JP5938664B2 - 高速高分解能のワイドレンジ低電力アナログ相関器及びレーダセンサ - Google Patents

高速高分解能のワイドレンジ低電力アナログ相関器及びレーダセンサ Download PDF

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Description

本発明は、一般にレーダセンサの分野に関し、更に詳細には、高速高分解能の広範囲かつ低電力のアナログ相関器、及びこのアナログ相関器を実装したレーダセンサに関する。
従来のレーダセンサは、1つ以上の対象物の位置を検出するのに広く用いられている。これら従来のレーダセンサは、種々の検出距離への適応性を有するものである。一般に、分解能の高いレーダセンサの検出距離は、分解能の低いレーダセンサの検出距離に比べて短い。設計上多くの制約があるため、従来のレーダセンサの分解能を高めると同時に検出距離を大きくすることは、困難及び/又は費用効率が悪いであろう。
例えば、広帯域信号を用いて従来のレーダセンサの分解能を向上することが試みられてきた。しかし、これらの広帯域信号は、通常、狭帯域信号と比べると熱雑音レベルが高いため、分解能の低い従来のレーダセンサで用いられるものである。この高い熱雑音レベルは、従来のレーダセンサ受信器の信号対雑音比(SNR)を低下につながる。このようにSNRが低下すると、従来のレーダセンサは遠方の対象物で反射された広帯域信号の受信が困難になってしまう。その結果、これら従来のレーダセンサは、ダイナミックレンジの低下という欠点を持ってしまうことになる。ダイナミックレンジは最も強い受信信号の電力レベルと最も弱い受信信号の電力レベルとの比を表すため、ダイナミックレンジの低下は、従来のレーダセンサの最大検出可能距離と最小検出可能距離との差を小さくし、この差の小ささに伴って、従来のレーダセンサの検出距離は減少してしまう。
このSNRの低下の問題に対処するため、信号対雑音比(SNR)の高いアナログ−デジタル変換器(ADC)を配置して、従来のレーダセンサにおいてダイナミックレンジと受信器の検出距離とを向上する別の試みがなされた。これら高SNRのADCは、低SNRのADCと比べると、ビット数が大きいのが一般的である。高分解能を維持するためには、これら高SNRのADCは、比較的高い周波数で受信信号をサンプリングする。しかし、ビット数が大きくサンプリング周波数が高いため、これらレーダセンサの消費電力が極めて高くなる可能性があり、そのため、これらレーダセンサの実用化は実現できていない。
この消費電力の問題を解決するため、従来のアナログ相関器を配置して、高SNRのADCのサンプリングレートを低減する別の試みがなされた。しかし、これら従来の乗算器型のアナログ相関器は、検出速度が比較的低い。このような低い検出速度は、従来のアナログ相関器の検出時間が非常に長くなるため、これらレーダセンサの動作を実質的に妨げてしまう可能性がある。このように、これらレーダセンサは、動きの速い対象物を検出することはできないであろう。この欠点のため、動きの速い対象物を検出する必要のある軍事目的及び/又は商業用途の多くの場合に、このレーダセンサを用いることは適切ではない。PCRコードが長いと必要とされる回路が大きくなりすぎるため、従来の整合フィルタ相関器を用いることも実用的ではない。更に、従来の整合フィルタ相関器は、コードの率と系列パターンとに対する順応性がない。これらの理由で、有利な点と不利な点とのバランスにより、従来の乗算器型のアナログ相関器が現在のところ好ましい。
しかし、高速、高分解能、広範囲、かつ低消費電力の安価なレーダセンサが依然として必要とされている。
本発明は、種々の改良されたアナログ相関器を提供できる。これによって、改良されたアナログ相関器は、種々の改良されたレーダセンサを可能とする。改良されたアナログ相関器は、種々の送信パルス複製方式と種々の並列の積分器構造とを組み合わせて、従来のアナログ相関器の検出速度を改善することができる。更に、この改良されたアナログ相関器は、種々の時間遅延方式を採用して、従来のレーダセンサのダイナミックンレンジを改善できる。更には、この改良されたアナログ相関器は、1つ以上の可変利得増幅器を配置して、ADCのSNR要件を緩和する。従って、この改良されたアナログ相関器は、改良されたレーダセンサが高速、高分解能、広範囲、及び低消費電力を達成することを可能にする。
ある実施例によれば、本発明は、送信器と受信器とを有するレーダセンサ用のアナログ相関器を提供する。送信器は、PCRパルスを有するパルス圧縮レーダ(PCR)信号を送信するために用いられ、受信器は、反射PCR信号を受信するために用いられる。アナログ相関器は、複製生成器と、乗算器と、積分器モジュールとを備える。複製生成器は、複数の複製PCRパルスを有するテンプレート信号を生成するために用いられる。複数の複製PCRパルスの各々は、送信PCR信号のPCRパルスを複製している。複数の複製PCRパルスは、送信PCR信号に対して調整可能な時間遅延を有する複製レートで生成される。
乗算器は、受信PCR信号をテンプレート信号の複数の複製PCRパルスで乗算するために用いられる。積分器モジュールは、乗算器に接続され、複数のアナログ相関信号を生成するよう構成されている。アナログ相関信号の各々は、受信PCR信号とテンプレート信号の複製PCRパルスの1つとの乗算の基づいた大きさを有する。
他の実施形態によれば、本発明は、送信器と受信器とを備えたレーダセンサ用のアナログ相関器を提供する。送信器は、PCRパルスを有するパルス圧縮レーダ(PCR)信号を送信するために用いられ、受信器は、反射PCR信号を受信するために用いられる。アナログ相関器は、複製生成器と、乗算器と、積分器モジュールとを備える。アナログ相関器は、第1テンプレート信号と第2テンプレート信号とを生成するために用いられる。第1及び第2のテンプレート信号のそれぞれが、送信PCR信号のPCRパルスを複製している複数の複製PCRパルスを有する。
第1及び第2のテンプレート信号の複製PCRパルスが、複製レートで複製される。第1テンプレート信号が第1調整可能時間だけ送信PCR信号から遅延される。第2テンプレート信号が第2調整可能時間だけ送信PCR信号から遅延される。第1調整可能時間及び第2調整可能時間が、PCRパルスのパルス幅によって相対的に定められる。
乗算器は、受信PCR信号を、第1テンプレート信号の複数の複製PCRパルスと第2テンプレート信号の複数の複製PCRパルスとで、乗算するために用いられる。積分器モジュールは、乗算器に接続されている。積分器モジュールは、受信PCR信号と、第1テンプレート信号の複数の複製PCRパルスとの乗算に基づいて、複数の第1アナログ相関信号を生成するよう構成されている。更に、積分器モジュールは、受信PCR信号と、第1テンプレート信号の複数の複製PCRパルスとの乗算に基づいて、複数の第2アナログ相関信号を生成するよう構成されている。
更に他の実施形態によれば、本発明は、パルス生成器と、可変利得増幅器(VGA)と、アナログ相関器と、制御器とを備えたレーダセンサを提供する。パルス生成器は、送信のためのパルス圧縮レーダ(PCR)信号を生成するために用いられ、PCR信号がPCRパルスを有する。VGAは、PCR信号の送信の後に始まる期間に基づいて、受信PCR信号を増幅するよう構成されている。
アナログ相関器は、パルス生成器に接続される。アナログ相関器は、PCR信号の送信に対して調整可能な時間遅延を有する複製レートでPCR信号のPCRパルスをそれぞれ複製している複数の複製PCRパルスを含むテンプレート信号を生成するよう構成されている。更に、アナログ相関器は、増幅されたPCR信号と、テンプレート信号の複製PCRパルスの1つとの乗算に基づいた大きさをそれぞれ持つ、複数のアナログ相関信号を生成するように構成されている。更には、アナログ相関器は、サンプリングレートで複数のアナログ相関信号をサンプリングするよう構成させている。サンプリングレートは、複製レートと実質的に同期している。
ある実施形態では、アナログ整合フィルタ回路は、レーダセンサ内でアナログ相関器回路と協働して作動して、より速い検出と消費電力の低減を可能とするように構成されている。
ある実施形態では、遅延ロックループをアナログ整合フィルタ及びアナログ相関器で用いて、より速い検出を可能とする。
ある実施形態では、I/Q直交符号化PCRパルスを整合フィルタ及びアナログ相関器で用いて、誤った検出の発生を低減する。
ある実施形態では、対象物の位置を検出するレーダシステムが提供され、レーダシステムは、パルス圧縮レーダ(PCR)パルスを有するPCR信号を生成し送信するパルス生成器と、対象物に反射されたバージョンのPCR信号を受信する受信器モジュールと、PCR信号の反射バージョンの一部のマッチングを判定し、それに応じて出力信号を生成する整合フィルタと、整合フィルタの出力信号に基づいて時間遅延を決定する制御器と、制御器で決定された調整可能な時間遅延を持つ複数の複製PCRパルスを有するテンプレート信号を生成する複製生成器と、受信PCR信号をテンプレート信号の複数の複製PCRパルスで乗算する、複製生成器に接続された乗算器と、受信PCR信号とテンプレート信号の複数の複製PCRパルスの1つとの乗算に基づいた大きさをそれぞれ有する複数のアナログ相関信号を生成する、乗算器に接続された積分器モジュールとを備え、制御器は更に、複数のアナログ相関信号のそれぞれのサンプリングされた大きさに基づいて対象物の位置を検出するように構成されている。
ある実施形態では、対象物の位置を検出するレーダシステムが提供され、レーダシステムは、受信パルス圧縮レーダ(PCR)信号の一部のマッチングを判定し、それに応じて出力信号を生成する整合フィルタと、整合フィルタの出力信号に基づいて時間遅延を決定する制御器と、アナログ相関器であり、制御器で決定された調整可能な時間遅延を持つ複数の複製PCRパルスを有するテンプレート信号を生成し、乗算器を用いて、受信PCR信号をテンプレート信号の複数の複製PCRパルスで乗算し、受信PCR信号とテンプレート信号の複数の複製PCRパルスの1つとの乗算に基づいた大きさをそれぞれ有する複数のアナログ相関信号を生成するアナログ相関器とを備え、制御器は更に、複数のアナログ相関信号のそれぞれの大きさに基づいて対象物の位置を検出するように構成されている。
ある実施形態では、I/Q直交法を用いて対象物の位置を検出するレーダシステムが提供され、レーダシステムは、パルス圧縮レーダ(PCR)信号に対応する受信I信号の一部のマッチングを判定し、それに対応して第1出力信号を生成する第1整合フィルタと、PCR信号に対応する受信Q信号の一部のマッチングを判定し、それに対応して第2出力を生成する第2整合フィルタと、第1出力と第2出力が実質的に同じ時間に起こるか否かを判定し、それに対して、第1出力と第2出力が実質的に同じ時間に起こる場合は第1時間遅延器と第2時間遅延器とを調整する、第1整合フィルタと第2整合フィルタとに接続されたタイミング制御器と、第1セットの相関信号を生成し、第1時間遅延器に接続された第1アナログ相関器と、第2セットの相関信号を生成し、第2時間遅延器に接続された第2アナログ相関器とを備え、タイミング制御器は更に、第1セットの相関信号と第2セットの相関信号とに基づいて対象物の位置を判定するように構成されている。
この概要は、ある概念を導入するために提供されるのであり、請求項の主題自体の主要又は本質的な構成を強調するものではない。
本発明の目的と特徴は、新規であると確信するものであるが、特に添付の請求項で述べられている。本発明は、構成及び動作態様の両方に関するものであり、更なる目的と利点とを示すものでもあり、添付図面と併せて、以下の説明を参照することで最も良く理解されるであろう。
本発明の第1の実施形態による、2つの対象物の位置を測定するために用いられるレーダセンサの正面図 本発明の第1の実施形態によるレーダセンサのブロック図 本発明の第1の実施形態による相関状態における種々の信号の波形図 本発明の第1の実施形態による不整合状態おける種々の信号の波形図 本発明の第1の実施形態による第1検出周期での種々の信号の波形図 本発明の第1の実施形態による第2検出周期での種々の信号の波形図 本発明の第1の実施形態による第3検出周期での種々の信号の波形図 本発明の第1の実施形態による第4検出周期での種々の信号の波形図 本発明の第2の実施形態によるレーダセンサの概略図 本発明の第2の実施形態による重相関状態における種々の信号の波形図 本発明の第2の実施形態による動的利得制御方式における種々の信号の波形図 本発明の第3の実施形態による高速レーダセンサの概略図 本発明の第3の実施形態による高速検知方式における種々の信号の波形図 本発明の第4の実施形態による動き感知レーダセンサの概略図 本発明の第4の実施形態による動き感知方式における種々の信号の波形図 本発明の第5の実施形態による動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の他の実施形態による整合フィルタを有する動き感知レーダセンサの概略図 本発明の少なくとも1つの実施形態による波形図 本発明の少なくとも1つの実施形態による種々の波形図 本発明の少なくとも1つの実施形態による種々の波形図 本発明の少なくとも1つの実施形態による波形図 本発明の少なくとも1つの実施形態による種々の波形図
本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。本発明が添付の図面で例示される。本発明は好ましい実施形態に関連して説明されるが、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではないということが理解されるであろう。一方、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神と範囲とに含まれるであろう代替、変更、及び同等物を含むものである。更に、以下の本発明の詳細な説明において、本発明を十分に理解できるように多数の具体例が詳細に述べられている。しかし、これらの詳細な具体例がなくとも本発明が実行できるであろうことは当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の局面を不必要に不明瞭としないよう、周知の方法、手順、部材、及び回路は詳細に述べられていない。
本発明の種々の構成の実施形態を実行する装置、システム、及び方法を、図面を参照して以下に説明する。図面及びその関連の説明は本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供されるのであって、本発明の範囲を限定するものではない。図面全体において、参照番号は、参照要素間での一致を示すために、繰り返し用いられる。更に、各参照番号の最初の数字は、その要素が初めて現れる図面を示す。
図1は、本発明の第1の実施形態による、2つの対象物の位置を測定するレーダセンサ100の正面図を示す。レーダセンサ100は、レーダシステムの一部とすることができる。レーダセンサ100は、無線周波数(FR)変調信号162を送信するアンテナ150を有する。送信RF変調信号162は、搬送周波数と符号変調メッセージとを有する。符号変調メッセージは、パルス圧縮レーダ(PCR)信号とすることができる。PCR信号は、1つ以上のデジタル変調方式を用いて変調できる。このデジタル変調方式は、位相偏移変調(PSK)、二相位相変調(BPSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等であるが、これらに限定されない。その符号化されたメッセージによって、送信RF変調信号162を送信PCR信号162と呼んでもよい。
送信PCR信号162は、距離Rを進んで第1位置101の第1対象物に到着する。そして、第1対象物は、送信PCR信号162を反射する。送信PCR信号162は、反射されて反射PCR信号164となる。反射PCR信号164は、距離Rを進んでアンテナ150に戻る。この時点でアンテナ150は、反射PCR信号164を受信する。
反射PCR信号164を受信すると、レーダセンサ100は、反射PCR信号164からPCR信号を抽出できる。抽出されたPCR信号をテンプレート信号と相関させることで、レーダセンサ100は、送信PCR信号162及び反射PCR信号164の飛行時間(TOF)106を測定できる。TOF106は、送信PCR信号162がアンテナ150から第1対象物までの距離Rを進む第1時間と、反射PCR信号164が第1対象物からアンテナ150に戻るまで距離を進む第2時間とを含む。
TOF106は、Cを光の速度としドップラー効果を無視すると、以下の式によって距離Rの値を測定、抽出及び/又は計算するのに用いられる。
R=TOF*(C/2)
レーダセンサ100は、最小の検出可能位置範囲である距離分解能ΔRを有する。つまり、レーダセンサ100は、第2対象物が第1対象物から少なくとも距離ΔRを維持するとして、第2位置102の第2対象物を検出して第2対象物と第1対象物とを識別することができる時、距離分解能ΔRを有する。一般に、距離分解能ΔRは、単位サブパルス幅Tを持つ、PCR信号パルスのサブパルスの帯域幅(BW)と関連がある。本明細書では、サブパルスの帯域幅(BW)は単位サブパルス幅Tの逆数によって決めることができるが、これに限定されない。このような関連についての詳細は後述する。しかしながら、簡潔にするため、距離分解能ΔRは以下の式によって表すことができる。
ΔR=C/(2*BW)
ある実施形態では、例えば、レーダセンサ100の距離分解能ΔRは、サブパルスの帯域幅(BW)が約200MHzから約500MHzである場合、約75cmから約30cmの範囲であってよい。他の実施形態においては、例えば、レーダセンサ100の距離分解能ΔRは、サブパルスの帯域幅(BW)が約500MHzから約1GHzである場合、約30cmから約15cmの範囲であってよい。更に他の実施形態では、例えば、レーダセンサ100の距離分解能ΔRは、サブパルスの帯域幅(BW)が約1GHzから約2GHzである場合、約15cmから約7.5cmの範囲であってよい。
本明細書において、受信レーダ信号のダイナミックレンジは、最強の受信信号と最弱の受信信号との比によって決まる。このため、ダイナミックレンジが高いレーダセンサは、ダイナミックンレンジが低いレーダセンサと比べると、広範囲の検出面積を有する。広範囲のレーダ断面で対象物を検出するように、レーダセンサ100は、高いダイナミックンレンジを持つ。距離分解能ΔRを比較的低くすることで、レーダセンサ100は、比較的高いダイナミックンレンジを持つことができる。従来のレーダセンサは、アナログ−デジタル変換器(ADC)等の種々の回路部品の線形性を高める設計上の制約のため、ダイナミックンレンジの高い状態で操作されると、消費電力が大きくなってしまう。レーダセンサ100は、アナログ相関器110を用いることでこのようなジレンマに対する解決策を与えて、ADCの消費電力を低減しかつ検出速度を全体的に向上している。従来のレーダセンサとは異なり、レーダセンサ100はダイナミックレンジを高くするが、速度を妨げることなく又は動作の消費電力を増やすことなく、1つ以上の位置検出方式を実行できる。これらの方式の実施形態の詳細は後述する。
図2は、本発明の第1の実施形態によるレーダセンサ100のブロック図を示す。レーダセンサ100は、アナログ相関器110と、タイミングモジュール120と、検出制御器130と、無線周波数(RF)フロントエンド140と、アンテナ150とを備える。検出制御器130は、レーダセンサ100の種々の構成要素の動作を制御し統制する役割を担う。ある実施形態では、例えば、検出制御器130は、1つ以上の検出周期において1つ以上のパルス圧縮レーダ(PCR)信号の生成を起動してもよい。他の実施形態では、例えば、検出制御器130は、アナログ相関器110が反射PCR信号164をテンプレート信号113と相関させている時にアナログ相関器110の1つ以上のタイミング部材を制御してもよい。更に他の実施形態では、検出制御器130は、アナログ相関器110からの出力を処理して、対象物の位置を判定及び/又は計算してもよい。
検出制御器130は、各検出周期の初期に検出周期信号135を生成する。レーダセンサ100は、検出制御器130に接続可能で、検出周期信号135を受信するよう構成されたPCR信号生成器132を備える。検出周期信号135に対して、PCR信号生成器132は、各パルス反復期間(PRI)内にPCRパルスを含む、起動PCR信号133を生成する。PCRパルスは、相補的コード及び/又はバーカーコード等のコード化方法で圧縮されたデジタル符号を含む。これにより、PCRパルスは一連のサブパルスを含み、各サブパルスは1ビット以上の圧縮された情報を表すことができる。
起動PCR信号133の波形図を部分的に示す図5を参照すると、起動PCR信号133は、第1検出周期500の初期に第1PCRパルス562を含む。第1PCRパルス562は、パルス幅Tを有する。パルス反復期間PRIは、PCRパルス幅Tの倍数として表されてもよい。このため、Mが1つの検出周期に当てはまりうるPCRパルスの数とすると、パルス反復期間PRIはM*Tとして表すことができる。一般に、起動PCR信号133は、1つの検出周期に1つのPCRパルスを含み、パルス反復期間PRIの長さはPCRパルスのPCRパルス幅Tの数倍の長さを持つことができる。更に詳細には、パルス反復期間PRIは、送信PCR信号162の最大飛行時間を表すため、最大検出可能距離Rを定める。ある実施形態では、例えば、パルス反復期間PRIは220nsより長くてよく、PCRパルス幅Tは20nsより短くてもよい。
図2を再び参照すると、起動PCR信号133は対象物検出処理を起動する。これにより、起動PCR信号133は起動対象物検出処理信号133とも呼ばれる。起動PCR信号133は送信に向けて処理され、同じ時間又はほぼ同じ時間に複製される。図1を参照して既に述べたように、送信PCR信号162は対象物に反射される。そのため、レーダセンサ100によって反射PCR信号164として受信される。反射PCR信号164は、対象物の位置を検出するのに、(テンプレート信号とも呼ばれる)複製された信号と比較及び/又は相関される。
起動PCR信号133を送信に向けて処理するために、RFフロントエンド140は、RF変調器142を備えて、アウトバウンドRF変調信号143を生成する。アウトバウンドRF変調信号143は、搬送周波数と、起動PCR信号133に基づいたメッセージとを含む。メッセージを埋め込むために、アウトバウンドRF変調信号143には1つ以上のデジタル変調方式を採用してもよく、このデジタル変調方式は位相偏移変調(PSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等であるが、これらに限定されない。
アウトバウンドRF変調信号143が生成されて、送信のために十分な出力レベルまで増幅させた後、送信アンテナ152を用いて出力変調信号143を電磁波に変換し、この変換された出力変調信号143を送信PCR信号162として送信する。送信PCR信号162は、1つ以上の対象物に反射される。これにより、受信アンテナ154が1つ以上の反射PCR信号164を受信し、続いて反射PCR信号164を1つ以上のインバウンドRF変調信号155に変換する。
RFフロントエンド140は、インバウンドRF変調信号155を復調するためのRF復調器144を備える。RF復調器144は、起動PCR信号133を変調する際にRF変調器142によって適用された変調方式に対応する復調方式を採用する。復調の結果、RF復調器144は、数個のインバウンドRF変調信号155に埋め込まれた時間領域のメッセージを含む、受信PCR信号145を生成する。従って、受信PCR信号145は1つ以上の受信PCRパルスを含んでいてもよい。図5に示すように、例えば、受信PCR信号145は、第1位置の第1対象物を表す第1受信PCRパルス542と、第2位置の第2対象物を表す第2受信PCRパルス544と、第3位置の第3対象物を表す第3受信PCRパルス546と、第4位置の第4対象物を表す第4受信PCRパルス548とを含む。
各受信PCRパルス(例えば、第1受信PCRパルス542、第2受信PCRパルス544、第3受信PCRパルス546、及び/又は第4受信PCRパルス548)は、第1起動PCRパルス562と同様のものである。これは、各受信PCRパルスは、起動PCRパルス562に由来するからである。これにより、各受信PCRパルスは、起動PCRパルス562と実質的に同じパルス幅Tを有する。更に、各受信PCRパルスは、起動PCRパルス562と実質的に同じ圧縮符号列を含む。
受信PCRパルスの圧縮符号列を示す目的で、図3は受信PCR信号145の波形図を部分的に示す。受信PCR信号145は、第1受信PCRパルス542、第2受信PCRパルス544、第3受信PCRパルス546、及び第4受信PCRパルス548等として例示される、受信PCRパルス310を含む。受信PCRパルス310は、起動PCRパルス(例えば、第1PCRパルス562)が遅延及び反射されたものである。受信PCRパルス310は、1つ以上のゼロパルスによって分離された、一連のサブパルスを含んでいてもよい。サブパルスとゼロパルスとは、それぞれ1ビット以上の圧縮された情報を表す。本明細書においては、圧縮された情報の各ビットは単位サブパルス幅Tを有する。図5は受信PCRパルスが時間において重ならないことを示すが、アナログ相関器110によって与えられる位置検出方式では、時間において重なる1つ以上の受信PCRパルスを検出して識別することができる。
従って、受信PCRパルス310のPCRパルス幅Tは、起動PCR信号133の起動PCRパルスと同様に、単位サブパルス幅Tの倍数で表すことができる。例えば、受信PCRパルス310がNビットの符号列で圧縮されている場合、受信PCRパルス310のPCRパルス幅TはN*Tとして表すことができる。他の例において、受信PCRパルス310が19ビットの圧縮符号列を含む場合、受信PCRパルス310のPCRパルス幅Tは19*Tとして表すことができる。
ある実施形態では、例えば、サブパルスは、1つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第1バイナリビットを表す第1サブパルス311と、2つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第4と第5バイナリビットを表す第2サブパルス312と、1つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第7バイナリビットを表す第3サブパルス313と、3つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第9、第10、及び第11バイナリビットを表す第4サブパルス314と、2つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第13と第14のバイナリビットを表す第5サブパルス315と、1つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第17のバイナリビットを表す第6サブパルス316と、1つの単位サブパルス幅Tだけ続き、第19のバイナリビットを表す第7サブパルス317とを含んでいてもよい。
これらの各サブパルスが、2進値「1」を表すならば、受信PCRパルス310は2進数「1001101011101100101」で19ビット符号列を表す。一方、これらの各サブパルスが、2進値「0」で19ビット符号列を表すならば、受信PCRパルス310は2進数「0110010100010011010」を表す。図3は受信PCRパルス310が単極性であることを示すが、受信PCRパルス310は、起動PCR信号133の起動PCRパルスと同様に、両極性であってもよい。他の実施形態によれば、受信PCRパルス310は、起動PCR信号133の起動PCRパルスと同様に、正のサブパルスと負のサブパルスとを含んでいてもよい。起動PCRパルスの極性体系は、アップコンバートで用いられる変調方式の種類によって決まることになる。一方で、例えば、二相位相変調(BPSK)が用いられる場合は、双極方式が好ましいであろう。一方、例えば、オン/オフ変調(OOK)が用いられる場合は、単極方式が好ましいであろう。
特定の対象物とレーダセンサ100との相対距離によっては、受信PCR信号145は、起動PCR信号133の生成から(あるいは、送信PCR信号162の送信から)測定される相対時間遅延(すなわち、飛行時間)ΔΤを有していてもよい。例えば、起動PCR信号133が、時間T0頃に生成、変調、及び送信されると、受信PCR信号145は、時間T0+ΔΤ頃に受信及び復調されてもよい。この時間遅延の概念を利用して、検出制御器130は、特定の対象物とレーダセンサ100との間の相対距離を、起動時間T0と受信PCR信号145がレーダセンサによって受信される時間との時間遅延ΔΤを測定することで検出できる。
この時間遅延ΔΤは、受信PCR信号145を起動PCR信号133のテンプレートバージョンと相関させることで、決定される。このような相関は、1つ以上の検出周期中に行われる。各検出周期において、起動PCR信号133のテンプレートバージョンは、異なった時間遅延成分を有していてもよい。一般には、起動PCR信号133の特定のテンプレートバージョンが受信PCR信号145と相関されると、検出制御器130は、時間遅延ΔΤが起動PCR信号133のテンプレートバージョンの時間遅延成分と実質的に同じであると判定できる。本実施形態の実施においては、起動PCR信号133のテンプレートバージョンは、1つのパルス反復期間PRI内で複数回、起動PCRパルスを複製していてもよい。
起動PCR信号133の複製のための処理をするように、アナログ相関器110は、起動PCR信号133のPCRパルスを複数回複製する複製生成器112を備える。その結果、複製生成器112は、ある複製レートで複製される複製PCRパルスを複数含むテンプレート信号113を生成する。1つの検出周期の間に1つのPCRパルスだけを含む起動PCR信号133とは異なり、テンプレート信号113は1つの検出周期の間に複数のPCRパルスを含む。
例えば、図5を再び参照すると、テンプレート信号113は、連なった複製PCRパルスを含む。この連なった複製PCRパルスは、第1複製PCRパルス530、第2複製PCRパルス531、第3複製PCRパルス532、第4複製PCRパルス533、第5複製PCRパルス534、第6複製PCRパルス535、第7複製PCRパルス536、第8複製PCRパルス537、第9複製PCRパルス538、及び第10複製PCRパルス539を含む。各複製PCRパルスは、第1起動PCRパルス562のPCRパルス幅Tと実質的に同様のパルス幅を有する。
これにより、複製PCRパルスの最大数Mは、パルス反復期間PRIと第1起動PCRパルス562のPCRパルス幅Tとの関係で予め定めることができる。ある実施形態では、例えば、複製PCRパルスの最大数はMである。他の実施形態では、例えば、複製PCRパルスの最大数は、M−1である。更に他の実施形態では、例えば、複製PCRパルスの最大数はM−2である。図5は、第1複製PCRパルス530が第1起動PCRパルス562とおよそ同じ時間に開始することを示しているが、第1複製PCRパルス530は第1起動PCRパルス562の終わりに又は終わり近くで始まってもよい。
図2を再び参照すると、タイミングモジュール120は、サンプリングクロック生成器122と可変時間遅延素子(VTDD)124とを備える。サンプリングクロック生成器122及びVTDD124は、複製レートを制御するために協働する。まず、検出制御器130は、サンプリング制御信号139をサンプリングクロック生成器122に送信する。サンプリング制御信号139は、起動PCRパルスのPCRパルス幅Tに関連づけられていてもよく、更に、起動PCRパルスのPCRパルス幅Tは、起動PCRパルスに埋め込まれた符号ビット数に正比例する。
サンプリング制御信号139は、サンプリングクロック生成器122で受信される。サンプリング制御信号139に基づいて、サンプリングクロック生成器122は、あるサンプリングレートでサンプリング信号123を生成する。サンプリングレートは、複製PCRパルスが複製される周波数を制御するので、サンプリングレートは、起動PCRパルスの帯域幅に対応している。本明細書においては、起動PCRパルスの帯域幅は、単位サブパルス幅Tの倍数であるPCRパルス幅Tの逆数とすることができる。これにより、起動PCRパルスの帯域幅は、起動PCRパルスの単位サブパルスの帯域幅よりずっと小さい。ある実施形態では、例えば、サンプリングレートは、起動PCRパルスの帯域幅と実質的に同じでよい。他の実施形態では、例えば、サンプリングレートは、PCRパルスの帯域幅の何分の1でよい。本明細書中では、PCRパルスの帯域幅は、PCRパルスのPCRパルス幅Tの逆数であるが、これに限定されない。
検出制御器130は、VTDD124によって与えられる選択肢の中から選択するための遅延調整信号137を生成する。遅延調整信号137を受信し復号すると、VTDD124は、調整可能時間遅延TDAを可能にする。その後、VTDD124は、調整可能時間遅延TDAをサンプリング信号123に適用することで、複製レート信号125を生成する。複製レート信号125は、周波数成分と時間遅延成分とを有する。周波数成分はサンプリング制御信号139によって制御され、時間遅延成分は遅延調整信号137によって制御される。
複製生成器112は、VTDD124と接続される。複製レート信号125を受信すると、複製生成器112は、複製レートに基づいて起動PCRパルス(例えば、第1起動PCRパルス562)の複製を開始する。その結果、テンプレート信号113は、複数の複製PCRパルス(例えば、第1複製PCRパルス530、第2複製PCRパルス531、第3複製PCRパルス532、第4複製PCRパルス533、第5複製PCRパルス534、第6複製PCRパルス535、第7複製PCRパルス536、第8複製PCRパルス537、第9複製PCRパルス538、及び第10複製PCRパルス539)を含む。
複製PCRパルスは、起動PCRパルスに対して種々の遅延時間を有する。nを個々の複製PCRパルスの通し番号とすると、その複製PCRパルスの遅延時間は以下の式で表すことができる。
Dn=TDA+(n−1)*T
図5を再び参照すると、第1検出周期500における調整可能時間遅延TDAはゼロであろう。ゼロの調整可能時間遅延TDAを上記式に当てはめると、第1複製PCRパルス530は、ゼロの第1遅延時間TD1を有し、第2複製PCRパルス531は、1*Tの第2遅延時間TD2を有する。同様に、第3複製PCRパルス532は、2* の第3遅延時間TD3を有し、第4複製PCRパルス533は3* の遅延時間TD4を有する。
1つ以上の複製PCRパルスが、受信PCRパルス(例えば、第1受信PCRパルス542、第2受信PCRパルス544、第3受信PCRパルス546、及び/又は第4受信PCRパルス548)の中の1つと比較されてマッチングされる。理論上は、特定の複製PCRパルスが、ある特定の受信PCRパルスと実質的に相関すると、複製PCRパルスの遅延時間は、受信PCRパルスの飛行時間ΔΤに近くなる。
アナログ相関器110は、乗算器114と、テンプレート信号113と受信PCR信号145との間の自己相関を行う積分器とを備える。一般に、乗算器114は、受信PCR信号145をテンプレート信号113で乗算するよう構成される。更に詳細には、乗算器114は、各受信PCRパルスを1つ以上の複製PCRパルスで乗算することができる。
乗算器114は、このような乗算の結果に基づいて乗算信号115を生成する。ある実施形態では、例えば、乗算信号115は、受信PCRパルスの符号ビットが複製PCRパルスの符号ビットと一致する場合、予め定められた量の正電荷を伝えてもよい。他の実施形態では、例えば、乗算信号115は、受信PCRパルスの符号ビットが複製PCRパルスの符号ビットと一致しない場合、予め定められた量の負電荷を伝えてもよい。
積分器116は、乗算器114と接続されており、積分器116は乗算信号115によって運ばれた電荷を受信、蓄積、及び累積できる。各検出周期の終わりに近づくと、積分器116は、累積された電荷の総量に基づいてアナログ相関信号117を生成する。乗算器114及び積分器116の動作を更に示すものとして、図3を図4との関連で示して以下の通り説明する。
図3は、受信PCRパルス310と複製パルス320との相関状態300の波形図を示す。受信PCRパルス310と同様に、複製PCRパルス320は、複数のサブパルスを含むことができる。この複数のサブパルスは、第1サブパルス321、第2サブパルス322、第3サブパルス323、第4サブパルス324、第5サブパルス325、第6サブパルス326、及び第7サブパルス327等である。複製PCRパルス320は、受信PCRパルス310と同じ圧縮符号列を含むため、複製PCRパルス320の各サブパルスは、受信PCRパルス310での相当するサブパルスと同様のサブパルス幅を有する。
複製PCRパルス320が受信PCRパルス310と整合すると、乗算信号115は予め定められた量の正電荷を伝える。複製PCRパルス320のサブパルスは、受信PCRパルス310のサブパルスとリアルタイムに相関するため、乗算信号115は、各単位サブパルス幅Tにおいて更なる正電荷を積分器116に伝える。その結果、アナログ相関信号117は、PCRパルス幅Tの間に確実に増大し、PCRパルス幅Tの終わり近くに所定の閾値を超える自己相関量330を持つ。
一方、図4は、不整合状態400を示す。不整合状態400では、複製PCRパルス420のサブパルス(例えば、第1サブパルス421、第2サブパルス422、第3サブパルス423、第4サブパルス424、第5サブパルス425、第6サブパルス426、及び第7サブパルス427)が受信PCRパルス310のサブパルスとリアルタイムに完全に相関しない。複製PCRパルス420が受信PCRパルス310と相関すると、正電荷が積分器116に送られる。しかし、複製PCRパルス420が受信PCRパルス310と整合しなければ、負電荷が積分器116に送られる。この負電荷は、完全にではないにしても実質的に正電荷に相殺される。この結果、アナログ相関信号117は、相関状態300における自己相関量330に比べて、低い自己相関量430を有する。
アナログ相関信号117の自己相関量(例えば、自己相関量330又は430)は、更なる処理のためにサンプリングされてデジタル化される。ある実施形態では、例えば、アナログ相関器110は、アナログ−デジタル変換器(ADC)118を有して、アナログ相関信号117のサンプリングに基づいてデジタル信号119を生成してもよい。ADC118のサンプリングレートは、複製PCRパルスの複製と同期させることができる。すなわち、ADC118は、2つの連続した複製PCRパルスの間のつなぎ部分でアナログ相関信号117をサンプリングできる。このような同期を得るために、ADC118は可変時間遅延素子(VTDD)124と接続されて、ADC118は、複製レート信号125の複製レートによって制御される。
サンプリング処理が終わると、積分器116に累積された電荷は、解放されるか放出される。その結果、アナログ相関信号117は、次の複製PCRパルスが乗算器114によって乗算されることになる前に、自己相関量430等の起動時の低い自己相関量に戻る。ADC118と同様に、積分器116の帯電と放電は、複製PCRパルスの複製と同期させることができる。このような同期を得るために、積分器116はVTDD124と接続されて、積分器116は、複製レート信号125の複製レートによって制御される。
デジタル信号119を受信すると、検出制御器130は、最後の複製PCR信号が受信PCR信号145と相関するか否かを判定できる。デジタル信号119のデジタル値が予め定められたデジタル閾値より小さい場合、検出制御器130は、パルス幅Tを持った最後の複製PCRパルスが受信PCR信号145と相関していないであろうと判定する。一方、デジタル信号119のデジタル値が予め定められたデジタル閾値を超えるならば、検出制御器130は、最後の複製PCRパルスが受信PCR信号145と相関すると判定する。その結果、検出制御器130は、受信PCRパルスの飛行時間を抽出及び/又は計算できる。例えば、検出制御器130は、それまでに生成された複製PCRパルスの数kを割り出す。次に、検出制御器130は、VTDD124によって定められる調整可能時間遅延TDAを割り出す。数kと調整可能時間遅延TDAとを入力パラメータとして、検出制御器130は、これらの入力パラメータを以下の式に当てはめることで飛行時間TOFを抽出及び/又は計算できる。
TOF=k*T+TDA
上述のように、検出制御器130は、この飛行時間を用いて検出された対象物の相対距離Rを計算する。この検出処理は検出周期内で複製PCRパルス毎に繰り返し行われる。これにより、多数の対象物が1つの検出周期内で検出される。ある実施形態では、この検出処理は、検出周期内で調整可能時間遅延TDAを変更すること無しに行われてもよい。調整可能時間遅延TDAを検出周期内で変更しない場合は、ADC118を、比較的低い周波数で切り替えることができる。これにより、ADC118は、サンプリング動作を最低レートで維持させながら、高いSNRを達成できる。各検出周期内で、レーダセンサ100は、電力をほとんど消費せず比較的敏活な動作を行う。他の実施形態では、複製処理と累積処理が、検出制御器130のSNRを向上するために、1つの検出周期内に繰り返し行われてもよい。このような繰り返しの結果、熱雑音の影響を最小限に抑えることが平均化されるであろう。
検出周期が終わると、検出制御器130は、調整可能時間遅延TDAを変更するために遅延調整信号137を更新する。このような変更によって、対象物検出処理の微調整が容易になる。上述のように、レーダセンサ100の距離分解能ΔRは、起動PCRパルスの単位サブパルス幅Tによって定まる。調整可能時間遅延TDAが、単位サブパルス幅Tと実質的に等しい値だけ増加又は減少すると、レーダセンサ100は、隣接する対象物間の位置の差又は移動している対象物の位置の差を、距離分解能ΔRと実質的に等しい正確さで検出できる。これにより、単位サブパルス幅Tの値を制御することで、レーダセンサ100は検出精度を制御できる。ある実施形態では、例えば、単位サブパルス幅Tは、0.5mより高くなるように距離分解能ΔRを達成するために、3.3ns未満となるよう調整されてもよい。
連続した検出周期の遷移で、検出制御器130は、単位サブパルス幅Tのマージンによって調整可能時間遅延TDAを増加させることができる。このような増加によって、多数の検出周期を経た後で、レーダセンサ100は全体の検出可能範囲Rを距離分解能ΔRでスイープすることができる。従って、レーダセンサ100は、各検出周期の検出処理を微調整できる。この微調整処理は、レーダセンサ100の全体の性能と引き換えにすること無しに、ADC118のサンプリングレートを低減することに貢献する。
信号対雑音比(SNR)を高く維持するために、レーダセンサ100は、比較的長い符号列でPCRパルスを生成することができる。例えば、Nビットの符号は、10*log(N)の処理利得でPCR信号のSNRを向上できる。符号列が長いため、長い符号化パルスが相関されている時、ADC118の切り替わりが多くなるであろう。これにより、ADC118のサンプリングレートを低くすることで、レーダセンサ100の全体の消費電力が大幅に制限される。上述の位置検出方式によって、レーダセンサ100は、比較的高いSNRを維持して消費電力を制限しながら比較的高い分解能を達成できる。高いSNRを維持することで、レーダセンサ100は高いダイナミックンレンジを有することができ、そのため、レーダセンサ100は広い検出範囲で動作ができる。有利には、アナログ相関器110と上述の位置検出方式とで、高速化、高分解能、広範囲、及び低電力において、従来のレーダセンサに対する解決策が与えられる。
更に、起動PCRパルスの生成、変調、及び送信が検出周期の間に一回だけなされるため、受信PCRパルスはいずれも起動PCRパルス(あるいは送信PCRパルス)と重複する可能性は低い。すなわち、各検出周期内で、起動PCRパルスが連続的にではなく離散的に生成されるので、送信PCR信号が受信PCR信号と干渉する可能性は低い。送信PCR信号と受信PCR信号との干渉を最小限に抑えることで、レーダセンサ100は、消費電力を増やすことなく、比較的高いSNRを維持できる。
位置検出方式を更に詳しく説明するため、連続するいくつかの検出周期における種々の信号の波形図について、以下に説明する。図5に、第1検出周期500における位置検出方式を示す。第1検出周期500には、起動PCR信号133、受信PCR信号145、テンプレート信号113、アナログ相関信号117、及び複製レート信号125等の5つの主なる信号が含まれる。第1検出周期500の開始にあたって、第1起動PCRパルス562が起動PCR信号133で生成される。第1起動PCRパルス562が生成された後、起動PCR信号133が変調され送信される。
説明の目的のため、送信PCR信号162は離間して位置する4つの対象物によって反射される。これにより、受信PCR信号145は、第1受信PCRパルス542、第2受信PCRパルス544、第3受信PCRパルス546、及び第4受信PCRパルス548を含む。第1受信PCRパルス542は、第2受信PCRパルス544より3単位のサブパルス幅T足す1PCRパルス幅Tだけ先にある。第2受信PCRパルス544は、第3受信PCRパルス546より、1単位のサブパルス幅T足す1PCRパルス幅Tだけ先にある。第3受信PCRパルス546は、第4受信PCRパルス548より、3単位のサブパルス幅T足す1PCRパルス幅Tだけ先にある。この受信順によれば、第1受信PCRパルス542に関連した対象物がレーダセンサ100に最も近く、第4受信PCRパルス548に関連した対象物がレーダセンサ100から最も離れている。
第1検出周期500では、調整可能時間遅延TDAはゼロであって無視できる程小さいため、第1複製PCRパルス530は、第1起動PCRパルス562に実質的に同期している。受信PCRパルス(例えば、第1、第2、第3、及び第4受信PCRパルス542、544、546、及び548)のタイミングと受信順により、第7複製PCRパルス536のみが第4受信PCRパルス548と相関関係501にある。この相関関係501の結果、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が第7複製PCRパルス536で乗算されると、自己相関量517を有する。一方、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が他の複製PCRパルス(例えば、第1複製PCRパルス530、第2複製PCRパルス531、第3複製PCRパルス532、第4複製PCRパルス533、第5複製PCRパルス534、第6複製PCRパルス535、第8複製PCRパルス537、第9複製PCRパルス538、及び第10複製PCRパルス539)で乗算されると、実質的に大きさゼロを有する。
アナログ相関信号117は、複製レート信号125と実質的に同期するレートでサンプリング及び/又はデジタル化される。ある実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルス(例えば、第1サンプリングパルス520、第2サンプリングパルス521、第3サンプリングパルス522、第4サンプリングパルス523、第5サンプリングパルス524、第6サンプリングパルス525、第7サンプリングパルス526、第8サンプリングパルス527、第9サンプリングパルス528、及び第10サンプリングパルス529)の各々の立ち上がりエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルスの各々の立ち下りエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。更に他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、各サンプリングパルスでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。
アナログ相関信号117がサンプリング及び/又はデジタル化された後、この位置検出方式で、第7サンプリングパルス526で又はその後で対象物を検出する。この位置検出方式では更に、検出された対象物が6つのパルス幅Tと実質的に等しい飛行時間を有することを確認する。最後に、この位置検出方式で、検出された対象物の確認された飛行時間に基づいて対象物の位置を抽出及び/又は計算する。
図6は、第2検出周期600における位置検出方式を示す。第2検出周期600には、第1検出周期500と同様の信号が含まれる。第1検出周期500から第2検出周期600へ遷移すると、第2起動PCRパルス662が起動PCR信号133で生成される。第2起動PCRパルス662が生成された後、起動PCR信号133が変調され送信される。
先に示された対象物が静止したままであると仮定すると、これらの対象物は第2検出周期600において再び送信PCR信号162を反射する。これにより、受信PCR信号145は、第1受信PCRパルス642と、第2受信PCRパルス644と、第3受信PCRパルス646と、第4受信PCRパルス648とを含む。これらの受信PCRパルスの各々は、4つの反射対象物の相対距離が変化していないので、第1検出周期500と同様の時間的関係を相互に持つ。
これにより、第1受信PCRパルス642と第2受信PCRパルス644との間には、3単位のサブパルス幅Tの第1時間的分離があり、第2受信PCRパルス644と第3受信PCRパルス646との間には1単位のサブパルス幅Tの第2時間的分離があり、第3受信PCRパルス646と第4受信PCRパルス648との間には3単位のサブパルス幅Tの第3時間的分離がある。この時間的関係によれば、第1受信PCRパルス642と関連のある対象物はレーダセンサ100に最も近く、第4受信PCRパルス648と関連のある対象物はレーダセンサ100から最も離れている。
第1検出周期500の後、調整可能時間遅延TDAは、第2検出周期600でゼロから1単位のサブパルス幅Tに増加することになる。これにより、第1複製PCRパルス630は、第2起動PCRパルス662よりも1単位のサブパルス幅Tだけ遅れている。調整可能時間遅延TDAを増加させることで、レーダセンサ100は、第1検出周期500で相関されていない他の対象物の検出を試みる。
1単位のサブパルス幅T分のわずかな増分により、レーダセンサ100は、わずかなマージンによって検出距離を調整できる。この微調整により、レーダセンサ100は、検出された対象物(例えば、第1検出周期500における第4受信PCRパルス548と関連のある対象物)のすぐ近くに位置する可能性のある1つ以上の未検出の対象物を検索することが可能となる。
受信PCRパルス(例えば、第1、第2、第3、及び第4受信PCRパルス642、644、646、及び648)のタイミングと受信順により、第4複製PCRパルス633のみが第2受信PCRパルス644と相関関係601にある。この相関関係601の結果、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が第4複製PCRパルス633で乗算されると、自己相関量617を有する。
一方、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が他の複製PCRパルス(例えば、第1複製PCRパルス630、第2複製PCRパルス631、第3複製PCRパルス632、第5複製PCRパルス634、第6複製PCRパルス635、第7複製PCRパルス636、第8複製PCRパルス637、第9複製PCRパルス638、及び第10複製PCRパルス639)で乗算されると、実質的にゼロである大きさを有する。
アナログ相関信号117は、複製レート信号125と実質的に同期するレートでサンプリング及び/又はデジタル化される。ある実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルス(例えば、第1サンプリングパルス620、第2サンプリングパルス621、第3サンプリングパルス622、第4サンプリングパルス623、第5サンプリングパルス624、第6サンプリングパルス625、第7サンプリングパルス626、第8サンプリングパルス627、第9サンプリングパルス628、及び第10サンプリングパルス629)の各々の立ち上がりエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルスの各々の立ち下りエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。更に他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、各サンプリングパルスでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。
アナログ相関信号117がサンプリング及び/又はデジタル化された後、この位置検出方式で、第4サンプリングパルス623で又はそのあたりで、対象物を検出する。この位置検出方式では、検出された対象物が1単位のサブパルス幅Tと3つのパルス幅Tとの和に実質的に等しい飛行時間を有することを確認する。最後に、この位置検出方式で、検出された対象物の確認された飛行時間に基づいて対象物の位置を抽出及び/又は計算する。
図7は、第3検出周期700における位置検出方式を示す。第3検出周期700には、第1検出周期500及び第2検出周期600と同様の信号が含まれる。第2検出周期600から第3検出周期700へ遷移すると、第3起動PCRパルス762が起動PCR信号133で生成される。第3起動PCRパルス762が生成された後、起動PCR信号133が変調され送信される。
先に示された対象物が静止したままであると仮定すれば、これらの対象物は第3検出周期700において再び送信PCR信号162を反射する。これにより、受信PCR信号145は、第1受信PCRパルス742と、第2受信PCRパルス744と、第3受信PCRパルス746と、第4受信PCRパルス748とを含む。これらの受信PCRパルスの各々は、4つの反射対象物の相対距離が変化していないので、第2検出周期600と同様の時間的関係を相互に持つ。
これにより、第1受信PCRパルス742と第2受信PCRパルス744との間には、3単位のサブパルス幅Tの第1時間的分離があり、第2受信PCRパルス744と第3受信PCRパルス746との間には、1単位のサブパルス幅Tの第2時間的分離があり、第3受信PCRパルス746と第4受信PCRパルス748との間には3単位のサブパルス幅Tの第3時間的分離がある。この時間的関係によれば、第1受信PCRパルス742に関連のある対象物はレーダセンサ100に最も近く、第4受信PCRパルス748に関連のある対象物はレーダセンサ100から最も離れている。
第2検出周期600の後、調整可能時間遅延TDAは、第3検出周期700で1単位のサブパルス幅Tから2単位のサブパルス幅Tに増加することになる。これにより、第1複製PCRパルス730は、第3起動PCRパルス762よりも2単位のサブパルス幅Tだけ遅れている。調整可能時間遅延TDAを増加させることで、レーダセンサ100は、第1検出周期500及び第2検出周期600で相関されていない他の対象物の検出を試みる。
1単位のサブパルス幅T分のわずかな増分により、レーダセンサ100はわずかなマージンによって検出距離を調整できる。この微調整により、レーダセンサ100は、検出された対象物(例えば、第1検出周期500における第4受信PCRパルス548と関連のある対象物及び第2検出周期600における第2受信PCRパルス644と関連のある対象物)のすぐ近くに位置する可能性のある1つ以上の未検出の対象物を検索することが可能となる。
受信PCRパルス(例えば、第1、第2、第3、及び第4受信PCRパルス742、744、746、及び748)のタイミングと受信順により、第5複製PCRパルス734のみが第3受信PCRパルス746と相関関係701にある。相関関係701の結果、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が第5複製PCRパルス734で乗算されると、自己相関量717を有する。
一方、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が他の複製PCRパルス(例えば、第1複製PCRパルス730、第2複製PCRパルス731、第3複製PCRパルス732、第4複製PCRパルス733、第6複製PCRパルス735、第7複製PCRパルス736、第8複製PCRパルス737、第9複製PCRパルス738、及び第10複製PCRパルス739)で乗算されると、実質的にゼロである大きさを有する。
アナログ相関信号117は、複製レート信号125と実質的に同期するレートでサンプリング及び/又はデジタル化される。ある実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルス(例えば、第1サンプリングパルス720、第2サンプリングパルス721、第3サンプリングパルス722、第4サンプリングパルス723、第5サンプリングパルス724、第6サンプリングパルス725、第7サンプリングパルス726、第8サンプリングパルス727、第9サンプリングパルス728、及び第10サンプリングパルス729)の各々の立ち上がりエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルスの各々の立ち下りエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。更に他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は各サンプリングパルスでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。
アナログ相関信号117がサンプリング及び/又はデジタル化された後、この位置検出方式で、第5サンプリングパルス724で又はそのあたりで対象物を検出する。この位置検出方式では、検出された対象物が2単位のサブパルス幅Tと4つのパルス幅Tとの和に実質的に等しい飛行時間を有することを更に確認する。最後に、この位置検出方式で、検出された対象物の確認された飛行時間に基づいて対象物の位置を抽出及び/又は計算する。
図8は、第4検出周期800における位置検出方式を示す。第4検出周期800には、第1検出周期500、第2検出周期600、及び第3検出周期700と同様の信号が含まれる。第3検出周期700から第4検出周期800へ遷移すると、第4起動PCRパルス862が起動PCR信号133で生成される。第4起動PCRパルス862が生成された後、起動PCR信号133が変調され送信される。
先に示された対象物が静止したままであると仮定すれば、これらの対象物は、第4検出周期800において再び送信PCR信号162を反射する。これにより、受信PCR信号145は、第1受信PCRパルス842と、第2受信PCRパルス844と、第3受信PCRパルス846と、第4受信PCRパルス848とを含む。これらの受信PCRパルスの各々は、4つの反射対象物の相対距離が変化していないので、第3検出周期700と同様の時間的関係を相互に持つ。
これにより、第1受信PCRパルス842と第2受信PCRパルス844との間には、3単位のサブパルス幅 の第1時間的分離があり、第2受信PCRパルス844と第3受信PCRパルス846との間には、1単位のサブパルス幅 の第2時間的分離があり、第3受信PCRパルス846と第4受信PCRパルス848との間には、3単位のサブパルス幅 の第3時間的分離がある。この時間的関係によれば、第1受信PCRパルス842に関連のある対象物はレーダセンサ100に最も近く、第4受信PCRパルス848に関連のある対象物はレーダセンサ100から最も離れている。
第3検出周期700の後、調整可能時間遅延TDAは、第4検出周期800で2単位のサブパルス幅Tから3単位のサブパルス幅Tに増加することになる。これにより、第1複製PCRパルス830は、第4起動PCRパルス862よりも3単位のサブパルス幅Tだけ遅れている。調整可能時間遅延TDAを増加させることで、レーダセンサ100は、第1検出周期500、第2検出周期600、及び第3検出周期700で相関されていない他の対象物の検出を試みる。
1単位のサブパルス幅T分のわずかな増分により、レーダセンサ100はわずかなマージンによって検出距離を調整できる。この微調整により、レーダセンサ100は、検出された対象物(例えば、第1検出周期500における第4受信PCRパルス548と関連のある対象物、第2検出周期600における第2受信PCRパルス644と関連のある対象物、及び第3検出周期700における第3受信PCRパルス746と関連のある対象物)のすぐ近くに位置する可能性のある1つ以上の未検出の対象物を検索することが可能となる。
受信PCRパルス(例えば、第1、第2、第3、及び第4受信PCRパルス842、844、846、及び848)のタイミングと受信順により、第2複製PCRパルス831のみが第1受信PCRパルス842と相関関係801にある。相関関係801の結果、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が第2複製PCRパルス831で乗算されると、自己相関量817を有する。一方、アナログ相関信号117は、受信PCR信号145が他の複製PCRパルス(例えば、第1複製PCRパルス830、第3複製PCRパルス832、第4複製PCRパルス833、第5複製PCRパルス834、第6複製PCRパルス835、第7複製PCRパルス836、第8複製PCRパルス837、第9複製PCRパルス838、及び第10複製PCRパルス839)で乗算されると、実質的にゼロである大きさを有する。
アナログ相関信号117は、複製レート信号125と実質的に同期するレートでサンプリング及び/又はデジタル化される。ある実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルス(例えば、第1サンプリングパルス820、第2サンプリングパルス821、第3サンプリングパルス822、第4サンプリングパルス823、第5サンプリングパルス824、第6サンプリングパルス825、第7サンプリングパルス826、第8サンプリングパルス827、第9サンプリングパルス828、及び第10サンプリングパルス829)の各々の立ち上がりエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、サンプリングパルスの各々の立ち下りエッジでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。更に他の実施形態では、例えば、アナログ相関信号117は、各サンプリングパルスでサンプリング及び/又はデジタル化されてもよい。
アナログ相関信号117がサンプリング及び/又はデジタル化された後、この位置検出方式で、第2サンプリングパルス821で又はそのあたりで対象物を検出する。この位置検出方式では、検出された対象物が3単位のサブパルス幅Tと1つのパルス幅Tとの和に実質的に等しい飛行時間を有することを更に確認する。最後に、この位置検出方式で、検出された対象物の確認された飛行時間に基づいて対象物の位置を抽出及び/又は計算する。
4つの検出周期を図5から図8に示したが、この位置検出方式では、本発明の種々の実施形態によれば、より少ない又はより多い検出周期を有していてもよい。MがPCRパルス幅Tに対するパルス反復期間PRIの比とすると、検出周期で起こりうる相関の総数はM以下となるであろう。更に、Nが単位サブパルス幅Tに対するPCRパルス幅Tの比とすると、検出周期の総数はN以下となるであろう。そのため、相関の総数CTotal(又は、検出可能な位置の最大数)はMとNの積に等しくなるであろう。
すなわち、相関の総数CTotalは、単位サブパルス幅Tに対するパルス反復期間PRIの比によって本質的に定めることができる。パルスの反復が、単位サブパルス幅Tに比べて比較的大きいままであるならば、位置検出方式で、広い検出範囲と高い分解能を同時に達成できる。一方、位置検出方式で、いくつかの検出周期と各検出周期でのいくつかの複製PCRパルスにわたって相関の総数CTotalを分散させる。このように分散させることによって、1つの検出周期に複数の相関を含めることで検出処理の性能を向上することができる。更に、このように分散させることによって、アナログ−デジタル変換器118のサンプリングレートを低くすることで、全体の消費電力を低減することができる。Tに対するPRIの比率を高くして相関を分散することで、レーダセンサ100は、検出処理の消費電力を制限しながら、高い分解能、広い検出範囲、及びロバストな動作という利点を達成する。
次に、レーダセンサ100の機能構成を実現するための種々の回路構成を説明する。本明細書では、以下の回路構成とそれによって実行される位置検出方式によって、図1〜図8に説明したレーダセンサ100と位置検出方式の意図と目的を更に展開する。そのため、以下の回路構成及びそれによって実行される位置検出方式は、図1〜図8で説明したレーダセンサ100及び位置検出方式の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
図9は、本発明の第2の実施形態によるレーダセンサ900の概略図を示す。レーダセンサ900は、レーダシステムに実装される。レーダセンサ900は、PCR信号生成器932と、アナログ相関器モジュール910と、検出制御器930と、RFフロントエンドモジュール940と、アンテナモジュール950とを備える。アナログ相関器モジュール910は、1つ以上の対象物の位置を検出する際に検出制御器930と通信し協働する。高レベルの観点でみると、アナログ相関器モジュール910は、アナログ相関器110と同様に機能し、検出制御器930は検出制御器130と同様に機能する。
検出周期の初期で、検出制御器930は、PCR信号生成器932に起動PCR信号933を生成させる検出周期信号935を生成する。起動PCR信号933は、PCRパルス幅Tを持つPCRパルスと、圧縮符号列とを有する。圧縮符号列は、複数のビットを有し、各ビットは単位サブパルス幅Tを有するサブパルスで表すことができる。一般に、PCRパルス幅Tは、単位サブパルス幅Tの数値による倍数であり、それによってPCRパルス幅TはN*Tとして表すことができる。ここで、NはPCRパルスによって表されるビット数である。
起動PCR信号933は、伝送路と複製路とに供給される。伝送路に沿って、起動PCR信号933は、位相偏移変調(PSK)、二相位相変調(BPSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等の1つ以上の周波数変調方式で、RF変調器942によって周波数変調される。RF変調器942は、RF復調器944も含んでいるRFフロントエンドモジュール940の一部に組み込まれてもよい。
ある実施形態では、RF変調器942は、ローカル信号生成器971と、変調ミキサ(アップコンバータ)973と、送信増幅器975とを備えていてもよい。ローカル信号生成器971は、ローカル信号972を生成するために用いられる。変調ミキサ973は、起動PCR信号933とローカル信号972とを、1つ以上の変調方式によって合成する。この合成の結果、変調ミキサ973は、ベースバンド信号でありうる起動PCR信号933を、アウトバウンドRF変調信号943に変換する。送信増幅器975は、アウトバウンドRF変調信号943の送信の前処理をする。特に、送信増幅器975は、アウトバウンドRF変調信号943が送信アンテナ952によって送信される前に、アウトバウンドRF変調信号943の振幅を増幅する。
送信PCR信号(すなわち、送信アンテナ952によって送信されるアウトバウンドRF変調信号943)は、1つ以上の対象物によって反射されることになる。この反射の結果として、1つ以上の反射PCR信号が戻されて、最終的に受信アンテナ954で受信される。RF復調器944は、反射PCR信号を復調して、1つ以上の反射PCRパルスを抽出する。RF復調器944は、受信増幅器977と、ダウンコンバータ979とを備え、RF変調器942とローカル信号生成器971を共有してもよい。
受信増幅器977は、反射PCR信号を復調する前に増幅する。ダウンコンバータ979は、搬送周波数を反射PCR信号から切り離す際にローカル信号972を適用する。このダウンコンバートされたベースバンド信号は、複数の受信PCRパルスを含んでいてもよく、各受信PCRパルスは検出可能な対象物と関連づけられる。このダウンコンバートの結果として、ダウンコンバータ979は反射PCR信号を受信PCR信号945に変換する。受信PCR信号945は複数の受信PCRパルスを含む。
複製路に沿って、起動PCR信号933がアナログ相関器モジュール910によって複製され相関される。アナログ相関器モジュール910は、可変利得増幅器(VGA)911と、複製生成器912と、乗算器914と、アナログ−デジタル変換器(ADC)918と、タイミングモジュール920とを備える。タイミングモジュール920は、タイミングモジュール120と同様に機能する。例えば、タイミングモジュール920は、起動PCRパルスの複製レートとADC918のサンプリングレートを制御するために用いられてもよい。
更に詳細には、タイミングモジュール920は、サンプリングクロック生成器922と、第1可変時間遅延素子(VTDC)924と、第2可変時間遅延素子(VTDC)928と、タイミング制御器926とを備える。サンプリングクロック生成器922は、サンプリング制御信号939を受信するために検出制御器930に接続されている。サンプリング制御信号939は、起動PCRパルスが複製されるレートを調整するために用いられる、PCRパルス幅 に関連する情報に埋め込まれている。これに対して、サンプリングクロック生成器922は、サンプリング制御信号939に埋め込まれた情報に基づいてサンプリング信号923を生成する。
複製生成器912は、サンプリング信号923を受信するためにサンプリングクロック生成器922に接続されている。サンプリング信号923のサンプリングレートに駆動されて、複製生成器912は、テンプレート信号913を生成する。テンプレート信号913は、起動PCR信号933が生成されている時に起動PCR信号933の起動PCRパルスを複製する。これにより、テンプレート信号913の第1複製PCRパルスは、起動PCR信号933の起動PCRパルスと同期される。テンプレート信号913の中の次の複製PCRパルスは、起動PCRパルスよりPCRパルス幅Tの倍数分だけ遅れる。例えば、第2複製PCRパルスは、起動PCRパルスより1PCRパルス幅Tだけ遅れており、第3複製PCRパルスは、起動PCRパルスより2PCRパルス幅Tだけ遅れている。
テンプレート信号913は、第1VTDC924によって時間シフトされる。第1VTDC924は、遅延調整信号927によって選択的に作動される種々の時間遅延素子を備える。タイミング制御器926は、検出周期信号935の数を数えるレジスタを備える。レジスタは、各パルス反復期間PRIの終わりにリセットされることになる。レジスタに記憶された値に基づき、タイミング制御器926は、終了した検出周期の数を計算する。タイミング制御器926は、終了した検出周期の数に基づいて遅延調整信号927を生成する。
ある実施形態では、遅延調整信号927は、1つの検出周期が終了すると、1単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせるために1つの時間遅延素子を起動してもよい。他の実施形態では、遅延調整信号927は、2つの検出周期が終了すると2単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせるために2つの時間遅延素子を起動してもよい。更に他の実施形態では、遅延調整信号927は、n個の検出周期が終了すると、n単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせためにn個の時間遅延素子を起動してもよい。
この時間シフトの結果として、テンプレート信号913の複製PCRパルスは、複製レートを持つ。複製レートは、サンプリングレートと実質的に同じであり、起動PCR信号933より調整可能時間遅延TDAだけ遅れている。調整可能時間遅延TDAのこの実施形態は、テンプレート信号913が生成された後、この実施形態の時間シフトが行われるため、図2で述べたものとわずかに異なる。しかし、両実施形態では、受信PCR信号945との相関のために、又はVGA911を配置した場合は増幅PCR信号916との相関のために、起動PCRパルスを遅延及び複製したものを提供するという同じ結果が達成される。
第2VTDC928は、サンプリングクロック生成器922と接続されて、サンプリング信号923を時間シフトするために用いられる。第2VTDC928は、遅延調整信号927によって選択的に作動される種々の時間遅延素子を備える。従って、タイミング制御器926は、第1VTDC924の制御と同様の態様で第2VTDC928を制御できる。ある実施形態では、遅延調整信号927は、1つの検出周期が終了すると1単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせるために1つの時間遅延素子を起動してもよい。他の実施形態では、遅延調整信号927は、2つの検出周期が終了すると、2単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせるために2つの時間遅延素子を起動してもよい。更に他の実施形態では、遅延調整信号927は、n個の検出周期が終了すると、n単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延を起こさせるためにn個の時間遅延素子を起動してもよい。
状況によっては、サンプリング信号923は、テンプレート信号913とは異なる寄生効果を有してもよい。このような違いによって、第1VTDC924の時間遅延素子が第2VTDC928の時間遅延素子と同じ時間遅延特性を有する場合、サンプリング信号923とテンプレート信号913との間で非対称な時間シフトが生じることになるであろう。非対称な時間シフトを排除又は最小限に抑えるために、種々の時間遅延素子は、寄生効果における差異を相殺するために、第1VTDC924の時間遅延特性とは異なる時間遅延特性を有する。時間遅延されたサンプリング信号923によって駆動され、ADC918は、テンプレート信号913の複製レートと実質的に同期したレートで積分器モジュール960の出力をサンプリング及び/又はデジタル化する。
積分器モジュール960は、1つ以上のアナログ相関信号を生成するのに、交互方式(交互構成とも呼ばれる)を採用してもよい。積分器モジュール960は、第1積分器963及び第2積分器964などの、個別の積分器からなる積分器群を有してもよい。第1積分器963と第2積分器964の各々は、キャパシタ等の電荷蓄積素子と、切り替え可能な放電路とを備える。これらのキャパシタは、乗算器914から出力される電流によって充電及び放電される。交互方式では、第1積分器963は、第1セットの複製PCRパルスの間は第1アナログ相関信号965を生成する役割を担い、第2積分器964は、第2セットの複製PCRパルスの間は第2アナログ相関信号966を生成する役割を担う。
第1セットの複製PCRパルスが第2セットの複製PCRパルスの間に入れられて交互パターンが形成される場合、第1積分器963及び第2積分器964は、交互の順序で充放電される。積分器モジュール910は、入力スイッチ961と出力スイッチ962とを備え、交互の順序で作動する。入力スイッチ961は、サンプリング信号923に制御される。サンプリング信号923のサンプリングレートに基づいて、入力スイッチ961は、第1積分器963と第2積分器964とを選択的に乗算器914に接続する。サンプリング信号923のサンプリングレートは複製レートと実質的に同期されるので、入力スイッチ961と、第1積分器963及び第2積分器964との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器963と第2積分器964は、連続した複製PCRパルスが受信PCR信号945で乗算されている時、又はVGA911が配置されている場合は連続した複製PCRパルスが増幅PCR信号916で乗算されている時、乗算信号915を乗算器914から交互に受信する。
同様に、出力スイッチ962は、サンプリング信号923によって制御される。サンプリング信号923のサンプリングレートに基づいて、出力スイッチ962は、第1積分器963と第2積分器964とを選択的にADC918に接続する。サンプリング信号923のサンプリングレートは複製レートと実質的に同期されるので、出力スイッチ962と、第1積分器963及び第2積分器964との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器963と第2積分器964は、連続したサンプリングパルスがADC918に送信される時、第1アナログ相関信号965と第2アナログ相関信号966をADC918に交互に供給する。
ADC918は、同じ交互の順序で第1アナログ相関信号965と第2アナログ相関信号966をサンプリング及び/又はデジタル化する。この結果、ADC918は、第1及び第2アナログ相関信号965及び966の両方の自己相関の大きさを含むデジタル信号919を生成する。デジタル信号919は、検出制御器930に送信される。デジタル信号919は、検出制御器930に送信される前に任意に処理利得部931で更に処理されてもよい。
この交互方式は、相互に近接して位置する一群の対象物を検出するのに有用である。主に、近接して位置する一群の対象物は、一連の反射PCRパルスを反射できる。反射PCRパルスの各々は、相互に短く時間的に分離していてもよい。前回の乗算から累積された電荷が時間内に放出されない場合、アナログ相関信号の自己相関量は、今回の乗算で歪を生じる可能性がある。交互方式では、一方の積分器は、他方の積分器がアナログ相関信号を生成している間、全PCRパルス幅 の間に累積した電荷を放出できる。これにより、第1アナログ相関信号965及び第2アナログ相関信号966は、実質的に歪を生じないことになる。
図10は、重相関状態1000を示す。状態1000では、交互方式を用いて、第1アナログ相関信号965と第2アナログ相関信号966の潜在的な歪を防ぐ。重相関状態1000は、起動PCR信号933の第1起動PCRパルス1062によって起動される。第1起動PCRパルス1062が生成された後、起動PCR信号933が変調され送信されることになる。
送信PCR信号は、分離して位置する5つの対象物によって反射されるであろう。例えば、第1対象物は、第1増幅PCRパルス1041に関連づけられ、第2対象物は、第2増幅PCRパルス1042に関連づけられ、第3対象物は、第3増幅PCRパルス1043に関連づけられ、第4対象物は、第4増幅PCRパルス1044に関連づけられ、第5対象物は、第5増幅PCRパルス1045に関連づけられる。これにより、増幅PCR信号916は、第1増幅PCRパルス1041と、第2増幅PCRパルス1042と、第3増幅PCRパルス1043と、第4増幅PCRパルス1044と、第5増幅PCRパルス1045とを含む。
第1増幅PCRパルス1041は、第2増幅PCRパルス1042よりも3単位のサブパルス幅T足す1PCRパルス幅T、先にある。第2増幅PCRパルス1042は、第3増幅PCRパルス1043よりも1単位のサブパルス幅T足す1PCRパルス幅T、先にある。第3増幅PCRパルス1043は、第4増幅PCRパルス1044よりも1PCRパルス幅Tだけ先にあり、第4増幅PCRパルス1044は、第5増幅PCRパルス1045よりも1PCRパルス幅Tだけ先にある。
この受信順序に基づいて、第1増幅PCRパルス1041に関連づけられた第1対象物は、レーダセンサ100に最も近く、第5増幅PCRパルス1045に関連づけられた第5対象物は、レーダセンサ100から最も遠い。更に、第3、第4、及び第5増幅PCRパルス1043、1044、及び1045が生成される時間的近さに基づくと、第3、第4、及び第5対象物は、相互に近接して配置されている。更に、第3、第4、及び第5増幅PCRパルス1043、1044、及び1045は連続したパルスであるため、これらのパルスの間には時間的な空間はないことを意味し、これらのパルスはすべて、1つの信号検出周期の3つの連続した複製PCRパルスと相関させることができる。
1つの検出周期の間、例えば、テンプレート信号913の調整可能時間遅延TDAは、実質的に約3単位のサブパルス幅Tに等しい。10個の複製パルスの中で、第5複製PCRパルス1034は、第3増幅PCRパルス1043と相関され、第6複製PCRパルス1035は、第4増幅PCRパルス1044と相関され、第7複製PCRパルス1036は、第5増幅PCRパルス1045と相関される。これらの相関の結果、乗算器914は、第5、第6、及び第7複製PCRパルス1034、1035、及び1036にわたる期間にひと続きの正電荷を出す。
交互方式では、第1積分器963と第2積分器964とは、連続した複製PCRパルスの間で交互にオンとされる。第1積分器963と第2積分器964は、入力スイッチ961と時間シフトされたサンプリング信号923とによって、作動及び/又は停止される。本明細書においては、積分器は、作動されている時は乗算信号915によって出された電荷を累積する。積分器は、停止されている時は累積した電荷を放出する。更に詳細には、第1積分器963と第2積分器964の各々の切り替え可能な放電路は、時間シフトされたサンプリング信号923によって開かれる及び/又は閉じられることとなる。これにより、切り替え可能な放電路は、各積分器が作動される時は開かれて導通せず、各積分器が停止される時は閉じられて導通する。
ある実施形態では、例えば、第1積分器963は奇数の複製PCRパルス(例えば、第1、第3、第5、第7、及び第9複製PCRパルス1030、1032、1034、1036、及び1038)の時作動されて、第2積分器694は、偶数の複製PCRパルス(例えば、第2、第4、第6、第8、及び第10複製PCRパルス1031、1033、1035、1037、及び1039)の時作動されてもよい。別の実施形態では、例えば、第1積分器963は、偶数の複製PCRパルス(例えば、第2、第4、第6、第8、及び第10複製PCRパルス1031、1033、1035、1037、及び1039)の時作動されて、第2積分器694は、奇数の複製PCRパルス(例えば、第1、第3、第5、第7、及び第9複製PCRパルス1030、1032、1034、1036、及び1038)の時作動されてもよい。
第1積分器963が奇数の複製PCRパルスの時作動される構成では、第1アナログ相関信号965は第5複製PCRパルス1034で第1自己相関量1014を持つ。ADC918でサンプリングされる前、第1自己相関量1014は、第5複製PCRパルス1034で、第1帯電エッジ1021を持つ。
第6複製PCRパルス1035が第4増幅PCRパルス1044と相関されると、第1積分器963は停止して、第2積分器964が作動される。この作動の結果、第2アナログ相関信号966は、第6複製PCRパルス1035で、第2自己相関量1015を持つ。更に、第6複製PCRパルス1035の間、第2自己相関量1015は、ADC918でサンプリングされる前、第1帯電エッジ1023を持つ。第2積分器964が電荷を累積する間、第1積分器963は、第6複製PCRパルス1035で、累積した電荷を放出するのにPCRパルス幅T分の時間を有する。その結果、第1自己相関量1014は、第1放電エッジ1022を持つ。
第7複製PCRパルス1036が、第5増幅PCRパルス1045と相関されると、第1積分器963が再び作動されて、第2積分器964が停止する。この作動の結果、第1アナログ相関信号965は、第7複製PCRパルス1036で、第3自己相関量1016と第3帯電エッジ1025を持つ。第1積分器963は、前回累積した電荷を放出するのに十分な時間を持つため、第1アナログ相関信号965は、実質的に、前回の相関によって生じる歪を含まない。有利には、次の第3自己相関量1016は、複製PCRパルスと増幅PCRパルスとの相関を正確に表すことができる。
第1積分器963が電荷を累積している間、第2積分器964は、第7複製PCRパルス1036で、累積した電荷を放出するのにPCRパルス幅T分の時間を有する。その結果、第2自己相関量1015は、第1放電エッジ1024を有する。この放電の後、第2積分器964は、次の複製PCRパルスの間に再び電荷を累積する準備をする。
図10は、交互方式が、複製PCRパルス列によって統制されていることを示すが、別の実施形態では、交互方式は、検出制御器930によって統制されてもよい。まず、検出制御器930は、第1積分器963と第2積分器964の一方を作動させることができる。検出制御器930が、複製PCRパルスのどれかで対象物を検出すると、検出制御器930は、作動状態を第1積分器963と第2積分器964との間で切り替える。一方、対象物が検出されない場合は、作動された積分器は、相当量の電荷を累積する可能性は低い。これにより、作動された積分器は、放電に時間がかからないであろうため、検出制御器930は第1積分器963と第2積分器964との間の作動状態を続行できる。この方式は、有利なことに、積分器に放電のための時間を十分に残しながら、積分器モジュール960での切り替え動作を減らすことができる。
次に、受信PCR信号945のための補償方式(すなわち補償構成)について説明する。一般に、受信PCR信号945の振幅レベルは、検出周期の終わりに向かって徐々に弱くなる。これは、送信PCR信号と反射PCR信号が長い距離を進むと、喪失するパワーが多くなる(信号の減衰)ことによる。受信PCR信号945の振幅レベルが弱いと、受信PCR信号945の処理に関連した信号対雑音比(SNR)は通常低くなる。これにより、ADC918の出力は、背景雑音によってより歪みやすくなるであろう。
図9に示す実施形態を再び参照すると、可変利得増幅器(VGA)911を用いて、信号の減衰の問題を緩和して、ADC918の出力でのSNRを改善する。VGA911は、受信PCR信号945を選択的に増幅する。この選択的な増幅は、起動PCR信号933の生成から測る待ち時間に基づいてもよい。この待ち時間は、送信PCR信号と反射PCR信号の移動距離に対応する。これにより、待ち時間を利用して、信号の減衰の程度を概算できる。
特に、VGA911の利得は、検出周期が始めから終わりまで進むにつれて、徐々に増す。この選択的な増幅の結果、VGA911は、増幅PCR信号916を生成して受信PCR信号945の減衰した振幅を修正及び/又は補償する。ある実施形態において、VGA911の調整可能な利得は、可変利得制御信号991で検出制御器930によって制御される。他の実施形態では、VGA911の調整可能な利得は、タイミングモジュール920によって直接制御される。
図11は、本発明の第2の実施形態による動的利得制御方式1100における種々の信号の波形図を示す。本明細書においては、動的利得制御方式1100は、多数の選択実行可能な補償方式の1つを表しているに過ぎないため、動的利得制御方式1100は補償方式の一部分である。従って、動的利得制御方式1100では、補償方式の動作の詳細を示しているが、補償方式の持つ一般的な概念と範囲を限定するものではない。
動的利得制御方式1100は、起動PCR信号933の第1起動PCRパルス1062によって起動される。第1起動PCRパルス1062が生成された後、起動PCR信号933が変調され送信される。送信PCR信号は、離間して位置する5つの対象物によって反射されるであろう。例えば、第1対象物は第1受信PCRパルス1141に関連づけられ、第2対象物は、第2受信PCRパルス1142に関連づけられ、第3対象物は第3受信PCRパルス1143に関連づけられ、第4対象物は第4受信PCRパルス1144に関連づけられ、第5対象物は第5受信PCRパルス1145に関連づけられる。これにより、受信PCR信号945は、第1受信PCRパルス1141と、第2受信PCRパルス1142と、第3受信PCRパルス1143と、第4受信PCRパルス1144と、第5受信PCRパルス1145とを含む。
第1受信PCRパルス1141は時間Tの後で受信される。第2受信PCRパルス1142は、時間Tよりも約1PCRパルス幅Tだけ遅い時間Tの後で受信される。第3受信PCRパルス1143は、時間Tよりも約3PCRパルス幅Tだけ遅い時間Tで受信される。第4受信PCRパルス1144は、時間Tよりも約4PCRパルス幅Tだけ遅い時間Tで受信される。第5受信PCRパルス1145は、時間Tよりも約5PCRパルス幅Tだけ遅い時間 で受信される。
この受信順に基づくと、第1受信PCRパルス1141の信号強度が最も大きく、第5受信PCRパルス1145の信号強度が最も弱いといえる。振幅レベルで表される各受信PCRパルスの信号強度は、受信時間が検出周期内で進むにつれて、指数関数的に小さくなるものである。この信号強度の指数関数的な減少を補償及び/又は修正するために、可変利得制御信号991は、VGA911に動的利得値1110を与えて、VGA911はそれによって利得を調整できる。
ある実施形態では、動的利得値1110は、時間シフトされたサンプリング信号923のサンプリングレートに基づいて更新されてもよい。他の実施形態では、動的利得値1110は、以下の式で表すことができる、今回の調整可能な時間Tと前回の調整可能な時間Tn−1との関数である。
Figure 0005938664
この式によれば、動的利得値1110は、第2複製PCRパルス1031で第1調整可能な利得1111を、第3複製PCRパルス1032で第2調整可能な利得1112を、第4複製PCRパルス1033で第3調整可能な利得1113を、第5複製PCRパルス1034で第4調整可能な利得1114を、第6複製PCRパルス1035で第5調整可能な利得1115を、第7複製PCRパルス1036で第6調整可能な利得1116を、第8複製PCRパルス1037で第7調整可能な利得1117を、第9複製PCRパルス1038で第8調整可能な利得1118を、第10複製PCRパルス1031で第9調整可能な利得1119を有することができる。第2起動PCR信号1064が生成されると、それは新しい検出周期の始まりを示し、動的利得値1110はその起動値にリセットされる。
可変利得制御信号991によって与えられる各調整可能な利得に基づいて、VGA911は、第1増幅PCRパルス1041と、第2増幅PCRパルス1042と、第3増幅PCRパルス1043と、第4増幅PCRパルス1044と、第5増幅PCRパルス1045とを生成する。動的利得制御方式1100のために、増幅PCRパルスの各々は、比較的均一で比較的高い増幅レベルに復元される。有利には、このような復元は、ADC918の出力端でのSNRの改善に寄与する。
次に、図9に示すようなレーダセンサ900を改変するための種々の実施形態を説明する。これらの変更形態によって、レーダセンサ900の検出速度を向上でき、レーダセンサ900は、高速で動く対象物の感知が可能となる。これらの変更形態のいくつかの構成要素は既にレーダセンサ900の中で示されている。これらの構成要素は、図9〜図11で説明したものと実質的に同じ機能を果たす。これにより、以下では、新たに示す構成要素にのみに焦点を当てて説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態による高速レーダセンサ1200の概略図を示す。レーダセンサ900と比べると、高速レーダセンサ1200は、いくつかの改良点を含む。例えば、アナログ相関器モジュール910は、速い対象物の検出のための並列の構成を含むアナログ相関器モジュール1210に置き換えられる。この並列構成において、積分器モジュール960は、積分器群1250に置き換えられる。積分器群1250は、数期間で多数の相関処理を行い、検出周期数と全体の検出時間を等比級数的に減少させる。積分器群1250は、第1積分器モジュール1260及び第2積分器モジュール1280などの、2つ以上の並列の積分器モジュールを備えることができる。第1積分器モジュール1260及び第2積分器モジュール1280の各々は、積分器モジュール960と同様の構造的及び機能的構成を有することができる。
ある実施形態では、例えば、第1積分器モジュール1260は、第1入力スイッチ1261と、第1出力スイッチ1262と、第1積分器1263と、第2積分器1264とを備える。第1積分器1263及び第2積分器1264は、図9から図11で述べた第1積分器963及び第2積分器964と同様の機能を果たす。例えば、第1積分器1263及び第2積分器1264は、1つ以上の交互方式を実行するために用いられる。これにより、第1積分器1263は第1アナログ相関信号1265を生成し、第2積分器1264は、第2アナログ相関信号1266を生成する。
第1入力スイッチ1261は、入力スイッチ961と同様の機能を果たす。例えば、第1入力スイッチ1261は、第1積分器1263と第2積分器1264とを選択的に第1乗算器1232に接続することで、1つ以上の交互方式を作動させる。第1出力スイッチ1262は、出力スイッチ962と同様の機能を果たす。例えば、第1出力スイッチ1262は、第1積分器1263と第2積分器1264とを第1アナログ−デジタル変換器(ADC)1236に選択的に接続することで、1つ以上の交互方式を作動させる。
他の実施形態では、例えば、第2積分器モジュール1280は、第2入力スイッチ1281と、第2出力スイッチ1282と、第3積分器1283と、第2積分器1286とを備えていてもよい。第3積分器1283及び第4積分器1284は、図9〜図11で述べた第1積分器963及び第2積分器964と同様の機能を果たす。例えば、第3積分器1283及び第4積分器1284は、1つ以上の交互方式を実行するために用いられる。これにより、第3積分器1283は、第3アナログ相関信号1285を生成でき、第4積分器1284は、第4アナログ相関信号1286を生成できる。
第2入力スイッチ1281は、入力スイッチ961と同様の機能を果たす。例えば、第2入力スイッチ1281は、第3積分器1283と第4積分器1284とを選択的に第2乗算器1234に接続することで、1つ以上の交互方式を作動させる。第2出力スイッチ1282は、出力スイッチ962と同様の機能を果たす。例えば、第2出力スイッチ1282は、第3積分器1283と第4積分器1284とを選択的に第2アナログ−デジタル変換器(ADC)1238に接続することで、1つ以上の交互方式を作動させる。
この並列構成に対応するために、アナログ相関器モジュール1210は、追加的な乗算器、時間遅延素子、及びテンプレート信号を含む。複製路に沿って,例えば、アナログ相関器モジュール1210は、第1可変時間遅延素子(VTDC)1221と第1一定時間遅延素子(CTDC)1223とを備える。第1VTDC1221は、図9で説明した第1VTDC924と同様の機能を果たす。これにより、第1VTDC1221は、第1VTDC924と同様の態様で、タイミング制御器926によって調整される。
第1VTDC1221は、第1乗算器1232及び第1CTDC1223に供給される第1テンプレート信号1222を生成する。第1テンプレート信号1222は、増幅PCR信号916で乗算されて、第1乗算信号1233を生成する。これに対応して、この第1乗算信号を用いて、第1アナログ相関信号1265及び第2アナログ相関信号1266を生成する。
第1CTDC1223は、一定の時間遅延TDCを第1テンプレート信号1222に与えて、第2テンプレート信号1224を生成する。これにより、第2テンプレート信号1224は、第1テンプレート信号1222の時間シフトされた信号となる。第2テンプレート信号1224は、第2乗算器1234で、増幅PCR信号916と乗算される。第2乗算器1234では、このような乗算に基づいて第2乗算信号1235を生成する。これに対応して、第2乗算信号1235用いて、第3アナログ相関信号1285及び第4アナログ相関信号1286を生成する。
この並列構成の動作を更に詳しく述べるために、図13は、本発明の第3の実施形態による高速感知方式1300における種々の信号の波形図を示す。本明細書において、高速感知方式1300は、アナログ相関器モジュール1210が実行可能な多数の高速感知方式の中の1つのみを表している。高速感知方式1300は、他の設計の目的にかなうよう更に改良されてもよい。これにより、高速感知方式1300は、アナログ相関器1210の一般的な範囲と概念を示しているが、この範囲と概念を限定するものではない。
簡潔にするため、高速感知方式1300を用いて、受信PCR信号945の一部である、受信PCRパルス1310(又は、VGAが配置されている場合は、増幅PCRパルス)を検出する。第1テンプレート信号1222は、第1複製PCRパルス1320を含む。高速感知方式1300が、数回の検出周期を経るにつれて、第1テンプレート信号1222の調整可能時間遅延TD1は、実質的にn*Tと等しくなる。ここで、nは第1検出周期後の、検出周期の数を示す。
第1CTDC1223によって時間シフトされた後、第2テンプレート信号1224は、第1複製PCRパルス1320に対して一定の時間的分離を保つ、第2複製PCRパルス1330を含む。ある実施形態では、第1CTDC1223は、1/2PCRパルス幅であるT/2の一定の時間遅延TDCを、第2複製PCRパルス1330に与えてもよい。高速感知方式1300が、数回の検出周期を経るにしたがって、第2テンプレート信号1224の調整可能時間遅延TD2は、実質的にT/2+n*Tと等しくなる。各検出周期では、受信PCR信号945は、2つの時間シフトされたテンプレート信号(例えば、第1及び第2テンプレート信号1222及び1224)によって乗算されている。
この結果、時間遅延調整の最大数を、約T/Tから約T/(2*T)に減少させることができる。レーダセンサ900と比べると、高速レーダセンサ1200は、検出周期の半分で全体の検出可能範囲をスイープすることができる。図13は、2つの時間シフトされたテンプレート信号が用いられていることを示すが、高速レーダセンサ1200は、3つ以上のテンプレート信号を用いて、検出処理の速度を更に向上してもよい。例えば、3つのテンプレート信号を3つの積分器モジュールとともに用いると、全スイープ時間を、元のスイープ時間の1/3に減らすことができる。
図12を再び参照すると、アナログ相関器モジュール1210は、サンプリング経路に沿って第2VTDC1225と第2CTDC1227とを備える。第2VTDC1225は、図9で述べた第2VTDC928と同様の機能を果たす。これにより、第2VTDC1225は、第2VTDC928と同様の態様で、タイミング制御器926によって調整される。
第2VTDC1225は、第1ADC1236及び第2CTDC1227に送信される、第1時間シフトサンプリング信号1226を生成する。この第1時間シフトサンプリング信号1226は、第1ADC1236のサンプリングレートを制御するのに用いられる。第1時間シフトサンプリング信号1226を受信すると、第2CTDC1227は、第2時間シフトサンプリング信号1228を生成することになる。第2時間シフトサンプリング信号1228は、第2ADC1238のサンプリングレートを制御するために用いられる。第1乗算器1232、第1積分器モジュール1260、及び第1ADC1236の動作を統制するために、第1時間シフトサンプリング信号1226のサンプリングレートは、実質的に第1テンプレート信号1222の複製レートと同期される。同様に、第2乗算器1234、第2積分器モジュール1280、及び第2ADC1238の動作を統制するために、第2時間シフトサンプリング信号1228のサンプリングレートは、実質的に第2テンプレート信号1224の複製レートと同期される。
これまで説明したように、積分器群1250の各積分器モジュールは、並列構成の中で同様の物理的性質を持っていてもよい。例えば、各積分器の電荷蓄積素子は、同様の時定数を有してもよく、各積分器の放電路は、同様に構成されてもよい。しかしながら、種々の別の実施形態によれば、積分器群1250は、それぞれ異なった物理的性質を持つ、数個の積分器モジュールを備えていてもよい。このような非対称の配置によって、積分器群1250は、種々の符号長さの符号列を処理できる。一般に、長い符号化パルスは、遠方の対象物を検出するのに用いられ、短い符号化パルスは、近傍の対象物を検出するのに用いられる。長い符号化パルスと短い符号化パルスの両方に対応するため、アナログ相関器モジュールは、大きな時定数を持つ積分器と、小さい時定数を持つ積分器とを選択的に作動させてもよい。
図14は、本発明の第4の実施形態による動き感知レーダセンサ1400の概略図を示す。高速レーダセンサ1200と比べると、動き感知レーダセンサ1400は、いつくかの改良点を含む。例えば、アナログ相関器モジュール1210内の時間シフト(すなわち時間遅延)素子が改良されて、高速動き感知方式を実施する。
動き感知方式は、第1時間インスタンスで対象物の第1位置を検出し、第2時間インスタンスで同じ対象物の第2位置を検出することを含む。第1位置を検出した後、動き感知方式では、次に受信するPCRパルスを、一対のテンプレート信号と相関させる。この一対のテンプレート信号は、反対方向に(例えば、前方及び後方に)時間シフトすなわち遅延されている。対象物が動き感知レーダセンサ1400に近づいているか、遠ざかっているかによって、テンプレート信号の中の1つが、次の受信PCRパルスと相関される。これにより、動き感知方式では、相関されたテンプレート信号を用いて、第2位置を検出する。
第1検出位置を第2検出位置と比較することで、動き感知方式では、対象物の動きを判定する。動き感知方式では、検出された対象物を、前方と後方の両方に向かうテンプレート信号と比較するようになされているので、動き感知方式では、上述の方式に比べて、より敏活な態様で、速い動きの対象物の動きを感知する。
より詳細には、アナログ相関器モジュール1410は、第1後方可変時間遅延素子VTDC1421と、第1前方VTDC1423と、第2後方VTDC1425と、第2前方VTDC1427とを備える。タイミング制御器926は、第1後方VTDC1421及び第2後方VTDC1425における1つ以上の時間遅延素子を作動させる後方遅延調整信号1451を生成する。タイミング制御器926はまた、第1前方VTDC1423及び第2前方VTDC1427における1つ以上の時間遅延素子を作動させる前方遅延調整信号1453を生成する。
後方遅延調整信号1451に基づいて、第1後方VTDC1421は、第1後方テンプレート信号1422を生成する。第1後方テンプレート信号1422は、増幅PCR信号916で乗算されて、第1乗算信号1233を生成する。これに対応して、第1乗算信号を用いて、第1アナログ相関信号1265及び第2アナログ相関信号1266を生成する。
同様に、前方遅延調整信号1453に基づいて、第1前方VTDC1423は、第1前方テンプレート信号1424を生成する。第1前方テンプレート信号1424は、増幅PCR信号916で乗算されて、第2乗算信号1235を生成する。これに対応して、第1乗算信号を用いて、第3アナログ相関信号1285及び第4アナログ相関信号1286を生成する。
対象物の動きを判定する際に、検出制御器930は、第1アナログ相関信号1265と、第2アナログ相関信号1266と、第3アナログ相関信号1285と、第4アナログ相関信号1286とで、連続する自己相関量を比較する。ある実施形態では、例えば、検出制御器930は、第1アナログ相関信号1265及び/又は第2アナログ相関信号1266の自己相関量が、連続した回数の検出周期において、所定の閾値を超えたら、対象物が後方移動していると判定してもよい。他の実施形態では、例えば、検出制御器930は、第3アナログ相関信号1285及び/又は第4アナログ相関信号1286の自己相関量が、連続した回数の検出周期において、所定の閾値を超えたら、対象物が前方移動していると判定してもよい。
この動き感知方式の動作を更に詳細に述べるために、図15は、本発明の第4の実施形態による動き感知方式1500における種々の信号の波形図を示す。本明細書中において、動き感知方式1500は、アナログ相関器モジュール1410が実行可能な多数の動き検出方式の中の1つのみを表している。動き感知方式1500は、他の設計の目的にかなうよう更に改良されてもよい。これにより、動き感知方式1500は、アナログ相関器1410の一般的な範囲と概念を示しているが、この範囲と概念を限定するものではない。
簡潔にするため、図15は、動き感知方式1500が、前回の検出周期において移動している対象物の第1位置を既に検出したことを示す。検出された第1位置は、増幅PCR信号916の相関PCRパルス1512で表される。今回の検出周期で、移動している対象物は、第1位置にとどまったままであるか、レーダセンサ1400に近づいているか、レーダセンサ1400から遠ざかっているかである。
対象物が静止したままであるならば、次回の増幅PCRパルスは、相関PCRパルス1512と同じ時間位置を持つことになる。対象物がレーダセンサ1400に近づくならば、次回の増幅PCRパルスは、後方移動PCRパルス1514と重複することになる。後方移動PCRパルス1514は、相関PCRパルス1512に対して後方時間変位1501を有する。対象物が、レーダセンサ1400から遠ざかるならば、次回の増幅PCRパルスは、前方移動PCRパルス1516と重複することになる。前方移動PCRパルス1516は、相関PCRパルス1512に対して前方時間変位1502を有する。
増幅PCR信号916に表れているのは後方移動PCRパルス1514であるか前方移動PCRパルス1516であるかを判定するために、動き感知方式1500で、増幅PCR信号916を、後方テンプレート信号1422と前方テンプレート信号1424とに相関させる。後方テンプレート信号1422は、後方PCRパルス1520を含む。nを起動検出周期後の検出周期数とすると、後方PCRパルス1520は、約n*Tの後方時間遅延TD1を有することになるであろう。
一方、前方テンプレート信号1424は、前方PCRパルス1530を含む。nを起動検出周期後の検出周期数とすると、前方PCRパルス1530は、約n*Tの前方時間遅延 D2 を有する。後方時間遅延TD1は、相関PCRパルス1512の開始時間T0の基準となる。一方、前方時間遅延TD2は、相関PCRパルス1512の終了時間T+Tの基準となる。後方時間遅延 D1 と同じ基準点を得るために、前方時間遅延TD2は、(N−n)*Tとして表されてもよい。ここで、Nは、単位サブパルス幅Tに対するPCRパルス幅Tの比である。
増幅PCR信号916が、後方PCRパルス1520又は前方PCRパルス1530と相関されると、動き感知方式1500は、対象物が前方に移動しているか、後方に移動しているかを判定する。
図14に再び戻ると、第2後方VTDC1425は、後方サンプリング信号1426を生成し、第2前方VTDC1427は、前方サンプリング信号1428を生成する。後方サンプリング信号1426は、第1ADC1236に送信され、第1ADC1236のサンプリングレートを制御するのに用いられる。同様に、前方サンプリング信号1428は、第2ADC1238に送信され、第2ADC1238のサンプリングレートを制御するのに用いられる。
第1乗算器1232、第1積分器モジュール1260、及び第1ADC1236の動作を統制するために、後方サンプリング信号1426のサンプリングレートは、実質的に後方テンプレート信号1422の複製レートと同期される。同様に、第2乗算器1234、第2積分器モジュール1280、及び第2ADC1238の動作を統制するために、前方サンプリング信号1428のサンプリングレートは、実質的に前方テンプレート信号1424の複製レートと同期される。
図12及び図14は、高速レーダセンサ1200及び動き感知レーダセンサ1400が2つの別個の実施形態であることを示しているが、高速レーダセンサ1200の1つ以上の構造的な構成と、動き感知レーダセンサ1400の1つ以上の構造的な構成とが、組み合わされて1つの実施形態となされもよい。従って、組み合わされた実施形態は、高速レーダセンサ1200と動き感知レーダセンサ1400との両方の機能的利点を有することになる。更に、本開示では、動き感知レーダセンサ1400の枠組みの中でのみ動き感知方式を述べたが、他の動き感知方式が、レーダセンサ100、レーダセンサ900、及び高速レーダセンサ1200の枠組みの中で実施されてもよい。
図16のレーダセンサ1600は、本発明の他の実施形態を表す。概して、レーダセンサ1600の構成要素は、わずかな変更があるだけで、図9のレーダセンサ900のレーダ構成要素に対応し、同様に動作する(例えば、アンテナ1654はアンテナ954に対応し同様に動作し、第2積分器1664は第2積分器964に対応し同様に動作する等)。例えば、検出制御器1630は、送信側にタイミングモジュール1680を(例えば、RFフロントエンドモジュール1640の一部として)配置する。また、レーダセンサ1600は、起動PCR信号1633を遅延させるが、レーダセンサ900は、テンプレート信号913を遅延させる。しかし、図16に示すシステムを用いることで、飛行時間(TOF)を以下の式で同様に計算できる。
TOF=パルス受信時間B−パルス出力時間A
パルス受信時間Bは、デジタル信号1619から抽出でき、パルス出力時間Aは、時間遅延PCR信号1637から抽出できる。なお、実際のパルス反復期間は、VTDC1681の出力でのパルス反復期間ではなく、アンテナ1652でのパルス反復期間である。このように、レーダセンサ1600は、レーダセンサ900と同じ結果を得るように機能する。更に詳細には、レーダセンサ1600は、PCR信号生成器1632、アナログ相関器モジュール1610、検出制御器1630、RFフロントエンドモジュール1640、及び/又はアンテナモジュール1650を備える。アナログ相関器モジュール1610は、1つ以上の対象物の位置を検出するのに検出制御器1630と通信し協働する。高いレベルの観点でみると、アナログ相関器モジュール1610は、アナログ相関器910と同様に機能し、検出制御器1630は、検出制御器930と同様に機能する。
検出周期の初期で、検出制御器1630は、PCR信号生成器1632に起動PCR信号1633を生成させる検出周期信号1635を生成する。起動PCR信号1633は、PCRパルス幅Tを持つPCRパルスと、圧縮符号列とを有する。圧縮符号列は、複数のビットを有し、各ビットは単位サブパルス幅Tを有するサブパルスで表すことができる。一般に、PCRパルス幅Tは、単位サブパルス幅Tの倍数であるのでN*Tとして表すことができる。ここで、NはPCRパルスによって表されるビット数である。
起動PCR信号1633は、伝送路と複製路とに供給される。伝送路に沿って、起動PCR信号1633は、タイミングモジュール1680を通過するとき時間遅延される。タイミングモジュール1680は、RF変調器1642によって、位相偏移変調(PSK)、二相位相変調(BPSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等の1つ以上の周波数変調方式で起動PCRパルスが周波数変調される前に、起動PCRパルスのタイミングを制御するのに用いられる。起動PCRパルスは、VTDC1681によって時間シフトされる。VTDC1681は、遅延調整信号1627によって選択的に作動される種々の時間遅延素子を含む。タイミング制御器1626は、検出周期信号1635の数をカウントするレジスタを含む。レジスタは、各パルス反復期間PRIの終わりにリセットされることになる。レジスタに記憶された値に基づき、タイミング制御器1626は、終了した検出周期の数を判定する。タイミング制御器1626は、終了した検出周期の数に基づいて遅延調整信号1627を生成する。
ある実施形態では、遅延調整信号1627は、1つの検出周期が終了すると、1単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延させるために1つの時間遅延素子を起動してもよい。他の実施形態では、遅延調整信号1627は、2つの検出周期が終了すると、2単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延させるために2つの時間遅延素子を起動してもよい。更に他の実施形態では、遅延調整信号1627は、n個の検出周期が終了するとn単位のサブパルス幅Tだけ時間遅延させためにn個の時間遅延素子を起動してもよい。この時間シフトの結果として、起動PCRパルスは、複製PCR信号1633より、調整時間遅延TDAだけ遅延し、受信PCR信号をテンプレート信号1613と相関させるために起動PCRパルスの時間遅延したバージョンを供給する。
RF変調器1642は、RF復調器1644をも含むことができるRFフロントエンドモジュール1640の一構成要素である。ある実施形態では、RF変調器1642は、ローカル信号生成器1671と、変調ミキサ(アップコンバータ)1673と、送信増幅器1675とを備えている。ローカル信号生成器1671は、ローカル信号1672を生成するのに用いられる。変調ミキサ1673は、時間遅延PCR信号1637とローカル信号1672とを、1つ以上の変調方式によって合成する。この合成の結果、変調ミキサ1673は、ベースバンド信号である時間遅延PCR信号1637を、アウトバウンドRF変調信号1643に変換する。送信増幅器1675は、送信のためアウトバウンドRF変調信号1643を前処理する。特に、送信増幅器1675は、アウトバウンドRF変調信号1643が送信アンテナ1652によって送信される前に、アウトバウンドRF変調信号1643の振幅を増幅する。
送信PCR信号(すなわち、送信アンテナ1652によって送信されるアウトバウンドRF変調信号1643)は、1つ以上の対象物によって反射されることになる。この反射の結果として、1つ以上の反射PCR信号が戻されて、最終的に受信アンテナ1654で受信される。RF復調器1644は、反射PCR信号を復調して、1つ以上の反射PCRパルスを抽出する。RF復調器1644は、受信増幅器1677と、ダウンコンバータ1679とを備え、RF変調器1642とローカル信号生成器1671を共有する。
受信増幅器1677は、反射PCR信号を復調する前に増幅する。ダウンコンバータ1679は、搬送周波数を反射PCR信号から除去する際にローカル信号1672を適用する。元の変調方式とは逆に、ダウンコンバータ1679が反射PCR信号のベースバンドメッセージを復号する。このダウンコンバートされたベースバンド信号は、複数の受信PCRパルスを含んでおり、各受信PCRパルスは検出可能な対象物と関連づけられる。このダウンコンバートの結果として、ダウンコンバータ1679は、反射PCR信号を、複数の受信PCRパルスを含む受信PCR信号1645に変換する。
複製路に沿って、起動PCR信号1633がアナログ相関器モジュール1610によって複製され相関される。アナログ相関器モジュール1610は、可変利得増幅器(VGA)1611と、複製生成器1612と、乗算器1614と、アナログ−デジタル増幅器(ADC)1618と、サンプリングクロック生成器1622とを備える。サンプリングクロック生成器1622は、サンプリング制御信号1639を受信するために検出制御器1630に接続されている。サンプリング制御信号1639は、起動PCRパルスが複製されるレートを調整するのに用いられる、PCRパルス幅Tに関連する情報に埋め込まれている。これに対して、サンプリングクロック生成器1622は、サンプリング制御信号1639に埋め込まれた情報に基づいてサンプリング信号1623を生成する。
複製生成器1612は、サンプリング信号1623を受信するためにサンプリングクロック生成器1622に接続されている。サンプリング信号1623のサンプリングレートに駆動されて、複製生成器1612は、テンプレート信号1613を生成する。テンプレート信号1613は、起動PCR信号1633が生成されている時に起動PCR信号1633の起動PCRパルスを複製する。これにより、テンプレート信号1613の第1複製PCRパルスは、起動PCR信号1633の起動PCRパルスと同期される。テンプレート信号1613中の次の複製PCRパルスは、起動PCRパルスよりPCRパルス幅Tの倍数分だけ遅れる。例えば、第2複製PCRパルスは、起動PCRパルスより1PCRパルス幅Tだけ遅れており、第3複製PCRパルスは、起動PCRパルスより2PCRパルス幅Tだけ遅れている。
積分器モジュール1660は、1つ以上のアナログ相関信号を生成するのに、交互方式(交互構成とも呼ばれる)を採用してもよい。本実施形態では、積分器モジュール1660は、第1積分器1663及び第2積分器1664などの、個別の積分器からなる積分器群を有してもよい。第1積分器1663と第2積分器1664の各々は、キャパシタ等の電荷蓄積素子と、切り替え可能な放電路とを備える。これらのキャパシタは、乗算器1614から出力される電流によって充電及び放電される。交互方式では、第1積分器1663は、第1セットの複製PCRパルスの間に第1アナログ相関信号1665を生成する役割を担い、第2積分器1664は、第2セットの複製PCRパルスの間に第2アナログ相関信号1666を生成する役割を担う。
第1セットの複製PCRパルスが第2セットの複製PCRパルスの間に入れられて交互パターンが形成される場合、第1積分器1663及び第2積分器1664は、交互の順序で充放電される。積分器モジュール1610は、入力スイッチ1661と出力スイッチ1662とを備え、交互の順序で作動する。入力スイッチ1661は、サンプリング信号1623によって制御される。サンプリング信号1623のサンプリングレートに基づいて、入力スイッチ1661は、第1積分器1663と第2積分器1664とを選択的に乗算器1614に接続する。サンプリング信号1623のサンプリングレートは、複製レートと実質的に同期されるので、入力スイッチ1661と、第1積分器1663及び第2積分器1664との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器1663と第2積分器1664は、連続した複製PCRパルスが受信PCR信号1645で乗算されている時、又はVGA1611が配置されている場合は連続した複製PCRパルスが増幅PCR信号1616で乗算されている時、乗算信号1615を乗算器1614から交互に受信する。
同様に、出力スイッチ1662は、サンプリング信号1623によって制御される。サンプリング信号1623のサンプリングレートに基づいて、出力スイッチ1662は、第1積分器1663と第2積分器1664とを選択的にADC1618に接続する。サンプリング信号1623のサンプリングレートは、複製レートと実質的に同期されるので、出力スイッチ1662と、第1積分器1663及び第2積分器1664との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器1663と第2積分器1664は、連続したサンプリングパルスがADC1618に送信される時、第1アナログ相関信号1665と第2アナログ相関信号1666をADC1618に交互に供給する。
ADC1618は、同じ交互の順序で第1アナログ相関信号1665と第2アナログ相関信号1666とをサンプリング及び/又はデジタル化する。この結果、ADC1618は、第1及び第2アナログ相関信号1665及び1666の両方の自己相関量を含むデジタル信号1619を生成する。デジタル信号1619は、検出制御器1630に送信される。デジタル信号1619は、検出制御器1630に送信される前に任意に処理利得段1631で更に処理されてもよい。
アナログ相関器を用いたレーダセンサの実施形態を述べてきたが、以下ではアナログ相関器と整合フィルタとを用いたレーダセンサの実施形態に注目することにする。一般に、先に述べたアナログ相関器の概念と原理にアナログ整合フィルタを本明細書で以下に述べる態様で組み込むと、消費電力を大幅に増加させることなく(整合フィルタを持たないアナログ相関器を用いる場合と比べて)検出速度を高めるという効果的な利点がもたらされる。
アナログ整合フィルタは、PCR符号列の特定の立ち上がりパターン(例えば、わずかな部分)をリアルタイムに検出できるように構成されている。このように(全パターンを検出するために用いるのとは対照的に)アナログ整合フィルタを用いることで、(PCRのビットに依存して)多数の遅延回路を有する大きな回路になることを回避しながら、検索時間を大幅に短縮できることになる。更に、アナログ相関器と共に用いると、検索時間を更に短縮できるであろう。
図22Aは、リアルタイムに受信パルスの特定の立ち上がりパターンLpを検索するように構成された整合フィルタを示すタイムチャートである。この例では、Lpは、「10011」のビットストリームに対応していることになる。図22Bに示すように、整合フィルタは、入力受信パルスの一部がLpとマッチングするとき、信号2210を出力する。作動中は、整合フィルタは、受信パルスが整合フィルタに読み取られてマッチングされる毎に出力(例えば、出力信号2210)を行う。しかし、出力された信号2210のタイミングは、特定の立ち上がりパターンの終わりであるので、図22Cに示すように、パターン長Lp2220が整合フィルタ出力信号2210のタイミングから減算されて、複製パルスの開始タイミング2215が決まる(これは、例えば、タイミング制御器で行われる)。そのため、整合パターンの開始タイミングをTとすると、整合パターンの開始タイミングは以下となる。
=整合フィルタ出力タイミング−パターン長Lp
が決定されると、レーダシステムは、次に図22Dに示すように時間遅延T2230を算出できるため、それによって可変タイミング遅延回路を調整する。ある局面では、出力された信号2210のタイミングを用いて、以下の式によってレーダセンサのアナログ−デジタル変換器のサンプリングのタイミングADCを決定してもよい。
ADC=整合フィルタ出力タイミング+(Tp−パターン長Lp)
この結果、受信パルス2205が相関された複製パルスで乗算されると、自己相関量が所定の閾値より大きくなることがある。
アナログ相関器を有するが整合フィルタを使用しないレーダシステム(例えば、レーダシステム900)と比較すると、整合フィルタは、レーダシステムが図22Eに示すようなNビット長の間で複製PCRパルス2225を検索することを省いて、Tを検索及び/又は計算することを可能にする。この結果、アナログ相関器回路は、相関の最大値をCTotal秒(CTotal=M×N)からM秒に減少させる。
更に、レーダシステムは、複数のパルスを受信して受信パルスの存在を確定することができる。また、整合フィルタの出力が弱すぎて検出できない場合は、整合フィルタ出力の積分(例えば、平均化)を実行して、整合フィルタの出力の信号対雑音比を高めることができる。
アナログ整合フィルタを組み込むことの一般的な特徴を述べたところで、特定の実施形態について注目することにする。図17に戻り、整合フィルタ1780を用いたレーダセンサ1700の実施形態を示す。レーダセンサ1700は、アナログ相関器1710と、タイミングモジュール1720と、検出制御器1730と、無線周波数(RF)フロントエンド1740と、アンテナ1750とを備える。検出制御器1730は、レーダセンサ1700の種々の構成要素の動作を制御し統制する役割を担う。ある実施形態では、例えば、検出制御器1730は、1つ以上の検出周期において1つ以上のパルス圧縮レーダ(PCR)信号の生成を起動してもよい。他の実施形態では、検出制御器1730は、サンプリングクロック生成器及び可変時間遅延素子(VTDD)1724を調整するために整合フィルタ1780から信号1781を受信できる。他の実施形態では、例えば、検出制御器1730は、アナログ相関器1710が反射PCR信号1764をテンプレート信号1713と相関させている時にアナログ相関器1710の1つ以上のタイミング要素を制御してもよい。更に他の実施形態では、検出制御器1730は、アナログ相関器1710からの出力を処理して、対象物の位置を判定及び/又は計算してもよい。
検出制御器1730は、各検出周期の初期に検出周期信号1735を生成する。レーダセンサ1700は、検出制御器1730に接続可能でかつ検出周期信号1735を受信するように構成された、PCR信号生成器1732を備える。検出周期信号1735に対して、PCR信号生成器1732は、各パルス反復期間(PRI)内にPCRパルスを含む、起動PCR信号1733を生成する。PCRパルスは、相補的コード及び/又はバーカーコード等の符号化方法で圧縮されたデジタルコードを含む。これにより、PCRパルスは一連のサブパルスを含み、各サブパルスは1ビット以上の圧縮された情報を表すことができる。
起動PCR信号1733は、対象物検出処理を起動する。これにより、起動PCR信号1733は、起動対象物検出処理信号1733とも呼ばれる。起動PCR信号1733は、送信に向けて処理され、同じ時間又はほぼ同じ時間に複製される。送信PCR信号1762は、対象物に反射され、レーダセンサ1700によって反射PCR信号1764として受信される。反射PCR信号1764は、対象物の位置を検出するのに(テンプレート信号とも呼ばれる)複製された信号と比較及び/又は相関される。
起動PCR信号1733を送信に向けて処理するために、RFフロントエンド1740は、RF変調器1742を備えて、アウトバウンドRF変調信号1743を生成する。アウトバウンドRF変調信号1743は、搬送周波数と、起動PCR信号1733に基づいたメッセージとを含む。メッセージを埋め込むために、アウトバウンドRF変調信号1743には、1つ以上のデジタル変調方式を採用してもよく、このデジタル変調方式は位相偏移変調(PSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等であるが、これらに限定されない。
アウトバウンドRF変調信号1743が生成されて、送信のために十分な出力レベルまで増幅させた後、送信アンテナ1752を用いて出力変調信号1743を電磁波に変換し、この変換された出力変調信号1743を送信PCR信号1762として送信する。送信PCR信号1762は、1つ以上の対象物に反射される。これにより、受信アンテナ1754が1つ以上の反射PCR信号1764を受信し、続いて反射PCR信号1764を1つ以上のインバウンドRF変調信号1755に変換する。
RFフロントエンド1740は、インバウンドRF変調信号1755を復調するためのRF復調器1744を備える。RF復調器1744は、起動PCR信号1733を変調する際にRF変調器1742によって適用された変調方式に対応する復調方式を採用する。復調の結果、RF復調器1744は、数個のインバウンドRF変調信号1755に埋め込まれた時間領域のメッセージを含む、受信PCR信号1745を生成する。従って、受信PCR信号1745は、1つ以上の受信PCRパルスを含んでいてもよい。受信PCR信号1745は、整合フィルタ1780及び乗算器1714の両方に送られる。整合フィルタ1780が、立ち上がりパターン(例えば、エッジ)が整合状態であるとリアルタイムに判定する毎に、整合フィルタ1780は、信号1781を検出制御器1730に送る。検出制御器1730は、サンプリングクロック生成器1722及びVTDD1724を調整するために、信号1781を処理し、立ち上がりパルスの位置を判定し、対応する時間遅延Tdを計算する。これに対して、VTDD1724は、アナログ相関器1710の複製生成器1712、積分器1716、及びADC1718を制御するために、Td情報を埋め込んだデジタル信号1719を生成する。
アナログ相関器110は更に、積分器と協働してテンプレート信号1713と受信PCR信号1745との自己相関を行う乗算器1714を備えていてもよい。一般に、乗算器1714は、受信PCR信号1745をテンプレート信号1713で乗算するように構成される。更に詳細には、乗算器1714は、各受信PCRパルスを1つ以上の複製PCRパルスで乗算することができる。
乗算器1714は、このような乗算の結果に基づいて乗算信号1715を生成する。ある実施形態では、例えば、乗算信号1715は、受信PCRパルスの符号ビットが複製PCRパルスの符号ビットと一致する場合、予め定められた量の正電荷を伝えてもよい。他の実施形態では、例えば、乗算信号1715は、受信PCRパルスの符号ビットが複製PCRパルスの符号ビットと一致しない場合、予め定められた量の負電荷を伝えてもよい。
積分器1716は、乗算器1714と接続されており、乗算信号1715によって運ばれた電荷を受信、蓄積、及び累積できる。各検出周期の終わりに近づくと、積分器1716は、累積された電荷の総量に基づいてアナログ相関信号1717を生成する。アナログ相関信号1717は、検出制御器1730で処理されて、対象物の配置を判定する。
図18は、整合フィルタ1880を用いたレーダセンサ1800の別の実施形態を示す。概して、レーダセンサ1800の構成要素は、図9のレーダセンサ900のレーダ構成要素と同様に動作する(例えば、アンテナ1854はアンテナ954に対応し同様に動作し、第2積分器1864は入力第2積分器964に対応し同様に動作する等)。レーダセンサ1800は、PCR信号生成器1832と、アナログ相関器モジュール1810と、検出制御器1830と、整合フィルタ1880と、RFフロントエンドモジュール1840と、アンテナモジュール1850とを備える。アナログ相関器モジュール1810は、1つ以上の対象物の位置を検出する際、検出制御器1830に配置された又は検出制御器1830と通信する対象物検出器1886と、通信し協働する。
検出周期の初期で、検出制御器1830は、PCR信号生成器1832に起動PCR信号1833を生成させる、検出周期信号1835を生成する。起動PCR信号1833は、PCRパルス幅Tを持つPCRパルスと、圧縮符号列とを有する。圧縮符号列は、複数のビットを有し、各ビットは単位サブパルス幅Tを有するサブパルスで表すことができる。一般に、PCRパルス幅Tは、単位サブパルス幅Tの倍数であり、N*Tと表すことができる。ここで、NはPCRパルスによって表されるビット数である。
起動PCR信号1833は、伝送路と複製路とに供給される。伝送路に沿って、起動PCR信号1833は、位相偏移変調(PSK)、二相位相変調(BPSK)、周波数偏移変調(FSK)、及び/又は振幅偏移変調(ASK)等の1つ以上の周波数変調方式で、RF変調器1842によって周波数変調される。RF変調器1842は、RF復調器1844も含むRFフロントエンドモジュール1840の一部であってもよい。
ある実施形態では、RF変調器1842は、ローカル信号生成器1871と、変調ミキサ(アップコンバータ)1873と、送信増幅器1875とを備えている。ローカル信号生成器1871は、ローカル信号1872を生成するために用いられる。変調ミキサ1873は、起動PCR信号1833とローカル信号1872とを、1つ以上の変調方式によって合成する。この合成の結果、変調ミキサ1873は、ベースバンド信号である起動PCR信号1833を、アウトバウンドRF変調信号1843に変換する。送信増幅器1875は、アウトバウンドRF変調信号1843を送信するための前処理をする。特に、送信増幅器1875は、アウトバウンドRF変調信号1843が送信アンテナ1852によって送信される前に、アウトバウンドRF変調信号1843の振幅を増幅する。
送信PCR信号(すなわち、送信アンテナ1852によって送信されるアウトバウンドRF変調信号1843)は、1つ以上の対象物によって反射されることになる。この反射の結果として、1つ以上の反射PCR信号が戻されて、最終的に受信アンテナ1854で受信される。RF復調器1844は、反射PCR信号を復調して、1つ以上の反射PCRパルスを抽出する。RF復調器1844は、受信増幅器1877と、復調フィルタ(ダウンコンバータ)1879とを備え、RF変調器1842とローカル信号生成器1871を共有してもよい。
受信増幅器1877は、反射PCR信号を復調する前に増幅する。ダウンコンバータ1879は、搬送周波数を反射PCR信号から除去する際にローカル信号1872を適用する。元の変調方式とは逆に、ダウンコンバータ1879が反射PCR信号のベースバンドメッセージを復号する。このダウンコンバートされたベースバンド信号は、複数の受信PCRパルスを含んでいてもよく、各受信PCRパルスは検出可能な対象物と関連づけられる。このダウンコンバートの結果として、復調フィルタ1879は、反射PCR信号を受信PCR信号1845に変換する。受信PCR信号1845は、複数の受信PCRパルスを含む。
複製路に沿って、起動PCR信号1833がアナログ相関器モジュール1810によって複製され相関される。アナログ相関器モジュール1810は、可変利得増幅器(VGA)1811と、複製生成器1812と、乗算器1814と、アナログ−デジタル増幅器(ADC)1818と、タイミングモジュール1820とを備える。タイミングモジュール1820は、タイミングモジュール120と同様に機能するが、タイミングモジュール1820は、時間遅延Tを判定してそれによって可変タイミング遅延回路を調整するために、整合フィルタ1880から入力信号1881を更に受信する点が異なる。ある局面では、入力信号1881が、タイミングモジュール1820によって処理されて、アナログ−デジタル変換器1818のサンプリングのタイミングを決定してもよい。更に、タイミングモジュール1820は、起動PCRパルスの複製レートとADC1818のサンプリングレートとを制御するために用いられてもよい。更に詳細には、タイミングモジュール1820は、サンプリングクロック生成器1822と、第1可変時間遅延素子(VTDC)1824と、第2可変時間遅延素子(VTDC)1828と、タイミング制御器1826とを備える。サンプリングクロック生成器1822は、サンプリング制御信号1839を受信するために検出制御器1830に接続される。サンプリング制御信号1839は、起動PCRパルスが複製されるレートを調整するのに用いられる、PCRパルス幅 に関連する情報に埋め込まれている。これに対して、サンプリングクロック生成器1822は、サンプリング制御信号1839に埋め込まれた情報に基づいてサンプリング信号1823を生成する。
アナログ相関器を有するが整合フィルタを使用しないレーダシステム(例えば、レーダシステム900)と比較すると、整合フィルタ1880は、レーダシステム1800が複製PCRパルスを実質的に検索することを省いて、Tを検索及び/又は計算することを可能にする。その結果、アナログ相関器回路は、相関の最大値をCTotal秒(CTotal=M×N)からM秒に減少させることができる。
複製生成器1812は、サンプリング信号1823を受信するためにサンプリングクロック生成器1822に接続されている。サンプリング信号1823のサンプリングレートに駆動されて、複製生成器1812は、テンプレート信号1813を生成する。テンプレート信号1813は、起動PCR信号1833が生成されている時に起動PCR信号1833の起動PCRパルスを複製する。これにより、テンプレート信号1813の第1複製PCRパルスは、起動PCR信号1833の起動PCRパルスと同期される。テンプレート信号1813中の次の複製PCRパルスは、起動PCRパルスよりPCRパルス幅Tの倍数分だけ遅れる。例えば、第2複製PCRパルスは、起動PCRパルスより1PCRパルス幅Tだけ遅れており、第3複製PCRパルスは、起動PCRパルスより2PCRパルス幅Tだけ遅れている。
テンプレート信号1813は、第1VTDC1824によって時間シフトされる。第1VTDC1824は、遅延調整信号1827によって選択的に作動される種々の時間遅延素子を備える。タイミング制御器1826は、検出周期信号1835の数をカウントするレジスタを備える。レジスタは、各パルス反復期間PRIの終わりにリセットされることになる。レジスタに記憶された値に基づき、タイミング制御器1826は、終了した検出周期の数を判定する。タイミング制御器1826は、終了した検出周期の数と整合フィルタ1880の入力とに基づいて遅延調整信号1827を生成する。
第2VTDC1828は、サンプリングクロック生成器1822に接続されて、サンプリング信号1823を時間シフトするために用いられる。第2VTDC1828は、遅延調整信号1827によって選択的に作動される種々の時間遅延素子を備える。従って、タイミング制御器1826は、第1VTDC1824の制御と同様の態様で第2VTDC1828を制御できる。時間遅延されたサンプリング信号1823に駆動されて、ADC1818は、テンプレート信号1813の複製レートと実質的に同期するレートで積分器モジュール1860の出力をサンプリング及び/又はデジタル化する。
積分器モジュール1860は、1つ以上のアナログ相関信号を生成するのに、交互方式(交互構成とも呼ばれる)を採用してもよい。本実施形態では、積分器モジュール1860は、第1積分器1863及び第2積分器1864などの、個別の積分器からなる積分器群を備えている。第1積分器1863と第2積分器1864の各々は、キャパシタ等の電荷蓄積素子と、切り替え可能な放電路とを備える。これらのキャパシタは、乗算器1814から出力される電流によって充電及び放電される。交互方式では、第1積分器1863は、第1セットの複製PCRパルスの間は第1アナログ相関信号1865を生成する役割を担い、第2積分器1864は、第2セットの複製PCRパルスの間は第2アナログ相関信号1866を生成する役割を担う。
第1セットの複製PCRパルスが第2セットの複製PCRパルスの間に入れられて交互パターンが形成される場合、第1積分器1863及び第2積分器1864は、交互の順序で充放電される。積分器モジュール1810は、入力スイッチ1861と出力スイッチ1862とを備え、交互の順序で作動する。入力スイッチ1861は、サンプリング信号1823に制御される。サンプリング信号1823のサンプリングレートに基づいて、入力スイッチ1861は、第1積分器1863と第2積分器1864とを選択的に乗算器1814に接続する。サンプリング信号1823のサンプリングレートは複製レートと実質的に同期されるので、入力スイッチ1861と、第1積分器1863及び第2積分器1864との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器1863と第2積分器1864は、連続した複製PCRパルスが受信PCR信号1845で乗算されている時、又はVGA1811が配置されている場合は連続した複製PCRパルスが増幅PCR信号1816で乗算されている時、乗算信号1815を乗算器1814から交互に受信する。
同様に、出力スイッチ1862は、サンプリング信号1823によって制御される。サンプリング信号1823のサンプリングレートに基づいて、出力スイッチ1862は、第1積分器1863と第2積分器1864とを選択的にADC1818に接続する。サンプリング信号1823のサンプリングレートは複製レートと実質的に同期されるので、出力スイッチ1862と、第1積分器1863及び第2積分器1864との接続及び分断もまた、複製レートと同期される。これにより、第1積分器1863と第2積分器1864は、連続したサンプリングパルスがADC1818に送信される時、第1アナログ相関信号1865と第2アナログ相関信号1866とをADC1818に交互に供給する。
ADC1818は、同じ交互の順序で第1アナログ相関信号1865と第2アナログ相関信号1866とをサンプリング及び/又はデジタル化する。この結果、ADC1818は、第1及び第2アナログ相関信号1865及び1866の両方の自己相関量を含むデジタル信号1819を生成する。デジタル信号1819は、検出制御器1830に送信される。デジタル信号1819は、検出制御器1830に送信される前に任意に処理利得段1831で更に処理されてもよい。
図19Aは、レーダセンサ1900の他の実施形態を示す。明瞭にするため、レーダセンサのある局面(例えば、RFフロントエンド、アンテナ等)を省略している。しかし、当業者なら、これらの構成要素が相応に用いられる(例えば、図17のレーダセンサ1700又は図18のレーダセンサ1800等のレーダセンサの他の実施形態で述べたように)ことは理解するであろう。図示されるように、レーダセンサ1900は、本明細書の多数の実施形態で述べたような起動PCR信号を生成する検出制御器1987を備えていてもよい。信号は送信され(受信される反射PCRパルス1945へと至る)、かつ個別に複製される(結果、複製生成器1912によって生成される複製PCRパルス1913となる)。乗算器1914、積分器1963、ADC1918及び処理利得段1931の特定の動作は、レーダセンサ1800と同様である。しかし、図19Aは、遅延ロックループ1998がどのようにレーダセンサ1900で構成されるかを示している。ループ1998は、可変時間遅延回路(VTDC)1924と、位相検出器又は比較器1983等の検出制御器1987のある特定の構成要素と、DLL積分器1984と、時間遅延制御器1985とを含む。一般に、ループ1998は、整合フィルタ1980から出力があるときは閉じることになる。整合フィルタ1980が受信PCRパルスのマッチングされた立ち上がりエッジを示す出力信号を送信すると、処理が始まる。出力信号は任意に処理利得段に供給されて信号対雑音比を高めてもよい。あるいは又は更に、Tと立ち上がりパルス長との間の差を信号のタイミングに加算する固定時間遅延機構1982を用いてもよい。整合フィルタ1980からの処理済みの出力信号は、出力信号の位相とVTDC1924からの入力信号の位相とを比較する位相検出器に最終的に入力される。位相検出器1983は、この比較に基づいて制御信号を出力する(例えば、整合フィルタ1980の出力信号が遅延するときはVTDC1924の遅延量を大きくし、VTDC1924の出力信号が遅延するときはVTDC1924の遅延量を小さくする)。位相検出器1983が、位相が同じであると判定すると、信号を時間遅延制御器1985に入力してVTDC1924を調整するループを開き、閾値による判定により対象物の存在を対象物検出器1986で確認する。あるいは及び/又は更に、DLL積分器1984を位相検出器1983と時間遅延制御器1985との間に配置してループ1998の特性を安定化させてもよい(例えば、ループ1998の発振を抑止するためなどに)。
図19Bは、どのように制御ループ1999(段階的な検索処理に適応できる)がループ1998(検出の高速化のために省略可能な配置処理を整合フィルタ1980が実行するのに用いられる)と併用されるかを示している。ある実施形態では、ループ1998と1999の両方を用いてもよい。例えば、対象物の位置が急な変化でない場合、初期の検出処理でループ1999を用いて各タイミングを確認してもよく、初期の検索の結果を参考にしながら、対象物の継続的な検索及び追跡にループ1998を用いてもよい。
図20は、レーダセンサ2000の他の実施形態を示す。明瞭にするため、レーダセンサのある局面(例えば、RFフロントエンド、アンテナ等)を省略している。しかし、当業者なら、これらの構成要素が相応に用いられることは理解するであろう。図示されるように、レーダセンサ2000は、本明細書の多数の実施形態で述べたような起動PCR信号を生成する検出制御器2087を備えていてもよい。信号は送信され(受信される反射PCRパルス2045へと至る)、かつ個別に複製される(結果、複製生成器2012によって生成される複製PCRパルス2013となる)。乗算器2014、積分器2063、ADC2018、及び処理利得段2031の特定の動作は、レーダセンサ1800と同様である。しかし、図20は、時間遅延制御器2085がどのように対象物検出処理をある特定のタイミングで省いてレーダセンサ2000の効力を更に高めるように動作するかを示している。例えば、整合フィルタ2080が整合パターンを示す信号を出力すると、この信号がアナログ信号からデジタル信号に2089で変換される前に更に固定遅延を付加する固定時間遅延機構2088に入力される。デジタル信号が、信号の立ち上がりパターンの出力を検出する立ち上がりパターン検出器2081に送信される前に、(信号対雑音比を高めるパルスの積分を経て)任意に処理されてもよい。立ち上がりパターン検出器2081の出力が低い場合、レーダセンサ2000はこのタイミングで対象物検出処理を省いてVTDC2024を増分させるよう判定してもよい。逆に、立ち上がりパターン検出器2081の出力と対象物検出器2086の出力とがマッチングする場合、時間遅延制御器2085は信号を出力して、処理利得段2031が特定のタイミングで継続されるべきであると示す。とりわけ、(多数のパルスの送信及び受信を含む)処理利得ステージ2031のパルスの積分(平均化)には非常に時間がかかるものである。このように処理利得段2031による不必要な処理を回避できるか、又はこのように省くことができる。
図21は、レーダセンサ2100の他の実施形態を示す。明瞭にするため、レーダセンサのある局面(例えば、RFフロントエンド、アンテナ等)を省略している。しかし、当業者なら、これらの構成要素が相応に用いられることは理解するであろう。本実施形態では、I/Q直交符号化PCRパルスを用いて、誤った検出を減らす。上述のように、整合フィルタ(例えば、図18及び19それぞれの整合フィルタ1880及び1980)は短い立ち上がりパターンを検索する。短い立ち上がりパターンは実際には回路を縮小するためにはたいへん好ましいが、レーダセンサ2100の構成に比べるとエラーを増やす可能性がある。図示されるように、受信(反射)PCRパルスは、I信号2116とQ信号2117とに分けられて整合フィルタ2180と2181とにそれぞれ入力される。整合フィルタ2180と2181との両方が、マッチングが実質的に同じ時間に確認されたことを出力すると、タイミング制御器2187の対象物検出器2186は、検出が誤りではないであろうと判定する。しかし、フィルタ2180及び2181の一方だけが、マッチングが確認されたと出力するときは、タイミング制御器2187の対象物検出器2186が、検出が誤っている可能性があると判定できる。検出が誤りではなさそうであるときのみ、タイミング制御器2187は、時間遅延2190、2192、2191、及び2193を調整するための適切な時間遅延を計算する。従って、レーダセンサの他の構成(例えば、乗算器2114、2118、積分器モジュール2160と2170、ADC2169、及び2179)は、本明細書の他の実施形態について述べた方法で作動する。
本発明の実施形態を例示的に開示してきた。従って、全体を通して用いられた専門用語は、限定的に理解されるべきではない。当業者はこの教示に若干の改変を加えることがあるとしても、この明細書中で正当に述べられた特許の範囲内にあると意図される事項は、この明細書中で述べられた技術に対する提案の範囲に正当に当てはまるすべての実施形態であり、この範囲は、添付の請求項とその均等物との観点から以外では、制限されるものではないことが理解されるべきである。
本発明の範囲と精神を逸脱することなく、上述の好ましい実施形態の種々の適用と改変とが可能であることは、当業者なら理解できるであろう。そのため、補正請求項の範囲内で、本明細書中で詳細に述べた以外で本発明が実行されてもよいことが理解されるであろう。
本発明は、種々の改良されたアナログ相関器を提供できる。これによって、改良されたアナログ相関器は、種々の改良されたレーダセンサを可能とする。改良されたアナログ相関器は、種々の送信パルス複製方式と種々の並列の積分器構造とを組み合わせて、従来のアナログ相関器の検出速度を改善することができる。
100 レーダセンサ
110 アナログ相関器
120 タイミングモジュール
130 検出制御器
140 無線周波数フロントエンド
150 アンテナ

Claims (2)

  1. レーダシステムであって、
    デジタル変調を施したパルス圧縮レーダ(PCR)パルスを有するPCR信号を生成かつ送信するパルス生成器と、
    対象物に反射されたバージョンの前記PCR信号を受信する受信器モジュールと、
    前記受信器モジュールに接続され、前記PCR信号の反射されたバージョンの一部のマッチングを判定し、それに応答して出力信号を生成する整合フィルタと、
    前記整合フィルタの前記出力信号に基づいて時間遅延を決定する制御器と、
    前記制御器で決定された前記時間遅延を持つ複数の連なった複製PCRパルスを有するテンプレート信号を生成する複製生成器と、
    前記複製生成器および前記受信器モジュールに接続されると共に前記整合フィルタと並列に設けられ、前記受信PCR信号を前記テンプレート信号の前記複数の複製PCRパルスで乗算する乗算器と、
    前記乗算器に接続され、前記受信PCR信号と前記テンプレート信号の前記複数の複製PCRパルスの1つとの乗算に基づいた大きさをそれぞれ有する複数のアナログ相関信号を生成する積分器モジュールと、
    前記複数のアナログ相関信号のそれぞれのサンプリングされた大きさに基づいて前記対象物の位置を検出する対象物検出器とを備えた、レーダシステムであって、
    前記複製生成器、前記乗算器、及び前記積分器モジュールは、アナログ相関器を構成する、
    前記乗算器は、前記受信PCR信号と前記複数の複製PCRパルスの1つとの相関をそれぞれ表す複数の相関電荷を生成する、
    前記積分器モジュールは、
    前記複数の相関電荷の第1相関電荷を前記乗算器から受信すると、前記複数のアナログ相関信号の第1アナログ相関信号を生成する第1積分器と、
    前記複数の相関電荷の第2相関電荷を前記乗算器から受信すると、前記複数のアナログ相関信号の第2アナログ相関信号を生成する第2積分器と、
    前記複数の複製PCRパルス中の1つのパルス幅の間、前記第1積分器及び前記第2積分器の1つだけを前記乗算器に接続するスイッチとを含む、レーダシステム。
  2. レーダシステムであって、
    デジタル変調を施したパルス圧縮レーダ(PCR)パルスを受信して得られる受信パルス圧縮レーダ(PCR)信号の一部のマッチングを判定し、それに応答して出力信号を生成する整合フィルタと、
    前記整合フィルタの前記出力信号に基づいて時間遅延を決定する制御器と、
    前記整合フィルタと並列に設けられ、以下の処理を行うアナログ相関器と、
    前記制御器で決定された調整可能な時間遅延を持つ複数の連なった複製PCRパルスを有するテンプレート信号を生成し、
    乗算器を用いて、前記受信PCR信号を前記テンプレート信号の前記複数の複製PCRパルスで乗算し、
    前記受信PCR信号と前記テンプレート信号の前記複数の複製PCRパルスの1つとの乗算に基づいた大きさをそれぞれ有する複数のアナログ相関信号を生成する、
    前記複数のアナログ相関信号のそれぞれの大きさに基づいて対象物の位置を検出する対象物検出器とを備え、
    前記アナログ相関器は、
    第1相関電荷を受信すると、前記複数のアナログ相関信号の第1アナログ相関信号を生成する第1積分器と、
    第2相関電荷を受信すると、前記複数のアナログ相関信号の第2アナログ相関信号を生成する第2積分器と、
    前記複数の複製PCRパルス中の1つのパルス幅の間、前記第1積分器及び前記第2積分器の1つだけを前記乗算器に接続するスイッチとを含む、レーダシステム。
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