JP5937457B2 - 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法 - Google Patents

老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5937457B2
JP5937457B2 JP2012176337A JP2012176337A JP5937457B2 JP 5937457 B2 JP5937457 B2 JP 5937457B2 JP 2012176337 A JP2012176337 A JP 2012176337A JP 2012176337 A JP2012176337 A JP 2012176337A JP 5937457 B2 JP5937457 B2 JP 5937457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber composition
aging agent
vulcanized rubber
surfactant
deterioration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012176337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014035253A (ja
Inventor
房恵 金子
房恵 金子
幸伸 河村
幸伸 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012176337A priority Critical patent/JP5937457B2/ja
Publication of JP2014035253A publication Critical patent/JP2014035253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5937457B2 publication Critical patent/JP5937457B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

本発明は、老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法に関する。
ゴム製品は使用環境の影響を受けて劣化してしまう。そのため、一般的に、ゴム製品には、劣化を低減することを目的として老化防止剤が配合されている。そして、ゴム製品を開発する際には、ゴム製品の劣化特性を評価するために、様々な劣化試験(促進劣化試験)が行われている。
劣化試験としては、一般的に、熱老化試験機で劣化させる促進老化試験(JIS−K6257)、オゾン劣化試験(JIS−K6259)、耐候性試験(JIS−K6266)、湿熱及び乾熱の複合試験(特許文献1)などが行われている。これらの劣化試験では、主としてゴム材料自体の耐熱性、耐オゾン性、耐候性等を調査するものであるが、促進評価を行うため、試験条件が、実際に市場において使用される場合よりも厳しく設定されており、実際の市場における評価との相関があまり高くないことが知られている。
一方、特にタイヤに使用されるゴムにおいては、市場においてゴム肌にひび割れ(クラック)が生じる現象がクレームの対象となっている。しかし、上述の試験では、この現象の発生について充分評価できていなかった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、ひび割れが発生したタイヤにおいては、ゴムに配合されていた老化防止剤が消費尽くされてほとんどゴム中に残留しておらず、ひび割れが発生していないタイヤではゴム中に老化防止剤が残留していることが明らかになってきた。実際に、上述の試験で促進劣化させた試料においても、ゴムに含まれる老化防止剤はほとんど消費されておらず、この点が問題となり、実際の市場における評価との相関があまり高くないものと考えられる。このように、実際の市場における評価との相関性を向上させるためには、劣化試験において、老化防止剤を含有するゴムにおける老化防止剤の減少を再現することが必要であると考えられる。
特開2005−98754号公報
本発明は、上記課題を解決し、老化防止剤を含有するゴムにおける老化防止剤の減少を短期間で再現可能な劣化試験方法を提供することを目的とする。
本発明は、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら試験を行うことを特徴とする老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法に関する。
界面活性剤水溶液を使用して、上記加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させることが好ましく、上記加硫ゴム組成物を上記界面活性剤水溶液で間欠的に洗浄、又は上記加硫ゴム組成物を上記界面活性剤水溶液中に連続的に浸漬することにより老化防止剤を減少させることがより好ましい。
上記界面活性剤が陰イオン性界面活性剤であることが好ましい。また、試験温度が40〜100℃であることが好ましい。
本発明によれば、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら試験を行うことを特徴とする老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法であるので、老化防止剤を含有するゴムにおける老化防止剤の減少を短期間で再現可能な劣化試験方法を提供できる。
本発明の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法は、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら試験を行うことを特徴とする。
老化防止剤は、オイルやワックスと共に加硫ゴムの内部から加硫ゴムの表面へ析出すると考えられる。この老化防止剤、オイル、ワックスのゴム表面への析出は、ゴム部材の内外に生じるこれらの物質の濃度差によるものと考えられている。そして、実際にタイヤが使用される際には、平衡に至るまで老化防止剤がタイヤ表面に移行してタイヤ表面を被覆することで、様々な老化因子からタイヤのゴム部材を守っているとされる。しかし、熱や紫外線、雨水、オゾンなどの様々な要因によって表面の老化防止剤が消費され、表面における老化防止剤濃度が平衡値から減少した際に、そのゴム部材内部との濃度差に起因して老化防止剤の表面への移行が生じる。結果として、ゴム内部の老化防止剤の濃度は時間と共に徐々に減少していくものと考えられる。以上のような老化防止剤の濃度減少メカニズムに基づくと、ゴム部材内部から老化防止剤を除去する有効な手段は、表面に移行した老化防止剤(表面析出物)を効率的に取り除いて表面の老化防止剤の濃度をほぼ0にすることであると考えられる。また、劣化を低減することを目的として配合されているワックスについても同様であると考えられる。
一般に老化防止剤やワックスの水への溶解度は低く、上記表面析出物の除去には有機溶剤を用いることが有効であると考えられる。しかし、ゴム部材に用いられる一般的なゴム材料は、有機溶剤に対して速やかに溶解もしくは膨潤することが知られている。一般的に、膨潤後に乾燥させたゴムは、膨潤時に生じた永久歪や可塑剤の流出により、膨潤前の物性と同等の物性を示すことはないとされている。したがって、一般的な有機溶剤は、上記表面析出物の効率的な除去には向かないと考えられる。
従って、上記表面析出物の除去は、タイヤ用ゴム部材(加硫ゴム組成物)が溶解や膨潤することのない水系で行うことが好ましい。水系において油分(上記表面析出物)を除去する手法としては、特に限定されず、純粋に水のみを用いる手法として、高圧水による物理的除去、超臨界水による溶解除去等が挙げられ、水以外の物質を用いる手法として、界面活性剤との併用(界面活性剤を水に溶解させた界面活性剤水溶液)による除去等が挙げられる。なかでも、界面活性剤水溶液の使用が好ましい。
本発明では、劣化試験中に、水系で(好ましくは、界面活性剤水溶液を使用して)、加硫ゴム組成物表面に存在する表面析出物の除去を行うことにより、加硫ゴム組成物が溶解や膨潤することなく、加硫ゴム組成物中の老化防止剤やワックスを短期間で減少させながら試験を行うことができる。
以上のように、本発明では、本来数年かかる市場におけるタイヤの劣化過程において重要な老化防止剤やワックスの減少を、その減少メカニズムを保持したまま短期間(数週間レベル)で再現することが可能となる。このため、これまで効果の確認に数年の歳月を必要としていた耐クラック性能の評価を大幅に短縮することができ、タイヤ用ゴム組成物の開発を促進できる。
上述のように、本発明の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法は、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら試験を行うことを特徴とする。
本発明の劣化試験方法としては、水系で(好ましくは、界面活性剤水溶液を使用して)、上記表面析出物を除去することにより、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら試験を行うことができる方法であれば特に限定されないが、(I)劣化試験中に、間欠的に界面活性剤水溶液を用いて加硫ゴム組成物を洗浄する方法、(II)劣化試験中に、加硫ゴム組成物を界面活性剤水溶液中に連続的に浸漬する方法を好適に採用できる。
(I)の方法の具体例としては、例えば、加硫ゴム組成物を恒温槽内に静置しておき、間欠的に界面活性剤水溶液を用いて加硫ゴム組成物の表面を洗浄する方法等が挙げられる。また、(II)の方法の具体例としては、例えば、界面活性剤水溶液が入れられた容器に加硫ゴム組成物を漬けておき、当該容器を恒温槽内に静置しておく方法等が挙げられる。
(I)の方法は、劣化試験中に、不連続な洗浄操作により表面析出物を除去する方法であり、より市場においてタイヤが受ける状況に即した試験方法である点で優れているが、洗浄操作が不連続であるために、老化防止剤の減少を促進する効果(すなわち、試験期間を短縮する効果)は(II)の方法に比べて劣る。
一方、(II)の方法は、劣化試験中に、試料内部より表面に移行してきた老化防止剤を連続的に除去する手法であり、充分な老化防止剤減少の促進効果(すなわち、試験期間を短縮する効果)が見込める一方、試料表面は常に界面活性剤水溶液にさらされており、必ずしも市場においてタイヤが受ける状況に即した試験であるとは言えない点で劣っている。
(I)の方法における洗浄方法としては、劣化試験中に、試料(加硫ゴム組成物)表面を、界面活性剤水溶液を用いて間欠的に洗浄することで、表面析出物を除去できる方法であれば特に限定されず、例えば、劣化試験中、間欠的に、界面活性剤水溶液を含浸させた布等で試料表面を拭うことにより、表面析出物を除去すればよい。また、劣化試験中、間欠的に、試料表面に界面活性剤水溶液を噴霧した後、試料表面に付着した界面活性剤水溶液を布等で拭うことにより表面析出物を除去することとしてもよい。また、劣化試験中、間欠的に、加硫ゴム組成物を界面活性剤水溶液中に一定時間浸漬した後、試料表面に付着した界面活性剤水溶液を布等で拭うことにより表面析出物を除去することとしてもよい。
洗浄は、8〜16時間おきに行うことが好ましく、10〜14時間おきに行うことがより好ましい。また、劣化試験中、老化防止剤の移行を促進させるため、加硫ゴム組成物は、好ましくは40℃以上、より好ましくは一般的な熱劣化条件である70℃以上、更に好ましくは75℃以上の環境に置かれることが好ましい。また、加硫ゴム組成物は、劣化試験中、ゴム材料の熱による変性を防止するために100℃以下の環境に置かれることが好ましい。
試験温度を上記温度範囲内とすることにより、実際の市場における評価との相関性を維持しつつ、加硫ゴム組成物中における老化防止剤の減少をより短期間で再現することができる。なお、洗浄操作の際に、一時的に上記温度範囲内を外れることとなってもよい。この場合、洗浄を行った後、次の洗浄を行うまでの間、再び上記温度範囲内の環境に加硫ゴム組成物を置いておけばよい。
(II)の方法における浸漬方法としては、劣化試験中に、試料(加硫ゴム組成物)を界面活性剤水溶液中に連続的に浸漬することで、加硫ゴム組成物の表面に移行してきた老化防止剤を連続的に水溶液中に分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、劣化試験中に、界面活性剤水溶液が入れられた容器に加硫ゴム組成物を連続的に漬けておけばよい。
劣化試験中、加硫ゴム組成物は、老化防止剤の移行を促進でき、更に、界面活性剤により良好に老化防止剤を水溶液中に分散できるという理由から、好ましくは40℃以上、より好ましくは一般的な熱劣化条件である70℃以上、更に好ましくは75℃以上の環境に置かれることが好ましい。また、劣化試験中、加硫ゴム組成物は、ゴム材料の熱による変性を防止するために100℃以下の環境に置かれることが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されず、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用可能である。
陰イオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の陰イオン性界面活性剤が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、例えばアミン系、アンモニウム系、ピリジウム系等の陽イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。界面活性剤は、使用する老化防止剤に応じて、該老化防止剤を水溶液中に分散できるものを適宜選択すればよい。なかでも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤水溶液において、界面活性剤の濃度は、特に限定されないが、効率的に表面析出物を除去できるという理由から、界面活性剤が十分に洗浄力を有する臨界ミセル濃度以上の濃度であることが好ましく、界面活性剤が十分に水溶液中に分散可能な限界の濃度である、水溶液が濁り始める曇点に対応する濃度未満であることが好ましい。
なお、本明細書において、界面活性剤水溶液とは、界面活性剤が水に溶解している溶液を意味する。ここで、界面活性剤水溶液には、溶媒として、水以外にもメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン等の水に混和する親水性溶媒が含まれていてもよいが、溶媒として水のみが使用されていることが好ましい。
次に、本発明の劣化試験方法が適用される(本発明の劣化試験方法による評価の対象となる)加硫ゴム組成物について説明する。
本発明で使用可能な加硫ゴム組成物としては、老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物であれば特に限定されない。
老化防止剤としては、耐熱性老化防止剤、耐候性老化防止剤等としてゴム組成物に通常使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系(フェニル−α−ナフチルアミン等)、ジフェニルアミン系(オクチル化ジフェニルアミン、4,4´−ビス(α,α´−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等)、フェニレンジアミン系(N−イソプロピル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等)等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;モノフェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等)、ビス、トリス、ポリフェノール系(テトラキス−[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等)等のフェノール系老化防止剤等が挙げられる。なかでも、アミン系老化防止剤(好ましくはフェニレンジアミン系)、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤の含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
加硫ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NR、BRが好ましい。
加硫ゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、補強用充填剤、シランカップリング剤、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス等の石油系ワックス、カルナバワックス、ホホバワックス、米糠ワックス、蜜蝋、キャンデリラワックス等の天然系ワックス(天然由来のワックス)等が挙げられる。上述のように、ワックスについても老化防止剤と同様の挙動を示すため、老化防止剤とともにワックスを配合した加硫ゴム組成物に対して、本発明の劣化試験方法を適用した場合、老化防止剤だけではなくワックスについても短期間で減少させながら劣化試験を行うことが可能である。
ワックスの含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜6質量部、より好ましくは1〜4質量部である。
補強用充填剤として、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ等を使用してもよい。補強用充填剤の合計含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは30〜90質量部である。
加硫ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
加硫ゴム組成物としては、老化防止剤の枯渇によりクラックの発生が問題となりやすいという理由から、タイヤに使用されるタイヤ用ゴム組成物であることが好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、製造例1で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製のBR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351(NSA:71m/g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
フェニレンジアミン系老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン)(老化防止剤6C)
キノリン系老化防止剤:ノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物)(老化防止剤RD)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日油(株)製の椿
粉末硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
(製造例1)(加硫ゴム組成物(試験片)の作製)
ゴム成分(天然ゴム50質量部、ブタジエンゴム50質量部)100質量部に対して、カーボンブラック60質量部、オイル5質量部、フェニレンジアミン系老化防止剤4質量部、キノリン系老化防止剤1質量部、ワックス2.5質量部、酸化亜鉛5質量部、及びステアリン酸3質量部を混練り配合し、混練物を得た。次に、この混練物に、粉末硫黄1.2質量部及び加硫促進剤0.35質量部を混練り配合し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して厚さ2mmの加硫ゴムシート(加硫ゴム組成物)を得た。得られた加硫ゴムシートから5cm角の正方形状に切り出したものを試験片とした。
(製造例2)(界面活性剤水溶液の調製)
陰イオン性界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸を含有するライオン社製「ママレモン」50mLを水道水50mLに溶解させたものを界面活性剤水溶液として調製した。
(実施例1)
試験温度である70℃に予め到達した加熱オーブン内に、試験片を直接置いた。そして、12時間おきに、製造例2で調製した界面活性剤水溶液を染み込ませた木綿布で、試験片の表面を丁寧に拭い取った。7日間試験を行い、計14回表面の洗浄を行った。
(実施例2)
試験温度を80℃に変更した点以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
試験片を直径10cmの蓋付きステンレスシャーレ内に置き、製造例2で調製した界面活性剤水溶液50mLをステンレスシャーレ内に加えて、界面活性剤水溶液に試験片を浸漬させ、ステンレスシャーレの蓋を閉じた。その後、当該ステンレスシャーレを試験温度である70℃に予め到達した加熱オーブン内に置き、7日間静置した。
(実施例4)
試験温度を80℃に変更した点以外は、実施例3と同様に行った。
(比較例1)
洗浄操作を行わない点以外は、実施例2と同様に行った(通常の熱劣化試験を行った)。
(残存老化防止剤濃度の計測)
上記試験後、効果を確認するために、以下の手法に基づき試験片内部の老化防止剤の濃度を計測した。
試験後の試験片より、1mm角の立方体形状に切り出したものを50mg準備し、アセトン(和光純薬工業社製特級)にて内部の老化防止剤等を抽出した。得られた抽出物を、ガスクロマトグラフィー装置(島津製作所社製)を用いて成分分析を行った。溶離剤として窒素ガス(島津製作所社製、純度99.9%)を用い、毎分50mL、50℃の条件で分離した後、概物質の溶出ピークの面積を用いて、概物質の重量分率を見積もった。
また、経過週数が判明している市場古品(中古タイヤ)の老化防止剤濃度を同一の手法を用いて分析し、経過週数に対して老化防止剤の減少量をプロットし、直線により近似した。この直線を基準として、測定した各例における老化防止剤の残存濃度に相当する経過週数を算出し、以下の式を用いて促進倍率を算出した。結果を表1に示す。なお、n.d.は未検出を示す。また、老化防止剤量は、試験片100質量%に対する量で示した。
促進倍率=(各例における老化防止剤の残存濃度に相当する経過週数)/(ラボ試験を行った週数(1週間))
Figure 0005937457
表1から、界面活性剤水溶液を使用して加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら劣化試験を行った実施例では、老化防止剤を含有するゴムにおける老化防止剤の減少を短期間で再現できた。また、ワックスの減少についても同様に、短期間で再現できた。
また、表1より、本発明を採用した場合の老化防止剤を減少させる速度は、市場に流通しているタイヤにおける老化防止剤の減少速度の90倍以上の促進効果が得られ、今回検討した条件では最大182倍の促進効果が得られた。この促進倍率は、市場でクラックの発生が問題視され始める経過年数である3年(160週)を、1週間もかからずに再現できることを意味しており、十分な促進効果が認められた。

Claims (7)

  1. 劣化試験中に、加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させながら該加硫ゴム組成物の劣化を進行させることを特徴とする老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  2. 界面活性剤水溶液を使用して、前記加硫ゴム組成物中の老化防止剤を減少させる請求項1記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  3. 前記加硫ゴム組成物を前記界面活性剤水溶液で間欠的に洗浄、又は前記加硫ゴム組成物を前記界面活性剤水溶液中に連続的に浸漬することにより老化防止剤を減少させる請求項2記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  4. 前記界面活性剤が陰イオン性界面活性剤である請求項2又は3記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  5. 試験温度が40〜100℃である請求項1〜4のいずれかに記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  6. 前記劣化が熱劣化である請求項1〜5のいずれかに記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
  7. 劣化試験中に、加硫ゴム組成物中の老化防止剤及びワックスを減少させる請求項1〜6のいずれかに記載の老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法。
JP2012176337A 2012-08-08 2012-08-08 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法 Active JP5937457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012176337A JP5937457B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012176337A JP5937457B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014035253A JP2014035253A (ja) 2014-02-24
JP5937457B2 true JP5937457B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=50284305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012176337A Active JP5937457B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5937457B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6852452B2 (ja) * 2017-02-22 2021-03-31 住友ゴム工業株式会社 タイヤ表面のクラック評価方法
JP7127467B2 (ja) * 2018-10-05 2022-08-30 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの試験方法
JP7439643B2 (ja) 2020-05-25 2024-02-28 住友ゴム工業株式会社 タイヤの摩耗方法及びタイヤの試験方法
CN114324840B (zh) * 2021-12-13 2024-01-23 天津六0九电缆有限公司 一种快速判定电缆料喷霜的试验方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4829815A (en) * 1988-05-13 1989-05-16 The Firestone Tire & Rubber Company Tire testing apparatus
JP3294901B2 (ja) * 1993-05-20 2002-06-24 花王株式会社 ゴム組成物
JP2005098754A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Sumitomo Rubber Ind Ltd 自動車用タイヤの老化試験方法
JP2006349641A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Bridgestone Corp タイヤ構成部材の劣化試験方法、及びタイヤ構成部材の劣化試験装置
EP2002993A4 (en) * 2006-04-04 2009-11-11 Yokohama Rubber Co Ltd PNEUMATIC HAVING SURFACE OF LIGHT BARRIER LAYER
JP5698514B2 (ja) * 2010-12-17 2015-04-08 住友ゴム工業株式会社 タイヤ劣化促進方法
JP5759221B2 (ja) * 2011-03-29 2015-08-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤのクラック試験方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014035253A (ja) 2014-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5937457B2 (ja) 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法
JP5456650B2 (ja) 改質天然ゴム、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5567454B2 (ja) 改質天然ゴム、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP4394978B2 (ja) ベルト層スチールコード用ゴム組成物およびそれにより被覆されたスチールコード
JP2007099932A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6852452B2 (ja) タイヤ表面のクラック評価方法
CN106565862A (zh) 一种天然胶乳无氨保存剂及其保存方法
JP6288763B2 (ja) 老化防止剤の定量方法
JP6215547B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2009286872A (ja) 接着性ゴム組成物
CN109804012B (zh) 充气轮胎
JP6121280B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2016155976A (ja) タイヤビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2014199188A (ja) 老化防止剤を含有する加硫ゴム組成物の劣化試験方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2017223586A (ja) 加硫ゴム組成物の劣化評価方法
JP2015098505A (ja) ニトリルゴム組成物
JP6135259B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2018189421A (ja) ゴム表面の検査方法
JP2016113474A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2006265391A (ja) タイヤトレッド用スプライスセメント
JP5539812B2 (ja) 改質天然ゴム、その製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7082367B2 (ja) 加硫ゴムの耐摩耗性の予測方法
JP2009293007A (ja) 炭酸ジメチル混合物
JP5397441B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6891181B2 (ja) ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5937457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250