JP5939235B2 - 回転電機駆動装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
しかしながら特許文献1では、例えばインバータを構成するスイッチング素子を導通させることができない異常(以下、「オープン故障」という。)等を検出することができない。スイッチング素子を導通させることができないオープン故障は、スイッチング素子自体の異常に限らず、スイッチング素子を導通させるための指令信号の異常によっても起こり得る。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、指令信号の異常を検出可能な回転電機駆動装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
インバータ部は、回転電機の巻線の各相に対応し、高電位側に設けられる上アーム素子、および、上アーム素子の低電位側に設けられる下アーム素子を有する。
電流検出部は、巻線に通電される電流を検出する。
制御部は、電流検出部により検出される電流検出値を取得し、電流検出値に基づき、上アーム素子のオンオフを切り替える指令信号である上側指令信号、および、下アーム素子のオンオフを切り替える指令信号である下側指令信号を生成する。
同時オフ異常判定時間は、対となる上アーム素子および下アーム素子が同時オンとなることを避けるために同時オフされるデッドタイムより長く、電流検出部による電流検出を行う電圧ベクトル期間の開始から電流検出を行うタイミングまでの時間である最低維持時間以下である。
これにより、対になる上側指令信号および下側指令信号の同時オフ異常を適切に検出することができる。
そこで本発明では、異常検出部にて、指令信号の異常に起因するオープン故障を検出する。これにより、各相電流の誤検出を防ぐことができるので、回転電機の意図しない挙動を回避することができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による回転電機駆動装置、および、これを用いた電動パワーステアリグ装置を図1〜図13に示す。
図1に示すように、回転電機駆動装置1は、回転電機としてのモータ10とともに、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置100に適用される。
モータ10は、電源としてのバッテリ80(図2参照)から電力が供給されることにより駆動し、減速ギア89を正逆回転させる。
また、モータ10には、ロータの回転位置である電気角θを検出する位置センサ16が設けられる。
対になっているSW21とSW24との接続点は、U相コイル11の一端に接続する。対になっているSW22とSW25との接続点は、V相コイル12の一端に接続する。対になっているSW23とSW26との接続点は、W相コイル13の一端に接続する。
以下適宜、SW21〜23を「上アーム素子」、低電位側に配置されるSW24〜26を「下アーム素子」という。
制御部40は、電流演算部41、指令信号生成部42、および、監視部43等を有する。
電流演算部41は、増幅処理やノイズ除去処理がなされた電流検出値Icを取得し、取得された電流検出値Icに基づき、各相電流Iu、Iv、Iwを演算する。各相電流Iu、Iv、Iwの演算については、後述する。
具体的には、指令信号生成部42は、トルク指令値に基づいて決定されるd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*と、電流検出値Icから求められる各相電流Iu、Iv、Ivをdq変換したd軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqとの偏差が0となるように、PI演算によりd軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を演算する。また、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*の逆dq変換により各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算し、各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*をデューティ指令値Du、Dv、Dwに変換する。
そして、指令信号生成部42は、デューティ指令値Du、Dv、Dwとキャリア信号Cとの比較により、指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成する。生成された指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLは、カスタムIC50へ出力される。
本実施形態では、指令信号UH、VH、WHが「上側指令信号」に対応し、指令信号UL、VL、WLが「下側指令信号」に対応する。また、U相に係る指令信号UH、ULが「対になる上側指令信号および下側指令信号」に対応する。同様に、V相に係る指令信号VH、VLが「対になる上側指令信号および下側指令信号」に対応し、W相に係る指令信号WH、WLが「対になる上側指令信号および下側指令信号」に対応する。
監視部43は、異常検出部55の異常を監視する。
信号増幅部51は、制御部40から出力された指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを増幅し、各SW21〜26を駆動可能な電圧まで増幅した増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGを生成する。生成された増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGは、各SW21〜26へ出力される。
信号増幅部51では、制御部40から送信される増幅許可信号ENがオンのとき、増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGを生成し、各SW21〜26へ出力する。また、増幅許可信号ENがオフのとき、増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGの生成を停止する。
そのため、信号増幅部51は、自己保護回路部52を有する。自己保護回路部52は、U相保護回路、V相保護回路およびW相保護回路から構成される。U相保護回路は、指令信号UH、ULが共にオン指令である場合、増幅信号UHG、ULGの生成を停止する。V相保護回路は、指令信号VH、VLが共にオン指令である場合、増幅信号VHG、VLGの生成を停止する。W相保護回路は、指令信号WH、WLが共にオン指令である場合、増幅信号WHG、WLGの生成を停止する。本実施形態では、自己保護回路部52が「保護手段」に対応する。
異常検出部55には、U相の異常を検出するU相判定部、V相の異常を検出するV相判定部、および、W相の異常を検出するW相判定部が含まれる。
V相判定部は、V相に係る指令信号VH、VLの異常を判定する。指令信号VH、VLが異常である場合、V相異常フラグFlgVがセットされる。
W相判定部は、W相に係る指令信号WH、WLの異常を判定する。指令信号WH、WLが異常である場合、W相異常フラグFlgWがセットされる。
異常フラグFlgU、FlgV、FlgWに関する情報は、制御部40からの送信要求に応じ、例えばシリアル通信により、制御部40へ送信される。
図3は、SW21〜26のオンオフの組み合わせとシャント抵抗30に通電される母線電流との関係を示すものである。図3では、相毎に、上アーム素子21〜23がオン、下アーム素子24〜26がオフである状態を「H」、上アーム素子21〜23がオフ、下アーム素子24〜26がオンである状態を「L」で示している。また、インバータ部20側から巻線15側へ流れる電流を「+」、巻線15側からインバータ部20側へ流れる電流を「−」とした。また、図4では、デューティ指令値が最も大きい最大相をU相、デューティ指令値が中間である中間相をV相、デューティ指令値が最も小さい相をW相とし、下アーム素子24〜26に係る指令信号UL、VL、WLは省略した。
下アーム素子26が正常である場合、時間T2から時間T3までの期間は、V4電圧ベクトルであり、図5に矢印Ycで示すように、インバータ部20側からU相コイル11に電流が流れ、V相コイル12およびW相コイル13からインバータ部20側へ電流が流れる。このとき、シャント抵抗30に流れる電流は、上述の通り、インバータ部20側からU相コイル11に流れる電流(+Iu)に相当する。
すなわち制御部40は、SW21〜26にオープン故障が生じると、電流検出値Icに対応する母線電流の通電方向および相を誤検出する虞がある。そのため、SW21〜26にオープン故障が生じた場合、通電方向および相が誤検出された電流検出値Icから演算される各相電流Iu、Iv、Iwに基づいてモータ10の駆動を制御すると、逆回転等の意図しない挙動をする虞がある。
図5〜図8では、位置センサ16やカスタムIC50等の構成や一部の制御線は、煩雑になることを避けるため、記載を省略した。
図9には、デューティ指令値Du、Dv、Dwおよびキャリア信号Cに基づく指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLが正常である場合の例を示した。図9では、デューティ指令値Duを実線、デューティ指令値Dvを破線、デューティ指令値Dwを一点鎖線で示した。また、デッドタイムDTは、キャリア信号Cの1周期について記載し、他の周期については記載を省略した。図10も同様とする。
デューティ指令値Duが上キャリア信号CHより大きい場合、指令信号UHがオン指令となり、デューティ指令値Duが上キャリア信号CHより小さい場合、指令信号UHがオフ指令となる。
また、デューティ指令値Duが下キャリア信号CLより小さい場合、指令信号ULがオン指令となり、デューティ指令値Duが下キャリア信号CLより大きい場合、指令信号ULがオン指令となる。
これにより、デッドタイムDTを除き、指令信号UH、ULの一方がオン指令、他方がオフ指令となる。また、デッドタイムDTは、指令信号UH、ULが共にオフ指令となる。
指令信号UH、ULの一方がオン指令、他方がオフ指令である場合、指令信号UH、ULは正常であるので、異常信号Uerrはローレベル(図中では「0」で示す。)である。
また、指令信号UH、ULが同時にオン指令である場合、または、同時にオフ指令である場合、異常信号Uerrはハイレベル(図中では「1」で示す。)となる。異常信号Uerrがハイレベルになると、異常カウンタのカウントを開始する。
W相についても同様、指令信号WH、WLの一方がオン指令、他方がオフ指令である場合、異常信号Werrをローレベルとし、指令信号WH、WLが同時にオン指令または同時にオフ指令である場合、異常信号Werrをハイレベルとし、異常カウンタのカウントを開始する。
図10は、指令信号UHに異常が生じた場合の例であり、正常であれば指令信号UHはデューティ指令値Duに基づいて生成されるところ、時間Te0にて、デューティ指令値Duではなくデューティ指令値Dwに基づいて指令信号UHが生成される異常が生じたものとする。図10中では、正常時の指令信号UHを2点鎖線にて示した。
時間Te1にて、異常カウンタのカウント値が異常判定閾値Cthを超えると、U相異常フラグFlgUがセットされる。以下適宜、U相異常フラグFlgUがセットされている状態を「1」、セットされていない状態を「0」とする。
本実施形態では、指令信号UH、ULが同時にオン指令である状態、または、同時にオフ指令である状態が検出されると、異常信号Uerrがハイレベルとなり、異常カウンタのカウントが開始される。また、本実施形態では、デッドタイムが設けられているので、デッドタイムDTにおいて、指令信号UH、ULは同時にオフ指令となる。そのため、指令信号UH、ULが正常であっても、デッドタイムDT中は、異常信号Uerrがハイレベルとなり、異常カウンタのカウントが開始される。そこで本実施形態では、デッドタイムを異常であると誤判定することを避けるべく、異常判定閾値Cthは、デッドタイムDTに対応する値よりも大きい値に設定される。これにより、デッドタイムにて指令信号UH、ULが同時にオフ指令となっている状態を異常であると誤判定するのを防ぐことができる。
本実施形態では、異常判定閾値Cthに対応する時間が「同時オフ異常判定時間」および「同時オン異常判定時間」に対応する。
なお、図10中においては、U相異常フラグFlgUがリセットされることを明確にするために、リセット期間を比較的長く記載しているが、実際には、U相異常フラグFlgUを制御部40へ送信したとしての異常カウンタはリセットされないため、U相異常フラグFlgUは速やかに再セットされる。
図11および図12は、監視部43にて実行されるイニシャルチェック処理に係るフローチャートであって、図13に示す異常判定処理が実行される前になされる。
図11に示すように、ステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で記す。)では、制御部40から信号増幅部51へ送信される増幅許可信号ENをオフにする。これにより、イニシャルチェック処理中は、制御部40から指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLが出力されても、信号増幅部51による増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGが生成されず、増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGがインバータ部20に出力されないので、インバータ部20がシャットダウンされた状態が継続され、モータ10は駆動しない。
S103では、指令信号UH、ULが同時にオン指令である状態または同時にオフ指令である状態を示すU相異常フラグFlgU=1か否かを判断する。U相異常フラグFlgU=1であると判断された場合(S103:YES)、正常判定して、S105へ移行する。U相異常フラグFlgU=0であると判断された場合(S103:NO)、S104へ移行する。
S104では、異常検出部55のU相判定部の異常を確定する。
S106では、異常検出部55のV相判定部の異常を確定する。
S108では、異常検出部55のW相判定部の異常を確定する。
S110では、U相異常フラグFlgU=0か否かを判断する。U相異常フラグFlgU=0であると判断された場合(S110:YES)、正常判定し、S112へ移行する。U相異常フラグFlgU=1であると判断された場合(S110:NO)、S111へ移行する。
S111では、異常検出部55のU相判定部の異常を確定する。
S113では、異常検出部55のV相判定部の異常を確定する。
S115では、異常検出部55のW相判定部の異常を確定する。
S117〜S122の処理は、図11中のS110〜S115の処理を同様である。
S123では、指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを全てオン指令とする。
S124〜S129の処理は、図11中のS103〜S108の処理と同様である。
これにより、異常検出部55における異常検出機能が正常であることが確認される。ここでいう「異常検出部55における異常検出機能が正常であること」とは、端子P1〜P6から異常検出部55に至る経路についても断線や天絡、地絡等の異常がない、ということである。
S202では、指令信号UH、ULの一方がオン指令、他方がオフ指令であるか否かを判断する。すなわち、UH=1かつUL=0、または、UH=0かつUL=1のとき、肯定判断され、UH=UL=1、または、UH=UL=0で否定判断される。指令信号UH、ULの一方がオン指令、他方がオフ指令であると判断された場合(S202:YES)、S203へ移行する。指令信号UH、ULが共にオン指令または共にオフ指令であると判断された場合(S202:NO)、S204へ移行する。
S203では、異常カウンタをゼロクリアする。
S204では、異常カウンタをインクリメントする。
S206では、U相異常フラグFlgUをセットする。
S208では、U相異常フラグFlgUに関する情報を制御部40へ送信し、送信後、U相異常フラグFlgUをリセットする。
インバータ部20は、モータ10の巻線15の各相に対応し、高電位側に設けられる上アーム素子21〜23、および、上アーム素子21〜23の低電位側に設けられる下アーム素子24〜26を有する。
シャント抵抗30は、巻線15に通電される電流を検出する。
また、異常検出部55は、対になる上アーム素子22および下アーム素子25に対する上側指令信号VHおよび下側指令信号VLが共にオフ指令となる同時オフ状態が同時オフ異常判定時間以上継続した場合、対になる上側指令信号VHおよび下側指令信号VLが同時オフ異常であると判定する。
これにより、対になる上側指令信号UHおよび下側指令信号UL、対になる上側指令信号VHおよび下側指令信号VL、および、対になる上側指令信号WHおよび下側指令信号WLの同時オフ異常を適切に検出することができる。
そのため、指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLの異常により、SW21〜26をオンさせるべきタイミングにてオンすることができないオープン故障が生じると、シャント抵抗30により検出される電流検出値Icに対応する通電方向および相を誤検出する虞がある。
これにより、デッドタイムDTを異常であると誤判定するのを避けることができる。また、電流検出値Icは、シャント抵抗30に通電される電流のリンギングが収束した後に検出されるので、例えばリンギングが収束するのに要する時間に応じて設定されるリンギング収束時間を最低維持時間とする。オフ異常判定時間を最低維持時間以下とすれば、同時オフ異常が生じてから異常判定がなされるまでの期間に電流検出値Icの検出が行われることがないので、各相電流Iu、Iv、Iwの誤検出を確実に防ぐことができる。
また、異常検出部55は、対になる上アーム素子22および下アーム素子25に対する上側指令信号VHおよび下側指令信号VLが共にオン指令となる同時オン状態が同時オン異常判定時間以上継続した場合、対になる上側指令信号VHおよび下側指令信号VLが同時オン異常であると判定する。
これにより、対になる上側指令信号UHおよび下側指令信号UL、対になる上側指令信号VHおよび下側指令信号VL、および、対になる上側指令信号WHおよび下側指令信号WLの同時オン異常を適切に検出することができる。
これにより、SW21〜26を駆動可能な電圧に増幅された増幅信号UHG、ULG、VHG、VLG、WHG、WLGにより、SW21〜26のオンオフを適切に切り替えることができる。
制御部40は、異常検出部55による異常検出が正常か否かを判定する監視部43を有する。これにより、異常検出部55の異常にも関わらず、指令信号UH、UL、VH、VL、WH、WLの異常であると誤判定されるのを防ぐことができる。
(ア)異常判定処理
上記実施形態では、同時オフ判定および同時オン判定を同一のステップ(S202)にて実行した。他の実施形態では、同時オフ判定および同時オン判定を、別々のステップにて実行してもよい。同時オフ計時と同時オン計時、および、オフ異常判定とオン異常判定についても同様である。また、同時オン判定、同時オン計時、および、オン異常判定は省略してもよい。
上記実施形態では、オフ異常判定時間およびオン異常判定時間をカウンタにて計時したが、他の実施形態では、例えばタイマ等により計時してもよい。
上記実施形態では、キャリア信号の1周期において、異なる相の電流を検出可能な有効電圧ベクトル期間にて電流検出値を検出した。すなわち、キャリア信号の1周期に2回、電流検出値を検出した。他の実施形態では、電流演算部における電流演算周期に応じ、電流演算の1周期にて、異なる相の電流を検出可能な有効電圧ベクトルにて電流検出値を検出してもよい。例えば、キャリア信号の2周期毎に電流演算部における各相電流の演算が行われる場合、キャリア信号の1周期に1回ずつ電流検出を行うように構成してもよい。また例えば、キャリア信号の4周期毎に電流演算部における各相電流の演算が行われる場合、キャリア信号の2周期に1回ずつ電流検出を行うように構成してもよい。
また例えば、図7に示すように、電流検出部を相毎に設けてもよい。電流検出部を相毎に設けた場合であっても、指令信号の異常を適切に検出することができる。
上記実施形態では、指令信号は、キャリア信号の1周期の前半と後半とで、中性点電圧が異なっている。他の実施形態では、キャリア信号の1周期にて、中性点電圧を変更しなくてもよい。また、電流検出周期に応じ、例えば1周期毎に中性点電圧を変更するように構成してもよい。
また、電流検出を行うのに必要な最低維持時間を確保すべく、補正処理等を行ってもよい。
さらにまた、上記実施形態では、キャリア信号は三角波信号である。他の実施形態では、キャリア信号は鋸波信号等、どのような信号としてもよい。
上記実施形態では、異常検出部は、信号増幅部と同一の駆動回路部に設けられる。他の実施形態では、異常検出部は、信号増幅部とは異なる回路部に設けてもよい。なお、異常検出部は、制御部とは異なる回路部により構成されることが、機能安全の面から好ましい。
(オ)回転電機駆動装置
上記実施形態では、回転電機駆動装置は、電動パワーステアリング装置に適用される。他の実施形態では、回転電機駆動装置を電動パワーステアリング装置以外に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・モータ(回転電機)
15・・・巻線
20・・・インバータ部
21〜23・・・上アーム素子
24〜26・・・下アーム素子
30・・・シャント抵抗(電流検出部)
40・・・制御部
50・・・カスタムIC(駆動回路部)
55・・・異常検出部
Claims (8)
- 回転電機(10)の巻線(15)の各相に対応し、高電位側に設けられる上アーム素子(21、22、23)、および、前記上アーム素子の低電位側に設けられる下アーム素子(24、25、26)を有するインバータ部(20)と、
前記巻線に通電される電流を検出する電流検出部(30)と、
前記電流検出部により検出される電流検出値を取得し、前記電流検出値に基づき、前記上アーム素子のオンオフを切り替える指令信号である上側指令信号、および、前記下アーム素子のオンオフを切り替える指令信号である下側指令信号を生成する制御部(40)と、
対になる前記上アーム素子および前記下アーム素子に対する前記上側指令信号および前記下側指令信号が共にオフ指令となる同時オフ状態が同時オフ異常判定時間以上継続した場合、対になる前記上側指令信号および前記下側指令信号が同時オフ異常であると判定する異常検出部(55)と、
を備え、
前記同時オフ異常判定時間は、対となる前記上アーム素子および前記下アーム素子が同時オンとなることを避けるために同時オフされるデッドタイムより長く、前記電流検出部による電流検出を行う電圧ベクトル期間の開始から電流検出を行うタイミングまでの時間である最低維持時間以下であることを特徴とする回転電機駆動装置(1)。 - 前記異常検出部は、
対になる前記上アーム素子および前記下アーム素子に対する前記上側指令信号および前記下側指令信号が、共にオン指令となる同時オン状態が同時オン異常判定時間以上継続した場合、対になる前記上側指令信号および前記下側指令信号が同時オン異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の回転電機駆動装置。 - 前記制御部から出力される前記指令信号を増幅した増幅信号を前記インバータ部に出力する信号増幅部(51)を有する駆動回路部(50)をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機駆動装置。
- 前記駆動回路部は、対になる前記上側指令信号および前記下側指令信号がともにオン指令である場合、前記増幅信号の生成を停止する保護手段(52)を有することを特徴とする請求項3に記載の回転電機駆動装置。
- 前記異常検出部は、前記駆動回路部に設けられることを特徴とする請求項3または4に記載の回転電機駆動装置。
- 前記電流検出部は、前記インバータ部と電源(80)の正側または負側との間に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機駆動装置。
- 前記制御部は、前記異常検出部による異常検出が正常か否かを判定する監視部(43)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機駆動装置。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の回転電機駆動装置と、
運転者による操舵を補助する補助トルクを出力する前記回転電機と、
を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置(100)。
Priority Applications (4)
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