JP5942548B2 - ポリカーボネート樹脂ペレット - Google Patents

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この発明は、ポリカーボネート樹脂ペレットに関し、詳しくは、所定の安息角と所定の重量を有するポリカーボネート樹脂ペレットに関する。
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル又は炭酸ジエステルとを重縮合反応させることにより製造される。製造されたポリカーボネート樹脂は、特許文献1に記載されているように、押出機にてストランド状に押し出され、冷却された後、カッターで切断されて、円柱状のペレットにされ、成形等に供与される。
特開2002−337140号公報
ところで、ポリカーボネート樹脂ペレットを用いてポリカーボネート樹脂成形体を射出成形する場合、特に大型の成形体や高温、高射出サイクル条件にて成形する場合に、成形体にシルバーストリークが発生し、外観不良となることがあった。シルバーストリークの発生原因としては、乾燥不良、射出成形機内での熱分解、空気の混入、ポリカーボネート樹脂微粉の混入などが考えられ、前記特許文献1には光学用ポリカーボネート成形材料として特定の安息角、重量、重量偏差を有するポリカーボネート樹脂ペレットを使用することが提案されている。しかしながら大型成形体を成形する場合や中粘度以上のポリカーボネート樹脂ペレットを使用する場合には、上記対策だけではシルバーストリークの発生抑制が十分とは言えなかった。
さらに前記ポリカーボネート樹脂ペレットを搬送する際に、ペレット同士が接触し、ペレットの一部が欠け、微粉を生じやすいという問題も有していた。
本発明は、射出成形する際にシルバーストリークの発生を低減するポリカーボネート樹脂ペレットを提供することを目的とする。また得られるポリカーボネート樹脂ペレットの搬送や保管の効率を向上させることを目的とする。
本発明は、ポリカーボネート樹脂ペレットの安息角を24°以下、かつ、ペレット1個の重量の平均値を15mg〜23mgとすることにより、前記課題を達成したのである。
また、かさ密度が0.77g/mL以上とすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂ペレットを使用することにより、大型の射出成形体や中粘度以上のポリカーボネート樹脂ペレットを使用して射出成形する際にシルバーストリークの発生を低減することが可能となる。これは本発明の特定の安息角、ペレット重量のポリカーボネート樹脂ペレットを使用することにより、成形時のポリカーボネート樹脂ペレットの成形機スクリューへの噛み混みが改善され、また空気の持ち込みが少なくなること、及び搬送時の微粉の発生が抑制されることにより成形に供される際のポリカーボネート樹脂ペレットの微粉量が少ないことによると推測される。また本発明のポリカーボネート樹脂ペレットは、さらにかさ密度を0.77g/mL以上とすることにより、充填効率を上げることができ、包装時の充填量が多く、一度に多量の樹脂を搬送できるためエネルギーコストを安くすることができる。
この発明の実施例で使用した安息角測定のための装置
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、ポリカーボネート樹脂のペレットについての発明である。
(ポリカーボネート樹脂)
前記のポリカーボネート樹脂とは、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重縮合反応(エステル交換反応)させることにより製造される樹脂であることが好ましい。
(炭酸ジエステル)
前記の炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(DPC)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのハロゲン化カルボニルや炭酸ジエステルは、前記ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられる。すなわち、ハロゲン化カルボニルや炭酸ジエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、1.01〜1.30倍量(モル比)、好ましくは1.02〜1.20倍量(モル比)で用いられる。モル比が小さすぎると、得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基が多くなり、ポリカーボネート樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。また、モル比が大きすぎると、エステル交換反応の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となったり、ポリカーボネート樹脂中のハロゲン化カルボニルや炭酸ジエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。
(ジヒドロキシ化合物)
前記のジヒドロキシ化合物は、分子内に二つの水酸基を有する化合物であり、この発明においては、ジヒドロキシ化合物の中でも、分子内に一つ以上の芳香環を有し、二つの水酸基がそれぞれ芳香環に結合された芳香族ジヒドロキシ化合物を用いるのが好ましい。
このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノ−ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA(BPA))が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(エステル交換触媒)
前記のエステル交換反応においては、エステル交換触媒が用いられる。このエステル交換触媒としては、通常、エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際に用いられる触媒が挙げられ、特に限定されない。一般的には、例えば、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。
これらのエステル交換触媒の中でも、実用的には第1族元素(水素を除く)の化合物及び第2族元素の化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が好ましい。これらのエステル交換触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
このエステル交換触媒の使用量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常1×10−9モル〜1×10−1モルが好ましく、より好ましくは1×10−7モル〜1×10−3モル、更に好ましくは1×10−7モル〜1×10−5モルの範囲で用いられる。
前記の第1族元素(水素を除く)の化合物としては、第1族元素(水素を除く)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機化合物;第1族元素(水素を除く)のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機化合物等が挙げられる。ここで、第1族元素(水素を除く)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらの第1族元素(水素を除く)の化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが好ましい。
また、前記の第2族元素の化合物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の水酸化物、炭酸塩等の無機化合物;これらのアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。
前記の塩基性ホウ素化合物としては、ホウ素化合物のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。ここで、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等が挙げられる。
また、前記の塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
前記の塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
また、前記のアミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
(重縮合工程)
原料調製工程で得られる原料混合物を、バッチ式、連続式、これらの組合せ等の方式で重縮合を行うことにより、ポリカーボネート樹脂が得られる。この重縮合工程の例としては、多段方式の重縮合反応装置を用い、多段階に溶融重縮合反応を行う方法があげられる。この段数としては、2段階以上、好ましくは3段〜7段が好ましい。具体的な溶融重縮合反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜0.01Torr(1.3Pa)、平均滞留時間:5分〜300分の範囲である。
多段方式においては、重縮合反応装置で、溶融重縮合反応の進行とともに副生するフェノール等のモノヒドロキシ化合物をより効果的に系外に除去するために、前記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネート樹脂の色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、短滞留時間の設定が好ましい。
重縮合工程を多段方式で行う場合は、通常、複数基の竪型反応器とそれに続く1基〜2基の横型反応器を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量を増大させることが好ましい。通常、設置される全反応器数としては、3基〜6基、好ましくは4基〜5基があげられる。
一群の重縮合反応装置における後段の反応器として横型反応器が用いられるのは、重縮合反応が進行するにつれ、粘度が上昇するので、最後においては、高粘度となっており、この高粘度での撹拌をより容易にするためである。
前記の竪型及び横型の反応器としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等が用いられる。
また、前記竪型反応器の撹拌翼の形式としては、例えば、タービン翼、パドル翼、ファウドラー翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼(日立製作所(株)製)等が挙げられる。
ところで、横型反応器とは、攪拌翼の回転軸が横型(水平方向)であるものをいう。横型反応器の攪拌翼としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの撹拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、あるいはメガネ翼、格子翼(日立製作所(株)製)等の二軸タイプの撹拌翼が挙げられる。
なお、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との溶融重縮合反応に使用するエステル交換触媒は、通常、予め水溶液として準備される場合がある。触媒水溶液の濃度は特に限定されず、触媒の水に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整される。また、水に代えて、アセトン、アルコール、トルエン、フェノール等の他の溶媒を選択することもできる。
触媒の溶解に使用する水の性状は、含有される不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましく用いられる。
前記重縮合反応で得られる前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、17,000以上がよく、18,000以上が好ましい。17,000より小さいと、成形体を成形した際に、成形体が脆く、割れやすい虞がある。一方、粘度平均分子量の上限は、30,000がよく、28,000が好ましい。30,000より大きいと、溶融粘度が高く、射出成形体にクラウドマークが発生したり、充填不良が発生する虞がある。
前記重縮合反応で得られる前記ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、100ppm以上がよく、300ppm以上が好ましい。100ppmより小さいと成形時成形体の色調が悪化する虞があり好ましくない。一方、末端水酸基濃度の上限は、1500ppmがよく、1000ppmが好ましい。1500ppmより大きいと、シルバーストリークが発生しやすくなる虞があり好ましくない。
これらの方法で製造されたポリカーボネート樹脂は、押出機に送られる。押出機については、特に限定されないが、通常、ベント付溶融押出機が使用される。ベント付溶融押出機としては単軸または多軸押出機が挙げられるが、特に噛み合い型二軸押出機が好ましく、スクリュー回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。また、ベント数に制限はなく、通常は1〜10段の範囲から適宜選択される。押出機内樹脂温度は、押出機の各バレルの中心及び出口部に取り付けられた樹脂温度計により、運転中に示した最も高い温度として測定され、温度計としては、熱電対式や接触型赤外線式などの温度計が好適に使用される。また、押出機に供給されるポリカーボネート樹脂は、溶融状態、粉体、ペレットの何れでもよい。
本発明においては、溶融押出機により既にペレット化されたポリカーボネート樹脂を原料としてもよいが、最終重合槽の出口より抜き出された溶融ポリカーボネート樹脂を直接原料とすることがより好ましい。
溶融押出機における溶融樹脂温度は、通常200℃〜400℃、好ましくは250℃〜380℃である。
溶融押出機の出口部にはペレット化装置が設置される。ペレット化装置は特に限定されないが、通常、ダイ先端からポリカーボネート樹脂をストランド状に押出し、該ストランドを冷却水中をくぐらせ冷却固化させた後、回転式カッター刃で切断する方法(ストランドカット)、ダイ先端からポリカーボネート樹脂をストランド状に押出し、滑り台式冷却装置で水とともに滑り台上を滑らすことより冷却し、回転式カッター刃で切断する方法(セミアンダーウォーターカット)、ダイ出口にカッター刃を押し当て回転させることによりペレット化する方法(ホットカット)、ダイ出口に冷却水を流しながら、カッター刃を押し当て回転させることによりペレット化する方法(アンダーウォーターカット)等が挙げられる。本発明のポリカーボネート樹脂ペレットを得るためには、ホットカット、アンダーウォーターカットが好ましく、アンダーウォーターカットが最も好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂ペレットのペレット1個の重さは、平均値で15mg〜23mgであり、16mg〜22mgが好ましい。この範囲より小さいと、カッティング時の微粉量発生が多くなり、成形時成形体にシルバーストリークの発生が多くなる虞があり好ましくない。また、この範囲より大きいと、このポリカーボネート樹脂ペレットの径が大きくなりすぎ、成形時に空気を抱き込む虞があり、成形時成形体にシルバーストリークの発生が多くなる虞があり好ましくない。
前記ポリカーボネート樹脂ペレットの安息角は、24°以下であり、22°以下が好ましく、21°以下が最も好ましい。また、24°より大きいと、成形時に空気を抱き込む虞があり、成形時成形体にシルバーストリークの発生が多くなる虞があり好ましくない。この安息角の下限は、特に限定されてないが、現実的な意味合いで、10°より小さくすることは困難であるので、10°あれば十分である。
前記ポリカーボネート樹脂ペレットのかさ密度は、0.77g/mL以上が好ましく、0.78g/mL以上がより好ましい。0.77g/mLより小さいと、成形時に空気を抱き込む虞があり、成形時成形体にシルバーストリークの発生が多くなる虞がある。一方、かさ密度の上限は、特にないが、現実的な意味合いで、0.90g/mLより大きくすることは困難なので、0.90g/mLであれば十分である。
上記の方法で得られるポリカーボネート樹脂ペレットは、ペレット化後、内部に空隙部であるボイドが発生する場合がある。このボイド発生率は、50%以上がよく、80%以上が好ましい。50%より低いと、射出成形時にシリンダー内でペレットがつぶれにくく、成形体に未溶融物が残ってしまう虞があり好ましくない。一方、ボイド発生率の上限は、100%であってもよい。
上記の方法で得られたポリカーボネート樹脂ペレットは、射出成形、押出成形等、各種の成形のための原料として使用することが可能であるが、射出成形に用いることが特に好ましい。一般的な射出成形、押出成形等の成形手段を用いることにより、射出成形体、押出成形等の成形体を得ることができる。
以下、この発明を、実験例を用いて説明する。
まず、各評価の測定方法について、説明する。
<評価方法>
[安息角の測定]
特開2002−337140号公報の記載に従って測定した。
すなわち、図1に示すように直径13cmのポリカーボネート円板上に5cmの高さよりポリカーボネート樹脂ペレットを落下させて堆積させる。次に、その円錐堆積層の高さ(H)を測定し、下記式(1)より安息角を算出した。
安息角Φ(°)=tan−1(H/6.5) (式(1))
[かさ密度の測定]
JIS K 7365に準拠し、漏斗を下部開口部が100mlのシリンダーの上20mmとなるように、かつ、それと軸が一致するように垂直に保持した。漏斗の下部開口部のダンパーを閉じ、その中にペレットを120ml入れた。速やかにダンパーを引き抜き、ペレットをシリンダーの中に流下させた。シリンダーから盛り上がったペレットを直線上の板ですり落とし、秤を用いて、シリンダー内のペレット重量を0.1gの桁まで測定した。この操作を3回繰り返し、平均のシリンダー内ペレット重量を求め、下記式(2)を用いてかさ密度を求めた。

かさ密度=平均のシリンダー内ペレット重量g/100mL (式(2))
[ボイド発生率の測定]
ポリカーボネート樹脂ペレットを無作為に50個選定し、目視にてボイド発生有無を確認した。その結果を以下の(式(3))によりボイド発生率とした。
ボイド発生率=ボイド発生ペレット個数/50 ×100 (式(3))
[粘度平均分子量の測定]
ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(濃度(C)0.6g/dl)を調製し、ウベローデ粘度計を用いて、この溶液の温度20℃における比粘度(ηsp)を測定し、下記の式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp
[η]=1.23×10−4Mv0.83
[末端水酸基の測定]
芳香族ポリカーボネート樹脂0.1gを塩化メチレン10mlに溶解し、これに酢酸(和光純薬、試薬特級)の5%塩化メチレン溶液5mlと四塩化チタン(和光純薬、試薬特級)の2.5%塩化メチレン溶液10mlを加えて発色させ、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV160型」)を使用し、546nmの波長での吸光度を測定した。別に、樹脂製造時に使用した二価フェノールの塩化メチレン溶液を使用して吸光係数を求め、サンプル中の末端水酸基濃度を定量した。
[シルバーストリーク発生率]
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(株式会社日本製鋼所製J75EII)を用い、金型温度90℃の条件下にて、厚み3mm、縦60mm、横60mmのポリカーボネート樹脂成形体を射出成形した。成形条件は以下の通りである。
・280℃成形:バレル温度280℃、成形サイクル37秒、スクリュー回転数90rpm
・320℃成形条件1:バレル温度320℃、成形サイクル27秒、スクリュー回転数90rpm
・320℃成形条件2:バレル温度320℃、成形サイクル27秒、スクリュー回転数180rpm
ポリカーボネート樹脂成形体10枚中のシルバーストリーク発生枚数を目視にて確認した
[ポリカーボネート樹脂の製造例]
ジフェニルカーボネート(三菱化学(株)製)とビスフェノールA(三菱化学(株)製)とを一定のモル比(DPC/BPA=1.050)となるように混合し、温度155℃で原料混合物の溶融液を得、これを88.7kg/時の流量で、原料導入管を介して、220℃、1.33×10Paに制御した容量100Lの第1竪型攪拌反応器内に連続供給し、平均滞留時間が60分となるように、反応器底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。また、原料溶融液の供給を開始すると同時に、触媒として、ビスフェノールA1モルに対し、0.5μモル(金属量としてビスフェノールA1モルに対し1.0μモル)の割合で炭酸セシウム水溶液を連続供給した。
反応器底部より排出された反応液は、引き続き、第2、第3の竪型攪拌反応器(容量100L)及び第4の横型反応器(容量150L)に逐次連続供給され、第4反応器底部のポリマー排出口から抜き出された。次に、溶融状態のままで、このポリマーをダイ出口にポリマーフィルターを設置した2軸押出機(株式会社日本製鋼所製 スクリュー径0.046m、L/D=36)に送り、p−トルエンスルホン酸ブチル(触媒として使用した炭酸セシウムに対して5倍モル量)を連続して混練し、ダイからストランド状で抜き出し、カッターで切断し、芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット(粘度平均分子量Mv21,400)を得た。得られたペレットは、バッチ毎に「ストランド1」、「ストランド2」と称し、比較例1、2に使用した。
第2〜第4反応器での反応条件は、それぞれ、第2反応器(260℃、4.00×10Pa、75rpm)、第3反応器(270℃、200Pa、75rpm)、第4反応器(280℃、67Pa、4rpm)とし、反応の進行と共に、高温、高真空とした。また、反応の間は第2と第3反応器の平均滞留時間が60分、第4反応器の平均滞留時間が90分となるように液面レベルの制御を行い、また、同時に副生するフェノールの留去も行った。
(実施例1、2)
ポリカーボネート樹脂の製造例で得られたポリカーボネート樹脂ペレットを、出口先端にアンダーウォーターカッターの設置されたベント付2軸押出機(日本製鋼所製TEX30、L/D=36)に投入し、ポリカーボネート樹脂ペレットを得た。得られたペレットは、バッチ毎に「UWC1」、「UWC2」と称し、実施例1、2に使用した。その評価結果を、表1に示す。尚、実施例1と実施例2は樹脂供給速度を変えることにより、ポリカーボネート樹脂ペレット重量を調整した。
(比較例1)
ポリカーボネート樹脂の製造例で得られたポリカーボネート樹脂ペレット(ストランド1)をそのまま評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
出口先端にストランドカッターの設置されたベント付2軸押出機を使用した以外は実施例1と同様に実施して、「ストランド2」を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0005942548

Claims (7)

  1. 安息角が24°以下であり、ペレット1個の重量の平均値が15mg〜23mgであり、かさ密度が0.77g/mL以上であり、かつ、ボイド発生率が50%以上であることを特徴とするポリカーボネート樹脂ペレット。
  2. 安息角が22°以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂ペレット。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂ペレットの粘度平均分子量が17,000以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂ペレット。
  4. 前記ポリカーボネート樹脂ペレットが、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶融重縮合反応により得られたものからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂ペレット。
  5. 前記ポリカーボネート樹脂ペレットが前記溶融重縮合反応により得られた溶融ポリカーボネートをペレット化したものであることを特徴とする請求項に記載のポリカーボネート樹脂ペレット。
  6. 前記ポリカーボネー樹脂ペレットが射出成形用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂ペレット。
  7. 請求項に記載のポリカーボネート樹脂ペレットを用いて射出成形する射出成形体の製造方法。
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