接触することが可能である。一対の支持脚19B、19Cの下端部は、連結機構20の一対のロックアーム21A、21Bにそれぞれ連結される。連結機構20は、ロックアーム21Aの回動軸に固定された連結アーム22を有する。
駆動機構21は、駆動軸23に取り付けられたカム24と、揺動体25とを備える。カム24は、駆動軸23から半径方向に離れた高いカム面24Aと、そのカム面24Aより低いカム面24Bとを有する。揺動体25は、給紙装置4のフレームに固定された揺動軸26を中心に揺動可能に取り付けられる。揺動体25は、一対のアーム27A、27Bを有する。カムフォロア28が、アーム27Aの先端に回動可能に支持され、連結アーム22の下端部が、アーム27Aの先端に連結される。カムフォロア28が高いカム面24Aに係合するとき、グレイト19は給紙ロール13A〜13Dより上方に上昇し、段ボールシートSHを給紙ロール13A〜13Dから引き離す。カムフォロア28が低いカム面24Bに係合するとき、グレイト19は給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降し、段ボールシートSHを給紙ロール13A〜13Dに接触させる。なお、昇降機構15中の連結機構20および駆動機構21の構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。
昇降機構15は、給紙ロール13A〜13Dより上方の上昇位置にグレイト19を保持する保持機構29を備える。保持機構29は、作動体30と、エアシリンダ31とを備える。作動体30は、給紙装置4のフレームに固定された揺動軸32を中心に揺動可能に取り付けられる。エアシリンダ31の作動棹31Aが、作動体30の先端に連結される。係止片33が、揺動軸32に近接する作動体30の基端部に固定され、揺動軸32から半径方向に延出する。係合ピン34が、アーム27Bの先端に固定され、係止片33の先端部に係止可能に形成される。作動棹31Aが引っ込むようにエアシリンダ31が作動された状態で、カムフォロア28が高いカム面24Aに係合したときに、係止片33の先端部は、係合ピン34を係止する。この係止により、グレイト19は上昇位置に保持され、給紙ロール13A〜13Dからの搬送力は段ボールシートSHに付与されない。図2に示すように作動棹31Aが突出するようにエアシリンダ31が作動されたときには、グレイト19はカム24の回転に伴って昇降動作を行い、給紙ロール13A〜13Dからの搬送力は段ボールシートSHに付与される。
駆動歯車35が、駆動軸23に固定され、減速機構を介して主駆動モータMTに連結される。駆動軸23は、給紙装置4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、図2に示す矢印方向CDに、1回だけ回転する。カム24は、駆動軸23に固定されるため、給紙装置4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、1回だけ回転する。
給紙ロール13A〜13Dは、伝達機構を介して駆動軸23に連結される。その伝達機構は、ゼネバ歯車および遊星歯車を備える。伝達機構の構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。この伝達機構により、給紙ロール13A〜13Dの周速度は、1枚の段ボールシートの給紙動作を行う間に、回転停止状態から、第1のフィードロール5A、5Bの所定の周速度まで増速し、その所定の周速度を維持し、その後に、所定の周速度から回転停止状態まで減速する。グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降した時点である給紙動作の開始時点では、給紙ロール13A〜13Dの周速度は、ほぼ回転停止状態にある。図2に示す状態は、給紙動作の開始時点から僅かな時間だけ経過した状態であり、給紙ロール13A〜13Dの周速度が所定の周速度に向かって増速しつつある状態である。
〈印刷ユニット3の構成〉
印刷ユニット3は、第2のフィードロール6A、6Bから送り出される段ボールシートSHの所定位置に印刷を施す。その印刷動作の間、印刷シリンダ7およびプレスロール8は、段ボールシートを挟んで搬送する。印刷シリンダ7およびプレスロール8の周速度は、第1および2のフィードロール5A、5B、6A、6Bの周速度と同じ速度となるように、印刷シリンダ7およびプレスロール8は減速機構を介して主駆動モータMTに連結される。印刷シリンダ7は、給紙装置4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、1回だけ回転する。
〈各種の検出器の構成〉
前端検出器LDおよび後端検出器TDが、給紙方向DFにおいて、第1のフィードロール5A、5Bの下流側であって、第2のフィードロール6A、6Bの上流側に配置される。本実施形態では、前端検出器LDおよび後端検出器TDは、第2のフィードロール6A、6Bより第1のフィードロール5A、5Bに近接して配置される。前端検出器LDおよび後端検出器TDは、透過型の光学センサから構成される。前端検出器LDは、発光部40と、その発光部40からの光を受光する受光部41とを有し、段ボールシートSHの前端の通過を検出する。発光部40は、段ボールシートSHの搬送経路の上方において、給紙ユニット2のフレームに取り付けられ、受光部41は、段ボールシートSHの搬送経路の下方において、給紙ユニット2のフレームに取り付けられる。前端検出器LDおよび後端検出器TDは、給紙方向DFにおいて、同じ位置に配置され、図1および図2では、前端検出器LDのみが図示される。後端検出器TDは、前端検出器LDと同様に、発光部および受光部を有し、段ボールシートSHの後端の通過を検出する。
図2に示すシート検出距離DSが予め定められる。シート検出距離DSは、積層される段ボールシートの最下層の段ボールシートの前端と当接するフロントゲート11の下端部の位置から、前端検出器LDの発光部40と受光部41との間の光路の位置までの給紙方向DFにおける距離である。後端検出器TDの発光部と受光部との間の光路も、フロントゲート11の下端部の位置から、シート検出距離DSだけ離れて位置する。
原点検出器HDが、積層される段ボールシートの最下層の段ボールシートの給紙動作が開始される時点を検出するために設けられる。原点検出器HDは、検出コイルおよび発振回路を備える公知の近接センサから構成される。原点検出器HDの検出コイルが発生する高周波磁界中に、駆動歯車35の側面に取り付けられた金属片42が接近したときに、原点検出器HDは、金属片42に誘導される電流により発振回路の発振を停止して検出信号を発生する。金属片42は、駆動歯車35の円周方向において位置調整可能に取り付けられる。
パルス発生器PGが、給紙方向DFにおける段ボールシートSHの搬送量を測定するために、主駆動モータMTの出力軸に取り付けられる。パルス発生器PGは、主駆動モータMTの出力軸の回転量に応じた数のパルスを発生する。
《電気的構成》
図3を参照して第1の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成を主に説明する。図3は、給紙ユニット2の電気的構成を示すブロック図である。図3において、管理装置100は、段ボールシート製函機1の全体動作を管理する。給紙制御装置110は、給紙ユニット2の給紙動作を制御するために設けられ、管理装置100からの指令に従って制御動作を行うと共に、現在の制御状態を管理装置100に通知する。給紙制御装置110と同様に、他の加工制御装置120も、印刷ユニット3などの他の加工ユニットの加工動作を制御するために設けられ、管理装置100からの指令に従って制御動作を行うと共に、現在の制御状態を管理装置100に通知する。モータ制御装置130は、主駆動モータMTの回転およびその停止を制御すると共に、管理装置100からの指令に従って主駆動モータMTの回転速度を制御する。また、モータ制御装置130は、主駆動モータMTの回転に伴ってパルス発生器PGから発生されるパルスの数を計数し、その計数したパルス数を管理装置100に通知する。
プログラムメモリ140は、給紙制御プログラムなどの制御プログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。給紙制御プログラムは、図4に示す各処理を実行するプログラムである。各種の設定値は、シート検出距離DS、閾値SA、閾値SB、およびブロアモータ18の駆動信号の周波数の初期設定値などである。作業メモリ141は、管理装置100から供給される指令および情報を一時記憶するとともに、給紙制御プログラムの実行により演算処理される処理結果を一時記憶する。
操作パネル142が給紙制御装置110に接続される。操作パネル142は、作業者が操作する各種のボタンを備え、各種の操作情報を給紙制御装置110に供給する。各種のボタンは、給紙ボタン143、吸引増加ボタン144、および吸引減少ボタン145などである。給紙ボタン143は、作業者が給紙動作の開始を指示するボタンである。吸引増加ボタン144は、作業者がサクション機構14の吸引力の設定値を増加させることを指示するボタンであり、吸引減少ボタン145は、作業者がサクション機構14の吸引力の設定値を減少させることを指示するボタンである。
前端検出器LD、後端検出器TD、および原点検出器HDが、給紙制御装置110にそれぞれ接続され、検出信号を給紙制御装置110に供給する。
吸引制御装置146、およびグレイト制御装置147が、給紙制御装置110にそれぞれ接続され、給紙制御装置110から制御指令を受け取る。吸引制御装置146は、給紙制御装置110から速度制御指令を受け取り、その速度制御指令に従ってブロアモータ18の駆動信号の周波数を制御する。吸引増加ボタン144が操作されたとき、吸引制御装置146は、給紙制御装置110から増速制御指令を受け取り、その増速制御指令に従ってブロアモータ18の駆動信号の周波数を高くする。吸引減少ボタン145が操作されたとき、吸引制御装置146は、給紙制御装置110から減速制御指令を受け取り、その減速制御指令に従ってブロアモータ18の駆動信号の周波数を低くする。
グレイト制御装置147は、給紙制御装置110から制御指令を受け取り、エアシリンダ31の作動を制御する。給紙ボタン143が操作されたとき、グレイト制御装置147は、給紙制御装置110から給紙開始指令を受け取り、エアシリンダ31の作動棹31Aが突出した状態になるようにエアシリンダ31を作動させる。作動棹31Aが突出した状態にあるとき、係合ピン34は係止片33による係止から解放され、グレイト19はカム24のカム面に従って昇降動作を行う。給紙制御装置110から給紙停止指令を受け取ったとき、グレイト制御装置147は、エアシリンダ31の作動棹31Aが引っ込んだ状態になるようにエアシリンダ31を作動させる。作動棹31Aが引っ込んだ状態にあるとき、係合ピン34は係止片33により係止され、グレイト19は給紙ロール13A〜13Dの上面より上方の上昇位置に保持される。
表示装置148が、給紙制御装置110に接続され、給紙制御装置110から各種の表示制御指令を受け取る。表示装置148は、表示制御指令に従って、サクション機構14の吸引力の設定値を増加または減少させるために、吸引増加ボタン144または吸引減少ボタン145の操作を作業者に指示するメッセージ、および給紙ユニット2の異常を知らせるエラーメッセージなどの情報を表示する。
《第1の実施形態の動作および作用》
第1の実施形態に係る段ボールシート製函機1の給紙ユニット2の動作および作用について、図4を参照して説明する。段ボールシート製函機1の電源が投入されると、管理装置100は、これから実行予定のオーダに従って段ボールシートの搬送速度を指令する速度制御指令をモータ制御装置130に供給する。この時点では、モータ制御装置130は、主駆動モータMTを起動しない。第1の実施形態では、段ボールシート製函機1の通常運転前の準備段階において、給紙ユニット2および加工ユニットの点検調整作業を行うために、管理装置100にテスト用のオーダを設定することができる。給紙装置4のサクション機構14の吸引力を調整するための準備段階において、テスト用のオーダが実行される場合について説明する。
管理装置100は、テスト用のオーダを実行するために必要な制御指令、段ボールシートのサイズ、および加工される段ボールシートの枚数などの情報を給紙制御装置110および他の加工制御装置120に供給する。
給紙制御装置110は、管理装置100から供給されたオーダに関する制御指令および情報を作業メモリ141に一時記憶する。また、段ボールシート製函機1の電源が投入されると、給紙制御装置110は、プログラムメモリ140から給紙制御プログラムを読み出して実行する。
〈給紙制御処理〉
給紙制御プログラムが実行されると、図4に示す給紙制御処理が実行される。図4に示す各処理は、給紙制御装置110が実行する処理である。
S1において、前端検出用の基準距離が設定される。前端検出用の基準距離は、段ボールシートの給紙動作が開始されてから、その段ボールシートの前端の通過が前端検出器LDにより検出されるまでに、段ボールシートが搬送される理論上の距離である。本実施形態では、シート検出距離DSが前端検出用の基準距離として作業メモリ141に記憶される。
S2において、後端検出用の基準距離が設定される。後端検出用の基準距離は、段ボールシートの給紙動作が開始されてから、その段ボールシートの後端の通過が後端検出器TDにより検出されるまでに、段ボールシートが搬送される理論上の距離である。本実施形態では、オーダの段ボールシートの給紙方向DFのサイズ、すなわちシート長さと、シート検出距離DSとを合計した距離が、後端検出用の基準距離として作業メモリ141に記憶される。シート長さとして、管理装置100から供給され作業メモリ141に一時記憶された段ボールシートのサイズが使用される。
S3において、主駆動モータMTの駆動を要求する要求指令が給紙制御装置110から管理装置100に供給される。管理装置100は、この要求指令に従って、モータ制御装置130に主駆動モータMTの駆動を指令する。モータ制御装置130は、駆動指令に従って主駆動モータMTを起動し、管理装置100から供給された速度制御指令に従って主駆動モータMTの回転速度を制御する。主駆動モータMTが回転すると、駆動歯車35が図2に示す矢印方向CDに回転する。駆動歯車35の回転に伴い、カム24が回転するとともに、給紙ロール13A〜13Dが回転する。また、主駆動モータMTが回転すると、第1のフィードロール5A、5B、および第2のフィードロール6A、6Bも回転し、各フィードロールの周速度は、オーダに従う段ボールシートの搬送速度に相当する速度になる。更に、主駆動モータMTの回転により、印刷ユニット3の印刷シリンダ7およびプレスロール8が回転し、他の加工ユニットの加工シリンダも回転する。
S4において、ブロアモータ18が駆動される。具体的には、給紙制御装置110は、ブロアモータ18の駆動信号の周波数の初期設定値をプログラムメモリ140から読み出し、その初期設定値を吸引制御装置146に供給する。吸引制御装置146は、初期設定値の周波数に従って、ブロアモータ18の回転速度を制御する。このブロアモータ18の回転により、初期設定値の周波数に応じた負圧が、吸引室16に発生する。
S5において、給紙ボタン143が操作されたか否かが判断される。給紙ボタン143が操作されていなければ(S4:NO)、S4の判断が繰り返される。給紙ボタン143が作業者により操作されたとき(S4:YES)、S5の処理が実行される。一般に、作業者は、オーダを実行するために、給紙装置4のフロントゲート11とバックガイド12とにより規定される収容空間に多数の段ボールシートを積載した後に、給紙動作を開始するために給紙ボタン143を操作する。
S6において、給紙動作を開始させるためにグレイト19の作動が開始される。具体的には、給紙制御装置110が、作動棹31Aが突出した状態になるようにグレイト制御装置147に作動制御指令を供給する。グレイト制御装置147は、作動制御指令に従って、作動棹31Aが突出した状態になるようにエアシリンダ31を作動させる。作動棹31Aの突出により、係合ピン34が係止片33による係止から解放され、カムフォロア28がカム24のカム面に係合することができる状態になる。揺動体25は、カムフォロア28とカム24のカム面との係合に従って揺動する。この揺動に伴い、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dに対して昇降動作を行い、段ボールシートの給紙動作が開始される。図2は、積層される段ボールシートの最下層の段ボールシートSHの前端がフロントゲート11を通過した直後の状態を示す。図2に示す状態では、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降し、最下層の段ボールシートSHは、吸引室16の負圧により給紙ロール13A〜13Dに吸引され、給紙ロール13A〜13Dから給紙方向DFの搬送力を受けている。この時点で、給紙ロール13A〜13Dから最下層の段ボールシートSHに与えられる搬送力は、吸引室16の負圧の大きさに影響される。
S7において、現在のオーダの実行中に給紙される段ボールシートの枚数を計数するために、変数Nが「1」に設定される。
S8において、N枚目の段ボールシートが給紙される。変数Nが「1」に設定されているので、1枚目の段ボールシートが給紙されることになる。具体的には、カムフォロア28と係合するカム面が、高いカム面24Aから低いカム面24Bに向かって移動し、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面から下方に下降する。このグレイト19の下降により、1枚目の段ボールシートが給紙ロール13A〜13Dの周速度に相当する速度で給紙される。1枚目の段ボールシートが給紙される時点で、原点検出器HDが金属片42の接近を検出して原点検出信号を発生する。給紙制御装置110は、原点検出器HDから原点検出信号を受け取ったときに、パルス発生器PGから発生されたパスルの数の計数値を管理装置100から取得して、原点検出計数値として作業メモリ141に一時記憶する。
S9において、N枚目の段ボールシートの前端の通過が前端検出器LDにより検出されたか否かが判断される。N枚目の段ボールシートの前端の通過が検出されないとき(S9:NO)、S9の判断処理が繰り返される。N枚目の段ボールシートの前端の通過が検出されたとき(S9:YES)、給紙制御装置110は、パルス発生器PGから発生されたパスルの数の計数値を管理装置100から取得して、前端検出計数値として作業メモリ141に一時記憶する。この一時記憶の後に、S10の処理が実行される。図5は、段ボールシートの前端が前端検出器LDの配置位置に到達した状態を示す。図5に示す状態では、最下層の段ボールシートSHが、給紙ロール13A〜13Dから搬送力を受けているとともに、第1のフィードロール5A、5Bに挟まれて搬送力を受けている。この時点で、給紙ロール13A〜13Dから最下層の段ボールシートSHに与えられる搬送力は、吸引室16の負圧の大きさに影響される。最下層の段ボールシートSHに与えられる搬送力は、負圧、すなわち吸引力が大きくなるほど、大きくなる。本実施形態では、図5に示すように、段ボールシートの前端が前端検出器LDの配置位置に到達した時点では、給紙ロール13A〜13Dの全てが最下層の段ボールシートSHに接触して搬送力を付与している。
S10において、段ボールシートの前端の給紙ずれ量が算出される。具体的には、作業メモリ141に一時記憶された前端検出計数値から原点検出計数値を差し引くことにより差分が算出される。この算出された差分は、1枚目の段ボールシートの給紙動作が開始されてから、その1枚目の段ボールシートの前端の通過が前端検出器LDにより検出されるまでの間に、主駆動モータMTの回転に伴いパルス発生器PGが発生したパルスの数である。ここで、段ボールシートの給紙動作が開始されてから、主駆動モータMTの回転に伴いパルス発生器PGが発生したパルスの数と、段ボールシートおよび給紙ロール13A〜13Dの間にスリップがない理想的な状態で段ボールシートが主駆動モータMTの回転に伴い給紙ロール13A〜13Dにより給紙される量との間には、駆動軸23の回転を給紙ロール13A〜13Dに伝える伝達機構の構成に基いて定まる一定の関係が存在する。この一定の関係に従って、上記の算出された差分が、理想的な状態で段ボールシートが給紙される量に換算される。この換算された量から、前端検出用の基準距離であるシート検出距離DSを差し引くことにより、1枚目の段ボールシートの前端について給紙ずれ量が算出される。この算出された給紙ずれ量は、1枚目の段ボールシートの前端に対応付けて作業メモリ141に履歴情報として記憶され、操作パネル142の履歴閲覧ボタンを操作することにより表示装置148に表示される。
S11において、前端について算出された給紙ずれ量が閾値SA以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SA以上であれば(S11:YES)、S12の処理が実行される。
S12において、前端について算出された給紙ずれ量が、閾値SAより大きい閾値SB以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SB以上であれば(S12:YES)、S13の処理が実行される。本実施形態では、閾値SBは、ブロアモータ18の回転速度を所定の最高速度まで増速させて吸引力を最大にしたとしても、給紙ずれを解消することができないほど大きな給紙ずれ量に相当する値に設定される。閾値SAは、製品としての品質を確保するための許容範囲を超える大きさの給紙ずれ量であり、最大速度以下の範囲内でブロアモータ18の回転速度を増加させることにより給紙ずれを解消することができる大きさの給紙ずれ量に相当する値に設定される。
S13において、グレイト19の作動が停止される。具体的には、給紙制御装置110が、作動棹31Aが引っ込んだ状態になるようにグレイト制御装置147に作動制御指令を供給する。グレイト制御装置147は、作動制御指令に従って、作動棹31Aが引っ込んだ状態になるようにエアシリンダ31を作動させる。作動棹31Aの引っ込みにより、係合ピン34が係止片33の先端に係止され、カムフォロア28がカム24の低いカム面24Bに係合することができない状態になる。揺動体25は、カム24の回転に拘わらず揺動することができなくなる。この揺動体25の揺動が停止されることにより、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より上方の上昇位置に保持され、段ボールシートの給紙が停止される。この結果、製品の品質が確保できないほど大きな給紙ずれ量が発生した異常状態においては、段ボールシートが印刷ユニット3に給紙されることを防止することができる。
S14において、エラーメッセージが表示装置148に表示される。具体的には、給紙制御装置110は、エラーメッセージを表示するために表示制御指令を表示装置148に供給し、「大きな給紙ずれが発生しました。給紙装置を点検して下さい。」というエラーメッセージを表示装置148に表示させる。S15の処理後に、S5の処理が実行される。
S12において、給紙ずれ量が閾値SB未満であると判断されると(S12:NO)、S15の処理が実行される。S15において、吸引増加ボタン144の操作を指示する指示メッセージが表示装置148に表示される。具体的には、給紙制御装置110は、吸引力の増加を指示する指示メッセージを表示するために吸引増加表示指令HCを表示装置148に供給し、「吸引増加ボタンを操作してシートの吸引を強くして下さい。」という指示メッセージを表示装置148に表示させる。
段ボールシートの前端について、閾値SA以上で閾値SB未満の量の給紙ずれが発生する原因として、給紙ロール13A〜13Dから段ボールシートに付与される搬送力が小さいことが考えられる。給紙ロール13A〜13Dからの搬送力は、吸引室16の負圧、すなわちブロアモータ18の回転速度に関係する。このため、搬送力が小さいことは、ブロアモータ18の回転速度が低く、吸引室16の負圧が小さいことに関係することから、作業者は、吸引増加ボタン144を操作してブロアモータ18の駆動信号の周波数を高くすることが必要である。実際に、作業者が吸引増加ボタン144を操作するのは、給紙制御処理が終了した後に、表示装置148に表示された指示メッセージを見たときである。
S11において、給紙ずれ量が閾値SA未満であると判断されるとき(S11:NO)、または、S15の処理が実行された後に、S16の処理が実行される。S16において、N枚目の段ボールシートの後端の通過が後端検出器TDにより検出されたか否かが判断される。N枚目の段ボールシートの後端の通過が検出されないとき(S16:NO)、S16の判断処理が繰り返される。図6は、最下層の段ボールシートSHの前端が第2のフィードロール6A、6Bの配置位置に到達した状態を示す。図6に示す状態では、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dより上方の上昇位置に位置し、最下層の段ボールシートSHは給紙ロール13A〜13Dから離間される一方で、最下層の段ボールシートSHは第1のフィードロール5A、5Bおよび第2のフィードロール6A、6Bに挟まれて搬送力を受けている。最下層の段ボールシートSHは、その上に積層された段ボールシートとグレイト19の受け板19Aとの間で挟まれた状態にあり、しかも、吸引室16の負圧により受け板19Aに吸引されている。このため、最下層の段ボールシートSHは、その上に積層された段ボールシートとグレイト19の受け板19Aとの間で摩擦抵抗を受けながら、第1および第2のフィードロールにより給紙される。その摩擦抵抗の大きさは、吸引室16の負圧の影響を受け、その負圧、すなわち吸引力が大きければ、大きくなる。最下層の段ボールシートSHは、グレイト19が上昇位置に上昇したときから、その段ボールシートSHの後端がグレイト19の受け板19Aを通過するまで、摩擦抵抗を受けている。
N枚目の段ボールシートの後端の通過が検出されたとき(S16:YES)、給紙制御装置110は、パルス発生器PGから発生されたパスルの数の計数値を管理装置100から取得して、後端検出計数値として作業メモリ141に一時記憶する。この一時記憶の後に、S17の処理が実行される。図7は、給紙装置4から送り出された段ボールシートSHの後端が後端検出器TDの配置位置に到達した状態を示す。図7に示す状態では、段ボールシートSHは、第2のフィードロール6A、6Bから搬送力を受けて、印刷シリンダ7およびプレスロール8の間に送り込まれる。
S17において、段ボールシートの後端の給紙ずれ量が算出される。具体的には、作業メモリ141に一時記憶された後端検出計数値から原点検出計数値を差し引くことにより差分が算出される。この算出された差分は、1枚目の段ボールシートの給紙動作が開始されてから、その1枚目の段ボールシートの後端の通過が後端検出器TDにより検出されるまでの間に、主駆動モータMTの回転に伴いパルス発生器PGが発生したパルスの数である。主駆動モータMTの回転に伴いパルス発生器PGが発生したパルスの数と、給紙ロール13A〜13Dにより給紙される量との間に存在する前述の一定の関係に従って、上記の算出された差分が、理想的な状態で段ボールシートが給紙される量に換算される。この換算された量から、後端検出用の基準距離であるシート長さとシート検出距離DSとの合計距離を差し引くことにより、1枚目の段ボールシートの後端について給紙ずれ量が算出される。この算出された給紙ずれ量は、1枚目の段ボールシートの後端に対応付けて作業メモリ141に履歴情報として記憶され、操作パネル142の履歴閲覧ボタンを操作することにより表示装置148に表示される。
S18において、後端について算出された給紙ずれ量が閾値SA以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SA以上であれば(S18:YES)、S19の処理が実行される。
S19において、後端について算出された給紙ずれ量が、閾値SAより大きい閾値SB以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SB以上であれば(S19:YES)、S20の処理が実行される。
S20において、グレイト19の作動がS13の処理と同様に停止される。具体的には、給紙制御装置110が、作動棹31Aが引っ込んだ状態になるようにグレイト制御装置147に作動制御指令を供給し、グレイト制御装置147は、作動棹31Aが引っ込んだ状態になるようにエアシリンダ31を作動させる。作動棹31Aの引っ込みにより、係合ピン34が係止片33の先端に係止され、揺動体25の揺動が停止される。この揺動の停止により、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より上方の上昇位置に保持され、段ボールシートの給紙が停止される。
S21において、エラーメッセージがS14の処理と同様に表示装置148に表示される。S21の処理後に、S5の処理が実行される。
S19において、給紙ずれ量が閾値SB未満であると判断されると(S19:NO)、S22の処理が実行される。S22において、吸引減少ボタン145の操作を指示する指示メッセージが表示装置148に表示される。具体的には、給紙制御装置110は、吸引力の減少を指示する指示メッセージを表示するために吸引減少表示指令LCを表示装置148に供給し、「吸引減少ボタンを操作してシートの吸引を弱くして下さい。」という指示メッセージを表示装置148に表示させる。
段ボールシートの後端について、閾値SA以上で閾値SB未満の量の給紙ずれが発生する原因として、最下層の段ボールシートがその上方の積層された段ボールシートとグレイト19の受け板19Aとの間に挟まれた状態において、最下層の段ボールシートが受ける摩擦抵抗が大きいことが考えられる。最下層の段ボールシートが受ける摩擦抵抗は、吸引室16の負圧、すなわちブロアモータ18の回転速度に関係する。このため、摩擦抵抗が大きいことは、ブロアモータ18の回転速度が高く、吸引室16の負圧が大きいことに関係することから、作業者は、吸引減少ボタン145を操作してブロアモータ18の駆動信号の周波数を低くすることが必要である。実際に、作業者が吸引減少ボタン145を操作するのは、給紙制御処理が終了した後に、表示装置148に表示された指示メッセージを見たときである。
S18において、給紙ずれ量が閾値SA未満であると判断されるとき(S18:NO)、または、S22の処理が実行された後に、S23の処理が実行される。S23において、変数Nが現在のオーダの給紙枚数に達したか否かが判断される。変数Nが現在のオーダの給紙枚数に達していないとき(S23:NO)、S24の処理が実行される。変数Nが現在のオーダの給紙枚数に達したとき(S23:YES)、給紙制御処理が終了する。
S24において、変数Nに「1」が加算されて変数Nとして設定される。S24の処理後に、S8の処理が実行される。変数Nが現在のオーダの給紙枚数に達するまで、S8〜S24の処理が繰り返される。
《第1の実施形態の効果》
本実施形態では、作業者は、表示装置148に表示される指示メッセージを見ることにより、サクション機構14の吸引力を大きくするのか小さくするのかを容易に認識することができる。そして、作業者は、指示メッセージに従って吸引増加ボタン144または吸引減少ボタン145を操作することにより、段ボールシートの前端および後端について給紙ずれがほとんど生じない適切な吸引力にサクション機構14の吸引力を迅速に調整することができる。
段ボールシートの前端について給紙ずれが発生しない場合でも、サクション機構14の吸引力が適切な吸引力であるとは限らない。たとえば、サクション機構14の吸引力が適切な吸引力より大きい場合、段ボールシートは給紙ロール13A〜13Dから大きな搬送力を受けていることから、段ボールシートの前端について給紙ずれは発生しない。しかし、サクション機構14の吸引力が適切な吸引力より大きいことから、グレイト19が上昇位置に位置する間に段ボールシートは大きな摩擦抵抗を受け、段ボールシートの後端について給紙ずれが発生する。サクション機構14の吸引力を適切な吸引力に調整するために、本実施形態では、S11およびS12の処理により、段ボールシートの前端について給紙ずれの発生が判断されるとともに、S18およびS19の処理により、段ボールシートの後端について給紙ずれの発生が判断される。この結果、段ボールシートの前端および後端の両端について、給紙ずれの発生を解消することが可能になる。
本実施形態では、給紙された各段ボールシートの前端および後端について算出された給紙ずれ量は、S10およびS17の処理により、作業メモリ141に履歴情報として一時記憶される。そして、作業者は、操作パネル142を操作することにより、各段ボールシートの前端および後端について給紙ずれ量を表示装置148に表示させて見ることができる。作業者は、吸引増加ボタン144または吸引減少ボタン145を操作してサクション機構14の吸引力を調整したとき、この吸引力の調整に伴い給紙ずれ量が変化する状況を、表示装置148の表示内容から的確に把握することができる。この結果、作業者は、給紙ずれ量の変化を把握しながら、サクション機構14の吸引力を迅速かつ適切に調整することができる。
段ボールシートの端部の通過を検出するために光学センサを使用する場合、検出精度を考慮すると、透過型の光学センサの方が反射型の光学センサより有利である。一方、給紙方向DFのサイズが短い段ボールシートを確実に給紙するためには、第1のフィードロール5A、5Bを給紙装置4に可能な限り近接して配置することが好ましい。本実施形態では、透過型の光学センサから構成される前端検出器LDおよび後端検出器TDは、図1に示すように第2のフィードロール6A、6Bより第1のフィードロール5A、5Bに近接して配置される。この結果、短いサイズの段ボールシートでも確実に給紙することができるとともに、段ボールシートの端部の通過を正確に検出することができる。
本実施形態では、段ボールシートの前端および後端について算出された給紙ずれ量が閾値SB以上である場合、S13およびS20の処理により、段ボールシートの給紙動作が停止される。この結果、製品の品質が確保できないほど大きな給紙ずれ量が発生した異常状態において、段ボールシートが、給紙ユニットの下流側に配置された加工ユニットに給紙されることを防止することができる。
[第2の実施形態]
本発明のサクション制御装置を段ボールシート製函機に適用した第2の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。第1の実施形態は、給紙ずれ量が閾値SA以上で閾値SB未満である場合に指示メッセージを表示装置148に表示し、吸引増加ボタン144または吸引減少ボタン145の操作を作業者に指示する構成であるのに対し、第2の実施形態は、給紙ずれ量に応じてサクション機構14の吸引力を自動的に制御する構成である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には同一の記号を付して示し、その説明を省略する。
《電気的構成》
図8を参照して第2の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成を主に説明する。図8は、第2の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成を示すブロック図である。図8において、第2の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成は、プログラムメモリ140の記憶内容、操作パネル142のボタン構成、および吸引制御メモリ149の追加構成において、第1の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成と相違する。この相違する構成について以下に説明する。
プログラムメモリ140は、給紙制御プログラムなどの制御プログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。給紙制御プログラムは、図9に示す各処理を実行するプログラムである。この給紙制御プログラムの実行により、段ボールシートの前端および後端について給紙ずれ量がそれぞれ算出される。各種の設定値は、シート検出距離DS、閾値SA、閾値SB、およびブロアモータ18の駆動信号の周波数の初期設定値などである。
操作パネル142は、給紙ボタン143を備えるが、第1の実施形態における吸引増加ボタン144および吸引減少ボタン145を備えない。
吸引制御メモリ149が、給紙制御装置110に追加して接続される。吸引制御メモリ149は、段ボールシートの前端について算出される給紙ずれ量VF1〜VFMに対応付けて吸引制御情報LC1〜LCMを固定記憶するとともに、段ボールシートの後端について算出される給紙ずれ量VF1〜VFMに対応付けて吸引制御情報TC1〜TCMを固定記憶する。図10は、吸引制御メモリ149の記憶内容を示す。図10において、段ボールシートの前端について算出される給紙ずれ量が、給紙ずれ量VF2である場合、「前端」の欄に記憶される吸引制御情報LC2が読み出される。段ボールシートの後端について算出される給紙ずれ量が、給紙ずれ量VF4である場合、「後端」の欄に記憶される吸引制御情報TC4が読み出される。吸引制御情報LC1〜LCMおよび吸引制御情報TC1〜TCMは、ブロアモータ18の駆動信号の周波数を指令する情報である。給紙ずれ量が給紙ずれ量VF1から給紙ずれ量VFMに向かって大きくなるほど、吸引制御情報LC1〜LCMは、高い周波数を指令するように設定される。一方、給紙ずれ量が給紙ずれ量VF1から給紙ずれ量VFMに向かって大きくなるほど、吸引制御情報TC1〜TCMは、低い周波数を指令するように設定される。
《第2の実施形態の動作および作用》
第2の実施形態に係る段ボールシート製函機1の給紙ユニット2の動作および作用について、図9を参照して説明する。図9において、第2の実施形態における給紙制御処理は、
図4に示す第1の実施形態における給紙制御処理のS12、およびS15の処理に代わってS100、S101、およびS102の処理を備え、第1の実施形態における給紙制御処理のS19、およびS22の処理に代わってS103、S104、およびS105の処理を備える。第1の実施形態における給紙制御処理と相違する処理について以下に説明する。
S100において、前端について算出された給紙ずれ量が、閾値SB以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SB以上であれば(S100:YES)、S13の処理が実行される。給紙ずれ量が閾値SB未満であれば(S100:NO)、S101の処理が実行される。第2の実施形態でも、閾値SAおよび閾値SBは、第1の実施形態と同様に設定される。
S101において、吸引制御情報が吸引制御メモリ149から読み出される。たとえば、S10において段ボールシートの前端について算出された給紙ずれ量が、給紙ずれ量VF4であるとき、吸引制御情報LC4が吸引力の増加を指示する吸引増加制御情報HSとして吸引制御メモリ149から読み出され、作業メモリ141に一時記憶される。
S102において、給紙制御装置110は、作業メモリ141に一時記憶された吸引制御情報LC4を吸引制御装置146に供給する。吸引制御装置146は、吸引制御情報LC4により指令される周波数まで、ブロアモータ18の駆動信号の周波数を高くして、ブロアモータ18の回転速度を増速させる。
段ボールシートの前端について算出された給紙ずれ量が大きいほど、ブロアモータ18の回転速度は高い速度まで増速されることから、段ボールシートは給紙ロール13A〜13Dから大きな搬送力を受ける。この結果、段ボールシートの前端について給紙ずれ量が小さくなる。
S103において、後端について算出された給紙ずれ量が、閾値SB以上であるのか否かが判断される。給紙ずれ量が閾値SB以上であれば(S103:YES)、S20の処理が実行される。給紙ずれ量が閾値SB未満であれば(S103:NO)、S104の処理が実行される。
S104において、吸引制御情報が吸引制御メモリ149から読み出される。たとえば、S17において段ボールシートの後端について算出された給紙ずれ量が、給紙ずれ量VF2であるとき、吸引制御情報TC2が吸引力の減少を指示する吸引減少制御情報LSとして吸引制御メモリ149から読み出され、作業メモリ141に一時記憶される。
S105において、給紙制御装置110は、作業メモリ141に一時記憶された吸引制御情報TC2を吸引制御装置146に供給する。吸引制御装置146は、吸引制御情報TC2により指令される周波数まで、ブロアモータ18の駆動信号の周波数を低くして、ブロアモータ18の回転速度を減速させる。
段ボールシートの後端について算出された給紙ずれ量が大きいほど、ブロアモータ18の回転速度は低い速度まで減速されることから、上方に積層された段ボールシートとグレイト19の受け板19Aとの間で最下層の段ボールシートが受ける摩擦抵抗は小さくなる。この結果、段ボールシートの後端について給紙ずれ量が小さくなる。
《第2の実施形態の効果》
本実施形態では、S101およびS102の処理と、S104およびS105の処理とにより、段ボールシートの前端および後端について算出された給紙ずれ量に応じてブロアモータ18の回転速度が制御され、サクション機構14の吸引力が自動的に調整される。この結果、段ボールシート製函機1の通常運転前の準備段階において、サクション機構14の吸引力を調整するための作業を軽減することができる。
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
給紙ロール13A〜13D、サクション機構14および給紙装置4が、本発明の給紙ロール、サクション機構および給紙装置の一例である。前端検出器LDおよび後端検出器TDが、本発明のシート検出部、シート前端検出器およびシート後端検出器の一例である。S11、S12、S18およびS19の処理と給紙制御装置110との組み合わせ、または、S11、S100、S18およびS103の処理と給紙制御装置110との組み合わせが、本発明の判断部および給紙ずれ判断部の一例である。S12、S15、S19およびS22の処理と給紙制御装置110との組み合わせ、または、S100、S101、S103およびS104の処理と給紙制御装置110との組み合わせが、本発明の指示発生部の一例である。グレイト19が、本発明の昇降部材の一例である。第1のフィードロール5A、5Bおよび第2のフィードロール6A、6Bが、本発明の搬送装置の一例である。主駆動モータMTが、本発明の駆動部の一例である。パルス発生器PGが、本発明の測定部の一例である。S10の処理と給紙制御装置110との組み合わせ、およびS17の処理と給紙制御装置110との組み合わせが、本発明の前端給紙ずれ演算部および後端給紙ずれ演算部の一例である。表示装置148および給紙制御装置110が、本発明の情報表示部および表示制御部の一例である。S102およびS105の処理と吸引制御装置146との組み合わせが、本発明の吸引制御部の一例である。吸引増加表示指令HCおよび吸引減少表示指令LC、または、吸引増加制御情報HSおよび吸引減少制御情報LSが、本発明の吸引増加信号および吸引減少信号の一例である。前端検出器LDおよび後端検出器TDと、プログラムメモリ140と、給紙制御装置110との組み合わせが、本発明のサクション調整指示装置の一例である。前端検出器LDおよび後端検出器TDと、プログラムメモリ140と、給紙制御装置110と、吸引制御装置146と、吸引制御メモリ149との組み合わせが、本発明のサクション制御装置の一例である。
[変形例]
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
(1)本実施形態では、給紙ユニット2が、第1のフィードロール5A、5Bと、第2のフィードロール6A、6Bとを備え、第1および第2のフィードロールが給紙装置4より給紙方向DFの下流側に配置される構成であるが、この構成に限定されない。給紙ユニットが、第2のフィードロールを備えない構成でもよい。また、第2のフィードロールに代えてサクション機能を有する搬送装置が、第1のフィードロールと印刷ユニットとの間に配置される構成でもよい。
(2)本実施形態では、前端検出器LDおよび後端検出器TDは、第2のフィードロール6A、6Bより第1のフィードロール5A、5Bに近接して配置される構成である。給紙ユニットが、第2のフィードロールを備えない構成である場合、前端検出器および後端検出器は、給紙方向において第1のフィードロールの次に下流側に配置される搬送装置よりも、第1のフィードロールに近接して配置される構成でもよい。また、本実施形態では、前端検出器LDおよび後端検出器TDは、透過型の光学センサから構成されたが、反射型の光学センサから構成された場合には、給紙装置と第1のフィードロールとの間に配置される構成でもよい。
(3)本実施形態では、図5に示すように、段ボールシートの前端が前端検出器LDの配置位置に到達した時点では、給紙ロール13A〜13Dの全てが最下層の段ボールシートSHに接触して搬送力を付与するように構成されるが、この構成に限定されない。前端検出器および第1のフィードロールの配置位置、または給紙ロールの構成などに応じて、段ボールシートの前端が前端検出器の配置位置に到達した時点では、複数の給紙ロールの下流側に配置される一部の給紙ロールのみが最下層の段ボールシートに接触して搬送力を付与する構成でもよい。
(4)本実施形態では、段ボールシートの搬送長さを測定するために、パルス発生器PGが主駆動モータMTに連結される構成であるが、この構成に限定されない。別個のパルス発生器が、給紙ロールの回転軸と、第1のフィードロールの一方のロールの回転軸とにそれぞれ連結され、グレイトが下降位置に位置している間は、給紙ロールの回転軸に連結されたパルス発生器のパルスの数を計数し、グレイトが上昇位置に位置している間は、一方のロールの回転軸に連結されたパルス発生器のパルスの数を計数する構成でもよい。
(5)第1の実施形態では、作業者が吸引増加ボタン144または吸引減少ボタン145を操作することにより、サクション機構14の吸引力を調整する構成であり、各ボタンの1回の操作に対して吸引力を変化させる割合は特に限定されない。各ボタンが操作されている間、吸引力を連続的に変化させる構成でも、吸引力を段階的に変化させる構成でもよい。
(6)本実施形態では、昇降機構15が、給紙ロール13A〜13Dより上方の上昇位置にグレイト19を保持する保持機構29を備え、S13およびS20の処理により、保持機構29を作動させて給紙動作を停止する構成であるが、この構成に限定されない。昇降機構が保持機構を備えない構成であって、S13およびS20の処理に相当する処理として、主駆動モータMTを停止させる構成でもよい。
(7)第1の実施形態では、S15の処理により「吸引増加ボタンを操作してシートの吸引を強くして下さい。」という指示メッセージが表示され、S22の処理により「吸引減少ボタンを操作してシートの吸引を弱くして下さい。」という指示メッセージが表示される構成であるが、この構成に限定されない。シートの吸引を強くする、またはシートの吸引を弱くする表示内容に代えて、吸引を変化させる割合を指示する指示メッセージを表示する構成でもよい。また、表示装置148に代えて、指示メッセージを発音する音声発生装置を備えてもよい。
2 給紙ユニット
3 印刷ユニット
4 給紙装置
5A、5B 第1のフィードロール
6A、6B 第2のフィードロール
13A〜13D 給紙ロール
14 サクション機構
15 昇降機構
18 ブロアモータ
19 グレイト
110 給紙制御装置
146 吸引制御装置
148 表示装置
149 吸引制御メモリ
DF 給紙方向
LD 前端検出器
TD 後端検出器
SH 段ボールシート
MT 主駆動モータ
PG パルス発生器
DS シート検出距離

Claims (7)

  1. 積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって送り出す給紙装置において、
    給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するとともに、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するシート検出部と、
    シート検出部が段ボールシートの前端の通過を検出したときに、その前端について給紙ずれの有無を判断し、シート検出部が段ボールシートの後端の通過を検出したときに、その後端について給紙ずれの有無を判断する判断部と、
    判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加させることを指示する吸引増加信号を発生し、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少させることを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、を備えるサクション調整指示装置。
  2. シート検出部は、段ボールシートの前端の通過を検出するシート前端検出器と、段ボールシートの後端の通過を検出するシート後端検出器とを含む請求項1に記載のサクション調整指示装置。
  3. 給紙装置は、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールに接触させ、上昇したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールから引き離す昇降部材を備え、
    シート前端検出器は、昇降部材が下降したときに給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、
    シート後端検出器は、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される請求項2に記載のサクション調整指示装置。
  4. 給紙装置は、給紙方向に間隔をおいて配列された複数の給紙ロールを備え、
    シート前端検出器は、昇降部材が下降している間に複数の給紙ロールの全てに接触して給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するように、給紙装置より給紙方向の下流側に配置される請求項3に記載のサクション調整指示装置。
  5. 積層された複数の段ボールシートの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙する給紙ロールと、積層された段ボールシートを給紙ロールに引き寄せるように吸引し、吸引力を調整することが可能に構成されるサクション機構と、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールに接触させ、上昇したときに、積層された段ボールシートを給紙ロールから引き離す昇降部材と、を備える給紙装置において、
    給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出して前端検出信号を発生するシート前端検出器と、
    給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出して後端検出信号を発生するシート後端検出器と、
    給紙ロール、および給紙装置より下流側に配置された搬送装置をそれぞれ回転駆動する駆動部の駆動量に従って、給紙装置から下流側の加工装置に向かって搬送される段ボールシートの搬送長さを測定する測定部と、
    シート前端検出器が前端検出信号を発生するまでに測定部により測定された搬送長さと、給紙装置とシート前端検出器との間の距離とに基づいて、段ボールシートの前端について給紙ずれ量を演算する前端給紙ずれ演算部と、
    シート後端検出器が後端検出信号を発生するまでに測定部により測定された搬送長さと、給紙装置とシート後端検出器との間の距離とに基づいて、段ボールシートの後端について給紙ずれ量を演算する後端給紙ずれ演算部と、
    前端給紙ずれ演算部により演算された給紙ずれ量を基に、段ボールシートの前端について給紙ずれの有無を判断し、後端給紙ずれ演算部により演算された給紙ずれ量を基に、段ボールシートの後端について給紙ずれの有無を判断する給紙ずれ判断部と、
    給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加させることを指示する吸引増加信号を発生し、給紙ずれ判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少させることを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、を備えるサクション調整指示装置。
  6. 情報表示部と、
    指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力の増加または減少を作業者に指示する情報を情報表示部に表示させる表示制御部とを備える請求項1〜5のいずれかに記載のサクション調整指示装置。
  7. 積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって送り出す給紙装置において、
    給紙装置より給紙方向の下流側に配置され、給紙ロールにより給紙されている段ボールシートの前端の通過を検出するとともに、給紙装置から送り出された段ボールシートの後端の通過を検出するシート検出部と、
    シート検出部が段ボールシートの前端の通過を検出したときに、その前端について給紙ずれの有無を判断し、シート検出部が段ボールシートの後端の通過を検出したときに、その後端について給紙ずれの有無を判断する判断部と、
    判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を増加することを指示する吸引増加信号を発生し、判断部が段ボールシートの前端について給紙ずれが無いと判断し、かつ、段ボールシートの後端について給紙ずれが有ると判断したときに、サクション機構の吸引力を減少することを指示する吸引減少信号を発生する指示発生部と、
    指示発生部が発生する吸引増加信号または吸引減少信号に従って、サクション機構の吸引力が増加し、または減少するように、サクション機構を制御する吸引制御部と、を備えるサクション制御装置。
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