JP5937474B2 - 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法 - Google Patents

原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5937474B2
JP5937474B2 JP2012216047A JP2012216047A JP5937474B2 JP 5937474 B2 JP5937474 B2 JP 5937474B2 JP 2012216047 A JP2012216047 A JP 2012216047A JP 2012216047 A JP2012216047 A JP 2012216047A JP 5937474 B2 JP5937474 B2 JP 5937474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nuclear fuel
fuel material
radiation shielding
opening
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012216047A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014070946A (ja
Inventor
廉 守中
廉 守中
良知 高橋
良知 高橋
幸治 石澤
幸治 石澤
藤間 正博
正博 藤間
岡田 聡
岡田  聡
服部 誠
誠 服部
靖浩 宇佐美
靖浩 宇佐美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Hitachi Power Solutions Co Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Hitachi Power Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd, Hitachi Power Solutions Co Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2012216047A priority Critical patent/JP5937474B2/ja
Publication of JP2014070946A publication Critical patent/JP2014070946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5937474B2 publication Critical patent/JP5937474B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

本発明は、原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法に係り、特に、炉心の溶融により原子炉格納容器内で原子炉圧力容器外に落下した核燃料物質を取り出すのに好適な原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方に関する。
沸騰水型原子力プラントでは、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が、原子炉の炉心に装荷されている。炉心内に装荷されてから所定の運転サイクル数での原子炉の運転を経験した燃料集合体は、使用済燃料集合体として原子炉内から原子炉外に搬出されている。
沸騰水型原子力プラントにおける使用済燃料集合体の原子炉からの搬出方法の一例が、特開平8−262182号公報に記載されている。使用済燃料集合体は、原子炉建屋内の運転床に移動可能に設置された燃料交換機を用いて原子炉内から取り出され、原子炉建屋内に形成された燃料貯蔵プールに搬送される。
特開平8−262182号公報
特開平8−262182号公報に記載された使用済燃料集合体の原子炉内からの搬送方法は、沸騰水型原子力プラントの原子炉内の核燃料物質が、健全な燃料集合体内に存在している場合において炉心から使用済燃料集合体を搬出する方法である。しかしながら、万が一、スリーマイル原子力発電所の原子力プラントのように、原子炉内の炉心に装荷している燃料集合体に含まれる核燃料物質が溶融する事故が発生した場合には、この溶融した核燃料物質を原子炉から搬出する作業は、困難を極め、溶融して固まった核燃料物質(燃料デブリ)の搬出に長時間を要する。
特に、原子炉建屋内の運転床上から燃料デブリを切削して切削された燃料デブリを取り出す場合には、燃料デブリから放出される放射線を遮へいするために、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器内に冷却水を充填し、原子炉格納容器内を冷却水で冠水させることが考えられる。このような冠水を行う場合には、原子炉格納容器に万が一漏えい箇所が存在すると、その冠水を実施することができなくなる。このため、原子炉格納容器を対象に漏えい箇所の有無を検査により確認し、万が一、原子炉格納容器に漏えい箇所が存在する場合にはその漏えい箇所を封鎖する必要がある。原子炉格納容器に存在する漏えい箇所を封鎖した後に、原子炉格納容器内を冷却水で冠水させる作業を実施することができる。しかしながら、原子炉格納容器を対象に漏えい箇所の有無を確認する検査を行う場合にも、長時間を要することになる。
本発明の目的は、原子炉圧力容器支持部材内の内部空間に落下した溶融核燃料物質を短時間に取り出すことができる原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、原子炉建屋内に設置されて原子炉建屋の一部である生体遮へい体で取り囲まれた原子炉格納容器、及び原子炉格納容器内に設置された筒状の原子炉圧力容器支持部材によって支持され、原子炉格納容器によって取り囲まれる原子炉圧力容器を有する原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法であって、
原子炉建屋の側壁に第1開口部を形成し、
原子炉圧力容器支持部材で取り囲まれた内部空間に落下した溶融核燃料物質の、破砕及び切削のいずれかに用いられるアクセス装置を、第1開口部を通して生体遮へい体の外部で原子炉建屋内に移動させ、
アクセス装置の移動後に、アクセス装置に設けられた破砕手段及び切削手段のいずれかを、生体遮へい体及び原子炉格納容器を貫通する貫通通路、及び原子炉圧力容器支持部材に形成された第2開口部を通して、内部空間内に挿入し、
内部空間内に挿入された破砕手段を用いた、溶融核燃料物質の破砕、及び内部空間内に挿入された切削手段を用いた、溶融核燃料物質の切削のいずれかを行い、
溶融核燃料物質の破砕片及び溶融核燃料物質の切削片のいずれかを、第2開口部、貫通通路及び第1開口部を通して原子炉建屋の外部に取り出すことにある。
原子炉建屋の側壁に第1開口部を形成し、内部空間に落下した溶融核燃料物質の、破砕及び切削のいずれかに用いられるアクセス装置を、第1開口部を通して生体遮へい体の外部で原子炉建屋内に移動させ、このアクセス装置の移動後に、アクセス装置に設けられた破砕手段及び切削手段のいずれかを、既存の貫通通路及び第2開口部を通して内部空間内に挿入し、破砕手段を用いた内部空間内の溶融核燃料物質の破砕、及び切削手段を用いた内部空間内の溶融核燃料物質の切削のいずれかを行い、溶融核燃料物質の破砕片及び溶融核燃料物質の切削片のいずれかを、第2開口部、貫通通路及び第1開口部を通して前記原子炉建屋の外部に取り出すので、原子炉圧力容器が水没するまで原子炉格納容器内を冠水する必要がなくなり、原子炉格納容器の漏えい箇所を確認する検査、及び原子炉格納容器の漏えい箇所を封鎖する作業を行う必要がなくなる。このため、原子炉圧力容器の下方に存在する、原子炉圧力容器支持部材で取り囲まれた内部空間に落下した溶融核燃料物質を原子炉建屋の外部に取り出すのに要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、原子炉圧力容器支持部材内の内部空間に落下した溶融核燃料物質を、原子炉建屋外に短時間に取り出すことができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法が適用される沸騰水型原子力プラントの縦断面図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、放射性廃棄物処理建屋内での第1放射線遮へい室の形成、及びこの第1放射線遮へい室内への孔明け装置の搬入の各工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、原子炉建屋の側壁に開口部を形成する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、原子炉建屋内に存在する干渉物を撤去する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、撤去した干渉物を第1放射線遮へい室外に搬出する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、第1放射線遮へい室に連通する第2放射線遮へい室を原子炉建屋内に形成する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、第2放射線遮へい室内に多関節アクセス装置を搬入する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、第2放射線遮へい室に配置された多関節アクセス装置を用いて原子炉格納容器の底部に存在する燃料デブリを観察する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、原子炉格納容器の底部に存在する燃料デブリを破砕する工程を示す説明図である。 図10に示す燃料デブリの破砕されている領域の拡大図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、多関節アクセス装置の多関節マニピュレータ先端部の破砕装置をハンドリング装置に交換する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、原子炉格納容器底部の破砕された燃料デブリ片を把持する工程を示す説明図である。 図13に示す破砕された燃料デブリ片を把持する状態を示す拡大図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、破砕された燃料デブリ片を原子炉建屋内の第2放射線遮へい室内まで移送する工程を示す説明図である。 実施例1の核燃料物質取り出し方法に含まれる、破砕された燃料デブリ片を原子炉建屋内の第2放射線遮へい室内で収納容器に収納する工程を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例2の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例5の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を示す説明図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である、沸騰水型原子力プラントに適用した実施例1の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、図1から図16を用いて説明する。
まず、本実施例の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法が適用される沸騰水型原子力プラントの概略構造を、図1を用いて説明する。沸騰水型原子力プラントは、原子炉及び原子炉格納容器(以下、PCVという)9を備えている。PCV9は、原子炉建屋1内に設置されて、上端部に上蓋9Aが取り付けられて密封されている。PCV9は、内部に形成されたドライウェル10、及び冷却水25が充填された圧力抑制プールが内部に形成された環状の圧力抑制室11を有する。ドライウェル10に連絡されるベント通路の一端が、圧力抑制室11内の圧力抑制プールの冷却水25中に浸漬されている。圧力抑制室11は、原子炉建屋1内に形成された環状のトーラス室12内に配置される。
原子炉は、上蓋3Aが取り付けられて構成される原子炉圧力容器(以下、RPVという)3、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が装荷された炉心4、気水分離器(図示せず)及び蒸気乾燥器(図示せず)等を備えている。炉心4、気水分離器及び蒸気乾燥器はRPV3内に配置される。炉心4内に装荷された各燃料集合体は、下端部が炉心支持板72によって支持され、上端部が上部格子板73によって保持される。気水分離器は上部格子板73よりも上方に配置され、蒸気乾燥器が気水分離器の上方に配置される。
複数の制御棒案内管74が炉心支持板72の下方に配置されている。炉心4内の燃料集合体間に出し入れされて原子炉出力を制御する制御棒(図示せず)が、各制御棒案内管74内に配置されている。複数の制御棒駆動機構ハウジング75が、RPV3の下鏡に取り付けられている。制御棒駆動機構(図示せず)が、それぞれの制御棒駆動機構ハウジング75内に設置され、制御棒案内管74内の制御棒と連結されている。
RPV3は、PCV9内の底部に設けられたコンクリートマット22上に設けられた筒状のペデスタル5上に据え付けられている。筒状のγ線遮蔽体8が、ペデスタル5の上端に設置され、RPV3を取り囲んでいる。ペデスタル開口6が、ペデスタル5に形成されており、PCV9内のドライウェル10とペデスタル5内に形成された内部空間7を連通している。複数の制御棒駆動機構ハウジング75が、RPV3の下鏡から内部空間7に向かって伸びている。
原子炉建屋1の一部であるコンクリート製の筒状の生体遮へい体2が、PCV9の周囲を取り囲んでいる。沸騰水型原子力プラントの運転が停止された後に実施される保守点検時に作業員がPCV9内に入れるように、エアロックドアを設けたアクセス通路58が設けられており、このアクセス通路58は生体遮へい体2及びPCV9を貫通している(図2参照)。アクセス通路58以外に、図2に示すように、機器ハッチ59及び制御棒駆動機構ハッチ15が生体遮へい体2及びPCV9を貫通して設けられている。制御棒駆動機構ハッチ15は、原子炉建屋1の、放射性廃棄物処理建屋18に面する側壁20に向かって伸びている。アクセス通路58はエアロックドアを開くことによって、及び機器ハッチ59及び制御棒駆動機構ハッチ15は各ハッチを開くことによって、原子炉建屋1内でPCV9の外側の領域16とPCV9内のドライウェルが連絡される。沸騰水型原子力プラントの運転時では、エアロックドア及びそれらのハッチは閉じられている。開閉される大物搬入口57が、原子炉建屋1の、側壁20と直交する他の側壁(図17に示す側壁20A)に設けられている。
運転床13が、原子炉建屋1内でPCV9の上方に形成される。燃料貯蔵プール14が運転床13に囲まれて形成されており、冷却水が燃料貯蔵プール14内に充填されている。炉心4から取り出された複数の使用済燃料集合体が、燃料貯蔵プール14内の冷却水中に保管されている。
原子炉建屋1は、横断面が正方形をしており、四つの側壁を有している。放射性廃棄物処理建屋18が、原子炉建屋1に隣接して配置され、原子炉建屋1の一つの側壁20と平行に伸びている。タービン建屋56が、放射性廃棄物処理建屋18と隣接する側壁20と直交している、原子炉建屋1の他の側壁に隣接して配置される。
このような沸騰水型原子力プラントにおいて、原子炉がスクラムされて原子炉出力が低下した状態において、一時的に、沸騰水型原子力プラントの電流を供給する全部の電源が消失して非常用炉心冷却系が作動しなかった状態が生じたことを想定する。全部の電源が消失して非常用炉心冷却系のポンプ等が作動しなくなり、炉心4内の各燃料集合体内の冷却が損なわれた場合には、燃料集合体に含まれる核燃料物質が溶融し、溶融した核燃料物質がRPV3の底部に落下して更にPCV9の底部であるコンクリートマット22上に落下する可能性がある。
万が一、このような溶融核燃料物質のコンクリートマット22上への落下が生じた場合には、この溶融核燃料物質のPCV9外への取り出し、及び溶融核燃料物質の落下が生じた沸騰水型原子力プラントについては廃炉処理が実施される。
本実施例は、核燃料物質の溶融が生じた、例えば、沸騰水型原子力プラントにおいて、PCV9内でコンクリートマット22上に落下したその溶融核燃料物質をPCV9外へ取り出すものである。コンクリートマット22上に落下したその溶融核燃料物質は、ペデスタル5の内側に存在する。本実施例の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、以下に説明する。
まず、第1放射線遮へい室を構築する(ステップS1)。第1放射線遮へい室33を、制御棒駆動機構ハッチ15が面する原子炉建屋1の側壁20付近で放射性廃棄物処理建屋18内の領域19に形成する(図3及び図17参照)。第1放射線遮へい室33は、対向する両側壁を2枚の鉄板製の放射線遮へい体(側壁遮へい部材)61(図17参照)、天井を鉄板製の放射線遮へい体(天井遮へい部材)27及び床を鉄板製の放射線遮へい体(床遮へい部材)28で取り囲まれて形成されている。放射線遮へい体61,27及び28は板状をしている。放射性廃棄物処理建屋18内の領域19の床21の表面上に置かれた放射線遮へい体28の両側に放射線遮へい体61をそれぞれ配置し、各放射線遮へい体61の下端部を放射線遮へい体28に溶接にて接合する。放射線遮へい体27が各放射線遮へい体61の上端に配置され、放射線遮へい体27と各放射線遮へい体61の上端部が溶接にて接合される。放射線遮へい体61,27及び28のそれぞれの一端は、側壁20の、放射性廃棄物処理建屋18側の側面に接触して配置される。放射線遮へい体61,27及び28のそれぞれの一端と側壁20の間は、外側よりシール材を用いてシールされる。板状をした、鉄板製の放射線遮へい体29,31が、互いに間隔をおいて、放射線遮へい体61,27及び28で囲まれた空間内に配置され、放射線遮へい体29,31のそれぞれの周囲が、放射線遮へい体27及び28及び2枚の放射線遮へい体61の内面に溶接にて接合される。放射線遮へい体29が放射線遮へい体31よりも側壁20側に配置される。放射線遮へい体29及び31には、後述する各装置の出し入れが可能なように開口部がそれぞれ形成されている。放射線遮へい体29に形成された開口部の開閉を行う一対のドア30が左右に分かれて移動可能に放射線遮へい体29に取り付けられる。放射線遮へい体31に形成された開口部の開閉を行う一対のドア32が左右に分かれて移動可能に放射線遮へい体31に取り付けられる。ドア30及び32は放射線遮へい体である鉄板で構成される。閉じられているときに領域16から領域19に向かう放射線を遮へいするように、ドア30及び32のそれぞれの周辺部が放射線遮へい体29及び31と重なっている。さらに、閉じられた各ドア30同士の合せ目に形成されるすき間を覆うように鉄板が一方のドア30に取り付けられる。閉じられた各ドア31同士の合せ目に形成されるすき間を覆うように鉄板が一方のドア31に取り付けられる。第1放射線遮へい室33が側壁20と放射線遮へい体29の間に形成される。2枚の放射線遮へい体61及び放射線遮へい体27及び28で取り囲まれた部屋34が放射線遮へい体29と放射線遮へい体31の間に形成される。
放射性廃棄物処理建屋18は、一種の隔離室であり、第1放射線遮へい室33を取り囲んでいる。
孔開け装置を第1放射線遮へい室内に移動させる(ステップS2)。キャタピラー(図示せず)の旋回で移動する孔開け装置35が、放射性廃棄物建屋18内の領域19から第1放射線遮へい室33まで移動する(図3参照)。孔開け装置35には前面に切削具36が設けられている。孔開け装置35の移動は以下のように行われる。ドア30及び32は閉じている。カメラ(図示せず)が自走式の孔開け装置35の前面に取り付けられている。このカメラで撮影された孔開け装置35よりも前方の映像は、放射性廃棄物処理建屋18内の領域19に置かれた操作盤(図示せず)に設けられた表示装置(図示せず)に表示される。孔開け装置35は、ドア32の前まで移動して停止する。オペレータは、表示装置に表示された映像を見ており、孔開け装置35がドア32の前まで停止したとき、操作盤を操作してドア32を開ける。孔開け装置35が放射線遮へい体31に形成された開口部を通って部屋34内に入り移動を停止する。このとき、オペレータは操作盤を操作してドア32を閉じる。孔開け装置35がドア30の前まで移動して停止すると、オペレータが操作盤を操作することにより、ドア30が開く。孔開け装置35が放射線遮へい体29に形成された開口部を通って第1放射線遮へい室33内に入り、第1放射線遮へい室33内で停止される。その後、オペレータが操作盤を操作することにより、ドア30が閉じる。ドア30及び32が両方同時に開くことはない。ドア30及び32を駆動して開閉するそれぞれのモータ(図示せず)が放射線遮へい体29及び31のそれぞれの上端部に設けられる。放射線遮へい体27の下面には、各モータにそれぞれの開閉装置を介して接続される電力供給用のケーブル(図示せず)を収納した電線管(図示せず)が敷設されている。このケーブルは放射性廃棄物処理建屋18の領域19内で電源に接続されている。各開閉装置に開閉指令を伝送する信号線が上記の電線管内を通って前述した操作盤に接続される。前述したドア30,32の開閉は、オペレータが操作盤を操作し、該当する開閉装置に開閉指令を、信号線を介して送信することにより行われる。電線管は、ドア30,32の開閉に支障が生じないように各ドアの上端部の合わせ目に電線管が通る最小限の大きさの切欠き部を形成している。ドア30,32に形成された電線管が通る最小限の大きさの切欠き部は、後述するドア45及び46の上端部の合わせ目にもそれぞれ形成される。
孔開け装置35には、キャタピラーを旋回させるモータ(図示せず)が設けられ、このモータに電力を供給するバッテリ(図示)が搭載されている。バッテリーの替りに電力供給用のケーブルを孔開け装置35に接続してもよい。このようなケーブルを使用する場合には、ドア30,32が閉じられたときにこのケーブルを切断しないように、ドア30,32のそれぞれの下端部の合わせ目に、そのケーブルが通過できる最小限の切欠き部を形成するとよい。ドア30,32の下端部に形成されたケーブル通過用の最小限の大きさの切欠き部は、後述するドア45及び46の下端部の合わせ目にもそれぞれ形成される。
さらに、孔開け装置35への操作指令(例えば、上記のキャタピラー旋回用のモータの駆動指令及び停止指令、後述のステップS3における切削具36の駆動指令及び停止指令)及びカメラの映像情報は、操作盤との間で無線により通信される。このため、孔開け装置35は無線の送信器及び受信器を備えている。第1放射線遮へい室33及び部屋34のそれぞれにおいて放射線遮へい体27の下面に無線の送信器及び受信器を設けている。放射線遮へい体27に設けられた送信器及び受信器には上記の操作指令及び映像情報を伝える伝送線が接続され、この伝送線は前述の前線管内を通って操作盤に接続されている。
収納容器37は、前方にカメラを取り付けた自走式の移動台車(図示せず)に載せられ、孔開け装置35と同様にして、領域19から第1放射線遮へい室33内に搬入される。この移動台車にも無線の送信器及び受信器が設けられる。
原子炉建屋1の側壁に貫通した開口部を形成する(ステップS3)。切削具36を側壁20に対向させた状態で回転させる。切削具36の回転は、孔開け装置35に設けられたモータ(図示せず)を駆動することによって行われる。切削具36を回転させながら側壁20に押し付けることにより、コンクリート製の側壁20が切削される。オペレータが、孔開け装置35に設けられたカメラで撮影されて前述の表示装置に表示された側壁20の映像を見ることによって側壁20の切削状況を監視することができる。切削具36による側壁20の切削が進行することによって、第1放射線遮へい室33と原子炉建屋1内の領域16を連絡する開口部38が側壁20に形成される(図4参照)。側壁20が切削されている間は、ドア30,31が閉じられている。切削された側壁20のコンクリート片が、孔開け装置35に設けられたマニピュレータ(図示せず)の先端部の掴み具(図示せず)を用いて、第1放射線遮へい室33内に存在する収納容器37に収納される。所定量の切削されたコンクリート片が収納容器37内に収納されたとき、この収納容器37は、孔開け装置35が、領域19から第1放射線遮へい室33に移動したときと逆の手順で、部屋34を経て領域19まで移動される。このとき、ドア30が開いているときにはドア32が閉じられており、ドア32が開いているときにはドア30が閉じられている。所定の大きさの開口部38が側壁20に形成された後、次のステップであるステップS4が実行される。
原子炉建屋内に存在する干渉物を除去する(ステップS4)。原子炉建屋1内の領域16には、後述する第2放射線遮へい室47(図7参照)の構築に障害となる複数の干渉物26が存在する(図5参照)。このため、これらの干渉物26を除去する必要がある。第1放射線遮へい室33内に存在する孔開け装置35が、所定量のコンクリート片が収納された収納予器37が領域19まで移動したときと同様の手順で、部屋34を経て領域19まで移動される。孔開け装置35が領域19に到達した後、前面にカメラ(図示せず)を設けた干渉物除去装置39が、孔開け装置35と同様に、領域19から部屋34を経て第1放射線遮へい室33まで移動される。干渉物除去装置39には、無線の送信器及び受信器、及びキャタピラー(図示せず)が設けられており、さらに、バッテリーが搭載されている。干渉物除去装置39はキャタピラーの旋回によって移動する。干渉物除去装置39への操作指令は、第1放射線遮へい室33の天井に設けられた無線の送信器から干渉物除去装置39の受信器に伝えられる。干渉物除去装置39は、さらに、第1放射線遮へい室33から開口部38を通して原子炉建屋1内の領域16まで移動される(図5参照)。干渉物除去装置39に設けられたカメラは、干渉物除去装置39の前面を撮影し、前述の表示装置に映像を伝送する。干渉物26の映像も表示装置に表示される。オペレータは、表示装置に表示された映像を見ることによって、領域16内に存在する干渉物26を確認することができる。
干渉物除去装置39は、アームを有し、アームの先端部に切断装置40及び掴み具(図示せず)を設けている。大きな干渉物26に対しては、切断装置40を用いてその干渉物26を切断して小さくする。切断された干渉物26の切断片は、そのアームに設けられた掴み具によって把持され、収納容器37内に収納される。小さい干渉物26は、切断しないで、掴み具によって把持され、収納容器37内に収納される。干渉物除去装置39は、開口部38から制御棒駆動機構ハッチ15までの領域16に存在する干渉物26を除去する。
干渉物除去装置及び収納容器を放射性廃棄物処理建屋の領域19まで移動させる(ステップS5)。開口部38から制御棒駆動機構ハッチ15までの領域16に存在する干渉物26の除去が完全に終了した後(図6参照)、原子炉建屋1の領域16に存在する干渉物除去装置39が、開口部38を通して第1放射線遮へい室33まで移動され、さらに、孔開け装置35と同様に、第1放射線遮へい室33から領域19まで移動される。切断された干渉物26が収納されて移動台車(図示せず)に載せられた収納容器37も、同様に、第1放射線遮へい室33から領域19まで搬出される。
原子炉建屋内に第2放射線遮へい室を構築する(ステップS6)。第2放射線遮へい室47及び部屋48が、原子炉建屋1内の領域16で開口部38と制御棒駆動機構ハッチ15付近の生体遮へい体2との間に形成される(図7及び図17参照)。第2放射線遮へい室47及び部屋48は、対向する両側壁を鉄板製で板状の2枚の放射線遮へい体60(図17参照)、天井を鉄板製で板状の放射線遮へい体41及び床を鉄板製で板状の放射線遮へい体42で取り囲まれて形成されている。板状の放射線遮へい体41,42及び60のそれぞれは、放射線遮へい体29及び31に形成された開口部及び開口部38を通過できる大きさにして領域19から、ドア32及び30が同時に開かないようにドア32及び30を順番に開閉しながら第1放射線遮へい室33まで搬入する。さらに、搬入されたこれらの放射線遮へい体は、開口部38を通して原子炉建屋1内の領域16まで順次移動される。
搬入された板状の放射線遮へい体41,42及び60を領域16内で組み立てることにより、第2放射線遮へい室47及び部屋48を領域16内に形成する(図7参照)。第2放射線遮へい室47は部屋48よりも生体遮へい体2側に配置される。第2放射線遮へい室47と部屋48はドア45が設けられた放射線遮へい体43によって仕切られる。部屋48は、放射線遮へい体43とドア46が設けられた放射線遮へい体44の間に形成される。放射線遮へい体41,42及び60の組み立ては以下のようにして行われる
第2放射線遮へい室47及び部屋48を形成する放射線遮へい体41,42及び60は、最終的には、第1放射線遮へい室33を形成している放射線遮へい体27,28及び61のそれぞれの側壁20側の一端から、制御棒駆動機構ハッチ15付近における生体遮へい体2の領域16側の側面まで伸びる。放射線遮へい体41,42及び60の組み立て作業を行う作業員の放射線被ばくを低減するために、放射線遮へい体27,28及び61のそれぞれの側壁20側の一端から生体遮へい体2の領域16側の側面に向かって所定長さごとに伸びるように、放射線遮へい体29及び31に形成された開口部及び開口部38を通して搬入した放射線遮へい体41,42及び60の組み立てが行われる。さらに、領域16内で放射線遮へい体41,42及び60を組み立てる区域の周囲に別の放射線遮へい体を配置して周囲からの放射線を遮ることにより、それらの組み立てを行う作業員の被ばくをさらに低減することができる。
まず、上記した所定長さを有する放射線遮へい体(床遮へい部材)42を、第1放射線遮へい室33を形成する放射線遮へい体28の領域16側の端部から開口部38を通して領域16に向かって床面上に設置する。放射線遮へい体42の一端が第1放射線遮へい室33を形成する放射線遮へい体28の端部に溶接にて接合される。側壁となる一対の放射線遮へい体(側壁遮へい部材)60を開口部38内において放射線遮へい体42の両側にそれぞれ配置する。各放射線遮へい体60の一端が第1放射線遮へい室33を形成する各放射線遮へい体61の端部に溶接にて接合される。さらに、各放射線遮へい体60の下端部が溶接にて放射線遮へい体42に接合される。放射線遮へい体(天井遮へい部材)41が開口部38内において各放射線遮へい体60の上端に配置される。各放射線遮へい体60の一端が第1放射線遮へい室33を形成する放射線遮へい体27の端部に溶接にて接合される。そして、放射線遮へい体42と各放射線遮へい体60の上端部が溶接にて接合される。
その後においても、開口部38から制御棒駆動機構ハッチ15に向かって、上記の所定長さごとに、放射線遮へい体42の、領域16の床面上への設置、一対の放射線遮へい体60の下端部の放射線遮へい体42への溶接による接合、及び放射線遮へい体41の一対の放射線遮へい体60の上端部への溶接による接合が繰り返される。このような作業により、開口部38から制御棒駆動機構ハッチ15付近の生体遮へい体2の領域16側の側面に達する、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で囲まれた領域が形成される。この領域は第1放射線遮へい室33に連絡される。組み立てられた放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60のそれぞれの生体遮へい体2側の一端は、生体遮へい体2の領域16側の側面に接触している。組み立てられた放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60のそれぞれの一端と生体遮へい体2の間は、内側よりシール材を用いてシールされる。
さらに、分割された放射線遮へい体43が、第1放射線遮へい室33から、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で囲まれた領域内の所定の位置まで移動され、その位置で、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60の内面に溶接にて接合される。分割された放射線遮へい体43同士も溶接で接合される。接合された放射線遮へい体43に形成された開口部を開閉する、一対のドア45が左右に分かれて移動可能に放射線遮へい体43に取り付けられる。各ドア45が閉じられているときにドライウェル10から第1放射線遮へい室33に向かう放射線を遮へいするように、各ドア45の周辺部が放射線遮へい体43と重なっている。さらに、閉じられたドア45同士の合せ目に形成されるすき間を覆うように鉄板が一方のドア45に取り付けられる。放射線遮へい体43の設置により、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で囲まれた第2放射線遮へい室47が、生体遮へい体2と放射線遮へい体43の間に形成される。
分割された放射線遮へい体44が、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で囲まれた領域内において第1放射線遮へい室33と第2放射線遮へい室47の間の所定の位置まで第1放射線遮へい室33から移動され、その位置で、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60の内面に溶接にて接合される。分割された放射線遮へい体44同士も溶接で接合される。接合された放射線遮へい体44に形成された開口部を開閉する、一対のドア46が左右に分かれて移動可能に放射線遮へい体44に取り付けられる。ドア45が開いて各ドア46が閉じられているときにドライウェル10から第1放射線遮へい室33に向かう放射線を遮へいするように、各ドア46の周辺部が放射線遮へい体44と重なっている。さらに、閉じられたドア46同士の合せ目に形成されるすき間を覆うように鉄板が一方のドア46に取り付けられる。放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で囲まれた部屋48が、放射線遮へい体43と放射線遮へい体44の間に形成される。ドア45及び46は放射線遮へい体である鉄板で構成される。
放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60を原子炉建屋1内の領域16において組み立てることにより、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60に取り囲まれて、さらに、放射線遮へい体27,28及び一対の放射線遮へい体61に取り囲まれたアクセス通路76が形成される。このアクセス通路76は、第1及び第2放射線遮へい室33及び47を含んでおり、放射性廃棄物処理建屋18内の領域19から生体遮へい体2の側面まで伸びている。アクセス通路76は、放射性廃棄物処理建屋18内において放射線遮へい体27,28及び一対の放射線遮へい体61で形成された第1アクセス通路部、及び開口部38及び原子炉建屋1内で放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で形成された第2アクセス通路部を有する。
多関節アクセス装置を第2放射線遮へい室まで移動させる(ステップS7)。多関節アーム50を有する自走式の多関節アクセス装置49には、無線の送信器及び受信器(図示せず)が設けられ、電源としてのバッテリー(図示せず)が搭載されている。孔開け装置35と同様に、バッテリーの替りに電力供給用のケーブルを多関節アクセス装置49に接続してもよい。なお、前述した電線管が、第1放射線遮へい室33から第2放射線遮へい室47に向かって放射線遮へい体41の下面に敷設されている。電線管内の伝送線に接続される無線の送信器及び受信器が、第2放射線遮へい室47及び部屋48の天井である放射線遮へい体41の下面にそれぞれ設置される。
多関節アクセス装置49が、アクセス通路76内を、具体的には、放射性廃棄物建屋18内の領域19から部屋34、第1放射線遮へい室33及び部屋48を通って第2放射線遮へい室47まで移動する(図8参照)。多関節アクセス装置49の移動時におけるドア32及び30の開閉は、孔開け装置35が移動する場合と同様に、オペレータの操作盤からの操作によって行われる。多関節アクセス装置49の前面にはカメラ(図示せず)が設けられ、このカメラで撮影された前方の映像が多関節アクセス装置49の送信器から第2放射線遮へい室47内で放射線遮へい体41に設けられた受信器に伝えられ、さらに操作盤に伝えられて前述の表示装置に表示される。多関節アクセス装置49の移動状況は、この映像によって知ることができる。このカメラの機能は、後述するカメラ54で代用することもできる。第1放射線遮へい室33から第2放射線遮へい室47への多関節アクセス装置49の移動に際して、ドア46及び45が、ドア32及び30と同様に、オペレータの操作盤からの操作によって開閉される。全部のドア32,30,46及び45が一斉に開くことはなく、ドア32,30,46及び45は、領域19から第2放射線遮へい室47への多関節アクセス装置49の移動に伴って一つずつ開閉する。破砕機51及び掴み具52が多関節アクセス装置49に保持されるので、破砕機51及び掴み具52は多関節アクセス装置49の移動と共に第2放射線遮へい室47に搬入される。破砕機51及び掴み具52は、多関節アクセス装置49に設けられた別のアーム(図示せず)に取り付けられた掴み具(図示せず)に把持されて第2放射線遮へい室47内の所定の位置、例えば、放射線遮へい体41に吊り下げられる。破砕機51及び掴み具52は、放射線遮へい体60の側にある保持台上に水平方向においてもよい。収納容器53も、同様にして、領域19から第2放射線遮へい室47内に搬入される。
溶融核燃料物質を観察する(ステップS8)。カメラ54が照明装置と共に多関節アクセス装置49の多関節アーム50の先端部に設けられている。多関節アクセス装置49は多関節アーム50を伸ばす。この多関節アーム50は、第2放射線遮へい室47から、開放された制御棒駆動機構ハッチ15、PCV9内のドライウェル10、及びペデスタル開口6を通って、ベデスタル5内の内部空間7まで伸ばされる(図9参照)。多関節アーム50は多関節アクセス装置49に設けられたドラムに巻き付けられており、このドラムを回転することによって多関節アーム50が伸ばされる。このドラムの回転指令は、上記の操作盤から伝送線を介して第2放射線遮へい室47内の無線設備を用いて多関節アクセス装置49に伝えられる。多関節アーム50の先端部に設けられたカメラ54を用いて内部空間7内を観察する。この観察時には、多関節アーム50の先端部に設けられた照明装置に多関節アクセス装置49に搭載されたバッテリーから電力を供給することにより、照明装置による照明が行われる。カメラ54で撮影された内部空間7内の映像は、領域19に置かれた前述の表示装置に表示される。オペレータは、この表示装置に表示された映像を見ながら内部空間7内の状態を監視する。
カメラ54は、多関節アーム50を操作することにより、内部空間7内の、コンクリートマット22側に向けられ、コンクリートマット22側の状態を撮影する。冷却水24が内部空間7内においてコンクリートマット22の上方に溜まっており、炉心4からRPV3の下鏡を溶かして落下した溶融核燃料物質23が、内部空間7内においてコンクリートマット22の上面に存在し、この冷却水24中に浸漬している。コンクリートマット22側に向けられたカメラ54は、冷却水24に浸漬している溶融核燃料物質23を撮影する。撮影された溶融核燃料物質23の映像は表示装置に送られて表示される。オペレータは表示装置に表示された溶融核燃料物質23の映像を見て、溶融核燃料物質23がコンクリートマット22上に落下していること、コンクリートマット22上での溶融核燃料物質23の広がり具合、及び溶融核燃料物質23が冷却水で冷却されていることを知ることができる。テレビカメラ54による内部空間7内の撮影が終了した後、多関節アーム50が縮められ、多関節アーム50の先端部、すなわち、テレビカメラ54が、ペデスタル開口6、PCV9内のドライウェル10、及び制御棒駆動機構ハッチ15を通って、第2放射線遮へい室47まで移動される。
なお、図9では放射線遮へい体42の記述が省略されている。後述の図10、図12、図13、図15及び図16においても同様である。
溶融核燃料物質を破砕する(ステップS9)。第2放射線遮へい室47において、放射線遮へい体41に吊り下げられた破砕機51を、多関節アクセス装置49に設けられた前述の別のアームに取り付けられた掴み具を用いて多関節アーム50の先端部に取り付ける。先端部に破砕機51が取り付けられた多関節アーム50が、テレビカメラ54で監視されながら、再び、制御棒駆動機構ハッチ15、PCV9内のドライウェル10、及びペデスタル開口6を通って、ベデスタル5内の内部空間7まで伸ばされる(図10参照)。さらに、破砕機51は、多関節アーム50の操作により内部空間7内を下降し、コンクリートマット22上に存在する溶融核燃料物質23の表面に接触する。破砕機51は、破砕対象物に押し付けられながら破砕対象物に振動を加えることによって破砕対象物を破砕する装置である。破砕機51が振動をして溶融核燃料物質23に押し付けられ、溶融核燃料物質23に振動を加える(図11参照)。破砕機51が押し付けられて破砕機51で発生する振動が加えられた溶融核燃料物質23が、破砕されて、溶融核燃料物質23の複数の破砕片55になる。溶融核燃料物質23が或る程度の深さまで破砕された後、多関節アーム50の操作により破砕機51を持ち上げて内部空間7内で破砕機51を水平方向に移動させる。再び、多関節アーム50の操作により破砕機51を下降させ、水平方向における異なる位置で破砕機51により溶融核燃料物質23を破砕する。このようにして、内部空間7の水平方向の全域において、破砕機51により、溶融核燃料物質23を或る程度の深さまで破砕し、多くの破砕片55が生成される。
破砕機と掴み具を交換する(ステップS10)。内部空間7の水平方向の全域において溶融核燃料物質23の破砕が或る深さで終了した後、多関節アクセス装置49に設けられた前述のドラムが、多関節アーム50が伸ばされるときとは逆方向に回転され、多関節アーム50がドラムに巻き取られる。このため、破砕機51が、ペデスタル開口6、PCV9内のドライウェル10、及び制御棒駆動機構ハッチ15を通って、第2放射線遮へい室47まで移動される。第2放射線遮へい室47内において、多関節アーム50の先端部に取り付けられた破砕機51を、多関節アクセス装置49に設けられた別のアームに取り付けられた掴み具を用いて多関節アーム50の先端部から取り外し、放射線遮へい体41に吊り下げる(図12参照)。その後、多関節アクセス装置49に設けられた別のアームに取り付けられた掴み具が、放射線遮へい体41に吊り下げられた掴み具52を掴み、この掴み具52を多関節アーム50の先端部に取り付ける。このようにして、多関節アーム50の先端部の破砕機51と掴み具52の交換が終了する。
破砕された溶融核燃料物質を取り出す(ステップS11)。多関節アーム50が伸ばされ、多関節アーム50の先端部の掴み具52が、テレビカメラ54で監視されながら、制御棒駆動機構ハッチ15、PCV9内のドライウェル10、及びペデスタル開口6を通ってベデスタル5内の内部空間7まで移動する。掴み具52は、多関節アーム50の操作により内部空間7内を下降し、内部空間7内に存在する溶融核燃料物質23の破砕片55に接触する(図13参照)。掴み52が操作され、掴み具52がその破砕片55を掴む(図14参照)。掴み具52が破砕片55を掴んだ後、多関節アーム50が縮められ、掴み具52が第2放射線遮へい室47内に戻される(図15参照)。この結果、溶融核燃料物質23の破砕片55が、ペデスタル5の内側の内部空間7から第2放射線遮へい室47内に取り出される。
溶融核燃料物質の破砕片を収納容器内に収納する(ステップS12)。収納容器53には回転して開閉する蓋が設けられており、破砕片55を収納するときには、その蓋が開いている。この蓋の開閉は、例えば、多関節アクセス装置49に設けられた前述の別のアームに取り付けられた掴み具によって行われる。前述の収納容器37にも開閉する蓋が設けられる。第2放射線遮へい室47において、掴み具52が収納容器53の真上まで移動される。掴み具52が開き、掴み具52に掴まれていた破砕片55が収納容器53内に落下する。このようにして、破砕片55が収納容器53に収納される(図16参照)。
その後、ステップS11における溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しが、再び行われる。すなわち、掴み具52が先端部に取り付けられた多関節アーム50が伸ばされ、掴み具52が内部空間7に到達する。掴み具52が、前述したように、内部空間7に存在する溶融核燃料物質23の破砕片55を掴む。多関節アーム50が縮められ、破砕片55を掴んだ掴み具52が第2放射線遮へい室47内に戻される。そして、ステップS12の作業である破砕された溶融核燃料物質23の収納容器53への収納が実施される。収納容器53の真上で掴み具52が開き、掴んでいた破砕片55が落下して収納容器53に収納される。内部空間7内に存在する溶融核燃料物質23の破砕片55がなくなるまで掴み具52が第2放射線遮へい室47と内部空間7の間を往復し、ステップS11及びS12の各作業が繰り返し行われる。
破砕片を収納した収納容器を搬出する(ステップS13)。取り出した溶融核燃料物質23の破砕片55が収納容器53に所定量収納されたとき、上記の蓋が閉じられて封鎖されたこの収納容器53が第2放射線遮へい室47から放射性廃棄物処理建屋18内の領域19まで搬送される。収納容器53は自走式の移動台車(図示せず)に載せられているので、この移動台車を第2放射線遮へい室47から領域19まで移動することによって、所定量の破砕片55が収納された収納容器53を領域19まで移動することができる。少なくとも2個の収納容器53が別々の移動台車に載せられて第2放射線遮へい室47内に配置されているため、1個の収納容器53が領域19に向かって移動した後は、内部空間7から取り出された破砕片55は、第2放射線遮へい室47内に存在するもう一つの収納容器53に収納される。収納容器53が領域19に到着した後、空の収納容器53が、移動台車に載せられて第2放射線遮へい室47に搬入される。
多関節アーム50の先端部にカメラ54で撮影されて表示装置に表示された映像を見ることによって、内部空間7内において溶融核燃料物質23の破砕片55がなくなったことを確認することができる。溶融核燃料物質23の破砕片55が内部空間7内になくなったとき、掴み具52の内部空間7への移動が停止される。表示装置に表示された映像に破砕されていない溶融核燃料物質23が映っているときは、溶融核燃料物質23が、まだ、内部空間7の底部に残っていることになる。このため、内部空間7に残っている溶融核燃料物質23をPCV9外に取り出さなければならない。
第2放射線遮へい室47内に存在する多関節アクセス装置49に設けられた別のアームに取り付けられた掴み具が、多関節アーム50の先端部に取り付けられた掴み具52を掴んで多関節アーム50の先端部から取り外す。取り外された掴み具52は放射線遮へい体41に吊り下げられる。別のアームに取り付けられた掴み具が、放射線遮へい体41に吊り下げられた破砕機51を掴んで多関節アーム50の先端部に取り付ける。
その後、多関節アーム50が伸ばされて多関節アーム50の先端部に取り付けられた破砕機51が内部空間7に達する。ステップS9において、破砕機51を用いた、内部空間7内の全ての溶融核燃料物質23の破砕が行われ、ステップS10において多関節アーム50の先端部に取り付けられた破砕機51の掴み具52の交換が行われる。この掴み具52を用いて、ステップS11における破砕片55のPCV9外の第2放射線遮へい室47への取り出しが行われる。第2放射線遮へい室47に取り出された破砕片55が、ステップS11において、第2放射線遮へい室47内に存在する収納容器53に収納される。所定量の破砕片55が収納された収納容器53は、自走式の移動台車に載せられて領域19まで搬出される。空間7内の溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しにより内部空間7に落下した溶融核燃料物質23がなくなったとき、掴み具52を用いた溶融核燃料物質23の取り出しが終了する。多関節アーム50の先端部が内部空間7から第2放射線遮へい室47内まで移動され、制御棒駆動機構ハッチ15が閉鎖される。
内部空間7内の全溶融核燃料物質が取り出された後、多関節アクセス装置49が放射性廃棄物処理建屋18まで戻され、除染された後に保守点検される、または廃棄処分にされる。放射線遮へい体27,28,61,41,42及び60のそれぞれも、解体されて廃棄される。
第2放射線遮へい室47から放射性廃棄物処理建屋18の領域19に搬出された、所定量の収納された破砕片55が収納容器53を載せた移動台車は、放射性廃棄物処理建屋18内に形成されて放射線遮へい体壁で取り囲まれたキャスク置場(図示せず)まで移動される。上端部が開放された金属キャスクがそのキャスク置場に置かれている。キャスク置場内に搬入された収納容器53が、キャスク置場内に設けられた昇降装置で上方に持ち上げられて金属キャスクに向かって下向きに傾斜される。収納容器53内に収納されている核燃料物質23の破砕片55が、金属キャスク内に移される。この収納容器53内が空になったとき、収納容器53が昇降装置によりキャスク置場の床上の移動台車上に載せられる。空の収納容器53を載せた移動台車が、キャスク置場から、アクセス通路76を移動して第2放射線遮へい室47に戻される。所定量の破砕片55が収納された収納容器53が移動台車に載せられて第2放射線遮へい室47から放射性廃棄物処理建屋18内の領域19へ順次移動され、さらに、キャスク置場に移動される。
これらの収納容器53内に収納された破砕片55が、順番に、前述したように、金属キャスク内に収納される。所定量の破砕片55が金属キャスク内に収納されたとき、金属キャスクの上端部が封鎖され、金属キャスクが密封される。所定量の破砕片55が収納されて密封された金属キャスクの表面線量率は、許容線量率以下になっている。密封された金属キャスクは、トレーラに積載されて、放射性廃棄物処理建屋外で原子力発電所内に建設された乾式燃料貯蔵施設内に搬送され、乾式燃料貯蔵施設内に貯蔵される。
その後、第2放射線遮へい室47からキャスク置場に順次移動された各収納容器53内の破砕片55は、収納容器53を封鎖している蓋を開いた後、キャスク置場に存在する他の金属キャスク内に収納される。このように、内部空間7内でコンクリートマット22上に落下した全溶融核燃料物質23の破砕片55が、キャスク置場内で必要な基数の金属キャスク内に順次収納される。所定量の破砕片55を収納した各金属キャスクは乾式燃料貯蔵施設内に貯蔵される。金属キャスク内に破砕片55を収納した複数の収納容器53を収納し、複数の収納容器53を収納した金属キャスクを乾式燃料貯蔵施設に貯蔵してもよい。
カメラ54からの映像を映す表示装置は、監視するオペレータの放射線被ばくを低減するために、放射性廃棄物処理建屋内においてドア32からキャスク置場への、破砕片55を収納した収納容器53の移動通路から離れた位置に配置する。さらに、その移動通路の両側に放射線遮へい体を配置することによって放射線被ばくの危険性をさらに低減することができる。
本実施例によれば、原子炉建屋1の側壁20に開口部38を形成し、この開口部38を通して、原子炉建屋1内、具体的には、原子炉建屋1内の第2放射線遮へい室47に、多関節アクセス装置(アクセス装置)49を移動させ、多関節アクセス装置49に取り付けられた破砕機51を、生体遮へい体2及びPCV9を貫通する貫通孔(例えば、制御棒駆動機構ハッチ15)、及びペデスタル5に形成された開口部(例えば、ペデスタル開口6)を通してペデスタル5内の内部空間7まで挿入し、この破砕機51を用いて内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23を破砕することができる。また、溶融核燃料物質23の破砕片55を、内部空間7からペデスタル5に形成された開口部、制御棒駆動機構ハッチ15及び開口部38を通して原子炉建屋1外に取り出すことができる。このため、溶融核燃料物質23をRPV3の上方へ取り出す場合のようにRPV3が水没するまでPCV9内を冠水する必要がなくなり、PCV9の漏えい箇所を確認する検査、及びPCV9の漏えい箇所を封鎖する作業を行う必要がなくなる。この結果、RPV3の下方に存在する内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23を原子炉建屋1外に取り出すのに要する時間を短縮することができる。
本実施例では、溶融核燃料物質23の破砕片55を収納した収納容器53を放射性廃棄物処理建屋18内に搬送し、放射性廃棄物処理建屋18内で金属キャスクに破砕片55を収納するので、実施例2,3及び4のように、原子炉建屋1の外部に隔離室82を形成する必要がない。本実施例では、外部に対する放射性遮へい機能を有している放射性廃棄物処理建屋18を、隔離室82として利用することができる。
本実施例では、生体遮へい体2及びPCV9を貫通している既存の制御棒駆動機構ハッチ15を、破砕機51の出し入れ、及び掴み具52を用いた破砕片55の取り出しに利用しているので、それらを行うための新たな貫通孔を生体遮へい体2及びPCV9に形成する必要がない。このため、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の取り出しに要する時間をさらに短縮することができる。制御棒駆動機構ハッチ15は、制御棒駆動機構ハウジング75内に設置されている制御棒駆動機構を保守点検するときに、制御棒駆動機構ハウジング75から取り外した制御棒駆動機構をペデスタル5外に搬出するために利用される、内部空間7とドライウェル10を連絡する貫通通路である。制御棒駆動機構ハッチ15は、制御棒駆動機構が通過するとき以外は、封鎖されている。既存の機器ハッチ59は、沸騰水型原子力プラントの運転停止時において、例えば、ドライウェル10内に配置された機器等を交換する場合にこの機器を通過させる貫通通路であり、内部空間7とドライウェル10を連絡する。作業員が保守点検時において機器ハッチ59内を通る場合もある。機器及び作業員が通過しないときには、機器ハッチ59は封鎖されている。エアロックドアを有する既存のアクセス通路58も、沸騰水型原子力プラントの運転が停止された保守点検時に、作業員が通る貫通通路であり、内部空間7とドライウェル10を連絡する。アクセス通路58は作業員が通過しないときには、エアロックドアにより封鎖されている。破砕機51の出し入れまたは掴み具52を用いた破砕片55の取り出しに既存の機器ハッチ59またはアクセス通路58を利用する場合でも、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の取り出しに要する時間をさらに短縮することができる。
また、本実施例では、ペデスタル5に形成された既存のペデスタル開口6を、破砕機51の出し入れ、及び掴み具52を用いた破砕片55の取り出しに利用しているので、それらを行うための新たな貫通孔を、実施例2、3及び4における開口部71のようにペデスタル5に形成する必要がない。このため、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の取り出しに要する時間をさらに短縮することができる。
本実施例では、生体遮へい体2と原子炉建屋1の側壁20の間に、生体遮へい体2に設けられた制御棒駆動機構ハッチ15と側壁20の外部に形成された第1放射線遮へい室33を連絡する、放射線遮へい体41,42及び60で取り囲まれた通路(第2放射線遮へい室47を含む)を形成しているので、第2放射線遮へい室47内の収納容器53に収納された破砕片55から放出される放射線による、この通路の外側のドライウェル10内で作業を行っている作業員の放射線被ばくを避けることができる。また、放射線遮へい体41,42及び60で取り囲まれた通路の形成は、第2放射線遮へい室47内の収納容器53に収納された破砕片55から、万が一、放射性核種が飛散した場合でも、その通路の外側のドライウェル10にその放射性核種が飛散することを防止できる。
本実施例では、原子炉建屋1の外側に放射線遮へい体で取り囲まれた第1放射線遮へい室33を形成し、この第1放射線遮へい室33内から原子炉建屋1の側壁(例えば、側壁20)に開口部(例えば、開口部38)を形成するので、この開口部を通して、原子炉建屋1内の領域16から原子炉建屋1の外部に放出される放射線を遮へいすることができる。さらに、第1放射線遮へい室33により、領域19における汚染拡大を防止することができる。
本実施例は、干渉物除去装置39を、開口部38を通して原子炉建屋1内の領域16に移動させるので、領域16に存在する干渉物26を容易に除去することができる。干渉物26の除去は、原子炉建屋1内における、放射線遮へい体41,42及び60で取り囲まれた前述の通路の形成を容易に行うことができる。
実施例1では、破砕片55を金属キャスク内に収納し、この金属キャスクを乾式燃料貯蔵施設内に貯蔵しているが、破砕片55を収納した収納容器53を放射性廃棄物処理建屋内で密封し、密封された収納容器53を、原子力発電所の敷地に建設された燃料貯蔵建屋内の冷却水を充填したプール内に貯蔵してもよい。
実施例1では、破砕機として振動を加えて溶融核燃料物質23を破砕する破砕機51を用いているが、ハンマーで溶融核燃料物質23に衝撃を与えて落下した溶融核燃料物質23を破砕する破砕機を用いてもよい。また、破砕機の替りに落下した溶融核燃料物質23を切削する切削機を用いてもよい。内部空間7内の溶融核燃料物質23を切削する場合には、多関節アクセス装置49に設けられた吸引機(図示せず)に接続されて多関節アーム50の先端に固定されたホース(図示せず)の先端を固定し、多関節アーム50が伸ばされると共にこのホースが引き出されて内部空間7内に達する。引き出されたこのホースは、多関節アーム50の外面に設けられた環状のリング内を通過して多関節アーム50に保持される。溶融核燃料物質23の切削片は、吸引機の駆動により吸引されてホース内を通過し、第2放射線遮へい室47内に置かれた収納容器53内に収納される。収納容器53内に所定量の切削片が収納されたとき、吸引機の駆動が停止される。
本発明の他の実施例である、沸騰水型原子力プラントに適用した実施例2の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、図17を用いて説明する。
実施例1では、第2放射線遮へい室47に搬入した多関節アクセス装置49を用いて内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕、及びこの破砕によって生じた破砕片55の取り出しを行っている。これに対し、本実施例の核燃料物質取り出し方法は、2基の多関節アクセス装置49、すなわち、多関節アクセス装置49Aおよび49Bを用いて、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕、及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しを、別々の方向から行うものである。このため、本実施例では、実施例1で形成されたアクセス通路76以外に、べつのアクセス通路77も形成される。本実施例におけるアクセス通路76の形成は、実施例1におけるステップS1〜S6の各工程を実施することによって行われる。このアクセス通路76は、実施例1と同様に、第1及び第2放射線遮へい室33及び47を含んでおり、放射性廃棄物処理建屋18内の領域19から生体遮へい体2の側面まで伸びている。
アクセス通路77は、生体遮へい体2及びPCV9を貫通しているアクセス通路58に対向している、原子炉建屋18の側壁20A(側壁20とは別の側壁)の外側から、原子炉建屋1内の領域16を通って、アクセス通路58付近の生体遮へい体2の側面まで達している。
本実施例におけるアクセス通路77の形成について説明する。アクセス通路77の形成は、アクセス通路76の形成と並行して行われる。アクセス通路77の形成では、アクセス通路76の形成と同様に、ステップS1〜S6の各工程が実施され、さらに、ステップS14及びS15が追加される。ステップS14は原子炉建屋1の外部で側壁20Aに隣接して隔離室82を形成する工程であり、ステップS15は、ペデスタル5に開口部71を形成する工程である。
アクセス通路77の形成を以下に具体的に説明する。
アクセス通路77の第1放射線遮へい室が実施例1におけるステップS1と同様に構築される。アクセス通路77の第1放射線遮へい室68が、アクセス通路58の延長線上で原子炉建屋1の外側において側壁20Aに隣接して形成される。第1放射線遮へい室68は、放射線遮へい体である鉄板製の第1床遮へい部材(放射線遮へい体28に相当)、一対の鉄板製の放射線遮へい体62及び天井の鉄板製の第1天井遮へい部材(放射線遮へい体27に相当)で取り囲まれて形成される。第1床遮へい部材が側壁20Aに隣接して原子炉建屋1の外部の地面の上に配置される。第1床遮へい部材の側壁20Aと平行な方向における幅は、第1放射線遮へい室68のその方向における幅よりも大きくなっている。第1床遮へい部材と側壁20Aの間はシール部材でシールされる。一対の放射線遮へい体62がアクセス通路58の延長線上で所定の間隔で第1床遮へい部材の上に配置され、各放射線遮へい体62の下端部が第1床遮へい部材に溶接にて固定される。第1天井遮へい部材が、一対の放射線遮へい体62の上端に載せられて各放射線遮へい体62の上端部に溶接にて接合される。第1天井遮へい部材及び一対の放射線遮へい体62と側壁20Aの間が、外側からシール部材でシールされる。第1床遮へい部材と第1天井遮へい部材及び一対の放射線遮へい体62で囲まれた領域内に、仕切りとなる放射線遮へい体65及び66が配置され、これらの遮へい体の周辺部が第1床遮へい部材、第1天井遮へい部材及び一対の放射線遮へい体62にそれぞれ溶接にて接合される。放射線遮へい体65及び66にはそれぞれ開口部が形成される。放射線遮へい体66の開口部もドア32で開閉され、放射線遮へい体65の開口部もドア30で開閉される。側壁20Aと放射線遮へい体65の間に第1放射線遮へい室68が形成され、放射線遮へい体65と放射線遮へい体66の間に部屋67が形成される。
ステップS1の工程が終了した後、隔離室を形成する(ステップS14)。隔離室82は、側壁となる一対の鉄板製の放射線遮へい壁78、他の側壁となる鉄板製の放射線遮へい壁84、放射線遮へい体である鉄板でそれぞれ構成された第2天井遮へい部材(図示せず)及び前述の第1床遮へい部材で構成される。一対の放射線遮へい壁78が、対向する放射線遮へい体62の外側で向き合って第1床遮へい部材の両側に配置され、各放射性遮へい壁78の下端部が第1床遮へい部材に溶接にて固定される。各放射性遮へい壁78は、倒れないように、外側を支柱で支えられている。さらに、放射線遮へい壁84が、放射線遮へい体66の外側で、側壁20Aと平行に配置されて第1床遮へい部材の、側壁20A側の端部とは反対側の端部上に配置される。放射線遮へい壁84の下端部が第1床遮へい部材の下端部に溶接にて固定される。放射線遮へい壁84の両側端部が一対の放射性遮へい壁78のそれぞれの端部に溶接にて固定される。第2天井遮へい部材が各放射性遮へい壁78及び放射線遮へい壁84のそれぞれの上端に載せられ、第2天井遮へい部材が各放射性遮へい壁78の上端部及び放射線遮へい壁84のそれぞれに溶接にて固定される。一対の放射線遮へい壁78及び第2天井遮へい部材のそれぞれの側壁20Aに面する端部が、側壁20Aの外面に固定される。さらに、一対の放射線遮へい壁78、第2天井遮へい部材及び第1床遮へい部材の端部と側壁20Aの間がシール部材でシールされる。
放射線遮へい体である鉄板製の第2床遮へい部材(図示せず)が、第1床遮へい部材の、側壁20A側の端部とは反対側の端部に隣接して地面の上に配置される。第2床遮へい部材の端部と、この端部と対向する第1床遮へい部材の端部が溶接で接合される。鉄板製の一対の放射線遮へい壁79が向き合って第2床遮へい部材の両側に配置され、各放射性遮へい壁79の下端部が第2床遮へい部材に溶接にて固定される。放射線遮へい体である鉄板製の第3天井遮へい部材が各放射性遮へい壁79の上端に載せられ、第3天井遮へい部材が各放射性遮へい壁79の上端部に溶接にて固定される。一対の放射性遮へい壁79及び第3天井遮へい部材のそれぞれの端部が放射線遮へい壁84に溶接にて接合される。第2床遮へい部材、第3天井遮へい部材及び一対の放射線遮へい壁79で囲まれた領域内に、仕切りとなる放射線遮へい体80及び81が配置され、これらの遮へい体の周辺部が第2床遮へい部材、第3天井遮へい部材及び一対の放射線遮へい壁79にそれぞれ溶接にて接合される。放射線遮へい体80及び81にはそれぞれ開口部が形成される。放射線遮へい体80の開口部及び放射線遮へい体81の開口部は、それぞれドア30と同じ構成を有するドアで開閉される。第1床遮へい部材、第2天井遮へい部材、一対の放射線遮へい壁78及び放射線遮へい壁84に取り囲まれて形成される隔離室82は第1放射線遮へい室68を取り囲んでいる。放射線遮へい体80に移動可能に設けられたドア及び放射線遮へい体81に移動可能に設けられたドアは、同時に開くことはなく、前者のドアが開いているときは後者のドアが閉じられており、後者のドアが開いているときは前者のドアが閉じられている。
アクセス通路77の形成のステップS2において、孔開け装置35を外部から部屋83、隔離室82及び部屋67を通して第1放射線遮へい室68内に移動させる。放射線遮へい体81,80,66及び65に設けられた各ドアは、実施例1におけるドア30と同様に開閉される。第1放射線遮へい室68内の孔開け装置35を用いて側壁20Aに開口部を形成する(ステップS3)。孔開け装置35を隔離室82に移動させた後、干渉物除去装置39を、実施例1と同様に、第1放射線遮へい室68まで移動させ、さらに、ステップS3で側壁20Aに形成された開口部を通して原子炉建屋1内の領域16に移動させる。干渉物除去装置39を用いて第1放射線遮へい室68とアクセス通路58の間に存在する干渉物26を除去する。次に、ステップS5の工程が実施される。アクセス通路77の形成におけるステップS5では、干渉物除去装置39及び除去した干渉物26を収納した収納容器37は隔離室82まで移動される。
次に、アクセス通路77の形成における第2放射線遮へい室70の構築について説明する。第2放射線遮へい室70の構築は、実施例1におけるステップS6と実質的に同様に行われる。このステップS6において、第2放射線遮へい室70及び部屋69が第1放射線遮へい室68とアクセス通路58付近の生体遮へい体2の側面との間に形成される。第2放射線遮へい室70及び部屋69は、対向して配置される鉄板製の一対の放射線遮へい体85、天井になる第4天井遮へい部材(アクセス通路76の放射線遮へい体41に相当)及び床になる第3床遮へい部材(アクセス通路76の放射線遮へい体42に相当)に取り囲まれて形成される。これらの放射線遮へい部材が、第1放射線遮へい室68から側壁20Aに形成された開口部内、更にはこの開口部を通して原子炉建屋1の領域16に搬入され、実施例1と同様に溶接により組み立てられ、第2放射線遮へい室70及び部屋69が、第2放射線遮へい室47及び部屋48と同様にして形成される。側壁20Aに形成された開口部内に配置された一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材のそれぞれの端部は、第1放射線遮へい室68を形成する第1床遮へい部材、一対の放射線遮へい体62及び第1天井遮へい部材にそれぞれ溶接にて接続される。一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材のそれぞれの生体遮へい体2側の端部が生体遮へい体2の側面に接触しており、一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材のそれぞれの生体遮へい体2側の端部と生体遮へい体2の側面の間がシール部材により内側からシールされる。仕切り板である放射線遮へい体63及び64が生体遮へい体2から側壁20Aに向かってこの順番に間隔をおいて配置され、放射線遮へい体63及び64のそれぞれの周辺部が一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材のそれぞれの内面に溶接にて接合される。放射線遮へい体63に形成された開口部及び放射線遮へい体64に形成された開口部は、ドア30と同じ構成を有するドアでそれぞれ開閉される。一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材で取り囲まれた領域内において、第2放射線遮へい室70が生体遮へい体2と放射線遮へい体63の間に形成され、部屋69が放射線遮へい体63と放射線遮へい体64の間に形成される。
アクセス通路77は、第1床遮へい部材、一対の放射線遮へい体62及び第1天井遮へい部材で取り囲まれた領域(第1アクセス通路部)、及び一対の放射線遮へい体85、第4天井遮へい部材及び第3床遮へい部材で取り囲まれた領域(第2アクセス通路部)を含んでおり、隔離室82から生体遮へい体2の側面まで伸びている。アクセス通路77は部屋67、第1放射線遮へい室68、部屋69及び第2放射線遮へい室70を含んでいる。第1アクセス通路部は隔離室82内に存在し、第2アクセス通路部は側壁20Aに形成された開口部及び原子炉建屋1の領域16に存在する。
第2放射線遮へい室70を形成した後、ペデスタルに開口部を形成する(ステップS15)。孔開け装置35を、アクセス通路77及びアクセス通路58を通してPCV9内まで移動させ、アクセス通路58の延長線上でペデスタル5の外面に対向させる。孔開け装置35の切削具36を回転させながらペデスタル5の外面に押し付け、ペデスタル5を中心に向かって切削する。この切削によって、ペデスタル5に内部空間7に向かって貫通する開口部71が形成される。開口部71の形成によって生成されたペデスタル5の切削片は収納容器37に収納され、隔離室82まで搬送される。開口71が形成された後、孔開け装置35が隔離室82まで移動される。
多関節アクセス装置49Aを放射性廃棄物処理建屋18の領域19からアクセス通路76を通してアクセス通路76内の第2放射線遮へい室47までに移動させる(ステップS7)。これと並行して、多関節アクセス装置49Bを隔離室82からアクセス通路77を通してアクセス通路77内の第2放射線遮へい室70まで移動させる(ステップS7)。ステップS8の内部空間7に落下している溶融核燃料物質23の観察を行う。この観察には、多関節アクセス装置49Aの多関節アーム50の先端部に設けられたカメラ54を用いて行われる。この観察が終了した後、ステップS9における溶融核燃料物質23の破砕、及びステップS11における溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しが、平行して行われる。
ステップS9における溶融核燃料物質23の破砕は、第2放射線遮へい室70に配置された多関節アクセス装置49Bを用いて行われる。先端部に破砕機51を取り付けた、多関節アクセス装置49Bの多関節アーム50が、第2放射線遮へい室70からアクセス通路58、ドライウェル10及び開口部71を通して内部空間7まで伸ばされる。その後、多関節アーム50の操作によって、破砕機51が、下降されて、内部空間7に落下して冷却水24中に存在する溶融燃料物質23の表面に押し付けられ、破砕機51で発生する振動が加えられた溶融核燃料物質23が、破砕されて、溶融核燃料物質23の複数の破砕片55になる。この破砕機51によって溶融核燃料物質23の破砕が継続して行われる。
一方、ステップS11における、溶融核燃料物質23の破砕によって生じた破砕片55の取り出し、及びステップS12における破砕片55の収納容器53内への収納は、第2放射線遮へい室47に配置された多関節アクセス装置49Aを用いて行われる。先端部に掴み具52を取り付けた、多関節アクセス装置49Aの多関節アーム50が、第2放射線遮へい室47から制御棒駆動機構ハッチ15、ドライウェル10及びペデスタル開口6を通して内部空間7まで伸ばされる。その後、多関節アーム50の操作によって、掴み具52が、下降されて、冷却水24中に存在する溶融燃料物質23の破砕片55に接触し、この破砕片55を掴む。破砕片55を掴み具52で掴んだ後、多関節アーム50が縮められ、掴み具52が第2放射線遮へい室47内に戻される。掴み具52に掴まれている破砕片55が第2放射線遮へい室47内に存在する収納容器53内に収納される(ステップS12)。この掴み具52が内部空間7まで戻され、ステップS11及びS12の工程が、継続して行われる。
ステップS13における破砕片55を収納した収納容器53の搬出、及び放射性廃棄物処理建屋内のキャスク置き場に置かれた金属キャスク内への破砕片55の収納も、ステップS11における溶融核燃料物質23の破砕を行いながら実施することができる。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、アクセス通路76及び77を形成しているため、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕、及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しを平行して行うことができるため、落下した溶融核燃料物質23の取り出しに要する時間を、実施例1よりも短縮することができる。
アクセス通路77は、隔離室82とアクセス通路58を連絡するのではなく、アクセス通路76の側に別つに形成してもよい。この場合には、後述の実施例5におけるアクセス通路86のように、側壁20において開口部38の近くに他の開口部を形成し、更に、制御棒駆動装置ハッチ15の側で生体遮へい体2及びPCV9を貫通する貫通通路を新たに形成し、側壁20に形成された他の開口部を通して生体遮へい体2まで伸びて新たに形成した貫通通路に連絡されるアクセス通路77を形成する。このアクセス通路77内に、放射線遮へい材で構成された開閉可能なドアで仕切られた第2放射線遮へい室70、部屋69、第1放射線遮へい室68及び部屋67が前述したように形成される。第2放射線遮へい室70及び部屋69は生体遮へい体2と側壁20の間に配置され、第1放射線遮へい室68及び部屋67は放射性廃棄物処理建屋18内の領域19に配置される。このように、アクセス通路76の側にアクセス通路77を形成しても、前述したように、内部空間7内の溶融核燃料物質23の破砕を行いながら、溶融核燃料物質23の破砕片55を、内部空間7から原子炉建屋1の外部、すなわち、放射性廃棄物処理建屋18に取り出すことができる。
本発明の他の実施例である、沸騰水型原子力プラントに適用した実施例3の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、図17を用いて説明する。
本実施例の核燃料物質取り出し方法は、実施例2において、第2放射線遮へい室47内に存在する多関節アクセス装置49Aを用いて内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕を行い、第2放射線遮へい室70内に存在する多関節アクセス装置49Bを用いて内部空間7内からの溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しを行うものである。
実施例2と異なる部分について説明する。
内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕を行うために、多関節アクセス装置49Aの多関節アーム50の先端部に破砕機51が取り付けられる。内部空間7内からの溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しを行う多関節アクセス装置49Bの多関節アーム50の先端部に掴み具52が取り付けられる。溶融核燃料物質23の破砕、破砕片55の取り出し及び破砕片55の収納容器内への収納までの工程は、実施例2と実質的に同様に行われる。
本実施例では、金属キャスクが隔離室82内で放射線遮へい体により取り囲まれて形成されたキャスク置き場に置かれている。第2放射線遮へい室70において移動台車上に置かれた収納容器53内に所定量の破砕片55が収納された後、この収納容器53は移動台車の移動によってアクセス通路77を通って隔離室82まで搬送される。この収納容器53は、更に、キャスク置き場内まで搬送され、実施例1と同様に、昇降装置を用いて持ち上げられ、金属キャスクに向かって下向きに傾斜される。収納容器53内の破砕片55が金属キャスク内に収納される。所定量の破砕片55が収納された金属キャスクは、トレーラに積載されて隔離室82から放射線遮へい体80及び81にそれぞれ形成された開口部を通って原子力発電所内に設けられた前述の乾式燃料貯蔵施設内まで搬送され、乾式燃料貯蔵施設内に貯蔵される。
本実施例は、破砕片55を収納した収納容器53を放射性廃棄物建屋18内で移動させること、及び放射性廃棄物建屋18内で金属キャスクに破砕片55を収納することによって得られる効果を除いて、実施例2で生じる効果を得ることができる。本実施例は、密封された隔離室82内に破砕片55を収納した収納容器53を移動させ、隔離室82内に配置された金属キャスクに破砕片55を収納するので、実施例2で行われる、放射性廃棄物処理建屋内に設置された放射性廃棄物処理設備の配管等を避けて収納容器53の搬送通路及び金属キャスク置き場を確保する手間を省くことができる。
本発明の他の実施例である、沸騰水型原子力プラントに適用した実施例4の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、図17を用いて説明する。
本実施例の核燃料物質取り出し方法は、図17に示されたアクセス通路76及び77のうちアクセス通路77のみを形成し、このアクセス通路77を実施例1におけるアクセス通路76と同じように用いるものである。本実施例では、原子炉建屋1の側壁20には開口部38が形成されない。本実施例では、実施例1で実施されたステップS1〜S13の各工程及び実施例2で実施されたステップS14及びS15の各工程が実施される。本実施例では、実施例1と実質的に同様に、アクセス通77内の第2放射線遮へい室70に置かれた多関節アクセス装置49Bの多関節アーム50の先端部に破砕機51を取り付けて内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕を行い、多関節アーム50の先端部の破砕機51を掴み具52に取り替え、この掴み具52を用いて破砕片55を内部空間7から第2放射線遮へい室70に取り出す。取り出された破砕片55は、第2放射線遮へい室70内の収納容器53に収納され、アクセス通路77を通して実施例3と同様に隔離室82まで移動台車により搬送される。この収納容器53内の破砕片55は、隔離室82内のキャスク置き場に置かれた金属キャスク内に収納される。この金属キャスクは前述の乾式燃料貯蔵施設まで搬送される。
本実施例は、溶融燃料物質23の破砕とこの破砕片55の取り出しを並行して行うことによって得られる効果を除いて、実施例3で生じる各効果を得ることができる。
第2実施例、第3実施例及び実施例4において、アクセス通路77は、機器ハッチ59と、側壁20Aの外側に形成した隔離室82内に形成された第1放射線遮へい室68を連絡するように形成してもよい。このとき、第1放射線遮へい室68は、原子炉建屋1のコーナ部付近で側壁20Aの外側に形成され、ペデスタル5に形成される開口部71は、機器ハッチ59の延長線上に形成される。このようにアクセス通路を形成することにより、破砕機51を取り付けた多関節アーム50の内部空間7内への挿入、及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しは、開放された機器ハッチ59を通して行われる。
本発明の他の実施例である、沸騰水型原子力プラントに適用した実施例5の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法を、図18を用いて説明する。
本実施例の核燃料物質取り出し方法は、実施例1において、アクセス通路76の替りにアクセス通路86を形成し、このアクセス通路86を利用して、ペデスタル5内の内部空間7に落下した溶融核燃料物質23を破砕し、溶融核燃料物質23の破砕片55を取り出すものである。アクセス通路86は、放射性廃棄物処理建屋18内の領域19と、生体遮へい体2及びPCV9に新たに形成された貫通通路87を連絡する。貫通通路87は、制御棒駆動機構ハッチ15、アクセス通路58及び機器ハッチ59のように、生体遮へい体2及びPCV9に形成されている既存の貫通通路ではない。
アクセス通路86は、アクセス通路76と同じく、放射性廃棄物処理建屋18内において放射線遮へい体27,28及び一対の放射線遮へい体61で形成された第1アクセス通路部、及び開口部38及び原子炉建屋1内で放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60で形成された第2アクセス通路部を有する。その第1アクセス通路内には、形成された開口部が一対のドア30で開閉される放射線遮へい体29及び形成された開口部が一対のドア32で開閉される放射線遮へい体31が設けられ、第1放射線遮へい室33及び部屋34が形成されている。その第2アクセス通路内には、形成された開口部が一対のドア45で開閉される放射線遮へい体43及び形成された開口部が一対のドア46で開閉される放射線遮へい体44が設けられ、第2放射線遮へい室47及び部屋48が形成されている。
本実施例の核燃料物質取り出し方法を以下に説明する。本実施例におけるアクセス通路86は、実施例1で実施されるステップS1〜S5,新たなステップS16(貫通通路87の形成)、及び実施例1で実施されるステップS6の各工程での作業を行うことによって形成される。ステップS1で形成される第1放射線遮へい室33、すなわち、アクセス通路86の第1アクセス通路部を形成する、放射性廃棄物処理建屋18の領域19内での位置は、生体遮へい体2及びPCV9に形成される貫通通路87の位置との関係で適切に決められる。第1放射線遮へい室33及び部屋34を含むその第1アクセス通路部が領域19内の所定の位置に形成される(ステップS1)。ステップS2で第1放射線遮へい室33まで移動された孔開け装置35を用いて、側壁20の、第1放射線遮へい室33に対向する位置に、開口部38を形成する(ステップS3)。
その後、ステップS4及びS5が実行されて、貫通通路を生体遮へい体及びPCVに形成する(ステップS16)。ステップS16における貫通通路87の形成は、孔開け装置35を用いて行われる。孔開け装置35は、部屋34、第1放射線遮へい室33、側壁20に形成された開口部38、及び原子炉建屋1内の領域16を移動し、生体遮へい体2の、貫通通路87を形成する位置に達する。孔開け装置35の切削具36を回転させて生体遮へい体2及びPCV9を切削し、生体遮へい体2及びPCV9を貫通する貫通通路87を形成する。生体遮へい体2及びPCV9の切削は、孔開け装置35に設けられたカメラにより監視される。貫通通路87の縦断面積は、制御棒駆動機構ハッチ15、アクセス通路58及び機器ハッチ59のそれぞれの縦断面積よりも大きくなっている。
貫通通路87が形成された後、ステップS6の作業が実施され、第1放射線遮へい室33と貫通通路87を連絡する、アクセス通路86の第2アクセス通路部が、実施例1と同様に、放射線遮へい体41,42及び一対の放射線遮へい体60を用いて形成される。このアクセス通路部の形成における作業員の被ばくを低減するために、放射線遮へい体を、貫通通路87の領域16側の開口端を覆って領域16に配置することが望ましい。開口部71Aが貫通通路87の延長線上においてペデスタル5に形成される(ステップS15)。ペデスタル5を貫通する開口部71Aは、実施例2における開口部71の形成と同様に、孔開け装置35を用いて行われる。
実施例1と同様に、ステップS7〜S13の各工程の作業が順次実施され、内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23の破砕及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しが行われる。溶融核燃料物質23の破砕及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しは、実施例1と同様に、第2放射線遮へい室47に配置された多関節アクセス装置49を用いて行われる。溶融核燃料物質23の破砕及び溶融核燃料物質23の破砕片55の取り出しの際には、第2放射線遮へい室47に配置された多関節アクセス装置49の多関節アーム50の、破砕機51または掴み具52が取り付けられた先端部が、貫通通路87及び開口部71Aを通して内部空間7内に挿入されることによって行われる。破砕片55を収納して領域19まで搬送された収納容器53は、破砕片55を収納した状態で、放射性廃棄物処理建屋18内のキャスク置き場に置かれている金属キャスク内に収納される。この収納容器53内の破砕片55だけを金属キャスク内に収納してもよい。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、生体遮へい体2及びPCV9に形成されている既存の貫通通路(制御棒駆動機構ハッチ15、アクセス通路58及び機器ハッチ59)及びペデスタル5に形成されている既存の開口部(ペデスタル開口6)を使用しないで、新たな貫通通路87を生体遮へい体2及びPCV9に形成し、新たな開口部71Aをペデスタル5に形成する関係上、実施例1に比べて、内部空間7に落下した溶融核燃料物質23の取り出しに要する時間が長くなる。しかしながら、本実施例は、溶融核燃料物質23をRPV3の上方へ取り出す場合のようにRPV3が水没するまでPCV9内を冠水する必要がなくなり、PCV9の漏えい箇所を確認する検査、及びPCV9の漏えい箇所を封鎖する作業を行う必要がなくなるため、RPV3の下方に存在する内部空間7内に落下した溶融核燃料物質23を原子炉建屋1外に取り出すのに要する時間を短縮できる。
本実施例によれば、生体遮へい体2及びPCV9を貫通する新たな貫通通路87を形成するので、貫通通路の開口寸法の制約が無くなり、貫通通路87の縦断面積を大きくすることができ、作業効率を向上させることができる。
実施例2,3及び4においてアクセス通路77をアクセス通路86に替えてもよい。また、実施例2及び3においてアクセス通路76をアクセス通路86に替えてもよい。
1…原子炉建屋、2…生体遮へい体、3…原子炉圧力容器、4…炉心、5…ペデスタル、6…ペデスタル開口、7…内部空間、9…原子炉格納容器、10…ドライウェル、15…制御棒駆動機構ハッチ、16,19…領域、18…放射性廃棄物処理建屋、20…側壁、22…コンクリートマット、23…溶融核燃料物質、27,28,29,31,41〜44,60〜66…放射線遮へい体、30,32,45,46…ドア、33,68…第1放射線遮へい室、35…孔開け装置、36…切削具、37,53…収納容器、38,71,71A…開口部、39…干渉物除去装置、47,70…第2放射線遮へい室、49,49A,49B…多関節アクセス装置、50…多関節アーム、51…破砕機、52…掴み具、54…カメラ、55…破砕片、58,76,77,86…アクセス通路、82…隔離室、87…貫通通路。

Claims (18)

  1. 原子炉建屋内に設置されて前記原子炉建屋の一部である生体遮へい体で取り囲まれた原子炉格納容器、及び前記原子炉格納容器内に設置された筒状の原子炉圧力容器支持部材によって支持され、前記原子炉格納容器によって取り囲まれる原子炉圧力容器を有する原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法であって、
    前記原子炉建屋の側壁に第1開口部を形成し、
    前記原子炉圧力容器支持部材で取り囲まれた内部空間に落下した溶融核燃料物質の、破砕及び切削のいずれかに用いられるアクセス装置を、前記第1開口部を通して前記生体遮へい体の外部で前記原子炉建屋内に移動させ、
    前記アクセス装置の移動後に、前記アクセス装置に設けられた破砕手段及び切削手段のいずれかを、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している貫通通路、及び前記原子炉圧力容器支持部材に形成された第2開口部を通して、前記内部空間内に挿入し、
    前記内部空間内に挿入された前記破砕手段を用いた、前記溶融核燃料物質の破砕、及び前記内部空間内に挿入された前記切削手段を用いた、前記溶融核燃料物質の切削のいずれかを行い、
    前記溶融核燃料物質の破砕片及び前記溶融核燃料物質の切削片のいずれかを、前記第2開口部、前記貫通通路及び前記第1開口部を通して前記原子炉建屋の外部に取り出すことを特徴とする原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  2. 前記原子炉建屋の外部の第1隔離室から前記第1開口部を通って前記貫通通路に連絡され且つ放射線遮へい材で構成されたドアが内部に設けられている第1アクセス通路を、放射線遮へい体で取り囲んで形成し、前記アクセス装置の移動が、前記第1アクセス通路内を通して、前記第1隔離室から前記生体遮へい体に向かって行われ、前記破砕手段及び前記切削手段のいずれかの前記内部空間内への挿入は、前記アクセス装置が前記第1アクセス通路内に存在する状態で行われる請求項1に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  3. 前記第1アクセス通路が、前記第1隔離室内に配置され、前記放射線遮へい体で取り囲んで形成された第1アクセス通路部、及び前記第1アクセス通路部に連絡されて前記原子炉建屋内で前記生体遮へい体に向かって伸びており、前記放射線遮へい体で取り囲んで形成された第2アクセス通路部を含んでおり、
    前記第1アクセス通路の形成が、
    前記ドアである、放射線遮へい材で構成された第1のドアを内部に設けた前記第1アクセス通路部を前記第1隔離室内に形成し、
    前記側壁への前記第1開口部の形成が、前記第1アクセス通路部内から行われ、
    前記第1開口部の形成後において、前記第1開口部内を通り、別の前記ドアである、放射線遮へい材で構成された第2のドアを内部に設けた前記第2アクセス通路部を、前記原子炉建屋内に形成する、
    ことにより行われる請求項2に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  4. 前記原子炉建屋内で前記第2アクセス通路部を形成する領域に存在する干渉物を、前記第1開口部を通して除去し、前記干渉物を除去した後に、前記第2アクセス通路部の形成が行われる請求項3に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  5. 前記破砕手段及び前記切削手段のいずれかの前記内部空間内への挿入は、前記アクセス装置が、前記第2アクセス通路部内において前記第2ドアよりも前記生体遮へい体側に存在する状態で行われる請求項3または4に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  6. 前記溶融核燃料物質の破砕片及び前記溶融核燃料物質の切削片のいずれかの前記取り出しが、前記第1アクセス通路を通して行われる請求項ないし4のいずれか1項に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  7. 前記貫通通路として、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している既存の第1貫通通路を用いる請求項1に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  8. 前記第1貫通通路として、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している制御棒駆動機構ハッチ、機器ハッチ、及びエアロックドアを有するアクセス通路のいずれかを用いる請求項7に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  9. 新たな第2貫通通路を、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している既存の第1貫通通路とは別に、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通して形成し、この第2貫通通路を前記貫通通路として用いる請求項1に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  10. 前記第2開口部として、前記原子炉圧力容器支持部材に形成された既存の開口を用いる請求項7ないし9のいずれか1項に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  11. 新たな開口部を、前記原子炉圧力容器支持部材に形成された既存の開口とは別に、前記原子炉圧力容器支持部材を貫通して形成し、前記新たな開口部を前記第2開口部として用いる請求項7ないし9のいずれか1項に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  12. 前記第1アクセス通路の形成が、前記第1隔離室である放射性廃棄物処理建屋から前記第1開口部を形成し、その後、前記放射性廃棄物処理建屋から前記第1開口部を通して前記生体遮へい体に向かって行われる請求項2に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  13. 前記溶融核燃料物質の破砕片及び前記溶融核燃料物質の切削片のいずれかの前記取り出しが、前記破砕片及び前記切削片のいずれかを、前記第1アクセス通路を通して前記放射性廃棄物処理建屋まで移送することにより行われる請求項12に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  14. 前記第1アクセス通路の形成が、前記原子炉建屋の外部に放射性廃棄物処理建屋とは別に形成された前記第1隔離室から前記第1開口部を形成し、その後、この第1隔離室から前記第1開口部を通して前記生体遮へい体に向かって行われる請求項2に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  15. 前記第1アクセス通路の形成が、前記第1隔離室とは別の隔離室である、前記原子炉建屋の外部に形成された第2隔離室に面する前記原子炉建屋の前記側壁に形成された前記第1開口部を通して行われ、
    前記原子炉建屋の外部に配置された前記第1隔離室である放射性廃棄物処理建屋に面する前記原子炉建屋の他の側壁に、第3開口部を形成し、
    前記放射性廃棄物処理建屋から、前記第3開口部を通って、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している既存の他の貫通通路に連絡され且つ放射線遮へい材で構成された第3のドアが内部に設けられている第2アクセス通路を、放射線遮へい体で取り囲んで形成し、
    前記原子炉建屋内に存在する部分の前記第1アクセス通路内に前記アクセス装置が存在する状態で、前記破砕手段を用いた前記溶融核燃料物質の破砕、及び前記切削手段を用いた前記溶融核燃料物質の切削のいずれかが行われているとき、前記溶融核燃料物質の破砕片及び前記溶融核燃料物質の切削片のいずれかが、前記第2アクセス通路を通して前記放射性廃棄物処理建屋内に取り出される請求項2に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  16. 前記放射性廃棄物処理建屋内に取り出された前記破砕片及び前記切削片のいずれかを、前記放射性廃棄物処理建屋内で核燃料収納キャスク内に収納する請求項13または15に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  17. 前記第1アクセス通路の形成が、前記第1隔離室である放射性廃棄物処理建屋に面する前記原子炉建屋の前記側壁に形成された前記第1開口部を通して行われ、
    前記第1隔離室とは別の隔離室である、前記原子炉建屋の外部に形成された第2隔離室に面する前記原子炉建屋の他の側壁に、第3開口部を形成し、
    前記第2隔離室から、前記第3開口部を通って、前記生体遮へい体及び前記原子炉格納容器を貫通している既存の他の貫通通路に連絡され且つ放射線遮へい材で構成された第3のドアが内部に設けられている第2アクセス通路を、放射線遮へい体で取り囲んで形成し、
    前記原子炉建屋内に存在する部分の前記第1アクセス通路内に前記アクセス装置が存在する状態で、前記破砕手段を用いた前記溶融核燃料物質の破砕、及び前記切削手段を用いた前記溶融核燃料物質の切削のいずれかが行われているとき、前記溶融核燃料物質の破砕片及び前記溶融核燃料物質の切削片のいずれかが、前記第2アクセス通路を通して前記第2隔離室内に取り出される請求項2に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
  18. 前記第2隔離室内に取り出された前記破砕片及び前記切削片のいずれかを、前記第2隔離室内で核燃料収納キャスク内に収納する請求項17に記載の原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法。
JP2012216047A 2012-09-28 2012-09-28 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法 Active JP5937474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012216047A JP5937474B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012216047A JP5937474B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014070946A JP2014070946A (ja) 2014-04-21
JP5937474B2 true JP5937474B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=50746294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012216047A Active JP5937474B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5937474B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6349059B2 (ja) * 2013-06-28 2018-06-27 三菱重工業株式会社 放射性物質の処理設備
JP6230964B2 (ja) * 2014-06-19 2017-11-15 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料デブリ取出し装置と燃料デブリ取出し方法
JP2016114486A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 株式会社Ihi 燃料デブリの回収方法及び回収装置
JP6541020B2 (ja) * 2014-12-17 2019-07-10 株式会社Ihi 燃料デブリの回収方法及び回収装置
JP6440031B2 (ja) * 2015-03-18 2018-12-19 株式会社Ihi 炉底外構造物の解体回収工法と解体回収設備
JP6439933B2 (ja) * 2015-03-31 2018-12-19 株式会社Ihi 燃料デブリ回収時換気システム及び燃料デブリ回収時換気方法
JP6436304B2 (ja) * 2015-03-31 2018-12-12 株式会社Ihi 炉内デブリの回収方法及び回収装置
JP6459061B2 (ja) * 2015-04-07 2019-01-30 株式会社Ihi 廃棄物移送設備と廃棄物移送方法
JP6360458B2 (ja) * 2015-04-28 2018-07-18 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料デブリの取出し方法
JP2016217988A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子力プラント及び原子力プラントにおける核燃料物質の取り出し方法
JP6668747B2 (ja) * 2015-12-25 2020-03-18 株式会社Ihi 燃料回収方法
JP7104513B2 (ja) * 2017-12-21 2022-07-21 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子力施設における作業可否評価方法及びその装置
CN110634583B (zh) * 2019-09-25 2022-02-22 中国核动力研究设计院 单根乏燃料棒转运容器及其使用方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5899795A (ja) * 1981-12-09 1983-06-14 株式会社東芝 原子炉格納容器の貫通路における搬送装置
JP5728373B2 (ja) * 2011-12-05 2015-06-03 株式会社東芝 原子炉格納容器内部の遠隔作業方法
JP5784515B2 (ja) * 2012-01-30 2015-09-24 株式会社東芝 原子炉内燃料取出し方法及び装置
JP5967356B2 (ja) * 2012-03-21 2016-08-10 日立化成株式会社 溶融燃料取出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014070946A (ja) 2014-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5937474B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法
JP5728373B2 (ja) 原子炉格納容器内部の遠隔作業方法
JP5981324B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法
JP2013019875A (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
JP6442137B2 (ja) 原子炉機器搬出又は燃料デブリ搬出方法及び作業ハウス
JP6916239B2 (ja) 原子炉建屋全体カバー装置及び原子炉建屋準備作業方法
JP6338446B2 (ja) 燃料デブリ取り出し装置及び燃料デブリの取り出し方法
JP6349059B2 (ja) 放射性物質の処理設備
JP6541020B2 (ja) 燃料デブリの回収方法及び回収装置
JP6360458B2 (ja) 燃料デブリの取出し方法
JP6436304B2 (ja) 炉内デブリの回収方法及び回収装置
JP2014240781A (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の取り出し方法
JP6129656B2 (ja) 沸騰水型原子力プラントにおける燃料デブリの搬出方法及び作業ハウスシステム
JP5905947B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
JP2016114486A (ja) 燃料デブリの回収方法及び回収装置
JP6196926B2 (ja) 燃料デブリまたは炉内機器等の搬出用作業ハウス及びそれに用いられる作業員接近用エアロック装置
JP2015049060A (ja) 沸騰水型原子力プラントにおける燃料デブリ搬出装置及び搬出方法
JP2015206759A (ja) 原子炉圧力容器を開放する方法
JP6491814B2 (ja) 発電プラント解体時における汚染拡大防止方法及び発電プラント解体時の内部の調査方法
JP2016217987A (ja) 原子炉圧力容器を開放する方法及び燃料デブリの取出し方法
JP2017106818A (ja) 燃料貯蔵プール内の燃料集合体の搬出方法
JP6975384B2 (ja) 原子炉ウェルの遮蔽方法及び燃料デブリの回収方法
JP6230964B2 (ja) 燃料デブリ取出し装置と燃料デブリ取出し方法
JP2016145717A (ja) 燃料デブリの回収方法
JP2017181522A (ja) 原子力プラントにおける炉内構造物の搬出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5937474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350